JP4180250B2 - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等に使用されるガラス基板に対し、洗浄液や現像液等の処理液の液切り、乾燥処理を施す基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCDの製造工程において、LCD用のガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)の薄膜や電極パターンを形成するために、半導体デバイスの製造に用いられるものと同様のフォトリソグラフィ技術が利用される。フォトリソグラフィ技術では、フォトレジストをガラス基板に塗布し、これを露光し、さらに現像する。これらレジスト塗布、露光及び現像の一連の処理は、従来から、塗布、現像あるいはベーキング等の各処理を行う塗布現像処理システムによって行われている。
【0003】
この塗布現像処理システムにおいて、例えば、洗浄処理や現像処理工程では、ローラ式の搬送装置により矩形のガラス基板の両端を支持して搬送させながら、洗浄液や現像液等の処理液を基板に供給し処理を行っている。そしてこの後、同搬送状態で例えば基板表面にエアを吹き付けて処理液の液切り乾燥処理を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のガラス基板の薄型化、大型化により、ローラ式の搬送装置でガラス基板の両端2辺を載置するのみでは基板が重力により下方に撓んでしまうため、乾燥処理において基板表面全体にエアを均一に供給できず、的確な乾燥処理が行えなかった。
【0005】
特に、基板が撓むことにより処理液が基板中央付近に溜まりやすくなるので、このように溜まった処理液を除去することによる処理時間の遅延の問題も生じていた。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、搬送される基板表面に均一に気体を供給でき、的確な液切り乾燥処理を行うことができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点は、基板の両端を支持し所定の方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、第1の形状を有する噴出口を備えた第1のノズルと、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する噴出口を備えた第2のノズルと、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズルと第2のノズルとによる前記気体の噴出を選択的に切り替える手段とを具備する。
【0008】
このような構成によれば、搬送される基板の形状に対応させて、第1のノズル又は第2のノズルが選択され気体の噴出を行うようにしたので、基板表面に均一に気体を吹き付けることができ、液切り乾燥処理を的確に行うことができる。
【0009】
また、例えば、上記噴出口の形状を少しづつ異ならせて2つより多くのノズルを用意しておくことにより、あらゆる基板の搬送形状に合わせて精度良く液切り乾燥処理を行うことができる。
【0010】
更に、基板表面に均一に気体を吹き付けることができることにより、処理時間を遅延させることなく、迅速な液切り乾燥処理が可能となる。
【0011】
本発明の一の形態によれば、前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状を判別する手段と、前記判別手段により判別された基板の形状に基づき、前記切り替えを制御する手段とを具備する。
【0012】
このような構成によれば、フィードバック制御により、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0013】
本発明の一の形態によれば、前記判別手段は、前記所定の搬送方向に対して直角方向に配列された複数の光センサである。
【0014】
このような構成によれば、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0015】
本発明の一の形態によれば、前記基板は矩形であり、前記第1のノズル及び第2のノズルは、前記矩形基板の1辺の長さと少なくとも同一の長さを有する長尺形状であって、前記噴出口の第1の形状と第2の形状のうち少なくとも一方は、前記長尺形状の長さ方向に沿った略円弧状である。
【0016】
このような構成によれば、搬送される基板が自重により撓んでいても、この撓み形状に合わせて、例えば、下方向に略円弧状の噴出口を有する第1のノズル又は第2のノズルを選択し気体を基板表面に均一に噴出することできる。
【0017】
また、例えば、基板の形状を山型形状で搬送させる場合には、洗浄液や現像液等の処理液が両端に流れるので液切りが効果的に行えるが、このような場合にも、この基板の山型形状に合わせて、上方向に略円弧状の噴出口を有する第1のノズル又は第2のノズルを使用することにより、基板表面に均一に気体を噴出することができる。
【0018】
本発明の第2の観点は、基板の両端を支持し所定の方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれ異なる径の複数の噴出孔が配置された第1のノズルと、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の配置とは異なるように配置された第2のノズルと、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズルと第2のノズルとによる前記気体の噴出を選択的に切り替える手段とを具備する。
【0019】
このような構成によれば、例えば、第1のノズルの噴出孔を中央部から両端部にかけて順に径が小さくなるように形成し、一方、第2のノズルの噴出孔を中央部から両端部にかけて順に径が大きくなるように形成すれば、搬送される基板の形状が下方に撓んでいる場合には第1のノズルを選択して該第1のノズル中央部から噴出される気体の量を両端部から噴出される気体の量よりも多することにより、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。一方、搬送される基板の形状が上方に曲がった形状の場合には、第2のノズルを選択して該第2のノズル中央部から噴出される気体の量を両端部から噴出される気体の量よりも少なくすることにより、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。
【0020】
本発明の一の形態によれば、前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状を判別する手段と、前記判別手段により判別された基板の形状に基づき、前記切り替えを制御する手段とを具備する。
【0021】
このような構成によれば、フィードバック制御により、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0022】
本発明の一の形態によれば、前記判別手段は、前記所定の搬送方向に対して直角方向に配列された複数の光センサである。
【0023】
このような構成によれば、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0024】
本発明の一の形態によれば、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれ同一の径を有する複数の噴出孔が配置された第3のノズルを更に具備し、前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズル、第2のノズル及び前記第3のノズルによる前記気体の噴出を選択的に切り替える。
【0025】
このような構成によれば、例えば、正常な水平状態で搬送されてくる基板にも対応して、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。
【0026】
本発明の第3の観点によれば、基板の両端を支持し所定の方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれの間隔が異なる複数の噴出孔が設けられた第1のノズルと、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の間隔とは異なる間隔になるように設けられた第2のノズルと、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズルと第2のノズルとによる前記気体の噴出を選択的に切り替える手段とを具備する。
【0027】
このような構成によれば、例えば、第1のノズルの噴出孔同士の間隔を中央部から両端部にかけて順に大きくなるように形成し、一方、第2のノズルの噴出孔同士の間隔を中央部から両端部にかけて順に小さくなるように形成すれば、搬送される基板の形状が下方に撓んでいる場合には第1のノズルを選択して該第1のノズル中央部から噴出される気体の量を両端部から噴出される気体の量よりも多することにより、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。一方、搬送される基板の形状が上方に曲がった形状の場合には、第2のノズルを選択して該第2のノズル中央部から噴出される気体の量を両端部から噴出される気体の量よりも少なくすることにより、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。
【0028】
本発明の一の形態によれば、前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状を判別する手段と、前記判別手段により判別された基板の形状に基づき、前記切り替えを制御する手段とを具備する。
【0029】
このような構成によれば、フィードバック制御により、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0030】
本発明の一の形態によれば、前記判別手段は、前記所定の搬送方向に対して直角方向に配列された複数の光センサである。
【0031】
このような構成によれば、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0032】
本発明の一の形態によれば、前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれが等間隔に配置された複数の噴出孔を有する第3のノズルを更に具備し、前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズル、第2のノズル及び前記第3のノズルによる前記気体の噴出を選択的に切り替える。
【0033】
このような構成によれば、例えば、正常な水平状態で搬送されてくる基板にも対応して、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。
【0034】
本発明の第4の観点によれば、両端が支持され所定の方向に搬送される基板の形状を判別する工程と、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、第1の形状を有する噴出口を備えた第1のノズルと、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する噴出口を備えた第2のノズルとによる前記気体の噴出を、前記判別した基板の形状に基づき選択的に切り替える工程とを具備する。
【0035】
本発明の第5の観点によれば、両端が支持され所定の方向に搬送される基板の形状を判別する工程と、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれ異なる径の複数の噴出孔が配置された第1のノズルと、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の配置とは異なるように配置された第2のノズルとによる前記気体の噴出を、前記判別した基板の形状に基づき選択的に切り替える工程とを具備する。
【0036】
本発明の第6の観点によれば、両端が支持され所定の方向に搬送される基板の形状を判別する工程と、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれの間隔が異なる複数の噴出孔が設けられた第1のノズルと、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の間隔とは異なる間隔になるように設けられた第2のノズルとによる前記気体の噴出を、前記判別した基板の形状に基づき選択的に切り替える工程とを具備する。
【0037】
本発明の更なる特徴と利点は、添付した図面及び発明の実施の形態の説明を参酌することにより一層明らかになる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0039】
図1は本発明の搬送装置が適用されるLCD基板の塗布現像処理システムを示す平面図であり、図2はその正面図、また図3はその背面図である。
【0040】
この塗布現像処理システム1は、複数のガラス基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション2と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部3と、露光装置32との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェース部4とを備えており、処理部3の両端にそれぞれカセットステーション2及びインターフェース部4が配置されている。
【0041】
カセットステーション2は、カセットCと処理部3との間でLCD基板の搬送を行うための搬送機構10を備えている。そして、カセットステーション2においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送機構10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路12上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部3との間で基板Gの搬送が行われる。
【0042】
処理部3には、カセットステーション2におけるカセットCの配列方向(Y方向)に垂直方向(X方向)に延設された主搬送部3aと、この主搬送部3aに沿って、レジスト塗布処理ユニット(CT)を含む各処理ユニットが並設された上流部3b及び現像処理ユニット(DEV)18を含む各処理ユニットが並設された下流部3cとが設けられている。
【0043】
主搬送部3aには、X方向に延設された搬送路31と、この搬送路31に沿って移動可能に構成されガラス基板GをX方向に搬送する搬送シャトル23とが設けられている。この搬送シャトル23は、例えば支持ピンにより基板Gを保持して搬送するようになっている。また、主搬送部3aのインターフェース部4側端部には、処理部3とインターフェース部4との間で基板Gの受け渡しを行う垂直搬送ユニット7が設けられている。
【0044】
上流部3bにおいて、カセットステーション2側端部には、基板Gに洗浄処理を施すスクラバ洗浄処理ユニット(SCR)20が設けられ、このスクラバ洗浄処理ユニット(SCR)20の上段に基板G上の有機物を除去するためのエキシマUV処理ユニット(e−UV)19が配設されている。スクラバ洗浄処理ユニット(SCR)20には、ローラ搬送型の搬送装置50が設けられている。この搬送装置の両端部には、上記搬送機構10及び後述する搬送アーム5aとの間で基板Gの受け渡しを行う受け渡しピン46が設けられている。
【0045】
スクラバ洗浄処理ユニット(SCR)20の隣には、ガラス基板Gに対して熱的処理を行うユニットが多段に積み上げられた熱処理系ブロック24及び25が配置されている。これら熱処理系ブロック24と25との間には、垂直搬送ユニット5が配置され、搬送アーム5aがZ方向及び水平方向に移動可能とされ、かつθ方向に回動可能とされているので、両ブロック24及び25における各熱処理系ユニットにアクセスして基板Gの搬送が行われるようになっている。なお、上記処理部3における垂直搬送ユニット7についてもこの垂直搬送ユニット5と同一の構成を有している。
【0046】
図2に示すように、熱処理系ブロック24には、基板Gにレジスト塗布前の加熱処理を施すベーキングユニット(BEKE)が2段、HMDSガスにより疎水化処理を施すアドヒージョンユニット(AD)が下から順に積層されている。一方、熱処理系ブロック25には、基板Gに冷却処理を施すクーリングユニット(COL)が2段、アドヒージョンユニット(AD)が下から順に積層されている。
【0047】
熱処理系ブロック25に隣接してレジスト処理ブロック15がX方向に延設されている。このレジスト処理ブロック15は、基板Gにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(CT)と、減圧により前記塗布されたレジストを乾燥させる減圧乾燥ユニット(VD)と、基板Gの周縁部のレジストを除去するエッジリムーバ(ER)とが一体的に設けられて構成されている。このレジスト処理ブロック15には、レジスト塗布処理ユニット(CT)からエッジリムーバ(ER)にかけて移動する図示しないサブアームが設けられており、このサブアームによりレジスト処理ブロック15内で基板Gが搬送されるようになっている。
【0048】
レジスト処理ブロック15に隣接して多段構成の熱処理系ブロック26が配設されており、この熱処理系ブロック26には、基板Gにレジスト塗布後の加熱処理を行うプリベーキングユニット(PREBAKE)が3段積層されている。
【0049】
下流部3cにおいては、図3に示すように、インターフェース部4側端部に熱処理系ブロック29が設けられており、これには、クーリングユニット(COL)、露光後現像処理前の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)が2段、下から順に積層されている。
【0050】
熱処理系ブロック29に隣接して現像処理を行う現像処理ユニット(DEV)18がX方向に延設されている。この現像処理ユニット(DEV)18の隣には熱処理系ブロック28及び27が配置され、これら熱処理系ブロック28と27との間には、上記垂直搬送ユニット5と同一の構成を有し、両ブロック28及び27における各熱処理系ユニットにアクセス可能な垂直搬送ユニット6が設けられている。また、現像処理ユニット(DEV)18端部の上には、i線処理ユニット(i―UV)33が設けられている。現像処理ユニット(DEV)18には、上記ローラ搬送型の搬送装置50と同一の構成を有する搬送装置51が設けられている。
【0051】
熱処理系ブロック28には、クーリングユニット(COL)、基板Gに現像後の加熱処理を行うポストベーキングユニット(POBAKE)が2段、下から順に積層されている。一方、熱処理系ブロック27も同様に、クーリングユニット(COL)、ポストベーキングユニット(POBAKE)が2段、下から順に積層されている。
【0052】
インターフェース部4には、正面側にタイトラー及び周辺露光ユニット(Titler/EE)22が設けられ、垂直搬送ユニット7に隣接してエクステンションクーリングユニット(EXTCOL)35が、また背面側にはバッファカセット34が配置されており、これらタイトラー及び周辺露光ユニット(Titler/EE)22とエクステンションクーリングユニット(EXTCOL)35とバッファカセット34と隣接した露光装置32との間で基板Gの受け渡しを行う垂直搬送ユニット8が配置されている。この垂直搬送ユニット8も上記垂直搬送ユニット5と同一の構成を有している。
【0053】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る、液切り乾燥を行うためのエアナイフノズル及び上記搬送装置50、51を示す斜視図である。
【0054】
搬送装置50、51は、例えば、図示しないモータ等により回転駆動される複数のシャフト53に、それぞれガラス基板Gの両端を支持する搬送ローラ43が取り付けられており、これにより基板Gを矢印dで示す方向に搬送するように構成されている。なお、この図4で図示するよりも搬送上流側には、スクラバ洗浄処理ユニット(SCR)20においては、図示しない基板洗浄のための洗浄液やリンス液等を供給する装置が配置されており、現像処理ユニット(DEV)18においては、現像液やリンス液等を供給する装置が配置されている。
【0055】
この搬送装置50、51上には、窒素等の気体を噴出する長尺状の複数のエアナイフノズルA,B,Cが設けられている。これら各種エアナイフノズルA,B,Cの各正面図を図5、図6及び図7に示す。また、図8に各種エアナイフノズルA,B,Cの断面図を示す。
【0056】
図5に示すエアナイフノズルAは、下方向に略円弧状の気体の噴出口37が設けられ、この噴出口37から、例えば自重により撓んだ基板Gの形状に合わせて気体が噴出されて、洗浄液や現像液等の処理液が除去され乾燥処理されるようになっている。
【0057】
また、基板の種類によっては、図6に示すように上方向に曲がった形状で搬送される場合もあり得る。この基板Gの形状にも対応するために、エアナイフノズルBは、上方向に略円弧状の気体の噴出口38が設けられ、この噴出口38から気体が噴出され処理液が除去され乾燥処理されるようになっている。
【0058】
図7に示すエアナイフノズルCは、直線状の気体の噴出口39が設けられ、この噴出口39から、例えば、正常な搬送状態の基板Gの形状に合わせて気体が噴出されて、処理液が除去され乾燥されるようになっている。
【0059】
これら各種エアナイフノズルA,B,Cの長尺方向の長さはそれぞれ、搬送される基板の短辺の長さとほぼ同一に形成されているが、これより更に長くすることももちろん可能である。
【0060】
図4を参照して、各種エアナイフノズルA,B,Cが配置位置よりも搬送上流側には、搬送されるてくる基板Gの形状を判別する判別装置48が、搬送ローラ43の下方位置に配置されている。この判別装置は、例えば、一対の発光部及び受光部からなる光センサ36を基板搬送方向dに直角方向に複数配列させ、搬送される基板Gからの反射光を検出するようになっている。
【0061】
各種エアナイフノズルA,B,Cは、気体供給源49からそれぞれ供給管42、これら供給管42の開閉を行うバルブ45、46及び47を介して気体が供給されるようになっており、また、制御部41により、上記複数の光センサ36からの受光量に基づいて各バルブ45、46及び47の開閉が制御されるようになっている。すなわち、搬送される基板Gの形状に基づいて、各バルブ45、46又は47のうちいずれか1つのみを開とし、他の2つを閉としてエアナイフノズルA,B,Cの選択が行われる。
【0062】
以上のように、搬送される基板Gの形状に対応させてエアナイフノズルA,B又はCのうちいずれか1つが選択され気体の噴出を行うようにしたので、基板G表面に均一に気体を吹き付けることができ、液切り乾燥処理を的確に行うことができる。また、本実施形態のようにエアナイフノズルA,B,Cの3つの形状に限らず、例えば、円弧状の噴出口の曲率を少しづつ異ならせて3つより多くのエアナイフノズルを用意しておくことにより、あらゆる基板の搬送形状に合わせて精度良く液切り乾燥処理を行うことができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、光センサ36を設けたことにより、搬送される基板の形状を高精度に判別できる。
【0064】
ここで、搬送ローラ43により基板Gを搬送する際、図9に示すように、1対の搬送ローラ43間に補助ローラ55を設け基板Gの形状を山型形状で搬送させる場合がある。このように山型形状で搬送させることにより、例えば、処理液が両端に流れるので液切りが効果的に行えるが、このような場合にも、この基板Gの山型形状に合わせてエアナイフノズルBを使用することにより、基板表面に均一に気体を吹き付けることができる。
【0065】
また、基板表面に均一に気体を吹き付けることができることにより、処理時間を遅延させることなく、迅速な液切り乾燥処理が可能となる。
【0066】
以上のように構成された塗布現像処理システム1の処理工程については、先ずカセットC内の基板Gが処理部3部における上流部3bに搬送される。上流部3bでは、エキシマUV処理ユニット(e−UV)19において表面改質・有機物除去処理が行われ、次にスクラバ洗浄処理ユニット(SCR)20において、搬送装置50により基板Gが搬送されながら、洗浄処理及び液切り乾燥処理が行われる。
【0067】
続いて熱処理系ブロック24の最下段部で垂直搬送ユニットにおける搬送アーム5aにより基板Gが取り出され、同熱処理系ブロック24のベーキングユニット(BEKE)にて加熱処理、アドヒージョンユニット(AD)にて疎水化処理が行われ、熱処理系ブロック25のクーリングユニット(COL)による冷却処理が行われる。
【0068】
次に、基板Gは搬送アーム5aから搬送シャトル23に受け渡される。そしてレジスト塗布処理ユニット(CT)に搬送され、レジストの塗布処理が行われた後、減圧乾燥処理ユニット(VD)にて減圧乾燥処理、エッジリムーバ(ER)にて基板周縁のレジスト除去処理が順次行われる。
【0069】
次に、基板Gは搬送シャトル23から垂直搬送ユニット7の搬送アームに受け渡され、熱処理系ブロック26におけるプリベーキングユニット(PREBAKE)にて加熱処理が行われた後、熱処理系ブロック29におけるクーリングユニット(COL)にて冷却処理が行われる。続いて基板Gはエクステンションクーリングユニット(EXTCOL)35にて冷却処理されるとともに露光装置にて露光処理される。
【0070】
次に、基板Gは垂直搬送ユニット8及び7の搬送アームを介して熱処理系ブロック29のポストエクスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)に搬送され、ここで加熱処理が行われた後、クーリングユニット(COL)にて冷却処理が行われる。そして基板Gは垂直搬送ユニット7の搬送アームを介して熱処理系ブロック29の最下段において搬送装置51の受け渡しピン46に受け渡される。そして基板Gは現像処理ユニット(DEV)において、搬送装置51により基板Gが搬送されながら、現像処理及び液切り乾燥処理が行われる。
【0071】
そして、基板Gは熱処理系ブロック28における最下段から垂直搬送ユニット6の搬送アーム6aにより受け渡され、熱処理系ブロック28又は27におけるポストベーキングユニット(POBAKE)にて加熱処理が行われ、クーリングユニット(COL)にて冷却処理が行われる。そして基板Gは搬送機構10に受け渡されカセットCに収容される。
【0072】
図10は、本発明の第2の実施形態に係るエアナイフノズルの気体噴出部分の平面図である。本実施形態では、基板の搬送方向dに沿って各種エアナイフノズルL,M,Nが設けられており、これらエアナイフノズルL,M,Nには、気体を噴出する孔61、62、63が設けられている。
【0073】
エアナイフノズルLの噴出孔61は、中央部から両端部にかけて順に径が小さくなるように形成され、エアナイフノズルMの噴出孔62は、中央部から両端部にかけて順に径が大きくなるように形成され、また、エアナイフノズルNの噴出孔63は、すべて同一の径に形成されている。各エアナイフノズルL,M,Nにおいて、噴出孔同士の間隔はそれぞれ同一とされている。
【0074】
これにより、例えば、搬送される基板の形状が下方に撓んでいる場合には、エアナイフノズルLを選択してエアナイフノズル中央部から噴出される気体の量を両端部から噴出される気体の量よりも多することにより、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。一方、搬送される基板の形状が上方に曲がった形状の場合には、エアナイフノズルMを選択してエアナイフノズル中央部から噴出される気体の量を両端部から噴出される気体の量よりも少なくすることにより、基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。
【0075】
更に、搬送される基板が水平であれば、エアナイフノズルNを選択することにより基板表面に吹き付けられる気体の量を均一にすることができる。
【0076】
本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様にエアナイフノズルが配置される位置よりも搬送上流側に光センサを設け、これにより得られた基板の形状に基づいてエアナイフノズルL,M,Nを選択するようにすることももちろん可能である。これにより、搬送される基板の形状を高精度に判別することができる。
【0077】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る気体噴出部分の平面図である。本実施形態では、基板の搬送方向dに沿って各種エアナイフノズルH,I,Jが設けられており、これらエアナイフノズルH,I,Jには、気体を噴出する孔58、59、60が設けられている。
【0078】
エアナイフノズルHは、噴出孔58同士の間隔が中央部から両端部にかけて順に大きくなるように形成され、エアナイフノズルIは、噴出孔59同士の間隔が中央部から両端部にかけて順に小さくなるように形成され、また、エアナイフノズルJの噴出孔60同士の間隔は、すべて同一に形成されている。各エアナイフノズルH,I,Jにおいて、噴出孔の径はすべて同一とされている。
【0079】
これにより、上記第2の実施形態で得られる効果と同様の効果が得られ、また、エアナイフノズルが配置される位置よりも搬送上流側に光センサを設け、これにより得られた基板の形状に基づいてエアナイフノズルL,M,Nを選択するようにすることももちろん可能である。
【0080】
なお、本発明は以上説明した実施形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0081】
例えば、上記実施形態では、判別装置である光センサ36を基板Gの裏面側に配置させる構成としたが、これに限らず基板Gの上部に配置させ、又は上部及び下部の両側に配置させる構成としてもよい。
【0082】
また、上記第2の実施形態では噴出孔61〜63の径を異なるようにし、第3の実施形態では噴出孔58〜60同士の間隔を異なるようにしたが、第2及び第3の実施形態を組み合わせて基板に均一に気体を噴出するようにしてもよい。
【0083】
更に、上記第2及び第3の実施形態では、それぞれエアナイフノズルを3つ設ける構成としたが、噴出孔の径や噴出孔同士の間隔を少しずつ異ならせて、それぞれ3つよりも多くのエアナイフノズルを設ける構成とすることももちろん可能である。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、搬送される基板表面に均一に気体を供給でき、迅速かつ的確な液切り乾燥処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される塗布現像処理システムの全体構成を示す平面図である。
【図2】図1に示す塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1に示す塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエアナイフノズル及び搬送装置の斜視図である。
【図5】一実施形態に係る下方向に略円弧状の噴出口を有するエアナイフノズルの正面図である。
【図6】一実施形態に係る上方向に略円弧状の噴出口を有するエアナイフノズルの正面図である。
【図7】一実施形態に係る直線状の噴出口を有するエアナイフノズルの正面図である。
【図8】図5〜図7に示す各エアナイフノズルの断面図である。
【図9】基板を山型形状で搬送させる場合に、上方向に略円弧状の噴出口を有するエアナイフノズルを選択したときの正面図である。
【図10】第2の実施形態に係る各種エアナイフノズルの下方から見た平面図である。
【図11】第3の実施形態に係る各種エアナイフノズルの下方から見た平面図である。
【符号の説明】
G…ガラス基板
d…搬送方向
A,B,C…エアナイフノズル
L,M,N…エアナイフノズル
H,I,J…エアナイフノズル
36…光センサ
37〜39…噴出口
41…制御部
43…搬送ローラ
49…気体供給源
50、51…搬送装置
58〜60…噴出孔
61〜63…噴出孔
Claims (15)
- 基板の両端を支持し所定の方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、第1の形状を有する噴出口を備えた第1のノズルと、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する噴出口を備えた第2のノズルと、
前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズルと第2のノズルとによる前記気体の噴出を選択的に切り替える手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記切り替え手段は、
前記搬送される基板の形状を判別する手段と、
前記判別手段により判別された基板の形状に基づき、前記切り替えを制御する手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2に記載の基板処理装置において、
前記判別手段は、前記所定の搬送方向に対して直角方向に配列された複数の光センサであることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記基板は矩形であり、
前記第1のノズル及び第2のノズルは、前記矩形基板の1辺の長さと少なくとも同一の長さを有する長尺形状であって、前記噴出口の第1の形状と第2の形状のうち少なくとも一方は、前記長尺形状の長さ方向に沿った略円弧状であることを特徴とする基板処理装置。 - 基板の両端を支持し所定の方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれ異なる径の複数の噴出孔が配置された第1のノズルと、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の配置とは異なるように配置された第2のノズルと、
前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズルと第2のノズルとによる前記気体の噴出を選択的に切り替える手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項5に記載の基板処理装置において、
前記切り替え手段は、
前記搬送される基板の形状を判別する手段と、
前記判別手段により判別された基板の形状に基づき、前記切り替えを制御する手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の基板処理装置において、
前記判別手段は、前記所定の搬送方向に対して直角方向に配列された複数の光センサであることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項5から請求項7のうちいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれ同一の径を有する複数の噴出孔が配置された第3のノズルを更に具備し、
前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズル、第2のノズル及び前記第3のノズルによる前記気体の噴出を選択的に切り替えることを特徴とする基板処理装置。 - 基板の両端を支持し所定の方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれの間隔が異なる複数の噴出孔が設けられた第1のノズルと、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の間隔とは異なる間隔になるように設けられた第2のノズルと、
前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズルと第2のノズルとによる前記気体の噴出を選択的に切り替える手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項9に記載の基板処理装置において、
前記切り替え手段は、
前記搬送される基板の形状を判別する手段と、
前記判別手段により判別された基板の形状に基づき、前記切り替えを制御する手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項9又は請求項10に記載の基板処理装置において、
前記判別手段は、前記所定の搬送方向に対して直角方向に配列された複数の光センサであることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項9から請求項11のうちいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記搬送手段により搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれが等間隔に配置された複数の噴出孔を有する第3のノズルを更に具備し、
前記切り替え手段は、前記搬送される基板の形状に応じて、前記第1のノズル、第2のノズル及び前記第3のノズルによる前記気体の噴出を選択的に切り替えることを特徴とする基板処理装置。 - 両端が支持され所定の方向に搬送される基板の形状を判別する工程と、
前記搬送される基板表面に気体を噴出する、第1の形状を有する噴出口を備えた第1のノズルと、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する噴出口を備えた第2のノズルとによる前記気体の噴出を、前記判別した基板の形状に基づき選択的に切り替える工程と
を具備することを特徴とする基板処理方法。 - 両端が支持され所定の方向に搬送される基板の形状を判別する工程と、
前記搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれ異なる径の複数の噴出孔が配置された第1のノズルと、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の配置とは異なるように配置された第2のノズルとによる前記気体の噴出を、前記判別した基板の形状に基づき選択的に切り替える工程と
を具備することを特徴とする基板処理方法。 - 両端が支持され所定の方向に搬送される基板の形状を判別する工程と、
前記搬送される基板表面に気体を噴出する、それぞれの間隔が異なる複数の噴出孔が設けられた第1のノズルと、前記搬送される基板表面に気体を噴出する、前記複数の噴出孔が前記第1のノズルにおける前記複数の噴出孔の間隔とは異なる間隔になるように設けられた第2のノズルとによる前記気体の噴出を、前記判別した基板の形状に基づき選択的に切り替える工程と
を具備することを特徴とする基板処理方法。
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