JP4177395B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
磁気記録媒体には磁気テープや磁気ディスク、磁気カード等がある。その一つである磁気テープの用途には、オーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用等、種々の用途がある。コンピュータ用のデータバックアップ用テープについては、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化にともない、磁気テープ1巻当たりの記録容量が数百GBの磁気テープが商品化されている。しかし、ハードディスクのさらなる大容量化にともない、1TBを超える大容量バックアップテープが要望されることは必至であり、よって、磁気テープのさらなる大容量化は不可欠である。
大容量化の方法には、記録再生装置からのアプローチと記録媒体からのアプローチがある。
記録再生装置からのアプローチは、例えば,記録信号の短波長化やトラックピッチの狭幅化である。この場合、磁気テープからの漏れ磁束が小さくなるため、再生ヘッドには、微小磁束でも高い出力が得られるMRヘッドが使用される場合が多い。
媒体からのアプローチは、磁性粉末の微粒子化と、磁性粉末の磁気特性の改善である。
従来、コンピュータ用のデータバックアップ用テープを構成する磁気粉末には、オーディオ用のテープや家庭用ビデオテープに使用されていた磁性粉末(例えば、強磁性酸化鉄、Co変性強磁性酸化鉄、酸化クロム等の磁性粉末)と同様の磁性粉末が用いられていた。現在では、粒子径が25nm〜65nm程度の針状の強磁性鉄系金属粉末を用いることが提案されている。
針状の磁性粉末は、その形状磁気異方性により磁気特性を発現させているため、粒子径が減少すると保磁力(Hc)が低下し短波長記録特性が低下する傾向がある。しかし、粒子径が5nm〜30nm程度と小さくても結晶磁気異方性により磁気特性を発現する、板状や粒状の、六方晶Ba−フェライト磁性粉末や窒化鉄磁性粉末等(微粒子磁性粉末)については、磁気記録媒体の材料として用いることが提案されている。
しかし、上記針状や粒状や板状等のいずれの磁性粉末を使用する場合でも、磁性層中の空隙を小さくして磁性層の充填性を高くしなければ、十分な大容量化は実現できない。同時に、前述した記録再生装置からのアプローチであるMRヘッドの使用に適応させるには、磁性層表面の粗度を小さくし平滑にする必要がある。そのため、製造技術からのアプローチとして、溶媒が除去されることにより磁性層となる磁性塗膜の乾燥方法が種々提案されている(例えば特許文献1〜4等)。
特許文献1には、配向用のマグネットとドライヤとを備えた配向装置を複数台備えた磁気記録媒体製造装置が開示されている。この製造装置では、各ドライヤから供給される温風の風速や温度を、配向装置毎にコントロールできる。そして、この製造装置では、複数の配向装置から供給される温風の風速が、非磁性支持体の進行方向に沿って順次増加するように設定されている。
特許文献2には、乾燥ゾーンを2以上含む乾燥装置が開示されている。この乾燥装置では、最も上流に低温乾燥ゾーンが配置されており、この低温乾燥ゾーンより下流側に高温乾燥ゾーンが配置されている。低温乾燥ゾーンには、低温かつ低湿のガスを吹出し可能とする低温ガス吹出ノズルが配置されており、高温乾燥ゾーンには、上記低温ガス吹出ノズルから吹出されるガスよりも高温のガスを吹出可能とする高温ガス吹出ノズルが配置されている。
特許文献3には、磁気記録媒体の製造方法の一例が開示されている。この製造方法では、磁性塗料に含まれる溶媒の沸点を130℃以下とする。そして、恒率乾燥過程と減率乾燥過程とを含む乾燥処理中において、減率乾燥過程以後の雰囲気温度を40℃〜乃至80℃としている。また、同文献において、恒率乾燥過程における雰囲気温度は、通常、減率乾燥過程におけるそれよりも高い。よって、同文献に記載の磁気記録媒体の製造方法では、乾燥速度(溶媒の単位時間当たりの除去量)が一定になる瞬間はあるものの、積極的な恒率乾燥は行なわれていない。なお、恒率乾燥過程では、乾燥速度が一定であるのに対して、減率乾燥過程では、塗膜中の溶媒減少に伴い乾燥速度も低下している。
特許文献4には、磁気記録媒体およびその製造方法が開示されている。この磁気記録媒体の磁性層に含まれる残存溶媒量は5mg/m2である。特許文献4には、乾燥処理中において、恒率乾燥過程における乾燥速度を1〜20kg/m2・hrとすることが開示されている。この乾燥速度では恒率乾燥期間は0.1秒以下となるが、このように短時間では、恒率乾燥を積極的に行うことはできない。
以上のとおり、特許文献1〜4に開示された製造装置や製造方法等では、いずれも、比較的長い恒率乾燥過程を経ることなく減率乾燥過程へと移行している。その理由は、恒率乾燥過程を長くすると、乾燥設備および配向設備の大型化や、生産速度低下等の不利益を伴うからである。
特開平10−124866号公報 特開2004−19958号公報 特開昭63−42030号公報 特開平4−229415号公報
しかし、これらの文献に記載の方法では、磁性層における磁性粉末の充填率を十分に高くできないし、平滑性も不十分となる。
そこで、本発明は、上記状況に鑑み、磁性層における磁性粉末の充填率が高く、かつ平滑性が高い磁気記録媒体およびその製造方法を提供する。
課題を解決するための手段
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体の一方の主面側に磁性層が配置された磁気記録媒体の製造方法であって、前記非磁性支持体の一方の主面側に、磁性粉末と第1バインダ樹脂と第1溶媒とを含む磁性塗料を塗布して磁性塗膜を形成し、前記磁性塗膜から前記第1溶媒を除去する乾燥処理を所定の期間行いながら、前記磁性塗膜に含まれる磁性粉末を所定方向に磁場配向させる、磁性層形成工程を含み、前記磁性層形成工程において、前記乾燥処理は、前記磁性塗膜の表面温度の上昇が停止して略一定の温度に達するまで前記磁性塗膜を加熱する予熱過程と、前記予熱過程後に行なわれ前記磁性塗膜の表面温度が略一定に保たれる恒率乾燥過程と、前記恒率乾燥過程後に行なわれ前記磁性塗膜の表面温度が、前記恒率乾燥過程を行っている際のそれよりも高くなり、前記磁性塗膜を固化させる減率乾燥過程とからなり、前記恒率乾燥過程が行われる恒率乾燥期間は0.2秒以上であり、前記第1溶媒は1種の溶媒からなるか、または沸点の異なる2種以上の溶媒からなり、前記第1溶媒に含まれる溶媒のうちの沸点が最も低い溶媒の沸点T b と、前記恒率乾燥期間中における前記磁性塗膜の表面温度T s との差(T b −T s )が、1℃〜50℃であることを特徴とする。
本発明の磁気記録媒体は、上記本発明の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
本発明では、磁性層形成工程において、磁性塗膜の表面温度が、0.2秒以上略一定となる、恒率乾燥が行なわれるので、磁性粉末の充填率が高く、かつ、表面の平滑性が優れた磁性層を形成できる。よって本発明では、より大容量化され高出力可能な磁気記録媒体およびその製造方法を提供できる。
本発明者らは、磁性塗料の塗布後に行なわれる、乾燥処理の条件や磁場配向の条件等について検討を重ねた結果、乾燥処理について従来は想定し得なかった条件を選択することにより、磁性粉末の充填性および表面の平滑性が優れた磁性層が得られることを見出した。本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する前に、先ず、図4を用いて従来の磁気記録媒体の製造方法における乾燥処理について説明する。
なお、図4において、実線からなる曲線は、塗膜中の溶媒の含有率の変化を示しており、点線からなる曲線は塗膜表面の温度変化を示している。
非磁性支持体の一方の主面側に磁性塗料を塗布することによって形成された磁性塗膜に対して、乾燥機内で乾燥処理が開始されると、図4に示すように、塗膜表面は、溶媒が急激に蒸発し始める温度に達するまで上昇する(予熱期間)。この予熱期間中における塗膜中の含溶媒率の減少は少ない。この期間を過ぎると、溶媒の蒸発が本格化する。従来例では、温度が比較的高く、かつ、風速が比較的大きい熱風を塗膜に供給している。そのため、塗膜から溶媒が蒸発することによって塗膜から奪われる蒸発潜熱よりも、塗膜が周囲から受け取る熱量の方が圧倒的に多い。よって、極めて短時間のうちに溶媒の蒸発が行われる。塗膜の表面温度Tsについては急上昇し、塗膜の含溶媒率は急激に減少する。そのうちに、塗膜中の溶媒はほとんどなくなり、塗膜が固定化され、塗膜の表面温度Tsは乾燥機内の雰囲気温度に近づく(減率乾燥期間)。なお、「固定化」とは、磁化容易軸が戻り配向しない状態となることを意味する。
塗膜に含まれる磁性粉末の磁化容易軸を揃える磁場配向については、従来、塗布終了後から減率乾燥期間が終了する前までの間に行われていた。磁場配向は塗膜に外部から磁界を印加して行う。図4に示した従来の磁気記録媒体の製造方法における乾燥処理では、比較的短時間で溶媒の除去(乾燥)が完了するので、塗布速度を大きくすることができ、乾燥機長も短くでき、磁場配向に必要な設備も小さくてすむ。そのため、このような乾燥処理を行う従来の磁気記録媒体の製造方法は、生産効率が良く、設備投資も少なくて済むという利点を有している。しかし、この製造方法は、高生産効率化およびコスト低減に有利である一方で、磁気記録媒体を構成する磁性層における磁性粉末のさらなる高充填率化および平滑化については不十分であった。
一方、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、磁性塗膜の表面温度Tsについて、図1に示すような温度管理がなされた乾燥処理を経て、磁性層を得る。なお、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に直接磁性層が設けられた単層構造の磁気記録媒体のほか、非磁性支持体上に非磁性層を介して磁性層が設けられた重層構造の磁気記録媒体等にも適用される。
図1に示すように、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においても従来の製造方法の場合と同様に、まず、磁性塗膜の表面の温度は、磁性塗膜中の第1溶媒が急激に蒸発し始める温度にまで上昇される(予熱期間)。その後、磁性塗膜の表面温度Tsは、0.2秒以上(恒率乾燥期間)略一定に保たれる。恒率乾燥期間中は、磁性塗膜から第1溶媒が蒸発することによって磁性塗膜から奪われる蒸発潜熱と、磁性塗膜が周囲から受け取る熱量との釣合いがほぼ取れている。そのため、磁性塗膜の表面温度Tsは略一定に保たれる。この間は、磁性塗膜の含溶媒率がほぼ定率で減少する。その後、磁性塗膜中の第1溶媒がほとんどなくなると、塗膜は固定化され、第1塗膜の表面温度Tsは乾燥機内雰囲気の温度に近づいていく(減率乾燥期間)。
このように、乾燥処理中に、0.2秒以上の恒率乾燥期間を設けると、第1溶媒を含む流動性のある磁性塗膜中で沸騰等に伴う激しい流動が生じたり、気泡が発生したりすることが抑制される。また、乾燥処理中に、恒率乾燥期間を積極的に設けることによって、磁性塗膜の含溶媒率がほぼ定率で減少する期間が長くなり、よって、第1溶媒の除去に伴って磁性塗膜中に発生し得る空隙も少なくなる。そのため、磁性層中に磁性粉末をより密に充填させることが可能となる。さらに、得られる磁性層の表面の平滑性も向上するので、磁気記録媒体の出力が向上する。
塗膜の厚さ(以下「ウエット厚さ」とも言う。)は乾燥すると、乾燥前の1/3〜1/8になる。磁気記録媒体が非磁性支持体上に直接磁性層が配置された単層構造の場合、磁性層の厚さ(以下「ドライ厚さ」ともいう。)は、好ましくは0.1μm〜3μm、より好ましくは0.5μm〜2μmである。よって、磁性塗料の塗布は、ウエット厚さが好ましくは0.3μm〜24μm、より好ましくは1.5μm〜16μm、となるように行なわれると好ましい。磁気記録媒体が非磁性支持体上に非磁性層を介して磁性層が設けられた重層構造の場合、磁性層の厚さと非磁性層の厚さの総和は、好ましくは0.1μm〜3μm、より好ましくは0.5μm〜2.0μmである。そのため、非磁性塗膜(乾燥後、非磁性層となる)の上に、ウエット・オン・ウエットで磁性塗膜が形成される場合には、磁性塗膜厚さと非磁性塗膜の厚さの総和は、好ましくは0.3μm〜24μmであり、より好ましくは1.5μm〜16μmである。この場合、磁性塗膜の厚さは、好ましくは0.03μm〜1.6μm、より好ましくは0.1μm〜0.8μmであり、非磁性塗布膜の厚さは、好ましくは0.27μm〜22.4μm、より好ましくは1.4μm〜15.2μmである。
恒率乾燥期間は、0.2秒以上であることを要する。非磁性塗膜上に、ウエット・オン・ウエットで磁性塗膜が形成される場合も同様に、恒率乾燥期間は0.2秒以上であることを要する。恒率乾燥期間が短すぎると(換言すると、溶媒の除去速度が速すぎると)、乾燥中の磁性塗膜内で激しい対流が生じたり、気泡が発生したりする。そのため、得られる磁性層における磁性粉末の充填性や磁性層の平滑性が損なわれるからである。
恒率乾燥期間の上限について特に制限はないが、長すぎると、生産性が著しく低下する。また、固定化に時間がかかるため、配向磁石がたくさん必要になり、設備にコストがかかる。そのため、恒率乾燥期間の上限は10秒以下であると好ましい。また、充填性、平滑性、および配向性をよりいっそう高める観点から、恒率乾燥期間は、1秒以上10秒以下であるとより好ましい。
恒率乾燥期間中の、磁性塗膜の表面温度Tsは、磁性塗膜に含まれる第1溶媒の沸点等に応じて異なる。第1溶媒は1種の溶媒からなるか、または、沸点の異なる2種以上の溶媒からなるが、第1溶媒に含まれる1種以上の溶媒のうちの沸点が最も低い溶媒の沸点Tbと磁性塗膜の表面温度Tsと差(Tb−Ts)は、1℃〜50℃である。具体的には、恒率乾燥期間中の磁性塗膜の表面温度Tsは30℃〜80℃であると好ましいので、上記Tbは、この温度範囲のいずれかの温度よりも1℃〜50℃高い。このような溶媒を選択することにより、恒率乾燥期間の制御がしやすくなる。
恒率乾燥中の磁性塗膜の表面温度Tsの制御は、従来公知の方法を用いることができる。基本的には、磁性塗膜から第1溶媒が蒸発することによって磁性塗膜から奪われる蒸発潜熱と、磁性塗膜が周囲から受け取る熱量との釣合いがほぼ取れるようにすればよい。具体的には、加熱手段としてドライヤ等を用い、熱風の温度や風速、磁性塗膜と加熱手段との距離等を適宜調節すればよい。加熱手段として、遠赤外線ヒータを用いてもよい。これらの加熱手段はそれぞれ単独で用いてもよいし、両方を組み合わせて用いてもよい。
蒸発した第1溶媒を乾燥処理雰囲気外に排出させる方法についても、特に制限はなく、従来公知の方法を用いて行えばよい。例えば、蒸気の状態で上記雰囲気外に排出させてもよいし、凝縮手段によって一旦凝縮させてから上記雰囲気外に排出させてもよい。
磁性塗膜の形成に用いられる磁性塗料の全成分のうちの、第1溶媒を除く残りの成分(以下、「溶媒除外成分」ともいう。)の総濃度は、10〜50wt%が好ましく、20〜35wt%がより好ましい。磁性塗料中の溶媒除外成分濃度が低すぎると粘度が小さすぎて溶媒除外成分の分散性が低下し、磁性塗膜の均一性が低下するからである。一方、磁性塗料中の溶媒除外成分濃度が高すぎると粘度が大きくなりすぎて、磁性塗料の塗布適性が低下するからである。よって、塗料における第1溶媒の含有量は50〜90wt%が好ましく、65〜80wt%がより好ましい。
磁性塗料に含まれる第1溶媒は、従来公知の磁性層形成用の塗料に含まれる溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メチルエチルケトン(沸点80℃)、シクロヘキサノン(沸点156℃)、メチルイソブチルケトン(沸点116℃)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、ジオキサン(沸点101℃)等のエーテル系溶媒、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸ブチル(沸点127℃)等の酢酸エステル系溶媒、トルエン(沸点111℃)等が挙げられる。これらは、一種類だけで用いてもいいし、2種以上組み合せて用いてもよい。なかでも、第1バインダ樹脂に対する溶解性、磁性粉末に対する分散性、蒸発速度、およびコストの観点から、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、またはトルエン等が好ましい。
上記のとおり、磁気記録媒体が単層構造の場合、磁性塗膜の厚みは、0.3μm〜24μmであると好ましく、1.5μm〜16μmであるとより好ましい。また、磁気記録媒体が重層構造の場合、磁性塗膜の厚さは、0.03μm〜1.6μmであると好ましく、0.1μm〜0.8μmであるとより好ましい。これらの範囲が好ましいのは、磁性塗膜の厚さが薄すぎると、均一な磁性塗膜の形成が困難となり、磁性塗膜の形成自体も困難となるからである。また、磁性塗膜の厚さが厚すぎると(すなわち磁性層の厚さが厚すぎると)、電磁変換特性が低下したり、コスト高になるからである。
乾燥処理と並行して行なわれる磁場配向は、磁気記録媒体の種類に応じて従来公知の方法で行える。具体的には、磁場配向には、例えば、磁場を発生させる、永久磁石やソレノイドコイル等を単独で、または組み合せて使用すればよい。
例えば、長尺な磁気テープを製造する製造ライン中、非磁性支持体の一方の主面側に磁性塗料が塗布される領域を塗布ゾーンとする。塗布ゾーンにて形成された磁性塗膜に対して乾燥処理を行う領域を乾燥ゾーンとする。乾燥ゾーンでは、磁性塗膜に対して、予熱、恒率乾燥、減率乾燥がこの順で行なわれる。この場合、塗布ゾーンと乾燥ゾーンとの間に永久磁石を配置し、乾燥ゾーンには、複数のソレノイドコイルを配置する。乾燥ゾーン中では、磁性塗膜に対してソレノイドコイルを用いた磁場配向を行って、磁場配向を完了させると好ましい。磁場配向が効率的にかつ確実に行えるからである。予熱中の磁性塗膜に対して、ソレノイドコイルを用いた磁場配向を行ってもよい。しかし、配向設備が大きくなりすぎて場所を取りコストが高くなるので、予熱中の磁性塗膜に対しては、必ずしも磁場配向を行う必要はない。
恒率乾燥によって磁性塗膜中の殆どの溶媒が除去される場合、少なくとも減率乾燥が開始される直前までは、磁性塗膜に対して、ソレノイドコイルを用いた磁場配向がなされると好ましい。溶媒除去中の磁性塗膜が磁場から開放されると、一方向に揃っていた磁化容易軸の配向性が損われるおそれがあるからである。
上記永久磁石により印加される外部磁場の強さは、5kOe〜15kOeが好ましい。ソレノイドコイルにより印加される外部磁場の強さは、1.5kOe〜10kOeが好ましい。
次ぎに、図2を用いて、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例についてより具体的に説明する。
まず、塗布ゾーンAにて、帯状の非磁性支持体7の一方の主面側に磁性粉末を含む磁性塗料8を塗布して、磁性塗膜を形成する。次いで、非磁性支持体7と磁性塗膜とを含む帯状の積層体Tを、一対の永久磁石9間に形成された反発磁場中を通過させる。次いで、乾燥ゾーンBに搬入する。
磁性塗料の塗布方法は、例えば、グラビアコート法、ダイコート法等の従来から公知の方法にて行う。搬送手段は、例えば、複数のガイドロール5等から構成されている。
乾燥ゾーンB内には、複数の熱風供給部1、ヒータ4、溶媒蒸気を含んだ熱風を排気する排気部2、複数のソレノイドコイル3が配置されている。複数のソレノイドコイル3は、例えば、製造ラインの進行方向に沿ってほぼ等間隔に配置されている。熱風供給部1は、例えば、熱風を吹出し可能なドライヤである。熱風供給部1や排気部2の数および位置等については、塗布速度、乾燥ゾーン長さ等を考慮して適切に決定される。
複数の熱風供給部1は、全ソレノイドコイル3よりも上流側に配置された第1熱風供給出部1aと、各ソレノイドコイル3間に配置された第2熱風供給部1bと、全ソレノイドコイル3よりも下流側に配設された第3熱風供給1cとを含む。ここで、「上流側」とは、積層体Tが搬送される方向において、塗布ゾーンAに近い側をいい、「下流側」とは、塗布ゾーンBから遠い側をいう。
乾燥ゾーンBに搬入された積層体Tは、先ず、複数の第1熱風供給部1aから吹出された熱風により予熱される。第1熱風供給部1aから供給される熱風の温度は比較的低く、風速も比較的遅いほうが好ましい。好ましい温度、好ましい風速は、磁性塗膜の厚さ、磁性塗膜に含まれる溶媒の種類(溶媒組成)、磁性塗料の塗布速度等により異なるが、通常、温度は35〜90℃が好ましく、風速は0.5〜15m/秒が好ましい。熱風の温度が低すぎ、および/または熱風の風速が遅すぎると、予熱が十分に行われず、恒率乾燥の開始も遅くなるからである。また、熱風の温度が高すぎ、および/または熱風の風速が速すぎると、恒率乾燥の際の磁性塗膜の表面温度Tsが高くなりすぎ、恒率乾燥期間を好ましい範囲に制御することが困難になるからである。
第1熱風供給部1aと積層体Tとの距離は1cm〜100cmが好ましい。上記距離が短すぎると、熱風が磁性塗膜に強く当り過ぎて、乾燥むらが発生したり、磁性塗膜内部の乾燥が不均一になるからである。また、上記距離が長すぎると、熱風が磁性塗膜の表面に十分に届かなくなって、乾燥が十分に行えなくなるからである。
ヒータ4は、例えば遠赤外線ヒータである。遠赤外線ヒータは、発熱体の面積がドライヤのそれより遥かに大きく、一度に広い面積を均一に加熱することができる。ヒータ4は、必ずしも必要ではないが、ヒータ4を設けておけば、積層体Tを構成する磁性塗膜をより均一に予熱でき、好ましい。
次ぎに、予熱された積層体Tは、第2熱風供給部1bから供給される熱風により、0.2秒以上、磁性塗膜の表面温度Tsが略一定に保たれるように加熱される。上記「略一定」には、厳密に一定である場合のみならず、略一定の場合も含まれ、例えば、±1℃の範囲内にある場合も含まれる。
磁性塗膜の表面温度Tsが略一定に保たれる恒率乾燥期間は、熱風の温度、風速等により制御できる。上記恒率乾燥期間は、0.2秒以上であることを要する。恒率乾燥期間が短すぎると(換言すると、溶媒の除去速度が速すぎると)、乾燥中の磁性塗膜内で激しい対流が生じたり、気泡が発生したりする。そのため、磁性層の充填性や平滑性が損なわれるからである。恒率乾燥期間の上限について特に制限はないが、長すぎると、恒率乾燥期間を設ける効果が飽和に達するばかりではなく、生産性が著しく低下したり、設備が大型化して生産コストが高くなる。そのため、恒率乾燥期間の上限は10秒以下であると好ましい。充填性および平滑性のみならず、配向性をも高める観点から、恒率乾燥間は、1秒以上10秒以下であるとより好ましい。
恒率乾燥中の磁性塗膜の表面温度Tsは、磁性塗膜の厚さ、磁性塗膜中の溶媒組成、磁性塗料の塗布速度により異なるが、30℃〜80℃であると好ましく、40℃〜70℃であるとより好ましい。塗膜の表面温度Tsをこれらの範囲に制御することにより、恒率乾燥期間を好ましい範囲に制御することができるからである。
第2熱風供給部1bから供給される熱風の、好ましい温度、好ましい風速は、磁性塗膜の厚さ、磁性塗膜中の溶媒組成、磁性塗料の塗布速度等により異なるが、温度は40〜100℃が好ましく、風速は0.5〜15m/秒が好ましい。熱風の温度が低すぎ、および/または熱風の風速が遅すぎると、恒率乾燥期間が長くなりすぎて生産効率が低下するからである。また、熱風の温度が高すぎ、および/または熱風の風速が速すぎると、恒率乾燥期間が短くなりすぎて、磁性粉末の磁性層における充填率が低くなり、磁性層表面の平滑性が劣化するからである。
第2熱風供給部1bと積層体Tとの距離は1cm〜100cmが好ましい。上記距離が短すぎると、熱風が磁性塗膜に強く当り過ぎて、乾燥むらが発生したり、磁性塗膜内部の乾燥が不均一になるからである。また、上記距離が長すぎると、熱風が磁性塗膜の表面に十分に届かなくなって、乾燥が十分に行えなくなるからである。
次に、第2熱風供給部1b下を通過した積層体Tは、第3熱風供給部1cから吹出された熱風によりさらに加熱される。第3熱風供給部1cにより供給される熱風の温度は比較的高く、風速も比較的速いほうが好ましい。恒率乾燥時よりも、より多くの熱を磁性塗膜に供給することにより、磁性塗膜中に残った第1溶媒を比較的短時間でできるだけ除去して、減率乾燥期間を短縮化するためである。これにより、恒率乾燥を所定の期間行うことにより伴う設備の大型化を抑制できる。また、磁性塗膜中の最終残存溶媒量を少なくして、磁性層の走行耐久性を向上させることができる。ここで、磁性塗膜中の最終残存溶媒量とは、乾燥処理を経ても除去しきれなかった微量溶媒の残存量である。
第3熱風供給部1cから供給される熱風の好ましい温度、好ましい風速は、磁性塗膜の厚さ、磁性塗膜に含まれる溶媒の種類(溶媒組成)、磁性塗料の塗布速度等により異なるが、恒率乾燥時よりも、より多くの熱が磁性塗膜に供給されるべく、通常、温度は60〜120℃が好ましく、風速は0.5〜30m/秒が好ましい。熱風の温度が低すぎ、および/または熱風の風速が遅すぎると、磁性塗膜中の最終残存溶媒量が多くなって、磁性層の走行耐久性が低下するからである。また、熱風の温度が高すぎ、および/または熱風の風速が速すぎると、非磁性支持体が熱変形する場合があるからである。
第3熱風供給部1cと積層体Tとの距離は1cm〜100cmが好ましい。上記距離が短すぎると、熱風が磁性塗膜に強く当り過ぎて、乾燥むらが発生したり、磁性塗膜内部の乾燥が不均一になるからである。また、上記距離が長すぎると、熱風が磁性塗膜の表面に十分に届かなくなって、乾燥が十分に行えなくなるからである。
必要に応じて、製造ラインの、第3熱風供給部1cよりさらに下流側に、ドライヤや遠赤外線ヒータ等の加熱手段を設けて、磁性塗膜中の微量の最終残存溶媒を少なくすれば、磁性層の耐久性を向上させることができる。
なお、図2を用いて説明した例では、熱風の供給方向は、積層体Tの進行方向と直交しているが、熱風の供給方向はこの例に限定されない。恒温乾燥期間を好ましい範囲に制御するために、例えば、熱風供給部1から供給される熱風が下流側から上流側へ流れるように、熱風供給部1を傾けてもよい。また、排気部2の位置および個数を適切に設定することで、恒温乾燥期間を所望の範囲に調整することもできる。
また、第1熱風供給部1a,第2熱風供給部1b,第3熱風供給部1cから供給される熱風の温度および風速は、必ずしも相互に異なっている必要はなく、例えば、いずれも同じであってもよい。しかし、例えば、恒率乾燥期間を2秒以上確保しながら、第1熱風供給部1aから供給される熱風、第2熱風供給部1bから供給される熱風、および第3熱風供給部1cから供給される熱風について、温度および風速を同じにすると、乾燥ゾーンのゾーン長さが長くなり、さらには、磁場配向を行なうために必要な設備も大きくなる。そのため、熱風供給部等の加熱手段によって供給される熱量は、第1熱風供給部1a、第2熱風供給部1b,第3熱風供給部1cの順で大きいと好ましい。
以上、非磁性支持体の一方の主面上に直接磁性層が配置される単層構造の磁気記録媒体の製造方法を例に挙げて説明したが、非磁性支持体の一方の主面上に非磁性層を介して磁性層が配置される重層構造の磁気記録媒体においても、同様にして製造できる。
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法によって製造される磁気記録媒体の一例について説明する。この磁気記録媒体の製造方法の一例によって製造される磁気記録媒体10は、図3に示すように、非磁性支持体11の一方の主面上に、非磁性層12、磁性層13がこの順に配置されている。そして、非磁性支持体11の他方の主面上には、バックコート層14が配置されている。しかし、非磁性層12およびバックコート層14は必ずしも必要ではなく、あってもなくてもよい。
なお、本願において、強磁性粉末の磁気特性は、いずれも外部磁場1273.3kA/m(16kOe)をかけたときに、試料振動形磁束計で測定した値である。
また、本願において、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から100個の粒子の最大径(針状粉では長軸径、板状粉では板径)をそれぞれ実測し、これらの値を平均した値(数平均粒子径である。
〈非磁性支持体〉
非磁性支持体11の厚さは、磁気記録媒体の用途によって異なるが、通常、2μm〜8μmであり、より好ましくは2.5μm〜6μmである。非磁性支持体11の厚さが薄すぎると磁性塗膜の形成や、非磁性塗料を用いて形成される非磁性塗膜の形成が難しく、磁気記録媒体の強度が小さくなるからである。また、非磁性支持体11の厚さが厚すぎると、磁気記録媒体全厚が厚くなり、例えば磁気テープの場合1巻当りの記録容量が小さくなるからである。
非磁性支持体11の長手方向のヤング率は6GPa(612kg/mm2)以上であると好ましく、8GPa(816kg/mm2)以上であるとより好ましい。上記ヤング率が小さすぎると、磁気テープの走行が不安定になるからである。また、ヘリキャルスキャン方式で情報が記録される磁気テープでは、長手方向(MD)のヤング率/幅方向(TD)のヤング率が、0.60〜0.80であると好ましく、0.65〜0.75であるとより好ましい。(MDのヤング率/TDのヤング率)が小さすぎたり大きすぎたりすると、メカニズムは現在のところ不明であるが、磁気ヘッドのトラックの入側と出側との間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。上記フラットネスは、(MDのヤング率/TDのヤング率)が0.70付近のときに最小になる。リニアレコーディング方式により情報が記録される磁気テープでは、理由は明らかではないが、(MDのヤング率/TDのヤング率)が0.70〜1.30であると上記フラットネスを小さく抑えることができ、好ましい。これらの特性を満足する非磁性支持体11には、例えば、二軸延伸された芳香族ポリアミドベースフィルム、二軸延伸された芳香族ポリイミドフィルム等が挙げられる。
〈非磁性層〉
後述のとおり、厚さ損失を少なくし、または、短波長で情報を記録した際の分解能を大きくするためには、磁性層13の厚さを0.2μm未満にすると好ましい。磁性層13の厚さを0.2μm未満とする場合、磁性層13の耐久性を確保し、かつ、形成過程において磁性塗料を均一性よく塗布可能とするために、非磁性支持体11と磁性層13との間に非磁性層12を設けると好ましい。非磁性層12は、例えば、非磁性粉末と第2バインダ樹脂等を含んでいる。非磁性層12に含まれる第2バインダ樹脂には、例えば磁性層13を構成する第1バインダ樹脂と同様のバインダ樹脂が用いられる。
非磁性層12の厚さは、0.2μm以上2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらにより好ましい。非磁性層12の厚さが薄すぎると、非磁性支持体の表面の凹凸の影響が磁性層13にも及び、非磁性層12を設けることによる磁性層13の厚さむらの低減効果、耐久性の確保効果が小さくなるからである。また、非磁性層12の厚さが厚すぎると、磁気テープの全厚が厚くなり過ぎ磁気テープ1巻当りの記録容量が小さくなるからである。なお、非磁性支持体の表面の凹凸は、磁性層の平滑性のレベルと比較するとかなり大きい。
非磁性粉末の成分としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム等が挙げられ、通常は、カーボンブラックが単独で用いられるか、カーボンブラックと、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム等の他の非磁性粉末とが混合して用いられる。厚さむらの少ない塗膜を形成して、平滑な非磁性層12を形成するためには、粒度分布がシャープな非磁性粉末を用いると好ましい。非磁性粉末の平均粒子径は、非磁性層12の均一性、表面平滑性、剛性の確保、および導電性確保の観点から、例えば10nm〜1000nmであると好ましく、10nm〜500nmであるとより好ましい。
非磁性層12を形成するための非磁性塗料に含まれる第2溶媒としては、例えば、磁性塗料に含まれる第1溶媒と同様のものを用いればよい。第2溶媒についても第1溶媒と同様、1種の溶媒からなるか、または、沸点の異なる2種以上の溶媒からなる。第1溶媒および第2溶媒に含まれる溶媒の内の沸点が最も低い溶媒の沸点tbと、前述した恒率乾燥期間中における磁性塗膜の表面温度Tsとの差(tb−Ts)は、1℃以上50℃以下であると好ましい。このような溶媒を選択することにより、恒率乾燥期間が制御しやすくなる。
非磁性塗料中の溶媒除外成分濃度(第2溶媒を除く他の成分の総濃度)は、10〜50重量%が好ましく、20〜35重量%がより好ましい。非磁性塗料中の溶媒除外成分が低すぎると粘度が小さすぎて非磁性粉末の分散性が低下し、よって、磁性塗膜と非磁性塗膜との界面が凸凹になるからである。一方、非磁性塗料中の溶媒除外成分濃度が高すぎると、粘度が大きくなりすぎて、非磁性塗料の塗布適性が低下するからである。よって、非磁性塗料における第2溶媒の含有量は50〜90重量%が好ましく、65〜80重量%がより好ましい。
〈表面処理剤〉
非磁性層12に含まれる非磁性粉末や、磁性層13に含まれる磁性粉末や非磁性粉末には、分散性の向上のために、表面処理がなされていると好ましい。この表面処理に用いられる表面処理剤としては、リン酸系表面処理剤、カルボン酸系表面処理剤、アミン系表面処理剤、キレ―ト剤、各種シランカップリング剤等が好適である。
リン酸系表面処理剤としては、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチル等のアルキルリン酸エステル類、フエニルホスホン酸、モノオクチルフエニルホスホン酸等の芳香族リン酸類等が挙げられる。市販品としては、東邦化学製の「GARFAC RS410」、城北化学工業製の「JP−502」、「JP−504」、「JP−508」等を用いることができる。
カルボン酸系表面処理剤としては、安息香酸、フタル酸、テトラカルボキシルナフタレン、ジカルボキシルナフタレン、炭素数12〜22の脂肪酸等が挙げられる。
アミン系表面処理剤としては炭素数8〜22の脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキルアミン等が挙げられる。
キレ―ト剤としては、1,10−フエナントロリン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、ジメチルグリオキシム、アセチルアセトン、グリシン、ジチアゾン、ニトリロ三酢酸等が挙げられる。
表面処理剤の使用量としては、磁性粉末100重量部に対して、0.5〜5重量部であると好ましい。表面処理剤の分子量は、1000以下が好ましく、さらには500以下がより好ましい。これらの表面処理剤は、非磁性塗料の各成分や、磁性塗料の各成分を、混練する前、混練中、混練後溶媒への分散前、または溶媒への分散中に配合すると好ましい。
〈磁性層〉
磁性層13の厚さは、非磁性支持体11の上に直接形成される場合は、0.1μm〜3μmが好ましく、0.5μm〜2μmがより好ましい。非磁性層12を介して非磁性支持体11の上に形成される場合、磁性層13の厚さは0.01μm以上0.2μm未満が好ましく、0.03以上0.1μm以下がより好ましい。これらの範囲が好ましいのは、厚さが薄すぎると、得られる出力が小さくなり、均一な磁性層13の形成が困難となるからである。また厚さが厚すぎると、短波長記録に対する分解能特性が低下するためである。
磁性層13に含まれる磁性粉末としては、強磁性鉄系金属磁性粉末、窒化鉄磁性粉末、または板状の六方晶Ba−フェライト磁性粉末等が好ましい。
強磁性鉄系金属磁性粉末の平均粒子径は、10nm〜60nmであると好ましく、15nm〜45nmであるとより好ましい。平均粒子径が小さすぎると保磁力(Hc)が低下したり、粒子の表面エネルギーが大きくなって、磁性塗料中での分散が困難になるからである。また、平均粒子径が大きすぎると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるからである。
強磁性鉄系金属磁性粉末の保磁力は、160〜320kA/m(2010〜4020Oe)であると好ましく、200〜300kA/m(2515〜3770Oe)であるとより好ましい。飽和磁化量は、60〜200A・m2/Kg(60〜200emu/g)であると好ましく、80〜180A・m2/Kg(80〜180emu/g)であるとより好ましい。
磁気記録媒体の磁性粉末の配向性を示す指標の一つとして角型(Br/Bs)が挙げられるが、(Br/Bs)は0.8以上であると好ましく、0.84以上であるとより好ましい。なお、Bsは飽和磁束密度であり、Brは残存磁束密度である。
強磁性鉄系金属磁性粉末のBET比表面積は、35m2/g以上が好ましく、40m2/g以上がより好ましく、50m2 /g以上がよりいっそう好ましい。BET比表面積の上限については特に制限はないが、通常、100m2/g以下である。
強磁性鉄系金属磁性粉末には、磁性粉末を構成する金属元素として、Mn 、Zn 、Ni 、Cu 、Co等の遷移金属が含まれていてもよい。中でも、CoまたはNiが含まれていると好ましく、これらのうち、Coは飽和磁化量を最も向上させることができる点において、特に好ましい。
上記遷移金属元素の含有量は、原子比で表すと、磁性粉末中のFeの含有量100に対して、5〜50であると好ましく、10〜30であるとより好ましい。
また、強磁性鉄系金属磁性粉末には、上記遷移金属元素に加え、磁性粉末を構成する他の金属元素として、イツトリウム、セリウム、イツテルビウム、セシウム、プラセオジウム、サマリウム、ランタン、ユ―ロピウム、ネオジム、テルビウム等から選ばれる少なくとも1種の希土類元素がさらに含まれていてもよい。中でも、セリウム、ネオジムとサマリウム、テルビウムおよびイツトリウムから選ばれる少なくとも1種が含まれていると、高い保磁力(Hc)が得られるので好ましい。上記希土類元素の含有量は、原子比で表すと、合金中のFeの含有量100に対して、0.2〜20であると好ましく、0.3〜15であるとより好ましく、0.5〜10であるとさらに好ましい。
窒化鉄磁性粉末には,公知のものを用いることができる。窒化鉄磁性粉末の形状は、針状の他に球状や、立方体形状等の不定形であってもよい。
窒化鉄磁性粉末の保磁力は、160〜320kA/m(2010〜4020Oe)であると好ましく、200〜300kA/m(2515〜3770Oe)であるとより好ましい。窒化鉄磁性粉末の飽和磁化量は、60〜200A・m2/Kg(60〜200emu/g)であると好ましく、80〜180A・m2/Kg(80〜180emu/g)であるとより好ましい。
窒化鉄磁性粉末の平均粒子径としては、5〜20nmが好ましく、10〜17nmがより好ましい。平均粒子径が小さすぎると保磁力が低下したり、粒子の表面エネルギーが増大するため磁性塗料中での分散が困難になるからである。また、平均粒子径が大きすぎると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるからである。また、窒化鉄磁性粉末のBET比表面積は、35m2/g以上が好ましく、40m2/g以上がより好ましく、50m2/g以上がよりいっそう好ましい。上記BET比表面積の上限について特に制限はないが、通常、100m2/g以下であると好ましい。
強磁性鉄系金属磁性粉末および/または窒化鉄磁性粉末は、Al,Si,P,Y,Zrまたはこれらの酸化物によって表面処理されていてもよい。耐食性や分散性を向上させたり、保磁力を制御するためである。
六方晶Ba−フェライト磁性粉末の保磁力は、120〜320kA/mであると好ましく、飽和磁化量は、40〜60A・m2/kg(40〜60emu/g)であると好ましい。また、六方晶Ba−フェライト磁性粉末の平均粒子径(板面の一番長い部分の長さ、板径)は、10nm〜30nmであると好ましく、10nm〜25nmであるとより好ましく、10nm〜20nmであるとさらに好ましい。平均粒子径が小さすぎると、粒子の表面エネルギーが増大するため磁性塗料中での分散が困難になり、大きすぎると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるからである。また、板状比(板径/板厚)は3未満であると好ましく、2以下であるとより好ましい。また、六方晶Ba−フェライト磁性粉末のBET比表面積は、1〜100m2 /gであると好ましい。
磁性層13のテープ長手方向の残留磁束密度と磁性層厚さの積は、0.0018〜0.05μTmであると好ましく、0.0036〜0.05μTmであるとより好ましく、0.004〜0.05μTmであるとさらに好ましい。残留磁束密度と磁性層13の厚さとの積が小さすぎると、MRヘッドによる再生出力が小さくなり、大きすぎるとMRヘッドによる再生出力が歪みやすくなるからである。上記積がこの範囲内にある磁性層13を有する磁気記録媒体は、短波長記録が可能である。加えて、MRヘッドで再生した時の再生出力が大きく、しかも再生出力の歪が小さく、出力対ノイズ比を大きくできるので、好ましい。
磁性層13含まれるバインダ樹脂(第1バインダ樹脂)または非磁性層12に含まれるバインダ樹脂(第2バインダ樹脂)としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂、およびセルロース系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂との組み合せが挙げられる。セルロース系樹脂としては例えばニトロセルロース樹脂が挙げられる。
中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂とポリウレタン樹脂との組み合わせが好ましい。ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン樹脂等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂としては、官能基として、−COOH、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)3、−O−P=O(OM)2[これらの式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩を示す]、−OH、−NR'R''、−N+R'''R''''R'''''[これらの式中、R'、R''、R'''、R''''、R'''''は水素または炭化水素基を示す]、またはエポキシ基を有する高分子からなるポリウレタン樹脂も使用できる。このようなポリウレタン樹脂を使用すれば、磁性粉末等の粉体の磁性塗料中での分散性が向上する。
2種以上のバインダ樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させると好ましく、中でも2種のバインダ樹脂のそれぞれが−SO3M基を有していると好ましい。
磁性層形成用の磁性塗料中、第1バインダ樹脂は、磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部含まれていると好ましく、10〜35重量部含まれているとより好ましい。そして、バインダ樹脂が塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂とを含む場合は、磁性粉末100重量部に対して、塩化ビニル系樹脂が5〜30重量部、ポリウレタン樹脂が2〜20重量部含まれていると好ましい。
非磁性層形成用の非磁性塗料中に含まれる第2バインダ樹脂の含有量については、非磁性粉末100重量部に対して、10〜55重量部であると好ましく、15〜40重量部であるとより好ましい。
磁性層形成用の磁性塗料または非磁性層形成用の非磁性塗料中には、上記第1バインダ樹脂または第2バインダ樹脂とともに、第1バインダ樹脂または第2バインダ樹脂が有する官能基と結合して架橋する熱硬化性の架橋剤がさらに含まれていると好ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパン等の水酸基を複数個有する化合物とが反応して得られる反応生成物、または上記イソシアネート類の縮合生成物等の各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、第1バインダ樹脂または第2バインダ樹脂100重量部に対して、それぞれ、好ましくは1〜30重量部用いられ、より好ましくは5〜20重量部用いられる。しかし、非磁性塗料を非磁性支持体上に塗布することにより形成される非磁性塗膜の上に、ウエット・オン・ウエットで磁性塗膜が形成される場合には、非磁性塗膜中のポリイソシアネートの一部が磁性塗膜に拡散供給される。そのため、磁性塗料はポリイソシアネートを含んでいなくても、ある程度は磁性塗膜中で架橋が行われる。
磁性層13は、磁性粉末以外に、非磁性粉末を含んでいてもよい。非磁性粉末としては、研磨材やカーボンブラック等が挙げられる。カーボンブラックを含むと、磁性層13の導電性が向上する。
研磨材としては、α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素等、主としてモース硬度6以上のものが挙げられる。これらは単独で用いてもいいし2種以上を組み合せて用いてもよい。
研磨材の平均粒子径としては、磁性層13の厚さが0.01〜0.2μmと薄い場合は、通常10nm〜250nmであると好ましい。磁性層13の厚さが0.2μmよりも厚い場合、研磨材の平均粒子径は50〜1000nmであると好ましい。研磨材の含有量は、磁性粉末100重量部に対して、5〜20重量部であると好ましく、8〜18重量部であるとより好ましい。
カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が挙げられる。
カーボンブラックの平均粒子径は、10nm〜100nmであると好ましい。平均粒子径が小さすぎるとカーボンブラックの分散が難しく、平均粒子径が大きすぎると多量のカーボンブラックが必要になる。よって、平均粒子径が小さすぎても大きすぎても、磁性層13の表面が粗くなり、出力を低下させる恐れがあるので好ましくない。カーボンブラックの含有量は、磁性粉末100重量部に対して、0.2〜5重量部であると好ましく、0.5〜4重量部であるとより好ましい。
<潤滑剤>
非磁性層12は、脂肪酸と脂肪酸のエステルとを潤滑剤としてさらに含んでいると好ましい。非磁性層12がこれらをそれぞれ所定量含んでいると、磁気テープのヘッドとの摩擦係数が小さくなるからである。非磁性塗料には、非磁性層12に含まれる非磁性粉末100重量部に対して脂肪酸が0.5〜5.0重量部、脂肪酸のエステルが0.2〜3.0重量部、配合されていると好ましい。脂肪酸の配合量が0.5重量部未満であると、摩擦係数低減効果が小さく、5.0重量部を越えると非磁性層12が可塑化してしまい強靭性が失われるおそれがあるからである。また、脂肪酸のエステルの配合量が0.2重量部未満であると、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量部を越えると磁性層13への移入量が多すぎるため、磁気テープとヘッドとが貼り付く等の副作用を生じるおそれがあるためである。
脂肪酸としては、炭素数10以上のものを用いると好ましい。炭素数10以上の脂肪酸としては、直鎖、分岐、シス・トランスなどの異性体のいずれでもよいが、潤滑性能が優れた直鎖型が好ましい。このような脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。これらの中でも、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などが好ましい。
脂肪酸のエステルとしては例えば、ブチルステアレートとブチルパルミテートとの混合物、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物、ブチルステアレート、sec-ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジエチレングリコールジパルミテート等を挙げることができる。
磁性層13にも上記脂肪酸が含まれていてもよい。この場合、非磁性層12と磁性層13との間で脂肪酸が転移するので、磁性塗料における脂肪酸の配合量については、磁性層13に含まれる脂肪酸の含有量と非磁性層12に含まれる脂肪酸の含有量の総和が、磁性層13に含まれる全粉末(磁性粉末と非磁性粉末)と非磁性層12に含まれる非磁性粉末の総量を100重量部とした場合に、0.5〜5.0重量部であれば好ましい。なお、非磁性塗料に脂肪酸が配合される場合、磁性塗料には脂肪酸は必ずしも配合されていなくてもよい。
磁性層13には、潤滑剤として、脂肪酸アミドと脂肪酸のエステルの両方が含まれていてもよい。テープ走行時のテープのヘッドに対する摩擦係数が小さくなるからである。これらの磁性塗料への配合量は、磁性粉末100重量部に対して、脂肪酸アミドは0.5〜3.0重量部、脂肪酸のエステルは0.2〜3.0重量部であると好ましい。脂肪酸アミドの含有量が0.5重量部未満であると、ヘッドと磁性層13とが相互接触することにより生じる焼付きを防止する効果が小さくなるからである。また、脂肪酸アミドの含有量が3.0重量部を越えると脂肪酸アミドがブリードアウトしてしまうおそれがあるからである。また、脂肪酸のエステルの含有量が0.2重量部未満であると、摩擦係数低減効果が小さくなるからである。また、脂肪酸のエステルの含有量が3.0重量部を越えると、磁性層13がヘッドに貼り付く等の副作用を生じるおそれがあるからである。なお、磁性層13の潤滑剤と非磁性層12の潤滑剤は相互移動し得る。
脂肪酸アミドとしては、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数が10以上の脂肪酸アミド等が挙げられる。磁性層13に含まれる脂肪酸のエステルは、上記で列挙した脂肪酸のエステルと同様であってもよい。
〈バックコート層〉
非磁性支持体11の磁性層13が形成されている面とは反対側の面には、走行性の向上等を目的としてバックコート層14が設けられていると好ましい。バックコート層14の厚さは0.2〜0.8μmであると好ましい。バックコート層の厚さが薄すぎると、走行性向上効果が不充分となり、厚さが厚すぎると磁気テープ全厚が厚くなり、磁気テープ1巻当たりの記録容量が小さくなるためである。
バックコート層14は、例えば、カーボンブラック(CB)を含む。カーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が挙げられる。通常、粒子径が相対的に異なる、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラックとが併用される。小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラックとを併用すると、走行性向上効果も大きくなるので好ましい。大粒径カーボンブラックは、小粒径カーボンブラック100重量部に対して5〜15重量部含まれていると好ましい。
小粒径カーボンブラックの平均粒子径は5nm以上200nm未満であると好ましく、10〜100nmであるとより好ましい。平均粒子径が小さすぎるとカーボンブラックの塗料中での分散が難しくなり、平均粒子径が大きすぎると多量のカーボンブラックが必要になる。よって、数平均粒子径が小さすぎても大きすぎても、バックコート層の表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)を引き起こす恐れがあり好ましくない。
大粒径カーボンブラックの平均粒子径は、200〜400nmであると好ましい。
小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラック合計量は、バックコート層に含まれる全粉末重量のうち60〜98重量%であると好ましく、70〜95重量部であるとより好ましい。
バックコート層14の平均表面粗さRaは、3〜8nmであると好ましく、4〜7nmであるとより好ましい。バックコート層に磁性があると磁性層13に記録される磁気信号が乱れる場合があるので、通常、バックコート層は非磁性である。
なお、本願では、ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5000を用い、走査型白色光干渉法にて、10視野の表面粗さを測定し、その平均値を平均表面粗さ(Ra)としている。測定の際には、50倍の対物レンズを用い、2倍ズームで測定した。よって、倍率は100倍である。測定視野は72μm×54μmである。
バックコート層には、強度向上を目的として、例えば酸化鉄が含まれていると好ましい。酸化鉄の平均粒子径は100〜600nmが好ましく、200〜500nmがより好ましい。酸化鉄の含有量は、全粉末重量のうち2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、平均粒子径が100〜600nmのアルミナが全粉体重量のうち0.5〜5重量%添加されていると、さらにバックコート層の強度が向上するので、好ましい。
バックコート層14にはバインダ樹脂が含まれるが、バックコート層14中のバインダ樹脂は、前述した磁性層13や非磁性層12に含まれるバインダ樹脂と同じであってもよい。しかし、摩擦係数を低くして磁気ヘッドの走行性を向上させるために、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを併用することが好ましい。バインダ樹脂の含有量は、通常、バックコート層に含まれる全粉末重量100重量部に対して、40〜150重量部であると好ましく、50〜120重量部であるとより好ましく、60〜110重量部であるとさらに好ましく、70〜110重量部であるとよりいっそう好ましい。少なすぎると、バックコート層14の強度が不十分となり、多すぎると摩擦係数が高くなりやすいからである。バックコート層に含まれる全粉末重量を100重量部とすると、上記バインダ樹脂には、セルロース系樹脂が30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂は20〜50重量部含まれていると好ましい。バックコート層14を形成するための塗料は、バインダ樹脂を硬化させるために、架橋剤を含んでいると好ましい。架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
バックコート層14を形成するための塗料に含まれる架橋剤は、例えば、前述した磁性層13形成用の磁性塗料や非磁性層12形成用の非磁性塗料に含まれる架橋剤と同様ものであってよい。架橋剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、通常、10〜50重量部であると好ましく、10〜35重量部であるとより好ましく、10〜30重量部であるとよりいっそう好ましい。少なすぎるとバックコート層14の強度が弱くなり、多すぎるとSUS(ステンレス)に対する動摩擦係数が大きくなるからである。
〈有機溶媒〉
非磁性層12形成用の非磁性塗料に含まれる第2溶媒、バックコート層14形成用の塗料に含まれる溶媒には、磁性層13形成用の磁性塗料に含まれる第1溶媒のもの用いればよい。また、非磁性層の形成に用いられる非磁性塗料中の溶媒除外成分濃度、バックコート層14形成用の塗料の溶媒除外成分濃度は、磁性塗料の場合と同様の理由から、10〜50wt%が好ましく、20〜35wt%がより好ましい。よって、非磁性塗料に含まれる第2溶媒の含有量は、50〜90wt%が好ましく、65〜80wt%がより好ましく、バックコート層14形成用の塗料に含まれる溶媒の含有量も、50〜90wt%が好ましく、65〜80wt%がより好ましい。
以下に実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<非磁性層形成用の非磁性塗料>
(1)A成分
針状酸化鉄(平均粒子径:0.11μm) 68重量部
カーボンブラック(平均粒子径:0.025μm) 20重量部
粒状アルミナ粉末(平均粒子径:0.4μm) 12重量部
メチルアシッドフォスフェート 1重量部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合樹脂 9重量部
(含有−SO3Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5重量部
(ガラス転移温度:40℃、含有−SO3Na基:1×10-4当量/g)
テトラヒドロフラン 13重量部
シクロヘキサノン 63重量部
メチルエチルケトン 137重量部
(2)B成分
ステアリン酸ブチル 2重量部
シクロヘキサノン 50重量部
トルエン 50重量部
(3)C成分
ポリイソシアネート 6重量部
シクロヘキサノン 9重量部
トルエン 9重量部
<磁性層形成用の磁性塗料>
(1)a成分
強磁性鉄系金属磁性粉末 100重量部
(Al−Y−Fe−Co)〔σs:120Am2/kg(120emu/g)
Hc:176.3kA/m(2215Oe)平均粒子径:45nm、真密度ρ:5.7g/cc〕
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合樹脂 17重量部
ポリエステルポリウレタン樹脂 6重量部
粒状アルミナ粉末(平均粒子径:0.2μm) 10重量部
メチルアシッドフォスフェート 4重量部
メチルエチルケトン 35重量部
シクロヘキサノン 110重量部
トルエン 110重量部
(2)b成分
パルミチン酸アミド 1重量部
ステアリン酸ブチル 1重量部
シクロヘキサノン 30重量部
トルエン 30重量部
(3)c成分
ポリイソシアネート 6重量部
メチルエチルケトン 2重量部
シクロヘキサノン 8重量部
トルエン 8重量部
上記の非磁性層形成用の塗料成分のうちA成分を回分式ニーダで混練した。混練されたA成分にB成分を加えて撹拌した後、サンドミルを用いて60分間(滞留時間)分散処理をした。さらに、A成分とB成分の混合物にC成分を加え、撹拌し、ろ過して、非磁性層形成用の非磁性塗料を得た。
一方で、a成分を回分式ニーダで混練した。次ぎに混練されたa成分にb成分を加えて撹拌しながら希釈して、未分散塗料を得た。続いて、未分散塗料に対して、ナノミル(浅田鉄工社製)を用いて、90分間(滞留時間)分散処理をした。さらに、a成分とb成分の混合物にc成分を加えて撹拌し、ろ過して、磁性層形成用の磁性塗料を得た。
上記非磁性層形成用の非磁性塗料を、厚さ8μmのポリエチレンナフタレートフィルムからなる非磁性支持体上に、エクストルージョン型コータを用いて塗布して非磁性塗膜を形成した。次いで、この非磁性塗膜上に、磁性層形成用の磁性塗料をエクストルージョン型コータを用いて、ウエット・オン・ウエットで塗布して磁性塗膜を形成した。
非磁性塗膜の厚さは、乾燥およびカレンダ後の厚さ(すなわち非磁性層の厚さ)が0.9μmとなるように4.5μmとし、磁性塗膜の厚さは、乾燥およびカレンダ後の厚さ(すなわち磁性層の厚さ)が0.08μmとなるように0.3μmとした。磁性層形成用の磁性塗料の塗布速度は150m/分とした。
次いで、非磁性支持体上に非磁性塗膜と磁性塗膜とがこの順に形成された積層体を、N−N対向磁石間(398kA/m)を通過させた。その後、図2に示された要領で、非磁性塗膜中および磁性塗膜中に含まれる溶媒を除去しながら、磁場配向を行った。
なお、本実施例では、図2中のヒータ4は用いていない。磁場配向を行うために、ソレノイドコイル(398kA/m、5基)は5つ用いた。熱風の温度、風速、熱風供給部と磁性塗膜との距離等の、乾燥条件については表1に示している。
<バックコート層形成用塗料の成分>
カーボンブラック(平均粒子径25nm) 80重量部
カーボンブラック(平均粒子径350nm) 10重量部
粒状酸化鉄(平均粒子径50nm) 10重量部
ニトロセルロース 45重量部
ポリウレタン樹脂 30重量部
シクロヘキサノン 260重量部
トルエン 260重量部
メチルエチルケトン 525重量部
ポリイソシアネート 15重量部
上記のバックコート層形成用の塗料の成分のうちポリイソシアネートを除く他の成分全てをサンドミル中で分散混合させた後、それにポリイソシアネートを加えた。得られた混合物をろ過して、バックコート層形成用の塗料を得た。この塗料を、非磁性支持体の磁性層側の面の反対面に塗布し、乾燥させた。
このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧196kN/mの条件で鏡面化処理(カレンダ処理)した。次いで、磁気シートをコアに巻いた状態で60℃48時間エージングして評価用の磁気テープを作製した。
また、表1に示すように、乾燥条件が異なること以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7、比較例1〜2の評価用磁気シートを作製した。
得られた評価用の磁気シートの評価は以下のようにして行った。その結果は表1に示している。
Figure 0004177395
〈恒率乾燥期間〉
乾燥ゾーン内に20cm間隔で赤外線センサ(ファイバー型赤外放射温度計(FTZ6型 ジャパンセンサー(株)製))を配置し、磁性層の表面温度Tsを測定した。連続配置された3つのセンサから得られた各磁性層の表面温度Tsをどのように組み合せても温度差が2℃以内であれば、恒率乾燥が行なわれていると判断して、恒率乾燥期間を測定した。
〈磁性層の表面粗さ〉
ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5000を用い、走査型白色光干渉法にて、10点の表面粗さを測定し、その平均値を平均粗さRzとした。測定の際には、50倍の対物レンズを用い、2倍ズームで測定した。よって、倍率は100倍である。測定視野は72μm×54μmである。
〈磁気特性〉
磁気シートに、外部磁場0.8MA/m(10kOe)をかけた後、角型(Br/Bs)および磁性層単位面積当たりの飽和磁化量Mst(memu/cm2)を測定した。これらの測定には、東英工業製の試料振動型磁束計VSM−P7を用いた。
〈体積充填度〉
磁気テープを樹脂封止した後、それを集束イオンビーム加工装置を用いて、磁気テープの厚さ方向の断面をテープの長手方向に切り出した。次いで、その断面の写真撮影(BSE像、倍率:10万倍)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行った。写真撮影は、互いに重複部分を含まないように10視野について行った。次いで、各写真に、磁性層と非磁性層との界面に境界線を引き、その境界線と対向する磁性層の外形にも線を引いた。線幅は0.5mmとした。
次ぎに、各写真について、上記境界線とそれに対応する線との距離を5箇所測定し、その平均値を磁性層の厚さt(μm)として測定した。そして、Mstおよび磁性層の厚さt(μm)を用いて次式(1)により飽和磁束密度Bs(G)を求めた。また、Bsおよび磁性粉末のσs(emu/g)および真密度ρ(g/cc)を用いて次式(2)から磁性粉末の充填度(Vol%)を求めた。
Bs=4π×Mst/t (1)
充填度(Vol%)=Bs/(4π・σs・ρ)×100 (2)
表1に示すように、実施例1〜6の磁気テープについては、恒率乾燥時間が0.2秒に満たない比較例1〜2よりも、磁性粉末の体積充填性が高く、かつ、磁性層の平滑性が優れていることが確認できた。実施例1〜6の磁気テープの磁性粉末の配向性(角型)については、0.8以上であり比較例のそれと同等であった。また、恒率乾燥期間が0.2秒以上10秒未満であれば、磁性層の平滑性および磁性粉末の充填性のみならず、磁性粉末の配向性(角型)についても比較例よりも優れた磁気記録媒体を提供できることが確認できた。
以上、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を説明したが、この例は、粉体をバインダ樹脂ととも含有してなる塗料を支持体上に塗布、乾燥して機能層を形成する工程を含む、他の製品分野にも応用可能である。
本発明は、磁性粉末の充填率が高く、かつ、表面の平滑性が優れた磁性層を形成できるので、本発明は、より大容量化され高出力可能な磁気記録媒体の製造方法として有用である。
本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例における塗膜表面の温度の変化と塗膜中の含溶媒率の変化を示した概念図 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例における乾燥処理の様子を示した概念図 本発明の磁気記録媒体の一例の部分断面図 従来の磁気記録媒体の製造方法の一例における塗膜表面の温度の変化と塗膜中の含溶媒率の変化を示した概念図
符号の説明
1 熱風供給部
1a 第1熱風供給部
1b 第2熱風供給部
1c 第3熱風供給部
2 排気部
3 ソレノイドコイル(配向磁石)
4 ヒータ
5 ガイドロール
T 積層体
10 磁気記録媒体

Claims (9)

  1. 非磁性支持体の一方の主面側に磁性層が配置された磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記非磁性支持体の一方の主面側に、磁性粉末と第1バインダ樹脂と第1溶媒とを含む磁性塗料を塗布して磁性塗膜を形成し、前記磁性塗膜から前記第1溶媒を除去する乾燥処理を所定の期間行いながら、前記磁性塗膜に含まれる磁性粉末を所定方向に磁場配向させる、磁性層形成工程を含み、
    前記磁性層形成工程において、前記乾燥処理は、前記磁性塗膜の表面温度の上昇が停止して略一定の温度に達するまで前記磁性塗膜を加熱する予熱過程と、前記予熱過程後に行なわれ前記磁性塗膜の表面温度が前記略一定の温度に保たれる恒率乾燥過程と、前記恒率乾燥過程後に行なわれ前記磁性塗膜の表面温度が、前記恒率乾燥過程を行っている際のそれよりも高くなり、前記磁性塗膜を固化させる減率乾燥過程とからなり、
    前記乾燥処理が行なわれる前の前記磁性塗膜の厚さが0.3μm〜24μmであり、
    前記恒率乾燥過程が行われる恒率乾燥期間は0.2秒以上であり、
    前記第1溶媒は1種の溶媒からなるか、または沸点の異なる2種以上の溶媒からなり、前記第1溶媒に含まれる溶媒のうちの沸点が最も低い溶媒の沸点Tbと、前記恒率乾燥期間中における前記磁性塗膜の表面温度Tsとの差(Tb−Ts)が、1℃〜50℃であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記恒率乾燥期間は、10秒以下である請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記恒率乾燥期間は、1秒〜10秒である請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記恒率乾燥期間中における、前記磁性塗膜の表面温度は30℃〜80℃である請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記磁性塗料の塗布前に、
    前記非磁性支持体の前記一方の主面側に、非磁性粉末と第2バインダ樹脂と第2溶媒とを含む非磁性塗料を塗布して、非磁性塗膜を形成する工程をさらに含み、
    前記磁性層形成工程で行なわれる前記乾燥処理によって、前記非磁性塗膜に含まれる前記第2溶媒が除去されて、前記非磁性塗膜が非磁性層となる、請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記乾燥処理が行なわれる前の前記磁性塗膜の厚さと、前記乾燥処理が行なわれる前の前記非磁性塗膜の厚さとの和が、0.3μm〜24μmである請求項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記磁性粉末は、強磁性鉄系金属磁性粉末を含み、前記強磁性鉄系金属磁性粉末の平均粒子径は10nm〜60nmである請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記磁性粉末は、窒化鉄磁性粉末を含み、前記窒化鉄磁性粉末の平均粒子径は5nm〜20nmである請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記磁性粉末は、六方晶Ba−フェライト磁性粉末を含み、前記六方晶Ba−フェライト磁性粉末の平均粒子径は10nm〜30nmである請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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