JP4174220B2 - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4174220B2 JP4174220B2 JP2002045874A JP2002045874A JP4174220B2 JP 4174220 B2 JP4174220 B2 JP 4174220B2 JP 2002045874 A JP2002045874 A JP 2002045874A JP 2002045874 A JP2002045874 A JP 2002045874A JP 4174220 B2 JP4174220 B2 JP 4174220B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transfer material
- transfer
- charging
- unit
- post
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Counters In Electrophotography And Two-Sided Copying (AREA)
- Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
- Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式等を利用した画像形成装置に関し、特に転写後の分離に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像形成装置として、電子写真方式、熱転写方式、インクジェット方式など様々な方式が採用されている。これらのうち、電子写真方式を用いた画像形成装置は、高速、高画質、静粛性の点で優位性を有している。
【0003】
図9は、電子写真方式を用いた従来の画像形成装置の画像形成部の一例の概略構成を示す図である。電子写真方式の画像形成装置は、像担持体としてたとえばドラム状の電子写真感光体、すなわち感光体ドラム1を有し、その回転する感光体ドラム1の表面を一次帯電器2により一様に帯電した後、たとえばLED、レーザなどの露光手段11で画像情報に従って露光12を施すことにより、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置8で現像剤(トナーまたはトナー+キャリア)を用いて静電潜像を現像し、潜像に静電的にトナーを付着させてトナー像として可視化する。
【0004】
このようにして形成された感光体ドラム1上のトナー像は、給送カセット15からピックアップローラ16、搬送ローラ17、18、レジストローラ対19によって感光体ドラム1と対向する転写位置まで搬送されてきた転写材P上に、転写帯電手段4の作用により静電的に転写される。その後、転写材P上に転写されたトナー像は、定着装置21で加熱および加圧することにより定着され、転写材P上に永久画像が得られる。
【0005】
一方、転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ10に設けたクリーニングブレード9によって除去され、ドラムクリーナ10の容器部分(廃トナー容器部)に回収される。こうして表面がクリーニングされた感光体ドラム1は、繰り返し画像形成に供される。
【0006】
近年、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置が普及してきている。このカラー画像形成装置も様々な方式がある。良く知られている多重転写方式、中間転写体方式のほかに、像担持体表面に現像を繰り返すことにより複数色のトナー像を重ねて形成した後、転写材に一括転写する多重現像方式、あるいは転写材搬送ベルトに沿って複数の異なる色の画像形成手段(プロセスステーション)を有し、搬送ベルトで搬送された転写材に複数色のトナー像を重ね合わせて転写するインライン方式等がある。
【0007】
インライン方式によるカラー画像形成装置は、高速化が可能であり、またトナー像転写の回数が少ないため画質に有利など多くの優位点を有している。このインライン方式では、操作性の向上、設置面積の低減のために、プロセスステーションを鉛直方向に並べ、転写材をほぼ垂直に搬送するといった構成も提案されている。
【0008】
図10に、従来のインライン方式のフルカラー画像形成装置の構成例を示す。本装置は、転写材担持体としての静電吸着ベルト、すなわち搬送ベルト14を有し、搬送ベルト14は駆動ローラ23、吸着対向ローラ22、テンションローラ13a、13bに懸架して設置されている。搬送ベルト14は、駆動ローラ23により矢印の方向に回転駆動される。
【0009】
この搬送ベルト14の周面に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像形成部であるプロセスステーション26Y、26M、26C、26Bkが配置され、搬送ベルト14により転写材が各ステーションに順次搬送される。各ステーション26Y〜Bkは感光体ドラム1Y〜Bk、一次帯電器2Y〜Bk、現像装置8Y〜Bk、ドラムクリーナ10Y〜Bkを有し、プロセスカートリッジとして一体に構成されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0010】
各ステーション26の感光体ドラム1上には、図9で説明したのと同様に、一次帯電器2による一様帯電、露光手段11Y〜Bkによる露光12Y〜Bk、現像装置8による現像を経て、各色のトナー像が形成される。感光体ドラム1には、搬送ベルト14を介してブレード形状の転写帯電手段4Y〜Bkが当接しており、感光体ドラム1上のトナー像の転写材Pへの転写時、転写帯電手段4には、これに接続した転写バイアス電源27Y〜Bkより転写バイアスが印加される。上記において、感光体ドラム1として負極性の有機半導体電子写真感光体(OPC感光体)を用い、感光体ドラム1の露光で負電荷が減衰した潜像の露光部を現像する場合には、負極性のトナーを含む現像剤が用いられる。したがって、転写帯電手段4には転写バイアス電源27より正極性の転写バイアスを印加する。
【0011】
転写材Pは、給送カセット15などからピックアップローラ16、搬送ローラ17、18によって画像形成部に向けて搬送され、ローラ状の同期回転体であるレジストローラ対19に一旦挟持された後、レジストローラ対19により、感光体ドラム1上での画像形成動作と同期をとって、搬送ベルト14の転写材吸着部に供給される。
【0012】
吸着部には、吸着帯電手段としての吸着ローラ20が搬送ベルト14を介して吸着対向ローラ22と対向設置されており、吸着ローラ20と対向ローラ22で搬送ベルト14および転写材Pを挟持するようになっている。図示しない吸着バイアス電源(高圧電源)から吸着ローラ20に電圧(吸着バイアス)を印加することにより、転写材Pに吸着電荷が付与され、電荷を付与された転写材Pが搬送ベルト14を分極することによって、転写材Pが搬送ベルト14に静電吸着される。
【0013】
このようにして搬送ベルト14に吸着された転写材Pは、各ステーション26を順次通過し、各感光体ドラム1のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が次々に重ね合わせて転写される。その後、転写材Pは、搬送ベルト14から分離して定着装置21に送られ、そこで4色のトナー像の定着を行って、転写材P上にフルカラーの永久画像が得られる。転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ10のクリーニングブレード9Y〜Bkによって除去され、ドラムクリーナ10の容器部分に回収される。
【0014】
上記の搬送ベルト14としては、厚さ50〜200μm、体積抵抗率10^9〜10^16Ωcm程度のPVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)、ETFE(四フッ化工チレン−エチレン共重合樹脂\ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂フィルムが用いられ、あるいは厚さ0.5〜2mm程度のEPDM等のゴムの基層上にたとえばウレタンゴムにPTFE等のフッ素樹脂を分散した被覆を施したゴムシートが用いられる。
【0015】
ここで、搬送ベルト14の抵抗値を高く設定すると、転写材Pが搬送ベルト14に吸着される力が強くなり、搬送力が安定するが、一方、転写が終了後、搬送ベルト14から転写材Pを分離することが困難となる。一方、搬送ベルト14の抵抗値を低く設定しすぎると、転写材の搬送が不安定となったり、各ステーション26の転写帯電手段4Y〜Bkに印加されたバイアス電圧が、搬送ベルト14を介して相互干渉し、転写不良を生じる等の弊害が発生することになる。このため、機械構成に応じ、搬送ベルト14の抵抗値を最適に設定する必要がある。
【0016】
搬送ベルト14は、通常は表面にトナー像を直接担持させることはないので、トナーにより汚染される度合いは少ないが、転写材Pのジャム時や感光体ドラム1の非画像部への地かぶりトナーの付着、あるいは搬送ベルト14上にレジストマークや濃度検出パターンを直接形成し、これを検知して画像制御に使用するシステムの起動時等においては、搬送ベルト14上にトナーが付着して汚染される。
【0017】
そこで、ベルトクリーナ34を設けて搬送ベルト14上の汚染トナーを清掃する。もしくは、各ステーション26で転写帯電手段4に転写時とは逆極性のクリーニングバイアスを印加して、搬送ベルト14上の汚染トナーを感光体ドラム1に転移し、ドラムクリーナ10に回収する清掃行程が行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成において、転写材Pを搬送ベルト14に安定的に吸着させつつ、転写終了後にはすみやかに転写材Pを搬送ベルト14から分離することは、周囲環境の影響を含めた転写材Pの抵抗値の変化を考慮すると、実際には非常に困難な事となる。本出願人等の検討の結果によれば、搬送ベルト14の表面、及び体積抵抗値を最適な値とすることで、搬送力を安定化し、各ステーション間でのバイアス電圧の干渉も生じない範囲で、補助手段を用いずに転写材Pを搬送ベルトから分離させることは達成できるものの、転写材Pが長時間低湿度状態にさらされた場合や、低温低湿度下における両面プリント時などにおいては、以下に述べるような不具合の生じることがあった。
【0019】
すなわち、転写材Pを搬送ベルト14から分離する際に、転写材Pが乾燥して高抵抗になっていると、転写材Pと搬送ベルト14の間で放電が生じ、転写材P上のトナー像が乱れる事があった。あるいは、転写材Pの分離後、転写材P上に転写帯電手段4Y〜Bkのバイアス電圧とは逆極性、すなわち負極性の過剰な電荷が蓄積しているため、分離後から定着装置21までの搬送路上におけるガイド部材(不図示)との接触や、搬送時の振動や転写材Pに加わる衝撃等により、転写材Pに蓄積した電荷が乱されることにより、転写材P上のトナー像が乱れるという画像不良が生じる事があった。
【0020】
一方、これらを防止するために、転写材Pが搬送ベルト14から分離する分離部において、転写後帯電手段として、不図示のコロナ帯電器等により、転写帯電手段4BK〜4Yのバイアス電圧と同極性、すなわち正極性の高圧電圧によって転写材Pを上方から除電することにより、上述の画像乱れは生じなくなったが、この場合には新たな画像問題の生じることが判った。すなわち、コロナ帯電器等により、転写時における転写バイアスと同極性、すなわち、正極性の帯電を行う結果、転写材P上のトナー(負極性)が電荷を失い、転写材Pへの付着力が弱まり、定着ニップ部で空気により後方へ乱される(換言すると、吹き飛ばされる)、いわゆる定着尾引き現象が発生した。この尾引き現象の一例を図11に示す。図11では、横線パターン100上のトナーが一部後方に吹き飛ばされて尾引き101を生じ、画像が乱れている状態を示している。
【0021】
そこで本発明は、転写材担持体における転写材の搬送性及び分離性を担保しつつ、該転写材担持体から転写材が分離する際における画像乱れ、及び定着尾引き現象を防止しうる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置の代表的な構成は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材の表面に転写する転写手段と、転写材を担持して前記転写手段に転写材を搬送する転写材担持体と、転写材上のトナー像を転写材に定着する定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、トナー像の転写を受けた転写材の表面をトナーの極性と逆の極性に帯電する後帯電手段と、前記後帯電手段と前記定着手段の間に配置され転写材をガイドするガイド部材と、転写材の吸湿状態を検出する検出手段と、を有し、前記後帯電手段による帯電は転写材の搬送方向の先端部から開始し、前記検出手段が検出する湿度に応じて前記後帯電手段による転写材の帯電領域を変化させる画像形成装置において、前記検出手段がより低い湿度を検出した場合に、前記帯電領域を転写材のより後端側まで広げることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]
本発明にかかる画像形成装置の第一実施形態について、図を用いて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の全体構成図、図2は画像形成装置の回路説明図、図3は転写、定着間における転写材の状態を説明する図、図4は後帯電手段を常にオフした状態における画像乱れを説明する図、図5は後帯電手段を常にオンした状態における画像乱れを説明する図、図6は水分量と後帯電手段をオンさせる領域との関係を示す図、図7転写材において後帯電手段をオンさせる領域を広げる方向を説明する図である。
【0024】
本実施形態において画像形成装置には、インライン方式のフルカラー画像形成装置を用いて説明する。上記従来例において図10を用いて説明した画像形成装置と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
本実施形態においては、搬送ベルト14の第一ステーションより上流側に、転写前帯電手段としての転写前帯電ローラ24を設置して、転写材Pを搬送ベルト14に静電吸着させるとともに、転写に先立って転写材Pを予備帯電することで、第一〜第四ステーションの転写バイアスを低くする効果を得ている。その際、転写材Pの後端が転写前帯電ローラ24を抜けた直後に、第一ステーションの転写が影響を受けるのを防止するために、第一ステーションの転写帯電手段4Yに印加する転写バイアスを制御するよう構成している。
【0026】
本実施形態の画像形成装置は、転写材担持体として搬送ベルト14(静電吸着ベルト)を有し、搬送ベルト14は、駆動ローラ23、転写前帯電対向ローラ25、テンションローラ13a、13bに懸架して設置され、駆動ローラ23により矢印の方向に回転駆動される。この搬送ベルト14の周面に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像形成部としてプロセスステーション26Y、26M、26C、26Bkが配置され、搬送ベルト14により転写材が各ステーション26に順次搬送される。各ステーション26Y〜Bkは、感光体ドラム1Y〜Bk、一次帯電器2Y〜Bk、現像装置8Y〜Bk、ドラムクリーナ10Y〜Bkを有し、プロセスカートリッジとして一体にまとめられ、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0027】
各ステーション26の感光体ドラム1上には、一次帯電器2による一様帯電、露光手段11Y〜Bkによる露光12Y〜Bk、現像装置8による現像を経て、各色のトナー像が形成される。感光体ドラム1には、搬送ベルト14を介して転写帯電手段である転写帯電手段4Y〜Bkが当接しており、感光体ドラム1上のトナー像の転写材Pへの転写時、転写帯電手段4には、これに接続した転写バイアス電源27Y〜Bkより転写バイアスが印加される。
【0028】
転写材Pは、給送カセット15などからピックアップローラ16、搬送ローラ17、18によって画像形成部に向けて搬送され、ローラ状の同期回転体であるレジストローラ対19に一旦挟持された後、レジストローラ対19により、感光体ドラム1上での画像形成動作と同期をとって、上記の転写前帯電ローラ24が設置された搬送ベルト14の転写前帯電部に供給される。
【0029】
転写前帯電手段である転写前帯電ローラ24は、転写材Pを搬送ベルト14に吸着させる吸着帯電手段である。転写前帯電ローラ24は搬送ベルト14を介して対向ローラ25と対向設置され、対向ローラ22との間で転写前帯電部に供給された転写材Pを搬送ベルト14とともに挟持して、転写前帯電電源27Aから帯電ローラ24を介して転写材Pに転写前帯電バイアスを印加することにより、転写材Pに電荷を付与する。これにより、電荷を付与された転写材Pが搬送ベルト14を分極して、転写材Pが搬送ベルト14に静電吸着され、また転写に先立って転写材Pが予備的に帯電される。本実施形態では、転写前帯電ローラ24に転写材の予備帯電手段の機能を持たせているので、転写前帯電バイアスは、現像剤(トナー)の極性とは反対極性とし、トナーには負極正帯電トナーを使用しているので、転写前帯電バイアスは正極性とした。
【0030】
また本実施形態においては、転写前帯電ローラ24は、転写材Pの抵抗値を検出することにより、前記転写材の吸湿状態を検出する検出手段を兼ねている。転写前帯電電源27Aには帯電バイアス検出手段28Aが備えられており、転写前帯電電源27Aからのバイアス印加の際に流れる電流値もしくは印加される電圧値を検出し、これによって転写材Pの抵抗値を測定する。
【0031】
このようにして搬送ベルト14に吸着された転写材Pは、各ステーション26を順次通過し、各感光体ドラム1のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が次々に重ね合わせて転写される。その後、転写材Pは、搬送ベルト14から分離して定着装置21に送られ、そこで4色のトナー像の定着を行って、転写材P上にフルカラーの永久画像が得られる。転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ10のクリーニングブレード9Y〜Bkによって除去され、クリーナ10の容器部分に回収される。
【0032】
本発明者の検討によれば、搬送ベルト14としては、厚さ100〜200μm、体積抵抗率10^8〜10^13Ωcm程度に抵抗調整されたPVDF、ETFE、ポリカーボネート、PET、ポリイミド等の樹脂フィルムが、吸着性、転写性が良好であるのに加え、適度な自己減衰性を有することから搬送ベルト14自体の除電を目的とする除電手段を設けなくとも、ベルトのチャージアップを防止できるなどの利点を有し、本実施形態で使用する適用に好適である。本実施形態では、搬送ベルト14として、周長800mm、厚さ100μmのカーボン等の分散により体積抵抗率を10^11Ωcm程度としたETFE樹脂フィルム製の厚さ100μm、周長800mmのベルトを用いた。
【0033】
転写前帯電ローラ24は、カーボン分散により体積抵抗率を10^5Ωcm以下に調整したEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体)ゴムを、直径6mmの芯金上に厚さ3mmに形成した導電性ローラとした。本発明者の検討によると、好ましくは、転写前帯電ローラ24の体積抵抗率は10^4〜10^10Ωcmである。転写前帯電ローラ24の対向ローラ25は金属ローラとし、その軸受け部分を電気的に接地して使用する。転写帯電手段4としては、一例として、厚さ100μm、体積抵抗率10^5ΩcmのPETフィルムを用い、これを45°の角度で搬送ベルト14の回転方向(矢印の方向)に対して順方向となるように押圧力を付加して当接させ、その押圧力は、搬送ベルトおよび感光体ドラムを取り去ったときに感光体ドラム方向にほぼ0.5mm復元する強さとした。転写帯電手段4は、体積抵抗率がほぼ10^2〜10^9Ωcmの範囲のものであれば、上記以外の材質のフィルムでも使用可能である。もちろん、転写帯電手段としては、この他にも、同様の体積抵抗値範囲を有するスポンジタイプあるいはソリッドタイプのゴムローラを用いてもよい。
【0034】
本発明において、上記の搬送ベルト14や転写前帯電ローラ24を初めとする種々の部材の体積抵抗率は、JIS法K6911に準拠した測定プローブを用い、ADVANTEST社製高抵抗計(モデルR8340)により100Vを印加して測定し、その値を測定対象の厚さで割って正規化したものである。
【0035】
駆動ローラ23としては、金属ローラの芯金上にスリップ防止のためのゴム層を厚さ約0.5〜3.0mmの範囲で設けたものを用いた。一例として、ゴム層の抵抗が10^15Ωcm以上の絶縁タイプを用いたが、低抵抗のものであってもよい。駆動ローラ23およびテンションローラ13a、13bは、搬送ベルト14を挟んで対峙する部材(電極)が存在せず、また搬送ベルト14自体が自己減衰系であるので、これらローラの芯金は、接地、フロートのどちらでもよい。
【0036】
図2に、本実施形態における転写前帯電手段および転写帯電手段の電源回路の一例の模式図を示す。転写前帯電ローラ24に転写前帯電バイアスを印加する転写前帯電電源27Aには、帯電バイアス検出手段28Aが接続されており、転写前帯電電源27Aの出力が定電圧制御されている場合には帯電バイアス印加時に電源27Aを流れる電流値を、定電流制御されている場合には帯電バイアス印加時に電源27Aに発生する電圧値をそれぞれ検出するよう構成している。
【0037】
同様に、第一ステーションの転写帯電手段4Yに転写バイアスを印加する転写バイアス電源27Yには、転写バイアス検出手段28Yが接続されており、転写バイアス電源27Yの出力が定電圧制御されている場合には転写バイアス印加時に電源27Aを流れる電流値を、定電流制御されている場合には転写バイアス印加時に電源27Yに発生する電圧値をそれぞれ検出するよう構成している。
【0038】
また検出手段28A、28Y、転写前帯電電源27Aおよび各ステーションの転写バイアス電源27Y〜BkはCPU29に接続されており、検出手段28A、28Yでの検出結果に応じて、電源27A、27Y〜Bkの出力を任意に制御できるようになっている。
【0039】
本実施形態では、転写前帯電電源、第一ステーションの転写バイアス電源27Yによる検知用バイアスの印加により、転写前帯電バイアスおよび転写バイアス等を設定している。以下、転写前帯電電源27Aおよび各ステーションの転写電源が定電圧制御されている場合を例に取って説明する。
【0040】
転写材Pは、前記したように、給送カセット15などからローラ16、17、18、19を経て搬送ベルト14の転写前帯電部に供給される。この段階で転写前帯電電源27Aから予め設定しておいた検出用バイアスを転写前帯電ローラ24に印加し、その際に流れる電流値を帯電バイアス検出手段28Aで検出し、検出した電流値をCPU29に送って処理する。この転写前帯電ローラ24での検出用バイアスの印加は、電気抵抗値の高い転写材Pを適切でない条件で予備帯電させて、転写材Pに転写されるトナー像の画質低下を招く要因となることがあるので、検出用バイアスの印加、それに伴う電流値の検出の一連の動作は、転写材Pの先後端に設定された余白部で行うことが望ましい。
【0041】
上記の検出手段28Aで電流値を検知した結果をもとに、転写前帯電バイアス、転写バイアス等の各種プロセス条件の設定を行うことができる。画像の高画質化を図るためには、転写前帯電ローラ24で転写材の種類や特性を精度良く判別しておくことが重要であり、このため転写前帯電ローラ24で印加する検出用バイアスは、複数段階に分けて印加することが望ましい。複数段に分けて印加した検出用バイアスのそれぞれによる電流値を検出すれば、転写材Pの種類や特性をより詳細に判別することが可能となる。
【0042】
検出用バイアスの設定は、予め転写材の種類別にバイアス値を設定しておいて、転写材の種類に応じて適切なバイアス値を選択して印加しても、あるいは検出手段28Aでの検出結果を基に、転写材に適したバイアス値をCPU29で演算して、それをフィードバック制御して印加してもよい。
【0043】
このようにして、転写前帯電ローラ24での検出用バイアスの印加およびそれによる電流値を基に、CPU29で転写材の種類や特性を判別し、転写材の種類や特性に応じた最適な転写前帯電バイアス値や転写バイアス値、さらに後述する分離帯電器等のプロセス条件の設定値を演算し、設定することが可能となる。また、必要に応じて転写材Pの電気抵抗値等を得ることも可能である。
【0044】
転写前帯電バイアスの設定に当たっては、転写材Pの種類や転写材個々の状況に応じてきめ細かく設定することは勿論望ましいことではあるが、トナー像の転写に直接関わる転写バイアスと比較すればその影響度も小さいことや、高速化に伴って転写材Pの先端に設定した余白部範囲内のみでの検出精度には限界が生じてしまうことなどを考慮すれば、転写バイアスほど精度を要しない。
【0045】
次に、第一ステーションにおいては、転写前帯電で説明したのと同様に、転写材Pが転写部に進入を開始し、画質への影響の無い先端余白部が通過している間に、転写バイアス電源27Yから転写帯電手段4Yに検出用バイアスを印加して、その際の電流値を転写バイアス検出手段28Yで検出し、その結果を基に最適な転写バイアス等をCPU29によって演算する。このような転写帯電手段4Yで検出用バイアスを印加して転写バイアス検出手段28Yで電流値を検出する一連の動作は、転写バイアスの変動がトナー像を転写する際の画質に与える影響の大きさを考慮すれば、上記のように、転写材の余白部の範囲内で行うことが望ましい。
【0046】
転写帯電手段で検出用バイアスを印加し、その際に流れる電流値を検出手段で検出し、これらの結果をもとに各種プロセス条件の設定を行って画像の高画質化を図るためには、転写帯電手段で精度良く転写材の種類や特性を検知しておくことが求められる。転写バイアスは転写されるトナー像の画質に直接影響を与えるので、高画質化のためには転写材の種類や特性に応じて、転写バイアスの設定をきめ細かく行う必要がある。このため、転写帯電手段で印加される検出用バイアスは、複数段階に分けて印加されることが望ましい。
【0047】
さらに、転写帯電手段における検出用バイアスの印加にあたっては、転写バイアス検出手段28Yでの検出結果を基に演算制御手段を用いて検出用バイアスをフィードバック制御することがより好ましい。
【0048】
従来の方式であれば、転写材の種類や特性が未知なので、最適な転写バイアスを精度良く設定するためには、検出用バイアスを広いバイアス範囲に渡って細かく設定して印加し、そのときの複数回の電流値を検知する必要があったが、転写材の先端余白部が通過する時間内に高精度に行うことは非常に困難なことであった。
【0049】
これに対し、本実施形態によれば、転写前帯電手段で予め転写材の種類や特性をある程度判別しているので、転写部では、この判別結果を基に適正転写バイアスを見つけるための検出バイアスの範囲を狭めることができ、転写材の先端余白部の範囲内で、転写バイアスの条件を設定することが可能となる。
【0050】
このようにして、転写帯電手段4Yでの検出用バイアスの印加およびそれによる電流値を基に、CPU29で転写材の種類や特性をさらに詳しく判別し、転写材の種類や特性に応じた最適な転写バイアス値等の各種プロセス条件の設定値を演算し設定することができる。
【0051】
(本願発明の特徴)
上述の制御によって、転写材の特性や環境に左右されることなく、良好な吸着あるいは転写性能を得ることが可能になるが、「発明が解決しようとする課題」の項で述べたように、第1〜第4ステーションでの転写が終了後、転写材Pを搬送ベルト14から分離する際に、転写材Pに蓄積された電荷の放電により、転写材P上のトナー画像が乱れる場合がある。
【0052】
そこで本実施形態においては、図1に示すように画像形成装置内に温湿度センサ50を設けると共に、駆動ローラ23近傍に後帯電手段としての分離帯電器30を設けている。分離帯電器30には高圧バイアス電源31を接続し、転写後に転写材P上を帯電するよう構成している。
【0053】
図3に転写、定着間における転写材Pの状態を示す。最終プロセスステーションにおける感光体ドラム1BKと転写帯電手段4BK間のポイントAを通過した転写材Pは、駆動ローラ23の曲率により、ポイントBにて搬送ベルト14から曲率分離される。次に、転写材Pの先端は定着入口ガイド32のポイントCから進入して、ガイド32上に沿い、内部に熱源を有する定着ローラ40と、加圧ローラ41が形成する定着装置21の定着ニップ部Dに導かれる。このとき、前述の従来例で説明したように、転写材Pの帯電状態に応じ、分離ポイントAや定着入口ガイド32への進入ポイントC(又はガイド32の全域)において、転写材P上のトナー像に乱れが生じる。
【0054】
図4に、分離帯電器30を常にオフした状態における画像乱れの様子を示す。図4(a)は転写材Pがある程度吸湿している状態(30℃、80%Rhの高湿度環境下に放置された状態)、図4(b)は転写材Pの吸湿度合いが若干緩和された状態(高湿〜常湿度の中間的状態に放置された状態)を示し、これらのとき、画像の乱れは発生しない。次に、図4(c)は転写材Pの乾燥度合いが若干進んだ状態(常湿〜低湿度の中間的状態に放置された状態)であり、画像の先端部P1、及び後端部P2に画像の乱れが発生している。更に図4(d)は転写材Pの乾燥度合いが非常に進んだ状態(15℃、10%Rhの低湿度状態に放置された状態)を示し、ほぼ全域のP3領域において画像乱れが発生している。
【0055】
ここで、図4(c)において先端P1に画像乱れが発生するのは、定着入口ガイド32に進入する際、転写材Pがガイド32と強く摺擦するためであり、その後、定着ニップDに転写材Pが挟まれると、ガイド32との摺擦は一旦緩和するので画像乱れが改善している。一方、後端P2に画像乱れが発生するのは、転写材Pが分離ポイントBを抜ける際のショックによるものが主因と考えられる。また、図4(d)において、ほぼ全域に画像乱れが発生するのは、転写材Pの乾燥度合いが進んでいるために、転写材Pがきわめて帯電し易く、その結果分離ポイントB〜ガイド32の進入ポイントC間において、搬送ベルト14からの転写材Pの剥離放電や搬送のショックによる放電が頻繁に発生することによるものと推定される。
【0056】
次に、図5に、分離帯電器30を常にオンした状態における画像乱れの様子を示す。この場合、従来例において説明したように、定着前の画像乱れは防止できるが、定着時において尾引き現象が発生する場合がある。まず図5(a)は転写材Pがある程度吸湿している状態を示し、このとき定着後の画像全面(P4領域)に尾引き現象が生じる。次に図5(b)は転写材Pの吸湿度合いが若干緩和された状態を示し、画像の中央部P5領域に尾引きが発生している。更に図5(c)は転写材Pの乾燥度合いが若干進んだ状態、図5(d)は転写材Pが非常に乾燥している状態を示し、これらの場合、定着尾引きは発生しない。
【0057】
ここで、図5(a)において、全域に及ぶP4領域で尾引きが生じているのは、湿度が高くなったために、転写材P上のトナーの負電荷(トリボ)が弱まったところに、更に分離帯電器30にて正のコロナ帯電(高圧バイアス電源31の出力を略+4.0KVとした)を行い、トナーのトリボが完全に失われ、更に転写材Pも除電されて、転写材P上へのトナーの付着力が殆んど無くなってしまった為である。また図5(b)において中央部P5の領域で尾引きが発生しているのは、トナーのトリボが図5(a)程低下していない状態において、搬送途中で転写材Pの中央が上に凸のループを作り(図3中の矢印の方向)、中央部付近で転写材Pが分離帯電器30に近接するためと考えられる。
【0058】
そこで本実施形態においては、転写材Pがある程度吸湿している状態(図4(a)及び図5(a)の場合)では分離帯電器30を常にオフとする。転写材Pの吸湿度合いが若干緩和された状態(図4(b)及び図5(b)の場合)では少なくとも領域P5部分では分離帯電器30をオフとする。そして転写材Pの乾燥度合いが若干進んだ状態(図4(c)及び図5(c)の場合)では、少なくとも領域P1、P2の部分では分離帯電器30をオンとする。転写材Pが非常に乾燥している状態(図4(d)及び図5(d)の場合)では分離帯電器30を常にオンとする。上記の如き制御を行うことにより、画像乱れと尾引きの双方を防止することができた。
【0059】
このとき、周囲環境(即ち、転写材Pの放置環境)の絶対水分量を、図1の温湿度センサ50で測定したところ、図4(a)及び図5(a)の場合は21.5g/kg(空気1kgあたりの水分量g)、図4(b)及び図5(b)の場合は14g/kg、図4(c)及び図5(c)の場合は4.4g/kg、図4(d)及び図5(d)の場合は1.1g/kgであった。
【0060】
そこで、図2に示すCPU29による制御回路を用い、図6に示すように、温湿度センサ50による空気中の水分量の検出結果に基づいて、転写材P(レター用紙の縦搬送、全長279mm)の先端、後端の分離帯電器30のオン幅を変化させたところ(先端、後端オン幅139.5mmのときレター用紙279mmの全域オン)、全ての環境状態において分離後の画像乱れや定着後の尾引きという画像不良が発生せず、常に良好な画像を得る事ができた。なお、転写材Pの先端、後端部から分離帯電器30を作用させる領域を広げる方向を図7に示す。図7の矢印のように、転写材Pの先端では下流側に、後端では上流側に向かって分離帯電器30をオンさせる領域を広げてゆく。なお、本実施形態では、上、下流とも同量でオン幅を広げたが、場合により異なった量で広げて行っても良い。
【0061】
[第二実施形態]
本発明に係る画像形成装置の第二実施形態について、図を用いて説明する。図8は転写前帯電手段の電流量と後帯電手段をオンさせる領域との関係を示す図であって、上記第一実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
上記第一実施形態においては、温湿度センサ50を用いて転写材Pの吸湿状態を予測することにより、分離帯電器30のオン幅制御を行うよう説明した。しかし、温湿度センサ50を設けるまでもなく、転写前帯電ローラ24による転写材Pの抵抗値検出結果、あるいは転写帯電手段4Y、4M、4C、4BKによる転写材Pの抵抗値検出結果を用いて、分離帯電器30のオン幅制御を行っても良い。本実施形態においては、一例として、転写前帯電ローラ24における抵抗値検出結果を用いる場合の構成について説明する。
【0063】
上記第一実施形態にて説明した如く、転写前帯電手段としての転写前帯電ローラ24に転写前帯電バイアスを印加する転写前帯電電源27Aには帯電バイアス検出手段28Aが備えられており、転写前帯電電源27Aからのバイアス印加の際に流れる電流値もしくは印加される電圧値を検出し、これによって転写材Pの抵抗値を測定し、その乾燥度合いを判別することができる。
【0064】
具体的には、転写前帯電ローラ24により、転写材Pの先端において+1KVの電圧を印加し、このときの転写前帯電電流値を検出した。ここで、転写材が乾燥した状態では電流値は低く、吸湿している状態では電流値は高くなる。そこで図8に示すように、検出した電流値に基づいて転写材Pの先端、後端における分離帯電器30のオン幅を変化させることとした。
【0065】
この結果、第一実施形態で説明したのと同様に、全ての環境状態において、分離後の画像乱れや定着後の尾引きという画像不良が発生せず、常に良好な画像を得る事ができた。しかも第一実施形態に比して、直接転写材Pの抵抗値を測定するため、例えば周囲環境が急激に変化し、転写材Pの抵抗値が環境湿度に十分になじんでいないような場合でも、良好な制御を行うことができた。
【0066】
更にまた、例えば自動両面プリント(装置図面は省略)等を行った場合、周囲環境がそれ程低湿度でないにもかかわらず、1面目の画像形成の際に定着装置21の熱により転写材Pが乾燥し、2面目の転写後においてのみ分離時画像乱れが発生する場合がある。このような場合においても、本実施形態を用いれば、1面目、2面目で個々に転写材Pの抵抗値を検出できるため、2面目分離時においても、適切に分離帯電器30を動作させることができる。
【0067】
なお、転写材Pの抵抗を検出するためには、上述のように転写前帯電ローラ24に定電圧を印加する代わりに、定電流を印加し、このときの電圧値を検出するようにしても良い。
【0068】
また本実施形態においては、転写前帯電ローラ24における抵抗値検出結果を用いる場合の構成について説明したが、この代わりに第一ステーションの転写帯電手段4における抵抗値検出結果を用いることもできる。すなわち、転写に先立ち、例えば転写材Pの非画像形成領域に相当する先端部に、転写帯電手段4Yにより所定値のバイアス電圧(電流)を印加し、転写バイアス電源27Yに接続された転写バイアス検出手段28Yにより、転写帯電手段4Yに流れる電流値若しくは発生する電圧値を検出することによっても、同様の制御を行うことができる。
【0069】
[第三実施形態]
次に、本発明に係る画像形成装置の第三実施形態について説明する。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
上記各実施形態においては、分離帯電器30を作用(オン)させる場合、略+4.0KVの高圧を高圧バイアス電源31より印加し、作用させない(オフ)場合は、0Vとしていた。しかし、分離帯電器30の対向面を、トナー像を担持した転写材Pが移動する場合、分離帯電器30に電圧を印加させないと、分離帯電器30のコロナワイヤがトナーにより著しく汚染される場合がある。このような場合、高圧バイアス電源31に正、負両極性の出力を備え、コロナ放電が生じない程度の、弱い負のバイアス電圧を分離帯電器30に適宜印加することで、トナーによるコロナワイヤの汚染を防止することができる。
【0071】
具体的には、一例として、上記各実施形態において分離帯電器30のオン領域(即ち+4.0KVの高圧印加領域)以外の全ての領域において、分離帯電器30に略-500Vの電圧を印加させることで、前述の分離帯電器30のコロナワイヤ汚れを防止することができた。なお、分離帯電器30に印加する汚れ防止バイアスは、トナーと同極性で、かつコロナ放電しきい値電圧以下のバイアス電圧値であれば良く、本実施形態においては、-100V〜-2000V程度が適当な値であった。
【0072】
[他の実施形態]
上記第二実施形態において、自動両面プリント実施時にも本発明を適用する例を説明したが、各々の機械構成に伴い、例えば、1面目では画像乱れが殆んど発生せず、2面目において湿度低下に伴い分離時の画像乱れが発生するような場合においては、1面目の画像形成時には分離帯電器30を動作させず、2面目の給送信号を受けた場合においてのみ第一〜第三実施形態で説明した如く分離帯電器30の動作制御を実行するようにしても良い。
【0073】
また、使用する転写材の種類に応じ、手動または自動で第一〜第三実施形態で説明した如く分離帯電器30の動作制御を実行するようにしても良い。
【0074】
なお、実施形態中において、後帯電手段である分離帯電器30は、分離部である駆動ローラ23の略真上方向に配置した例を用いて説明を行ったが、転写材Pの搬送ベルト14からの分離自体は、転写材Pの腰で機械的に分離することが十分可能であるため、分離帯電器30は図1〜図3等で示すよりも下流側(具体的には、駆動ローラ23の対向面よりも下流側)に配設しても良く、この場合でも転写材P自体を除電することに対しては何ら支障がない。
【0075】
また、実施例中において、後帯電手段である分離帯電器30としては、一例として、放電ワイヤを有するコロナ帯電器を用いて説明を行なったが、この代わりに、例えば、三角形状又は針端状の導電性突起を、数mm(又はそれ以上の)間隔で長手方向に連ねた、周知の放電(除電)針を用いたり、或いは放電(除電)ブラシ等を用いることで、針端によるコロナ放電を行なっても良いのはもちろんである。
【0076】
【発明の効果】
上記説明した如く、本発明によれば転写材担持体から転写材が分離する際における画像乱れ、または定着尾引き現象を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の全体構成図である。
【図2】画像形成装置の回路説明図である。
【図3】転写、定着間における転写材の状態を説明する図である。
【図4】後帯電手段を常にオフした状態における画像乱れを説明する図である。
【図5】後帯電手段を常にオンした状態における画像乱れを説明する図である。
【図6】水分量と後帯電手段をオンさせる領域との関係を示す図である。
【図7】転写材において後帯電手段をオンさせる領域を広げる方向を説明する図である。
【図8】転写前帯電手段の電流量と後帯電手段をオンさせる領域との関係を示す図である。
【図9】電子写真方式を用いた従来の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図10】従来のインライン方式のフルカラー画像形成装置の構成例を示す。
【図11】尾引き現象の一例を示す図である。
【符号の説明】
P …転写材
1 …感光体ドラム
2 …一次帯電器
4 …転写帯電手段
8 …現像装置
9 …クリーニングブレード
10 …ドラムクリーナ
11 …露光手段
12 …露光
13 …テンションローラ
14 …搬送ベルト
15 …給送カセット
16 …ピックアップローラ
17 …搬送ローラ
18 …搬送ローラ
19 …レジストローラ対
20 …吸着ローラ
21 …定着装置
22 …吸着対向ローラ
23 …駆動ローラ
24 …転写前帯電ローラ
25 …転写前帯電対向ローラ
26 …プロセスステーション
27 …転写バイアス電源
27A …転写前帯電電源
28A …帯電バイアス検出手段
28Y …転写バイアス検出手段
29 …CPU
30 …分離帯電器
31 …高圧バイアス電源
32 …定着入口ガイド
34 …ベルトクリーナ
40 …定着ローラ
41 …加圧ローラ
50 …温湿度センサ
100 …横線パターン
101 …尾引き
Claims (12)
- トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材の表面に転写する転写手段と、転写材を担持して前記転写手段に転写材を搬送する転写材担持体と、転写材上のトナー像を転写材に定着する定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、トナー像の転写を受けた転写材の表面をトナーの極性と逆の極性に帯電する後帯電手段と、前記後帯電手段と前記定着手段の間に配置され転写材をガイドするガイド部材と、転写材の吸湿状態を検出する検出手段と、を有し、前記後帯電手段による帯電は転写材の搬送方向の先端部から開始し、前記検出手段が検出する湿度に応じて前記後帯電手段による転写材の帯電領域を変化させる画像形成装置において、
前記検出手段がより低い湿度を検出した場合に、前記帯電領域を転写材のより後端側まで広げることを特徴とする画像形成装置。 - 前記後帯電手段が転写材の搬送方向における転写材の後端をも帯電することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材の表面に転写する転写手段と、転写材を担持して前記転写手段に転写材を搬送する転写材担持体と、転写材上のトナー像を転写材に定着する定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、トナー像の転写を受けた転写材の表面をトナーの極性と逆の極性に帯電する後帯電手段と、前記後帯電手段と前記定着手段の間に配置され転写材をガイドするガイド部材と、前記転写材の吸湿状態を検出する検出手段と、を有する画像形成装置において、
前記後帯電手段が転写材の搬送方向における転写材の先端部から転写材の途中まで帯電して転写材の中央部を帯電しない第1のモードと、前記後帯電手段が転写材の全域を帯電する第2のモードと、を有し、前記検出手段が検出する湿度に応じて前記第1のモードか第2のモードのいずれか一方を実行し、前記検出手段が検出する湿度が高い場合には前記第1のモードを実行し、前記検出手段が検出する湿度が低い場合には前記第2のモードを実行することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1のモードにおいて、前記後帯電手段が転写材の搬送方向における転写材の後端をも帯電することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、周囲環境の湿度を検出する湿度センサであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記転写手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記転写手段による転写に先立って前記転写材を帯電する転写前帯電手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材の表面に転写する転写手段と、転写材を担持して前記転写手段に転写材を搬送する転写材担持体と、転写材上のトナー像を転写材に定着する定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、トナー像の転写を受けた転写材の表面をトナーの極性と逆の極性に帯電する後帯電手段と、前記後帯電手段と前記定着手段の間に配置され転写材をガイドするガイド部材と、周囲環境の湿度を検出する湿度センサと、を有し、前記後帯電手段による帯電は転写材の搬送方向の先端部から開始し、前記湿度センサが検出する湿度に応じて前記後帯電手段による転写材の帯電領域を変化させる画像形成装置において、
前記湿度センサがより低い湿度を検出した場合に、前記帯電領域を転写材のより後端側まで広げることを特徴とする画像形成装置。 - 前記後帯電手段が転写材の搬送方向における転写材の後端をも帯電することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材の表面に転写する転写手段と、転写材を担持して前記転写手段に転写材を搬送する転写材担持体と、転写材上のトナー像を転写材に定着する定着手段と、前記転写手段と前記定着手段の間に配置され、トナー像の転写を受けた転写材の表面をトナーの極性と逆の極性に帯電する後帯電手段と、前記後帯電手段と前記定着手段の間に配置され転写材をガイドするガイド部材と、周囲環境の湿度を検出する湿度センサと、を有する画像形成装置において、
前記後帯電手段が転写材の搬送方向における転写材の先端部から転写材の途中まで帯電して転写材の中央部を帯電しない第1のモードと、前記後帯電手段が転写材の全域を帯電する第2のモードと、を有し、前記湿度センサが検出する湿度に応じて前記第1のモードか第2のモードのいずれか一方を実行し、前記前記湿度センサが検出する湿度が高い場合には前記第1のモードを実行し、前記前記湿度センサが検出する湿度が低い場合には前記第2のモードを実行することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1のモードにおいて、前記後帯電手段が転写材の搬送方向における転写材の後端をも帯電することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記帯電領域以外の転写材の領域に、前記後帯電手段が対向している時は、前記後帯電手段に対し、トナーと同極性であって、前記後帯電手段が放電しない放電しきい値以下の電圧を印加することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002045874A JP4174220B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002045874A JP4174220B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | 画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003241526A JP2003241526A (ja) | 2003-08-29 |
JP4174220B2 true JP4174220B2 (ja) | 2008-10-29 |
Family
ID=27784428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002045874A Expired - Fee Related JP4174220B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4174220B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4854071B2 (ja) * | 2006-02-22 | 2012-01-11 | 京セラミタ株式会社 | 画像形成装置 |
JP5268311B2 (ja) * | 2007-09-13 | 2013-08-21 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
JP5665384B2 (ja) * | 2010-06-16 | 2015-02-04 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-02-22 JP JP2002045874A patent/JP4174220B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003241526A (ja) | 2003-08-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6766123B2 (en) | Image forming apparatus with detected-current transfer material charging voltage control feature | |
JP3865026B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4174220B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000181242A (ja) | 画像形成装置の転写制御装置 | |
JP2002278307A (ja) | 画像形成装置及びその除電手段のバイアス制御方法 | |
JP3740363B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5686619B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3740362B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003345146A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4763932B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2007171540A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2004144784A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3610697B2 (ja) | 画像形成装置における電圧設定方法 | |
JP2004109549A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3843629B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2001066911A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH05100534A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3815530B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2002049252A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003195657A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2005055458A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000338821A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH11184278A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2006145920A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2008261965A (ja) | 画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050202 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071211 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20080116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080415 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080729 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080818 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |