JP3843629B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、さらに詳しくは、転写後の記録シートが所定の搬送経路を適切に搬送されているか否かを検知する技術の改良に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が存在しており、様々な分野で使用されている。このような画像形成装置の動作は、感光体表面に電子写真プロセスによってトナー像を形成し、そのトナー像を所定のタイミングで搬送される記録シートへ転写し、さらに圧力や熱によってそのトナー像を融解定着させて永久像を得るものである。また、感光体表面にトナー像を形成した後、一旦中間転写体にそのトナー像を転写し、さらにそのトナー像を記録シートへ転写するものもある(特開平2−213879号公報参照)。
【0003】
このような画像形成装置において、転写後の記録シートが適切に搬送されているか否かを検知し、適切に搬送されていない場合には装置の運転を停止する構成を有するものがある。すなわち、転写後の記録シートが感光体や中間転写体に付着したり、転写ロールに巻き込まれたりしているのを検知し、感光体や中間転写体、転写ロール等の運転を停止するものが従来から知られている。この転写後の記録シートが適切に搬送されているか否かを検知するために、例えば、転写位置の近傍に光センサを設け、記録シートと感光体や中間転写体との光の反射特性の相違によってそれを検知することが一般的に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、転写位置近傍には比較的多くのトナーが浮遊しており、光センサの感光面を汚してしまい、一般的にセンサの感度が低下しやすい。一方、比較的浮遊トナーの少ない、転写位置からある程度離れた位置にセンサを設ける場合には、記録シートの搬送不良を検知するタイミングが遅れ、例えば、下流のベルトクリーニング装置に記録シートが達する前に画像形成装置の運転を停止することが困難となる。特に、転写ロールにクリーニング装置を備える画像形成装置において、記録シートがその転写ロールのクリーニング装置に巻き込まれる前に、搬送異常を検知し、装置を停止させる為には、転写位置の極近傍での搬送不良を検知することが必要である。
【0005】
また、本出願人は、画像形成装置内の浮遊トナーによるセンサの感度低下を防止する等の観点から、記録シートの有無により生じる電気的な変化を計測することにより、記録シートの搬送不良を検知する技術について既に特許出願を行っている(特願平9−324739)。しかし、本発明者らの更なる研究の結果、記録シートの搬送不良をより正確に検知するためには、種々の画像形成条件を考慮して搬送不良を検知することが好ましいことが明らかとなった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、転写ロールにクリーニング装置を有している画像形成装置においても、記録シートの搬送不良を早期に検知し、そのクリーニング装置に記録シートが巻き込まれる前に確実に装置を停止することができる画像形成装置を提供することにあり、その第二の目的は、転写位置の近傍に設置することが可能であり、さらに、記録シートの搬送不良をより正確に検知することができる検知手段を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成の一態様としては、電子写真プロセスにより形成されるトナー像を記録シートに転写する転写手段と、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを検知する検知手段と、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されていない場合には装置の運転を停止する停止手段とを備える画像形成装置において、当該転写手段は、トナー像が記録シートに転写されるような電荷を記録シートに与える転写ロールと、その転写ロール表面をクリーニングするクリーニング手段とを有し、当該検知手段は、記録シートが当該転写ロールに巻き込まれているか否かを検知するとともに、巻き込まれている場合にはその巻き込まれた記録シートが当該クリーニング手段に達するまでに当該停止手段が当該転写ロールの回転を停止することができる位置に設置されているものである(請求項2)。
【0008】
図1は、転写位置、転写ロールのクリーニング位置、検知手段の位置、検知手段が記録シートの有無を検知する位置との関係をそれぞれ説明するものである。この図では、転写位置PT は転写ロールとバックアップロールとのニップ位置になる。クリーニング位置Pc は転写ロールとクリーニング手段とが接する位置になる。通常は、転写後の記録シートは点線で示す適切な搬送経路上を搬送され、下流側の図示しない定着装置へと搬送される。一方、搬送不良が生じ、記録シートが転写ロールに巻き付いてしまうこともある。ここで、検知手段は記録シートが転写ロールに巻き付いているか否かを検知するものであるが、実線矢印Sで示すように、適切な搬送径路上のある位置PS に搬送されるべきタイミングで記録シートが搬送されていない(存在しない)ことを検知して、記録シートの巻き付きを間接的に検知するものであってもよいし、点線矢印S’で示すように、転写ロール上のある位置PS ’ の記録シートの存在を検知して、記録シートの巻き付きを直接的に検知するものであってもよい。
【0009】
ここで、転写位置PTから検知位置PSまでの搬送経路距離、又は転写位置PTから検知位置PS’までの転写ロールの回転方向周長距離をlSとし、転写位置PTからクリーニング位置Pcまでの転写ロールの回転方向周長距離をlcとすると、両距離の関係は図2のようになる。そして、巻き込まれた記録シートが当該クリーニング手段に達するまでに停止手段が当該転写ロールの回転を停止するためには、検知手段が記録シートの巻き付きを検知してから、さらに記録シートが距離(lc−lS)分だけ転写ロールに巻き付くまでに停止手段が転写ロールの回転を停止させる必要がある。ここで、記録シートの巻き付き速さは、転写速さVTと等しいと考えてよいから、記録シートの巻き込みを検知してから記録シートが当該クリーニング手段に達するまでの時間をt2として、t2=(lc−lS)/VTであり、記録シートの巻き込みを検知してから当該停止手段が当該転写ロールの回転を停止するまでの時間をt1として、t1<t2であればよい(請求項3)。
【0010】
画像形成装置をこれらのように構成することにより、記録シートが転写ロールに巻き付いてた場合でも、それを早期に検知して、その記録シートの先端が転写ロールのクリーニング手段に達する前に転写ロールの回転を停止させることができるため、容易にその記録シートを除去することができる。
【0011】
なお、転写手段の転写ロールは、トナー像が記録シートに転写されるような電荷を記録シートに与えるものであるが、この電荷は直接転写ロール側から与えられるものであってもよいし、図1に示したように転写ロールと対をなすバックアップロールに給電ロールを接触させ、バックアップロール側から与えられるものであってもよい。また、転写ロールのクリーニング手段は、転写ロールに接してその表面に付着する残留トナーや紙屑等をクリーニングするものであり、例えば、(図1に示すような)ファーブラシ状のもの、ロール状のもの、ブレード状のもの等を適宜選択することができる。さらに、停止手段は、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されていない場合には、転写ロールの回転を含めて装置の運転を停止するものであり、周知の技術を適宜選択することができる。
【0012】
ところで、記録シートの巻き込みを検知してから当該停止手段が当該転写ロールの回転を停止するまでの時間t1 は、例えば、転写ロールにブレーキ装置等を設けることにより、ある程度短くすることは可能であるが、それには自ずと限界がある。一方、記録シートの巻き込みを検知してから記録シートが当該クリーニング手段に達するまでの時間t2 (=(lc −lS )/VT )を長くすることは、例えば、転写位置PT からクリーニング位置Pc までの転写ロールの回転方向周長距離lc を長く設定することにより、また、転写速度VT を遅く設定することにより可能であるが、それぞれ装置の小型化、画像形成の高速化の要請に反する。
【0013】
したがって、装置の小型化及び画像形成の高速化とともに、記録シートの先端が転写ロールのクリーニング手段に達する前に転写ロールの回転を確実に停止させるため、すなわち、上述の「t1 <t2 」を確実に実現するためには、転写位置PT から検知位置PS1(PS2)までの転写ロールの回転方向周長距離lS を出来るだけ短くすること、つまり出来るだけ早期に転写位置PT から排出された記録シートの搬送不良を検知することが重要である。そして、正確な検知を行うためには、一般に検知位置PS1(PS2)と検知手段の位置とは出来るだけ近いほうが好ましい。これは、転写位置PT の近傍に検知手段を設けるのが好ましいことを意味する。しかし、転写位置PT 近傍に検知手段として光センサを設ける場合には、転写位置PT 近傍に比較的多く浮遊するトナーにより光センサの感光面が汚れて、経時的に感度が低下してしまうことがある。
【0014】
そこで、本発明においては、上記検知手段が、当該所定の搬送経路近傍に配設される導電性部材と、当該導電性部材に生じる電流又は電圧を計測する計測部と、当該計測部により計測される電流値又は電圧値に基づいて転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを判断する判断部とを有する画像形成装置とすることもできる(請求項2および3)。画像形成装置をこのように構成することにより、早期に記録シートの搬送不良を検知するために検知手段(特にその導電性部材)を浮遊トナーの比較的多い転写位置PT近傍に設けても、トナー汚れによる経時的な感度低下が殆どなく、精度良く検知を行うことができる。
【0015】
さらに、本発明においては、上記検知手段が、搬送される記録シートの画像形成条件によりそれぞれ検知精度の異なる複数の検知部と、その画像形成条件に基づいて、複数の検知部の何れの検知部で検知するかを選択する選択部とを有する画像形成装置とすれば(請求項2および3)、搬送される記録シートの画像形成条件に基づいて最も検知精度のよい検知部により検知を行うことができるため、早期に記録シートの搬送不良を検知するために検知手段(特にその導電性部材)を浮遊トナーの比較的多い転写位置PT近傍に設けて、精度良く検知を行うことができる。
【0016】
また、検知手段に関するこのような技術的思想は、転写ロールのクリーニング手段への記録シートの巻き付き防止以外にも広く適用することができる。すなわち、電子写真プロセスにより形成されるトナー像を記録シートに転写する転写手段と、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを検知する検知手段と、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されていない場合には装置の運転を停止する停止手段とを備える画像形成装置において、上記検知手段が、搬送される記録シートの画像形成条件によりそれぞれ検知精度の異なる複数の検知部と、その画像形成条件に基づいて、複数の検知部の何れの検知部で検知するかを選択する選択部とを有するように構成することもできる(請求項1)。画像形成装置をこのように構成することにより、転写後の記録シートの搬送不良を精度良く検知することができる。
【0017】
ここで、記録シートの画像形成条件とは、検知部の検知精度に影響を与えるものであり、検知部の構成との関係で相対的に決定されるものである。例えば、検知部が光センサの場合には、記録シートの画像形成条件は、記録シートの光反射特性であり、より詳しくは画像を含めた記録シートと転写ロール、中間転写ベルト等との反射光量の相違等である。そして複数の検知部として、例えば、ある波長の光に指向性を有する光センサや、正反射光、拡散反射光をとらえる光センサを複数設け、搬送される記録シートの光反射特性(画像形成条件)に基づいて、検知精度の最も優れた光センサ(検知部)により検知することとなる。
【0018】
また例えば、検知部が電流計や電圧計等の電気センサの場合には、記録シートの画像形成条件は、記録シートの電気的特性であり、より詳しくは画像を含めた記録シートの電気抵抗値、誘電率、帯電量等である。そして複数の検知部として、例えば、記録シートの電気抵抗値の高低により検知精度のそれぞれ異なる電気センサを複数設け、搬送される記録シートの電気抵抗値(画像形成条件)に基づいて、検知精度の最も優れた電気センサ(検知部)により検知することとなる。
【0019】
このような検知手段の検知部が電気センサの場合の一例として、上記検知手段は、当該所定の搬送経路近傍に配設される第一及び第二の導電性部材と、搬送される記録シートを除電するために当該第一の導電性部材に所定の除電電圧を印加する電源部と、搬送される記録シートにより当該第一及び/又は第二の導電性部材に生じる電流又は電圧を計測する計測部と、搬送される記録シートの画像形成条件に基づいて第一の導電性部材又は第二の導電性部材のいずれかに生じる電流又は電圧を選択する選択部と、選択部により選択される電流値又は電圧値に基づいて転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを判断する判断部とを有する画像形成装置が挙げられる(請求項4)。
【0020】
この画像形成装置は、第一の導電性部材、電源部、計測部、判断部から成る一の検知部(第一の検知部)と第二の導電性部材、計測部、判断部から成る他の検知部(第二の検知部)とが、記録シートの画像形成条件によりその検知精度がそれぞれ異なることを利用し、搬送される記録シートの画像形成条件に基づいて、選択部が検知精度の優れた検知部を選択し、その検知部により検知するものである。一例として、第一及び第二の導電性部材に生じる電流を計測する場合を説明する。
【0021】
図3(a)は、第一の導電性部材に一定の除電電圧を印加し、第一の導電性部材近傍に記録シートが存在する場合と存在しない場合との第一の導電性部材に生じる電流値を示している。ここでは、記録シートが存在しない場合の電流値I1 と存在する場合の電流値I1 ’との差をΔI1 としている。図3(b)は、第二の導電性部材近傍に記録シートが搬送されていない場合と搬送されている場合との電流値(誘電電流値)を示している。ここでは、記録シートが搬送されていない場合の電流値I2 と搬送されている場合の電流値I2 ’との差をΔI2 としている。そして、例えば、第一の導電性部材に生じる電流において、I1 <IT1<I1 ’を満たす電流値IT1を閾値として、第二の導電性部材に生じる電流において、I2 <IT2<I2 ’を満たす電流値IT2を閾値としてそれぞれ記録シートの存在の有無、搬送の有無を検知することができる。いずれの場合も、それぞれ電流値の差ΔI1 、ΔI2 が大きい方が記録シートの存在、搬送の有無をより正確に検知することができる。
【0022】
ところで、これらΔI1 、ΔI2 は搬送される記録シートの画像形成条件(電気的特性)の変動に伴い、相反する挙動を示す。
【0023】
例えば、画像形成装置内の湿度が高くなると、記録シートの含水量が多くなり、その電気抵抗値が低下する。すると、記録シートの帯電電位の大きさは小さくなり、除電電圧と記録シートの帯電電位との電位差が大きくなり、記録シートが存在する場合の電流値I1 ’の大きさがより大きくなり、結果としてΔI1 の大きさは大きくなる。一方で、記録シートの帯電電位の大きさが小さくなると、第二の導電性部材に誘起される電流値I2 ’の大きさは小さくなり、結果としてΔI2 の大きさは小さくなる。
【0024】
逆に、画像形成装置内の湿度が低くなると、記録シートの含水量が少なくなり、その電気抵抗値が上昇する。すると、記録シートの帯電電位の大きさは大きくなり、除電電圧と記録シートの帯電電位との電位差が小さくなり、記録シートが存在する場合の電流値I1 ’の大きさがより小さくなり、結果としてΔI1 の大きさは小さくなる。一方で、記録シートの帯電電位の大きさが大きくなると、第二の導電性部材に誘起される電流値I2 ’の大きさは大きくなり、結果としてΔI2 の大きさは大きくなる。したがって、高湿時にはΔI1 を計測して検知する第一の検知部を選択し、低湿時にはΔI2 を計測して検知する第二の検知部を選択すると、互いの欠点を補い合い、より検知精度の高い搬送不良検知を行うことができる。
【0025】
この他にも、搬送される記録シートの画像形成条件としては、例えば、その記録シートの材質、両面画像形成モードの第二面目のものか否か等を挙げることができる。すなわち、例えば記録シートの材質として、普通紙よりもOHPシートの方が電気抵抗値が高い傾向がある。また、第二面目の記録シートは一度定着装置を通過しているため、その水分が蒸発し、第一面目に比べて電気抵抗値が高い傾向がある。
【0026】
【発明の実施による形態】
次に、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
実施例
図4は、本実施例にかかる画像形成装置の全体の構成を示したものである。この画像形成装置の画像形成部1は、トナー画像を担持する回転可能なドラム状の感光体10、感光体10表面を一様に帯電させる帯電器11、帯電させられた感光体10表面を露光し静電潜像を形成する露光器12、形成させた静電潜像にトナーを付着させ可視像を形成する現像器13、そのトナー像を中間転写ベルト(以下単に「ベルト」という)20に転写させる一次転写装置14、転写されずに感光体表面に残留したトナーをクリーニングする感光体クリーニング装置15などを備えるものである。また、ベルト20は、回転可能な無端ベルト状に形成されており、ポリイミド、ポリカーボ、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂又は各種ゴムにカーボンブラック等を適当量含有させて体積抵抗率が106 〜1015Ω・cmとされ、その厚みは0.1mmに設定されており、複数の架張ロールにより架張されている。
【0027】
さらに、ベルト20上に一次転写されたトナー像を記録シートに二次転写する二次転写装置3(転写手段)、二次転写後のベルト20表面をクリーニングするベルトクリーニング装置21、記録シートを収容する記録シートトレイ40、記録シートトレイから一枚づつ記録シートを取り出すピックアップロール41、取り出された記録シートを二次転写位置へと搬送する搬送ロール対42、記録シートを一時的に保持し、回転するベルト上のトナー像とのタイミングを図り二次転写位置へと記録シートを排出するレジロール対(図示せず)、二次転写後の記録シートを定着装置へと搬送するベルト搬送装置43、記録シート上に保持された未定着トナー像を熱と圧力との作用により記録シートに永久像として定着させる定着装置5等を有している。
【0028】
図5は、図4の二次転写装置3周辺の構成をより詳細に示したものである。二次転写装置3は、ベルト20に転写されたトナー像をさらに所定のタイミングで搬送される記録シートへ転写させる為のものであり、ベルト20を挟んで対峙する転写ロール30とバックアップロール32、さらにこの転写ロール30にはその表面にオフセットされる微量のトナーをクリーニングするためにウレタンゴムからなるクリーニングブレード31(クリーニング手段)が所定圧力で圧接している。またバックアッップロール32にはトナー像の転写を促す電荷を印加する給電ロール33が接触している。なお、図5中の点線矢印は記録シートの適切な搬送経路を示している。
【0029】
この転写ロール30は、中心から外周に向かってコア層、スキン層、コーティング層を備える3重構造となっており、それぞれコア層は金属で、その周囲のスキン層は固着されたカーボンブラック分散発泡EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)材料で、さらにその周囲のコーティング層はカーボンブラック分散のフッ素樹脂系材料で構成されている。この際、スキン層の体積抵抗率は106 Ω・cm、コーティング層の体積抵抗率は1010Ω・cm、ロール硬度はアスカC硬度で20°から45°である。また、バックアップロール32は、中心から外周に向かって金属芯材層とEPDM層とからなっており、さらにEPDM層は内側の発泡弾性体層と外側の導電層とからなっている。ここで、導電層はカーボンブラックを15〜35wet%分散した半導電性のEPDM発泡ゴムによって構成され、その厚みは0.5〜1.5mm、表面抵抗率は107 〜1010Ω/□に規定されている。
【0030】
そして、転写ロール30とバックアップロール32とのニップ位置に相当する二次転写位置PT の近傍で、それよりも記録シート搬送方向の下流側には、記録シートを除電するための電圧が印加される金属製の除電板61、さらにその下流側には接地される金属製の案内板62とが設けられている。なお、案内板62は直接記録シートと接触することがないように、案内板62の搬送経路側には絶縁性のカバー(図示せず)が取り付けられている。
【0031】
次にこの画像形成装置が、フルカラーの画像形成を行う通常の動作について説明する。まず、帯電器11によって一様に帯電された感光体10表面を露光器12によってレーザー露光し、ブラック、イエロー、マゼンタ、サイアンの各色に対応した静電潜像を形成する。次に、例えば、ブラックに対応した静電潜像が形成されるとブラック用の現像器13(Bk)によってその静電潜像にトナーを付着させ、トナー像(Bk)を形成する。このトナー像(Bk)は感光体10の回転に伴い、一次転写位置に達する。ここで、一次転写装置14によってトナーの帯電極性と逆極性の電圧をベルト20を間に挟んで印加することによって、感光体10上のトナー像(Bk)は静電力によりベルト20に転写される。このプロセスをイエロー、マゼンタ、サイアンの各色について一次転写のタイミングを図りながら繰り返すことによって、ベルト20上には4色のトナー像によってフルカラーのトナー像が形成される。なお、すべての色のトナー像がベルト20上に一次転写されるまでは、転写ロール30、ベルトクリーナ21はベルト20に対して離間されている。
【0032】
フルカラーのトナー像はベルト20の回転に従動し、二次転写位置PT に達する。このタイミングに同期して、レジロールによって保持されていた記録シートも二次転写位置PT へと搬送される。この二次転写位置PT において、転写ロール30とバックアップロール32とがベルト20、トナー像、記録シートを挟み込み、給電ロール33からトナーの帯電極性と同極性の電圧が印加されているため、その対向電極をなす転写ロール30にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が生じ、静電力によってベルト20上のトナー像は記録シートへと二次転写される。二次転写されたトナー像は、記録シートの表面に保持されたまま、ベルト搬送装置により定着手段5へ搬送され、一対の定着ロールのニップ部分を通過し、その圧力と熱の作用によってトナーが融解し、永久像となり、その永久像を保持した記録シートは排出されフルカラーの画像形成が終了する。
【0033】
ところで、この画像形成装置では、二次転写後の記録シートが適切に搬送されず、例えば転写ロール30に巻き付いたり、ベルト20に付着したりする状態を検知し、画像形成装置の運転を停止する機能を有するものである。以下、そのための構成及びその動作を説明する。
【0034】
図6は、この画像形成装置の記録シートの搬送不良による装置停止制御の制御系をブロック図により説明するものである。この画像形成装置は、上述した電子写真プロセスにより形成されるトナー像を記録シートに転写する二次転写装置3(転写手段)の他に、転写後の記録シートが所定の搬送経路に搬送されているか否かを検知する検知手段6と、転写後の記録シートが所定の搬送経路に搬送されていない場合には装置の運転を停止する停止手段7とを備えるものである。
【0035】
そして、検知手段6は、上述した除電板61(第一の導電性部材)、同じく上述した案内板62(第二の導電性部材)、搬送される記録シートを除電するために除電板61に所定の除電電圧を印加する電源装置63(電源部)と、搬送される記録シートにより除電板61及び案内板62に生じる電流を計測する電流計測装置64(計測部)と、湿度センサにより検出される画像形成装置内の湿度情報(画像形成条件)、ユーザがユーザインタフェイスを介して入力する記録シートの種類及び画像形成モード(画像形成形成条件)に基づいて除電板61又は案内板62のいずれかに生じる電流を選択する選択部65(及びリレー装置)と、選択部65により選択される電流値に基づいて転写後の記録シートが所定の搬送経路に搬送されているか否かを判断する判断部66とを有するものである。なお、選択部65、判断部66、停止手段7は、画像形成装置内の中央処理装置内の制御プログラムとしてそれらの機能を実現している。
【0036】
また、除電板61は、適切な搬送径路上のある位置PS1における記録シートの有無を検知できる位置に設けられ、案内板62の位置は、適切な搬送径路上のある位置PS2における記録シートの有無を検知できる位置に設けらる(図5参照)。そして、検知位置PS1及びPS2、二次転写位置PT 、転写ロール30のクリーニング位置Pc との関係は、転写位置PT から検知位置PS1までの搬送経路距離をlS1、転写位置PT から検知位置PS2までの搬送経路距離をlS2とし、転写位置PT からクリーニング位置Pc までの転写ロールの回転方向周長距離をlc とすると、それらの距離の関係はlS1<lS2<lc となる。そして、検知手段6が記録シートの転写ロール30への巻き付きを検知してから、さらに記録シートが距離(lc −lS1)又は距離(lc −lS2)分だけ転写ロール30に巻き付くまでに、停止手段7は転写ロール30の回転を停止させる。つまり、検知手段6が記録シートの転写ロール30への巻き込みを検知してから記録シートがクリーニングブレード31に達するまでの時間をt2 、記録シートの巻き込みを検知してから停止手段7が転写ロール30の回転を停止するまでの時間をt1 として、t1 <t2 である。すなわち、そのような位置に除電板61、案内板62が設けられている。
【0037】
以下、このような構成により実現される画像形成装置の停止制御の動作について図7乃至図9を用いて説明する。図7は、その停止制御の全体の動作をフローチャートを用いて説明するものである。
【0038】
S1では、搬送される記録シートの画像形成条件に基づいて、除電板61又は案内板62からの電流の内、より検知精度の高い方の電流値を計測するかを選択する。その後、所定のタイミングで搬送される記録シートに、ベルト20上に保持されているフルカラートナー像が二次転写位置PT で二次転写される(S2)。S3では、S1で選択した導電性部材(除電板61又は案内板62)に生じる電流値を電流計測装置64により計測する。S4では、計測された電流値に基づいて、二次転写後の記録シートが適切な搬送経路に搬送されているか否かを判断する。
【0039】
そして、適切に搬送されている場合には、上述のS2又はS1に戻り、以下同様の動作を繰り返す。ここで、画像形成条件に基づく選択(S1)を、搬送される記録シート毎に行う場合には、常にS1に戻るように設定すればよい(S4からの点線矢印)。また、画像形成条件に基づく選択(S1)を、所定時間毎、又は所定画像形成枚数毎に行う場合には、通常はS2に戻るよう設定し(S4からの実線矢印)、それぞれ所定時間毎に、又は所定画像形成枚数毎にS1に戻るように設定すればよい(S4からの点線矢印)。
【0040】
一方、二次転写後の記録シートが適切に搬送されていない場合には、S5において装置の運転を停止する。これは、停止手段7が画像形成装置の画像形成プロセスの各駆動装置に停止信号を送信し、その停止信号を受信した各駆動装置がその駆動を停止し、感光体10、ベルト20、転写ロール30等の回転も停止することにより行われる。ここで、上述のように、記録シートが転写ロール30に巻き込まれていること場合でも、その記録シートの先端がクリーニングブレード31に達するまでにそれを検知し、転写ロール30の回転を停止するため、その記録シートを除去する作業を容易に行うことができる。
【0041】
図8は、図7S1で示した選択部65による導電性部材(除電板61、案内板62)の選択のうち、画像形成条件として画像形成装置内の湿度を例に挙げて、その詳細を説明するフローチャートである。まず、画像形成装置内部に設置されている湿度センサからの湿度情報により、現在の湿度WX を検出する(S10)。そして、検出された現在の湿度WX と、予め選択部65が有している湿度閾値WT との大小を比較する(S11)。この温度閾値WT は、何れの導電性部材を選択した方が検知精度が良いかを決するものであり、例えば、図3に示したΔI1 とΔI2 とが略同一となるような湿度を湿度閾値WT とすることができる。
【0042】
ここで、現在の湿度WX が湿度閾値WT よりも小さい場合には、より検知精度の高い案内板62からの電流を計測するように選択する(S12)。逆に、現在の湿度WX が湿度閾値WT よりも大きい場合には、より検知精度の高い除電板61からの電流を計測するように選択する(S13)。なお、これらの選択は、選択部65が図示しない入出力インタフェイスを介してリレー装置を制御し、電源装置又は案内板62を電源装置にリレー接続することにより行われる(図6参照)。そして、選択した導電性部材を示す選択信号Cを判断部66に送信する。
【0043】
図9は、図7S4で示した判断部66による記録シートの搬送不良の判断を、より詳細に説明するフローチャートである。判断部66は、それぞれの導電性部材に対応した電流閾値IT1、IT2とを予め有している。すなわち、電流閾値IT1は除電板61に生じる電流に対する閾値であり、電流閾値IT2は案内板62に生じる電流に対する閾値である(図3参照)。まずS40において、図7のS1で選択された導電性部材に対応する電流閾値IT を選択する。これは、図8のS14においてから送信される選択信号Cに基づいて行われる。例えば、選択信号Cが除電板61を選択したことを示す選択信号C1 である場合には、S40では電流閾値IT1を選択し、案内板62を選択したことを示す選択信号C2 である場合には、S40では電流閾値IT2を選択する。
【0044】
そして、図7のS3で計測された電流値Iと選択された電流閾値IT とを比較し、電流値I(絶対値)が電流閾値IT (絶対値)よりも小さい場合には図7のS5へ、大きい場合には図7のS2(又はS1)へと進むこととなる。ここで、比較の対象となる電流値Iの計測タイミングは、早期に、しかも正確に記録シートの搬送不良を検知するためには、選択した導電性部材の位置に応じて変更することが好ましい。すなわち、導電性部材として除電板61を選択する場合には、適切な搬送経路上の計測点PS1に記録シートが達すべきタイミングt1 で電流を計測し、案内板62を選択する場合には、同じく適切な搬送経路上の計測点PS2に記録シートが達すべきタイミングt2 で電流を計測することが好ましい(図5参照)。また、記録シートの搬送方向下流側に位置する計測点PS2に合わせて、当該タイミングt2 で除電板61及び案内板62からの電流値を計測することもできる。
【0045】
これらの停止制御を具体的な一例に照らして説明する。ここで、湿度閾値WT は40[%]、電流閾値IT1は、4[μA]、IT2は、−4[μA]、画像形成装置内の湿度WX は15[%]、記録シートが二次転写された後に除電板61から計測された電流値I1 は、3[μA]、案内板62から計測された電流値I2 は、−6[μA]とする。まず、湿度WX と湿度閾値WT とを比較し、湿度WX (15)<湿度閾値WT (40)であるため、導電性部材として案内板62が選択される(S11、S12参照)。次に、電流値I2 と電流閾値IT2とを比較し、電流値I2 (−6)<電流閾値IT2(−4)であるため、搬送不良であると判断し、装置の運転を停止する(S41、S5)。
【0046】
◎変形例1
本実施例では、それぞれの電流閾値IT1、IT2はいずれも予め定められている固定的なものとして説明した。しかし、図3を用いて説明したように、搬送される記録シートの画像形成条件の変化に伴い、記録シートの有無による電流値の差ΔI1 、ΔI2 の大きさは変化する。したがって、その電流閾値IT1、IT2をその画像形成条件に応じて決定する方が正確に搬送不良検知を行う観点からは好ましい。本変形例では、画像形成条件として画像形成装置内の湿度に応じて、電流閾値IT1、IT2を決定する場合について、上述した実施例と異なる構成及び動作を説明する。
【0047】
この変形例では、実施例の図8のS14に対応するステップにおいて、選択部65は、選択した導電性部材を示す選択信号Cとともに、湿度センサにより検出される現在の湿度WX を示す信号とを判断部66に送信する。
【0048】
また、この変形例では、実施例の図9のS40に対応するステップにおいて、判断部66は、選択された導電性部材に対応する電流閾値IT を、送信された湿度WX に基づいて決定する。ここで、判断部66は図10に示すような湿度とそれぞれの電流閾値IT1、IT2との関係を示すグラフを予め保持している。図10(a)のグラフは、湿度と電流閾値IT1との関係を示すグラフであり、湿度が増加すれば図3で示したΔI1 の大きさは大きくなり、電流閾値IT1の大きさも大きくなる。図10(b)のグラフは、湿度と電流閾値IT2との関係を示すグラフであり、湿度が増加すれば図3で示したΔI2 の大きさは小さくなり、電流閾値IT2の大きさも小さくなる。
【0049】
例えば、湿度が湿度閾値WT より高く、除電板61からの電流が選択された場合(図8のS13参照)、判断部66は図10(a)のグラフに基づいて電流閾値IT1を決定する。ここで、ある湿度WX よりもΔWだけ湿度が高くなると、それに応じて電流閾値IT1の大きさも湿度WX に対する電流閾値IT よりもΔIT だけ大きくなる。
【0050】
◎変形例2
本実施例では、搬送される記録シートの画像形成条件の一つ(画像形成装置内の湿度)に基づいて、導電性部材を選択しているが、より適切な導電性部材を選択するためには、複数の画像形成条件に基づいて、しかも各画像形成条件が電流値に与える影響力に基づいて導電性部材を選択することが好ましい。そこで、本変形例では、画像形成条件として、画像形成装置内の湿度、記録シートがOHPシートか否か、両面画像形成モードの第二面目のものか否かに基づいて、しかもそれぞれの電流値に与える影響力に基づいて導電性部材を選択することした。以下、上述した実施例と異なる構成及び動作を説明する。
【0051】
図11は、実施例の図7S1、図8で示した選択部65による導電性部材(除電板61、案内板62)の選択に対応するステップを示したものである。第一に、湿度センサにより画像形成装置内の現在の湿度WXを検出し(S10”a)、その湿度WXの値を評価関数F(x,y,z)のxに代入する(S11”a)。第二に、ユーザインタフェイスからユーザが入力する情報を基に、搬送される記録シートの種類を検出し(S10”b)、その記録シートがOHPシートである場合には評価関数F(x,y,z)のyに「0」を(S12”b)、OHPシートでない場合には評価関数F(x,y,z)のyに「1」を代入する(S13”b)。第三に、同じくユーザインタフェイスからユーザが入力する情報を基に、搬送される記録シートの画像形成モードを検出し(S10”c)、その記録シートが両面画像形成時の第二面転写後の記録シートである場合には評価関数F(x,y,z)のzに「0」を(S12”c)、第二面転写後の記録シートでない場合には評価関数F(x,y,z)のzに「1」を代入する(S13”c)。
【0052】
ここで、評価関数F(x,y,z)は、各画像形成条件が記録シートの有無により各導電性部材に生じる電流差ΔI1 、ΔI2 、…に与える影響を評価するものであり任意に設定し、選択部65が予め有していればよいが、ここでは一例として評価関数F(x,y,z)=αx+βy+γzとしている。なお、定数α,β,γはいずれも正である。
【0053】
変数x,y,zを代入して得られた評価関数値F(x,y,z)(=F)と、予め選択部65が有している評価閾値FT とを比較し(S14”)、評価関数値Fが評価閾値よりも大きい場合には除電板61からの電流を計測するように選択し(S15”)、小さい場合には案内板62からの電流を計測するように選択する(S16”)。このように導電性部材の選択を行えば、一般的に高湿度環境、記録シート種類がOHPシートでない(普通紙である)、両面画像形成モードの第二面転写後でない場合にはより検知精度の高い除電板61を選択し、逆に、低湿度環境、記録シート種類がOHPシートである、両面画像形成モードの第二面転写後である場合にはより検知精度の高い案内板62を選択することになる。
【0054】
その後、判断部66に選択した導電性部材を示す信号を送信する(S17”)。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、転写後の記録シートの搬送不良を精度良く検知することができる。また、転写ロールにクリーニング装置を有している画像形成装置においても、記録シートの搬送不良を早期に検知し、そのクリーニング装置に記録シートが巻き込まれる前に確実に装置を停止することができる画像形成装置を提供することができる。また、転写位置の近傍に設置することが可能であり、さらに、記録シートの搬送不良をより正確に検知することができる検知手段を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、転写手段周辺の構成に一例を示したものである。
【図2】図2は、二次転写位置、検知位置、クリーニング位置を説明するものである。
【図3】図3は、導電性部材に生じる電流を説明するものである。
【図4】図4は、実施例にかかる画像形成装置の構成を示したものである。
【図5】図5は、実施例にかかる画像形成装置の二次転写装置周辺の構成を示したものである。
【図6】図6は、実施例にかかる停止制御系を示すブロック図である。
【図7】図7は、実施例にかかる停止制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例にかかる停止制御の一部をより詳細に示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例にかかる停止制御の一部をより詳細に示すフローチャートである。
【図10】図10は、変形例1にかかる判断部が有している関係グラフである。
【図11】図11は、変形例2にかかる停止制御の一部をより詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
3…二次転写装置(転写手段)、30…転写ロール、31…クリーニングブレード(クリーニング手段)、6…検知手段、61…除電板(第一の導電性部材)、62…案内板(第二の導電性部材)、63…電源装置(電源部)、64…電流計則装置(計測部)、65…選択部、66…判断部、7…停止手段
Claims (4)
- 電子写真プロセスにより形成されるトナー像を記録シートに転写する転写手段と、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを検知する検知手段と、転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されていない場合には装置の運転を停止する停止手段とを備える画像形成装置において、
上記検知手段が、搬送される記録シートの画像形成条件によりそれぞれ検知精度の異なる複数の検知部と、その画像形成条件に基づいて、複数の検知部の何れの検知部で検知するかを選択する選択部とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写手段は、トナー像が記録シートに転写されるような電荷を記録シートに与える転写ロールと、その転写ロール表面をクリーニングするクリーニング手段とを有し、
前記検知手段は、前記所定の搬送経路近傍に配設される導電性部材からなり、前記検知部および前記選択部とともに、当該導電性部材に生じる電流又は電圧を計測する計測部と、当該計測部により計測される電流値又は電圧値に基づいて転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを判断する判断部とを有し、記録シートが前記転写ロールに巻き込まれているか否かを検知するとともに、巻き込まれている場合にはその巻き込まれた記録シートが前記クリーニング手段に達するまでに前記停止手段が当該転写ロールの回転を停止することができる位置に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記転写手段は、トナー像が記録シートに転写されるような電荷を記録シートに与える転写ロールと、その転写ロール表面をクリーニングするクリーニング手段とを有し、
前記検知手段は、前記所定の搬送経路近傍に配設される導電性部材からなり、前記検知部および前記選択部とともに、当該導電性部材に生じる電流又は電圧を計測する計測部と、当該計測部により計測される電流値又は電圧値に基づいて転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを判断する判断部とを有し、記録シートが前記転写ロールに巻き込まれていることを検知するとともに、その記録シートの巻き込みを検知してから前記停止手段が当該転写ロールの回転を停止するまでの時間をt1、その記録シートの巻き込みを検知してから記録シートが前記クリーニング手段に達するまでの時間をt2として、t1<t2であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 上記検知手段は、当該所定の搬送経路近傍に配設される第一及び第二の導電性部材と、搬送される記録シートを除電するために当該第一の導電性部材に所定の除電電圧を印加する電源部と、搬送される記録シートにより当該第一及び/又は第二の導電性部材に生じる電流又は電圧を計測する計測部と、搬送される記録シートの画像形成条件に基づいて第一の導電性部材又は第二の導電性部材のいずれかに生じる電流又は電圧を選択する選択部と、選択部により選択される電流値又は電圧値に基づいて転写後の記録シートが当該所定の搬送経路に搬送されているか否かを判断する判断部とを有する請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
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