JP3740363B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式等を利用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、電子写真方式、熱転写方式、インクジェット方式など様々な方式が採用されている。これらのうち、電子写真方式を用いた画像形成装置は高速、高画質、静粛性の点で優位性を有している。
【0003】
図3は、電子写真方式を用いた従来の画像形成装置の画像形成部の一例の概略構成を示す図である。
【0004】
電子写真方式の画像形成装置は、像担持体としてたとえばドラム状の電子写真感光体、すなわち感光ドラム1を有し、その回転する感光ドラム1の表面を1次帯電手段2により一様に帯電した後、たとえばLED、レーザなどの露光手段11で画像情報に従って露光12を施すことにより、感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置8で現像剤(トナーまたはトナー+キャリア)を用いて静電潜像を現像し、潜像に静電的にトナーを付着させてトナー像として可視化する。
【0005】
このような感光ドラム1上へのトナー像の形成と同期して、給紙カセット15から転写材Pが搬送手段14に搬送され、感光ドラム1上のトナー像は、搬送手段14によって感光ドラム1と対向する転写位置まで搬送されてきた転写材P上に、転写帯電手段4の作用により静電的に転写される。その後、転写材P上に転写されたトナー像は、定着装置21で加熱および加圧することにより定着され、転写材P上に永久画像が得られる。
【0006】
一方、転写後に感光ドラム1上に残留した転写残りトナーは、ドラムクリーナ10に設けたクリーニングブレードによって除去され、クリーナ10の容器部分(廃トナー容器部)に回収される。こうして表面がクリーニングされた感光ドラム1は、繰り返し画像形成に供される。
【0007】
近年、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置が普及してきている。このカラー画像形成装置も様々な方式がある。良く知られている多重転写方式、中間転写体方式のほかに、像担持体表面に現像を繰り返すことにより複数色のトナー像を重ねて形成した後、転写材に一括転写する多重現像方式、あるいは転写材搬送ベルトに沿って複数の異なる色の画像形成手段(プロセスステーション)を有し、搬送ベルトで搬送された転写材に複数色のトナー像を重ね合わせて転写するインライン方式等がある。
【0008】
インライン方式によるカラー画像形成装置は、高速化が可能であり、またトナー像転写の回数が少ないため画質に有利など多くの優位点を有している。このインライン方式では、ユーザビリティの向上、設置面積の低減のために、プロセスステーションを鉛直方向に並べ、転写材をほぼ垂直に搬送するといった構成も提案されている。
【0009】
図4に、従来のインライン方式のフルカラー画像形成装置の構成例を示す。本装置は、転写材搬送体としての静電吸着ベルト、すなわち搬送ベルト14を有し、搬送ベルト14は、駆動ローラ23、吸着対向ローラ22、テンションローラ13a、13bに懸架して設置されている。搬送ベルト14は、駆動ローラ23により矢印の方向に回転駆動される。
【0010】
この搬送ベルト14の周面に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像形成部であるプロセスステーション31Y、31M、31C、31Bkが配置され、搬送ベルト14により転写材が各プロセスステーションに順次搬送される。各プロセスステーション31(31Y、31M、31C、31Bk)は、感光ドラム1(1Y、1M、1C、1Bk)、1次帯電器2(2Y、2M、2C、2Bk)、現像装置8(8Y、8M、8C、8Bk)、ドラムクリーナ10(10Y、10M、10C、10Bk)を有し、これら感光ドラム1〜ドラムクリーナ10は、プロセスカートリッジとして一体にまとめられ、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0011】
感光ドラム1には、搬送ベルト14を介して転写帯電手段である転写ブレード4(4Y、4M、4C、4Bk)が当接しており、感光ドラム1上のトナー像の転写材Pへの転写時、転写ブレード4には、これに接続した転写バイアス電源32(32Y、32M、32C、32Bk)より転写バイアスが印加される。
【0012】
上記において、感光ドラム1として負極性の有機半導体電子写真感光体(OPC感光体)を用い、感光ドラム1の露光で負電荷が減衰した潜像の露光部を現像する場合には、負極性のトナーを含む現像剤が用いられる。したがって、転写ブレード4には転写バイアス電源32より正極性の転写バイアスを印加する。
【0013】
転写材Pは、給紙カセット15などからピックアップローラ16、給紙ローラ17、18によって画像形成部に向けて搬送され、ローラ状の同期回転体であるレジストローラ対19a、19bに一旦挟持された後、レジストローラ対19により、感光ドラム1上での画像形成動作と同期をとって、搬送ベルト14の転写材吸着部に供給される。
【0014】
吸着部には、吸着帯電手段としての吸着ローラ20が搬送ベルト14を介して吸着対向ローラ22と対向設置されており、吸着ローラ20と対向ローラ22で搬送ベルト14および転写材Pを挟持するようになっている。図示しない吸着バイアス電源(高圧電源)から吸着ローラ20に電圧(吸着バイアス)を印加することにより、転写材Pに吸着電荷が付与され、電荷を付与された転写材Pが搬送ベルト14を分極することによって、転写材Pが搬送ベルト14に静電吸着される。
【0015】
このようにして搬送ベルト14に吸着された転写材Pは、各プロセスステーションを順次通過し、各感光ドラム1のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が次々に重ね合わせて転写される。その後、転写材Pは、搬送ベルト14から分離して定着装置21に送られ、そこで4色のトナー像の定着を行って、転写材P上にフルカラーの永久画像が得られる。転写後に感光ドラム1上に残留した転写残りトナーは、ドラムクリーナ10のクリーニングブレード9(9Y、9M、9C、9Bk)によって除去され、クリーナ10の容器部分に回収される。
【0016】
上記の搬送ベルト14としては、厚さ50〜200μm、体積抵抗率109〜1016Ωcm程度のPVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)、ETFE(四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂フィルムが用いられ、あるいは厚さ0.5〜2mm程度のEPDM等のゴムの基層上に、たとえばウレタンゴムにPTFE等のフッ素樹脂を分散した被覆を施したゴムシートが用いられる。
【0017】
搬送ベルト14は、通常は表面にトナー像を直接担持させることはないので、トナーにより汚染される度合いは少ないが、転写材のジャム時や感光ドラム1の非画像部への地かぶりトナーの付着、あるいは搬送ベルト14上にレジストマークや濃度検出パターンを直接形成し、これを検知して画像制御に使用するシステムの起動時等においては、搬送ベルト14上にトナーが付着して汚染される。
【0018】
そこで、ベルトクリーナ24を設けて搬送ベルト14上の汚染トナーを清掃する。もしくは、各プロセスステーション31で転写ブレード4に転写時とは逆極性のクリーニングバイアスを印加して、搬送ベルト14上の汚染トナーを感光ドラム1に転移し、ドラムクリーナ10に回収する清掃工程が行なわれる。
【0019】
図5に、中間転写体方式の従来の画像形成装置を示す。本装置は、中間転写体としての中間転写ベルトに沿って複数のプロセスステーションを備えたフルカラーの画像形成装置である。図5において、図4に付した符号と同一の符号は同一の部材を示す。
【0020】
搬送ベルトを用いた画像形成装置では、各プロセスステーションで形成した各色のトナー像を転写材に直接転写するのに対して、中間転写ベルト30を用いた画像形成装置では、各プロセスステーション31(31Y、31M、31C、31Bk)で形成した各色のトナー像を、一旦中間転写ベルト27に1次転写して重ね合わせた後、一括して転写材P上に2次転写する。
【0021】
中間転写ベルト27は、駆動ローラ23、テンションローラ13および2次転写対向ローラ28に懸架して設置されており、中間転写ベルト27には合成樹脂製のベルトやゴム製のベルトが使用される。
【0022】
図4で説明したのと同様の方式により、各プロセスステーション31においてそれぞれ所定のタイミングで画像形成を行い、感光ドラム1(1Y、1M、1C、1Bk)上に形成したトナー像を、1次転写ブレード4(4Y、4M、4C、4Bk)と対向した各1次転写部で中間転写ベルト27上に順次に1次転写して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を重畳したフルカラー画像を形成し、給紙ローラ17、18、レジストローラ19等を経て所定のタイミングで中間転写ベルト27の2次転写部に供給された転写材P上に、中間転写ベルト27上の4色のトナー像が2次転写ローラ29により一括して2次転写される。転写工程を終了した転写材Pは、定着装置21に搬送され、ここで加熱・加圧されてトナー像が転写材表面に永久画像として定着される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような電子写真方式の画像形成装置では、高速化、高画質化に対する要求は年々高まっており、さらに、たとえばOHTや厚紙など一般に普及しているコピー用紙とは性質の異なる転写材に対しても同じような要求が高まりつつある。
【0024】
特に高画質化については、転写帯電手段における転写バイアスを転写材の性質に応じて最適化することが最も重要な要素の1つとなる。しかし、それぞれの転写材に対する最適な転写バイアスは、たとえば周辺環境(温度、湿度)の変動や、転写材自体の含水率変動などの状態により変化してしまい、高画質化に対する大きな障害となっていた。
【0025】
このような問題を解決する手段の1つに、たとえば転写バイアスを印加する高圧電源回路に対して電流検出機構を設け、非通紙時や転写材の先端余白部通過時に所定のバイアスを印加して、そのときに流れる電流値を検出することにより、周辺環境の検知や転写材の電気抵抗値を判別し、これらを基に転写バイアスを最適化する手法が提案されている。
【0026】
しかしながら、高画質化の要求と同時に高速化の要求も高まっており、これに対してはプロセススピードを上昇させる必要がある。この結果、転写材の電気抵抗値の判別を行うことのできる時間も短くなり、判別の精度が低下したり、誤った判別をしてしまうなどして、本来の目的である高画質化に対して有効に作用しないといった問題が生じている。
【0027】
また特開平6−35337では、吸着部で検出バイアスを印加した際の電流値から転写材の電気抵抗を判別する手法が述べられている。これによれば、転写材が吸着部に進入してから転写部に進入するまでの間に、電気抵抗値の判別を行えばよく、これに要する時間を充分確保できると思われる。
【0028】
しかし、たとえば厚紙やOHT(オーバーヘッドプロジェクターに用いられる光透過性樹脂シート)などの電気抵抗値の高い転写材に対して電気抵抗値の判別を精度良く行うためには、相応の高いバイアス領域に至るまで段階的に検出バイアスを印加するのが好ましい。このような転写材に対して高バイアスを段階的に印加すると、転写材表面には印加バイアスに対応した電荷が段々状に残ってしまい、これが転写部でのトナー像転写において段々状のムラを発生させる原因となってしまう。結局、これを防ぐためには転写材の先端余白部内で電気抵抗値の判別を行わなくてはならず、転写部での判別と同様に高速化への対応は不充分となる。
【0029】
もう1つの課題であるOHTや厚紙等に代表されるような電気抵抗の高い転写材に対する高画質化の達成についてであるが、この場合、一般的なコピー用紙と比較して高い転写バイアスが必要となる。しかしながら、高い転写バイアスを印加するためには相応の高価な電源が必要となるばかりでなく、前述の図4に示されるようなタンデム型のフルカラー画像形成装置では、下流ステーションほど大きなバイアスが必要とされ、そのため感光ドラムやベルトの絶縁破壊などが問題となっていた。
【0030】
このような問題の解決手段の1つとして、たとえば特開平6−27837、特開平11−161035などが知られている。
【0031】
これら公報の手法はいずれも、転写材にトナー像を転写させる直前に搬送ベルト上の転写材を予備帯電させておくことにより、トナー像の転写に必要とされる転写バイアスを低く抑えることを可能とするものである。転写材が高抵抗OHTのとき、充分な予備帯電を行わないと、転写時に転写不良を生じたり、感光ドラムの絶縁破壊を生じる。
【0032】
しかしながら、これらの手法では、予備帯電のバイアスを高抵抗転写材か否かによって一義的に設定しており、転写材の種類や含水率、表面抵抗値といったような個々の転写材の状態の違いが考慮されておらず、高画質化という観点からは不充分なものであった。
【0033】
さらには高抵抗転写材か否かの判別手段が設けられておらず、これらはユーザーの判断に委ねられていた。厚紙やOHT等の中には、高抵抗転写材の部類に属さないものも市販されており、これらの転写材への画像形成に際して、高抵抗転写材用の予備帯電を行うことは、画質を低下させる要因となってしまう。
【0034】
具体的には、低抵抗なOHTや高湿度環境下で抵抗が大幅に低下したOHTに対し予め決められたバイアスで予備帯電をすると、帯電不良が発生することがあった。即ち、環境によりOHTが低抵抗化している場合、OHTにとってはその予備帯電バイアスが過大なものとなってしまったり、または、予備帯電で一度蓄積した電荷が中途半端に逃げ、電荷の残っている中央部では転写バイアスが弱すぎて、転写不良により画像が淡くなり、電荷の逃げた端部では転写バイアスが強すぎてリークが生じ、同様に転写不良で画像が淡くなる。その結果、図6にベタ黒画像の場合を示すが、画像の黒い部分がドーナツ状になる画像不良(ドーナツ現象)を生じることが、本件出願人らの検討により判明した。
【0035】
従って、本発明の目的は、高速の画像形成時にも、種類や特性の異なる個々の転写材に対し転写バイアス等の最適なプロセス条件の設定を行って、良好な画像を得ることを可能とした画像形成装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、転写材を搬送する転写材担持体と、前記転写材担持体上の吸着部にある転写材に電荷を付与する帯電手段と、前記帯電手段に印加するバイアスの値を検知する第1の検知手段と、転写バイアスを印加して前記転写材担持体上の転写部にある転写材に前記像担持体上のトナー像を転写する転写帯電手段と、前記転写帯電手段に印加される電流値を検知する第2の検知手段と、を有する画像形成装置において、
前記吸着部に転写材が進入している時に前記帯電手段にバイアスを印加することで前記第1の検知手段が検知するバイアスに基づいて前記転写帯電手段に印加される最初の電圧値を設定し、前記転写部に転写材が進入している時において、前記転写帯電手段に印加される電圧値を前記最初の電圧値を起点として変位させる過程で、前記第2の検知手段が検知する電流値が目標の電流値に近づき、目標の電流値と一致した時の前記転写帯電手段に印加される電圧値に基づいて前記転写バイアスを設定することを特徴とする画像形成装置が提供される。本発明にて一実施態様によれば、前記転写帯電手段にバイアスを印加する転写電源を有し、前記転写電源は定電圧制御されているバイアスを出力する。
【0037】
第2の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、転写材を搬送する転写材担持体と、前記転写材担持体上の吸着部にある転写材に電荷を付与する帯電手段と、前記帯電手段に印加するバイアスの値を検知する第1の検知手段と、転写バイアスを印加して前記転写材担持体上の転写部にある転写材に前記像担持体上のトナー像を転写する転写帯電手段と、前記転写帯電手段に印加される電圧値を検知する第2の検知手段と、を有する画像形成装置において、
前記吸着部に転写材が進入している時に前記帯電手段にバイアスを印加することで前記第1の検知手段が検知するバイアスに基づいて前記転写帯電手段に印加される最初の電流値を設定し、前記転写部に転写材が進入している時において、前記転写帯電手段に印加される電流値を前記最初の電流値を起点として変位させる過程で、前記第2の検知手段が検知する電圧値が目標の電圧値に近づき、目標の電圧値と一致した時の前記転写帯電手段に印加される電流値に基づいて前記転写バイアスを設定することを特徴とする画像形成装置が提供される。本発明にて一実施態様によれば、前記転写帯電手段にバイアスを印加する転写電源を有し、前記転写電源は定電流制御されているバイアスを出力する。
【0038】
上記各本発明にて、一実施態様によれば、前記帯電手段に印加する電圧の絶対値は、転写材が樹脂シートである場合の方が普通紙である場合よりも大きい。
【0039】
上記各本発明にて他の実施態様によれば、前記第1の検知手段は、前記吸着部に転写材の非画像形成領域が進入している時に検知する。
【0040】
上記各本発明にて他の実施態様によれば、前記第2の検知手段は、前記転写部に転写材先端部の非画像形成領域が進入している時に検知する。
【0041】
上記各本発明にて他の実施態様によれば、前記帯電手段は、前記転写材担持体に対して前記転写帯電手段の逆の面側にあり、前記帯電手段に印加するバイアスは、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスを印加する。
【0042】
上記各本発明にて他の実施態様によれば、前記帯電手段が、前記転写材担持体にバイアスを印加して転写材を担持させる転写材吸着手段である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0047】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す構成図である。本装置は、タンデム型インライン方式のフルカラー画像形成装置に構成されている。
【0048】
本発明では、搬送ベルト14の第1画像形成ステーションの上流側に転写前帯電手段として帯電ローラ26を設置して、転写に先立って転写前帯電ローラ26に検出用バイアスを印加して、転写材Pの種類を予備的に検出し、これに基づき予備帯電バイアス、転写バイアス等を設定するようにした。
【0049】
本発明の一実施例において、画像形成装置は一部の点を除き、図3に示した従来の画像形成装置と同様な基本構成を具備している。
【0050】
本実施例の画像形成装置は、転写材担持体として搬送ベルト(静電吸着ベルト)14を有し、搬送ベルト14は、駆動ローラ23、転写前帯電対向ローラ25、テンションローラ13a、13bに懸架して設置され、駆動ローラ23により矢印の方向に回転駆動される。
【0051】
この搬送ベルト14の周面に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像形成部としてプロセスステーション31Y、31M、31C、31Bkが配置され、搬送ベルト14により転写材が各プロセスステーションに順次搬送される。各プロセスステーション31(31Y、31M、31C、31Bk)は、感光ドラム1(1Y、1M、1C、1Bk)、1次帯電器2(2Y、2M、2C、2Bk)、現像装置8(8Y、8M、8C、8Bk)、ドラムクリーナ10(10Y、10M、10C、10Bk)を有し、これら感光ドラム1〜ドラムクリーナ10は、プロセスカートリッジとして一体にまとめられ、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0052】
各プロセスステーションの感光ドラム1上には、1次帯電手段2による一様帯電、露光手段11(11Y、11M、11C、11Bk)による露光12(12Y、12M、12C、12Bk)、現像装置8による現像を経て、各色のトナー像が形成される。
【0053】
感光ドラム1には、搬送ベルト14を介して転写帯電手段である転写ブレード4(4Y、4M、4C、4Bk)が当接しており、感光ドラム1上のトナー像の転写材Pへの転写時、転写ブレード4には、これに接続した転写バイアス電源32(32Y、32M、32C、32Bk)より転写バイアスが印加される。
【0054】
転写材Pは、給紙カセット15などからピックアップローラ16、給紙ローラ17、18によって画像形成部に向けて搬送され、ローラ状の同期回転体であるレジストローラ対19(19a、19b)に一旦挟持された後、レジストローラ対19により、感光ドラム1上での画像形成動作と同期をとって、上記の転写前帯電ローラ26が設置された搬送ベルト14の転写前帯電部に供給される。
【0055】
帯電手段である転写前帯電ローラ26は、搬送ベルト14を介して対向ローラ25と対向設置され、対向ローラ22との間で転写前帯電部に供給された転写材Pを搬送ベルト14とともに挟持して、転写前帯電電源32Aから帯電ローラ26を介して転写材Pに転写前帯電バイアスを印加するようになっている。
【0056】
この転写前帯電ローラ26は、転写材を搬送ベルトに吸着させる吸着帯電手段としての機能と、転写材を転写に先立って予備帯電させる予備帯電手段としての機能を有しており、転写材Pに転写前帯電バイアスを印加することにより、転写材Pに電荷を付与する。これにより、電荷を付与された転写材Pが搬送ベルト14を分極して、転写材Pが搬送ベルト14に静電吸着され、また転写に先立って転写材Pが予備的に帯電される。
【0057】
本実施例では、転写前帯電ローラ26に転写材の予備帯電手段の機能を持たせているので、転写前帯電バイアスは、現像剤(トナー)の極性とは反対極性とし、トナーには負帯電特性のトナーを使用しているので、転写前帯電バイアスは正極性とした(転写材表面を正極性に帯電した)。
【0058】
本発明では、転写前帯電電源32Aからのバイアスの印加の際に流れる電流値もしくは印加される電圧値を、帯電電源32Aに接続された帯電バイアス検出手段33A(第1検出手段)によって検出し、これによって転写材Pの種類や特性を予備的に判別する。
【0059】
転写材Pが高抵抗転写材であると判別された場合には、予備帯電バイアス(転写前帯電バイアス)レベルを他の転写材と比較して高く設定することにより、転写バイアスを低下させる効果が得られる。このように、転写材Pを転写に先立って予備的に帯電することは、特にOHTや厚紙等の電気抵抗値の高い転写材に対して転写バイアスを低下させる作用があり、本実施例で説明しているタンデム型インライン方式の画像形成装置に対しては特に有効である。これについては後述する。
【0060】
このようにして搬送ベルト14に吸着された転写材Pは、各プロセスステーションを順次通過し、各感光ドラム1のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が次々に重ね合わせて転写される。その後、転写材Pは、搬送ベルト14から分離して定着装置21に送られ、そこで4色のトナー像の定着を行って、転写材P上にフルカラーの永久画像が得られる。転写後に感光ドラム1上に残留した転写残りトナーは、ドラムクリーナ10のクリーニングブレード9(9Y、9M、9C、9Bk)によって除去され、クリーナ10の容器部分に回収される。
【0061】
本発明者らの検討によれば、搬送ベルト14としては、厚さ100〜200μm、体積抵抗率108〜1013Ωcm程度に抵抗調整されたPVDF、ETFE、ポリカーボネ−ト、PET、ポリイミド等の樹脂フィルムが、吸着性、転写性が良好であるのに加え、適度な自己減衰性を有することから除電手段を設けなくとも、ベルトのチャージアップを防止できるなどの利点を有し、本実施例で使用する適用に好適である。
【0062】
本実施例では、搬送ベルト14として、カーボン等の分散により体積抵抗率を1011Ωcm程度としたETFE樹脂フィルム製の厚さ100μm、周長800mmのベルトを用いた。
【0063】
転写前帯電ローラ26は、カーボン分散により体積抵抗率を105Ωcm以下に調整したEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体)ゴムを、直径6mmの芯金上に厚さ3mmに形成した導電性ローラとした。本発明者らの検討によると、好ましくは、転写前帯電ローラ26の体積抵抗率は104〜1010Ωcmである。転写前帯電部材としては、上述のローラ部材以外に、ブレードやブラシ等、他の接触帯電部材や、コロナ帯電器等の非接触帯電部材を用いてもよい。
【0064】
転写前帯電ローラ26の対向ローラ25は金属ローラとし、その軸受け部分を電気的に接地して使用する。
【0065】
転写ブレード4としては、一例として、厚さ100μm、体積抵抗率105ΩcmのPETフィルムを用い、これを45°の角度で搬送ベルト14の回転方向(矢印の方向)に対して順方向となるように押圧力を付加して当接させ、その押圧力は、搬送ベルトおよび感光ドラムを取り去ったときに感光ドラム方向にほぼ0.5mm復元する強さとした。転写ブレード4は、体積抵抗率がほぼ102〜109Ωcmの範囲のものであれば、上記以外の材質のフィルムでも使用可能である。もちろん、転写帯電手段としては、この他にも、同様の体積抵抗値範囲を有するスポンジタイプあるいはソリッドタイプのゴムローラを用いてもよく、コロナ帯電器等の非接触タイプの部材を用いてもよい。
【0066】
本発明において、上記の搬送ベルト14や転写前帯電ローラ26を初めとする種々の部材の体積抵抗率は、JIS法K6911に準拠した測定プローブを用い、ADVANTEST社製高抵抗計(モデルR8340)により100Vを印加して測定し、その値を測定対象の厚さで割って正規化したものである。
【0067】
駆動ローラ23としては、金属ローラの芯金上にスリップ防止のためのゴム層を厚さ約0.5〜3.0mmの範囲で設けたものを用いた。一例として、ゴム層の抵抗が1015Ωcm以上の絶縁タイプを用いたが、低抵抗のものであってもよい。駆動ローラ23およびテンションローラ13a、13bは、搬送ベルト14を挟んで対峙する部材(電極)が存在せず、また搬送ベルト14自体が自己減衰系であるので、これらローラの芯金は、接地、フロートのどちらでもよい。
【0068】
本発明における転写前帯電手段および転写帯電手段の電源回路の一例の模式図を図2に示す。
【0069】
転写前帯電ローラ26に転写前帯電バイアスを印加する転写前帯電電源32Aは、検出手段(第1の検出手段)33Aに接続されており、転写前帯電電源32Aの出力が定電圧制御されている場合には、帯電バイアス印加時に電源32Aを流れる電流値を、定電流制御されている場合には、帯電バイアス印加時に電源32Aに発生する電圧値をそれぞれ検出できるようになっている。
【0070】
同様に、第1プロセスステーションの転写ブレード4Yに転写バイアスを印加する転写電源32Yは、検出手段(第2の検出手段)33Yに接続されており、転写電源32Yの出力が定電圧制御されている場合には、転写バイアス印加時に電源32Yを流れる電流値を、定電流制御されている場合には、転写バイアス印加時に電源32Yに発生する電圧値をそれぞれ検出できるようになっている。
【0071】
また検出手段33A、33Y、転写前帯電電源32Aおよび各ステーションの転写電源32(32Y〜32Bk)は、演算制御装置(CPU)34に接続されており、検出手段33A、33Yでの検出結果に応じて、電源32A、32の出力を任意に制御できるになっている。
【0072】
本発明では、転写前帯電電源、第1ステーションの転写電源による検知用バイアスの印加により、予備帯電バイアスおよび転写バイアス等を設定している。以下、転写前帯電電源および各ステーションの転写電源が定電圧制御されている場合を例に取って説明する。
【0073】
転写材Pは、前記したように、給紙カセット15などからローラ16、17、18、19を経て搬送ベルト14の転写前帯電部に供給される。この段階で転写前帯電電源32Aから予め設定しておいた検出用バイアスを転写前帯電ローラ26を介して転写材Pに印加し、その際に電源32Aに流れる電流値を第1検出手段33Aで検出し、検出した電流値を演算制御装置34に送って処理する。
【0074】
この転写前帯電手段26での検出用バイアスの印加は、電気抵抗値の高い転写材を適切でない条件で予備帯電させて、転写材へのトナー像転写時の画質低下を引き起こす要因となることがあるので、検出用バイアスの印加、それにともなう電流値の検出の一連の動作は、転写材の先端部に設定された余白部で行うことが望ましい。
【0075】
上記の検出手段33Aで電流値を検出した結果をもとに、予備帯電バイアス、転写バイアス等の各種プロセス条件の設定を行うことができる。画像の高画質化を図るためには、転写前帯電手段26で転写材の種類や特性を精度良く判別しておくことが重要であり、このため転写前帯電ローラ26で印加する検出用バイアスは、複数階に分けて印加することが望ましい。複数段に分けて印加した検出用バイアスのそれぞれによる電流値を検出すれば、転写材の種類や特性をより詳細に判別することが可能となる。
【0076】
検出用バイアスは、予め転写材の種類別にバイアス値を設定しておいて、転写材の種類に応じて適切なバイアス値を選択して印加しても、あるいは検出手段33Aでの検出結果を基に、転写材に適したバイアス値を演算制御装置34で演算して、それをフィードバック制御して印加してもよい。
【0077】
このようにして、転写前帯電ローラ26での検出用バイアスの印加およびそれによる電流値を基に、演算制御装置34で転写材の種類や特性を判別し、転写材の種類や特性に応じた最適な転写前帯電バイアス値(予備帯電バイアス値)や転写バイアス値等の各種プロセス条件の設定値を演算し設定することが可能となる。必要に応じて転写材の電気抵抗値等を得ることも可能である。
【0078】
予備帯電バイアス(転写前帯電バイアス)の設定に当たっては、転写材の種類や転写材個々の状況に応じてきめ細かく設定することは勿論望ましいことではあるが、トナー像の転写に直接関わる転写バイアスと比較すればその影響度も小さいことや、高速化に伴って転写材の先端に設定した余白部範囲内のみでの検出精度には限界が生じてしまうことなどを考慮すれば、誤検出を生じさせない程度の精度で段階的に制御することが好ましい。
【0079】
ここで、転写材Pとして3M社製カラープリンター用OHT(CG3700)を低温低湿(15℃、10%)環境で用いた場合を例に取って、以上の転写前帯電による転写材の種類判別、予備帯電バイアスの設定の具体例を述べれば、つぎの通りである。
【0080】
まず、OHTプリントでは、定着時に充分な透過性能を得るため、画像形成の各プロセスのスピード(プロセススピード)を通常の転写材使用時よりも低下させる必要があり、本例では、プロセススピードを通常時の1/3程度に低下させた。必要に応じて定着温調温度を変更することもある。これらプロセススピード等の変更は、光透過型のセンサー等によるOHTの自動検出により自動的に設定したり、あるいは人手による入力で設定してもよい。
【0081】
転写前帯電ローラ26に搬送されたOHTには、ここで第1段階の検出用バイアスとして予め設定された電圧、たとえば+2.0kVが印加され、この際に流れる電流値が第1検出手段33Aで検出して読み取られる。このとき検出された電流値はたとえば0.5μAであり、この電流情報が演算制御装置34に送られて、0.5μAが電流値として比較的小さな値であることから、転写材が高い電気抵抗値を持つ種類、ここではOHTであることが、演算制御装置34に認識される。
【0082】
演算制御装置34には、OHTのより詳細な特性の判別と、OHTの適切な予備帯電とを目的として、電気抵抗値の高い転写材(OHT)に対して予備帯電での目標電流値が予め記憶されている。演算制御装置34は、上記のように、転写材がOHTであることを認識したら、この目標予備帯電電流値、たとえば2.0μAが第1検出手段33Aで得られるように、転写前帯電電源32Aに対して、紙等の他の転写材よりも出力電圧設定の高い領域でフィードバック制御をたとえば3回程度行う。このとき、1回のフィードバック制御にて変動させる出力電圧差は500V程度となるように設定した。
【0083】
上記の第1段階の電圧印加と、フィードバック制御3回の電圧印加の計4回の電圧印加は、全てOHTの先端に予め設定した余白部5mmの範囲内で行った。これにより、転写材のより詳細な特性、たとえば+3.0kVの電圧印加で2.2μAの電流が流れるという結果が得られた。このようにして予備帯電バイアス値+3.0kVを決定する。そして、これに引き続いてOHTを+3.0kVで予備帯電した。
【0084】
その結果、OHTの先端余白部5mm以降から終端部までの領域に対し、目標予備帯電電流値の2.0μAに比較的近い2.2μAの値を得ることができた。因みに、同様の制御を高湿度環境下に放置したOHTに適用する場合には、目標予備帯電電流値が得られる電圧は、たとえば+1kV程度と小さな値となる。
【0085】
予備帯電は通常のコピー用紙に印字(画像形成)する場合には行わなくてもよいが、たとえば紙の抵抗値が大幅に上昇する、転写材の1面目、2面目に順次画像形成する場合(両面画像形成)における転写材の2面目への画像形成時では、予備帯電がOHTと同様に有効となる。このような場合、OHTのときよりもプロセススピードが速いので、目標予備帯電電流値を大きく(たとえば20μA)にする必要があり、目標予備帯電電流値が得られる電圧は+1kV〜+2kV程度となる。
【0086】
以上、転写前帯電手段による転写材の種類判別、予備帯電バイアスの設定例を説明した。
【0087】
このようにして転写前帯電部を通過して予備帯電された転写材Pは、つぎに第1ステーションの転写部に進入を開始し、転写前帯電部で説明したのと同様に、画質への影響がない先端余白部が通過している間に、先端余白部に転写電源32Yから転写ブレード4Yを介して検出用バイアスを印加して、その際の電流値を第2検出手段33Yで検出し、その結果を基に最適な転写バイアス等を演算制御装置34によって演算する。
【0088】
このような転写帯電手段4Yで検出用バイアスを印加して検出手段33Yで電流値を検出する一連の動作は、転写バイアスの変動がトナー像を転写する際の画質に与える影響の大きさを考慮すれば、上記のように、転写材の余白部の範囲内で行うことが望ましい。
【0089】
転写帯電手段で検出用バイアスを印加し、その際に流れる電流値を検出手段て検出し、これらの結果をもとに各種プロセス条件の設定を行って画像の高画質化を図るためには、転写帯電手段で精度良く転写材の種類や特性を検知しておくことが求められる。転写バイアスは転写されるトナー像の画質に直接影響を与えるので、高画質化のためには転写材の種類や特性に応じて、転写バイアスの設定をきめ細かく行う必要がある。このため、転写帯電手段で印加される検出用バイアスは、複数段階に分けて印加されることが望ましい。
【0090】
さらに、転写帯電手段で印加する検出用バイアスは、第1検出手段での検出結果を基に演算制御装置を用いてフィードバック制御により設定することがより好ましい。
【0091】
従来の方式であれば、転写材の種類や特性が未知なので、最適な転写バイアスを精度良く設定するためには、検出用バイアスを広いバイアス範囲に渡って細かく設定して印加し、そのときの複数回の電流値を検出する必要があったが、転写材の先端余白部が通過する時間内に高精度に行うことは非常に困難なことであった。
【0092】
これに対し、本実施例によれば、転写前帯電部で予め転写材の種類や特性をある程度判別しているので、転写部では、この判別結果を基に適正な転写バイアスを見つけるための検出バイアスの範囲を狭めるることができ、転写材の先端余白部の範囲内で、転写バイアスの条件を設定することが可能となる。
【0093】
このようにして、転写ブレード4Yでの検出用バイアスの印加およびそれによる電流値を基に、演算制御装置34で転写材の種類や特性をさらに詳しく判別し、転写材の種類や特性に応じた最適な転写バイアス値等の各種プロセス条件の設定値を演算し、設定することができる。
【0094】
ここで、転写材Pとして3M社製カラープリンター用OHT(CG3700)を低温低湿(15℃、10%)環境で用いた場合を例に取って、以上の転写帯電手段による転写材の種類判別、転写バイアスの設定の具体例を述べれば、つぎの通りである。
【0095】
予備帯電したOHTが第1ステーションの転写帯電手段4Yに搬送されると、予備帯電したOHTに対し予め設定された目標転写電流値、たとえば2.5μAを得ることができる第1段階の検出用電圧が転写帯電手段から印加され、この際に流れる電流値が第2検出手段33Yで検出して読み取られる。検出用電圧は、転写前帯電手段での検出結果(+3.0kVの電圧印加で2.2μAの電流値が得られる)を基に、演算制御装置34で最適な値、たとえば−1.0kVの電圧が設定される。
【0096】
このとき検出された電流値はたとえば2.3μAであり、この電流情報が演算制御装置34に送られ、転写帯電手段に対してフィードバック制御をたとえば3回程度行う。ここでの制御は、第1段目の検出用電圧が帯電手段での検出結果を参照して設定されているため、検出される電流値は目標とする転写電流値に対して極めて近いものとなる。このため、1回のフィードバック制御における出力電圧差は帯電手段での検出用出力電圧差よりもきめ細かく制御することが可能となる(本実施例ではこれを100Vと設定した)。これにより、目標転写電流値2.0μAを得ることができる転写バイアスとして、たとえば−0.5kVが求められる。この第1段階の電圧印加と、フィードバック制御3回ので電圧印加の計4回の電圧印加は、全てOHTの先端余白部5mmの範囲内で行った。
【0097】
このように最適転写バイアス値を決定して、その−0.5kVをOHTの先端余白部以降から終端までの範囲にわたって印加し、感光ドラム1Y上のトナー像をOHTに転写させる。さらに、第1ステーションの転写帯電手段4Yで得られた転写バイアス情報を基に、演算制御装置34で第2〜第4ステーションの転写帯電手段4M〜4Bkでの最適転写バイアスを演算し、それぞれの転写帯電手段4M〜4Bkへの転写バイアスを制御した。
【0098】
その結果、最終の第4ステーションの転写帯電手段4Bkでの転写バイアスは+3.0kVとなり、従来と比較して低バイアスで良好な転写を行うことができ、OHT端部での高転写電界による感動ドラムの絶縁破壊を防止することができた。
【0099】
以上、転写帯電手段による転写材の種類判別、転写バイアスの設定例を説明した。
【0100】
本発明者らの検討では、OHTを予備帯電しなかった場合、比較的良好な画像を得るためには、最終ステーションでの転写バイアスは+6.0kV程度となったが、OHT端部において感光ドラムの絶縁破壊が発生した。また、同様の検討を高湿度環境下で実施した結果でも、転写バイアスを低く抑えることが可能となり、前述のドーナツ現象の発生も防止することができた。
【0101】
なお、通常の紙を用いて転写を行う際には、上述の予備帯電バイアス制御に用いた電流検出値を、最適転写バイアス値の算出にも有効に使用することができる。この場合にも、予備帯電バイアスの算出時と同様、通紙速度の変更に合わせて、適宜予備帯電バイアスと転写バイアスの設定値の対応関係を変更する必要がある。
【0102】
以上では、第1検出手段や第2検出手段で得られた検出結果を予備帯電バイアスや転写バイアスの設定に反映させたが、本発明はこれに限られず、これら検出結果をその他のプロセス条件、たとえば感光ドラムの一次帯電バイアスや現像器の現像バイアス、あるいは画像形成装置のプロセススピード、定着装置の定着温度と云った各種条件の設定に反映させることも可能である。
【0103】
さらに、より精度の高い制御を行うために第1、第2の検出手段の2つを用いたが、一方の検出手段で充分な精度が確保できるのであれば、いずれか一方の検出手段を設置、使用することも可能である。
【0104】
また本実施例でも、従来と同様、非通紙時に転写帯電手段や転写前帯電手段に検出用バイアスを印加して、そのときの電流の検出結果から周辺環境を検知することにより、より精度の高い制御を行うことも可能である。更に、この方法や他の手段によって検知した周辺環境に応じて前述の帯電手段や転写帯電手段における検出用バイアスを設定すれば、より精度のよいバイアス制御が可能となる。
【0105】
また、第1画像形成ステーションの転写部の手前上流側に吸着帯電手段と予備帯電手段を兼ねた転写前帯電手段を設置して、その転写前帯電手段で電流検出および予備帯電を行ったが、たとえば転写部の手前に上流側から転写前帯電手段、吸着帯電手段を別々に設置して、転写前帯電手段で電流検出、吸着帯電手段で予備帯電を行ってもよい。さらには吸着帯電手段を設けず、転写部の手前に上流側から転写前帯電帯電手段、予備帯電手段を別々に設けて、転写前帯電手段で電流検出、予備帯電手段で予備帯電を行ってもよく、この場合は、電流検出を行う部分が転写材の先端余白部に限定されず、電流値の検出をより高精度に行うことが可能になる。
【0106】
転写前帯電手段や予備帯電手段としては、帯電ローラの他、帯電ブラシ、コロナ帯電器等の公知の帯電手段を適宜組み合わせて使用することができる。また帯電ローラは、吸着ローラや吸着対向ローラと同様の部材を使用することができる。
【0107】
またタンデム型インライン方式のフルカラー画像形成装置を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、モノクロ画像形成装置にも適用でき、また中間転写体を用いた画像形成装置の2次転写等にも適用可能である。
【0108】
転写前帯電電源、転写電源は、いずれも定電圧制御の場合を例に説明したが、これらの電源が定電流制御であってもよい。この場合、これらの電源から検出用バイアスを定電流制御で印加し、そのときの電源の出力電圧を第1、第2の検知手段で検出して、予備帯電バイアス、転写バイアス等を設定すればよく、同様に、高速の画像形成に適用でき、高画質の画像を得ることが可能となる。
【0109】
また第1検出手段での電流検出結果を主に用いて転写材の判別を行ったが、転写材の判別手段として第2検出手段を用いてもよく、その電流検出結果により転写材の判別を行ってもよい。また、これ以外に光透過型のセンサー等を用いて転写材の透過性に応じて、転写材の種類を判別したり、あるいは転写材の種類(種類より大まかな類別を含む)が分かっている場合には、ボタン等の操作によって人手で入力してもよく、これらの手段を適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写材担持体上の転写材を転写に先立って帯電する転写前帯電部で、転写前帯電手段により転写材に検出用バイアスを印加し、そのときの電流値または電圧値を検出する等の手法により転写バイアスの設定を迅速化するか、きめ細かく設定できる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明における転写前帯電手段および転写帯電手段の電源回路の一例を示す模式図である。
【図3】従来の画像形成装置の画像形成部を示す概略構成図である。
【図4】従来の画像形成装置の他の例を示す構成図である。
【図5】従来の画像形成装置のさらに他の例を示す構成図である。
【図6】従来、抵抗が低いOHTに予備帯電してから転写を行ったときに生じていた黒ベタ画像のドーナツ現象を示す図である。
【符号の説明】
1Y〜1Bk 感光ドラム
4Y〜4Bk 転写ブレード
14 搬送ベルト
25 転写前帯電対向ローラ
26 転写前帯電ローラ
32A 転写前帯電電源
32Y〜32Bk 転写電源
33A 第1検出手段
33Y 第2検出手段
34 演算制御装置
Claims (9)
- トナー像を担持する像担持体と、転写材を搬送する転写材担持体と、前記転写材担持体上の吸着部にある転写材に電荷を付与する帯電手段と、前記帯電手段に印加するバイアスの値を検知する第1の検知手段と、転写バイアスを印加して前記転写材担持体上の転写部にある転写材に前記像担持体上のトナー像を転写する転写帯電手段と、前記転写帯電手段に印加される電流値を検知する第2の検知手段と、を有する画像形成装置において、
前記吸着部に転写材が進入している時に前記帯電手段にバイアスを印加することで前記第1の検知手段が検知するバイアスに基づいて前記転写帯電手段に印加される最初の電圧値を設定し、前記転写部に転写材が進入している時において、前記転写帯電手段に印加される電圧値を前記最初の電圧値を起点として変位させる過程で、前記第2の検知手段が検知する電流値が目標の電流値に近づき、目標の電流値と一致した時の前記転写帯電手段に印加される電圧値に基づいて前記転写バイアスを設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写帯電手段にバイアスを印加する転写電源を有し、前記転写電源は定電圧制御されているバイアスを出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- トナー像を担持する像担持体と、転写材を搬送する転写材担持体と、前記転写材担持体上の吸着部にある転写材に電荷を付与する帯電手段と、前記帯電手段に印加するバイアスの値を検知する第1の検知手段と、転写バイアスを印加して前記転写材担持体上の転写部にある転写材に前記像担持体上のトナー像を転写する転写帯電手段と、前記転写帯電手段に印加される電圧値を検知する第2の検知手段と、を有する画像形成装置において、
前記吸着部に転写材が進入している時に前記帯電手段にバイアスを印加することで前記第1の検知手段が検知するバイアスに基づいて前記転写帯電手段に印加される最初の電流値を設定し、前記転写部に転写材が進入している時において、前記転写帯電手段に印加される電流値を前記最初の電流値を起点として変位させる過程で、前記第2の検知手段が検知する電圧値が目標の電圧値に近づき、目標の電圧値と一致した時の前記転写帯電手段に印加される電流値に基づいて前記転写バイアスを設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写帯電手段にバイアスを印加する転写電源を有し、前記転写電源は定電流制御されているバイアスを出力することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段に印加する電圧の絶対値は、転写材が樹脂シートである場合の方が普通紙である場合よりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第1の検知手段は、前記吸着部に転写材の非画像形成領域が進入している時に検知することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第2の検知手段は、前記転写部に転写材先端部の非画像形成領域が進入している時に検知することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段は、前記転写材担持体に対して前記転写帯電手段の逆の面側にあり、前記帯電手段に印加するバイアスは、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスを印加することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段が、前記転写材担持体にバイアスを印加して転写材を担持させる転写材吸着手段であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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