JP4172492B2 - ステッピングモータの制御方法、ステッピングモータの制御装置およびプリンタ - Google Patents

ステッピングモータの制御方法、ステッピングモータの制御装置およびプリンタ Download PDF

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    • B41J29/38Drives, motors, controls or automatic cut-off devices for the entire printing mechanism

Description

本発明は、ステッピングモータの制御方法、ステッピングモータの制御装置およびプリ
ンタに関する。
従来より、印刷用紙等に印刷を行うインクジェットプリンタでは、印刷用紙を搬送する
搬送ローラを回転駆動するための搬送用モータとしてステッピングモータが利用されてい
る(たとえば、特許文献1および2参照)。特許文献1および2に記載されたインクジェ
ットプリンタで使用されているステッピングモータは、駆動用コイルがそれぞれ巻回され
るとともに、電気角で90°の位相差で配置されるA相の磁極組とB相の磁極組とを有す
る2相のステッピングモータである。また、印刷用紙を搬送するための搬送用モータとし
てDC(直流モータ)を利用したインクジェットプリンタも知られている(たとえば、特
許文献3参照)。
搬送用モータとしてDCモータを採用するプリンタは、特許文献3に記載されているよ
うに、一般に、印刷用紙の搬送制御を行うためのロータリエンコーダを備えている。その
ため、搬送用モータとしてステッピングモータを採用するプリンタに比べ、搬送用モータ
としてDCモータを採用するプリンタでは、ロータリエンコーダを用いた高解像度の印刷
が可能(すなわち、高分解能で印刷用紙を搬送することが可能)である。一方で、DCモ
ータを採用するプリンタでは、ロータリエンコーダが必要となるため、ステッピングモー
タを採用するプリンタと比較して、DCモータを採用するプリンタのコストは高くなる。
したがって、一般に、ステッピングモータは、それほど高い解像度での印刷が要求されな
い比較的安価なプリンタの搬送用モータとして採用されている。
特開2004−56991号公報 特開平10−323090号公報 特開2001−232882号公報
近年、比較的安価なプリンタにおいても、高解像度化が市場で要求されている。しかし
ながら、ステッピングモータは、磁極(極歯)の数でステップ角が決まり、ステップ角に
よって分解能が決まるため、機械的な構成の変更によって、ステッピングモータ自体の分
解能を上げるのには限界がある。また、ステッピングモータと搬送ローラとを連結するギ
アのギア比を上げれば、分解能を上げることはできるが、印刷用紙の搬送速度の低下を招
く。その結果、印刷速度が低下する。
ここで、2相のステッピングモータにおいては、理論上、電気角で45°のステップ角
でロータを回転させるいわゆる1−2相励磁方式や、理論上、電気角で22.5°のステ
ップ角でロータを回転させるいわゆるW1−2相励磁方式、あるいは、理論上、電気角で
11.25°のステップ角でロータを回転させるいわゆる2W1−2相励磁方式等の励磁
方式でステッピングモータを駆動させることで、高分解能で印刷用紙を搬送することが可
能になる。
しかしながら、本願発明者の検討によれば、一般のステッピングモータの駆動回路を用
いてステッピングモータを駆動させた場合、たとえば、図18に示すように、電気角によ
っては、理論上のロータの回転位置がθ1であるにもかかわらず、A相の磁極組に巻回さ
れた駆動用コイルに供給される実際の電流と、B相の磁極組に巻回された駆動用コイルに
供給される実際の電流とから特定される実際のロータの回転位置がθ2になる箇所がある
ことがわかった。すなわち、A相の磁極組に巻回された駆動用コイルに供給される実際の
電流値C100Aと、B相の磁極組に巻回された駆動用コイルに供給される実際の電流値
C100Bとから生成される合成ベクトルV20が、理論上の合成ベクトルV10と一致
しない箇所があることがわかった。
このステッピングモータの駆動回路の特性に加え、ステッピングモータが用いられてい
るプリンタは、駆動用コイルに電流が供給されていない無励磁時の保持トルクであるステ
ッピングモータのディテントトルク、印刷用紙の搬送負荷、あるいは、ステッピングモー
タと搬送ローラとを連結するギア部分での負荷等の機械的な負荷の影響も受ける。そのた
め、本願発明者の検討によれば、1−2相励磁、W1−2相励磁方式あるいは2W1−2
相励磁方式等の励磁方式でステッピングモータを駆動させた場合、ステッピングモータを
2相励磁方式で駆動させたときのロータの停止位置でない位置でロータを停止させるとき
のロータの停止精度が大きく低下することがわかった。すなわち、ロータの停止位置が、
電気角で図18に示す45°、135°、225°あるいは315°以外の位置である場
合には、ロータの停止精度が大きく低下することがわかった。その結果、高解像度での印
刷が困難であることがわかった。
そこで、本願発明者は種々の検討を行った。その結果、所定の制御方法でロータを停止
させることで、2相励磁方式で駆動させたときのロータの停止位置でない位置でロータを
停止させる場合であっても、ロータの停止精度の低下を抑制できることを知見するに至っ
た。
本発明はかかる新たな知見に基づくものであり、本発明の課題は、高分解能での回転駆
動が可能で、かつ、停止精度の低下を抑制できるステッピングモータの制御方法およびス
テッピングモータの制御装置を提供することにある。また、本発明の課題は、比較的安価
で、かつ、高解像度化を図ることできるプリンタを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のステッピングモータの制御方法は、所定のステッ
プ角でロータを回転駆動させる駆動制御と、ロータを目標停止位置に停止させるとき、駆
動制御におけるステップ角よりも細かいステップ角の角度分、ロータの回転方向で目標停
止位置の先あるいは手前にロータを停止させる停止指令をステッピングモータの駆動回路
に与える停止制御とを行うことを特徴とする。
本発明では、停止制御において、ロータを目標停止位置に停止させるとき、駆動制御に
おけるステップ角よりも細かいステップ角の角度分、ロータの回転方向で目標停止位置の
先あるいは手前にロータを停止させる停止指令をステッピングモータの駆動回路に与えて
いる。そのため、たとえば、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式あるいは2W1−2
相励磁方式等の励磁方式でステッピングモータを駆動して、高分解能化を図った場合であ
っても、停止精度の低下を抑制できる。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、駆動用コイルがそれぞれ巻回されるとと
もに、電気角で90°の位相差で配置されるA相の磁極組とB相の磁極組とを有する2相
のステッピングモータを制御するステッピングモータの制御方法において、ロータを、理
論上、電気角で90°のステップ角で回転駆動させる2相励磁方式でステッピングモータ
を駆動させたときのロータの停止位置を安定位置とし、ロータを、理論上、電気角で(3
60/2(n1+2))°(n1は1以上の整数)のステップ角で回転駆動させる励磁方
式で、ステッピングモータを駆動させたときのロータの停止位置であって、安定位置を除
いた停止位置を不安定位置とする場合、理論上、電気角で(360/2(n2+2))°
(n2は1以上の整数)のステップ角でロータを回転駆動させる励磁方式によって、ステ
ッピングモータを駆動させる駆動制御と、駆動制御後、少なくとも不安定位置を目標停止
位置としてロータを停止させるとき、ロータの回転方向において、理論上、電気角で(3
60/2(n2+n3))°(n3は3以上の整数)だけ目標停止位置よりも先あるいは
手前にロータを停止させる停止指令をステッピングモータの駆動回路に与える停止制御と
を行うことを特徴とする。
本発明では、駆動制御において、理論上、電気角で(360/2(n2+2))°のス
テップ角でロータを回転駆動させる励磁方式でステッピングモータを駆動させている。す
なわち、駆動制御において、理論上、電気角で45°のステップ角でロータを回転させる
1−2相励磁方式や、理論上、電気角で22.5°のステップ角でロータを回転させるW
1−2相励磁方式あるいは、理論上、電気角で11.25°のステップ角でロータを回転
させる2W1−2相励磁方式等によって、ステッピングモータを駆動させている。そのた
め、たとえステッピングモータの機械的な分解能が低い場合であっても、ステッピングモ
ータの高分解能での回転駆動が可能となる。
また、本発明では、理論上、電気角で(360/2(n2+2))°のステップ角でロ
ータを回転駆動させる励磁方式によって、ステッピングモータを駆動させた後、停止制御
において、少なくとも不安定位置を目標停止位置としてロータを停止させるとき、理論上
、電気角で(360/2(n2+n3))°だけ目標停止位置よりも先あるいは手前にロ
ータを停止させる停止指令をステッピングモータの駆動回路に与えている。すなわち、停
止制御では、駆動制御におけるステップ角よりも細かいステップ角の角度だけ目標停止位
置よりも先あるいは手前にロータを停止させる停止指令をステッピングモータの駆動回路
に与えている。そのため、ステッピングモータの高分解能化を図った場合であっても、停
止精度の低下を抑制できる。
本発明において、停止指令は、ロータの回転方向において、理論上、電気角で(360
/2(n2+3))°だけ目標停止位置よりも先あるいは手前にロータを停止させる制御
指令であることが好ましい。このように構成すると、駆動制御時のステップ角の半分の角
度だけ目標停止位置よりも先あるいは手前にロータを停止させる停止指令を生成させる制
御を行えば良いため、制御上の処理が簡素化される。
本発明において、停止制御では、安定位置および不安定位置にロータを停止させるとき
、停止指令を駆動回路に与えることが好ましい。このように構成すると、安定位置で停止
させる場合と不安定位置で停止させる場合との場合分けを、停止制御で行う必要がなくな
るため、制御上の処理が簡素化される。
さらに、上記の課題を解決するため、本発明のステッピングモータの制御装置は、所定
のステップ角でロータを回転駆動させる駆動手段と、ロータを目標停止位置に停止させる
とき、ロータの回転駆動時におけるステップ角よりも細かいステップ角の角度分、ロータ
の回転方向で目標停止位置の先あるいは手前にロータを停止させる停止指令を駆動手段に
与える指令手段とを備えることを特徴とする。
本発明の制御装置は、ロータの目標停止位置に停止させるとき、ロータの回転方向で、
ロータの回転駆動時におけるステップ角よりも細かいステップ角の角度分、目標停止位置
の先あるいは手前にロータを停止させる停止指令を駆動手段に与える指令手段を備えてい
る。そのため、たとえば、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式あるいは2W1−2相
励磁方式等の励磁方式でステッピングモータを駆動して、高分解能化を図った場合であっ
ても、停止精度の低下を抑制できる。
さらにまた、上記の課題を解決するため、本発明は、駆動用コイルがそれぞれ巻回され
るとともに、電気角で90°の位相差で配置されるA相の磁極組とB相の磁極組とを有す
る2相のステッピングモータを制御するステッピングモータの制御装置において、ロータ
を、理論上、電気角で90°のステップ角で回転駆動させる2相励磁方式でステッピング
モータを駆動させたときのロータの停止位置を安定位置とし、ロータを、理論上、電気角
で(360/2(n1+2))°(n1は1以上の整数)のステップ角で回転駆動させる
励磁方式で、ステッピングモータを駆動させたときのロータの停止位置であって、安定位
置を除いた停止位置を不安定位置とする場合、理論上、電気角で(360/2(n2+2
)°(n2は1以上の整数)のステップ角でロータを回転駆動させる励磁方式によって
、ステッピングモータを駆動させる駆動手段と、駆動手段で、理論上、電気角で(360
/2(n2+2))°のステップ角でロータを回転駆動させる励磁方式によって、ステッ
ピングモータを駆動させた後、少なくとも不安定位置を目標停止位置としてロータを停止
させるとき、ロータの回転方向において、理論上、電気角で(360/2(n2+n3)
)°(n3は3以上の整数)だけ目標停止位置よりも先あるいは手前にロータを停止させ
る停止指令を駆動手段に与える指令手段とを備えることを特徴とする。
本発明の制御装置では、駆動手段が、理論上、電気角で(360/2(n2+2))°
のステップ角で回転させる励磁方式でステッピングモータを駆動させている。そのため、
ステッピングモータの高分解能での回転駆動が可能となる。また、本発明の制御装置では
、駆動手段が、理論上、電気角で(360/2(n2+2))°のステップ角でロータを
回転させる励磁方式によって、ステッピングモータを駆動させた後、少なくとも不安定位
置を目標停止位置としてロータを停止させるとき、指令手段は、理論上、(360/2
n2+n3))°だけ目標停止位置よりも先あるいは手前にロータを停止させる停止指令
を駆動手段に与えている。すなわち、指令手段は、ロータの回転駆動時におけるステップ
角よりも細かいステップ角の角度だけ目標停止位置よりも先あるいは手前にロータを停止
させる停止指令を駆動手段に与えている。そのため、ステッピングモータの高分解能化を
図った場合であっても、停止精度の低下を抑制できる。
本発明の制御方法で制御されるステッピングモータ、あるいは、本発明の制御装置で制
御されるステッピングモータを、プリンタの、印刷対象物を搬送する搬送用モータとして
用いることができる。本発明の制御方法で制御されるステッピングモータ、あるいは、本
発明の制御装置で制御されるステッピングモータは、高分解能化を図った場合であっても
、停止精度の低下を抑制できるため、このステッピングモータを搬送用モータとして備え
るプリンタでは、高解像度化を図ることできる。また、搬送用モータとしてDCモータを
用いる場合と比較して、プリンタのコストを低減することができる。
本発明のプリンタでは、停止指令は、ロータの回転方向で目標停止位置よりも先にロー
タを停止させる制御指令であることが好ましい。プリンタの場合、印刷用紙の搬送負荷や
ステッピングモータと搬送ローラとを連結するギア部分での負荷等の機械的な負荷の影響
で、ステッピングモータの停止位置が目標停止位置より手前になりやすい。そのため、こ
のように構成することで、プリンタでは、停止精度の低下を効果的に抑制できる。
以下、本発明の実施の形態にかかるステッピングモータの制御方法、ステッピングモー
タの制御装置およびプリンタを図面に基づいて説明する。
[プリンタの概略構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。図2
は、図1のプリンタ1の紙送りに関する部分の概略構成を示す概略側面図である。図3は
、図2に示すPF駆動ローラ6の駆動部を拡大して示す拡大平面図である。
本形態のプリンタ1は、印刷対象物となる印刷用紙P等に対して液体状のインクを吐出
して印刷を行うインクジェットプリンタである。このプリンタ1は、図1から図3に示す
ように、インク滴を吐出する印刷ヘッド2が搭載されたキャリッジ3と、主走査方向MS
へキャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(CRモータ)4と、印刷用紙Pを副走査方
向SSへ搬送する搬送用モータとしての紙送りモータ(PFモータ)5(図3参照)と、
PFモータ5に連結されたPF駆動ローラ6と、印刷ヘッド2のインク吐出面(図2の下
面)と対向するように配置されたプラテン7と、これらの構成が搭載された本体シャーシ
8とを備えている。本形態のCRモータ4はDCモータである。また、本形態のPFモー
タ5はステッピングモータである。なお、CRモータ4はステッピングモータであっても
良い。
また、プリンタ1は、図2に示すように、印刷前の印刷用紙Pが載置されるホッパ11
と、ホッパ11に載置された印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ取り込むための給紙ローラ
12および分離パッド13と、ホッパ11からプリンタ1の内部へ取り込まれた印刷用紙
Pの通過を検出するための紙検出装置14と、プリンタ1の内部から印刷用紙Pを排出す
る排紙駆動ローラ15とを備えている。
キャリッジ3は、本体シャーシ8に固定された支持フレーム16に支持されたガイドシ
ャフト17と、タイミングベルト18とによって主走査方向MSに搬送可能に構成されて
いる。すなわち、タイミングベルト18は、その一部がキャリッジ3に固定される(図2
参照)とともに、CRモータ4の出力軸に取り付けられたプーリ19と支持フレーム16
に回転可能に取り付けられたプーリ20とに掛け渡された状態で一定の張力を有するよう
に配設されている。ガイドシャフト17は、キャリッジ3を主走査方向MSへ案内するよ
うに、キャリッジ3を摺動可能に保持している。また、キャリッジ3には、印刷ヘッド2
に加え、印刷ヘッド2に供給される各種のインクが収納されたインクカートリッジ21が
搭載されている。
給紙ローラ12は、図示を省略するギアを介してPFモータ5に連結され、PFモータ
5によって駆動される。ホッパ11は、図2に示すように、印刷用紙Pを載置可能な板状
部材であり、図示を省略するカム機構によって、上部に設けられた回動軸22を中心に揺
動可能となっている。そして、カム機構による揺動によって、ホッパ11の下端部が給紙
ローラ12に弾性的に圧接され、また、給紙ローラ12から離間する。分離パッド13は
、摩擦係数の高い部材から形成され、給紙ローラ12に対向する位置に配置されている。
給紙ローラ12が回転すると、給紙ローラ12の表面と分離パッド13とが圧接する。
そのため、給紙ローラ12が回転すると、ホッパ11に載置された印刷用紙Pのうち、一
番上の印刷用紙Pは、給紙ローラ12の表面と分離パッド13との圧接部分を通過して排
紙側へ送られるが、上から2番目以降に載置された印刷用紙Pは、分離パッド13によっ
て、排紙側への搬送が阻止される。
PF駆動ローラ6は、図2の紙面奥側で、PFモータ5に連結されている。すなわち、
PF駆動ローラ6は、図3に示すように、図2におけるPF駆動ローラ6の紙面奥側端に
取り付けられた大ギア35と、PFモータ5の出力軸に取り付けられ大ギア35と噛み合
う小ギア36とを介してPFモータ5に連結されている。本形態では、大ギア35と小ギ
ア36とのギア比は1:7.5である。また、本形態のPF駆動ローラ6の周長は1イン
チである。
図2に示すように、プリンタ1には、PF駆動ローラ6とともに印刷用紙Pを搬送する
PF従動ローラ23が設けられている。PF従動ローラ23は、回転軸25を中心に揺動
可能に構成された従動ローラホルダ24の排紙側に回動可能に保持されている。従動ロー
ラホルダ24は、図示を省略するバネによって、PF従動ローラ23がPF駆動ローラ6
へ向かう付勢力を常時受けるように、図示反時計方向へ付勢されている。そして、PF駆
動ローラ6が駆動されると、PF駆動ローラ6とともにPF従動ローラ23も回転する。
紙検出装置14は、図2に示すように検出レバー26とフォトセンサ27とから構成さ
れ、従動ローラホルダ24の近傍に設けられている。検出レバー26は、回転軸28を中
心に回動可能になっている。そして、図2に示す印刷用紙Pの通過状態から、検出レバー
26の下側を印刷用紙Pが通過し終わると、検出レバー26が反時計方向へ回動する。検
出レバー26が回動すると、フォトセンサ27の発光素子(図示省略)から受光素子(図
示省略)へ向かう光を遮断して、印刷用紙Pの通過終了を検出できる構成となっている。
排紙駆動ローラ15は、プリンタ1の排紙側に配置され、図2の紙面奥側で、PFモー
タ5に連結されている。すなわち、排紙駆動ローラ15は、図3に示すように、図2にお
ける排紙駆動ローラ15の紙面奥側端に取り付けられた大ギア37と、この大ギア37と
噛み合う小ギア36とを介してPFモータ5に連結されている。本形態では、大ギア37
と小ギア36とのギア比は、大ギア35と小ギア36とのギア比と同様に1:7.5であ
る。また、本形態の排紙駆動ローラ15の周長は1インチである。
図2に示すように、プリンタ1には、排紙駆動ローラ15とともに印刷用紙Pを排紙す
る排紙従動ローラ29が設けられている。排紙従動ローラ29も、PF従動ローラ23と
同様に、図示を省略するバネによって、常時、排紙駆動ローラ15へ向かう付勢力を受け
ている。そして、排紙駆動ローラ15が駆動されると、排紙駆動ローラ15とともに、排
紙従動ローラ29も回転する。
また、プリンタ1は、図2に示すように、主走査方向MSにおけるキャリッジ3の位置
検出やキャリッジ3の速度検出等を行うために、リニアスケール31およびフォトセンサ
32を有するリニアエンコーダ33を備えている。図2に示すように、フォトセンサ32
は、キャリッジ3の背面(図1の紙面奥側の面)に固定されている。また、リニアスケー
ル31は、主走査方向MSと平行に支持フレーム16に取り付けられている。なお、CR
モータ4をステッピングモータとした場合には、リニアエンコーダ33は不要である。
PFモータ5は、図3に示すように、樹脂で形成された取付ブラケット38に固定され
ている。取付ブラケット38は、図2の紙面奥側で、支持フレーム16に取り付けられて
いる。
このプリンタ1では、給紙ローラ12や分離パッド13によってホッパ11からプリン
タ1の内部に取り込まれた印刷用紙Pを、PFモータ5で回転駆動されたPF駆動ローラ
6で副走査方向SSへ送りながら、CRモータ4で駆動されたキャリッジ3が主走査方向
MSで往復移動する。キャリッジ3が往復移動する際には、印刷ヘッド2からインク滴が
吐出され、印刷用紙Pへの印刷が行われる。また、印刷用紙Pへの印刷が終了すると、排
紙駆動ローラ15等によって印刷用紙Pはプリンタ1の外部へ排出される。
[プリンタの制御部の概略構成]
図4は、図1のプリンタ1の制御部50およびその周辺機器の概略構成を示すブロック
図である。なお、図4では、PFモータ5の制御に関連する制御部50の構成のみを図示
している。
制御部50は、PFモータ5の制御に関連する構成として、図4に示すように、バス5
1、CPU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55、ASIC56、PFモ
ータ駆動回路58等を備えている。
バス51は、制御部50の各構成を接続する信号線である。このバス51によって、C
PU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55およびASIC56等は、相互
に接続され、これらの間で各種信号の授受を行うように構成されている。CPU52は、
ROM53および不揮発性メモリ55等に記憶されているプリンタ1の制御プログラムを
実行するための演算処理およびその他必要な演算処理を行う。また、ROM53には、プ
リンタ1を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている
。RAM54には、CPU52が実行途中のプログラムおよび演算途中のデータ等が一時
的に格納される。不揮発性メモリ55には、プリンタ1の電源を切った後も保存しておく
ことが必要となる各種のデータが記憶される。
ASIC56は、PFモータ5等の制御を行うための制御指令をデジタル信号として出
力する。具体的には、ASIC56は、ROM53や不揮発性メモリ55に記憶された各
種データに基づく各種信号や、CPU52での演算処理に基づく各種信号を制御指令とし
て出力する。また、ASIC56は、インターフェース回路を内蔵しており、パーソナル
コンピュータ等からなる制御指令部59から供給される印刷指令を受け取ることができる
ように構成されている。
PFモータ駆動回路58は、ASIC56から制御指令に基づいてPFモータ5を回転
駆動させるPFモータ5の駆動回路である。本形態のPFモータ駆動回路58は、所定の
ステップ角でPFモータ5を回転駆動させる駆動手段となっている。PFモータ駆動回路
58の詳細については後述する。
なお、本形態では、CPU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55および
ASIC56等によって、PFモータ駆動回路58(駆動手段)に制御指令を与える指令
手段が構成されている。また、本形態では、駆動手段であるPFモータ駆動回路58と、
指令手段であるCPU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55およびASI
C56等とからステッピングモータであるPFモータ5の制御装置が構成されている。
[PFモータ、PFモータ駆動回路の概略構成]
図5は、図3に示すPFモータ5の要部の構成を模式的に示す模式図である。図6は、
図4に示すPFモータ駆動回路58の概略構成を示す回路図である。図7は、図3に示す
PFモータ5を各励磁方式で駆動したときのステップ角および停止位置を説明するための
図である。図8は、図6に示すA相駆動コイル48およびB相駆動コイル49に供給され
る電流の理想波形を示す図であり、(A)は、縦軸を電流比率、横軸を電気角(またはス
テップ数)として示す理想波形であり、(B)は、縦軸をA相駆動コイル48の電流比率
、横軸をB相駆動コイル49の電流比率として示す理想波形である。図9は、図6に示す
制御ロジック回路63に記憶された電流比率算出テーブルを示す表である。
本形態のPFモータ5は、2相のステッピングモータであり、図5に模式的に示すよう
に、回転軸39および回転軸39の外周面に固定された駆動マグネット40を有するロー
タ41と、電気角で90°の位相差で配置されるA相の磁極組43(以下、A相磁極組4
3とする。)およびB相の磁極組44(以下、B相磁極組44とする。)を有するステー
タ45とを備えている。
駆動マグネット40の外周面は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている
。また、A相磁極組43およびB相磁極組44にはそれぞれ、駆動用コイル48、49(
図6参照)が巻回されている。なお、以下では、A相磁極組43に巻回される駆動用コイ
ル48を「A相駆動コイル48」、B相磁極組44に巻回される駆動用コイル49を「B
相駆動コイル49」とする。
図5に示すように、本形態のA相磁極組43は、機械角で15°ピッチで形成された2
4個のA相磁極46を備えている。具体的には、A相磁極組43は、機械角で15°ピッ
チ(電気角で180°ピッチ)で交互に配置されたA+相磁極46aとA−相磁極46b
とを備えている。A+相磁極46aとA−相磁極46bとは、A相駆動コイル48に電流
が供給されたときにそれぞれ異極に磁化される。たとえば、A相駆動コイル48に所定方
向の電流が供給されると、A+相磁極46aがN極、A−相磁極46bがS極に磁化され
、A相駆動コイル48に逆方向の電流が供給されると、A+相磁極46aがS極、A−相
磁極46bがN極に磁化される。
同様に、B相磁極組44も、機械角で15°ピッチで形成された24個のB相磁極47
を備えている。具体的には、B相磁極組43は、機械角で15°ピッチ(電気角で180
°ピッチ)で交互に配置されたB+相磁極47aとB−相磁極47bとを備えている。A
+相磁極46aおよびA−相磁極46bと同様に、B+相磁極47aとB−相磁極47b
とは、B相駆動コイル49に電流が供給されたときにそれぞれ異極に磁化される。
A相磁極46とB相磁極47とは、機械角で7.5°ピッチ(電気角で90°ピッチ)
で交互に配置されている。たとえば、図5に示すように、A+相磁極46a、B+相磁極
47a、A−相磁極46bおよびB−相磁極47bが、時計方向にこの順番で配置されて
いる。また、A+相磁極46a、B+相磁極47a、A−相磁極46bおよびB−相磁極
47bの関係を電気角で示すと図7のようになる。すなわち、A+相磁極46a、B+相
磁極47a、A−相磁極46bおよびB−相磁極47bは、電気角では90°ピッチでこ
の順番に配置されている。
なお、以下では、図7に示すように、B+相磁極47aの配置位置を電気角で0°の位
置、A+相磁極46aの配置位置を電気角で90°の位置、B−相磁極47bの配置位置
を電気角で180°の位置、A−相磁極46bの配置位置を電気角で270°の位置とす
る。また、以下では、図7に示す45°の位置を電気角の基準位置とする。さらに、後述
のように、この基準位置でのステップをステップ0とする。
本形態のPFモータ5では、A相駆動コイル48およびB相駆動コイル49に供給され
る電流の方向および量を変化させることで、4ステップでロータ41を電気角で360°
回転させる(すなわち、理論上、ロータ41を電気角で90°のステップ角で回転駆動さ
せる)2相励磁方式、8ステップでロータ41を電気角で360°回転させる(すなわち
、理論上、ロータ41を電気角で45°のステップ角で回転駆動させる)1−2相励磁方
式、16ステップでロータ41を電気角で360°回転させる(すなわち、理論上、ロー
タ41を電気角で22.5°のステップ角で回転駆動させる)W1−2相励磁方式および
32ステップでロータ41を電気角で360°回転させる(すなわち、理論上、ロータ4
1を電気角で11.25°のステップ角で回転駆動させる)2W1−2相励磁方式の4つ
の励磁方式での回転駆動が可能となっている。なお、本形態のPFモータ5では、所定の
設定を行うことで、64ステップでロータ41を電気角で360°回転させる(すなわち
、理論上、ロータ41を電気角で5.625°のステップ角で回転駆動させる)4W1−
2相励磁方式での回転駆動も可能となる。
なお、上述のように、PFモータ5は4つの励磁方式によって回転駆動が可能となって
いるが、本形態では、2相励磁方式、1−2相励磁方式およびW1−2相励磁方式の3つ
の励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される。また、以下では、図7に示すように、P
Fモータ5を、2相励磁方式で回転駆動させたときのロータ41の停止位置を第1停止位
置71、1−2相励磁方式で回転駆動させたときのロータ41の停止位置であって第1停
止位置71を除く停止位置(すなわち、1相励磁方式で回転駆動させたときのロータ41
の停止位置)を第2停止位置72、W1−2相励磁方式で回転駆動させたときのロータ4
1の停止位置であって第1停止位置71および第2停止位置72を除く停止位置を第3停
止位置73、2W1−2相励磁方式で回転駆動させたときのロータ41の停止位置であっ
て第1停止位置71から第3停止位置73を除く停止位置を第4停止位置74、4W1−
2相励磁方式で回転駆動させたときのロータ41の停止位置であって第1停止位置71か
ら第4停止位置74を除く停止位置を第5停止位置75とする。
ここで、一般に、2相のステッピングモータでは、その特性上、駆動用コイルに電流が
供給されているときには、2相励磁方式における停止位置での停止時の位置保持トルクが
最大になる。そのため、駆動用コイルに電流が供給されているときには、2相励磁方式で
の停止位置で停止するときのロータの停止状態が安定する。すなわち、本形態では、第1
停止位置71は、ロータ41の停止状態が安定する安定位置であり、第1停止位置71を
除く停止位置、すなわち、第2停止位置72から第5停止位置75までが不安定位置とな
る。なお、ディテントトルク(無励磁保持トルク)は、第2停止位置72において最大と
なる。
PFモータ駆動回路58は、図6に示すように、A相駆動コイル48に供給される電流
を制御するA相電流制御回路61と、B相駆動コイル49に供給される電流を制御するB
相電流制御回路62と、ASIC56から出力されたデジタル信号である制御指令が入力
される制御ロジック回路63とを備えている。
A相電流制御回路61およびB相電流制御回路62はともに、図6に示すように、トラ
ンジスタ64を4個使用したいわゆるフルブリッジ回路である。それぞれのトランジスタ
64のベース端子は、制御ロジック回路63に接続されている。そして、制御ロジック回
路63から各トランジスタ64のベース端子へ入力される信号に基づいて、A相電流制御
回路61およびB相電流制御回路62は、A相駆動コイル48およびB相駆動コイル49
へ供給される電流の量および方向を制御する。
具体的には、ロータ41が微小なステップ角(すなわち、無限のステップ数)で回転す
ると仮定した場合、理想的には、図8(A)に示すように、正弦波状に変化する電流C1
がA相駆動コイル48に供給され、電流C1と電気角で90°位相差を有する電流C2が
B相駆動コイル49に供給される。すなわち、PFモータ5の回転速度等の駆動条件が一
定であれば、理想的には、図8(B)に示すように、A相駆動コイル48に供給される電
流C1のベクトルVと、B相駆動コイル49に供給される電流C2のベクトルVとの
合成ベクトルVの大きさ(すなわち、図8(B)に示す円の半径)が電気角によって変動
しないような電流C1、C2が、A相駆動コイル48、B相駆動コイル49へ供給される
。なお、本形態では、実際には、図8(B)の二点鎖線で示すように、合成ベクトルVに
よって、たとえば、12角形状が形成されるように(すなわち、電気角によって合成ベク
トルVの大きさがわずかに変動するように)、A相駆動コイル48およびB相駆動コイル
49には電流が供給されている。また、PFモータ5の回転速度等の駆動条件によっては
、合成ベクトルVの大きさ自体は変化する。
ここで、図8(A)において、電流C1、C2の正負は電流の方向を示しており、電流
C1、C2の正負が変わると、A相駆動コイル48、B相駆動コイル49に供給される電
流C1、C2の方向が変わる。また、図8(A)に示す電気角は、図8(B)に示す合成
ベクトルVで形成される円の外周側に図示された電気角と対応する。
制御ロジック回路63は、ASIC56から入力されるデジタル信号に基づいてアナロ
グ信号を生成し、A相駆動コイル48およびB相駆動コイル49への電流の量および方向
を制御するための信号を各トランジスタ64のベース端子に向かって出力する。
制御ロジック回路63には、電流C1と電流C2との総和値(すなわち、図8(B)に
示す合成ベクトルVの大きさ)に対応するデジタル信号が入力される。すなわち、電流C
1と電流C2との総和値に関するデータがROM53に記憶されており、PFモータ5の
回転速度等に応じてROM53から読み出された総和値のデータに対応するデジタル信号
がASIC56から制御ロジック回路63に入力される。本形態では、PFモータ5の回
転速度等の駆動条件が一定の場合、ステップ数(あるいは電気角)によって電流C1と電
流C2との総和値(すなわち、合成ベクトルVの大きさ)が図8(B)の二点鎖線のよう
に変動するようなデジタル信号が制御ロジック回路63に入力される。
また、制御ロジック回路63には、電流C1と電流C2との総和値に対する電流C1の
比率および電流C2の比率に対応するデジタル信号が入力される。すなわち、電流C1、
C2の比率に関するデータがROM53に記憶されており、PFモータ5の励磁方式等に
応じて、ROM53から読み出された電流C1、C2の比率に関するデータに対応するデ
ジタル信号がASIC56から制御ロジック回路63に入力される。
具体的には、図9に示すように、4ビットのデジタル信号である角度データ信号と、1
ビットのデジタル信号である符号データ信号とが、電流C1、C2の比率に対応するデジ
タル信号として、制御ロジック回路63に入力される。また、制御ロジック回路63には
、図9に示す電流比率算出テーブルが記憶されている。そして、制御ロジック回路63で
は、入力された角度データ信号と符号データ信号とから電流比率算出テーブルを用いて、
電流C1と電流C2との総和値に対する電流C1の比率と電流C2の比率とがそれぞれ算
出される。
上述のように、本形態では、所定の設定を行うことで、4W1−2相励磁方式での回転
駆動が可能となるため、図9に示すように、電流比率算出テーブルでは、4W1−2相励
磁方式での64ステップ分の電流C1の比率および電流C2の比率が設定されている。す
なわち、図9の電流比率算出テーブル上の1ステップで、ロータ41は、理論上、電気角
で5.625°で回転する。なお、図9に示すように、制御ロジック回路63に入力され
る角度データ信号と符号データ信号とからロータ41の電気角の特定が可能である。図9
に記載された電気角は、図7に示す電気角に対応する。また、上述のように、図7に示す
45°の位置が電気角の基準位置であり、この基準位置でのステップがステップ0である
。また、図9に示すように、電気角で39.375°の位置でのステップがステップ1と
なり、以下同様に、図9に示す各電気角の位置でのステップがそれぞれ、ステップ2・・
・・ステップ63となる。
このように、制御ロジック回路63には、電流C1と電流C2との総和値に対応するデ
ジタル信号と、電流C1、C2の比率に対応するデジタル信号とが入力される。そして、
電流C1と電流C2との総和値と、電流C1の総和値に対する比率と、電流C2の総和値
に対する比率とから、電流C1および電流C2の大きさおよび方向が特定され、特定され
た電流C1、C2がそれぞれA相駆動コイル48、B相駆動コイル49に供給されるよう
に、制御ロジック回路63は、所定の信号を各トランジスタ64のベース端子へ向かって
出力する。
また、入力される電流C1、C2の比率に対応するデジタル信号(具体的には、角度デ
ータ信号および符号データ信号)に基づいて、上述した2相励磁方式や1−2相励磁方式
等の各励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される。すなわち、図9に示すステップM1
(M1は0から63までの整数)での信号(具体的には、角度データ信号および符号デー
タ信号)をM1信号とすると、2相励磁方式では、0信号、16信号、32信号、48信
号、0信号、・・・の順番で4種類の信号が順次、制御ロジック回路63に入力され、1
−2相励磁方式では、0信号、8信号、16信号、24信号、32信号、40信号、48
信号、56信号、0信号、・・・の順番で8種類の信号が順次、制御ロジック回路63に
入力される。同様に、W1−2相励磁方式では16種類の信号が、2W1−2相励磁方式
では32種類の信号が、4W1−2相励磁方式では64種類の信号が、順次、制御ロジッ
ク回路63に入力される。
[PFモータの制御方法]
以下、PFモータ5の加速制御、起動制御、減速制御、停止制御の方法をこの順番で説
明する。
(PFモータの加速制御)
図10は、図4に示すROM53に記憶されたPFモータ5の加速テーブルを示す表で
ある。図11は、図3に示すPFモータ5の加速制御を説明するための図である。
本形態では、ROM53には、図10に示すPFモータ5の加速テーブルが記憶されて
いる。PFモータ5の加速時には、この加速テーブルに設定された加速時間データにした
がって、上述した電流C1と電流C2との総和値に対応するデジタル信号と、電流C1、
C2の比率に対応するデジタル信号とが、ASIC56から出力される。そして、A相駆
動コイル48に供給される電流C1およびB相駆動コイル49に供給される電流C2が制
御されて、ロータ41が加速される。また、本形態では、上述のように、2相励磁方式、
1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式および2W1−2相励磁方式の4つの励磁方式で
、PFモータ5の回転駆動が可能となっている。これに対して、いずれの励磁方式におい
ても図10に示す共通の(同じ)加速テーブルが使用される。以下、ロータ41を加速さ
せるPFモータ5の加速制御について説明する。
上述のように、加速制御では、図10に示す加速テーブルに設定された加速時間データ
にしたがって、電流C1と電流C2との総和値に対応するデジタル信号と、電流C1、C
2の比率に対応するデジタル信号とがASIC56から出力され、制御ロジック回路63
に入力されるが、以下では説明の簡略化のため、電流C1、C2の比率に対応するデジタ
ル信号のみが制御ロジック回路63に入力されるものとして説明する。
たとえば、2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電流C1、C2の比
率に対応するデジタル信号として入力されるのは、上述のように、0信号、16信号、3
2信号および48信号の4種類の信号である。そして、この4種類の信号が、図10に示
す加速時間データにしたがって入力される。たとえば、基準位置となる電気角で45°の
位置(すなわち、ステップ0での位置)から図10に示す加速時間データにしたがってロ
ータ41が加速される場合、2相励磁方式では、まず、16信号が入力され、16信号が
入力されてから32信号が入力されるまでの時間は、図10に示すNo.1の時間、すな
わち、1818μsである。また、32信号が入力されてから48信号が入力されるまで
の時間は、図10に示すNo.2の時間、すなわち、1348μsである。以下同様であ
り、図10に示すNo.M2(M2は、1以上の整数(図10では、1から32までの整
数))の時間をtM2とすると、2相励磁方式では、図11に示すように、時間t1から
時間t4までの総和時間で、ロータ41が電気角で360°回転する。
なお、図11では、A相駆動コイル48に供給される電流の状態を模式的に示しており
、ハイレベルは、図8(A)に示す正の状態に対応し、ローレベルは、図8(A)に示す
負の状態に対応する。また、ハイレベルとローレベルとの間の中間レベルは、A相駆動コ
イル48に供給される電流が0の状態に対応する。また、図11では、時間tM2(すな
わち、時間t1から時間t16)の間隔を模式的に等しく図示しているが、実際には時間
がしだいに短くなっていくため、時間tM2の間隔は順次、狭くなる。
また、たとえば、1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電流C1
、C2の電気角に対応するデジタル信号として入力されるのは、上述の8種類の信号であ
る。そして、この8種類の信号が、図10に示す加速時間データにしたがって入力される
。たとえば、電気角で45°の位置(基準位置)から図10に示す加速時間データにした
がってロータ41が加速される場合、1−2相励磁方式では、まず、8信号が入力され、
8信号が入力されてから16信号が入力されるまでの時間は、時間t1である。また、1
6信号が入力されてから24信号が入力されるまでの時間は、時間t2である。以下同様
であり、1−2相励磁方式では、図11に示すように、時間t1から時間t8までの総和
時間でロータ41が電気角で360°回転する。
さらに、W1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電流C1、C2
の電気角に対応するデジタル信号として入力されるのは、1−2相励磁方式で入力される
信号に加え、4信号、12信号、20信号、28信号、36信号、44信号、52信号お
よび60信号の16種類の信号である。そして、この16種類の信号が、図10に示す加
速時間データにしたがって入力される。たとえば、電気角で45°の位置(基準位置)か
ら図10に示す加速時間データにしたがってロータ41が加速される場合、W1−2相励
磁方式では、まず、4信号が入力され、4信号が入力されてから8信号が入力されるまで
の時間は、時間t1である。また、8信号が入力されてから12信号が入力されるまでの
時間は、時間t2である。以下同様であり、W1−2相励磁方式では、図11に示すよう
に、時間t1から時間t16までの総和時間でロータ41が電気角で360°回転する。
さらにまた、2W1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電流C1
、C2の電気角に対応するデジタル信号として入力されるのは、W1−2相励磁方式で入
力される信号に加え、2信号、6信号、10信号、14信号、18信号、22信号、26
信号、30信号、34信号、38信号、42信号、46信号、50信号、54信号、58
信号および62信号の32種類の信号である。そして、32種類の信号が、図10に示す
加速時間データにしたがって入力される。たとえば、電気角で45°の位置(基準位置)
から図10に示す加速時間データにしたがってロータ41が加速される場合、2W1−2
相励磁方式では、まず、2信号が入力され、2信号が入力されてから4信号が入力される
までの時間は、時間t1である。また、4信号が入力されてから6信号が入力されるまで
の時間は、時間t2である。以下同様であり、2W1−2相励磁方式では、図11に示す
ように、時間t1から時間t32までの総和時間で、ロータ41が電気角で360°回転
する。すなわち、時間t1から時間t16までの総和時間では、ロータ41が電気角で1
80°回転する。
このように、たとえば、図10の加速時間データに基づく加速時のPFモータ5におい
て、2相励磁方式で回転駆動されるときの最初の電気角で360°分の加速時間を1とす
ると、1−2相励磁方式で回転駆動されるときの加速時間は約1.6、W1−2相励磁方
式で回転駆動されるときの加速時間は約2.4、2W1−2相励磁方式で回転駆動される
ときの加速時間は約3.6となる。すなわち、図10の加速時間データに基づく加速時の
PFモータ5において、2相励磁方式で回転駆動されるときの平均加速度が最も大きくな
り、2W1−2相励磁方式で回転駆動されるときの平均加速度が最も小さくなる。
なお、図10で示す加速時間データに基づく加速が行われた後、ロータ41を所定の一
定回転速度で回転させる等速制御においては、2相励磁方式では、0信号、16信号、3
2信号および48信号の4種類の信号が順次、一定時間間隔tcで入力され、1−2相励
磁方式では、0信号、8信号、16信号、24信号、32信号、40信号、48信号およ
び56信号の8種類の信号が順次、一定時間間隔tcで入力される。また、等速制御にお
いては、W1−2相励磁方式では、上述の16種類の信号が順次、一定時間間隔tcで入
力され、2W1−2相励磁方式では、上述の32種類の信号が順次、一定時間間隔tcで
入力される。すなわち、等速制御時においては、2相励磁方式で回転駆動されるときの回
転速度を1とすると、1−2相励磁方式で回転駆動されるときの回転速度は2分の1、W
1−2相励磁方式で回転駆動されるときの回転速度は4分の1、2W1−2相励磁方式で
回転駆動されるときの回転速度は8分の1となる。
(PFモータの起動制御)
図12は、図4に示すROM53に記憶されたPFモータ5の位置合せ動作テーブルを
示す表である。図13は、図4に示すROM53に記憶されたPFモータ5の予備加速テ
ーブルを示す表である。図14は、図3に示すPFモータ5の位置合せ制御と速度制御と
の関係を説明するための図であり、(A)は本発明の実施の形態にかかる位置合せ制御と
加速制御との関係を示し、(B)は予備加速制御がない場合の位置合せ制御と加速制御と
の関係を示す。
上述のように、本形態の加速制御では、2相励磁方式、1−2相励磁方式、W1−2相
励磁方式および2W1−2相励磁方式のいずれの励磁方式においても共通の加速テーブル
(すなわち、加速時間データ)が使用される。そのため、本形態では、上述のように、励
磁方式ごとにロータ41の平均加速度が異なる。すなわち、ステップ角の大きな2相励磁
方式では、ロータ41の平均加速度が大きくなり、ステップ角の小さな2W1−2相励磁
方式では、ロータ41の平均加速度が小さくなる。したがって、PFモータ5の起動直後
から共通の加速時間データに基づいてロータ41を加速させる場合、たとえば、2W1−
2相励磁方式においてロータ41を起動直後から適切に加速させるように、2W1−2相
励磁方式での小さなステップ角(理論上、電気角で11.25°)に合わせて起動から何
ステップ分かの加速時間データを設定すると、2相励磁方式においてロータ41を加速さ
せるときには、その加速時間データに基づいて大きなステップ角(理論上、電気角で90
°)でロータ41が回転するため、ロータ41が急加速する。一方、2相励磁方式におい
てロータ41を起動直後から適切に加速させるように、2相励磁方式での大きなステップ
角に合わせて起動から何ステップ分かの加速時間データを設定すると、2W1−2相励磁
方式においてロータ41を加速させるときには、その加速時間データに基づいて小さなス
テップ角でロータ41が回転するため、加速時にロータ41が非常に微速で回転し、ロー
タ41を加速させるために必要な時間が長くなる。
そこで、本形態では、この問題の発生を防止するため、4つの励磁方式ごとに設定され
た起動動作データに基づいてロータ41を起動させる起動制御が加速制御の前に行われて
いる。具体的には、ロータ41の位置合せを行う位置合せ制御と、位置合せ制御後にロー
タ41を予備加速させる予備加速制御とからなる起動制御が行われている。また、本形態
では、後述の位置合せ動作データと予備加速データとが起動動作データとなっている。以
下では、まず、位置合せ制御について説明する。
一般に、2相のステッピングモータでは、その特性上、2相励磁方式で回転駆動させる
ときのロータの停止位置から起動を行う場合に、最も安定した加速が可能になる。すなわ
ち、本形態では、上述した第1停止位置71(図7参照)からPFモータ5を起動させる
場合に、ロータ41の加速が最も安定する。一方、上述のように、本形態では、2相励磁
方式、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式および2W1−2相励磁方式の4つの励磁
方式で、PFモータ5の回転駆動が可能となっているため、ロータ41の停止位置は、必
ずしも第1停止位置71にはならない。たとえば、2W1−2相励磁方式でPFモータ5
を回転駆動させると、ロータ41の停止位置は、第1停止位置71から第4停止位置74
のいずれかになる。したがって、ロータ41の停止位置が、第2停止位置72から第4停
止位置74のいずれかになるとロータ41の加速が安定しない。
また、ステッピングモータの特性上、第1停止位置71から第4停止位置74のそれぞ
れで起動時のトルクが相違する。そのため、ある励磁方式でPFモータ5を起動させる場
合、どの停止位置にロータ41が停止しているときであっても、一定のステップ数で所定
の回転速度までロータ41を加速させるためには、各停止位置によって、加速時の電流C
1と電流C2との総和値を変える必要がある。また、ある励磁方式でPFモータ5を起動
させる場合、どの停止位置にロータ41が停止しているときであっても、一定の電流C1
と電流C2との総和値で所定の回転速度まで加速させるためには、各停止位置によって、
加速完了までのステップ数を変える必要がある。そのため、起動時の制御が複雑になる。
そこで、本形態では、起動制御において、ロータ41を第1停止位置71まで回転させ
て、ロータ41の回転位置を合わせる位置合せ制御が行われる。本形態では、図12に示
す位置合せ動作テーブルがROM53に記憶されており、この位置合せ動作テーブルの位
置合せ動作時間データ(以下、位置合せ動作データとする。)に基づいて位置合せ制御が
行われる。
上述のように、本形態では、2相励磁方式、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式お
よび2W1−2相励磁方式の4つの励磁方式で、PFモータ5の回転駆動が可能となって
いる。停止前の励磁方式がいずれの励磁方式であったとしても、ロータ41を第1停止位
置71まで移動させて位置合せできるように、位置合せ制御では、4つの励磁方式の中で
の最小のステップ角である2W1−2相励磁方式でのステップ角で位置合せが行われる。
すなわち、位置合せ制御では、理論上、電気角で11.25°のステップ角でロータ41
を回転させる。
また、図12に示すように、位置合せ動作テーブル上では、2W1−2相励磁方式での
8ステップ分の位置合せ動作データが設定されている。これは、2W1−2相励磁方式で
のステップ角は理論上、電気角で11.25°であるため、ロータ41の停止位置が第1
停止位置71から第4停止位置74のいずれであっても、最大8ステップで第1停止位置
71にロータ41を位置合せできるからである。ここで、停止前の励磁方式が2相励磁方
式である場合には、ロータ41は、第1停止位置71にのみ停止し、停止前の励磁方式が
2相励磁方式以外の方式であっても、ロータ41が、第1停止位置71に停止する場合は
ある。そのため、第1停止位置71に停止した場合には、位置合せ制御を行う必要がなく
、位置合せ動作テーブル上の位置合せ動作データを7ステップ分とすることも可能である
。しかしながら、本形態では、第1停止位置71に停止した場合であっても、位置合せ制
御が行われている。このようにすることで、停止位置が第1停止位置71であるか否かに
よって場合分けをして、位置合せ制御を行うか否かを判断する必要がなくなり、制御処理
が簡素化される。
さらに、上述した起動直後のロータ41の加速時の問題を解消するため、図12に示す
ように、位置合せ動作テーブルでは、PFモータ5の回転駆動に用いられる励磁方式ごと
に位置合せ動作データが設定されている。本形態では、同じ励磁方式であれば、何ステッ
プ目であるかに関係なく、位置合せ動作データは一定である。すなわち、位置合せ制御で
は、ロータ41を等速回転させるための信号が制御ロジック回路63に入力される。
位置合せ制御は、ロータ41の位置を第1停止位置71に合せた時点で終了する。その
ため、位置合せ制御では、ロータ41の停止位置によってステップ数が1から8まで変わ
る。たとえば、ロータ41の回転方向で、第1停止位置71の直前の第4停止位置74で
ロータ41が停止している場合には、位置合せ制御でのステップ数は1であり、第1停止
位置71にロータ41が停止している場合には、位置合せ制御でのステップ数は8である
なお、上述のように、位置合せ制御では、2W1−2相励磁方式でのステップ角で位置
合せが行われる。そのため、たとえば、基準位置となる電気角で45°の位置にロータ4
1が停止している場合には、位置合せ動作データに基づいて(具体的には、位置合せ動作
テーブルで設定された時間の間隔で)、2信号、4信号、6信号・・・が順次、制御ロジ
ック回路63に入力される。また、ロータ41の停止位置はたとえば、CPU52での演
算結果に基づいて、不揮発性メモリ55に記憶されており、この記憶されたデータに基づ
いて、必要なステップ数分の信号が制御ロジック回路63に入力されて、位置合せ制御が
行われる。
上述のように、位置合せ制御では、ロータ41の停止位置によってステップ数が1から
8まで変わる。そのため、位置合せ制御でのステップ数が少ない場合(たとえば、ステッ
プ数が1や2の場合)には、位置合せ動作データに基づいて、制御ロジック回路63に信
号が入力されても、ロータ41の回転速度が入力される信号に追従しないことがある。た
とえば、図14(B)に示すように、ステップ数が少ない場合には、位置合せ動作データ
に基づくロータ41の回転速度と実際のロータ41の回転速度とに速度差Gが生じること
がある。したがって、位置合せ制御から直ちに、図10に示す加速テーブルに基づく加速
制御へ制御が切り替えられると、ロータ41の回転速度が、速度差Gの分だけ大きく変動
する。
そこで、本形態の起動制御では、ロータ41の回転速度の大きな変動を抑制するため、
図14(A)に示すように、加速制御の前にまず、ロータ41を予備加速させる予備加速
制御が行われる。本形態では、図13に示す予備加速テーブルがROM53に記憶されて
おり、この予備加速テーブルの予備加速時間データ(以下、予備加速データとする。)に
基づいて予備加速制御が行われる。以下、ロータ41を予備加速させるPFモータ5の予
備加速制御について説明する。
上述のように、2相のステッピングモータでは、その特性上、2相励磁方式で回転駆動
させたときのロータの停止位置から起動させる場合に、最も安定した加速が可能になる。
そのため、予備加速制御では、加速制御を安定させるように、位置合せ制御で位置合せさ
れた第1停止位置71から、ロータ41の回転方向で次の第1停止位置71に対応する位
置まで予備加速が行われる。すなわち、予備加速制御では、位置合せ制御で位置合せされ
た第1停止位置71から電気角で90°だけ予備加速が行われ、予備加速が完了した第1
停止位置71で、予備加速制御から加速制御へ切り替えられる。また、電気角で90°の
回転で、ロータ41の予備加速が円滑に行われるように、予備加速制御では位置合せ制御
と同様に、2W1−2相励磁方式でロータ41を回転駆動させる。以上から、図13に示
すように、予備加速テーブル上では、2W1−2相励磁方式での8ステップ分の予備加速
データが設定されている。
また、上述した起動直後のロータ41の加速時の問題を解消して、予備加速制御から加
速制御への円滑な切替を可能にするとともに、位置合せ制御から予備加速制御への円滑な
切替を可能にするため、本形態の予備加速テーブルでは、図13に示すように、PFモー
タ5の回転駆動に用いられる励磁方式ごとに予備加速データが設定されている。
予備加速制御では、位置合せ制御と同様に、2W1−2相励磁方式でのステップ角で予
備加速が行われる。そのため、基準位置となる電気角で45°の位置に対応する第1停止
位置71にロータ41が位置合せされた場合には、予備加速データに基づいて(具体的に
は、予備加速テーブルで設定された時間の間隔で)、2信号、4信号、・・・16信号の
8個の信号が順次、制御ロジック回路63に入力される。
また、たとえば、図13に示す予備加速テーブルの8ステップ目の予備加速データにし
たがって、制御ロジック回路63に、ロータ41を回転駆動させるための信号(すなわち
、電流C1と電流C2との総和値に対応する信号と、電流C1の比率および電流C2の比
率に対応する信号)が入力された後は、図10に示す加速テーブルのNo.1の加速時間
データにしたがって、制御ロジック回路63に、ロータ41を回転駆動させるための信号
が入力される。すなわち、位置合せ制御で位置合せされた第1停止位置71から、ロータ
41の回転方向で次の第1停止位置71に対応する位置にロータ41がきた時点で、予備
加速制御から加速制御への切替が行われる。
(PFモータの減速制御)
図15は、図4に示すROM53に記憶されたPFモータ5の減速テーブルを示す表で
ある。
本形態では、ROM53には、図15に示すPFモータ5の減速テーブルが設定されて
いる。加速時と同様に、PFモータ5の減速時には、この減速テーブルに設定された減速
時間データにしたがって、電流C1と電流C2との総和値に対応するデジタル信号と、電
流C1、C2の比率に対応するデジタル信号とが、ASIC56から出力される。また、
加速制御と同様に、本形態では、2相励磁方式、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式
および2W1−2相励磁方式のいずれの励磁方式においても同じ減速テーブルが使用され
る。
たとえば、2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、基準位置となる電気
角で45°の位置(すなわち、ステップ0での位置)から図15に示す減速時間データに
したがってロータ41が減速されるときには、まず、16信号が入力され、16信号が入
力されてから32信号が入力されるまでの時間が、図15に示すNo.32の時間、すな
わち、316μsである。また、32信号が入力されてから48信号が入力されるまでの
時間が、図15に示すNo.31の時間、すなわち、323μsである。
また、たとえば、1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電気角で
45°の位置(基準位置)から図15に示す減速時間データにしたがってロータ41が減
速されるときには、まず、8信号が入力され、8信号が入力されてから16信号が入力さ
れるまでの時間が、図15に示すNo.32の時間である。また、16信号が入力されて
から24信号が入力されるまでの時間は、図15に示すNo.31の時間である。
さらに、W1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電気角で45°
の位置(基準位置)から図15に示す減速時間データにしたがってロータ41が減速され
るときには、まず、4信号が入力され、4信号が入力されてから8信号が入力されるまで
の時間が、図15に示すNo.32の時間である。また、8信号が入力されてから12信
号が入力されるまでの時間は、図15に示すNo.31の時間である。
さらにまた、2W1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される場合、電気角で
45°の位置(基準位置)から図15に示す減速時間データにしたがってロータ41が減
速されるときには、まず、2信号が入力され、2信号が入力されてから4信号が入力され
るまでの時間が、図15に示すNo.32の時間である。また、4信号が入力されてから
6信号が入力されるまでの時間は、図15に示すNo.31の時間である。
このように、たとえば、図15の減速時間データに基づく減速時のPFモータ5におい
て、2相励磁方式で回転駆動されるときの最後の電気角で360°分の減速時間を1とす
ると、1−2相励磁方式で回転駆動されるときの加速時間は約1.6、W1−2相励磁方
式で回転駆動されるときの加速時間は約2.3、2W1−2相励磁方式で回転駆動される
ときの加速時間は約3.3となる。すなわち、図15の減速時間データに基づく減速時の
PFモータ5において、2相励磁方式で回転駆動されるときの平均減速度が最も大きくな
り、2W1−2相励磁方式で回転駆動されるときの平均減速度が最も小さくなる。
なお、本形態では、加速制御、等速制御および減速制御が、所定のステップ角でロータ
41を回転させる駆動制御となっている。
(PFモータの停止制御)
図16は、図4に示すROM53に記憶されたPFモータ5の停止動作テーブルを示す
表である。図17は、本発明の実施の形態にかかるPFモータ5の停止制御を行ったとき
の効果を説明するための図であり、(A)は、図9に示すステップごとの停止誤差および
A相駆動コイル48、B相駆動コイル49の電流比率を示すグラフであり、(B)は、図
9に示すステップごとの停止角度をロータ41の機械角で示すグラフである。なお、図1
7(A)、(B)の横軸に示すステップ数は、4W1−2相励磁方式で、PFモータ5を
回転駆動させる場合のステップ数であり、図9の電流比率算出テーブルに記載されたステ
ップ数に対応する。すなわち、電気角で45°の基準位置に対応するステップがステップ
0である。また、上述のように、本形態のPFモータ5は、24個のA相磁極46と24
個のB相磁極47との合計48個の磁極を備えているため、ロータ41が電気角で360
°回転すると、ロータ41は機械角で30°回転する。さらに、図17(A)に示す停止
誤差は、2相励磁方式でのステップ角(具体的には電気角で90°)に対する誤差であり
、たとえば、停止誤差が10%であれば、停止角度のずれは電気角で9°(機械角で0.
75°)になる。また、図17(A)に示す停止誤差がマイナスのときには、ロータ41
の回転方向で、目標停止位置よりも手前にロータ41が停止し、図17(A)に示す停止
誤差がプラスのときには、ロータ41の回転方向で、目標停止位置よりも先にロータ41
が停止している。
以下、本形態にかかるPFモータ5の停止制御について説明する。
上述のように、本形態では、減速時の励磁方式が、2相励磁方式、1−2相励磁方式、
W1−2相励磁方式および2W1−2相励磁方式のいずれであっても共通の減速テーブル
(すなわち、減速時間データ)が使用されている。ここで、4つの励磁方式に共通の減速
テーブルをそのまま利用して、PFモータ5を停止させる場合、以下の問題が生じる。
すなわち、上述のように、減速制御では、励磁方式ごとにロータ41の平均減速度が異
なるため、たとえば、減速時の励磁方式が2W1−2相励磁方式であるときにロータ41
が適切に停止するように、停止前の何ステップ分かの減速時間データを設定すると、減速
時の励磁方式が2相励磁方式である場合には、PFモータ5が急停止するような停止制御
となってしまう。その結果、ロータ41の停止精度が低下する。一方、減速時の励磁方式
が2相励磁方式であるときにロータ41が適切に停止するように、停止前の何ステップ分
かの減速時間データを設定すると、減速時の励磁方式が2W1−2相励磁方式である場合
には、停止前にロータ41が非常に微速で回転し、ロータ41を停止させるための制御時
間が長くなってしまう。そのため、印刷用紙Pの搬送に時間がかかり、その結果、印刷用
紙Pの印刷時間がかかってしまう。
そこで、本形態では、この問題を解消するために、PFモータ5の停止時には、図16
に示す停止動作テーブルに基づいて停止制御が行われる。すなわち、本形態では、図16
に示す停止動作テーブルがROM53に記憶されており、この停止動作テーブルの停止動
作時間データ(以下、停止データとする。)に基づいて停止制御が行われる。
停止制御では、第1停止位置71から第4停止位置74のいずれにもロータ41が停止
できるように、また、制御処理の簡素化を図るため、いずれの励磁方式でPFモータ5が
回転駆動される場合であっても、起動制御と同様に、2W1−2相励磁方式のステップ角
でロータ41が回転する。すなわち、停止制御では、理論上、電気角で11.25°のス
テップ角でロータ41が回転する。また、上述の問題を解消して、ロータ41が適切に停
止するように、停止動作テーブルでは、各励磁方式ごとに停止データが設定されている。
本形態では、たとえば、図15に示す減速テーブルのNo.1の減速データにしたがっ
て、制御ロジック回路63にロータ41を回転駆動させるための信号(電流C1と電流C
2との総和値に対応する信号と、電流C1の比率および電流C2の比率に対応する信号)
が入力された後は、図16に示す停止動作テーブルの16ステップ目の停止データにした
がって、制御ロジック回路63にロータ41を回転駆動させるための信号が入力される。
すなわち、図15に示す減速テーブルのNo.1の減速データにしたがって、制御ロジッ
ク回路63に信号が入力された後に、減速制御から停止制御への切替が行われる。
また、本形態では、減速テーブルのNo.1の減速データにしたがって制御ロジック回
路63に入力される信号は、0信号、16信号、32信号あるいは48信号のいずれかで
ある。すなわち、第1停止位置71に対応する位置にロータ41がきた時点で、減速制御
から停止制御への切替が行われる。
そして、停止制御へ切り替えられるとまず、次の第1停止位置71に対応する位置まで
ロータ41を回転させながら減速させる第1停止制御が行われる。上述のように、停止制
御では、2W1−2相励磁方式のステップ角でロータ41が回転するため、図16に示す
ように、第1停止制御では、16ステップ目から9ステップ目までの8ステップ分、ロー
タ41を回転させながら減速させる。
第1停止制御で、第1停止位置71に対応する位置までロータ41を回転させた後は、
一定速度でロータ41を回転させ、最終的に停止させる第2停止制御が行われる。第2停
止制御では、ロータ41を目標停止位置に停止させるために必要なステップ数だけ制御ロ
ジック回路63に信号が入力される。
すなわち、駆動制御での励磁方式が2相励磁方式の場合には、ロータ41は、理論上、
第1停止位置71に停止する。そのため、この場合、第2停止制御では、図16の8ステ
ップ目から1ステップ目までの停止データにしたがって8ステップ分の信号が制御ロジッ
ク回路63に入力される。また、駆動制御での励磁方式が1−2相励磁方式の場合には、
ロータ41は、理論上、第1停止位置71または第2停止位置72に停止する。そのため
、この場合、第2停止制御では、図16の8ステップ目から1ステップ目までの停止デー
タ、あるいは、8ステップ目から5ステップ目までの停止データにしたがって8ステップ
分あるいは4ステップ分の信号が制御ロジック回路63に入力される。さらに、駆動制御
での励磁方式がW1−2相励磁方式の場合には、ロータ41は、理論上、第1停止位置7
1から第3停止位置73のいずれかに停止する。そのため、この場合、第2停止制御では
、2ステップ分、4ステップ分、6ステップ分あるいは8ステップ分のいずれかの信号が
制御ロジック回路63に入力される。さらにまた、駆動制御での励磁方式が2W1−2相
励磁方式の場合には、ロータ41は、理論上、第1停止位置71から第4停止位置74の
いずれかに停止する。そのため、この場合、第2停止制御では、1ステップ分から8ステ
ップ分のいずれかの信号が制御ロジック回路63に入力される。
ここで、以上のような停止制御を行ったとき、第1停止位置71を目標停止位置として
ロータ41を停止させる場合を除き、ロータ41の停止精度が大きく低下することが本願
発明者の検討によってわかった。
まず、本願発明者の検討によると、本形態のPFモータ駆動回路58を用いてPFモー
タ5を駆動させた場合、図18に示すように、電気角によっては、理論上のロータ41の
回転位置θ1と、A相駆動コイル48に供給される実際の電流C1と、B相駆動コイル4
9に供給される実際の電流C2とから特定される実際のロータ41の回転位置θ2とが異
なる箇所があることがわかった。
その結果、図17(A)の二点鎖線で示すように、PFモータ駆動回路58の特性上、
第1停止位置71(ステップ0、16、32、48に対応する位置)および、第2停止位
置72(ステップ8、24、40、56に対応する位置)でロータ41を停止させる場合
を除き、目標停止位置に対する停止誤差が生じることがわかった。すなわち、第1停止位
置71および第2停止位置72でロータ41を停止させる場合を除き、図17(B)の二
点鎖線で示すように、目標停止角度に対する角度誤差が生じることがわかった。
なお、上述のように、本形態では、合成ベクトルVによって図8(B)の二点鎖線で示
す12角形状が形成されるように、A相駆動コイル48およびB相駆動コイル49に電流
が供給されているため、図14(A)に示すように、電流C1および電流C2は、角張っ
た正弦波状に変化する。
また、モータ駆動回路58の特性に加え、PFモータ5のディテントトルク、印刷用紙
Pの搬送負荷、大ギア35、37と小ギア36との間での負荷等の機械的な負荷の影響で
、図17(A)の破線で示すように、第1停止位置71を目標停止位置としてロータ41
を停止させる場合を除き、目標停止位置に対して、実際の停止位置が大きくばらつくこと
がわかった。すなわち、第1停止位置71を目標停止位置としてロータ41を停止させる
場合を除き、図17(B)の破線で示すように、目標停止角度に対する実際の停止角度が
大きくずれることがわかった。なお、図17(A)、(B)では、実験的に、駆動制御で
の励磁方式を4W1−2相励磁方式としたときの停止誤差および停止角度の測定結果を破
線で結んでいる。また、図17(A)に示す白抜きの四角印は、駆動制御での励磁方式が
W1−2相励磁方式のときの停止誤差を示している。
具体的には、ステップ1からステップ8まで、ステップ17からステップ24まで、ス
テップ33からステップ40までおよび、ステップ49からステップ56までに対応する
位置を目標停止位置としてロータ41を停止させる場合、実際には、ロータ41の回転方
向において、目標停止位置よりも手前にロータ41が停止することがわかった。すなわち
、この場合には、ロータ41が目標停止位置に到達しないことがわかった。また、ステッ
プ9からステップ15まで、ステップ25からステップ31まで、ステップ41からステ
ップ49までおよび、ステップ57からステップ63までに対応する位置を目標停止位置
としてロータ41を停止させる場合、実際には、ロータ41の回転方向において、目標停
止位置よりも先にロータ41が停止することがわかった。すなわち、この場合には、ロー
タ41が目標停止位置を通り越してしまうことがわかった。
そこで、本形態の停止制御では、駆動制御での励磁方式が、PFモータ5の回転駆動に
用いられる励磁方式となる2相励磁方式、1−2相励磁方式およびW1−2相励磁方式で
ある場合には、ロータ41の回転方向において、2W1−2相励磁方式のステップ角(す
なわち、理論上、電気角で11.25°)だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止
させる制御指令である停止指令をPFモータ駆動回路58に与えている。すなわち、本形
態の停止制御では、CPU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55およびA
SIC56等から構成される指令手段がPFモータ駆動回路58へ、2W1−2相励磁方
式のステップ角だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令を与えてい
る。具体的には、第2停止制御の後に、2W1−2相励磁方式での1ステップ分、ロータ
41を回転駆動させるための信号が制御ロジック回路63に入力される。なお、第2停止
制御の後には、2W1−2相励磁方式での1ステップ分の、電流C1と電流C2との総和
値に対応するデジタル信号と、電流C1、C2の比率に対応するデジタル信号とが制御ロ
ジック回路63に入力されるが、以下では説明の簡略化のため、電流C1、C2の比率に
対応するデジタル信号のみが制御ロジック回路63に入力されるものとする。
すなわち、駆動制御での励磁方式が2相励磁方式の場合には、たとえば、図16に示す
1ステップ目の停止データにしたがって、目標停止位置となる第1停止位置71にロータ
41を停止させる16信号が制御ロジック回路63に入力された後に、さらに、2W1−
2相励磁方式での1ステップ分の信号(すなわち、18信号)が制御ロジック回路63に
入力される。
また、駆動制御での励磁方式が1−2相励磁方式の場合には、たとえば、図16に示す
5ステップ目の停止データにしたがって、目標停止位置となる第2停止位置72にロータ
41を停止させる8信号が制御ロジック回路63に入力された後に、さらに、2W1−2
相励磁方式での1ステップ分の信号(すなわち、10信号)が制御ロジック回路63に入
力される。あるいは、図16に示す1ステップ目の停止データにしたがって、目標停止位
置となる第1停止位置71にロータ41を停止させる16信号が制御ロジック回路63に
入力された後に、さらに、2W1−2相励磁方式での1ステップ分の信号(すなわち、1
8信号)が制御ロジック回路63に入力される。
さらに、駆動制御での励磁方式がW1−2相励磁方式の場合に、たとえば、図16に示
す7ステップ目(または3ステップ目)の停止データにしたがって、目標停止位置となる
第3停止位置73にロータ41を停止させる4信号(または12信号)が制御ロジック回
路63に入力された後に、さらに、2W1−2相励磁方式での1ステップ分の信号(すな
わち、6信号(または14信号))が制御ロジック回路63に入力される。あるいは、た
とえば、図16に示す5ステップ目の停止データにしたがって、目標停止位置となる第2
停止位置72にロータ41を停止させる8信号が制御ロジック回路63に入力された後に
、さらに、2W1−2相励磁方式での1ステップ分の信号(すなわち、10信号)が制御
ロジック回路63に入力される。または、図16に示す1ステップ目の停止データにした
がって、目標停止位置となる第1停止位置71にロータ41を停止させる16信号が制御
ロジック回路63に入力された後に、さらに、2W1−2相励磁方式での1ステップ分の
信号(すなわち、18信号)が制御ロジック回路63に入力される。
以上の本形態の停止制御を用いて、駆動制御での励磁方式をW1−2相励磁方式とした
ときのロータ41の実際の停止位置を確認した。その結果、図17(A)および(B)の
丸印で示すように、ステップ4、ステップ20、ステップ36およびステップ52に対応
する第3停止位置73を除く第2停止位置72または第3停止位置73を目標停止位置と
した場合、目標停止位置に対する停止誤差(目標停止角度に対する実際の停止角度のずれ
)は、2W1−2相励磁方式でのステップ角だけ目標停止位置よりも先にロータを停止さ
せる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えない停止制御を行った場合とほぼ同じであ
った。すなわち、ステップ8、ステップ12、ステップ24、ステップ28、ステップ4
0、ステップ44、ステップ56、ステップ60に対応する第2停止位置72あるいは第
3停止位置73を目標停止位置とした場合には、実際の停止角度はほとんど変動しなかっ
た。
一方、本形態の停止制御を用いると、図17(A)および(B)の丸印で示すように、
ステップ4、ステップ20、ステップ36およびステップ52に対応する第3停止位置7
3を目標停止位置とした場合、目標停止位置に対する停止誤差が大幅に小さくなった。す
なわち、この場合には、目標停止角度に対する実際の停止角度のずれが大幅に小さくなっ
た。具体的には、本形態の停止制御を用いると、ステップ4、ステップ20、ステップ3
6およびステップ52に対応する第3停止位置73を目標停止位置とした場合の停止誤差
は、約18%から約12%まで低減された。すなわち、本形態の停止制御を用いると、ス
テップ4、ステップ20、ステップ36およびステップ52に対応する第3停止位置73
を目標停止位置とした場合の停止誤差は約3分の2まで低減された。より具体的には、ス
テップ4、ステップ20、ステップ36およびステップ52に対応する第3停止位置73
を目標停止位置とした場合、目標停止位置よりも機械角で約1.35°手前に停止してい
たロータ41が、本形態の停止制御を行うことで、目標停止位置の機械角で約0.9°手
前に停止するようになり、ロータ41の停止位置が目標停止位置に機械角で約0.45°
も近づいた。
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態では、加速制御、等速制御および減速制御からなる駆動制
御において、理論上、ロータ41を電気角で45°のステップ角で回転駆動させる1−2
相励磁方式および理論上、ロータ41を電気角で22.5°のステップ角で回転駆動させ
るW1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動される。また、理論上、ロータ41を
電気角で11.25°のステップ角で回転駆動させる2W1−2相励磁方式でPFモータ
5が回転駆動可能となっている。さらに、位置合せ動作テーブル、予備加速テーブルおよ
び停止動作テーブルに駆動方式が4W1−2相励磁方式であるときのデータを設定する等
の所定の設定を行うことで、理論上、ロータ41を電気角で5.625°のステップ角で
回転駆動させる4W1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動可能となる。すなわち
、PFモータ駆動回路58によって、1−2相励磁方式およびW1−2相励磁方式でPF
モータ5が回転駆動される。また、PFモータ駆動回路58によって、2W1−2相励磁
方式でPFモータ5が回転駆動可能となっており、さらに、所定の設定を行うことで、4
W1−2相励磁方式で、PFモータ5が回転駆動可能となる。そのため、PFモータ5自
体あるいはプリンタ1の機械的な構成を変更することなく、PFモータ5の高分解能での
回転駆動が可能となる。
たとえば、本形態では、24個のA相磁極46と24個のB相磁極47との合計48個
の磁極を備えているため、PFモータ5の分解能は、1−2相励磁方式で回転駆動される
場合、機械角で11.25°、W1−2相励磁方式で回転駆動される場合、機械角で5.
625°、2W1−2相励磁方式で回転駆動される場合、機械角で2.8125°、4W
1−2相励磁方式で回転駆動される場合、機械角で1.09125°となる。また、上述
のように、PF駆動ロータ6および排紙駆動ローラ15の周長が1インチ、大ギア35、
37と小ギア36とのギア比が1:7.5であるため、プリンタ1の分解能は、1−2相
励磁方式で回転駆動される場合には720dpi、W1−2相励磁方式で回転駆動される
場合には1440dpi、2W1−2相励磁方式で回転駆動される場合には2880dp
i、4W1−2相励磁方式で回転駆動される場合には5760dpiとなる。
また、本形態では、駆動制御での励磁方式が、PFモータ5の回転駆動に用いられる励
磁方式となる2相励磁方式、1−2相励磁方式およびW1−2相励磁方式である場合には
、停止制御において、2W1−2相励磁方式のステップ角(すなわち、理論上、電気角で
11.25°)だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモー
タ駆動回路58に与えている。すなわち、本形態では、CPU52やASIC56等から
構成される指令手段がPFモータ駆動回路58へ、2W1−2相励磁方式のステップ角だ
け目標停止位置よりも先にロータを停止させる停止指令を与えている。そのため、たとえ
ばW1−2相励磁方式で回転駆動させることで、PFモータ5の高分解能化を図った場合
であっても、上述のように、ロータ41の停止誤差を低減することができる。すなわち、
本形態では、高分解能化を図った場合であってもPFモータ5の停止精度の低下を抑制で
きる。その結果、プリンタ1では、ステッピングモータをPFモータ5として用いる比較
的安価な構成で、高解像度での印刷が可能になる。
さらに、本形態の駆動制御では、2相励磁方式でPFモータ5を駆動させることもでき
るため、1−2相励磁方式あるいはW1−2相励磁方式でPFモータ5を駆動させる場合
と比較して、PFモータ5を高速で回転させることも可能である。その結果、本形態のプ
リンタ1では、印刷前の給紙時や印刷後の排紙時には、2相励磁方式によってPFモータ
5を駆動させて、印刷用紙Pを高速で搬送できるため、印刷速度の低下を抑制できる。ま
た、あまり解像度が要求されない場合にも、2相励磁方式によってPFモータ5を駆動さ
せて、印刷用紙Pを高速で搬送できるため、印刷速度の低下を抑制できる。
本形態の停止制御では、安定位置である第1停止位置71でロータ41を停止させると
きおよび、不安定位置である第2停止位置72および第3停止位置73でロータ41を停
止させるときのいずれにおいても、2W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止位置
よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えている。そ
のため、ロータ41を安定位置で停止させる場合と不安定位置で停止させる場合との場合
分けを、停止制御で行う必要がなくなり、制御上の処理が簡素化される。
[他の実施の形態]
上述した形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形実施が可能である。
上述した形態の停止制御では、安定位置である第1停止位置71を目標停止位置として
ロータ41を停止させる場合、および、不安定位置である第2停止位置72および第3停
止位置73を目標停止位置としてロータ41を停止させる場合のいずれにおいても、2W
1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止
指令をPFモータ駆動回路58に与えている。この他にもたとえば、第1停止位置71を
目標停止位置としてロータ41を停止させる場合には、図17に示すように、目標停止位
置に対する実際の停止位置のばらつきはほとんどないため、不安定位置を目標停止位置と
してロータ41を停止させる場合にのみ、2W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停
止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えて良
い。
また、上述した形態の停止制御では、2W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止
位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えている
。この他にもたとえば、停止制御において、4W1−2相励磁方式のステップ角(すなわ
ち、理論上、電気角で5.625°)だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させ
る停止指令をPFモータ駆動回路58に与えても良い。この場合には、駆動制御の励磁方
式が2W1−2相励磁方式であっても、上述した形態の停止制御を行うことができる。た
とえば、図16に示す8ステップ目の停止データにしたがって、目標停止位置となる第4
停止位置74にロータ41を停止させる2信号が制御ロジック回路63に入力された後に
、さらに、4W1−2相励磁方式での1ステップ分の信号(すなわち、3信号)が制御ロ
ジック回路63に入力される等の構成を用いて、駆動制御の励磁方式が2W1−2相励磁
方式であっても、上述した形態の停止制御を行うことが可能となる。
また、停止制御では、さらに細かいステップ角(たとえば、理論上、電気角で2.81
25°(=(360/2)°)や電気角で1.40625°(=(360/2)°)
)だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路5
8に与えても良い。この場合には、駆動制御の励磁方式が4W1−2相励磁方式であって
も、上述した形態の停止制御を行うことができる。さらに、駆動制御での励磁方式が1−
2相励磁方式のみの場合は、停止制御において、W1−2相励磁方式のステップ角(すな
わち、理論上、電気角で22.5°)だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させ
る停止指令をPFモータ駆動回路58に与えても良い。
すなわち、停止制御では、駆動制御でのステップ角よりも細かいステップ角の角度分、
目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与
えれば良い。換言すると、駆動制御でのステップ角が理論上、電気角で(360/2(n
2+2))°(n2は1以上の整数)であれば、停止制御では、理論上、電気角で(36
0/2(n2+n3))°(n3は3以上の整数)だけ目標停止位置よりも先にロータ4
1を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えれば良い。このように構成する
ことで、たとえば、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方式あるいは2W1−2相励磁方
式等の励磁方式でPFモータ5を駆動して、高分解能化を図った場合であっても、停止精
度の低下を抑制することが可能になる。
なお、停止制御の際にPFモータ駆動回路58に入力される停止指令は、ロータ41の
回転方向において、理論上、電気角で(360/2(n2+3))°だけ目標停止位置よ
りも先にロータ41を停止させる制御指令であることが好ましい。たとえば、駆動制御で
の励磁方式をW1−2相励磁方式とした場合(すなわち、駆動制御でのステップ角が、2
2.5°(=(360/2)°の場合)には、停止制御の際の停止指令は、理論上、電
気角で11.25°(=360/2)°)だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停
止させる制御指令であることが好ましい。この場合には、駆動制御時のステップ角の半分
の角度だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令を生成させる制御を
行えば良いため、制御上の処理が簡素化される。
さらに、上述した形態では、駆動制御での励磁方式が2相励磁方式の場合にも、2W1
−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停止指
令をPFモータ駆動回路58に与えている。この他にもたとえば、第1停止位置71を目
標停止位置としてロータ41を停止させる場合には、図17に示すように、目標停止位置
に対する実際の停止位置のばらつきはほとんどないため、駆動制御での励磁方式が2相励
磁方式であるときには、停止制御で、2W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止位
置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えなくても
良い。また、駆動制御での励磁方式が1−2相励磁方式であるときにも、停止制御で、2
W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる停
止指令をPFモータ駆動回路58に与えなくても良い。
さらにまた、上述した形態では、2相励磁方式、1−2相励磁方式、W1−2相励磁方
式および2W1−2相励磁方式のいずれの励磁方式であっても、加速制御において、共通
の加速テーブルが使用されている。この他にもたとえば、励磁方式ごとに別個の加速テー
ブルを設け、それぞれの加速テーブルに基づいて、加速制御を行っても良い。この場合に
は、予備加速テーブルを設けなくても良い。同様に、上述した形態では、いずれの励磁方
式であっても減速制御において、共通の減速テーブルが使用されているが、励磁方式ごと
に別個の減速テーブルを設け、それぞれの減速テーブルに基づいて、減速制御を行っても
良い。この場合には、停止動作テーブルを設けずに、減速テーブルに、停止動作用のデー
タを設定すれば良い。
また、上述した形態の停止制御では、2W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標停止
位置よりも先にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与えている
。この他にもたとえば、停止制御において、2W1−2相励磁方式のステップ角だけ目標
停止位置よりも手前にロータ41を停止させる停止指令をPFモータ駆動回路58に与え
ても良い。図17に示すように、ロータ41の回転方向において、目標停止位置よりも先
にロータ41が停止する場合もあるため、このように構成することで、ロータ41の停止
誤差を低減することが可能になる。
なお、本形態のプリンタ1のように、印刷用紙Pの搬送負荷や大ギア35、37と小ギ
ア36との間での負荷等の機械的な負荷の影響で、ロータ41の停止位置は、目標停止位
置より手前になりやすい。そのため、本形態のプリンタ1では、停止制御における停止指
令は、ロータ41の回転方向で目標停止位置よりも先にロータ41を停止させる制御指令
であることが好ましい。
さらに、上述した形態では、PFモータ5を例に、本発明の実施の形態を説明したが、
プリンタ1がPFモータ5以外にステッピングモータを備える場合には、PFモータ5以
外のステッピングモータにも本発明の構成を適用することができる。たとえば、CRモー
タ4としてステッピングモータが使用される場合には、CRモータ4に本発明の構成を適
用することができる。
さらにまた、上述した形態では、PFモータ5として2相のステッピングモータを例に
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の構成は、2相のステッピングモータ以外のス
テッピングモータ(たとえば、3相のステッピングモータや4相のステッピングモータ等
)にも適用可能である。
また、上述した形態では、インクジェットプリンタであるプリンタ1を例に本発明の実
施の形態を説明したが、本発明の構成は、レーザプリンタにも適用可能である。また、本
発明の構成は、プリンタ以外にも、FAXやドキュメントスキャナ等のステッピングモー
タを用いた搬送機構を備える装置に適用することができる。
実施の形態にかかるプリンタの概略構成を示す斜視図。 図1のプリンタの紙送りに関する部分の概略構成を示す概略側面図。 図2のPF駆動ローラの駆動部を拡大して示す拡大平面図。 図1のプリンタの制御部およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図。 図3のPFモータの要部の構成を模式的に示す模式図。 図4のPFモータ駆動回路の概略構成を示す回路図。 図3のPFモータを各励磁方式で駆動したときのステップ角および停止位置を説明するための図。 図6のA相駆動コイルおよびB相駆動コイルに供給される電流の理想波形を示す図。 図6の制御ロジック回路に記憶された電流比率算出テーブルを示す表。 図4のROMに記憶されたPFモータの加速テーブルを示す表。 図3のPFモータの加速制御を説明するための図。 図4のROMに記憶されたPFモータの位置合せ動作テーブルを示す表。 図4のROMに記憶されたPFモータの予備加速テーブルを示す表。 図3のPFモータの位置合せ制御と速度制御との関係を説明するための図。 図4のROMに記憶されたPFモータの減速テーブルを示す表。 図4のROMに記憶されたPFモータの停止動作テーブルを示す表。 実施の形態にかかるPFモータの停止制御を行ったときの効果を説明するための図。 本発明の課題を説明するための図。
符号の説明
1 プリンタ、5 PFモータ(ステッピングモータ、搬送用モータ)、41 ロータ
、43 A相磁極組(A相の磁極組)、44 B相磁極組(B相の磁極組)、48 A相
駆動コイル(駆動用コイル)、49 B相駆動コイル(駆動用コイル)、52 CPU(
指令手段の一部、制御装置の一部)、53 ROM(指令手段の一部、制御装置の一部)
、54 RAM(指令手段の一部、制御装置の一部)、55 不揮発性メモリ(指令手段
の一部、制御装置の一部)、56 ASIC(指令手段の一部、制御装置の一部)、58
PFモータ駆動回路(駆動回路、駆動手段、制御装置の一部)、71 第1停止位置(
安定位置)、72 第2停止位置(不安定位置)、73 第3停止位置(不安定位置)、
74 第4停止位置(不安定位置)、75 第5停止位置(不安定位置)、P 印刷用紙
(印刷対象物)。

Claims (5)

  1. コイルが巻かれているステータと、ロータと、を備える2相のステッピングモータを制御するステッピングモータ制御方法であって、
    上記コイルに所定の励磁方式で電流を供給し、上記所定の励磁方式に対応したステップ角でロータを回転駆動する駆動制御と、
    上記ロータを目標位置に停止させるための停止指令を上記コイルに与える停止制御と
    を行い、
    上記所定の励磁方式が2相励磁方式、又は、1−2相励磁方式、又は、W1−2相励磁方式、又は、2W1−2相励磁方式のうちいずれか1つの励磁方式である場合、上記停止指令は、上記ロータの回転方向で上記目標停止位置の所定の角度先あるいは手前に上記ロータを停止させる指令であり、
    上記所定の角度は、上記コイルに4W1−2相励磁方式で電流を供給した場合に対応するステップ角の角度である
    ことを特徴とするステッピングモータ制御方法。
  2. さらに、上記駆動制御の前に、上記コイルを2相励磁方式で励磁した場合の上記ロータの停止位置に上記ロータを停止させる位置合せ制御を行い、
    上記位置合せ制御は、上記コイルを2W1−2相励磁方式で励磁した場合のステップ角で上記ロータを回転させて行われる
    ことを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ制御方法。
  3. コイルが巻かれているステータと、ロータと、を備える2相のステッピングモータを制御するステッピングモータ制御装置であって、
    上記コイルに所定の励磁方式で電流を供給し、上記所定の励磁方式に対応したステップ角でロータを回転駆動する駆動制御手段と、
    上記ロータを目標位置に停止させるための停止指令を上記コイルに与える停止制御手段と、
    を備え、
    上記所定の励磁方式が2相励磁方式、又は、1−2相励磁方式、又は、W1−2相励磁方式、又は、2W1−2相励磁方式のうちいずれか1つの励磁方式である場合、上記停止指令は、上記ロータの回転方向で上記目標停止位置の所定の角度先あるいは手前に上記ロータを停止させる指令であり、
    上記所定の角度は、上記コイルに4W1−2相励磁方式で電流を供給した場合に対応するステップ角の角度である
    ことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
  4. さらに、上記駆動制御手段が、上記所定の励磁方式に対応したステップ角で上記ロータを駆動する前に、上記コイルを2相励磁方式で励磁した場合の上記ロータの停止位置に上記ロータを停止させる位置合せ制御を行う位置合せ制御手段を備え、
    上記位置合せ制御手段は、上記コイルを2W1−2相励磁方式で励磁した場合のステップ角で上記ロータを回転させて上記位置合せ制御を行う
    ことを特徴とする請求項3記載のステッピングモータ制御装置。
  5. 請求項3又は請求項4のいずれか1項に記載のステッピングモータ制御装置を備えるプリンタ。
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