JP4169350B2 - 炭素繊維複合材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維複合材料およびその製造方法に関する。
炭素繊維にエポキシ樹脂などを含浸硬化させた繊維複合材料の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、特にカーボンナノファイバーを用いた複合材料が注目されているが、カーボンナノファイバーは相互に強い凝集性を有するため、複合材料の基材にカーボンナノファイバーを均一に分散させることが非常に困難とされている。そのため、現状では、所望の特性を有するカーボンナノファイバーの複合材料を得ることが難しく、また、高価なカーボンナノファイバーを効率よく利用することができない。
さらに、近年の環境運動の高まりによってリサイクルできるゴム質材料である熱可塑性エラストマーが注目されている。しかしながら、従来の熱可塑性エラストマーは、天然ゴムや合成ゴムなどに比べ、リサイクル性が良好であるものの、架橋構造が物理架橋であるため、温度上昇による流動及び低温におけるクリープ変形が大きいという課題があった。
特開昭61−152434号公報
そこで、本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合材料およびその製造方法を提供することにある。
本発明にかかる炭素繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマーに分散されたカーボンナノファイバーと、を含み、
前記エラストマーは、前記カーボンナノファイバーに対して親和性を有するエポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーであり、
前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、前記エポキシ基の含有量が0.001〜30重量%である。
本発明の炭素繊維複合材料においては、エラストマーのエポキシ基が、カーボンナノファイバーの活性な部分、特にカーボンナノファイバーの末端のラジカルと結合することにより、カーボンナノファイバーの凝集力を弱め、その分散性を高めることができる。その結果、本発明の炭素繊維複合材料は、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されたものとなる。
また、本発明の炭素繊維複合材料においては、カーボンナノファイバーを均一分散させて含有することにより、高温における流動がなく、低温における耐クリープ性が向上する。したがって、本発明の炭素繊維複合材料は、従来の天然ゴムや合成ゴムなどと同様の分野での活躍が可能となり、リサイクルが可能なゴム質材料を提供することができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核が で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は500ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は5000ないし10000μ秒であり、前記第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.1以下であることができる。
本発明の炭素繊維複合材料はこのような特性を有し、基材であるウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されたものである。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程を含み、
前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、前記カーボンナノファイバーに対して親和性を有するエポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーであり、
前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、前記エポキシ基の含有量が0.001〜30重量%である。
本発明の製造方法によれば、カーボンナノファイバーの分散性がよく、しかもその分散安定性に優れた炭素繊維複合材料を得ることができる。
前記ウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて行うことができる。
前記ウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、密閉式混練法によって行うことができる。
前記ウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、多軸押出し混練法によって行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程を含む。そして、ウレタン系熱可塑性エラストマーは、カーボンナノファイバーに対して親和性を有するエポキシ基を有する。
ウレタン系熱可塑性エラストマーは、例えば、カーボンナノファイバーと親和性が高いことの他に、分子長がある程度の長さを有すること、柔軟性を有すること、などの特徴を有することが望ましい。また、ウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、できるだけ高い剪断力で混練されることが望ましい。
(a)まず、エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーについて説明する。
本実施の形態にかかるエポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマー(以下、単に「本エラストマー」と称する)は、分子量が好ましくは5000ないし50万、さらに好ましくは2万ないし20万である。本エラストマーの分子量がこの範囲であると、本エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、本エラストマーは、凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、したがってカーボンナノファイバー同士を分離する効果が大きい。本エラストマーの分子量が5000より小さいと、本エラストマー分子が相互に充分に絡み合うことができず、後の工程で剪断力をかけてもカーボンナノファイバーを分散させる効果が小さくなる。また、本エラストマーの分子量が50万より大きいと、本エラストマーが固くなりすぎて加工が困難となる。
本エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、150℃、観測核が で測定した、ネットワーク成分の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n/150℃)が好ましくは100ないし2000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。上記範囲の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n/150℃)を有することにより、本エラストマーは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができる。このことにより、本エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合したときに、本エラストマーは高い分子運動によりカーボンナノファイバー相互の隙間に容易に侵入することができる。第1のスピン−スピン緩和時間(T2n/150℃)が100μ秒より短いと、本エラストマーが充分な分子運動性を有することができない。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/150℃)が2000μ秒より長いと、本エラストマーが液体のように流れやすくなり、カーボンナノファイバーを分散させることが困難となる。
また、本エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、150℃、観測核が で測定した、ネットワーク成分の第2のスピン−スピン緩和時間(T2n/150℃)が好ましくは2000ないし10000μ秒、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.1〜0.5であることが好ましい。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法により本エラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、本エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、本エラストマーは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかる炭素繊維複合材料は中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。また、高温においても正確な測定が可能であることからも、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
本実施の形態に用いられるウレタン系熱可塑性エラストマー原料は、ハードセグメントとしてポリウレタン構造を含有し、ソフトセグメントとしてポリエステルまたはポリエーテル構造のポリオール化合物を含有する。上記ポリウレタン構造は一般に、ジイソシアネートと鎖延長剤としての多価アルコール類、アミン系等とから成る。
ここで、ポリオール化合物としては、特に制限されるものではないが、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等を用いることができる。具体的には、ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコール等があり、ポリエステル系ポリオールとしては、ポリカプロラクトングリコール、ポリ(エチレン‐1,4‐アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン‐1,4‐アジペート)グリコール等があり、ポリカーボネート系ポリオールとしては、(ヘキサンジオール‐1,6‐カーボネート)グリコール等がある。
ジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート等を用いることができる。具体的には、芳香族ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタリンジイソシアネート(NDI)等があり、脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)‐トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)等があり、脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3‐ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、トランス‐1,4‐シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)等がある。
鎖延長剤としては、1,4‐ブタンジオール(BD)などの水酸基を2個持ったジオール類、またはアミン類等を用いることができる。
本発明に用いるウレタン系熱可塑性エラストマーにエポキシ基を導入させるためには、上記鎖延長剤に加えてエポキシ樹脂である例えばビスフェノールA型ジグリシジルエーテルを用いることができる。また、上記ポリオールに加えてエポキシポリオールを用いることができる。あるいは、ウレタン系熱可塑性エラストマーとエポキシ樹脂(例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂)との混合物を用いることができる。
本発明に用いるウレタン系熱可塑性エラストマーにエポキシ基を導入させる方法としては、プレポリマー/バルク法やワンショット法などがあるが、ここではプレポリマー/バルク法について説明する。
まず、ポリオールとしてのポリオキシメチレングリコールに対し、ジイソシアナートとしての4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を加え、所定温度例えば80℃で混合攪拌してプレポリマーを作成する。そして、プレポリマーに触媒例えばシラウリン酸ジブチルすずを約0.03%と鎖延長剤及びエポキシ樹脂である例えばビスフェノールA型ジグリシジルエーテルを所定の混合比で混合したものを加え、例えば減圧下、100℃で10時間反応させる。
このようにして得られた本発明に用いるウレタン系熱可塑性エラストマーは、エポキシ基の含有量が0.001〜30重量%である。エポキシ基の含有量が0.001重量%より小さいと、カーボンナノファイバーとの相互作用が小さく、好ましい分散性の効果を得ることができない。また、エポキシ基の含有量が30重量%を超えると、ウレタン系熱可塑性エラストマーが硬くなり過ぎて、カーボンナノファイバーを分散させる能力が低下する。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、本エラストマーのエポキシ基が、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性が高いため、本エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。
(b)次に、カーボンナノファイバーについて説明する。
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることが好ましく、平均直径が0.5ないし100nmであることがさらに好ましい。また、カーボンナノファイバーは、平均長さが0.01〜1000μmであることが好ましい。
カーボンナノファイバーの配合量は、特に限定されず、用途に応じて設定できる。本実施の形態の炭素繊維複合材料は、エラストマー系材料として用いることができ、あるいは金属や樹脂の複合材料の原料として用いることができる。本実施の形態の炭素繊維複合材料を金属あるいは樹脂の複合材料の原料として用いるときは、カーボンナノファイバーを0.01〜50重量%の割合で含むことができる。かかる金属あるいは樹脂の複合材料の原料は、金属あるいは樹脂にカーボンナノファイバーを混合する際に、カーボンナノファイバーの供給源としてのいわゆるマスターバッチとして用いることができる。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、本エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(c)次に、本エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程について説明する。
本実施の形態では、本エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程として、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いた例について述べる。
図1は、2本のロールを用いたオープンロール法を模式的に示す図である。図1において、符号10は第1のロールを示し、符号20は第2のロールを示す。第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.1ないし0.3mmの間隔で配置されている。第1および第2のロールは、正転あるいは逆転で回転する。図示の例では、第1のロール10および第2のロール20は、矢印で示す方向に回転している。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし3.00であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。この工程での剪断力は、本エラストマーの種類およびカーボンナノファイバーの量などによって適宜設定される。
また、この工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、本エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合は、好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の温度で行われる。オープンロール法を用いた場合には、ロールの温度を上記の温度に設定することが望ましい。
第1,第2のロール10,20が回転した状態で、第2のロール20に、本エラストマー30を巻き付けると、ロール10,20間に本エラストマーがたまった、いわゆるバンク32が形成される。このバンク32内にカーボンナノファイバー40を加えて、さらに第1,第2のロール10,20を回転させることにより、ウレタン系熱可塑性エラストマー30とカーボンナノファイバー40との混合が行われる。ついで、第1,第2ロール10,20の間隔をさらに狭めて前述した間隔dとし、この状態で第1,第2ロール10,20を所定の表面速度比で回転させる。これにより、本エラストマー30に高い剪断力が作用し、この剪断力によって凝集していたカーボンナノファイバーが1本づつ引き抜かれるように相互に分離し、本エラストマー30に分散される。
このとき、本実施の形態の本エラストマーは、上述した特徴、すなわち、本エラストマーの分子形態(分子長)、分子運動、カーボンナノファイバーとの化学的相互作用などの特徴を有することによってカーボンナノファイバーの分散を容易にするので、分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた炭素繊維複合材料を得ることができる。より具体的には、本エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、分子長が適度に長く、分子運動性の高い本エラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、本エラストマーのエポキシ基が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分、例えばカーボンナノファイバーの欠陥部分に形成されたカルボキシル基やカルボニル基などと結合する。また、エラストマーがオープンロールなどによる剪断力で分子鎖が切断されることでエラストマー分子の末端にはラジカルが生成するため、このラジカルとカーボンナノファイバーの欠陥部分とが反応する。この状態で、本エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、本エラストマーの移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、本エラストマー中に分散されることになる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、本エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
本エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、上記オープンロール法に限定されず、既に述べた密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離できる剪断力を本エラストマーに与えることができればよい。
上述した本エラストマーにカーボンナノファイバーを分散させて両者を混合させる工程(混合・分散工程)の後は、公知の方法によって、押出工程、成形工程などを行うことができる。
本エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合・分散工程において、あるいはこの混合・分散工程に続いて、通常、ゴムなどのエラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。
(d)次に、上記方法によって得られた炭素繊維複合材料について述べる。
本実施の形態の炭素繊維複合材料は、基材である本エラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されている。このことは、本エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けた本エラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まない本エラストマー単体の場合より短くなる。
また、本エラストマー分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによって本エラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まない本エラストマー単体の場合より小さくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、150℃、観測核が で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は200ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は1000ないし5000μ秒であり、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.1以下であることが好ましい。この第2の成分の成分分率(fnn)が大きくなると炭素繊維複合材料が流動していると判断することができる。
また、250℃、観測核が で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は500ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は5000ないし10000μ秒であり、さらに第1のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fn)は0.5以上であることが好ましい。この第1の成分の成分分率(fn)が0.5より小さいと流動していると判断することができる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、動的粘弾性の温度依存性測定における流動温度が、原料となる本エラストマー単体の流動温度より20℃以上高温であることが好ましい。本実施の形態の炭素繊維複合材料は、本エラストマーにカーボンナノファイバーが良好に分散されている。このことは、上述したように、本エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、本エラストマーは、カーボンナノファイバーを含まない場合に比べて、その分子運動が小さくなり、その結果、流動性が低下する。このような流動温度特性を有することにより、本実施の形態の炭素繊維複合材料は、動的粘弾性の温度依存性が小さくなり、その結果、優れた耐熱性を有する。
従来の熱可塑性エラストマーは、架橋構造が物理架橋であるため、天然ゴムや合成ゴムなどのゴム材料に比べ、温度上昇による流動及び低温におけるクリープ変形が大きいという課題があった。しかしながら、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、カーボンナノファイバーを均一分散させて含有することにより、上述の高温特性(耐熱性)と低温における耐クリープ性が向上する。したがって、本実施の形態の炭素繊維複合材料は、従来の天然ゴムや合成ゴムなどと同様の分野での活躍が可能となり、リサイクルが可能なゴム材料を提供することができる。
本実施の形態の炭素繊維複合材料は、既述したように、エラストマー系材料として用いることができ、あるいは金属や樹脂などの複合材料の原料として用いることができる。カーボンナノファイバーは、通常、相互に絡み合って媒体に分散しにくい性質を有する。しかし、本実施の形態の炭素繊維複合材料を金属あるいは樹脂の複合材料の原料として用いると、カーボンナノファイバーがエラストマーに既に分散した状態で存在するので、この原料と金属や樹脂などの媒体とを混合することでカーボンナノファイバーを媒体に容易に分散することができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1、2)
(1)ウレタン系熱可塑性エラストマーの製作
まず、プレポリマー/バルク法によって、エポキシ基を導入させたウレタン系熱可塑性エラストマー(E−PUE)を製作する。
a)平均分子量2000のポリオキシメチレングリコール(PTMG)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と、を1対2の割合で混合攪拌(80℃)してプレポリマーを作成する。
b)このプレポリマーに触媒としてシラウリン酸ジブチルすずを約0.03%と鎖延長剤及びエポキシ樹脂を表1に示す混合比で混合し、減圧下、100℃で10時間反応させた。鎖延長剤としては、1,4‐ブタンジオール(BD)を用いた。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBPA)を用いた。
このようにして得られた実施例1〜4及び比較例1のウレタン系熱可塑性エラストマーのエポキシ基の含有量(重量%)は、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBPA)の配合量であり、表1に示す。なお、比較例2はエポキシ基を含まないウレタン系熱可塑性エラストマー(PUE)を用いた。
(2)サンプルの作製
表1に示すウレタン系熱可塑性エラストマー(以下、本エラストマー)に所定量のカーボンナノファイバーをオープンロール法によって混練して実施例1〜4及び比較例1.2の炭素繊維複合材料サンプルを得た。
a)6インチオープンロール(ロール温度10〜20℃)に、表1に示す所定量(100g)の本エラストマー(100重量部(phr))を投入して、ロールに巻き付かせた。
b)本エラストマーに対して表1に示す量(重量部)のカーボンナノファイバー(表1では「CNT」と記載する)を投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。
c)カーボンナノファイバーを投入し終わったら、本エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物をロールから取り出した。
d)ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして、混合物を投入して薄通しをした。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。薄通しは繰り返し10回行った。
e)ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、分出しした。
このようにして、実施例1〜4および比較例1,2の炭素繊維複合材料のサンプルを得た。
(3)パルス法NMRを用いた測定
各サンプルについて、パルス法NMRを用いてハーンエコー法による測定を行った。この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核がH、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は、150℃であった。この測定によって、原料エラストマー単体および炭素繊維複合材料のサンプルについて、第1および第2のスピン−スピン緩和時間(T2n,T2nn)と第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)とを求めた。測定結果を表1に示す。また、測定温度が250℃の場合における炭素繊維複合材料サンプルの第1および第2のスピン−スピン緩和時間(T2n,T2nn)、第のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fn)を測定し、この結果も表1に併せて記載した。
(4)E’(動的貯蔵弾性率)およびTB(引張強度)の測定
炭素繊維複合材料のサンプルについて、E’およびTBをJIS K 6521−1993によって測定した。これらの結果を表1に示す。
(5)流動温度の測定
炭素繊維複合材料のサンプルについて、流動温度を測定した。具体的には、流動温度は、上記(4)で測定したE’が1MPa以下になる温度とした。その結果を表1に示す。なお、表1において、300℃までE’が1MPa以下にならない場合を「無し」と記載した。
(6)リサイクル性試験
炭素繊維複合材料を金型内で成形し、その成形された炭素繊維複合材料のサンプルを再度上記(1)で用いたオープンロールに投入して練り返し、金型内で再成形し直すことができるかどうかで、リサイクル性を判断した。
(7)耐クリープ特性の測定
炭素繊維複合材料の1mm(厚さ)×3mm(幅)×10mm(長さ)サンプルを、熱機械分析装置(TMA/SS6100、SII製)100℃、5MPaの負荷でクリープさせ、1時間後の長さ寸法の変化率(%)を表1に示した。変化率(%)が小さいほど耐クリープ性がよいと判断した。
(8)カーボンナノファイバーの分散状態の観察
炭素繊維複合材料のサンプルについてSEM(Scanning Electron Microscopy)による観察を行い、カーボンナノファイバーが分散されているか判断し、その結果を表1に示した。なお、表1においては、カーボンナノファイバーが均一に分散されている場合、「非常に良好」と記載し、カーボンナノファイバーがほぼ均一に分散されている場合、「良好」と記載した。
Figure 0004169350
表1から、本発明の実施例1〜4によれば、以下のことが確認された。すなわち、カーボンナノファイバーを含む炭素繊維複合材料における150℃、250℃でのスピン−スピン緩和時間(T2nおよびT2nn/150℃、250℃)は、カーボンナノファイバーを含まない原料エラストマー単体の場合に比べて短い。また、カーボンナノファイバーを含む炭素繊維複合材料のサンプルにおける成分分率(fnn/150℃)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合に比べて小さい。
カーボンナノファイバーの含有割合が大きい実施例4では、実施例1の炭素繊維複合材料のサンプルのスピン−スピン緩和時間(T2nn/150℃、250℃)よりも短かった。また、エポキシ基の含有量が59.1重量%の比較例1のサンプルとエポキシ基を含まない比較例2のサンプルは、カーボンナノファイバーを含有してもスピン−スピン緩和時間(T2n,T2nn/150℃)の変化は少なかった。また、実施例1〜4の第1の成分の成分分率(fn/250℃)は、0.5以上(第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.5未満)であり、流動していないと判定された。
また、炭素繊維複合材料のサンプルを用いたE’およびTBの結果から、カーボンナノファイバーを含むことにより、本発明の実施例によれば、動的貯蔵弾性率および引張強度が向上し、カーボンナノファイバーにより補強効果が得られることが確認された。特に、カーボンナノファイバーの割合が大きい実施例2では、動的貯蔵弾性率が向上していることがわかる。
さらに、カーボンナノファイバーを含む炭素繊維複合材料のサンプルにおける流動温度は、カーボンナノファイバーを含まない原料エラストマー単体の場合に比べて高く、流動温度が300℃以上であることから、動的粘弾性の温度依存性が小さく、優れた耐熱性を有することがわかる。
実施例1〜4は、比較例1及び2に比べて、高温(100℃)における耐クリープ性が優れていることがわかった。実施例1〜4はエポキシ基によるカーボンナノファイバーとの相互作用によってより均一に分散するため、高温における耐クリープ性が向上することが確認された。なお、リサイクル性については、全てのサンプルで良好であった。
また、SEM(Scanning Electron Microscopy)観察によって、実施例1〜4の炭素繊維複合材料のサンプルは、比較例1、2のサンプルよりも、本エラストマー基材中にカーボンナノファイバーが互いに分離した状態でより均一に分散されていることが確認された。
以上のことから、本発明によれば、一般に基材への分散が非常に難しいカーボンナノファイバーがエラストマーに均一に分散されることが明かとなり、高温における流動がなく、かつ高温における耐クリープ性の良好な熱可塑性エラストマー(炭素繊維複合材料)を得ることができることがわかった。したがって、リサイクル性に優れ、高温においても利用可能な熱可塑性エラストマーが得られることがわかった。
本実施の形態で用いたオープンロール法によるエラストマーとカーボンナノファイバーとの混練法を模式的に示す図である。
符号の説明
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー

Claims (15)

  1. エラストマーと、該エラストマーに分散されたカーボンナノファイバーと、を含み、
    前記エラストマーは、前記カーボンナノファイバーに対して親和性を有するエポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーであり、
    前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、前記エポキシ基の含有量が0.001〜30重量%である、炭素繊維複合材料。
  2. 請求項1において、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーは、分子量が5000ないし50万である、炭素繊維複合材料。
  3. 請求項1または2において、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核が で測定した、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし3000μ秒である、炭素繊維複合材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核が で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は200ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないかあるいは1000ないし5000μ秒であり、前記第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.1以下である、炭素繊維複合材料。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記炭素繊維複合材料の流動温度は、300℃以上である、炭素繊維複合材料。
  6. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、炭素繊維複合材料。
  7. エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程を含み、
    前記エラストマーは、前記カーボンナノファイバーに対して親和性を有するエポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーであり、
    前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、前記エポキシ基の含有量が0.001〜30重量%である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  8. 請求項において、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーは、分子量が5000ないし50万である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  9. 請求項またはにおいて、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核が で測定した、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし2000μ秒である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  10. 請求項ないしのいずれかにおいて、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、炭素繊維複合材料の製造方法。
  11. 請求項ないし10のいずれかにおいて、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて行われる、炭素繊維複合材料の製造方法。
  12. 請求項11において、
    前記オープンロール法は、2本のロールの表面速度比が1.05ないし3.00である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  13. 請求項ないし10のいずれかにおいて、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、密閉式混練法によって行われる、炭素繊維複合材料の製造方法。
  14. 請求項ないし10のいずれかにおいて、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、多軸押出し混練法によって行われる、炭素繊維複合材料の製造方法。
  15. 請求項ないし14のいずれかにおいて、
    前記エポキシ基を有するウレタン系熱可塑性エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、0ないし50℃で行われる、炭素繊維複合材料の製造方法。
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