JP4168108B2 - 銀被覆銅粉の製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は導電フィラー等に好適な銀被覆銅粉の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電ぺーストや塗料は,樹脂バインダーやビヒクル中に金属粉を導電フィラーとして分散させることによって得られるが,導電フィラーとしては銅粉や銀粉が通常使用されている。銅粉は銀粉に比べて安価であるが,耐酸化性に劣り,また温度が110℃以上では酸化膜が発生し易いので導電塗料の熱安定性を劣化させるという問題がある。一方,銀粉の場合は耐酸化性も耐久性も良好であるが,マイグレーションが発生しやすいことや価格が高いことなどの問題がある。
【0003】
このようなことから銅粉の表面に銀を被覆する方法が種々提案されている。例えば特開昭53−134759号公報や特開昭60−243277号公報には銀錯塩溶液を用いて銅粉の表面に金属銀を置換析出させる方法が記載され,また,特開平1−119602号公報にはキレート剤としてのEDTAに銅粉を分散させ,その表面に銀を還元被覆させる方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
銀錯塩溶液を用いて銀を銅粉に被覆する方法は,それなりの特徴はあるが,一度銅粉を生成させた後,銀錯塩溶液に銅粉を混合分散させるために工程が多くなり,また混合分散前の銅粉の表面の酸化の状態によっては,銀の析出にばらつきが生じて,必ずしも一様に置換析出が行われないことがあり,被覆される銅粉の表面状態の制御が必要である。またEDTAを用いる方法では,EDTAの廃液の回収が困難である。このため,それなりの付帯装置が必要になり,設備費用が嵩むことになる。
【0005】
本発明は,このような問題の解決を課題としたものであり,金属銅粉の表面に均一に且つ簡易に銀の被膜を形成できる方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前記の課題を解決した銀被覆銅粉の製法として、還元剤とくに抱水ヒドラジンまたは有機系還元剤を溶存した水溶液中で金属銅粉と該金属銅粉の全Cuに対するAgの質量比Ag/Cuが0.5/100〜10/100となる量の硝酸銀を反応させる銀被覆銅粉の製法を提供する。該還元剤を溶存した水溶液の還元電位は−200mV以下であるのがよい。また反応温度は40〜80℃であるのが好適である。
【0007】
また本発明によれば、銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し、該亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込んで酸化処理したあと、または、この酸化処理を省略して、抱水ヒドラジンまたは有機系還元剤を添加して金属銅粉にまで水中で最終還元し、得られた該還元剤と金属銅粉を含む液に該金属銅粉の全Cuに対するAgの質量比Ag/Cuが0.5/100〜10/100となる量の硝酸銀を添加することからなる銀被覆銅粉の製法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
還元剤が溶存した水溶液中で金属銅粉と硝酸銀を反応させると,金属銅粉の各粒子の表面に均一に銀の被膜を形成させることができる。還元剤としては抱水ヒドラジンまたは有機系還元剤を使用するのがよい。この還元剤には,還元作用を有する水溶性還元剤であれば原理的には使用可能であるが,ホルマリンなどの有機系還元剤または抱水ヒドラジンが使用に便宜である。金属イオンを含む無機系還元剤を使用すると銀被覆銅粉に無機物質が混入するおそれがあるが,有機系還元剤または抱水ヒドラジンを用いた場合には,このおそれがない。
【0009】
このような還元剤の溶存下で金属銅粉を水中に懸濁させると,銅粉粒子表面の酸化膜が除去され,活性な金属表面が露出した状態に維持されることがその理由であると考えられるが,この状態で硝酸銀を添加すると,銅粉粒子表面に均一に被着し,その被着強度も良好となる。このため,銀量の少ない極薄の銀皮膜により,通常の導電フィラー用銅粉に比べると,その耐酸化性,熱安定性および導電性を著しく改善できる。したがって,導電フィラーとして使用されていた通常の金属銅粉(その製造法は問わない)に対して,本発明に従って銀被覆を行うと,導電フィラーとしての特性を著しく高めることができる。
【0010】
還元剤を溶存させないで水中に金属銅粉を懸濁させ,同様に硝酸銀を添加した場合には,金属銅粉の表面状態によっては銀被覆が生ずることもあるが,その銀被膜の均一性は悪く,銀被覆を安定して形成させることは困難である。
【0011】
該還元剤の溶存下での金属銅粉と硝酸銀の反応は,40℃以上好ましくは45℃以上で,80℃以下好ましくは60℃以下で行うのがよく,攪拌下で行うのがよい。これにより,金属銅粉の各粒子の表面全体を均一に銀で被覆できる。反応温度がこの範囲より低くても,高くても銀の皮膜は形成するものの,その皮膜の均一性については良好とならない場合がある。還元剤の添加量は,用いる還元剤の種類によっても相違するが,硝酸銀を添加する前の水溶液の還元電位が−200mV以下,好ましくは−300mV以下,さらに好ましくは−400mV以下となるように制御すればよい。
【0012】
還元剤が溶存し且つ金属銅粉が共存する水溶液に対して硝酸銀を粉末状で添加してもよいが,水溶液として添加すると均一な銀皮膜を形成でき,この硝酸銀水溶液の添加にさいしては,金属銅粉の液を攪拌しながら,硝酸銀水溶液を少量づつ時間をかけて添加するのがよい。一括添加の場合よりも,このように少量づつ連続的または回分式に添加する方が均一な銀皮膜を形成できる。
【0013】
添加する硝酸銀の量は意図する皮膜厚さに応じて調整すればよいが,本発明に従うと金属銅粒子の全表面に均一な皮膜が形成できるので,全粒子表面を被覆するに必要な銀量は少なくて済む。全粒子表面を被覆するに必要な銀量は,金属銅粉の比表面積に依存するが,金属銅粉の比表面積が例えば1000cm2/g以上の場合には,金属銅粉の全Cuに対するAgの重量比Ag/Cuで,0.5/100〜10/100,好ましくは1.0/100〜5.0/100となるように硝酸銀を添加すればよい。この比が0.5/100未満では充分な耐候性(耐酸化性)が得られず,10/100を超えるとエレクトロマイグレーションが発生しやすくなる。
【0014】
代表的な例を挙げると,比表面積が1600cm2/gの金属銅粉1000gを,抱水ヒドラジン655gを溶解した水溶液4リットルに攪拌下に懸濁させ,液温を55℃に保持したまま,硝酸銀16.2gを溶解した水溶液150ミリリットルを60分間かけながら少量づつ添加し続けると,平均膜厚が2〜3nmの銀皮膜をもつ銀被覆銅粉が生成する。この懸濁液を固液分離し,採取した粉体を水洗後乾燥して,均一な銀被膜をもつ銀被覆銅粉が得られる。
【0015】
還元剤の溶存下での金属銅粉と硝酸銀の反応により銀被覆銅粉を得る本発明法は,金属銅粉の湿式製造法の最終工程に適用すると有利であり,これによれば,銅化合物を出発材料として銀被覆銅粉の工業的生産が有利に行える。金属銅粉の湿式製造法として,水酸化銅の水中懸濁液から亜酸化銅粉→金属銅粉への二段階還元を水中で行わせる方法が良く知られており,水酸化銅から亜酸化銅への還元剤としては例えばブドウ糖,亜酸化銅から金属銅粉への還元剤としては例えば抱水ヒドラジンやホルマリンを用いる方法が一般化している。最終工程である亜酸化銅から金属銅粉への還元が終了した時点の液は,残余の還元剤を含んでおり且つ金属銅粉を含んでいる。したがって,この液に前述したように硝酸銀を添加すると銀被覆金属銅粉を得ることができる。
【0016】
このことから,本発明によれば,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,次いで,有機系還元剤または抱水ヒドラジンを添加して金属銅粉にまで水中で最終還元し,得られた該還元剤と金属銅粉を含む液に硝酸銀を添加することからなる工業的に有利な銀被覆銅粉の湿式製造法を提供する。
【0017】
本発明者らは,この銀被覆銅粉の工業的方法において,中間還元のあと,最終還元の前に,酸素含有ガス吹き込みによる酸化工程を設けると,すなわち,亜酸化銅までの還元が完了した段階で酸素含有ガス吹き込みによる酸化処理を行い,この酸化処理後に最終還元を行うと,最終還元後の金属銅粉の粒径制御が良好に行えること,具体的には最終還元後の銅粉の粒径分布が小さくなること,また酸化処理の程度を調節することによりその平均粒径を自在に変化させることができることを知見した。したがって,本発明によればまた,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,該亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込んで酸化処理したあと,有機系還元剤または抱水ヒドラジンを添加して金属銅粉にまで水中で最終還元し,得られた該還元剤と金属銅粉を含む液に硝酸銀を添加することからなる工業的にさらに有利な銀被覆銅粉の湿式製造法を提供する。
【0018】
後者の酸化処理を行う方法において,亜酸化銅の懸濁液に吹き込む酸素含有ガスの量を多くすると最終還元されたときの銅粉の粒径は大きくなる。酸素含有ガスの吹き込み量は流量と吹き込み時間で決まるが,この流量と吹き込み時間を調節することにより,銅粉の粒径制御を正確に行うことができる。また,この酸化処理を行うと,行わない場合に比べて,粒度分布の幅が狭くなって粒径の揃った粒子が得られ,しかも,その形状も,球状のものを得る場合には,殆んどが球状になることがわかった。このような成果を得るに必要な酸素含有ガスの吹き込み量は,液中の銅1モルに対して酸素量が少なくとも0.1モル以上となるように流量と吹き込み時間を調節するのがよい。しかし,あまり吹き込み量が多くなっても効果が飽和するので,吹き込みの仕方にもよるが,液中の銅1モルに対して酸素量が20モル以下,場合によっては10モル以下であってもよい。吹き込む酸素含有ガスとしては空気の使用が最も便利であり,特別のことがない限り,常温の空気を常温の懸濁液に吹き込めばよい。もちろん酸素富化空気や純酸素ガスも使用できる。
【0019】
酸化処理を行うか,または省略する前記の銀被覆銅粉の工業的湿式製造法において,水酸化銅の析出工程,中間還元工程および最終還元工程は通常の方法に従えばよい。例えば水酸化銅の析出工程では,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させればよく,銅塩水溶液としては硫酸銅水溶液を,またアルカリ剤としてはNaOH水溶液が最も普通に使用でき,場合によっては,前者は塩化銅,炭酸銅,硝酸銅などの水溶液であってもよく,後者についても他に影響を与えないアルカリ剤であれば使用可能である。水酸化銅の析出反応は,所定濃度の銅塩水溶液と所定の濃度のアルカリ水溶液を別途に作製し,両液を混ぜ合わせて直ちに強攪拌する方法,或いは銅塩水溶液にアルカリ水溶液を攪拌下に添加し続けるという方法で進行させるのがよい。これにより粒状の水酸化銅が析出した懸濁液が得られる。
【0020】
ついで,得られた水酸化銅懸濁液に対して,還元剤を添加して水酸化銅を亜酸化銅に中間還元するが,この還元剤にはグルコース(ブドウ糖)が使用できる。この中間還元工程は不活性ガス雰囲気下で昇温しながら行うのがよい。そして,この中間還元処理を終えたあと,酸化処理を行う場合には,雰囲気ガスを酸素含有ガスに代え,この酸素含有ガスを液中にバブリングする。この酸化処理を行うことにより,液のpHは5〜9となる。次いで,この懸濁液を不活性ガス雰囲気下でデカンテーションし,その上澄液を除去することにより,沈殿を採取する。酸化処理を省略する場合には,中間還元処理を終えた懸濁液を不活性ガス雰囲気下でデカンテーションし,その上澄液を除去することにより沈殿を採取する。
【0021】
この沈殿を新たな水中に懸濁させ,還元剤として抱水ヒドラジンまたはホルマリンを用いて金属銅にまで最終還元する。この還元反応では発熱が起きるので液温は上昇する。
【0022】
そのさい,金属銅粉の還元に必要十分な量の還元剤を添加するのが通常であるから,金属銅粉にまで還元が完了した液には還元剤すなわち抱水ヒドラジンまたはホルマリンが溶存している。したがって,この最終懸濁液に硝酸銀を添加すると,有機系還元剤が溶存した水溶液中で金属銅粉と硝酸銀を反応させることができ,これにより銀被覆銅粉の懸濁液が得られる。これを固液分離し乾燥することにより,銀金属銅粉を得ることができる。この銀被覆工程では先に説明した条件が満たされるようにするのがよく,例えば反応温度を40〜80℃,好ましくは45〜55℃に維持し,硝酸銀添加前の還元電位を−200mV以下,好ましくは−400mV以下となるように調整し,攪拌下で硝酸銀水溶液を少量つづ連続的または回分的に時間をかけて添加するのがよい。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕
濃度48%のNaOH水溶液539gに純水4158gを加えてなる温度27℃のアルカリ水溶液と,純水2200gに硫酸銅(CuSO4・5H2O)662.5gを溶解した温度29℃の硫酸銅水溶液とを混合(pHは13.7であり,液中の銅に対して苛性ソーダの当量比が1.25である)し,攪拌して水酸化銅が析出した懸濁液を得る。
【0024】
この懸濁液全量に対し,ブドウ糖993.5gを純水4140gに溶かしたブドウ糖水溶液全量を添加し,添加後30分間で液の温度を70℃まで昇温した後,15分間保持する。ここまでの処理操作は全て窒素雰囲気下で行う。
【0025】
ついで,この液中に62ml/分の流量で200分間にわたって空気をバブリングさせる。これにより,液のpHは6.2となる。
【0026】
この懸濁液を窒素雰囲気中で2日間静置したあと,上澄液(pH7.01)を除去し,沈殿をほぼ全量採取し,この沈殿物に純水700gを追加する。
【0027】
この懸濁液全量に対し,抱水ヒドラジン65gを添加する。発熱反応により液の温度は50℃に昇温し,最終的に80℃まで昇温して反応が終了する。反応が終了した液は,抱水ヒドラジンが溶存した水溶液中に金属銅粉が含まれる液である。
【0028】
このようにして得られた,抱水ヒドラジンが溶存した水溶液中に金属銅粉が懸濁した液は,還元電位が−400mVであり,液中の金属銅粉は当初の硫酸銅のモル比に実質的に等しく,ほぼ260gである。この銅量のほぼ1重量%に相当する銀量となるように硝酸銀4.1gを純水36gに溶解し,この硝酸銀水溶液の全量を,チューブポンプを用いて60分かけて少量づづ連続的に,50℃に維持した該金属銅粉の懸濁液に,攪拌しながら,添加した。
【0029】
反応終了後の懸濁液をろ過し,水洗し乾燥して銀被覆銅粉を得た。この粉体に荷重をかけながら電気抵抗を測定し,その荷重と電気抵抗との関係を調べた。その結果を図1に示した。
【0030】
〔比較例〕
金属銅粉にまで最終還元するまでは実施例1と同様にして金属銅粉が懸濁した液を得た。この液から粉体をろ過,水洗し,窒素雰囲気中で乾燥して金属銅粉を得た。この金属銅粉493.3gを,EDTA5gを溶解した液量4.8リットルの水溶液に加えて,200rpmで5分間攪拌したあと,この攪拌を続行しながら,純水200mlに硝酸銀15.7gを溶解した硝酸銀水溶液全量を添加し,ついで還元剤である酒石酸10gを添加し,その後30分攪拌を続けた後,ろ過処理し,ろ液が透明になるまで水洗した。
【0031】
得られた粉体を真空ポンプで吸引し,70℃で乾燥し,銀被覆銅粉490gを得た。この銀被覆銅粉の銀量も,実施例1と同じく1重量%である。この銀被覆銅粉についても実施例1と同様に,粉体に荷重をかけながら電気抵抗を測定し,その荷重と電気抵抗との関係を調べた。その結果を図1に併記した。
【0032】
図1の結果から,実施例の粉体は比較例のそれに比べて粉体抵抗が低く(導電性が良好であり),とくに低荷重での粉体抵抗が低いことがわかる。
【0033】
また,実施例と比較例の粉体をそれぞれ200mgを示差熱分析装置の坩堝に装填し,大気雰囲気下で毎分4℃で昇温して示差熱分析を行ったところ,実施例の粉体は475.8℃,比較例の粉体は473.8℃でそれぞれ単独のピークを示した。銀被覆しない銅粉では370℃にピークが見られ,この温度で酸化が開始するが,実施例および比較例の両粉体とも370℃付近でのピークは観測されなかった。このことから,実施例の粉体は充分な耐酸化性(耐候性)を有することがわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,金属銅粉の表面に均一に且つ簡易な操作で銀の被膜を形成でき,銀被膜が均一であるから金属銅粉の全表面を覆うに必要な銀量も少なくてすむ。また本発明法は,湿式銅粉の製造法の最終工程にそのまま適用することができる点でも有利であり,高品質の導電フィラーを工業的に且つ経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法で得られた銀被覆粉体に荷重をかけながら電気抵抗を測定した結果を比較例の銀被覆粉体と対比して示した図である。
Claims (5)
- 還元剤が溶存した水溶液中で金属銅粉と該金属銅粉の全Cuに対するAgの質量比Ag/Cuが0.5/100〜10/100となる量の硝酸銀との反応において、該反応前における水溶液の還元電位を−200mV以下に保つことを特徴とする銀被覆銅粉の製法。
- 還元剤は抱水ヒドラジンまたは有機系還元剤である請求項1に記載の銀被覆銅粉の製法。
- 反応温度が40〜80℃である請求項1または2に記載の銀被覆銅粉の製法。
- 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し、次いで、抱水ヒドラジンまたは有機系還元剤を添加して金属銅粉にまで水中で最終還元し、得られた該還元剤と金属銅粉を含む液に該金属銅粉の全Cuに対するAgの質量比Ag/Cuが0.5/100〜10/100となる量の硝酸銀を添加することからなる銀被覆銅粉の製法。
- 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し、該亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込んで酸化処理したあと、抱水ヒドラジンまたは有機系還元剤を添加して金属銅粉にまで水中で最終還元し、得られた該還元剤と金属銅粉を含む液に該金属銅粉の全Cuに対するAgの質量比Ag/Cuが0.5/100〜10/100となる量の硝酸銀を添加することからなる銀被覆銅粉の製法。
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