JP3918036B2 - 銅粉の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,導電性能のよい導電ペーストが得られる導電ペースト用の金属銅粒子・粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば絶縁基板上に導電ペーストをスクリーン印刷して厚膜回路基板を作製する場合,その導電ペーストとして主に銀系ペーストが使用されてきたが,最近では銅系ペーストも使用される傾向にある。銅系ペーストは銀系ペーストに比べて次のような利点があるからである。
【0003】
(1) マイグレーションが起き難いのでショートし難い。
(2) 導体抵抗および高周波損失が小さいので回路の微細化が可能である。
(3) 耐半田性に優れるので信頼性が高い。
(4) 低コスト化が可能である。
【0004】
このような利点をもつ銅系ペーストは,粒径が0.1〜10μm程度の銅粉をビヒクル(樹脂)に分散させることによって得られる。
【0005】
銅粉の製造法としては,機械的粉砕法,溶融銅を噴霧するアトマイズ法,陰極への電解析出法,蒸発蒸着法,湿式還元法等が知られている。これらはそれぞれ得失があるが,湿式還元法はペースト用に適する粒径の微細粉を比較的容易に得ることができるので,導電ペースト用銅粉を製造する場合の主流となっており,例えば特開平4−116109号公報,特開平2−197012号公報および特開昭62−99406号公報には湿式還元法による銅粉の製造法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
銅系ペーストとしての性能は各種の観点から評価され得るが,導電ペーストとして使用される場合には,導電性に優れることが基本的に重要である。同一純度の金属銅粉であっても,これを樹脂に分散させた場合に,その粒度分布や粒子形状などの違いにより,電気抵抗も異なる値を示すようになる。電気抵抗を少なくするには,粒子同士が密に接触すること,換言すれば,粒子同士の接触界面が多くなるように,樹脂中に高い充填率をもって銅粒子が分散していることが重要であろうことは当然に考えられる。ところが,導電ペーストに要求される他の性質例えば適正な流動性や粘性を保持し且つ適切な強度を有するように,これを実現しようとすると,実際には容易なことではない。
【0007】
従来の湿式還元法による銅粉の製法では,得られる銅粉の粒径は経験的に決まることが多く,また,粒径が大きくなるとその粒度の分布も大きくなるのが通常であった。したがって,樹脂中に高い充填率をもって充填でき,しかも粒子同士の接触界面が大きくなるような銅粉が得られるように,その製法を制御することは実質的にできなかった。
【0008】
本発明の課題は,このような問題を解決し,樹脂に分散させたときに高い導電率を示す(電気抵抗が低い)銅の粒子・粉体を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,2個以上の単位粒子,好ましくは2個以上20個以下の単位粒子がネック部をもって接合してなる導電ペースト用の接合銅粒子を提供する。とくに,粒径が0.5〜10μm程度の単位粒子2〜20個が互いに三次元の任意方向にネック部をもって接合してなる導電ペースト用の接合銅粒子を提供する。
【0010】
ここで,ネック部とは,単位粒子と単位粒子が接合した部分を言うが,そのネックの径は,ネック部両側の単位粒子のうち少なくとも一方の粒径よりも小さく,好ましくはネック部両側の両単位粒子の粒径よりも小さい。本発明によれば,このようなネック部をもつ接合銅粒子と,ネック部を持たない単位粒子とからなる導電ペースト用の銅粉体を提供する。この場合,ネック部をもつ接合銅粒子の数が全体の20〜80%を占めることが望ましい。このような金属銅粉体を樹脂中に分散させることによって電気伝導性の良好な導電ペーストを得ることができる。樹脂としてはフエノール樹脂のような熱硬化型樹脂であることができる。
【0011】
このような金属銅粉体は,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,さらに還元剤で金属銅にまで水中で最終還元する銅粉の製造法において,前記の水酸化銅を析出させる工程を酸素含有ガス雰囲気下で実施することによって,さらには,水酸化銅を析出させる工程をFe濃度が50ppm以下の水溶液中で実施すること,さらには,中間還元のあとの亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込むことによって有利に製造できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜2は後記実施例で得られた本発明に従う金属銅粉の電子顕微鏡写真像(SEM像)であり,図2は図1の中央部のものを拡大したものである。図2の中央部の接合銅粒子は,粒径2.5〜5μm程度の単位粒子7個が3次元のランダム方向にネック部をもって接合していると見てよく,各ネック部は,ネック部両側の単位粒子の径よりも小さな径を有している。そして,このような単位粒子7個の接合銅粒子のほか,図1に見られるように,単位粒子1個のもの(接合せずに独立しているもの),2個接合したもの,3個接合したもの・・n個接合したもの(図1ではnは最大約20個程度である)が存在している。いずれにしてもネック部は,単に粒子同士が点接触しているものとは異なり,ある程度の接合面積をもって単位粒子が接合しており,粉体が流動したときのような自然の衝撃ではネック部で分離しないようなネック強度を有している。このようなネック部をもって接合している接合銅粒子を含む銅粉で導電ペーストを作成すると,接合銅粒子を含まないものに比べて,電気抵抗が著しく低くなることがわかった。
【0013】
図3〜4は,後記比較法で得られた金属銅粉の電子顕微鏡写真像(SEM像)であり,図4は図3中央部やや上方位置のものを拡大したものである。この銅粉は,粒径より径小のネック部をもつ接合銅粒子は存在しないと見てよく,ほぼ球形(ボール状)のまま粒径2〜10μmのものがほぼ均等に分布しており,平均粒径は約6.0μmである。
【0014】
両者の金属銅粉を同じ量,同じ樹脂に分散させたペーストについて,同じ条件で電気抵抗(乾燥塗膜の体積抵抗)を測定すると,後記の実施例に示すように,前者のペーストでは3.12×10-3Ω・cm,後者のペーストでは2.76×10-2Ω・cmであり,前者の方が1オーダー小さい値を示し,著しく導電性がよい。その理由については厳密には不明であるが,接合銅粒子の数が多い分だけ単位粒子間の連結が確実であり,したがって,粒子同士の接触界面が多くなること,そして,このような接合銅粒子間に,より小さな接合銅粒子や単独の単位粒子が介在することにより,全体として樹脂中に良好に充填されることが挙げられる。ただし前者のものでも,単位粒子の接合数が20を超えるような接合銅粒子ではネックの数が多すぎて樹脂への分散性が劣るようになり,凝集したような状態となるので,好ましいことではない。同様に,接合銅粒子だけからなると分散性に劣る場合があり,例えば接合銅粒子の数が全体の80%を超えると分散性が悪くなり,したがって独立した単位粒子も存在する方がよく,接合銅粒子の数が全体の20〜80%の範囲にあるのがよい。また,接合銅粒子を形成する単位粒子は0.5〜10μm程度の粒径のものであるのがよい。これに対して,後者のネック無しの銅粒子(ボール状のもの)からなる場合には,充填性にとっては良好な粒径分布を有していたとしても,粒子相互間の接触界面が前者のものに比べて格段に少なくなる結果,前者に比べて導電性に劣るようになると思われる。
【0015】
前者のような適正なネック数をもつ接合銅粒子が分布した金属銅粉は,湿式還元法による金属銅粉の製法において,初期の水酸化銅の生成過程での雰囲気制御によって,さらには該水酸化銅の生成過程での不純物制御によって製造できることがわかった。すなわち,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,さらに還元剤で金属銅にまで水中で最終還元する従来の銅粉の製法において,水酸化銅を析出させる過程は従来は窒素等の不活性雰囲気下で行なっていたのを酸素含有ガス,代表的には空気中で行う方法に改変すると,さらには,この水酸化銅を析出させる液中に共存するMg,Ca,Zn,Na,Al,Feなどの不純物濃度を低下させると,前記のようなネック数をもつ接合銅粒子が得られることがわかった。さらに,亜酸化銅まで中間還元したあと,金属銅まで最終還元する前の段階で,亜酸化銅懸濁液中に酸素含有ガス,代表的には空気の吹き込みを行うと,その程度により,得られる銅粉の粒径と粒度分布を制御できることもわかった。
【0016】
より具体的に説明すると,まず銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させる工程においては,銅塩水溶液としては硫酸銅水溶液を,またアルカリ剤としてはNaOH水溶液が最も普通に使用でき,場合によっては,前者は塩化銅,炭酸銅,硝酸銅などの水溶液であってもよく,後者についても他に影響を与えないアルカリ剤であれば使用可能であり,所定濃度の銅塩水溶液と所定の濃度のアルカリ水溶液を別途に作製し,両液を混ぜ合わせて直ちに強攪拌する方法,或いは銅塩水溶液にアルカリ水溶液を攪拌下に添加し続けるという方法で水酸化銅の析出反応を進行させることができるが,この雰囲気を従来の不活性ガス雰囲気から酸素含有ガス雰囲気(空気)に変えて水酸化銅を析出させると,中間還元において,比較的大きな粒径の亜酸化銅,代表的には0.5〜1.5μm程度の粒径の亜酸化銅が得られる。これに対して,窒素雰囲気とした以外は同一の条件で水酸化銅を析出させると,0.3μm程度の小粒径の亜酸化銅となる。このような小粒径の亜酸化銅の場合には,前記のようなネックをもつ金属銅粉を得ることは困難となる。
【0017】
そのさい,液中のMg,Ca,Zn,Na,Al,Feなどの不純物濃度が高いとそのような大きな粒径の亜酸化銅が得難い。とりわけ,液中のFeは大きな粒径の亜酸化銅を得るのに妨げる作用が強い。したがって,これらの不純物濃度はできるだけ少なくするのがよく,Feは50ppm以下,不純物全体としても70ppm以下,好ましくは50ppm以下とするのがよい。このような不純物は出発原料の銅塩に同伴するのが普通であり,したがって,できるだけ純度の高い銅塩を使用するのがよい。
【0018】
析出した水酸化銅の懸濁液に対して,還元剤を添加して亜酸化銅に還元(中間還元)する場合には,還元剤としてグルコース(ブドウ糖)が使用できる。この中間還元工程は不活性ガス雰囲気下で昇温しながら行うのがよい。そして,この中間還元処理を終えたあと,雰囲気ガスを酸素含有ガスに代え,この酸素含有ガスを液中にバブリングするのがよい。
【0019】
中間還元後にこのような酸化処理を行うことにより,液のpHは5〜9となるが,吹き込む酸素含有ガスの量を多くするにつれて最終還元されたときの銅の単位粒子の粒径は大きくなる傾向にある。酸素含有ガスの吹き込み量は流量と吹き込み時間で決まるが,この流量と吹き込み時間を調節することにより,単位粒子の粒径制御ができ,この酸化処理を行うと,行わない場合に比べて,単位粒子の粒度分布の幅が狭くなって粒径の揃った単位粒子が得られ,しかも,単位粒子の形状も,ボール状になることがわかった。このような成果を得るに必要な酸素含有ガスの吹き込み量は,液中の銅1モルに対して酸素量が少なくとも0.1モル以上となるように流量と吹き込み時間を調節するのがよい。吹き込み量の上限については特に規制しないが,あまり吹き込み量が多くなっても効果が飽和するので,吹き込みの仕方にもよるが,液中の銅1モルに対して酸素量が20モル以下,場合によっては10モル以下であってもよい。吹き込む酸素含有ガスとしては空気の使用が最も便利であり,特別のことがない限り,常温の空気を常温の懸濁液に吹き込めばよい。もちろん酸素富化空気や純酸素ガスも使用できる。
【0020】
次いで,この懸濁液を不活性ガス雰囲気下でデカンテーションし,その上澄液を除去することにより,沈殿を採取し,この沈殿を新たな水中に懸濁させ,還元剤として抱水ヒドラジンを用いて金属銅にまで最終還元する。こうして得られた液中の金属銅を液から分離し,これを耐酸化性付与のための表面処理を施し,或いは施すことなく,乾燥することにより,本発明に従うネックをもつ金属銅粉を得ることができる。
【0021】
したがって,本発明によれば,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,次いで還元剤で金属銅にまで水中で最終還元する銅粉の製造法において,水酸化銅を析出させる工程を酸素含有ガス雰囲気下で実施すること,水酸化銅を析出させる液中のFe濃度を50ppm以下とすること,さらには,亜酸化銅にまで中間還元したあと酸素含有ガス吹き込みで酸化処理すること,を特徴とするネックをもつ金属銅粒子からなる銅粉の製法を提供する。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕
次の硫酸銅水溶液Aとアルカリ水溶液Bを準備した。
硫酸銅水溶液A:
〔CuSO4・5H2O:0.6925Kg〕+〔純水:2.20Kg〕
アルカリ水溶液B:
〔濃度48.1%のNaOH水溶液:0.545Kg〕+〔純水:4.15Kg〕
【0023】
温度27℃に保持した該アルカリ水溶液Bに,温度29℃の該硫酸銅水溶液Aを大気雰囲気中で全量添加し強攪拌する。液中のFe濃度は50ppm以下であり,他の不純物も痕跡程度しか存在しない。発熱によりA+Bの液の温度は32℃まで上昇し,水酸化銅が析出した懸濁液が得られる。この液のpHは13.2である。A液とB液の混合量比は,液中の銅に対して苛性ソーダの当量比が1.20である。
【0024】
得られた水酸化銅懸濁液の全量に対し,純水1.41Kgに0.9935Kgのブドウ糖を溶かしたブドウ糖溶液を添加し,添加後38分間で液の温度を70℃まで昇温したあと,15分間保持する。この時の液のpHは7.8である。この処理は窒素雰囲気下で行う。
【0025】
ついで,この液中に0.7リットル/分の流量で420分間にわたって空気をバブリングさせて液を酸化させる。これにより,液のpHは5.76となる。亜酸化銅の粒径はほぼ0.7μmである。
【0026】
この懸濁液を窒素雰囲気中で2日間静置したあと,上澄液(pH5.99)を除去し,亜酸化銅の沈殿をほぼ全量採取し,これに,純水0.55Kgを追加する。この亜酸化銅の懸濁液全量に対し,抱水ヒドラジン0.074Kgを数回に分けて添加する。発熱反応により液の温度は50℃から最終的に80℃まで昇温し反応が終了する。反応終了後の懸濁液を固液分離し,粉体を採取し,これを120℃の窒素雰囲気中で乾燥して銅粉を得る。
【0027】
この方法で得られた銅粉の電子顕微鏡SEM像を図1〜2に示した。この銅粉は,本文に説明したように,粒径2.5〜5.0μmの単位粒子がネックをもって接合した接合銅粒子を含む銅粉であり,SEM像において接合銅粒子を数えると,接合銅粒子の数は粒子全体のおよそ40%であった。
【0028】
従来の銅系の導電ペーストと同様の処法に従って,この銅粉30gとフェノール系樹脂7.5gとを混練してペーストを作成し,これを硝子基板上に厚み30μmで塗膜化し,乾燥したあと,電気抵抗を測定した。その結果,該塗膜の体積抵抗は3.12×10-3Ω・cmであった。
【0029】〔比較例1〕
次の硫酸銅水溶液Aとアルカリ水溶液B’を準備した。
硫酸銅水溶液A:
〔CuSO4・5H2O:0.6925Kg〕+〔純水:2.20Kg〕
アルカリ水溶液B
〔濃度49.0%のNaOH水溶液:0.541Kg〕+〔純水:4.15Kg〕
【0030】
温度27℃に保持した該アルカリ水溶液B’に,温度29℃の該硫酸銅水溶液Aを窒素ガス雰囲気中で全量添加し強攪拌する。液中のFe濃度は50ppm以下であり,他の不純物も痕跡程度しか存在しない。発熱によりA+B’の液の温度は32.9℃まで上昇し,水酸化銅が析出した懸濁液が得られる。この液のpHは12.9である。A液とB’液の混合量比は,液中の銅に対して苛性ソーダの当量比が1.19である。
【0031】
得られた水酸化銅懸濁液の全量に対し,純水1.41Kgに0.9935Kgのブドウ糖を溶かしたブドウ糖溶液を添加し,添加後38分間で液の温度を70℃まで昇温したあと,15分間保持する。この時の液のpHは7.8である。この処理は窒素雰囲気下で行う。
【0032】
ついで,この液中に0.7リットル/分の流量で420分間にわたって空気をバブリングさせて液を酸化させる。これにより,液のpHは5.80となる。亜酸化銅の粒径はほぼ0.3μmである。
【0033】
この懸濁液を窒素雰囲気中で2日間静置したあと,上澄液(pH6.02)を除去し,亜酸化銅の沈殿をほぼ全量採取し,これに,純水0.55Kgを追加する。この亜酸化銅の懸濁液全量に対し,抱水ヒドラジン0.074Kgを数回に分けて添加する。発熱反応により液の温度は50℃から最終的に80℃まで昇温し反応が終了する。反応終了後の懸濁液を固液分離し,粉体を採取し,これを120℃の窒素雰囲気中で乾燥して銅粉を得る。
【0034】
この方法で得られた銅粉の電子顕微鏡SEM像を図3〜4に示した。この銅粉は,本文に説明したように,平均粒径がほぼ6.0μmのボール状の粒子からなり,ネックは有していない。
【0035】
実施例1と全く同様にしてこの銅粉30gとフェノール系樹脂7.5gとを混練してペーストを作成し,これを硝子基板上に厚み30μmで塗膜化し,乾燥したあと,電気抵抗を測定した。その結果,該塗膜の体積抵抗は2.76×10-2Ω・cmであった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,電気伝導性の優れた塗膜を形成できる導電ペースト用銅粉が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた金属銅粉の電子顕微鏡写真像である。
【図2】図1の中央部の粒子部分を拡大した電子顕微鏡写真像である。
【図3】本発明の比較例1で得られた金属銅粉の電子顕微鏡写真像である。
【図4】図3の中央部やや上の粒子部分を拡大した電子顕微鏡写真像である。

Claims (3)

  1. 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し、さらに還元剤で金属銅にまで水中で最終還元する銅粉の製造法において、前記の水酸化銅を析出させる工程を酸素含有ガス雰囲気下で実施することを特徴とする接合銅粒子をもつ銅粉の製造法。
  2. 水酸化銅を析出させる工程は、Fe濃度が50ppm以下の水溶液中で実施する請求項1に記載の銅粉の製造法。
  3. 中間還元のあとの亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込む請求項1または2に記載の銅粉の製造法。
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