JP4406738B2 - 粒度分布の小さい銅粉の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,湿式法による銅粉製造法に係り,特に,粒径の揃った銅粉(すなわち粒度分布の小さい銅粉)を,意図する粒径のものに自在に制御して製造する銅粉製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,絶縁基板の意図する位置に導電回路を接合または配属するのに導電ペーストが使用されている。導電ペーストの導電材料としては,銅,ニッケル,銀などの粉体が適用されているが,銅粉は廉価でありながらニッケル粉に比べて抵抗値が低く且つ銀のようにマイグレーションが起き難いという特徴があるので,銅ペーストが多く使用されている。
【0003】
また,各種半導体実装用の絶縁基板でも最近では積層した基板の各層間を多数の外部電極で連結する方式(スルーホール方式やビアホール方式)が提案され,各種パッケージの小型化および高密度化に貢献しているが,このようなスルーホールやビアホールに充填する導電ペーストとしても銅ペーストの使用が一般的である。この場合,銅ペーストを該ホールに充填後,加熱加圧成形される場合と,焼成される場合とがあるが,前者では熱硬化型樹脂の使用により硬化成形され,後者では有機バインダーや溶剤は蒸発除去されて銅粉が焼結されることになる。いずれにしても,それに対応できる銅粉の特性が要求されることになる。
【0004】
銅粉の製造法としては,機械的粉砕法,溶融銅を噴霧するアトマイズ法,陰極への電解析出法,蒸発蒸着法,湿式還元法等が知られているが,湿式還元法は他の方法に比べると小さい粒径の均一な粒子を比較的容易に得ることができるので,導電ペースト用銅粉を製造する場合の主流となっており,例えば,特開平4−116109号公報,特開平2−197012号公報,特開平10−330801号公報,特開昭62−99406号公報,特公平5−57324号公報,特許第2638271号公報などには湿式還元法による銅粉の製造法が記載されている。
【0005】
すなわち,湿式還元法による銅粉の製法は,その還元条件の制御によって粒子の形状が球形で且つ粒径も比較的揃ったものを得やすい点で,他の製法にはない利点があり,例えば特許第2638271号公報では,亜酸化銅から金属銅への還元のさいに,ヒドラジン系還元剤の濃度調整によって粒径の揃ったものが得られると教示している。また,特開平10−330801号公報ではpH緩衝剤の存在下でヒドラジン系還元剤を徐々に添加すると粒度分布が特定範囲にある銅粉が得られると教示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
銅ペースト用銅粉は,その銅ペーストの用途や使用形態に応じた特性を有することが必要とされる。基本的には,樹脂に対する充填性能や流動性,粉体としての導電性に優れることが要求され,さらには,低温焼結性等も場合によっては必要とされる。このような銅ペーストの用途や使用形態に応じた特性を十分に発現するには,球状の粒子を,その特性が得られるような粒径と粒度分布をもつようにすることが肝要である。このためには,粒度分布が小さく且つ平均粒径がそれぞれ異なる銅粉を多数準備しておき,要求される特性に応じて,これら粒径が相互に異なる銅粉を適切な割合で混ぜ合わせるという操作を行うのが最も適切である。
【0007】
したがって,単に粒度分布が小さい球状の銅粉であるのみならず,その平均粒径もサブミクロンから数10ミクロンまで,数10段階に分けられたそれぞれ平均粒径が相違する銅粉を多数準備しておくことが必要であり,このためには,粒度分布の小さい球形銅粉を,その平均粒径を自在にコントロールしながら製造できる技術が要求される。これまでのところ,平均粒径の大きさを自在にコントロールしながら且つその粒度分布が小さい銅粉を製造する技術は,湿式還元法では確立されていなかった。本発明は,その確立を課題としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決すべく本発明者らは鋭意研究を重ねたところ,従来の湿式還元法における還元過程において,亜酸化銅から金属銅への還元過程での金属銅の核発生条件を適正に制御すると,粒度分布を小さくしながら且つその粒径制御を自在に行えることがわかった。
【0009】
本発明はこの知見に基づくものであり,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に一次還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,この亜酸化銅の懸濁液に二次還元剤を添加して金属銅にまで液中で最終還元する銅粉の製造法において,前記の最終還元工程を二次還元剤の一部を添加する前半の不飽和段階と,二次還元剤の他部を添加する後半の粒成長段階とに分割し,該不飽和段階と粒成長段階の間で金属銅の核を生成させる核発生期を設けたことを特徴とする粒度分布の小さい銅粉の製造法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは,亜酸化銅の懸濁液に還元剤を徐々に添加して亜酸化銅を金属銅に還元する場合の挙動を電顕観察により詳細に調べた結果,亜酸化銅の粒子が金属銅粒子に直接的に還元される訳ではなく,すなわち,亜酸化銅粒子の個々の表面から金属銅が生成し,やがて亜酸化銅粒子の形骸部分に金属銅粒子が生成するというのではなく,亜酸化銅粒子はそのままの形態(形や大きさが変化しないで)で存在していながら,或る時点で,金属銅の核が別途に突然に発生し,いったんこの核が発生するとそれが金属銅の粒子に成長してゆくと同時に亜酸化銅粒子が徐々に消滅してゆくという現象が起きることを見い出した。すなわち,金属銅の核は,亜酸化銅粒子とは別途に共存し得るのであり,しかも,その核の発生時点は一律に制御可能であり,また,核の成長段階では新たな核を発生させないようにすることもできる。そして,この核の発生数が粒径を決める要因となり,また核の発生が或る時点で同時に起きることが粒度分布の小さい銅粉を得るための要因となることがわかった。
【0011】
本発明はこの現象を有利に利用することによって,粒度分布の小さく且つ平均粒径が各種任意の球状銅粉を製造する点に特徴がある。すなわち,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に一次還元剤例えばブドウ糖を添加して亜酸化銅にまで中間還元して,亜酸化銅の懸濁液を得るまでは従来と同様であるが,この亜酸化銅の懸濁液に二次還元剤例えばヒドラジンを添加して金属銅にまで最終還元するさいに,この最終還元工程を二次還元剤の一部を添加する前半の不飽和段階と,二次還元剤の他部を添加する後半の粒成長段階とに分割し,該不飽和段階と粒成長段階の間で金属銅の核を生成させる核発生期を設ける点に特徴がある。
【0012】
ここで,前半の不飽和段階では二次還元剤の一部を添加するのではあるが,その添加量は,金属銅が生成せず且つ亜酸化銅が未還元のまま存在し得る量とする。この不飽和段階は二次還元剤は溶存しているが,亜酸化銅は還元されないで,いわゆる不飽和の状態を維持している段階であり,したがって,金属銅の析出が起きないような低濃度の還元剤量の共存下のもとで亜酸化銅をそのまま存在させておくことが肝要である。この不飽和段階は金属銅の核を発生させる核発生期に引き継がれる。核発生期では銅核を発生させるためのトリガーを系に与えることが好ましく,核発生のトリガー手段としては系に熱を付与する方法または二次還元剤を投入する方法が簡便である。
【0013】
この核を発生させるさいに,不飽和段階の不飽和の程度(核を発生させる直前の不飽和の程度)によって核の発生数を制御できることがわかった。不飽和の程度が高いほど,すなわち亜酸化銅に対する二次還元剤の溶存割合が少ないほど,核の発生数は少なくなり,二次還元剤の溶存割合が高くなるにつれて,核の発生数は多くなる。したがって,粒径の大きな金属銅粒子を得るには,不飽和の程度を高くし(二次還元剤の相対溶存量を少なくし),粒径の小さいなものを得るには不飽和の程度を低くし(該相対溶存量を多くし)た状態で,核発生のトリガー(熱または二次還元剤の投与)を系に付与すればよい。この点が本発明法の一つの特徴である。そして,いったんこのトリガーを系に与えて,亜酸化銅懸濁液中で金属銅の核を発生させると,この発生した核は成長を続けるが,新たな核の発生は特別のことがない限り抑制できることがわかった。
【0014】
すなわち,二次還元剤の他部を添加する後半の粒成長段階は,核発生期で発生した銅核の全てが一様に成長を続ける段階であり,この段階では亜酸化銅の粒子が徐々に消滅してゆくが,金属銅の粒子数が増加したり減少したりすることは実質的に起きない。すなわち,この粒成長工程で添加される二次還元剤は,銅核の発生には寄与せず,銅粒子の成長(亜酸化銅の消滅)に寄与させることが肝要であり,このため,核発生のトリガーとなるようなことは出来るだけ避けること,すなわち系に急に熱を付与するようなことは避け,また二次還元剤の添加も緩やかに行うのが好ましい。銅核の発生は核発生期の一時期で一挙に行い,それ以前でもそれ以後でも銅核を実質的に発生させないことが,粒径の揃った銅粒子(粒度分布の小さい銅粒子)を得るうえで肝要であり,この点も本発明法の特徴の一つである。
【0015】
また,二次還元剤を添加する前に,すなわち前記の不飽和段階を実施する前の(中間還元後の)亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込む工程を設けると,不飽和段階をより安定させることができることがわかった。すなわち,亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガス例えば空気を吹き込むことによって亜酸化銅の表面を酸化処理しておくと,不飽和段階において二次還元剤が添加されても亜酸化銅が未還元のままより安定に存在し続けることができ,核発生期では,その時点での二次還元剤の溶存量に応じた数の銅核が一斉に発生しやすくなる結果,粒度分布が一層小さい銅粒子からなる銅粉を,該二次還元剤の溶存量に応じた各種の平均粒径のもとで,精度よく製造できることがわかった。
【0016】
したがって,本発明の実施にあたっては,銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に一次還元剤例えばブドウ糖を添加して亜酸化銅にまで中間還元し,この亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込んだうえ,この懸濁液に対して二次還元剤例えばヒドラジンの一部を添加する前半の不飽和段階,核発生期および二次還元剤の他部を添加する後半の粒成長段階を実施するのが好ましい。他の条件が一定ならば,一般に亜酸化銅の懸濁液に吹き込む酸素含有ガスの量を多くすればするほど銅粉の粒径を大きくでき,また,粒度分布を小さくすることができる。したがって,酸素含有ガスの吹き込み流量と吹き込み時間の調節によっても,銅粉の粒径制御を行うことができ,粒径の揃った各種粒径の粒子が得られやすくなる。
【0017】
このような成果を得るに必要な酸素含有ガスの吹き込み量は,液中の銅1モルに対して酸素量が少なくとも0.1モル以上となるように流量と吹き込み時間を調節するのがよい。吹き込み量の上限については特に規制しないが,あまり吹き込み量が多くなっても効果が飽和するので,吹き込みの仕方にもよるが,液中の銅1モルに対して酸素量が20モル以下,場合によっては10モル以下であってもよい。吹き込む酸素含有ガスとしては空気の使用が最も便利であり,特別のことがない限り,常温の空気を常温の懸濁液に吹き込めばよい。もちろん酸素富化空気や純酸素ガスも使用できる。
【0018】
この酸素含有ガスの吹き込み工程の有無に拘わらず,本発明の最終還元における前半の不飽和段階では反応系の液温を30〜70℃の範囲内の或る温度に調整しておくのが好ましく,後半の粒成長段階では反応系の液温を60〜90℃の範囲に調整するのが好ましい。すなわち,不飽和段階より粒成長段階の方が液温が高くなるようにするのがよい。この場合,核発生期でのトリガーとして系に熱を付与する場合には,この熱の付与は液温が0.01/min〜10℃/min,好ましくは0.1/min〜5℃/minの昇温速度で昇温するように与熱するのが好ましい。核発生期程でのトリガーとして系に二次還元剤を投与する場合には,この核発生期において,二次還元剤の全添加量の2〜20%をこの核発生期で一挙に添加するのがよい。また,最終還元に要する二次還元剤の全添加量(不飽和段階と粒成長段階の両者で)は,ヒドラジン(抱水ヒドラジン)を二次還元剤として使用する場合,亜酸化銅の全てを還元するに必要な化学量論量の1.5〜2.5倍とし,そのうち,0.1〜2.0倍を前半の不飽和工程で添加すればよい。また,二次還元剤の添加にあたっては,いずれの段階でも液をゆるやかに攪拌しながら添加するのがよい。
【0019】
反応が終了し,金属銅の粒子が生成した銅懸濁液が得られたら,常法にしたがって,液中の金属銅を液から分離し(例えばフイルタープレスし),そのさい耐酸化性付与のための表面処理を施し,或いは施すことなく,窒素雰囲気中で乾燥し,乾燥粉をハンマーミル等で解砕処理して,粒度分布の小さい金属銅粉を得ることができる。例えば下記に定義するD10,D50およびD90の値の間で下式(1) に従うA値が1.0以下,好ましくは0.7以下である粒度分布の小さい銅粉を得ることができる。後記の実施例に示すように平均粒径が比較的大きいものでは(実施例1では平均粒径が約6μm)該A値が0.4以下を示すような粒度分布の非常に小さい銅粉を得ることができる。
A値=(D90−D10)/D50・・(1)
ただし,D10,D50およびD90は,横軸に粒径D(μm)をとり,縦軸に粒径Dμm以下の粒子が存在する容積(Q%)をとった累積粒度曲線において,Q%が10%,50%および90%に対応するそれぞれの粒径Dの値を言う。
【0020】
【実施例】
〔実施例1〕
次の硫酸銅水溶液Aとアルカリ水溶液Bを準備した。
硫酸銅水溶液A:
〔CuSO4・5H2O:0.6925Kg〕+〔純水:2.20Kg〕
アルカリ水溶液B:
〔濃度48.3%のNaOH水溶液:0.578Kg〕+〔純水:4.12Kg〕
【0021】
温度27℃に保持した該アルカリ水溶液Bに,温度29℃の該硫酸銅水溶液Aを全量添加し強攪拌する。発熱によりA+Bの液の温度は34℃まで上昇し,液中に水酸化銅が析出した懸濁液が得られる。この液のpHは13.74である。A液とB液の混合量比は,液中の銅に対して苛性ソーダの当量比が1.25である。
【0022】
得られた水酸化銅懸濁液の全量に対し,純水1.41Kgに0.9935Kgのブドウ糖を溶かしたブドウ糖溶液を添加し,添加後30分間で液の温度を70℃まで昇温したあと,15分間保持する。ここまでの処理操作は全て窒素雰囲気下で行う。
【0023】
ついで,この液中に0.7リットル/分の流量で200分間にわたって空気をバブリングさせる。これにより,液のpHは6.2となる。
【0024】
この懸濁液を窒素雰囲気中で2日間静置したあと,上澄液(pH6.92)を除去し,沈殿をほぼ全量採取し,この沈殿物に純水0.7Kgを追加して,亜酸化銅の懸濁液を得る。
【0025】
得られた亜酸化銅懸濁液を供試液とし,この供試液を反応槽内に入れて攪拌しながら,抱水ヒドラジンを表1に示した条件で添加して金属銅にまで最終還元した。表1において,ヒドラジン添加量(当量)は,亜酸化銅を金属銅に全て還元するに要する化学量論量を1当量としたときの,その化学量論量に対する割合であり,例えば経過時間90分でヒドラジン添加量が0.1当量とは,90分経過時点で,亜酸化銅を金属銅に全て還元するに要するヒドラジン化学量論量の1/10のヒドラジンを添加したことを意味する。
【0026】
【表1】
【0027】
図1に,横軸に経過時間を採って表1の二次還元パターン(温度パターン) を図表化して示した。懸濁液温度は,核発生期には外部から熱を付与して強制的に昇温し,表示の温度パターンとなるように液温を制御した。図中の(イ)〜(へ)の時点で,懸濁液中から粉体をサンプリングし,その時点の粒子の形態を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ,それぞれ次のようなものであった。
【0028】
(イ)不飽和段階終期の粒子:粒子は全て粒径がほぼ0.3μmの球形の亜酸化銅粒子であり(経過時間0分のものと実質的に変わりはない),金属銅の核発生は見られない。
(ロ)210分経過時(昇温開始60分後)の粒子:前記(イ)の粒子群の中にところどころに平滑面をもつ金属銅の核(大きさは約0.2〜0.5μm径)が発生している。この銅核は亜酸化銅粒子100〜150個の中に一つか二つ見える程度である。亜酸化銅粒子自身は前記の(イ)のものと変わりはない。
(ハ)240分経過時(昇温開始90分後):金属銅の核が0.5〜0.8μm径まで成長しているが,その核数は増加しておらず,亜酸化銅粒子も前記の(ロ)の状態と殆んど変わりはない。
(ニ)昇温終期の粒子:前記(ハ)のときよりも金属銅の核が大きくなっている(0.8〜1.0μm径)が,その核数には変化はない。亜酸化銅粒子は全体的にやや径が小さくなっているように見えるが,ほとんどそのまま残存している。
(ホ)粒成長段階前中期の粒子:金属銅の核は1.5μm径程度の粒子に粒成長しているが,金属銅の粒子数は前記(ハ)の段階の核数から変化してないと観測された。亜酸化銅の粒子はさらに小振りになり,粒子の外形もややふやけた状態となっているが,亜酸化銅が存在することには変わりはない。
(ヘ)粒成長段階後中期の粒子:金属銅の粒子はほぼ5.5μm径まで成長しているが,金属銅の粒子数は前記(ホ)の段階から変化していないと観測された。亜酸化銅の全粒子は径が0.2μm以下にまで小さくなり,金属銅の粒成長に応じて亜酸化銅量が減少している。
(ト)粒成長段階終期( 還元終了後) の粒子:亜酸化銅の粒子は全て消滅しており粒径が約6μmの金属銅の粒子だけが観察される。
【0029】
以上の電顕観察から,本例の二次還元パターンによれば,金属銅の核発生は昇温開始後約60分後の液温約64℃の時点で起きたことがわかる。すなわち,不飽和段階では液温は49℃に維持しながらほぼ連続して合計0.4当量のヒドラジンが添加されているが,この段階では金属銅の核は発生せず,液に熱を付与して液温が64℃になったときに,この与熱がトリガーとなって,その不飽和状態から一斉に金属銅の核が生成する。そして,この核はさらに昇温およびヒドラジンの添加によって成長するが,核発生期以後には,もはや新たに核が発生することはない。核発生期前までにヒドラジンはほぼ連続して合計で0.4当量,粒成長段階ではほぼ連続して合計で1.3当量が添加されたので,総計で1.7当量添加されたことになり,最終的には亜酸化銅の全てが金属銅に還元されたことになる。
【0030】
本例で得られた金属銅粉を,SYMPATIC社製のヘロス粒度分布測定装置(HELOS H0780)で粒度分布を測定し,横軸に粒径D(μm)を指数目盛でとり,縦軸に分布密度および粒径Dμm以下の粒子が存在する容積(Q%)をとったときの累積粒度曲線を求めたところ,Q%が10%,50%および90%のときの粒径Dは,それぞれD10=4.92μm,D50=5.99μm,D90=7.22μmであった。すなわち,平均粒径は5.99μmであり,その粒度分布を(D90−D10)/D50の比で評価すると,この比は0.38であり,粒度分布が小さいことがわかる。またBET法による比表面積は0.16m2/g,タップ密度は4.7g/cm3であった。
【0031】
〔実施例2〕
実施例1と同じ亜酸化銅の懸濁液を供試材とし,抱水ヒドラジンを表2に示した条件で添加して金属銅にまで最終還元した以外は,実施例1と同じような操作を繰り返した。
【0032】
【表2】
【0033】
図2に,横軸に経過時間を採って,表2の二次還元パターンを図表化して示した。また,図1の場合と同様に,図中の(イ)〜(へ)の時点で,懸濁液中から粉体をサンプリングし,その時点の粒子の形態を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ,それぞれ次のようなものであった。
【0034】
(イ)不飽和段階終期の粒子:粒子は全て粒径がほぼ0.3μmの球形の亜酸化銅粒子であり(経過時間0分のものと実質的に変わりはない),金属銅の核発生は見られない。
(ロ)200分経過時(昇温開始50分後)の粒子:前記(イ)の粒子群の中にところどころに平滑面をもつ金属銅の核(大きさは約0.1〜0.3μm径)が発生している。この銅核は亜酸化銅粒子80〜120個の中に一つか二つ見える程度である。亜酸化銅粒子自身は前記の(イ)のものと変わりはない。
(ハ)240分経過時(昇温開始90分後):金属銅の核が0.4〜0.6μm径まで成長しているが,その核数は増加しておらず,亜酸化銅粒子も前記の(ロ)の状態と殆んど変わりはない。
(ニ)昇温終期の粒子:前記(ハ)のときよりも金属銅の核が大きくなっている(0.6〜0.8μm径)が,その核数には変化はない。亜酸化銅粒子は全体的にやや径が小さくなっているように見えるが,殆んどそのまま残存している。
(ホ)粒成長段階前中期の粒子:金属銅の核は1.0μm径程度の粒子に粒成長しているが,金属銅の粒子数は前記(ハ)の段階の核数から変化してないと観測された。亜酸化銅の粒子はさらに小振りになり,粒子の外形もややふやけた状態となっているが,亜酸化銅が存在することには変わりはない。
(ヘ)粒成長段階後中期の粒子:金属銅の粒子はほぼ2.0μm径まで成長しているが,金属銅の粒子数は前記(ホ)の段階から変化していないと観測された。亜酸化銅の全粒子は径が0.2μm以下にまで小さくなり,金属銅の粒成長に応じて亜酸化銅量が減少しているのがわかる。
(ト)粒成長段階終期 (還元終了後) の粒子:亜酸化銅の粒子は全て消滅しており粒径が約2.5μmの金属銅の粒子だけが観察される。
【0035】
以上の電顕観察から,本例の二次還元パターンによれば,金属銅の核発生は昇温開始後約50分後の液温約62℃の時点で起きたことがわかる。すなわち,不飽和段階では液温は49℃に維持しながらほぼ連続して合計0.8当量のヒドラジンが添加されているが,この段階では金属銅の核は発生せず,液に熱を付与して液温が62℃になったときに,この与熱がトリガーとなって,その不飽和状態から一斉に金属銅の核が生成する。そして,この核数は,実施例1の場合より多い。これは,実施例1よりも不飽和の程度が低い(ヒドラジンの溶存量が相対的に多い)ことが関与しているものと考えてよい。この核発生の後は,さらに昇温およびヒドラジンの添加によって核が成長するが,もはや新たに核が発生することはない。核発生の前までにヒドラジンはほぼ連続して合計で0.8当量,粒成長段階ではほぼ連続して合計で1.0当量,総計で1.8当量添加されたことになり,最終的には亜酸化銅の全てが金属銅に還元されたことになる。
【0036】
本例で得られた金属銅粉を,実施例1と同様に粒度分布を測定したところQ%が10%,50%および90%のときの粒径Dは,それぞれD10=1.86μm,D50=2.60μm,D90=3.69μmであった。すなわち,平均粒径は2.60μmであり,その粒度分布を(D90−D10)/D50の比で評価すると,この比は0.70であり,粒度分布が小さいことがわかる。またBET法による比表面積は0.39m2/g,タップ密度は4.19/cm3であった。
【0037】
〔実施例3〕
実施例1と同じ亜酸化銅の懸濁液を供試材とし,抱水ヒドラジンを表3に示した条件で添加して金属銅にまで最終還元した以外は,実施例1と同じような操作を繰り返した。
【0038】
【表3】
【0039】
図3に,横軸に経過時間を採って,表2の二次還元パターンを図表化して示した。本例の場合には,150分までは液温を49℃に制御したが,それ以降は液温制御は行わず,成り行きにまかせた状態で液温を計測した。図示のように,液温制御を行わない場合には,反応の進行につれて液温が上昇してゆく状況がわかる。そして,図1の場合と同様に,図中の(イ)〜(へ)の時点で,懸濁液中から粉体をサンプリングし,その時点の粒子の形態を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ,それぞれ次のようなものであった。
【0040】
(イ)不飽和段階中期の粒子:粒子は全て粒径がほぼ0.3μmの球形の亜酸化銅粒子であり(経過時間0分のものと実質的に変わりはない),金属銅の核発生は見られない。
(ロ)不飽和段階終期の粒子:前記(イ)の状態と実質的に変わりはない。
(ハ)210分から240分までにほぼ連続してヒドラジンを0.4当量添加したさいの230分時点の粒子:前記(イ)の粒子群の中にところどころに平滑面をもつ金属銅の核(大きさは約0.1〜0.3μm径)が発生している。この銅核は亜酸化銅粒子80〜120個の中に一つか二つ見える程度である。亜酸化銅粒子自身は前記の(イ)のものと変わりはない。
(ニ)315分経過時(粒成長段階初期)の粒子:金属銅の核が1.2〜1.5μm径まで成長しているが,その核数は増加しておらず,亜酸化銅粒子は全体的にやや径が小さくなっているように見えるが,ほとんどそのまま残存している。
(ホ)390分経過時(粒成長段階中期)の粒子:金属銅の核は2.5μm径程度の粒子に粒成長しているが,金属銅の粒子数は前記(ニ)の段階の核数から変化してないと観測された。亜酸化銅の全粒子は径が0.2μm以下にまで小さくなり,金属銅の粒成長に応じて亜酸化銅量が減少しているのがわかる。
(ト)粒成長段階終期 (還元終了後) の粒子:亜酸化銅の粒子は全て消滅しており粒径が約2.7μmの金属銅の粒子だけが観察される。
【0041】
以上の電顕観察から,本例の二次還元パターンによれば,金属銅の核発生は不飽和段階を経たあと,不飽和が解消または不飽和の程度が低下するようなヒドラジンを投与したことがトリガーとなって金属銅の核が発生したことがわかる。そして,この時点から還元反応が進行するにつれて液温も上昇している。すなわち不飽和段階では液温は49℃に維持しながらほぼ連続して合計0.8当量のヒドラジンが添加されているが,この段階では金属銅の核は発生せず,液にさらにヒドラジンを投与したときに,これがトリガーとなって,その状態から一斉に金属銅の核が生成する。そして,この核数は,実施例2の場合とほぼ同等であり,その結果,実施例2のものとほぼ同等の平均粒径をもつ銅粒子が得られたものと考えてよい。この核発生期後は,さらに昇温およびヒドラジンの添加によって核が成長するが,もはや新たに核が発生することはない。核発生期前までにヒドラジンは合計で0.8当量,核発生後は合計で1.0当量,総計で1.8当量添加されたことになり,最終的には亜酸化銅の全てが金属銅に還元されたことになる。
【0042】
本例で得られた金属銅粉を,実施例1と同様に粒度分布を測定したところQ%が10%,50%および90%のときの粒径Dは,それぞれD10=1.93μm,D50=2.70μm,D90=3.70μmであった。すなわち,平均粒径は2.70μmであり,その粒度分布を(D90−D10)/D50の比で評価すると,この比は0.66であり,粒度分布が小さいことがわかる。またBET法による比表面積は0.37m2/g,タップ密度は4.02g/cm3 であった。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,粒度分布の小さい球形銅粉を,意図とする平均粒径で自在に製造できるようになった。このため,平均粒径が異なる粒度分布の小さい球形銅粉を多数準備しておくことができ,それらを適切に組み合わせて配合すれば,直ちに用途に適した特性の銅粉が得られる。したがって,用途に応じた特性の銅粉を自在に調整することができるようになり,特に導電ペースト分野において優れた特性の銅ペーストが簡単に得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に従う二次還元時の還元パターンを示す図である。
【図2】実施例2に従う二次還元時の還元パターンを示す図である。
【図3】実施例3に従う二次還元時の還元パターンを示す図である。
Claims (6)
- 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に一次還元剤を添加して亜酸化銅にまで中間還元し、この亜酸化銅の懸濁液に二次還元剤を添加して金属銅にまで液中で最終還元する銅粉の製造法において、該中間還元後であって該最終還元前の前記亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガスを吹き込む工程を有し、前記の最終還元工程を二次還元剤の一部を添加する前半の不飽和段階と、二次還元剤の他部を添加する後半の粒成長段階に分割し、該不飽和段階と粒成長段階の間で金属銅の核を生成させる核発生期を設けたことを特徴とする粒度分布の小さい銅粉の製造法。
- 核発生期では、与熱を核発生のトリガーとする請求項1に記載の粒度分布の小さい銅粉の製造法。
- 核発生期では、二次還元剤の添加を核発生のトリガーとする請求項1に記載の粒度分布の小さい銅粉の製造法。
- 不飽和段階の二次還元剤の添加量を相対的に少なくすることによって平均粒径の大きい銅粉を製造し、不飽和段階の二次還元剤の添加量を相対的に多くすることによって平均粒径の小さい銅粉を製造する請求項1、2または3に記載の粒度分布の小さい銅粉の製造法。
- 二次還元剤はヒドラジンである請求項1に記載の粒度分布の小さい銅粉の製造法。
- 前記の粒度分布の小さい銅粉が下記に定義するD10、D50およびD90の値の間で下式(1)に従うA値が1.0以下である粒度分布の小さい銅粉である請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
A値=(D90−D10)/D50・・(1)
ただし、D10、D50およびD90は、横軸に粒径D(μm)をとり、縦軸に粒径Dμm以下の粒子が存在する容積(Q%)をとった累積粒度曲線において、Q%が10%、50%および90%に対応するそれぞれの粒径Dの値を言う。
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