JP2001011502A - 銀拡散銅粉およびその製法並びにそれを用いた導電ペースト - Google Patents

銀拡散銅粉およびその製法並びにそれを用いた導電ペースト

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀を表面に被着した銀被着銅粉は,これを導
電ペーストのフイラーとして使用するとマイグレーショ
ンが起きやすくなるという問題を解決する。 【解決手段】 表面に銀を被着した銅粒子からなる銀被
着銅粉を非酸化性雰囲気中150〜600℃の温度で熱
処理して銀拡散銅粉を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電フィラー等に好
適な銀拡散銅粉およびその製法並びにそれを用いた導電
ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】導電ぺーストや塗料は,樹脂バインダー
やビヒクル中に金属粉を導電フィラーとして分散させる
ことによって得られるが,導電フィラーとしては銅粉や
銀粉が通常使用されている。銅粉は銀粉に比べて安価で
あるが,耐酸化性に劣り,また温度が110℃以上では
酸化膜が発生し易いので導電塗料の熱安定性を劣化させ
るという問題がある。一方,銀粉の場合は耐酸化性も耐
久性も良好であるが,マイグレーションが発生しやすい
ことや価格が高いことなどの問題がある。
【0003】このようなことから銅粉の粒子表面に銀を
被着または被覆する方法が種々提案されている。例えば
特開昭53−134759号公報や特開昭60−243
277号公報には銀錯塩溶液を用いて銅粉の粒子表面に
金属銀を置換析出させる方法が記載され,特開平1−1
19602号公報にはキレート剤としてのEDTA中に
銅粉を分散させ,その表面に銀を還元被覆させる方法が
記載されている。また,特に銀によるマイグレーション
を抑制するものとして,特開昭61−67702号公報
では銅粒子の表面に銀とチタネートカップリング剤を被
覆すること,また特公平6−72242号公報ではCu
とAgの融液を不活性ガス気流中で急冷凝固することに
よって粉体化し,これによって内部から表面にむけて銀
濃度が次第に増加する領域をもつ粒子とすることを開示
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】銀錯塩溶液やEDTA
を用いて銀を銅粒子表面に析出させたものでは,粒子表
面は実質的に金属銀そのものの性質を示すので,銅粉に
比べるとマイグレーションは著しく発生しやすくなる。
このため,銅粉に比べて電導性や耐酸化性が改善された
としても,マイグレーションの点では導電フイラーとし
ては問題となる。特開昭61−67702号公報のよう
にチタネートカップリング剤を用いると銀によるマイグ
レーションの抑制が図れるかも知れないが,チタネート
カップリング剤が表面に存在する分,導電性が低下する
うえ,別途に製造工程と薬品を必要としてコスト高とな
らざるを得ない。特公平6−72242号公報のように
アトマイズ法で銀含有の銅粉末を製造する場合には,融
点以上の高温設備を必要とするうえ,粒径制御が困難で
あるという問題がある。
【0005】したがって,本発明は前記のような従来技
術の問題を解消し,銅粒子に銀を含ませることによる導
電性や耐酸化性の向上効果を享受したうえ,さらにマイ
グレーションが発生しがたい銀含有銅粉を得ることを目
的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成せんと
してなされた本発明によれば,表面に銀を被着した銅粒
子からなる銀被着銅粉を非酸化性雰囲気中150〜60
0℃の温度で熱処理する銀拡散銅粉の製法を提供する。
該熱処理に供する銀被着銅粉は,銅粒子の表面に金属銀
の単体が点状または島状に被着した粒子からなることが
でき,このような銀被着銅粉は金属銅粉と硝酸銀を還元
剤が溶存する水溶液中で反応させることによって得られ
る。また,熱処理に供する銀被着銅粉は,銅粒子の表面
に金属銀の膜が一様に被着した粒子であってもよく,こ
のような銀被着銅粉は錯塩水溶液中で銅粉に銀イオンを
作用させることによって得られる。いずれにしても,こ
れらの銀被着銅粉を当該熱処理に供することにより,銅
粒子の表面に存在した金属銀は単体としては粒子表面に
存在せず粒子中に拡散した状態となり,これによって,
銀に由来するマイグレーション現象が抑制される。
【0007】したがって,本発明によれば,Ag:0.
5〜10重量%,残部がCuおよび不可避的不純物から
なる組成を有し,金属銀の単体が粒子表面に実質上存在
せず且つ平均粒径が10μm以下の銀拡散銅粉が提供さ
れ,またAg:0.5〜10重量%,残部がCuおよび
不可避的不純物からなる組成を有し,金属銀の単体が粒
子表面に実質上存在せず且つ平均粒径が10μm以下の
銀拡散銅粉を導電フイラーとして用いた導電ペーストが
提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】図5に見られるように,銅と銀は
平衡状態図的には実質的に固溶し合わず,共晶点温度7
79℃においてもCu中にAgが最大5at.%程度しか固
溶せず,温度が下がるにしたがってその固溶限は少なく
なり,常温では殆んど固溶しない。このように平衡論的
にはCu中にAgは固溶しない筈であるが,径の小さな
銅粒子の表面に単体の金属銀が被着した状態で,これを
非酸化性雰囲気中,好ましくは弱還元性雰囲気中で15
0〜600℃の適切な温度範囲で熱処理すると,表面に
被着していた金属銀が銅粒子の内部に拡散することがわ
かった。すなわち,表面に単体として存在した金属銀が
銅中にあたかも固溶するような現象が生じ,表面に存在
した銀はもはや電子顕微鏡観察(SEM)では見えなく
なるのである。この現象を説明の都合上「銀の拡散現
象」と呼び,この現象によって銅粒子中に銀が拡散した
粉体を「銀拡散銅粉」と呼ぶことにする。この銀の拡散
現象は母体の銅が微細粒子であることに起因し,微粒子
であるが故の表面エネルギーが関与しているものと考え
られる。なお,銅粒子の表面に金属銀が単体状で被着し
ている粉体を「銀被着銅粉」と呼ぶ。
【0009】その熱処理に供する温度は,銅粒子の粒
径,銅粒子に付着している銀量割合,銀の付着形態(点
在しているか,島状に存在しているか,膜状に被着して
いるか等)によって適切に選定されるが,150℃より
低いと十分に銀が拡散せず,600℃を超えると粒子同
士が焼結するおそれがあるので,150〜600℃の範
囲で選定されねばならない。好ましい熱処理温度は20
0〜550℃,さらに好ましくは250〜500℃の範
囲である。その温度での保持時間も粒子形態に応じて適
切に選定されねばならないが,通常は5〜200分の範
囲,好ましくは100〜150分でよい。熱処理に供す
る雰囲気は非酸化性雰囲気であることが必要であり,不
活性ガス雰囲気(例えば窒素ガス雰囲気),好ましくは
弱還元性雰囲気(例えば窒素ガス+20vol.%以下の水
素ガス)であるのがよい。
【0010】導電フイラーとして適する金属粉の粒径は
一般に0.1〜10μm程度であるが,本発明において
も,このような粒径の銀被着銅粒子粉体を熱処理するこ
とにより,ほぼ同径の銀が銅中に拡散した銀拡散銅粉が
得られる。本発明に従う銀拡散銅粉の組成は,Ag:
0.5〜10重量%,残部がCuおよび不可避的不純物
であり,好ましくはAgが1.0〜5.0重量%である。
Agが0.5重量%以下では,銅に銀を添加することに
よる耐酸化性の向上効果が得られず,10重量%以上で
は耐酸化性向上効果が飽和し価格も高価となるので望ま
しくない。
【0011】金属銀が銅粒子の表面に単体として被着し
ている「銀被着銅粉」の場合には,これをフイラーとし
た導電ペーストにマイグレーションが発生しやすいが,
本発明によって得られる「銀拡散銅粉」の場合には,こ
れをフイラーとした導電ペーストにマイグレーションが
発生し難くなることがわかった。前者では,銀に起因す
るマイグレーションを誘発するのに対し,後者では銀よ
りも銅の性質が粉体表面で優位となってマイグレーショ
ンを抑制するものと考えられる。
【0012】本発明に従う「銀拡散銅粉」を得るには,
湿式法で得た「銀被着銅粉」を熱処理に供するのがよ
い。湿式法によれば,粒径や粒度分布・さらには形状
(板状・球状等)および銀の付着状態等を制御すること
が容易で,設備も比較的簡単である。とくに,本発明者
らは,粒径・粒度分布・形状・銀付着形態・等の制御が
容易な銀被着銅粉の製法として,銅塩水溶液とアルカリ
剤を反応させて水酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を
添加して亜酸化銅にまで中間還元し,該亜酸化銅の懸濁
液に酸素含有ガスを吹き込んで酸化処理したあと,抱水
ヒドラジンまたは有機系還元剤を添加して金属銅粉にま
で水中で最終還元し,得られた該還元剤と金属銅粉を含
む液に硝酸銀を添加することを特徴とする銀被着銅粉の
製造法を開発し,これを特願平11−054981号に
提案した。この方法によると,その条件設定により,ほ
ぼ球形の銅粒子の表面に金属銀が点状または島状に被着
した「銀被着銅粉」が得られ(例えば後記の図1),こ
の「銀被着銅粉」を熱処理すると球形粒子からなる「銀
拡散銅粉」が得られる(後記の図2)。
【0013】特願平11−054981号で提案した銀
被着銅粉の製法は,金属銅粉と硝酸銀を還元剤が溶存す
る水溶液(還元電位が−200mV以下)中で反応させ
る点を一つの特徴とし,銅粉の湿式製造法の最終工程の
液に硝酸銀を添加することによって,前記の金属銅粉と
硝酸銀を還元剤が溶存する水溶液を得る点を一つの特徴
とし,銅粉の湿式製造法として亜酸化銅への一次還元
と,金属銅への最終還元の間に,酸化工程を挿入した点
を一つの特徴としている。これらの特徴点は特願平11
−054981号に記載のとおりであるが,要するに,
粒径・粒度分布・形状・銀付着形態・銀付着量などが制
御性よく操作でき,導電ペーストに適した銀被着銅粉が
得られるので,この方法で得られた銀被着銅粉を本発明
に従う熱処理に供して銀拡散銅粉を得ることが好まし
い。
【0014】もっとも,従来から公知の方法によって製
造された銀被着銅粉に対しても,本発明は適用でき,例
えば錯塩水溶液中で銅粉に銀イオンを作用させて銀被着
銅粉を得たり,EDTA法で銅粉の表面に銀を還元被着
させて,銅粒子の表面に一様に薄い銀膜を形成した銀被
着銅粉(後記の図3)を得て,本発明に従う熱処理を適
用しても銀拡散銅粉(後記の図4)を得ることができ
る。
【0015】いずれにして,湿式還元法で銅粉を製造
し,その銅粉に湿式法で銀を被着させて銀被着銅粉を製
造し,これを本発明に従う熱処理に供することによっ
て,銀と銅の有利な性質を兼備した銀拡散銅粉を得るこ
とができる。この銀拡散銅粉の粒径は導電フイラーとし
て適する0.1〜10μmであることができ,粒子形状
は表面が滑らかな球状である。そして銀を含有するにも
拘わらず,この銀拡散銅粉を用いた導電ペーストは後記
の実施例に示すように,マイグレーションが起き難いと
いう特徴がある。したがって,この銀拡散銅粉を含有す
る導電ペーストを用いると品質のよいプリント電子回路
用導線が得られる。
【0016】
【実施例】〔実施例1〕濃度48%のNaOH水溶液5
39gに純水4158gを加えてなる温度27℃のアル
カリ水溶液と,純水2200gに硫酸銅(CuSO4
5H2O)662.5gを溶解した温度29℃の硫酸銅水
溶液とを混合(pHは13.7であり,液中の銅に対し
て苛性ソーダの当量比が1.25である)し,攪拌して
水酸化銅が析出した懸濁液を得る。この懸濁液全量に対
し,ブドウ糖993.5gを純水4140gに溶かした
ブドウ糖水溶液全量を添加し,添加後30分間で液の温
度を70℃まで昇温した後,15分間保持する。ここま
での処理操作は全て窒素雰囲気下で行う。ついで,この
液中に62ml/分の流量で200分間にわたって空気
をバブリングさせる。これにより,液のpHは6.2と
なる。
【0017】この懸濁液を窒素雰囲気中で2日間静置し
たあと,上澄液(pH7.01)を除去し,沈殿をほぼ
全量採取し,この沈殿物に純水700gを追加する。こ
の懸濁液全量に対し,抱水ヒドラジン65gを添加す
る。発熱反応により液の温度は50℃に昇温し,最終的
に80℃まで昇温して反応が終了する。反応が終了した
液は,抱水ヒドラジンが溶存した水溶液中に金属銅粉が
含まれる液である。
【0018】このようにして得られた,抱水ヒドラジン
が溶存した水溶液中に金属銅粉が懸濁した液は,還元電
位が−400mVであり,液中の金属銅粉は当初の硫酸
銅のモル比に実質的に等しく,ほぼ260gである。こ
の銅量のほぼ3重量%に相当する銀量となるように硝酸
銀12.7gを純水75gに溶解し,この硝酸銀水溶液
の全量を,チューブポンプを用いて60分かけて少量づ
づ連続的に,50℃に維持した該金属銅粉の懸濁液に,
攪拌しながら,添加した。反応終了後の懸濁液をろ過
し,水洗し乾燥して銀被着銅粉を得た。
【0019】得られた銀被着銅粉の電子顕微鏡写真(S
EM像)を図1に示した。図1に見られるように,各銅
粒子の表面には銀が単体として点在しており(粒子表面
に白く光ってみえる多数の小さなつぶつぶ),銅の表面
に銀単体金属の粒が被着している状況がわかる。なお,
図1の左上に見える一番大きな粒子の径は約5μmであ
るが,この粉体全体の平均粒径は4μmである。
【0020】このようにして得た銀被着銅粉100g
を,窒素と水素の混合ガス流量(窒素90L/min+
水素10L/min)に雰囲気制御してある静置式熱処
理炉に装入し,500℃で120分間の熱処理を行なっ
た。得られた熱処理品の電子顕微鏡写真(SEM像)を
図2に示した。図2に見られるように,熱処理前の図1
のものに見られた粒子表面の白点(金属銀の単体)は消
失し,粒子表面は全体として角がとれて滑らかな状況に
なっているのがわかる。すなわち,熱処理によって銅表
面に点在した金属銀は銅粒子内に拡散し,最外表面には
金属銀の単体は実質的に存在していない銀拡散銅粉が得
られた。
【0021】図1の銀被着銅粉と,図2の銀拡散銅粉を
次の電気抵抗とマイグレーションの試験に供した。試験
結果を表1に示した。なお,表1には平均粒径がほぼ同
じ銅粉と銀粉についてのマイグレーション試験結果も参
考例として併記した。 〔電気抵抗の測定〕試料粉30gをフエノール系樹脂
7.5gと混練してペーストを作成し,これをガラス基
板上に厚さ30μmで塗膜化し,乾燥後,その体積抵抗
値(Ω・cm)を測定した。 〔マイグレーションの測定〕試料粉:フエノール樹脂:
BCA=8.4:1.6:0.4の割合で混練してペース
トを作成し(BCAはブチルカルビトールアセテートを
示す),ガラス基板上で,幅1mmの線状バターン2本
を間隙0.3mmを開けて同一直線上に形成し,大気循
環式乾燥機中で150℃×15分間乾燥する。該間隙に
純水1滴を垂らし,該間隙の両側のパターン間に電圧
(7.5V)を印加し,該間隙が導通状態になる迄の時
間(絶縁時間)を測定する。導通状態の判断は電源回路
に組み込んだ電圧計によって行う。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から,熱処理後の銀拡散銅粉で
は,熱処理前の銀被着銅粉に比べてマイグレーション絶
縁時間が36秒増え,どちらかと言えば銅粉に近いとこ
ろまでマイグレーションが抑制されたことがわかる。な
お,両者の電導性については有意差は見られない。
【0024】〔実施例2〕EDTA(エチレンジアミン
テトラ酢酸塩)24.4gと炭酸アンモニウム12.0g
を純水288.6gに溶解した溶液に,硝酸銀12.7を
純水75gに溶解した硝酸銀溶液を添加して,EDTA
−Ag溶液を調製した。次にEDTA41.2gと炭酸
アンモニウム41.29gを純水1438gに溶かし,
平均粒径5μmの銅粉260gを分散させた銅粉パルプ
を調製し,前記のEDTA−Ag溶液と混合し,30分
間攪拌した。その後,ろ過・洗浄・乾燥し,銀が3重量
%で残部が銅からなる銀被着銅粉を得た。得られた銀被
着銅粉の電子顕微鏡写真(SEM像)を図3に示した。
図3の粒子は表面が平滑であり,図1のものの様に銀は
点在していない。すなわち,本例で得られた図3の銀被
着銅粉は銅粒子の表面に薄い金属銀が膜状に被着したも
のである。図3の中央の粒子は粒径がほぼ6μmであ
る。
【0025】この銀被着銅粉を,実施例1の場合と同じ
条件で熱処理した。得られた熱処理品(銀拡散銅粉)の
電子顕微鏡写真(SEM像)を図4に示した。図4の粒
子も図2のものと同様に表面の銀が内部に拡散し,表面
は全体として角がとれて滑らかな状況になっている。す
なわち,熱処理によって銅粒子の表面の金属銀の被膜は
銅粒子内に拡散し,最外表面には金属銀の単体は実質的
に存在していない銀拡散銅粉が得られた。
【0026】この銀拡散銅粉を,実施例1の場合と同じ
電気抵抗とマイグレーションの試験に供した。試験結果
を表2に示した。なお,表2には平均粒径がほぼ同じ銅
粉と銀粉についてのマイグレーション試験結果も参考例
として併記した。
【0027】
【表2】
【0028】表2の結果から,本例で得られた銀拡散銅
粉も,マイグレーション時間が熱処理前の銀被着銅粉に
比べて30秒長くなっており,マイグレーションが抑制
されていることがわかる。なお,導電性については,金
属銀が膜状に被着した銀被着銅粉の方が熱処理拡散銅粉
より若干良好である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように,銅粉に銀を含有さ
せて耐酸化性や導電性を改善させる場合に,この粉体を
用いた導電ペーストはマイグレーションが起きやすいと
いう問題があったが,本発明によると該粉体を簡単な処
法でマイグレーションの起き難い形態に改質することが
でき,導電ペースト用のフイラーとして好適な銀含有銅
粉が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理前の銀被着銅粉の例を示す電子顕微鏡写
真(SEM像)である。
【図2】図1の銅被着銅粉を熱処理した銅拡散銅粉の例
を示す電子顕微鏡写真(SEM像)である。
【図3】熱処理前の銀被着銅粉の他の例を示す電子顕微
鏡写真(SEM像)である。
【図4】図3の銅被着銅粉を熱処理した銅拡散銅粉の例
を示す電子顕微鏡写真(SEM像)である。
【図5】銅と銀に二元平衡状態図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 宏昌 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 高田 賢臣 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4K018 BA02 BB04 BC01 BC09 BC19 BC21 BC35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に銀を被着した銅粒子からなる銀被
    着銅粉を非酸化性雰囲気中150〜600℃の温度で熱
    処理する銀拡散銅粉の製法。
  2. 【請求項2】 銀被着銅粉は,銅粒子の表面に金属銀の
    単体が点状または島状に被着した粒子からなり,銀拡散
    銅粉は前記の金属銀の単体の実質上全てが銅粒子中に拡
    散した粒子からなる請求項1に記載の銀拡散銅粉の製
    法。
  3. 【請求項3】 銀被着銅粉は,銅粒子の表面に金属銀の
    膜が一様に被着した粒子からなり,銀拡散銅粉は前記の
    金属銀の膜の実質上全てが銅粒子中に拡散した粒子から
    なる請求項1に記載の銀拡散銅粉の製法。
  4. 【請求項4】 銀被着銅粉は,金属銅粉と硝酸銀を還元
    剤が溶存する水溶液中で反応させて得たものである請求
    項1または2に記載の銀拡散銅粉の製法。
  5. 【請求項5】 銀被着銅粉は,錯塩水溶液中で銅粉に銀
    イオンを作用させて得たものである請求項1または3に
    記載の銀拡散銅粉の製法。
  6. 【請求項6】 銅塩水溶液とアルカリ剤を反応させて水
    酸化銅を析出させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅
    にまで中間還元し,該亜酸化銅の懸濁液に酸素含有ガス
    を吹き込んで酸化処理したあと,抱水ヒドラジンまたは
    有機系還元剤を添加して金属銅粉にまで水中で最終還元
    し,得られた該還元剤と金属銅粉を含む液に硝酸銀を添
    加して銀被着銅粉を製造し,得られた銀被着銅粉を非酸
    化性雰囲気中150〜600℃の温度で熱処理する銀拡
    散銅粉の製法。
  7. 【請求項7】 Ag:0.5〜10重量%,残部がCu
    および不可避的不純物からなり,金属銀の単体が粒子表
    面に実質上存在せず且つ平均粒径が10μm以下の銀拡
    散銅粉。
  8. 【請求項8】 Ag:0.5〜10重量%,残部がCu
    および不可避的不純物からなり,金属銀の単体が粒子表
    面に実質上存在せず且つ平均粒径が10μm以下の銀拡
    散銅粉を導電フイラーとして用いた導電ペースト。
  9. 【請求項9】 Ag:0.5〜10重量%,残部がCu
    および不可避的不純物からなり,金属銀の単体が粒子表
    面に実質上存在せず且つ平均粒径が10μm以下の銀拡
    散銅粉を含有する導電ペーストを用いたプリント電子回
    路用導線。
JP17889299A 1999-06-24 1999-06-24 銀拡散銅粉の製法 Expired - Lifetime JP4078410B2 (ja)

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