JP4166040B2 - セルタイプ製氷機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動モータであるギアモータの駆動によりレバーが回動し、このレバーの回動にともなって、水皿が開閉するとともに、アクチュエータスイッチが切り換えられる製氷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルタイプ製氷機は、ギアモータに駆動信号が出力されて、ギアモータが駆動すると、このギアモータの駆動によりレバーが回動している。そして、レバーが閉動作位置に来た時および開動作位置に来た時に、アクチュエータスイッチ(トグルスイッチが一般的に採用されている)が切り換わっている。しかしながら、何らかの原因で、ギアモータに駆動信号が出力されているにも係わらず、アクチュエータスイッチが切り換わらないことがある。そこで、従来のセルタイプ製氷機においては、ギアモータに駆動信号を出力してから、ある一定の時間内に、アクチュエータスイッチが切り換わらないと、異常信号を出力して警報装置(所謂、サービスコール)を作動させるとともに、製氷運転サイクルを停止する。その後、電源を入れ直さない限り、停止した状態を維持する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、セルタイプ製氷機のギアモータの作動においては、異常信号を出力したにもかかわらず、明確な理由は不明であるが正常に復帰する場合がある。また、異常検出が誤作動である場合がある。この様な場合には、当然修理する必要はなく、製氷運転サイクルは再開可能である。しかしながら、従来のセルタイプ製氷機では、製氷運転サイクルの再開が可能か否かの判定機能を有しておらず、修理をする必要がない場合でも、サービスコールにつながり、修理作業者が現場まで行って確認する必要があった。
【0004】
そこで、別の従来例として、異常検出時に、ギアモータに逆方向の駆動信号を出力して、一旦レバーを大きく逆方向に回動して元の状態に戻してから、短周期で往復動させるようにしているものがある。この様にすると、復帰できることがある。上記逆方向への回動のための駆動信号の出力時間は、約50秒であり、レバーが正常時に閉動作位置から開動作位置に移動するのに要する時間(60秒程度で、正常時に開動作位置から閉動作位置に移動するのに要する時間と略同じ値)に近い値にして、できる限り元の位置に戻すようにしている。すなわち、たとえば、レバーを閉動作位置から開動作位置にすべく、ギアモータに正方向の駆動信号を出力した際に、異常となった時には、レバーが殆ど回転せずに閉動作位置付近にある場合や、レバーは回転しているが遅くて所定時間内に開動作位置に達せずに開動作位置付近にある場合などが考えられるが、閉動作位置付近はもちろんのこと、開動作位置付近の場合にも、元の位置である閉動作位置に戻すためには、レバーが正常時に開動作位置から閉動作位置に移動するのに要する時間に近い時間が必要となる。
【0005】
ところで、異常となった時に、レバーが殆ど回転せずに閉動作位置付近にある場合に、約50秒の間、逆方向への回動のための駆動信号を出力すると、直ぐに閉動作位置に戻り、その後、長時間の間(たとえば、約40秒程度)アクチュエータスイッチのスイッチロッドをレバーが無理やり押すことになる。そして、レバーがオーバーランしてスイッチロッドが折れ曲げり、アクチュエータスイッチが損傷することがある。すると、レバーが開動作位置や閉動作位置に来ても、レバーはスイッチロッドを乗り越えてしまうので、レバーによりアクチュエータスイッチを切り換えることができなくなり、正常に作動しなくなる。その結果、製氷運転を正常に復帰することができないだけでなく、損傷したアクチュエータスイッチを修理したり、また、交換したりする必要が生じる。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、異常検出時に、アクチュエータスイッチを極力損傷することなく、可能な限り製氷運転を自動的に再開することができるセルタイプ製氷機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のセルタイプ製氷機は、駆動モータ(9)の稼働により閉動作位置と開動作位置との間を回動するレバー(8)と、このレバーの回動にともなって、冷却器(3)の製氷室(1)の開口を覆う閉位置と前記製氷室の開口を開放する開位置との間を往復動する水皿(7)と、前記レバーが開動作位置になると開検出位置に切り換わり、前記レバーが閉動作位置になると閉検出位置に切り換わるアクチュエータスイッチ(10)と、前記レバーを閉動作位置から開動作位置に回動させる際に前記駆動モータに正転信号を出力し、一方、前記レバーを開動作位置から閉動作位置に回動させる際に前記駆動モータに逆転信号を出力して、前記駆動モータを制御する制御装置(41)とを備え、初回洗浄工程、この初回洗浄工程の後の排水工程、および、この排水工程の後の製氷工程と離氷工程の繰り返しを具備する製氷運転サイクルを実行する。そして、前記課題を解決するために、制御装置は、駆動モータに正転または逆転の一方の駆動信号を出力してからの経過時間を計測する異常検出用経過時間計測手段と、前記経過時間が予め設定されている異常検出用設定経過時間になる前にアクチュエータスイッチの切り換わりを検知すると正常であると判断する正常判断手段と、前記経過時間が異常検出用設定経過時間になると駆動モータを一旦停止させる異常判断手段と、この異常判断手段が異常であると判断した際に初回洗浄工程を実行させる初回洗浄工程実行手段とを具備している。
【0008】
また、制御装置が、異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、正常判断手段が正常であると判断した際にエラーカウンタをリセットするエラーカウンタリセット手段とをさらに具備している場合がある。
【0009】
また、制御装置が、異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、前記初回洗浄工程が終了した際に前記エラーカウンタをリセットするエラーカウンタリセット手段とをさらに具備している場合がある。
【0010】
そして、制御装置が、異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、エラーカウンタの計数値が予め設定されている設定回数になると、異常であると判断される前に回転していた方向と同じ方向に駆動モータを稼働させ、その後、逆方向に駆動モータを稼働させることを繰り返す間欠運転手段とをさらに具備している場合がある。
【0011】
さらに、制御装置が、異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、エラーカウンタの計数値が予め設定されている設定回数になると、異常であると判断される前に回転していた方向と同じ方向の順方向の信号を駆動モータに、予め設定されている順方向運転設定時間の間出力する順方向の駆動を行った後に、逆方向の駆動信号を駆動モータに、予め設定されている逆方向運転設定時間の間出力する逆方向の駆動を行い、その後、前記順方向の駆動および前記逆方向の駆動を繰り返す間欠運転手段とをさらに具備している場合がある。
【0012】
また、前記間欠運転手段が、前記順方向の駆動と逆方向の駆動との間に、駆動モータを、予め設定されている停止設定時間の間停止させるモータ停止を行っている場合がある。
【0013】
そして、前記順方向運転設定時間と前記逆方向運転設定時間が同じ値である場合がある。
【0014】
さらに、前記順方向運転設定時間および逆方向運転設定時間が1〜10秒である場合がある。
【0015】
そして、前記順方向運転設定時間および逆方向運転設定時間が、閉動作位置から開動作位置への正常時のレバーの移動に要する時間の約1〜20%の範囲である場合がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明におけるセルタイプ製氷機の実施の一形態を図1ないし図9を用いて説明する。図1は本発明にかかるセルタイプ製氷機の製氷部の正面図である。図2は水皿が開いた状態での製氷部の正面図である。図3は冷凍機の冷凍回路の主要部の概略図である。図4は製氷機の制御装置の説明図である。図5は製氷運転サイクルの概略のフローチャートである。図6は初回洗浄工程におけるギアモータの作動のフローチャートである。図7は貯氷工程におけるギアモータの作動のフローチャートである。図8は異常検出および復帰のフローチャートである。図9は図8のフローチャートの続きである。
【0017】
図1および図2において、逆セルタイプ製氷機の製氷室1は、熱伝導性の良い金属たとえば銅、または銅合金、アルミ、またはアルミ合金などで構成され、下面が開口するとともに、内部が仕切り壁で仕切られている。この製氷室1の天壁の上面には、冷却パイプ2が蛇行して配設され固定されている。この冷却パイプ2には冷媒が流れており、製氷室1を冷却することができる。この製氷室1および冷却パイプ2で冷却器3は構成され、セルタイプ製氷機のフレーム4に取り付けられて固定されている。また、製氷室1の下面開口を開閉自在に覆う水皿7は、フレーム4に傾動可能に取り付けられている。さらに、フレーム4に、カムレバー8が回動可能に取り付けられており、駆動モータであるギアモータ9(図4参照)で揺動駆動される。レバー8は第1アーム8aおよび、この第1アーム8aとは反対側の第2アーム8bを具備しており、そして、レバー8の第1アーム8aの端部と、水皿7の先端部との間に、付勢手段であるコイルバネ11が取り付けられている。
【0018】
製氷工程時には、図1に図示するように、レバー8は閉動作位置に回動し、レバー8の第1アーム8aの先端は上方にあり、水皿7は略水平となって、閉位置となる。そして、図1の製氷状態から、レバー8が反時計方向に回動し、レバー8が開動作位置まで回動して、第1アーム8aの先端が下方になると、図2に図示するように、水皿7は時計方向に傾動して開位置となり、離氷状態となる。この状態で、製氷室1から離脱した氷は、図示しない氷貯蔵庫に落下する。逆に、図2の離氷状態から、レバー8が時計方向に回動すると、水皿7は反時計方向に回動して図1の水平状態の閉位置に復動する。レバー8の回動位置は、アクチュエータスイッチ10で検出されている。レバー8が開動作位置から閉動作位置に回動して、第1アーム8aが上方に来ると、第1アーム8aがアクチュエータスイッチ10を右側に押圧し、アクチュエータスイッチ10は閉検出位置に変移して閉位置信号であるON信号を出力する。一方、レバー8が閉動作位置から開動作位置に回動して、第2アーム8bが上方に来ると、第2アーム8bがアクチュエータスイッチ10を左側に押圧し、アクチュエータスイッチ10は開検出位置に変移して開位置信号であるOFF信号を出力する。
【0019】
また、氷貯蔵庫には、満氷検知スイッチ12(図4参照)が設けられており、氷貯蔵庫が満氷になると、満氷検知スイッチ12はONとなり、満氷検知信号であるON信号を出力する。氷貯蔵庫が満氷でない場合には、満氷検知スイッチ12はOFFとなり、非満氷信号であるOFF信号を出力する。
【0020】
さらに、水皿7の下側には、この水皿7と一体に移動する貯水タンク16が設けられており、この貯水タンク16に溜められた水は、循環ポンプ17が駆動すると、水皿7に供給され、製氷室1に噴水する。製氷室1から水皿7へ落下した水は貯水タンク16に戻っており、水は循環している。そして、フレーム4には、貯水タンク16に給水する給水パイプ21が取り付けられ、この給水パイプ21には電磁式の給水弁22が設けられている。また、冷却器3には冷却器温度を検出する冷却器温度センサ26が、また、貯水タンク16には貯水タンク16の水の温度を検出する貯水タンク温度センサ27、および、水位を検出するフロートスイッチである水位スイッチ28が設けられている。水位スイッチ28は、貯水タンク16が満水するとONとなり満水信号であるON信号を出力し、一方、満水水位未満の場合はOFFとなっている。
【0021】
図3に図示するように、セルタイプ製氷機の冷凍サイクルは、前述の冷却器3、圧縮機31、ホットガス切換弁32、凝縮器33、および、膨張弁34などの減圧装置などからなり、冷凍機を構成している。そして、冷却器3、圧縮機31、ホットガス切換弁32、凝縮器33および膨張弁34を順次配管で接続し、冷却器3に戻る回路が冷却回路である。また、ホットガス切換弁32から、膨張弁34と冷却器3との間の配管にホットガス回路36が接続されている。ホットガス切換弁32は、圧縮機31から吐出された冷媒を、ホットガス回路36に流れるように切り換えたり、凝縮器33側すなわち冷却回路側に流れる様に切り換えたりする。そして、凝縮器33は送風機38で空冷されている。
【0022】
ホットガス切換弁32が冷却回路側に切り換わっている状態で、圧縮機31が稼働すると、冷媒は圧縮機31で圧縮されて、ホットガス切換弁32を通って凝縮器33に吐出され、この凝縮器33で放熱されて、膨張弁34などの減圧装置を通って、冷却器3で蒸発して低温となり、製氷室1内に噴水された水を冷却して、製氷室1の内面に氷を生成している。ついで、冷却器3を通過した冷媒は、圧縮機31に戻る。一方、ホットガス切換弁32がホットガス回路36側に切り換わっている状態で、圧縮機31が稼働すると、冷媒は圧縮機31で圧縮されて、高温冷媒であるホットガスとなり、ホットガス切換弁32およびホットガス回路36を通って冷却器3に吐出され、製氷室1内の氷の表面を溶融して製氷室1から離氷させる。ついで、冷却器3を通過した冷媒は、圧縮機31に戻る。このホットガス運転時には、冷媒は凝縮器33および膨張弁34をバイパスして圧縮機31から直接冷却器3に流れている。
【0023】
図4において、セルタイプ製氷機の制御装置41は、マイコンなどで構成され、この制御装置41には、種々の電気部品が接続されているが、本発明に関係する電気部品としては、入力側に、アクチュエータスイッチ10、満氷検知スイッチ12、冷却器温度センサ26、貯水タンク温度センサ27および水位スイッチ28などが接続され、一方、出力側に、循環ポンプ17、ギアモータ9、ホットガス切換弁32、給水弁22および圧縮機31などが接続されている。また、制御装置41は、中央演算装置(CPU)、RAMやROMなどの記憶部を具備しており、記憶部には、各種プログラムや各種設定値が予め記憶されているとともに、中央演算装置(CPU)で、プログラムを実行している。さらに、制御装置41は、経過時間を計測する各種タイマや、異常発生の回数を計数するエラーカウンタ(初期設定は0)などを内蔵している。
【0024】
ところで、セルタイプ製氷機の電源が投入されると、製氷運転サイクルが開始するが、この製氷運転サイクルは、一般的に、図5のフローチャートで図示するように、ステップ0において、セルタイプ製氷機に電源が投入されて開始し、ステップ1の初回洗浄工程、ついで、ステップ2の排水工程、この排水工程の後に、ステップ3の製氷工程、ステップ4の離氷工程を実行し、ステップ5において、制御装置41は、満氷検知スイッチ12がONであるか否かを判定し、OFFの場合には、氷貯蔵庫が満杯となっていないと判断して、ステップ3の製氷工程とステップ4の離氷工程を繰り返す。一方、ステップ5において、満氷検知スイッチ12がONである場合には、制御装置41は氷貯蔵庫が満杯であると判断して、ステップ6に行き、貯氷工程を実行している。このステップ6において、氷貯蔵庫の氷が消費されて、満氷検知スイッチ12がOFFとなると、ステップ3に戻り、再び、ステップ3とステップ4とを繰り返している。この様にして、セルタイプ製氷機の製氷運転サイクルは、初回洗浄工程、この初回洗浄工程の後の排水工程、この排水工程の後の製氷工程と離氷工程の繰り返し、そして、満氷検知スイッチ12がONした後の貯氷工程とからなっている。以下に、製氷運転サイクルの各工程の代表例の概略を説明する。
【0025】
初回洗浄工程は、初期条件として、ギアモータ9を駆動させて、レバー8を閉動作位置に回動して、水皿7を閉じ水平位置とする。この初回洗浄工程の開始時のギアモータ9の作動は後述する。また、圧縮機31は停止している。そして、初回洗浄工程のその後の手順は以下の様にして行われる。(1)制御装置41は給水弁22に開信号を出力し、給水弁22を開けて貯水タンク16に注水する。(2)制御装置41は、水位スイッチ28がONかOFFかをチェックし、ONとなると、貯水タンク16が満水したと判断して、給水弁22に閉信号を出力して給水弁22を閉じさせる。(3)また、制御装置41は、循環ポンプ17に稼働信号を出力し、循環ポンプ17を稼働させ、循環ポンプ17により製氷室1に水を噴水する。(4)制御装置41は噴水開始からの経過時間を計測し、この経過時間が予め記憶部に設定されている洗浄設定時間に達すると、循環ポンプ17に停止信号すなわちOFF信号を出力して、循環ポンプ17を停止させる。
【0026】
この初回洗浄工程の後に排水工程が行われる。この排水工程は以下の手順で行われる。(1)制御装置41はギアモータ9に正転の駆動信号を出力し、ギアモータ9を正転させて、レバー8を開動作位置に回動する。すると、レバー8の第2アーム8bがアクチュエータスイッチ10のスイッチロッドを左側に押圧し、OFFとする。制御装置41は、アクチュエータスイッチ10からOFF信号が入力されると、ギアモータ9へ停止信号を出力し、ギアモータ9を停止させる。そして、レバー8が開動作位置に回動したことにより、水皿7は開いて開位置に変位する。水皿7が開位置に変位すると、貯水タンク16の水は貯水タンク16の外に排水される。(2)ついで、制御装置41は、アクチュエータスイッチ10がOFFに切り換わってから、冷却器温度センサ26で氷がないことが確認されると、ギアモータ9に逆転の駆動信号を出力し、レバー8を閉動作位置に回動する。すると、レバー8の第1アーム8aがアクチュエータスイッチ10を右側に押圧し、ONとする。制御装置41は、アクチュエータスイッチ10からON信号が入力されると、ギアモータ9へ停止信号を出力し、ギアモータ9を停止させる。そして、レバー8が閉動作位置に回動したことにより、水皿7は閉じて閉位置に変位する。
【0027】
この排水工程の後に製氷工程が行われる。この製氷工程は以下の手順で行われる。(1)制御装置41は前もって圧縮機31に稼働信号を出力し、冷凍機を稼働状態とする。なお、この際に、ホットガス切換弁32は冷却回路側に切り換えられている。(2)制御装置41は給水弁22に開信号を出力し、給水弁22を開けて貯水タンク16に注水する。(3)制御装置41は、水位スイッチ28がONかOFFかをチェックし、ONとなると、貯水タンク16が満水したと判断して、給水弁22に閉信号を出力して給水弁22を閉じさせる。(4)また、制御装置41は、循環ポンプ17に稼働信号を出力し、循環ポンプ17を稼働させ、循環ポンプ17により製氷室1に水を噴水する。(5)制御装置41は、貯水タンク温度センサ27が検知した貯水タンク温度を得て、この貯水タンク温度が、予め記憶部に設定されている製氷開始温度(略0℃)以下になったか否かを判断する。(6)制御装置41は、貯水タンク温度が製氷開始温度に達すると、貯水タンク温度が前記製氷開始温度に達してからの経過時間をタイマで計測して、予め記憶部に設定されている製氷完了設定時間に達したか否かを判断する。そして、経過時間が前記製氷完了設定時間に達すると、製氷室1内に完全な氷が生成したと判断する。(7)ついで、制御装置41は循環ポンプ17に停止信号すなわちOFF信号を出力して、循環ポンプ17を停止させて、製氷工程を終了させる。
【0028】
この製氷工程の後に離氷工程が行われる。この離氷工程は以下の手順で行われる。(1)制御装置41はホットガス切換弁32に切換信号を出力し、ホットガス切換弁32をホットガス回路36側に切り換える。なお、圧縮機31は稼働を維持している。(2)(1)と略同時に、制御装置41はギアモータ9に正転の駆動信号を出力し、レバー8を開動作位置に回動する。すると、レバー8の第2アーム8bがアクチュエータスイッチ10のスイッチロッドを左側に押圧し、OFFとする。制御装置41は、アクチュエータスイッチ10からOFF信号が入力されると、ギアモータ9へ停止信号を出力し、ギアモータ9を停止させる。そして、レバー8が開動作位置に回動したことにより、水皿7は開いて開位置に変位する。水皿7が開位置に変位すると、ホットガスにより製氷室1から離脱した氷は氷貯蔵庫に落下する。また、貯水タンク16の水は貯水タンク16の外に排水される。(3)ついで、制御装置41は、アクチュエータスイッチ10がOFFに切り換わった後に、冷却器温度センサ26の検出値により製氷室1の温度が約7℃以上であると判定すると、製氷室1内に氷がないことが確認され、ギアモータ9に逆転の駆動信号を出力し、レバー8を閉動作位置に回動する。すると、レバー8の第1アーム8aがアクチュエータスイッチ10を右側に押圧し、ONとする。制御装置41は、アクチュエータスイッチ10からON信号が入力されると、ギアモータ9へ停止信号を出力し、ギアモータ9を停止させる。そして、レバー8が閉動作位置に回動したことにより、水皿7は閉じて閉位置に変位する。ついで、製氷工程と離氷工程とを、氷貯蔵庫が満氷になるまで、すなわち、満氷検知スイッチ12がONとなるまで繰り返す。
【0029】
そして、離氷工程の際に、満氷検知スイッチ12がONとなると、貯氷工程となり、製氷運転サイクルを一旦停止する。この貯氷工程は、図示しない氷貯蔵庫の氷が使用され、満氷検知スイッチ12がOFFとなるまで行われる。満氷検知スイッチ12がOFFとなると、製氷工程が再開する。この貯氷工程におけるギアモータ9の作動は後述する。
【0030】
この様にして、ギアモータ9は、初回洗浄工程、排水工程、離氷工程および貯氷工程において作動している。そして、排水工程および離氷工程においては、ギアモータ9は、単純に、レバー8を閉動作位置から開動作位置まで正転させ、その後、開動作位置から閉動作位置に逆転させている。しかしながら、初回洗浄工程および貯氷工程では、少し複雑な作動をしているので、以下に説明する。
【0031】
まず、始めに、初回洗浄工程の開始時のギアモータ9の作動のフローを、図6のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ10において、初回洗浄工程が開始すると、ステップ11において、制御装置41は、アクチュエータスイッチ10がON(すなわち、閉検出位置側に切り換わっている)か否かを判定する。そして、ONの場合には、ステップ12に行き、制御装置41はギアモータ9に正転の駆動信号を出力し、ギアモータ9を正転させる。すると、レバー8が正転し、レバー8が開動作位置に達すると、ステップ13において、アクチュエータスイッチ10が切り換わりOFFとなるとともに、水皿7は開位置となる。そして、ステップ14に行く。一方、ステップ11において、アクチュエータスイッチ10がOFF(すなわち、開検出位置側に切り換わっている)と判定された場合には、ステップ12およびステップ13を行わず、直接、ステップ14に行く。
【0032】
ついで、ステップ14において、制御装置41はギアモータ9に逆転の駆動信号を出力し、ギアモータ9を逆転させる。すると、レバー8が逆転し、レバー8が閉動作位置に達すると、ステップ15において、アクチュエータスイッチ10が切り換わりONとなるとともに、水皿7は閉位置となる。また、アクチュエータスイッチ10がONとなると、制御装置41は、ギアモータ9に停止信号を出力し、ギアモータ9を停止させる。そして、ステップ16において、初回洗浄工程の開始時のギアモータ9の作動は終了する。
【0033】
次に、貯氷工程時のギアモータ9の作動のフローを、図7のフローチャートに基づいて説明する。
ところで、貯氷工程は、満氷検知スイッチ12がONとなると、開始する。そして、この満氷検知スイッチ12のチェックは割り込み処理されており、必ずしも離氷工程が完全に終了してから、貯氷工程が実行されるわけではない。そのため、アクチュエータスイッチ10がONとなっているとは限らない。したがって、下記の様なフローとなっている。
【0034】
ステップ20において、離氷工程の際に、満氷検知スイッチ12がONとなって、貯氷工程が開始すると、ステップ21において、制御装置41は、アクチュエータスイッチ10がON(すなわち、閉検出位置側に切り換わっている)か否かを判定する。そして、ONの場合には、ステップ22に行き、制御装置41はギアモータ9に正転の駆動信号を出力し、ギアモータ9を正転させる。すると、レバー8が正転し、レバー8が開動作位置に達すると、ステップ23において、アクチュエータスイッチ10が切り換わりOFFとなるとともに、水皿7は開位置となる。そして、ステップ24に行く。一方、ステップ21において、アクチュエータスイッチ10がOFF(すなわち、開検出位置側に切り換わっている)と判定された場合には、ステップ22およびステップ23を行わず、直接、ステップ24に行く。
【0035】
ついで、ステップ24において、制御装置41は満氷検知スイッチ12がON(すなわち、氷貯蔵庫が満氷になっている)か否かを判定する。そして、ONの場合には、待機する。一方、ステップ24において、満氷検知スイッチ12がOFFであると判定された場合には、ステップ25に行く。ステップ25において、ギアモータ9に逆転の駆動信号を出力し、ギアモータ9を逆転させる。すると、レバー8が逆転し、レバー8が閉動作位置に達すると、ステップ26において、アクチュエータスイッチ10が切り換わりONとなるとともに、水皿7は閉位置となる。また、アクチュエータスイッチ10がONとなると、制御装置41は、ギアモータ9に停止信号を出力し、ギアモータ9を停止させる。そして、ステップ27において、貯氷工程時のギアモータ9の作動は終了し、製氷工程と離氷工程の繰り返しを再開する。
【0036】
上記の様にして、製氷運転サイクルは実行されているが、この製氷運転サイクルにおけるレバー8の回動時に、異常が発生することがある。このレバー8の回動時の異常に関するフローを、図8および図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
前述の様に初回洗浄工程、排水工程、離氷工程および貯氷工程の各工程において、レバー8は回動している。このレバー8が閉動作位置から開動作位置に向かう回転(図1および図2において反時計方向の回転)を正転とし、一方、開動作位置から閉動作位置に向かう回転を逆転とする。そして、異常に関するフローに関しては、正転におけるフローチャートと逆転におけるフローチャートとは同じである。
【0038】
ステップ31において、水皿7を傾動または復動させる時期になると、制御装置41はギアモータ9に正転または逆転の何れか一方の駆動信号を出力する。また、ステップ32において、制御装置41は駆動信号の出力と同時に、異常検出用タイマをリセットし、駆動信号を出力してからの経過時間である異常検出用経過時間の計測を開始する。そして、ステップ33に行く。ステップ33において、制御装置41は、アクチュエータスイッチ10が切り換わったか否かを判定する。そして、切り換わった場合には、レバー8の回転が正常に完了したと判断して、ステップ34に行く。そして、ステップ34において、エラーカウンタをリセット(すなわち、カウント数を0にする)して、ステップ35に行き、次の作業を続行する。
【0039】
一方、ステップ33において、アクチュエータスイッチ10が切り換わっていない場合には、ステップ36に行く。ステップ36において、制御装置41は、上記異常検出用経過時間が、予め記憶部に記憶設定されている異常検出用設定経過時間内か否かを判定する。異常検出用設定経過時間内の場合には、ステップ33に戻り、アクチュエータスイッチ10が切り換わるのを、ステップ33とステップ36とを繰り返しながら待つ。
【0040】
一方、ステップ36において、異常検出用経過時間が、異常検出用設定経過時間を越えると、ステップ37に行く。ステップ37において、制御装置41はエラーカウンタ(初期値=0)のカウント数Nに1加算する。また、ステップ38において、制御装置41はギアモータ9を停止させる。そして、ステップ39において、エラーカウンタのカウント数Nが、予め記憶部に設定されている異常回数設定値Nsになったか否かを判定し、カウント数Nが異常回数設定値Ns未満の場合には、ステップ40に行く。ステップ40において、制御装置41は、製氷運転の最初の工程(すなわち、初回洗浄工程)を実行する。
【0041】
一方、ステップ39において、カウント数Nが異常回数設定値Nsになると、ステップ41に行く。ステップ41において、制御装置41は運転停止用タイマをリセットし、後述のレバー8の間欠運転の経過時間である運転停止用経過時間の計測を開始する。そして、ステップ42に行く。ステップ42において、制御装置41は、ギアモータ9に、ステップ31と同じ方向(以下、「順方向」と呼ぶ)の駆動信号を、予め設定されている順方向運転設定時間(この実施の形態では約5秒間)出力する。ステップ43において、制御装置41はアクチュエータスイッチ10が切り換わったか否かを判定する。そして、切り換わった場合には、レバー8の回転が正常に完了したと判断して、ステップ44に行く。そして、ステップ44において、制御装置41は初回洗浄工程を実行する。
【0042】
一方、ステップ43において、アクチュエータスイッチ10が切り換わっていない場合には、ステップ45に行き、制御装置41はギアモータ9を予め設定されている停止設定時間(この実施の形態では約5秒間)停止させる。ついで、ステップ46に行く。ステップ46において、制御装置41は、ギアモータ9に、ステップ31とは逆の方向(以下、「逆方向」と呼ぶ)の駆動信号を、予め設定されている逆方向運転設定時間(この実施の形態では、順方向運転設定時間と逆方向運転設定時間とは同じであり、約5秒間)出力する。ステップ47において、制御装置41はアクチュエータスイッチ10が切り換わったか否かを判定する。そして、切り換わった場合には、レバー8の回転が正常に完了したと判断して、ステップ48に行く。そして、ステップ48において、制御装置41は初回洗浄工程を実行する。
【0043】
一方、ステップ47において、アクチュエータスイッチ10が切り換わっていない場合には、ステップ49に行き、制御装置41は、上記運転停止用経過時間が、予め記憶部に記憶設定されている運転停止用設定経過時間内か否かを判定する。運転停止用設定経過時間内の場合には、ステップ42に戻り、運転停止用経過時間が運転停止用設定経過時間になるのを、ステップ42からステップ49までの繰り返し(すなわち、レバー8の正逆間欠運転)をしながら待つ。
【0044】
一方、ステップ49において、運転停止用経過時間が、運転停止用設定経過時間を越えると、ステップ50に行き、制御装置41は製氷運転を停止させる。
【0045】
この様に、実施の形態のセルタイプ製氷機は、ギアモータ9に駆動信号を所定の時間(すなわち、異常検出用設定経過時間)出力しているにもかかわらず、アクチュエータスイッチ10が切り換わらない場合には、異常であると判断して、ギアモータ9を停止し、ついで、初回洗浄工程を実行することにより、復帰の可能性を試行している。したがって、アクチュエータスイッチ10が切り換わらない状態で、ギアモータ9に駆動信号を長時間出力し続けることを防止することができる。しかも、この異常時には、サービスコールなどを行わずに、初回洗浄工程を実行することにより、復帰の可能性を試行しており、復帰できる場合には、修理業者が現場に来ることなく、製氷運転を続行することができる。また、この復帰時に、ギアモータ9を逆方向に駆動しておらず、アクチュエータスイッチ10のスイッチロッドを折り曲げることはない。
【0046】
この初回洗浄工程の実行による復帰作動が、所定回数連続して実行されると、正転逆転の間欠運転が実行されて、より強力な復帰作動がなされる。そのため、復帰できない状態で、初回洗浄工程による復帰作動が継続されることを防止することができる。また、正転逆転の間欠運転は、異常検出直前の駆動方向と同じ方向から開始されており、アクチュエータスイッチ10のスイッチロッドを折り曲げることを極力防止している。しかも、間欠運転時における各正転および逆転の運転時間は短く設定されているため、スイッチロッドを押す時間が短く、スイッチロッドが折り曲がることを極力防止することができる。また、正転と逆転との間には、ギアモータ9が停止されており、ギアモータ9が長時間連続して駆動されることを防止することができる。その結果、ギアモータ9が長時間連続駆動により過負荷になることを防止することができる。さらに、間欠運転が所定時間実行されても、復帰できない場合には、運転を停止しており、無駄に復帰作動を続行することを防止している。
【0047】
前述の様にして、制御装置は、(1)駆動モータに正転または逆転の一方の駆動信号を出力してからの経過時間を計測する異常検出用経過時間計測手段、(2)前記経過時間が予め設定されている異常検出用設定経過時間になる前にアクチュエータスイッチの切り換わりを検知すると正常であると判断する正常判断手段、(3)前記経過時間が前記異常検出用設定経過時間になると、駆動モータを一旦停止させる異常判断手段、(4)この異常判断手段が異常であると判断した際に、初回洗浄工程を実行させる初回洗浄工程実行手段などを具備している。
この様に、制御装置は、上記手段以外にも、実行される各作用に対応して各々作用を実行する手段を具備している。また、全ての手段を具備している必要は必ずしもない。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)セルタイプ製氷機の製氷運転サイクルは、初回洗浄工程、排水工程、この排水工程の後の製氷工程と離氷工程の繰り返し、および、氷貯蔵庫が満杯となった後の貯氷工程からなっているが、その各工程の具体的なフローは適宜変更可能である。なお、前記製氷工程は、水皿7が閉位置の状態で製氷室1内に氷を生成する工程であり、また、前記離氷工程は、水皿7を閉位置から開位置にし、ついで閉位置に往復動させて製氷室1から氷を離氷させる工程である。
【0049】
(2)順方向運転設定時間および逆方向運転設定時間である間欠運転設定時間は、間欠運転時にレバーがオーバーランしないように、閉動作位置から開動作位置への正常時のレバーの移動に要する時間の約1〜20%の範囲に設定されることが好ましく、特に、約5〜15%の範囲に設定されることが好ましい。また、閉動作位置から開動作位置への正常時のレバーの移動に要する時間は60秒程度であり、前記間欠運転設定時間は約1〜10秒であることが好ましい。さらに、実施の形態では、停止設定時間は約5秒であるが、適宜変更可能である。ただし、停止設定時間は間欠運転設定時間と略等しいことが好ましい。
(3)制御装置41が異常であると判断した際に、表示装置にその旨を表示させたり、また、警報装置を作動させたりすることが可能である。
【0050】
(4)エラーカウンタのリセットは、ステップ34で行われているが、ステップ34でリセットせずに、初回洗浄工程が終了した際(すなわち、ステップ15の直後)に、エラーカウンタをリセットすることも可能である。なお、エラーカウンタのリセットは、正常に作動したことが確認できた際に行われれば良く、他の時期に行うことも可能である。
(5)各種設定値などは、適宜変更可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、制御装置は、駆動モータに正転または逆転の一方の駆動信号を出力してからの経過時間を計測し、この経過時間が予め設定されている異常検出用設定経過時間になると、異常と判断して駆動モータを一旦停止させ、ついで、初回洗浄工程を実行させている。したがって、異常の発生後、何らかの理由により異常が解消した際や、駆動モータの回転数のバラツキ(特に、一時的な遅れ)などに起因する異常検出の誤作動の際には、再度、初回洗浄工程から自動的に運転を再開することができる。しかも、レバーを逆方向に回転させていないので、アクチュエータスイッチのスイッチロッドを折り曲げることを防止することができる。
【0052】
また、上記異常時の初回洗浄工程の実行回数が設定回数になると、順方向の信号を駆動モータに出力した後に、逆方向の駆動信号を駆動モータに出力することを順次繰り返して、順方向の回転と逆方向の回転とを繰り返す間欠運転を実行している。この間欠運転により、異常が解消することがある。この様にして、初回洗浄工程を実行しても、異常が解消しない際にも、間欠運転を行って、自動的に運転の再開を試行することができる。しかも、間欠運転時には、順方向の運転から開始しているため、アクチュエータスイッチのスイッチロッドを折り曲げることを極力防止することができる。
【0053】
そして、間欠運転の際に、順方向の回転と逆方向の回転との間に駆動モータを停止させているので、駆動モータが長時間連続して駆動していることを防止することができる。その結果、駆動モータが過負荷になることを極力防止することができるとともに、経験的にみて、復帰する確率が向上する。
【0054】
さらに、間欠運転時の、順方向の回転時間および逆方向の回転時間は比較的短いので、アクチュエータスイッチのスイッチロッドが折り曲がることを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる製氷機の製氷部の正面図である。
【図2】図2は水皿が開いた状態での製氷部の正面図である。
【図3】図3は冷凍機の冷凍回路の主要部の概略図である。
【図4】図4は製氷機の制御装置の説明図である。
【図5】図5は製氷運転サイクルの概略のフローチャートである。
【図6】図6は初回洗浄工程におけるギアモータの作動のフローチャートである。
【図7】図7は貯氷工程におけるギアモータの作動のフローチャートである。
【図8】図8は異常検出および復帰のフローチャートである。
【図9】図9は図8のフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 製氷室
3 冷却器
7 水皿
8 レバー
9 ギアモータ(駆動モータ)
10 アクチュエータスイッチ
41 制御装置
Claims (9)
- 駆動モータの稼働により閉動作位置と開動作位置との間を回動するレバーと、
このレバーの回動にともなって、冷却器の製氷室の開口を覆う閉位置と前記製氷室の開口を開放する開位置との間を往復動する水皿と、
前記レバーが開動作位置になると開検出位置に切り換わり、前記レバーが閉動作位置になると閉検出位置に切り換わるアクチュエータスイッチと、
前記レバーを閉動作位置から開動作位置に回動させる際に前記駆動モータに正転信号を出力し、一方、前記レバーを開動作位置から閉動作位置に回動させる際に前記駆動モータに逆転信号を出力して、前記駆動モータを制御する制御装置とを備え、
初回洗浄工程、この初回洗浄工程の後の排水工程、および、この排水工程の後の製氷工程と離氷工程の繰り返しを具備する製氷運転サイクルを実行するセルタイプ製氷機において、
前記制御装置は、前記駆動モータに正転または逆転の一方の駆動信号を出力してからの経過時間を計測する異常検出用経過時間計測手段と、前記経過時間が予め設定されている異常検出用設定経過時間になる前に前記アクチュエータスイッチの切り換わりを検知すると正常であると判断する正常判断手段と、前記経過時間が前記異常検出用設定経過時間になると、前記駆動モータを一旦停止させる異常判断手段と、この異常判断手段が異常であると判断した際に、前記初回洗浄工程を実行させる初回洗浄工程実行手段とを具備していることを特徴とするセルタイプ製氷機。 - 前記制御装置が、前記異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、前記正常判断手段が正常であると判断した際に、前記エラーカウンタをリセットするエラーカウンタリセット手段とをさらに具備していることを特徴とする請求項1記載のセルタイプ製氷機。
- 前記制御装置が、前記異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、前記初回洗浄工程が終了した際に前記エラーカウンタをリセットするエラーカウンタリセット手段とをさらに具備していることを特徴とする請求項1記載のセルタイプ製氷機。
- 前記制御装置が、前記異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、このエラーカウンタの計数値が予め設定されている設定回数になると、異常であると判断される前に回転していた方向と同じ方向に前記駆動モータを稼働させ、その後、逆方向に前記駆動モータを稼働させることを繰り返す間欠運転手段とをさらに具備していることを特徴とする請求項1,2または3記載のセルタイプ製氷機。
- 前記制御装置が、前記異常判断手段が異常であると判断した回数をカウントするエラーカウンタと、このエラーカウンタの計数値が予め設定されている設定回数になると、異常であると判断される前に回転していた方向と同じ方向の順方向の信号を前記駆動モータに、予め設定されている順方向運転設定時間の間出力する順方向の駆動を行った後に、逆方向の駆動信号を前記駆動モータに、予め設定されている逆方向運転設定時間の間出力する逆方向の駆動を行い、その後、前記順方向の駆動および前記逆方向の駆動を繰り返す間欠運転手段とをさらに具備していることを特徴とする請求項1,2または3記載のセルタイプ製氷機。
- 前記間欠運転手段が、前記順方向の駆動と逆方向の駆動との間に、駆動モータを、予め設定されている停止設定時間の間停止させるモータ停止を行っていることを特徴とする請求項5記載のセルタイプ製氷機。
- 前記順方向運転設定時間と前記逆方向運転設定時間が同じ値であることを特徴とする請求項5または6記載のセルタイプ製氷機。
- 前記順方向運転設定時間および逆方向運転設定時間が1〜10秒であることを特徴とする請求項5,6または7記載のセルタイプ製氷機。
- 前記順方向運転設定時間および逆方向運転設定時間が、閉動作位置から開動作位置への正常時のレバーの移動に要する時間の約1〜20%の範囲であることを特徴とする請求項5,6または7記載のセルタイプ製氷機。
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