JP5552322B2 - 製氷機 - Google Patents
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Description
この種の製氷機では、例えば製氷機内部のギヤドモータがロックする等のエラー(異常)が発生した場合に、これを検知してその情報をエラー履歴に記録する機能を有しているものもある。
この発明の実施の形態に係る製氷機の外観を図1に示す。
製氷機1は、氷を作るための水である製氷水を冷却して氷片を生成するための製氷ユニット2と、生成された氷片を貯蔵するための貯氷庫3とから構成されている。この製氷機1は、いわゆるドラム式製氷機と呼ばれるものであり、製氷ユニット2の内部には図示しないギヤドモータによって回転駆動される図示しない円筒ドラムが備えられている。そして、製氷水と円筒ドラム内を流通する冷媒との間で熱交換を行わせることによって製氷水を円筒ドラムの表面に着氷させ、円筒ドラムの表面に成長した氷層を剥離させて氷片を生成する。また、製氷機1は、製氷機1に電力を供給するための供給電源5(この実施の形態では、交流100Vの商用電源)に電源ケーブル4を介して接続されており、供給電源5から供給される電力によって動作する。
コントロールユニット10は、電源回路11と、停電検知回路12と、電圧低下検知回路13と、マイクロコンピュータ14とを有している。ここで、コントロールユニット10の電源コネクタ10aには、供給電源5から出力される100Vの交流電圧V1を、トランス6によって12Vの交流電圧に降圧したものが入力される。
以下、コントロールユニット10の構成要素の詳細について順に説明する。
供給電源5の出力電圧V1が正の値のときは、トランス6の2次側から出力されて電源回路11の入力端子A−A’に入力される電圧も正の値になる。そのため、トランジスタTrのベースに電流が流れ込み、トランジスタTrのエミッタ−コレクタ間が導通して抵抗R2で電圧降下が発生する。その結果、停電検知回路12の出力電圧Vaは0Vになる。一方、出力電圧V1が零又は負の値のときは、トランス6の2次側から出力される交流電圧も零又は負の値になる。そのため、トランジスタTrのベースに電流が流れ込まず、トランジスタTrのエミッタ−コレクタ間は導通しない。その結果、停電検知回路12の出力電圧Vaは5Vになる。つまり、図3に示されるように、供給電源5から交流電圧が出力されている場合には、停電検知回路12の出力電圧Vaは一定周期で5Vから0Vに切り替わり、交流電圧が出力されていない場合には、出力電圧Vaは5Vのままとなる。
供給電源5の出力電圧V1が低下すると、トランス6の2次側から出力されて電源回路11の入力端子A−A’に入力される交流電圧も低下する。そのため、電源回路11の整流回路11aから出力される直流電圧(平滑コンデンサC1にかかる電圧V2)も低下する。その結果、電圧V2を分圧した電圧Vbも低下する。すなわち、電圧低下検知回路14の出力電圧Vbの値を監視することによって供給電源5の電圧低下を検知することができる。
詳細には、マイクロコンピュータ14は、CPU14aと、メモリ14bと、エラー履歴記録遅延用タイマTM1と、停電検知用タイマTM2と、電圧低下検知用タイマTM3とを備えている。メモリ14bには、主制御ルーチン100、割り込み処理ルーチン110、エラー検知サブルーチン120、停電検知サブルーチン130、電圧低下検知サブルーチン140が記憶されている。また、エラーの情報を一時的に格納するためのFIFOバッファ150、及び図4に示されるようなエラーの情報の履歴を記録するためのエラー履歴記録手段であるエラー履歴記録領域160が確保されている。
以下、主制御ルーチン100、割り込み処理ルーチン110、及び3つのサブルーチン120〜140の概略について順に説明する。
製氷機1が起動すると、マイクロコンピュータ14は、図5に示される主制御ルーチン100を繰り返し実行する。
主制御ルーチン100は、まず製氷機1の製氷動作がエラーの発生により停止中であるか調べ(S501)、エラーの発生により停止中である場合には(S501=YES)、ギヤドモータ等の製氷機内部の各種構成部品が正常であるか調べる(S502)。そして、エラーの発生により停止中でない場合(S501=NO)、叉はエラーの発生により停止中であったが各種構成部品が正常である場合(S502=YES)には、製氷動作を行うことが可能であると判断し、貯氷庫3が満氷状態であるか調べる(S503)。貯氷庫3が満氷状態でない場合(S503=NO)には、製氷動作を開始(叉は継続)させ(S504)、満氷状態である場合(S503=YES)には、製氷動作を停止させる(S505)。
製氷機1の起動中には、マイクロコンピュータ14にタイマ割り込みが周期的に発生し、そのタイマ割り込み発生時には図6に示される割り込み処理ルーチン110が呼び出される。
割り込み処理ルーチン110は、初回呼び出し時にのみ停電検知用タイマTM2及び電圧低下検知用タイマTM3をリセットスタートさせた後(S601)、呼び出される度に、エラー検知サブルーチン120、停電検知サブルーチン130、及び電圧低下検知サブルーチン140を呼び出す(S602〜S604)。
割り込み処理ルーチン110からは、図7に示されるエラー検知サブルーチン120が呼び出される。エラー検知サブルーチン120は、製氷機1にエラーが発生した場合にこれを検知して、その情報を所定の遅延時間ΔT(=2秒)経過後にエラー履歴記録領域160に記録する。
詳細には、エラー検知サブルーチン120は、ギヤドモータ等に取り付けられた各種センサからの出力信号を取得し(S701)、FIFOバッファ150内に既に格納されていない新しいエラーが発生しているか調べる(S702)。
ここで、製氷機1に新しいエラーが発生している場合(S702=YES)には、そのエラーの情報をFIFOバッファ150内に追加し(S703)、エラー履歴記録遅延用タイマTM1をリセットスタートさせる(S704)。尚、製氷機1の製氷動作を直ちに停止させるべきエラーが発生している場合には、S703において製氷動作を停止させることによって製氷機1が破損することを防ぐ。次に、タイマTM1がΔT(=2秒)経過しているか調べ(S705)、経過していない場合(S705=NO)には、何も行わずに割り込み処理ルーチン110に処理を戻す(RET)。
その後、割り込み処理ルーチン110からの何回目かの呼び出しの際に、タイマTM1がΔT(=2秒)経過している場合(S705=YES)には、FIFOバッファ150内のエラーの情報をエラー履歴記録領域160に記録する(S706)。そして、タイマTM1をリセットし(S707)、割り込み処理ルーチン110に処理を戻す(RET)。
割り込み処理ルーチン110からは、図8に示される停電検知サブルーチン130が呼び出される。停電検知サブルーチン130は、供給電源5から第1の所定時間T1(=131ミリ秒)に渡って交流電圧が出力されなかった場合に、製氷機1を再起動させる。
ここで、電圧Vaが5Vから0Vに変化した場合(S802=YES)、すなわち供給電源5から交流電圧が出力されていることが確認できる場合には、停電検知用タイマTM2をリセットスタートさせる(S803)。一方、電圧Vaが5Vから0Vに変化しない場合(S802=NO)、すなわち供給電源5から交流電圧が出力されていることが確認できない場合には、停電検知用タイマTM2のカウント動作をそのまま継続させる。次に、タイマTM2がT1(=131ミリ秒)経過しているか調べ(S804)、経過していない場合(S804=NO)には、何も行わずに割り込み処理ルーチン110に処理を戻す(RET)。
その後、割り込み処理ルーチン110からの何回目かの呼び出しの際に、タイマTM2がT1(=131ミリ秒)経過している場合(S804=YES)には、供給電源5の停電が発生したと判断し、ソフトウェアリセットを実行して製氷機1を再起動させる(S805)。
製氷機1が再起動されると、FIFOバッファ150内のエラーの情報はクリアされ、主制御ルーチン100の先頭(図5の先頭)に処理が戻り、割り込み処理ルーチン110が周期的に呼び出される。
尚、供給電源5からT1(=131ミリ秒)に渡って交流電圧が出力されなかった場合に停電が発生したと判断するため、長時間に渡る停電だけでなく、いわゆる瞬時停電も検知することができる。
割り込み処理ルーチン110からは、図9に示される電圧低下検知サブルーチン140が呼び出される。電圧低下検知サブルーチン140は、供給電源5の出力電圧V1が所定の最低許容値Vmin=60Vを第2の所定時間T2(=5ミリ秒)に渡って下回った場合に、製氷機1を再起動させる。
詳細には、電圧低下検知サブルーチン140は、電圧低下検知回路13の出力電圧Vbを取得し(S901)、その値が所定の閾値Vth以上であるか調べる(S902)。尚、所定の閾値Vthは、供給電源5の出力電圧V1が最低許容値Vmin=60Vになったときに電圧低下検知回路13が出力する電圧である。
ここで、電圧Vbが閾値Vth以上である場合(S902=YES)、すなわち供給電源5の出力電圧V1が最低許容値Vmin=60V以上である場合には、電圧低下検知用タイマTM3をリセットスタートさせる(S903)。一方、電圧Vbが閾値Vth未満である場合(S902=NO)、すなわち供給電源5の出力電圧V1が最低許容値Vmin=60V未満である場合には、タイマTM3のカウント動作をそのまま継続させる。次に、タイマTM3がT2(=5ミリ秒)経過しているか調べ(S904)、経過していない場合(S904=NO)には、何も行わずに割り込み処理ルーチン110に処理を戻す(RET)。
その後、割り込み処理ルーチン110からの何回目かの呼び出しの際に、タイマTM3がT2(=5ミリ秒)経過している場合(S904=YES)には、供給電源5の電圧低下が発生したと判断し、ソフトウェアリセットを実行して製氷機1を再起動させる(S905)。
製氷機1が再起動されると、FIFOバッファ150内のエラーの情報はクリアされ、主制御ルーチン100の先頭(図5の先頭)に処理が戻り、割り込み処理ルーチン110が周期的に呼び出される。
これにより、製氷機1の製氷動作を直ちに停止させるべきエラーが発生した場合に、製氷動作を迅速に停止させることができ、製氷機1が破損するのを防ぐことができる。
Claims (1)
- 製氷水を冷却して氷を生成する製氷機において、
製氷機の動作を制御する制御手段と、
製氷機に発生したエラーの情報の履歴を記録するエラー履歴記録手段と、
供給電源の停電を検知する停電検知手段と、
供給電源の電圧低下を検知する電圧低下検知手段とを備え、
前記制御手段は、製氷機に発生したエラーを検知した場合に、該エラーの情報を所定の遅延時間経過後に前記エラー履歴記録手段に記録すると共に、前記停電検知手段によって前記所定の遅延時間よりも短い第1の所定時間に渡って供給電源の停電を検知した場合、及び、前記電圧低下検知手段によって前記所定の遅延時間よりも短い第2の所定時間に渡って供給電源の電圧低下を検知した場合に、製氷機を再起動させ、また前記製氷機に発生したエラーを検知した際に該エラーが製氷機の製氷動作を直ちに停止させるべきエラーである場合には、製氷動作を直ちに停止させることを特徴とする、製氷機。
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