JP4165398B2 - 非接触データ通信機能を有する電子時計及び非接触データ通信システム - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触データ通信機能を有する電子時計及び非接触データ通信システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
磁気カードは、テレフォンカードを始めとして、各種クレジットカード、各小売店が発行するポイントカード、高速道路のハイウェイカード、その他幅広い用途のカードとして広く普及してきた。しかし、容易に偽造されてしまう危険があることが社会的な問題ともなった。そのため、偽造防止の観点、及び個人機密情報の保持、更には記憶容量の増大などを目的として、ＩＣカードが普及しつつある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ＩＣカードであっても読取・書込機に接触させてデータの授受を行う必要がるために、取引時、即ちＩＣカードデータの読み取り／書き込み時に、ＩＣカードを相手または読取・書込機に渡す必要があるため、偽造や機密保持に関して安全とは言い切れなかった。
【０００４】
これに対して近年出現した非接触ＩＣカードは、読取・書込機と非接触でデータの授受ができるため、読取・書込動作の簡便性、及び、安全性が改善したものではあるものの、カード型であるために、依然として紛失の危険はあり、また、使用時には都度ポケット等から取り出すことが必要など煩雑な面もある。
【０００５】
そのため、最近、ユーザが常時携帯する腕時計に上記の非接触ＩＣカード機能を内蔵した製品が実用化されている。この腕時計は、非接触ＩＣカードに内蔵された構造、すなわち、アンテナと、このアンテナを介して外部と非接触データ通信を行う送受信手段とを備えた非接触データ通信部を腕時計のケース体内に組み込んだものである。
【０００６】
しかしながら、上記従来の非接触ＩＣカード機能を内蔵する腕時計においては、ケース体の内部にアンテナを配置することから、ケース体を絶縁材で構成しなければならず、従来から腕時計のケース体素材として頻繁に使用されている金属材料などの導電性素材を用いることができないので、外観デザインに大きな制約が課せられ、特に、高級感に欠ける安価なイメージを拭い去ることができないという問題点があった。
【０００７】
また、ケース体に絶縁材を用いても、ケース体の内外に導電性部材が取り付けられている場合、外部から発せられた電波や腕時計自体から発せられた電波によって当該導電性部材に渦電流（ループ電流）が生ずる場合があり、この渦電流によるエネルギー損失が、通信特性の劣化（例えば通信距離の低下）を招く。このため、ケース体の外部に取り付けられる回転ベゼルや飾り縁、或いは、ケース体の内部に取り付けられる文字板や中枠などのように環状の導電性部材を用いることができないという問題点があった。
【０００８】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、非接触データ通信機能を備えた電子時計であって、通常の時計に要求される性能を低下させずに、ケース体その他の環状の導電性部材を用いても通信機能の低下を抑制できる構造を提供することにある。また、別の目的は、ケース強度を向上させ、或いは、ケースの防水性若しくは密閉性を向上させることにより、非接触データ通信機能を備えた電子時計の信頼性を高めることにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の非接触データ通信機能を有する電子時計は、外部送受信装置と非接触データ通信を行うための非接触通信部と、実質的に環状に構成された導電性部材と、計時手段と、時間情報表示部とを有し、前記非接触通信部は、前記導電性部材の周回軸方向に磁界成分を発生させるアンテナと、前記アンテナを介して非接触データ通信を行う送受信手段とを備え、前記導電性部材は前記計時手段を収納するケース体の一部であり、その周回方向の少なくとも１部に絶縁部を有し、前記絶縁部は、前記導電性部材をその周回方向に電気的に分離する間隙と、この間隙内に配置された非導電性部材とを有することを特徴とする。
【００１０】
本発明によれば、導電性部材の周回方向の少なくとも一部に絶縁部を有するので、この絶縁部の存在によって、導電性部材に周回方向の電流が生ずることを防止できる。したがって、電波を受けたときに導電性部材の周回軸方向に変動する磁界成分に起因して導電性部材の環形状に沿って生ずる渦電流の発生を防止することができるため、非接触データ通信への影響を低減することができる。特に、通常の乗車券機能などを備えた非接触データ通信機能は周囲への影響を低減するために通信圏が限定され、またきわめて微弱な電波で通信を行う場合が多いので、上記渦電流の防止効果はきわめて顕著である。
【００１１】
さらに、本発明においては、導電性部材の周回方向の一部に電気的絶縁作用を果たす間隙が単に構成されているだけではなく、導電性部材の間隙内に非導電性部材が配置されているので、その環形状の剛性を確保し、形状を保持することができることからケース強度を高めることができるとともに、必要に応じてケースの防水性や密閉性を得ることも可能である。例えば、導電性部材の周回方向の一部に間隙を設けただけでは、その間隙によってケース強度が低下するとともに、ケースの防水性や密閉性を確保することも難しくなる。また、その間隙を接着剤等で接着した場合でも、その接着面が剥がれる可能性があり、ケース強度並びにケースの防水性若しくは密閉性を充分に確保することは難しい。本発明においては、間隙の内部に非導電性部材が配置されていることにより、非導電性部材の硬度や弾性率などの機械的特性に応じて導電性部材の剛性を高めることができるとともに、非導電性部材の形状を最適化したり、パッキン等の密封用部材を導電性部材と非導電性部材との間に設けたりすることなどによって、防水性や密閉性を容易に確保することができる。したがって、非接触通信機能を有する電子時計の信頼性を高めることができる。また、非導電性部材が間隙に配置されていることによって、導電性部材の間隙寸法にも自由度が生ずることから、非導電性部材を貫通するように外部操作部材を設けるなど、ケース構造設計上の自由度をさらに高めることが可能になる。
【００１２】
なお、上記の「実質的に環状に構成された」とは、上記間隙及びその内部に配置された非導電性部材が存在しないと仮定すれば、渦電流が発生し得るような閉じた導電路が構成され得る形状に構成されていることを言う。
【００１３】
本発明において、前記非導電性部材は、前記導電性部材に対して前記導電性部材の周回軸方向又は周回半径方向に係合していることが好ましい。間隙内に配置された非導電性部材が導電性部材の周回軸方向又は周回半径方向に係合していることによって、非導電性部材を導電性部材に取り付ける際の位置決めが容易になるとともに、導電性部材が非導電性部材によって導電性部材の周回軸方向又は周回半径方向に支持されることとなるため、導電性部材の強度をさらに高めることができる。
【００１４】
また、前記非接触通信部を収容する絶縁性の内側ケースを有し、前記導電性部材は前記内側ケースの外面に取り付けられていることが好ましい。絶縁性の内側ケース内に非接触通信部が配置されているため、電気的短絡や通信障害を防止することができるとともに、内側ケースの外面に導電性部材が取り付けられていることにより、外装デザインの自由度を高めることが可能になる。ここで、導電性部材は、内側ケースの全体を覆うように取り付けられていることが外観上の高級感を得る上で好ましい。
【００１５】
さらに、前記導電性部材は、前記時間情報表示部の周囲に配置されていることが好ましい。このような導電性部材としては、ベゼル（回転ベゼル）、飾り縁、ガラス縁などが挙げられる。
【００１６】
特に、前記非導電性部材は、実質的に環状に構成された導電性部材と重なるように構成された環状枠部と、この環状枠部から突出した絶縁嵌合部とが一体に構成されてなるものであることが好ましい。このようにすると、導電性部材に重なる環状枠部の存在によって絶縁嵌合部を導電性部材の間隙内に高い取付強度で取付配置することが可能になる。また、導電性部材がケース体そのものである場合には、環状枠部をケース体の内側に重ねるように（すなわちケース体の内側にもう一つの非導電性部材からなるケースが存在するように）構成することによって、さらに高い防水性、密閉性、耐衝撃性を得ることが可能になる。
【００１７】
前記アンテナはループアンテナであることが好ましい。この場合には、前記導電性部材の周回軸方向と、前記ループアンテナのループ軸方向とが略一致していることが望ましい。これにより、ループアンテナのループ内に電磁波（特に変動する磁界成分）が伝播しやすくなるので、通信感度及び通信距離を増大させることができる。また、導電性部材がループアンテナのシールドとして作用することとなるので、シールドループアンテナとして機能する。さらに、ループアンテナを使用すれば、バーアンテナなど同程度の性能を有する他のアンテナと比較して、本発明の使用する周波数帯においては、電子時計の小型化を図ることができる。
【００１８】
本発明において、前記導電性部材は、前記非接触通信部を収容するケース体である場合がある。これにより、ケース体の絶縁部以外の部分を導電性素材で構成することができるので、外形デザインの自由度を高め、高級感を出すことが可能になる。また、金属素材を用いることができるので、ケース体の強度を向上させることができる。
【００１９】
本発明において、前記ケース体は略環状に構成され、前記時間情報表示部は、前記ケース体の軸線方向の一側に配置され、少なくとも一部が絶縁体で構成されていることが好ましい。時間情報表示部の少なくとも一部が絶縁体で構成されていることによって、ケース体の略環形状の開口を通して電磁波が伝播可能になり、非接触データ通信も可能になる。この場合、時間情報表示部全体が絶縁体で構成されていることが望ましい。
【００２０】
本発明において、前記ケース体の軸線方向の他側に（すなわち、時間情報表示部の反対側に）、少なくとも一部が絶縁体からなる閉鎖部材を備えることが好ましい。閉鎖部材の少なくとも一部を絶縁体で構成することによって、通信感度及び通信圏を増大することができる。特に、閉鎖部材のうち少なくともケース体の環形状に重なる部分を除いた部分、すなわちケース体の開口と重なる部分、を絶縁体で構成することが望ましい。閉鎖部材としては裏蓋が挙げられる。
【００２１】
また、前記閉鎖部材は、前記軸線方向に開口した環状の導電性の蓋枠部と、前記蓋枠部の開口を封鎖するように取り付けられた絶縁性の閉蓋部とを有する場合がある。このようにすると、蓋枠部に金属などの導電性素材を用いることができるので、閉鎖部材の強度を高めることができるとともに、外観（特に側面）のデザインの自由度も向上し、高級感を出すことが可能になる。
【００２２】
このとき、前記蓋枠部には、開口周りを周回する方向の少なくとも一部に、その周回方向の電気的絶縁を確保するための絶縁部が設けられていることが好ましい。蓋枠部にも絶縁部を設けることによって、蓋枠部に生ずる渦電流も低減できるので、非接触データ通信への影響をさらに低減できる。
【００２３】
なお、上記電子時計内には、前記送受信手段による通信結果に基づいて内容の記録や更新を行う内部メモリを備えていることが好ましい。これによって各種の決済システムなどを容易に構成することが可能になる。
【００２４】
また、本発明の別の非接触データ通信機能を有する電子時計は、外部送受信装置と非接触データ通信を行うための非接触通信部と、実質的に環状に構成された導電性部材と、計時手段と、時間情報表示部とを有し、前記非接触通信部は、前記導電性部材の周回軸方向に磁界成分を発生させるアンテナと、前記アンテナを介して非接触データ通信を行う送受信手段とを備え、前記非接触通信部及び前記計時手段を収納する絶縁ケースを有し、前記導電性部材は、前記絶縁ケースを覆うように取り付けられ、その周回方向の少なくとも１部に、前記導電性部材を前記周回方向に電気的に分離する間隙を備えた絶縁部を有することを特徴とする。
【００２５】
この発明によれば、導電性部材に間隙を備えた絶縁部を設けることにより、導電性部材に渦電流が発生することが防止されるため、非接触通信手段の送信強度又は受信強度の低下を抑制できる。また、絶縁ケースを覆うように取り付けられた導電性部材によって外装デザインの自由度を確保することができる。また、絶縁ケースを構成することによってケース強度或いはケースの防水性若しくは密閉性を容易に確保することができるため、電子時計の信頼性を高めることができる。
【００２６】
前記導電性部材は、前記絶縁ケースを覆うように取り付けられ、その周回方向の少なくとも１部に、前記導電性部材を前記周回方向に電気的に分離する間隙を備えた絶縁部を有することを特徴とする非接触データ通信機能を有する電子時計
さらに、本発明の非接触データ通信システムは、上記いずれかに記載の非接触データ通信機能を有する電子時計と、前記電子時計と非接触データ通信を行う外部送受信装置と、を有することを特徴とする。
【００２７】
この発明によれば、外部送受信装置との非接触データ通信を、金属等からなる環状の導電性部材或いは少なくとも一部が導電性素材で構成されたケース体を用いた電子時計にて行うことができる。
【００２８】
また、電子時計は、非接触データ通信の通信状態、通信内容、通信結果などを表示する表示手段を有することが好ましい。この表示手段は、上記の時間情報表示、通話状態表示なども表示可能に構成されていることが望ましい。
【００２９】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る非接触データ通信機能を備えた電子時計の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する各実施形態は、いずれも非接触データ通信機能を備えた電子時計の具体的構成（腕時計）を示すものである。ただし、本発明は、腕時計に限らず、懐中時計などの他の電子時計にも同様に適用できるものである。
【００３０】
［第１実施形態］図１は、本実施形態の電子時計１００を対象とした非接触データ通信システムの全体構成を示す斜視図である。この非接触データ通信システムは、電子時計１００と、この電子時計１００と非接触データ通信を行うことのできる外部送受信装置５１０とを有する。図示例では、外部送受信装置５１０は、電車やリフトへの搭乗時等に通過すべき通門位置（改札口等）に設置されるゲート装置５００に組み込まれたものを示してある。
【００３１】
上記電子時計１００と外部送受信装置５１０との間の非接触データ通信は、一般的に１３．５６［ＭＨｚ］又は１２５［ｋＨｚ］の搬送波（キャリア信号）を用い、双方の装置の送信出力を低く制限して行われる微弱無線通信である。したがって、外部送受信装置５１０から通常数センチ程度の距離の範囲が通信可能範囲になるので、ゲートＧを通過する直前に、双方向データ通信を行うためにユーザは電子時計１００を外部送受信装置５１０のアンテナに近接させる必要がある。
【００３２】
（外部送受信装置の構成）図２は、ゲート装置５００内に組み込まれた外部送受信装置５１０の構成を示すブロック図である。この外部送受信装置５１０において、制御装置５１１は外部送受信装置５１０全体を制御する。送信回路５１２は、制御装置５１１の制御下で送信制御信号を生成し出力する。受信回路５１３は、アンテナ５１５にて捕捉された受信信号を、高周波回路５１４を介して受け取り、この受信信号から受信データを復調して制御装置５１１に出力する。高周波回路５１４は、上記送信制御信号に基づいて送信信号を生成してアンテナ５１５を介して電子時計１００に送信するとともに、アンテナ５１５によって受信された電子時計１００からの受信信号を受信回路５１３に出力する。
【００３３】
なお、図２には、上記電子時計１００とともに、後述する第２実施形態に係る電子時計２００をも示してあるが、この電子時計２００については後述する。
【００３４】
（非接触通信部の構成）図３は、電子時計１００の非接触データ通信機能を有する非接触通信部１１０の構成を示すブロック図である。この電子時計１００の非接触通信部１１０においては、アンテナ１１１と、このアンテナ１１１を介して通信を行う送受信手段１１０ＲＦとを有する。アンテナ１１１は、所定方向に向いたループ軸１１１ａを備えた周回状のループ形状に構成されている。この非接触通信部１１０は、例えば、ＩＳＯ１４４４３等の非接触ＩＣカード規格を用いて構成することができる。
【００３５】
送受信手段１１０ＲＦは、上記アンテナ１１１の両端に接続された同調用コンデンサ１１２と、集積回路（ＩＣ）等からなる通信モジュール１１０ＩＣの一部（送受信回路部分）とから構成されている。
【００３６】
通信モジュール１１０ＩＣは、上記アンテナ１１１に接続された整流回路１１３と、アンテナ１１１に接続され、アンテナ１１１で受信された受信信号を復調して受信データを出力する受信回路１１４と、アンテナ１１１に接続され、送信データを変調して送信信号を生成し、アンテナ１１１へ送る送信回路１１５と、発振回路等から出力されたクロック信号を元に所定の基準信号を生成する基準信号生成回路１１６と、基準信号生成回路１１６から送出された基準信号を受け、受信データのデータ列から受信データ内容を取り出すとともに、送信データ内容を受けて送信データを形成する変換処理回路１１７と、変換処理回路１１７から受信データ内容を受けるとともに、変換処理回路１１７へ送信データ内容を出力する中央制御回路１１８と、中央制御回路１１８の制御下において送信データの暗号化及び受信データの解読を行う暗号処理回路１１９と、ＩＤ番号やデータ内容の記録を行う不揮発性メモリ等からなるメモリ１１０Ｍとを有している。
【００３７】
ここで、整流回路１１３はアンテナ１１１にて受信された搬送波（キャリア信号）から電力を取り出し、この電力を、図示しない電源ラインを通じて各回路へと送るように構成されている。なお、このような受信信号から生成した電力を供給する電力供給形態ではなく、機器に内蔵された電池等の電源から電力を供給するように構成してもよい。また、メモリ１１０ＭはＥＥＰＲＯＭやフラッシュメモリ等の書き換え可能メモリであることが好ましい。また、電子時計内に固定されたメモリの代りに、或いは、当該固定されたメモリに加えて、メモリカードなどのリムーバブルメディアを設けてもよい。また、暗号処理回路１１９は、ＤＥＳ（Ｄａｔａ Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ Ｓｔａｎｄａｒｄ）、ＲＳＡ（Ｒ．Ｌ．Ｒｉｖｅｒｓｔ，Ａ．Ｓｈａｍｉｒ，Ｌ．Ａｄｅｌｍａｎ）等の暗号処理機能を備えている。
【００３８】
（時間情報表示処理機能部分の構成）図４は、電子時計１００の本体機能を実現するための構造（計時手段及び時間情報表示部を含む時間情報表示処理部）を示す概略ブロック図である。電子時計１００は上記のような非接触データ通信機能のみを備えたものであっても構わないが、本実施形態の場合、電子時計本来の時間情報表示機能をも有している。この機能を実現する構成には、ウォッチＣＰＵ１４と、指針駆動部１８とが含まれている。
【００３９】
ウォッチＣＰＵ１４は時計機能（時間情報表示機能）全体を制御するものであり、例えば、指針などの時間情報表示手段の駆動制御、後述する巻真などの外部操作手段による操作に応じた表示態様や内部時間の制御などを行う。
【００４０】
また、指針駆動部１８は、駆動回路１８Ａと駆動機構１８Ｂとを含む。駆動機構１８Ｂは、駆動回路１８Ａから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル３１１と、この駆動コイル３１１によって励磁されるステータ３１２と、ステータ３１２の内部において励磁される磁界により回転するロータ３１３とによって構成されるステッピングモータ３１０を備えている。ステータ３１２には、駆動コイル３１１で発生した磁力によって異なった磁極がロータ３１３の回りにある対向部３１５，３１６に発生するように、磁気飽和部３１７が設けられている。また、ロータ３１３の回転方向を規制するために、ステータ３１２の内周の適宜の位置には内ノッチ３１８が設けられている。この構成において、駆動コイル３１１によってステータ３１２が励磁されると、コギングトルクがロータ３１３に発生し、ロータ３１３は適宜の位置に停止する。ステッピングモータ３１０のロータ３１３の回転は、ロータ３１３に噛合された５番車３５１、４番車３５２、３番車３５３、２番車３５４、日の裏車３５５及び筒車３５６を有する輪列３５０によって各指針に伝達される。
【００４１】
上記４番車３５２の軸には秒針３６１が接続され、２番車３５４には分針３６２が接続され、さらに、筒車３５６には時針３６３が接続されており、ロータ３１３の回転に連動してこれらの各針によって時刻（時間情報）が表示される。
【００４２】
駆動回路１８Ａは、ウォッチＣＰＵ１４からの駆動指令に従ってステッピングモータ３１０に様々な波形の駆動パルスを供給する回路である。この駆動回路１８Ａは、ｐチャネルＭＯＳトランジスタ３３３ａ、ｎチャンネルＭＯＳトランジスタ３３２ａ、ｐチャンネルＭＯＳトランジスタ３３３ｂ及びｎチャンネルＭＯＳトランジスタ３３２ｂによって構成されたブリッジ回路を備えている。ステッピングモータ３１０の駆動用コイル３１１は、ｐチャンネルＭＯＳトランジスタ３３３ａ及びｎチャンネルＭＯＳトランジスタ３３２ａの接続点と、ｐチャンネルＭＯＳトランジスタ３３３ｂ及びｎチャンネルＭＯＳトランジスタ３３２ｂの接続点との間に介挿されている。これらのＭＯＳトランジスタ３３２ａ，３３２ｂ，３３３ａ及び３３３ｂの各ゲート電極にウォッチＣＰＵ１４から制御パルスが印加されることにより、駆動コイル３１１に駆動パルスが供給され、ロータ３１３が駆動される。
【００４３】
（電子時計の構造）本実施形態の電子時計１００は、図５及び図６に示すように、ケース体１０１と、このケース体１０１の前面側開口部１０１Ａに取り付けられた表示窓１０２と、ケース体１０１の背面側開口部１０１Ｂに取り付けられた裏蓋１０３と、ケース体１０１内に配置されたムーブメント（時計情報表示処理部）１０４と、ムーブメント１０４に対して接続された巻真（操作軸）１０５と、巻真１０５の外端に取り付けられた竜頭（外部操作部材）１０６と、表示窓１０２の内側に配置された文字板１０７と、文字板１０７の背面側に固定された環状の基板１０８とを備えている。表示窓１０２はシースルー構造となっており、透光性及び電気絶縁性を有する材質で構成される。この材質としてはサファイアやポリカーボネートなどを用いることができる。これによって渦電流の発生を防止できる。
【００４４】
ここで、ムーブメント（計時手段を含む時間情報表示処理部）１０４には、上記図４を参照して説明したウォッチＣＰＵ１４、駆動回路１８Ａ及び駆動機構１８Ｂが内蔵されている。ムーブメント１０４には、必要に応じて、電池や大容量キャパシタ等の電源が内蔵されていてもよい。また、上記表示窓１０２、文字板１０７及び上記の秒針３６１、分針３６２及び時針３６３等の指針部分によって表示部が構成される。
【００４５】
基板１０８は必要に応じてガラス繊維やガラス織布などで強化されたエポキシ樹脂やフェノール樹脂等からなるプリント配線基板やポリイミド樹脂等からなるフレキシブル配線基板などで構成される。環状の基板１０８の表裏両面上にはループ状（図示例では表裏それぞれに２周ずつ巻回された状態となっている）のアンテナ１１１が形成されている。この図示例では、アンテナ１１１は、基板１０８上に固着された銅箔などの導電パターンによって構成されている。
【００４６】
また、アンテナ１１１は図中において数周巻回されたループ状に形成されているが、ループアンテナとしてのターン数や形状は任意である。より具体的には、搬送波の周波数が１３．５６［ＭＨｚ］である場合には２〜３ターンのループアンテナでよく、また、周波数１２５［ｋＨｚ］の場合には数百ターンの巻数が必要となる。
【００４７】
ループアンテナは開口面積が大きい程アンテナゲインが向上するので、アンテナ１１１はケース体１０１の内周部に沿って（内周部に近接して）形成することが好ましい。本実施形態では、基板１０８はケース体１０１の内面に沿った環状に形成され、この基板１０８上の外周側にアンテナ１１１のループが形成されている。基板１０８の環形状の内側に設けられた開口部内には、上記ムーブメント１０４が配置されている。
【００４８】
また、基板１０８上には上記の通信モジュール１１０ＩＣが実装され、アンテナ１１１の両端に接続されている。なお、アンテナ１１１と接続された同調用コンデンサ１１２もまた基板１０８上に実装されているが、図示を省略してある。
【００４９】
本実施形態において、ケース体１０１は、図８にも模式的に示すように、前面側開口部１０１Ａと背面側開口部１０１Ｂとを有する概略環状に形成された金属（ステンレス、黄銅、チタンなど）等の導電性部材となっている。そして、ケース体１０１には、上記開口部１０１Ａ，１０１Ｂの周囲を周回する方向に見たときにケース体を周回方向に絶縁する絶縁部として、ケース体の周回方向の一部を完全に切断するように構成された間隙１０１Ｇが設けられている。すなわち、ケース体１０１は間隙１０１ＧによりＣ字型の平面形状を備えている。ケース体１０１の周回方向における間隙１０１Ｇの幅（厚み）は、後述する渦電流の発生を防止或いは低減できればよいので、１ｍｍ未満、例えば０．１ｍｍ〜１．０ｍｍ程度の僅かなものであってもよい。なお、間隙は１３．５６［ＭＨｚ］の搬送波を用いる場合、０．５ｍｍ以上あることが絶縁性を十分に確保する上で好ましいことが確認されている。
【００５０】
この間隙１０１Ｇ内には合成樹脂等の絶縁体で構成された非導電性部材である絶縁材１０９が配置されている。ここで、絶縁材１０９はケース体１０１の側方から見たときに逆Ｔ字状に構成され、間隙１０１Ｇに嵌合した状態で取付ねじ１０９ａによってケース体１０１に固定されている。すなわち、絶縁材１０９は、ケース体１０１に対してケース体１０１の軸線方向（周回軸方向）に係合している。この絶縁材１０９は、間隙１０１Ｇに嵌合されたときに正規の位置に位置決めされる。また、ケース体１０１の前面上には、外形デザインの見栄えをよくするために、上記取付ねじ１０９ａと同様の頭部デザインを備えたねじ（或いは、そのねじの頭部と同じ外観を備えた部品）が９０度間隔で取付ねじ１０９ａに対して回転対称となる位置（１２時側、６時側、９時側）に配置されている。なお、ケース体１０１と絶縁材１０９とは接着や溶着などの方法によって相互に固定されていてもよい。また、より具体的には、間隙１０１Ｇはケース体１０１の３時側外周位置に形成され、この間隙１０１Ｇ内に配置された絶縁材１０９に、上記巻真１０５を貫通させるための貫通孔が形成されている。
【００５１】
また、本実施形態では、上記アンテナ１１１とケース体外部との間の電波の伝播を可能にするために、ケース体１０１の軸線方向の一方の側に配置された文字板１０７と、ケース体１０１の軸線方向の他方の側（文字板１０７の反対側）に配置された裏蓋１０３とは、いずれも合成樹脂やセラミックスなどの絶縁体で構成されている。これによってアンテナ１１１の開口内に有効に電波の電磁界が形成されるので、良好な通信状態を得ることができる。
【００５２】
なお、後述するように非接触データ通信時の通信内容を表示する場合には、当該通信内容を表示する表示手段として、図６に２点鎖線にて示すように、基板１０８上に液晶表示パネル等からなる表示体１１０ＤＰを実装し、この表示体１１０ＤＰの表示面を露出させる開口部を文字板１０７に設けることが好ましい。これによって、文字板１０７の開口部から露出する表示体１１０ＤＰの表示面に表示された表示内容を視認することが可能になる。
【００５３】
（電子時計１００の動作）次に、電子時計１００の動作について説明する。図７は、電子時計１００と外部送受信装置５１０との間の非接触データ通信の手順を示すシーケンス図である。
【００５４】
図７に示すように、外部送受信装置５１０は、通常、調歩同調プロトコルによりポーリング信号（通信要求）を例えば所定周期で繰り返し送信している（ステップＳ１０１）。より具体的には、外部送受信装置５１０の制御装置５１１は、送信回路５１２にポーリング信号を生成させ、高周波回路５１４及びアンテナ５１５を介してポーリング信号を送信し続けている。電子時計１００（腕時計型電子機器）は、外部送受信装置５１０の通信圏内に入って上記ポーリング信号を受信すると、通信を開始する。通信に際しては、最初に相互認証のためのデータを外部送受信装置５１０へ送り（ステップＳ１０２）、これによって相互認証期間Ｔ０１に移行する。外部送受信装置５１０は、電子時計１００が自己の通信圏内に入ったことを検出し、相互認証のためのデータを電子時計１００に送信する（ステップＳ１０３）。このデータを受信した電子時計１００は、相互認証が完了した旨の応答データを外部送受信装置５１０へ送信する（ステップＳ１０４）。
【００５５】
上記のようにして相互認証が完了すると、読み込み期間Ｔ０２へ移行し、外部送受信装置５１０は、電子時計１００からデータを読み込むべく、読み込み要求データを送信する（ステップＳ１０５）。これにより、電子時計１００は、読み込み要求データに対応するメモリ１１０Ｍ（図３参照）内のメモリアドレスから対応するデータを読み出し、外部送受信装置５１０に送信する（ステップＳ１０６）。
【００５６】
上記のようにして電子時計１００からのメモリデータが外部送受信装置５１０にて受信されると、判定期間Ｔ０３へ移行する。この判定期間Ｔ０３においては、外部送受信装置５１０は、受信したデータから乗車券、プリペイドカードなどのデータ種類や有効期限などを認識し、当該内容が受け入れ可能なものか否かを判定する（ステップＳ１０７）。
【００５７】
上記判定が完了すると、外部送受信装置５１０は書き込み期間Ｔ０４に移行し、乗車の有無や払い出し額などのデータを電子時計１００に送信する（ステップＳ１０８）。これにより、電子時計１００は、上記データを受信した旨を知らせるための応答データを外部送受信装置５１０へ送信する（ステップＳ１０９）。
【００５８】
以上の手順によって通信は完了し、電子時計１００は内部処理期間Ｔ０５に移行する。この期間Ｔ０５においては、メモリ１１０Ｍの対応するメモリアドレスに、上記ステップＳ１０８にて送られてきたデータ内容を書き込み、必要事項の記録（乗車記録）や更新（残高データなど）を行う。一方、外部送受信装置５１０は、この期間Ｔ０５において、上記ステップＳ１０９にて電子時計１００から送信された応答データを確認し、その後、次のポーリング処理に備えることとなる（ステップＳ１１０）。
【００５９】
なお、上記の相互承認期間Ｔ０１、読み込み期間Ｔ０２、判定期間Ｔ０３、書き込み期間Ｔ０４及び内部処理期間Ｔ０５を含む相互処理期間Ｔ１０においては、例えば、上記図６に２点鎖線で示す表示体１１０ＤＰを設けた場合、この表示体１１０ＤＰに通信状態、通信処理段階、或いは、通信処理内容（乗車記録などの記録や残高データ若しくは払い出しデータなど）の表示を行うようにしてもよい。また、後述する第２実施形態のように液晶表示パネルなどの表示体が時間情報をも表示するように構成されている場合には、相互処理期間Ｔ１０において時間情報の表示を一時的に停止してもよい。このとき、時間情報の代りに、上記通信状態、通信処理段階、或いは通信処理内容などを表示するようにしても構わない。
【００６０】
以上説明した実施形態においては、図８に示すように、導電体であるケース体１０１の環形状の一部に絶縁部である間隙１０１Ｇが設けられている。これは、ケース体１０１の環形状の軸線１０１ａの延長方向に磁束が伸びる方向の磁界が増減したときに生ずる渦電流（ループ電流）の発生を防止して、上記非接触データ通信の送受信電波の送信強度及び受信感度の低下を抑制するためである。
【００６１】
すなわち、環状のケース体１０１が導電体にて形成されていて、しかも、上記のような間隙が設けられていない場合には、図９に示すように、外来電波若しくはアンテナ１１１によって生ずる電波に起因して、ケース体１０１近傍の磁界Ｈが周期的に変動すると、ケース体１０１の開口を通過する磁束が変化するので、電磁誘導によって渦電流（ループ電流）Ｉが発生する。この渦電流Ｉは電波のエネルギーを消費するので、ケース体１０１内に配置されたアンテナ１１１の受信感度を低下させるとともに、アンテナ１１１から送信される電波の強度を低下させる。特に、図８に示すケース体１０１の軸線１０１ａと、図３に示すアンテナ１１１のループ軸１１１ａとがほぼ平行に設置されている場合には上記渦電流Ｉによる影響は非常に大きくなる。
【００６２】
これに対して、本実施形態の場合には、図１０に示すようにケース体１０１に絶縁部である間隙１０１Ｇが設けられているので、上記渦電流Ｉは発生せず、従って電波のエネルギー損も低減され、通信時の送信強度や受信感度の低下も抑制することができる。また、ケース体１０１の環形状の軸線と、アンテナ１１１のループ軸とが略一致しているので、より具体的には、環形状のケース体１０１の内側にアンテナ１１１のループが存在するので、ケース体１０１がアンテナ１１１のシールドとして作用し、例えば特開昭５６−２７５０９号公報で開示されているような、公知であるシールドループアンテナとして機能することになる。
【００６３】
さらに、本実施形態の非接触データ通信において用いる周波数帯が略４０［ｋＨｚ］〜６００［ＭＨｚ］の範囲内である場合には、アンテナ１１１をループアンテナで構成していることにより、電子時計の小型化を図ることが可能になる。
【００６４】
［第２実施形態］次に、図１１を参照して、本発明に係る第２実施形態の電子時計２００について説明する。この実施形態でも、図１及び図２に示す外部送受信装置５１０との非接触データ通信を行うように構成されているので、外部送受信装置５１０の構成についての説明は省略する。
【００６５】
電子時計２００は、金属等の導電性部材からなるケース体２０１と、ケース体２０１の前面側開口部に取り付けられた表示窓２０２と、ケース体２０１の背面側開口部に取り付けられた、絶縁体よりなる裏蓋２０３と、ケース体２０１の内部に配置された回路基板２０４とを備えている。また、この回路基板２０４上には、時計用ＩＣ２０５と、液晶パネル等からなる表示体２０６と、クロック生成用の水晶発振器２０７とが実装され、また、化学２次電池やキャパシタ等からなる蓄電池２０８が装着されている。すなわち、この電子時計２００は表示体２０６を備えたデジタル表示型の電子時計となっている。
【００６６】
回路基板２０４の表面上にはループ状のアンテナ２１１が形成され、また、回路基板２０４の裏面上には、第１実施形態と同様の通信モジュール２１０ＩＣが実装されている。
【００６７】
この実施形態では、ケース体２０１の環形状の一部が切断された構造となっていて、その間隙内に合成樹脂等からなる絶縁材２０９が固定されている。したがって、ケース体２０１が導電性素材によって構成されていても、上記第１実施形態と同様の理由により、ケース体２０１の内部に配置されたアンテナ２１１による送受信への影響が低減される。
【００６８】
［変形例１］次に、図１２を参照して、上記各実施形態の変形例１について説明する。図１２は上記第１実施形態の電子時計１００の変形例における外装部材の構造を模式的に示す分解斜視図である。ここで、図示以外の部分は第１実施形態と全く同様である。
【００６９】
この変形例１においては、前面側開口部１０１Ａ’及び背面側開口部１０１Ｂ’を有する環状のケース体１０１’と、第１実施形態と同様の表示窓１０２及び裏蓋１０３とを備えている。ケース体１０１’の前面側の外面部には、ベゼル１０１Ｒが装着できるように構成されている。ベゼル１０１Ｒはリング形状を有する金属等の導電性素材で構成されているが、その環形状の一部が切断された構造となっており、その間隙内にセラミックスや貝材などの絶縁体からなる絶縁材１０１Ｓが配置固定されている。
【００７０】
この変形例１においては、ベゼル１０１Ｒが導電性素材で構成されているが、その一部が切断された構造となっていて絶縁されているので、ベゼル１０１Ｒに渦電流が生ずることを防止でき、上記と同様にケース体１０１’内に配置されるアンテナを介した非接触データ通信に対する影響を低減できる。ここで、ベゼル１０１Ｒの間隙内には絶縁材１０１Ｓを配置させずに、そのまま間隙が残るように構成されていてもよい。
【００７１】
また、ケース体１０１’には、絶縁材１０９’が取り付けられているが、絶縁材１０９’は、ケース内側に環状に構成された環状枠部１０９ａ’と、この環状枠部１０９ａ’と一体的に構成され、ケース体１０１’の間隙内に配置される絶縁嵌合部１０９ｂ’とを有する。このように、絶縁材１０９’に、ケース体１０１’の内側に環状に構成された環状枠部１０９ａ’を設けることにより、ケース体１０１’と絶縁材１０９’との間の密閉性を高めることができ、防水性を向上させることができる。特に、環状枠部１０９’がケース体１０１’の内面の全てを覆うように構成されていることによって、ケース内部にケース体と絶縁材との接合面が露出しなくなるので、密閉性、防水性、耐衝撃性をさらに高めることができる。なお、この場合、ケース体としては、裏蓋に相当する底部をも一体的に備えたワンピース型の構成を備えたものであっても構わない。このとき、環状枠部１０９ａ’はワンピース型のケース体の底部内面をも全て覆うように蓋付き形状となっていてもよい。
【００７２】
この変形例の絶縁材１０９’もまた、ケース体１０１’に対してケース体１０１’の軸線方向（周回軸方向）に係合している。また、この絶縁材１０９’はケース体１０１’の内面に係合する環状枠部１０９ａ’が設けられているため、ケース体１０１’の半径方向（周回半径方向）にも係合していることになる。したがって、絶縁材１０９’をケース体１０１’に嵌合させたとき、絶縁材１０９’はケース体１０１’に対してその軸線方向及び半径方向に位置決めされた状態となる。
【００７３】
なお、この例では、ケース体に取り付けられるベゼルに絶縁部を設けているが、環状の導電性素材で構成されるものであれば、同様の構成をベゼル以外の外装部材やケース内に収容される内装部材（中枠など）にも同様に適用することが可能である。
【００７４】
［変形例２］次に、図１３を参照して、上記各実施形態の変形例２について説明する。この変形例においては、前面側開口部１３１Ａ及び背面側開口部１３１Ｂを有する環状のケース体１３１に２箇所の間隙を形成し、この間隙内にそれぞれ絶縁材１３８の絶縁嵌合部１３８ｂを配置固定してある。図示例では、ケース体１３１の背面側に環状枠部１３８ａが取り付けられ、この環状枠部１３８ａと一体に構成された絶縁嵌合部１３８ｂが、ケース体１３１のかんまた部分に設けられた間隙内に配置されている。このように複数箇所に間隙を構成することによってケース体１３１が複数のケース部１３１Ｃ，１３１Ｄで構成されるので、部品加工を容易にすることができる。なお、このケース体１３１の前面側開口部１３１Ａに取り付けられる表示窓１０２は第１実施形態と同じである。
【００７５】
また、この変形例２において、裏蓋１３３は、金属などの導電性素材で形成された環状の蓋枠部１３３Ｆと、この蓋枠部１３３Ｆの開口を閉鎖する閉蓋部１３３Ｔとを有している。そして、蓋枠部１３３Ｆには、その周回方向の１箇所に間隙が設けられ、この間隙内に合成樹脂等の絶縁体からなる絶縁材１３９が配置固定されている。また、閉蓋部１３３Ｔは合成樹脂、ガラス、セラミックス、貝材等の絶縁体で構成されている。ここで、閉蓋部１３３Ｔをガラス等の透光性素材で構成することによってケース体１３１内を透視可能なシースルー構造とすることができる。
【００７６】
この変形例２においては、裏蓋１３３の蓋枠部１３３Ｆを導電性素材で構成しているが、上記間隙及びこの内部に配置された絶縁材１３９によって周回方向に絶縁されているので、上記と同様に渦電流の発生を防止し、非接触データ通信への影響を低減できる。
【００７７】
この変形例においても、絶縁材１３８はケース体１３１の軸線方向（周回軸方向）に係合しているため、絶縁材１３８をケース体１３１に嵌合させたとき、絶縁材１３８はケース体１３１に対してその軸線方向に位置決めされた状態となる。
【００７８】
［変形例３］次に、図１４を参照して、上記実施形態に対する別の変形例について説明する。図１４は変形例３の導電性部材と非導電性部材との嵌合構造を示す拡大分解斜視図である。ここで、ケース体等を構成する略環状の導電性部材１４１には、間隙１４１Ｇが形成されている。また、導電性部材１４１には、上記間隙１４１Ｇに隣接する部分に係合溝１４１Ｔが形成されている。
【００７９】
一方、上記の間隙１４１Ｇに対して合成樹脂等の絶縁体で構成された非導電性部材１４８が嵌合している。この非導電性部材１４８には、上記間隙１４１Ｇに嵌合する絶縁部１４８Ａと、上記係合溝１４１Ｔに嵌合する係合突起１４８Ｂとが設けられている。なお、図示例では、非導電性部材１４８に貫通孔１４８ａが形成されている。この貫通孔１４８ａは、例えば、先の実施形態と同様に巻真等の外部操作部材を構成する部品を挿通させるためのものである。
【００８０】
導電性部材１４１と、非導電性部材１４８とは、係合溝１４１Ｔと係合突起１４８Ｂとの嵌合構造によって、導電性部材１４１の半径方向（周回半径方向）に係合している。したがって、非導電性部材１４８は、導電性部材１４１に嵌合させるだけで、導電性部材１４１の半径方向に位置決めされた状態となる。
【００８１】
また、非導電性部材１４８は、導電性部材１４１の間隙１４１Ｇに望む両端部を相互に連結するように係合しているので、導電性部材１４１の間隙１４１Ｇを広げようとする応力に対して非導電性部材１４８が妨げるように作用するため、導電性部材１４１と非導電性部材１４８とを接着等により接合してある場合、接合面に応力が加わりにくくなることから、導電性部材１４１からの非導電性部材１４８の脱落や剥離などを防止することができる。さらに、導電性部材１４１は非導電性部材１４８に対して周回方向に完全に嵌合した状態となるので、導電性部材１４１の剛性を高めることができる。
【００８２】
この変形例３の導電性部材と非導電性部材との嵌合構造は、本明細書に記載されるいずれの実施形態や変形例にも適用することが可能である。
【００８３】
［第３実施形態］次に、図１５を参照して、本発明に係る第３実施形態について説明する。この実施形態は、内部にムーブメント等を収容した内側ケース１５１を合成樹脂等の絶縁体で構成してある。内側ケース１５１には、収容部１５１Ｃと、この収容部１５１Ｃの両側に突出形成され、図示しないバンド等を連結するためのかん部１５１Ｋとが設けられている。
【００８４】
上記の絶縁体で構成された内側ケース１５１の外面には、収容部１５１Ｃを覆うように環状の外側ケース１５２が装着される。外側ケース１５２は、断面Ｌ字状の環状枠となっている。外側ケース１５２には、内側ケース１５１の収容部１５１Ｃの外面から突出したリュウズ等の外部操作部材やかん部１５１Ｋと抵触しないように複数の開口部が設けられている。
【００８５】
外側ケース１５２は、金属等で構成された導電性部材である環状枠部１５２Ｒを有する。この環状枠部１５２Ｒは略環状に構成され、一部に間隙が設けられている。この間隙内には合成樹脂等の絶縁材１５２Ｓが嵌合している。
【００８６】
本実施形態では、計時手段や非接触通信部を含むムーブメントが絶縁体で構成された内側ケース１５１の内部に収容されていることにより、電気的短絡や通信障害などを防止することができるとともに、この内側ケース１５１を導電性部材である外側ケース１５２が覆っていることにより、外装デザインの自由度を高めることができる。例えば、金属製の外側ケース１５２によって高級感を高めることが可能である。
【００８７】
［第４実施形態］次に、図１６を参照して、本発明に係る第４実施形態について説明する。本実施形態の電子時計には、略環状の筐体１６１と、内部に時計のムーブメント（時間情報表示処理部や非接触通信部が構成されている。）等が収納された合成樹脂製の絶縁ケース１６３とが設けられている。ここで、筐体１６１に絶縁ケース１６３を嵌め込むことで電子時計が構成される。したがって、非接触通信部のアンテナの周囲には絶縁ケース１６３及び筐体１６１が配置されることとなる。
【００８８】
筐体１６１は金属（ステンレス、黄銅、チタンなど）等の導電性部材で構成され、バンド取付用突片部である一対のカン１６５Ａと、この一対のカン１６５Ａ間を連結する連結部であるカンまた部分１６５Ｂ（連結部）と、このカンまた部分１６５Ｂに対して筐体１６１の周回方向に連続して設けられる筐体本体部１６７とを有する。
【００８９】
一対のカン１６５Ａ及びカンまた部分１６５Ｂは、筐体１６１の両端部（すなわち１２時側と６時側）にそれぞれ設けられている。一対のカン１６５Ａにおける相互に対向する内面にはピボット穴１６８がそれぞれ形成されている。これらのピボット穴１６８は、連結部材である金属製等のバネ棒（図示せず）の両端を係止するためのものであり、このバネ棒によって一対のカン１６５Ａにバンド（図示せず）が取り付けられる。
【００９０】
筐体本体部１６７は、上記の２つのカンまた１６５Ｂの間に形成されている。この筐体本体部１６７には、間隙を有する絶縁部１６７Ａが形成されている。筐体本体部１６７は、この絶縁部１６７Ａの間隙によりその周回方向に分離される。本実施形態の絶縁部１６７Ａは、筐体１６１の３時位置に形成されている。なお、絶縁部１６７Ａは、筐体１６１を閉じた環形状に形成した後、切断することで形成されてもよく、また、予め筐体１６１に設けられていてもよい。
【００９１】
絶縁ケース１６３は中空の円柱形状（円板形状）であり、絶縁ケース１６３の背面側には底が設けられており、絶縁ケース１６３の前面側は開口している。絶縁ケース１６３の前面側にはその開口を覆うように非導電性部材であるガラス等で構成される表示窓１６２が取り付けられている。ここで、絶縁ケース１６３の底と表示窓１６２とが、筐体１６１の開口部１６４に取り付けられる蓋材となっている。絶縁ケース１６３内の非接触通信部は、筐体１６１と、これらの蓋材とによって囲まれることになる。
【００９２】
絶縁ケース１６３の側面には、図示しないムーブメントに接続された巻真に取り付けられたリュウズ（外部操作部材）１６６が突設されている。また、表示窓１６２の内側には、上記ムーブメント上に取り付けられた文字板（図示せず）上に指針１６９ａ，１６９ｂ，１６９ｃが配置されている。絶縁ケース１６３の側面には、筐体１６１の絶縁部１６７Ａの間隙内に配置される突出部１６３Ａが設けられている。この突出部１６３Ａは、リュウズ１６６の突設部位に形成されている。
【００９３】
この実施形態によれば、略環状の筐体１６１に絶縁部１６７Ａが形成されているため、筐体１６１の環形状の軸線の延長方向に磁束が伸びる方向の磁界が増減したときに生ずる渦電流（ループ電流）の発生を防止して、上記非接触通信における送信強度及び受信強度の低下を抑制することができる。
【００９４】
また、本実施形態では、ムーブメントを収容する絶縁ケース１６３が設けられていることにより、例えば、絶縁ケース１６３においてケース強度或いは密閉性若しくは防水性を確保すれば、導電性部材である筐体１６１の強度或いは密閉性若しくは防水性を確保する必要はなくなるため、絶縁部１６７Ａをより容易に形成することができるとともに、筐体１６１のデザイン上の自由度を高めることもできる。また、ケース強度或いは密閉性若しくは防水性の向上により電子時計の信頼性を高めることができる。
【００９５】
［第５実施形態］次に、図１７及び図１９を参照して、本発明に係る第５実施形態について説明する。この実施形態では、図１７に示すように、金属等の導電性素材で構成されたケース体１７１が設けられている。このケース体１７１は略環状に構成され、一部に間隙１７１Ｇが形成されている。
【００９６】
ケース体１７１の前面上にはガラス縁などの枠状部材１７２が取り付けられる。この枠状部材１７２は、合成樹脂等の絶縁体で構成されている。枠状部材１７２には、ガラス等で構成される表示窓１７３が装着されている。ケース体１７１と枠状部材１７２との接続は、圧入、接着、ネジ止め、螺合などの適宜の方法で行われる。
【００９７】
ケース体１７１の裏面側には裏蓋１７４が装着される。裏蓋１７４は、全体が絶縁体で構成されることが好ましい。
【００９８】
本実施形態では、合成樹脂等の絶縁体で構成された非導電性部材である嵌合部材１７８は、合成ゴム等の絶縁体で構成されたパッキン１７９が装着された状態で、上記ケース体１７１の間隙１７１Ｇ内に嵌合される。図示例では、ケース体１７１に対して上下いずれかの方向から嵌合部材１７８を間隙１７１Ｇに嵌め入れた後、枠状部材１７２及び裏蓋１７４をケース体１７１に取り付けることによって、腕時計の外装ケースを構成することができる。
【００９９】
図１８に上述のケース構造の絶縁部近傍の横断面図を示し、図１９に上述のケース構造の縦断面図を示す。これらの図に示すように、嵌合部材１７８はパッキン１７９を介してケース体１７１、枠状部材１７２及び裏蓋１７４にそれぞれ密着し、間隙１７１Ｇを密閉し、防水性を確保している。
【０１００】
なお、巻真等の外部操作部材を挿通可能にするために、この嵌合部材１７８に内外を貫通する貫通孔を設けてもよい。
【０１０１】
［変形例４］図２０及び図２１には、上記第５実施形態の構成を一部変形させてなる変形例４の構成を示す。図２１に示すように、この変形例では、第５実施形態と同様のケース体１７１、枠状部材１７２、表示窓１７３、裏蓋１７４を備えた外装ケースを有する。ただし、この変形例では、図２０にも示すように、ケース体１７１の間隙１７１Ｇ内に嵌合部材１７８’が嵌合固定されている。この嵌合部材１７８’は、第５実施形態の嵌合部材１７８と同様の外形を備えた絶縁体の内部に金属製のコア１７８Ｃが配置されたものである。コア１７８Ｃを備えた嵌合部材１７８’は、インサート成形等の一体化技術で構成してもよく、或いは、絶縁体に設けた穴内にコア１７８Ｃを圧入することによって構成してもよい。
【０１０２】
嵌合部材１７８’には第５実施形態と同様のパッキン１７９が装着されている。そして、嵌合部材１７８’は、パッキン１７９を介してケース体１７１、枠状部材１７２及び裏蓋１７４に嵌合している。
【０１０３】
この実施形態では、嵌合部材１７８’の内部に金属製のコア１７８Ｃが配置されているため、嵌合部材１７８’の剛性を高めることができる。
【０１０４】
なお、この場合において、コア１７８Ｃの内部に貫通孔を形成し、外部操作部材の操作軸を挿通させた構造を設けてもよい。
【０１０５】
［第６実施形態］次に、図２２及び図２３を参照して、本発明に係る第６実施形態について説明する。この実施形態では、図２３に示すように、ケース体１８１、表示窓１８２、裏蓋１８４、ムーブメント１８５及び外部操作部材（リュウズ）１８６を有する。ケース体１８１は絶縁部材である。本実施形態では、ケース体１８１の内部に収容されたムーブメント１８５は、ケース体１８１の内部に配置された中枠部材１８７によって位置決めされている。この中枠部材１８７は、金属等の導電性素材によって構成されている。
【０１０６】
中枠部材１８７は、その支持段部１８７ａによってムーブメント１８５を平面方向及び軸線方向に位置決めする。また、中枠部材１８７は、ムーブメント１８５に加わる不要な磁界を低減する磁気シールド（耐磁リング）としても作用するように構成されている。
【０１０７】
中枠部材１８７は図２２に示すように全体として略環状に構成され、その一部に間隙が設けられている。この間隙内には合成樹脂等の絶縁体で構成された非導電性部材である絶縁材１８８が嵌合されている。本実施形態では、図に示すように絶縁材１８８には、ケース体１７１の半径方向に貫通する貫通孔１８８ａが形成されている。この貫通孔１８８ａには、外部操作部材１８６とムーブメント１８５とを連結する操作軸が挿通されている。
【０１０８】
この実施形態では、中枠部材１８７が導電性部材であるため、この中枠部材１８７に渦電流が発生しないように構成するために間隙を設け、この間隙内に絶縁材１８８を嵌合配置している。
【０１０９】
なお、本実施形態では、中枠部材１８７はムーブメントの位置決め機能と、磁気シールドとしての機能の双方を併せ持つものであるが、いずれか一方の機能のみを有する部材として構成されていても構わない。
【０１１０】
［第７実施形態］最後に、図２４を参照して、本発明に係る電子時計３００の構造について説明する。この実施形態は、上記各実施形態とは異なり、そのケース体が、金属等からなる導電性のケース部３７１Ｘと、合成樹脂等の絶縁性のケース部３７１Ｙとから構成されている。そして、ケース部３７１Ｘの前面側開口部３７１Ａには表示窓３７２が取り付けられ、ケース部３７１Ｙの収容部３７１Ｂ内にはムーブメント３７４やアンテナ３８１などが収容される。なお、巻真、中枠、回路基板等は図示を省略してある。また、ケース部３７１Ｙの背後には裏蓋３７３が取り付けられる。裏蓋３７３は絶縁体と導電体のいずれで構成されていても構わない。
【０１１１】
アンテナ３８１は、フェライト等の磁性体からなるコア３８１Ｃと、このコア３８１Ｃに巻回されたコイル３８１Ｒとを有する。このアンテナ３８１のループ軸３８１ａは、表示面、開口部３７１Ａ及び収容部３７１Ｂの軸線に対してほぼ直交する方向に向き、上記軸線に対して横倒し状態で設置されている。このアンテナ３８１の開口面は絶縁体からなるケース部３７１Ｙの壁面に向いている。したがって、アンテナ３８１の開口面上には障害となる導電体が存在しないように構成されている。このアンテナ３８１は多くのターン数を備えているので、１２５［ｋＨｚ］などの比較的低いキャリア周波数を用いた通信に適している。
【０１１２】
この実施形態では、ケース部３７１Ｘや裏蓋３７３に金属などの導電性素材を用いることができるので、外観デザインの自由度を向上させ、ケース強度を高めることが可能になる。
【０１１３】
また、本実施形態では、導電性のケース部３７１Ｘと裏蓋３７３との間（すなわち両者の間隙内）に絶縁性の上記ケース部３７１Ｙが設けられていることにより、表示部側のケース部３７１Ｘと裏蓋３７３との間が絶縁され、これによって、少なくともケース体には、アンテナ３８１のループ軸３８１ａの周囲に閉じた導電路が構成されていないことになる。したがって、非接触データ通信時においてケース体には渦電流が生ずる余地がなく、通信感度や送信強度の低下を抑制することができる。
【０１１４】
尚、本発明の非接触データ通信機能を有する電子時計は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態及び変形例においては、環状の導電性部材としてのケース体、ベゼル、蓋枠部などが円環状に構成されているが、環状としては、円環状に限らず、矩形枠状など、全体としてほぼ周回形状を呈するものであれば適宜の平面形状を備えたものが含まれる。また、上記各実施形態では、導電性部材が金属等の導電性素材で構成されているが、この導電性部材の代わりに、プラスチックやセラミックの表面に、乾式成膜等のメッキ処理などによってメタライジングしたものを用いてもよい。
【０１１５】
以上、説明したように本発明によれば、非接触データ通信機能を備えた電子時計において、通常の時計に要求される性能を犠牲にすることなく、通信品質を確保しながら金属等の導電性部材を用いることができ、高級感を出すことができる。特に、ケース強度を向上させ、或いは、ケースの防水性若しくは密閉性を向上させることができることにより、非接触データ通信機能を備えた電子時計の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る非接触データ通信機能を有する電子時計を備えた通信システムの実 施形態の使用態様を示す概略説明図である。
【図２】通信システムにおける外部送受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図３】電子時計の非接触データ通信部の概略構成を示すブロック図である。
【図４】電子時計の時間情報表示処理部の概略構成を模式的に示す説明図である。
【図５】本発明の第１実施形態の電子時計１００の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図６】第１実施形態の電子時計１００の内部構造を模式的に示す横断面図である。
【図７】通信システムの通信手順を示すシーケンス図である。
【図８】第１実施形態の電子時計１００におけるケース体の外観を模式的に示す概略斜視図である。
【図９】従来の電子時計におけるケース体が変動磁界中に配置された場合の現象を示す説明図である。
【図１０】本発明のケース体が変動磁界中に配置された場合の現象を示す説明図である。
【図１１】本発明に係る第２実施形態の電子時計２００の内部構造を示す縦断面図である。
【図１２】本発明に係る異なる実施形態（変形例１）の外装構造を模式的に示す概略分解斜視図である。
【図１３】本発明に係るさらに異なる実施形態（変形例２）の外装構造を模式的に示す概略分解斜視図である。
【図１４】本発明に係る別の実施形態（変形例３）の導電性部材と非導電性部材との嵌合構造を示す概略分解斜視図である。
【図１５】本発明に係る第３実施形態のケース構造を示す概略分解斜視図である。
【図１６】本発明に係る第４実施形態のケース構造を示す概略分解斜視図である。
【図１７】本発明に係る第５実施形態のケース構造を示す概略分解斜視図である。
【図１８】第５実施形態のケース構造の部分横断面図である。
【図１９】第５実施形態のケース構造の縦断面図である。
【図２０】本発明に係る第５実施形態の一部を変更した実施形態（変形例４）のケース構造を示す部分横断面図である。
【図２１】同実施形態（変形例４）のケース構造を示す縦断面図である。
【図２２】本発明に係る第６実施形態のケース構造の横断面図である。
【図２３】第６実施形態のケース構造の縦断面図である。
【図２４】本発明に係る第７実施形態の電子時計３００の概略構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
１４・・・ウォッチＣＰU
１８・・・指針駆動部
１００、２００、３００・・・電子時計
１０１、２０１、１３１、１７１・・・ケース体
１０２、２０２、１７３・・・表示窓
１０３、１３３、１７４・・・裏蓋
１０４、１８５・・・ムーブメント
１０５・・・巻真
１０６、１６６・・・竜頭
１０７・・・文字板
１０８・・・基板
１１０・・・非接触通信部
１０１A、１３１A・・・前面側開口部
１０１B、１３１Ｂ・・・背面側開口部
１０１Ｇ・・・間隙
１０９、２０９、１３８、１３９、１８８・・・絶縁材
１１１、２１１、５１５・・・アンテナ
１１２・・・同調用コンデンサ
１１３・・・整流回路
１１４・・・受信回路
１１５・・・送信回路
１１６・・・基準信号生成回路
１１７・・・変換処理回路
１１８・・・中央制御顔路
１１９・・・暗号処理回路
１４１・・・導電性部材
１４８・・・非導電性部材
１５１・・・内側ケース
１６１・・・筐体
１６３・・・絶縁ケース
１７２・・・枠状部材
１７８・・・嵌合部材
１７９・・・パッキン
１８７・・・中枠部材
２０４・・・回路基板
２０５・・・時計用IC
２０６・・・表示体
２０７・・・水晶発振器
２０８・・・蓄電池
３１１・・・駆動コイル
３１２・・・ステータ
３１３・・・ロータ
３６１・・・秒針
３６２・・・分針
３６３・・・時針
５００・・・ゲート装置
５１１・・・制御装置
５１０・・・外部送受信装置
５１２・・・送信回路
５１３・・・受信回路

Claims (8)

1. 計時手段と、
   前記計時手段を収納するケース体の少なくとも一部を構成する、実質的に環状に構成された導電性部材と、
   時間情報表示部と、
   前記導電性部材の周回軸方向に磁界成分を発生させるアンテナと、
   前記アンテナを介して、外部送受信装置と非接触データ通信を行う非接触通信部と、を有する非接触データ通信機能を有する電子時計において、前記導電性部材には、その周回方向の少なくとも一部を、電気的に分離する間隙と前記間隙内に配置された非導電性部材からなる絶縁部とが配置され、
   前記ケース体の軸線方向の一側には、少なくともその一部が絶縁体により構成された前記時間情報表示部が配置され、前記ケース体の軸線方向の他側には、少なくともその一部が絶縁体により構成された閉鎖部材が配置されていることを特徴とする非接触データ通信機能を有する電子時計。
2. 前記ケース体は、前記非接触通信部を収容する絶縁性の内側ケースを有し、前記導電性部材は前記内側ケースの外面に取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計。
3. 前記導電性部材は、前記時間情報表示部の周囲に配置されていることを特徴とする請求項２に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計。
4. 前記アンテナはループアンテナであることを特徴とする請求項１に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計。
5. 前記導電性部材の周回軸方向と、前記ループアンテナのループ軸方向とが略一致していることを特徴とする請求項４に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計。
6. 前記閉鎖部材は、前記ケース体の軸線方向に開口した環状の導電性の蓋枠部と、前記蓋枠部の開口を封鎖するように取り付けられた絶縁性の閉蓋部とを有することを特徴とする請求項1に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計。
7. 前記蓋枠部には、開口周りを周回する方向の少なくとも一部に、その周回方向を電気的に絶縁する絶縁部が設けられていることを特徴とする請求項６に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計。
8. 請求項１乃至請求項７のいずれか１項に記載の非接触データ通信機能を有する電子時計と、前記電子時計と非接触データ通信を行う外部送受信装置とを有することを特徴とする非接触データ通信システム。

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