JP3695455B2 - 無線機能付き電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナを備える無線機能付き電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
外部からの無線情報を受信して動作する電子機器、例えば、外部からの時刻情報を受信して時刻修正を行う電波修正時計等が知られている。電波修正時計は、長波標準電波を受信し、この受信信号に基づいて時刻修正を行う機能を備えた時計である。長波標準電波は、現在時刻を示す時刻コードを含む電波であり、例えば日本では40kHz(東日本)および60kHz(西日本)の2種類の周波数で送信されている。
電波修正時計は、時計ケース内に内蔵されたアンテナにより長波標準電波を受信する。従って、リング状のケーシング(胴、側)、裏蓋等からなる時計ケースにおいて、ケーシングや裏蓋が金属などの導電体材で構成されていると、金属ケース部分で電波がシールドされて内蔵アンテナで受信しにくくなる。そのため、電波修正時計のケースには、従来、プラスチックやセラミックなどの非導電性部材(電気絶縁体)が利用されていた。(例えば、特許文献1)
【0003】
【特許文献1】
特開2000-105285号公報(第3頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時計ケースをプラスチック等で形成すると、金属調の外観が得られず、デザイン上の制約となってしまうという問題があった。
このような問題は、電波修正時計に限らず、無線通信用のアンテナを内蔵した各種の電子機器に共通する問題であった。このため、電波修正時計等の無線機能付き電子機器において、本体ケースを金属製にできて金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も無くすことができる電子機器が求められている。
本発明の目的は、金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も無い無線機能付き電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線機能付き電子機器は、本体ケースと、複数の駒部材を互いに連結して形成されて前記本体ケースに連結されるバンドと、アンテナと、このアンテナを介して外部との間で無線通信を行う通信手段とを備え、前記アンテナは前記バンドの駒部材内に配置され、このアンテナが内蔵されたアンテナ内蔵駒部材から前記本体ケースまでの互いに連結される各部材間つまり本体ケースおよび各駒部材間には、これらの各部材同士が対向する互いの端面から各部材内部まで貫通する貫通孔が設けられ、前記各貫通孔には、前記各部材に渡って設けられる筒状部材の両端部が挿入され、前記筒状部材の両端部は、前記各部材の内部側から当該筒状部材に圧入される筒状の固定部材と前記貫通孔の内周面とで挟持され、前記本体ケースから前記アンテナ内蔵駒部材までは、各駒部材および前記固定部材および筒状部材内を通して信号線が配設されていることを特徴とするものである。
なお、複数の駒部材のうち、アンテナが内蔵される駒部材の配置位置は特に限定されない。例えば、本体ケースに直接連結される部分つまり本体ケースに隣接する駒部材に配置すれば、アンテナから本体ケースまでの信号線を短くできる点で好ましい。
【0006】
このような本発明においては、本体ケース内にアンテナを配置するのではなく、バンドの駒部材内にアンテナを配置しているので、本体ケースは金属製ケースで構成することができ、金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も無い無線機能付き電子機器を提供することができる。例えば、電子機器が電波修正時計であれば、時計の本体ケースつまりケーシング(胴)や裏蓋等を金属製にできる。このため、金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も無い電波修正時計にすることができる。
また、互いに連結された本体ケースと駒部材、または駒部材同士の間に渡って配置された筒状部材の両端部が、本体ケースおよび駒部材に孔設された貫通孔と、本体ケースや駒部材の内部側から筒状部材に挿入される固定部材とで挟持して筒状部材を貫通孔に密着しているので、筒状部材によって連通される本体ケースおよび駒部材内部に対する防水性能を十分に高めることができる。このため、従来は防水性の確保が困難であったためにアンテナを配置することが難しかったバンドの駒部材内にアンテナを内蔵させることができる。また、筒状部材は、信号線とは別部材として加工および取り付けができるので、信号線や筒状部材の加工の手間が掛からず取付作業を容易にできるとともに、信号線に余分な力が加わることもなく信号線の耐久性も向上できる。
【0007】
なお、アンテナが内蔵される駒部材の材質としては、アンテナの感度を高める点で、プラスチック等の非導電部材を用いることが好ましい。
但し、駒部材は、本体ケースに比べて通常小さく、その分、強度確保に必要な厚みも小さくできるため、金属などの導電性体で構成してもある程度の感度を確保できる。従って、無線通信の条件(信号強度が大きい場合等)によっては駒部材を導電性体(各種金属等)で構成することもできる。
また、「信号線」とは、電気信号や磁気信号、光信号等の信号を伝送するもので、具体的には、導電性材料から形成される導電線、例えば、銅や鉄、金、アルミニウム等の材料からより線や単線に形成されたものが含まれる。また、上記導電線に限らず、銅箔等の薄膜状導電性材料をフィルム状の基板上に貼り付けて回路を形成した電子回路や磁気回路等の他、光信号を伝送する光ファイバケーブル等が含まれる。
また、「筒状部材」は、水密性を有する部材であって、ゴムや合成樹脂等の伸縮性を有する弾性材料や、合成樹脂や金属材料を蛇腹状やスパイラル状に組み合わせ可撓性や伸縮性を備えた部材等から形成される。また、その形状は、円筒状や断面略楕円形、長円形の筒状、断面多角形の角筒状に形成されたものが含まれる。ゴムとしては特に、NBR(アクリロニトリル‐ブタジエン‐ゴム)やIIR(ブチルゴム)、ウレタンゴム等が適している。
また、通信手段としては、外部との間で無線情報を送受信できるもの、送信のみできるもの、受信のみできるもののいずれかがその電子機器の機能等に応じて選択されている。例えば、電子機器が電波修正時計であれば、無線情報の受信機能を備えていればよいため、通信手段も受信機能のみを有するものが利用できる。
【0008】
ここで、前記アンテナはループアンテナであり、このループアンテナの開口面がアンテナ内蔵駒部材に連結する他の部材に対向しない向きに配置されていることが好ましい。すなわち、ループアンテナの開口面に直交する軸方向が、アンテナ内蔵駒部材と他の駒部材や本体ケースとの連結方向に一致せず、連結方向に対して直交等の他の方向に向くように配置されていることが好ましい。
ループアンテナは、軸方向(開口面に直交する方向)が最大感度方向となる指向性を有する。このため、ループ開口面に対向する部分(ループアンテナの軸方向)に金属等の導電性部材が配置されているとアンテナ特性が劣化する。従って、本発明のように、ループアンテナの開口面がアンテナ内蔵駒部材に連結する他の部材に対向しない方向で配置されていれば、他の駒部材や本体ケースが金属製であったとしてもそれらによってアンテナ特性が劣化することが無く、アンテナ感度の低下を防止できる。
【0009】
また、前記アンテナ内蔵駒部材は、少なくとも前記ループアンテナの開口面に対向する面を非導電性部材で形成したことが好ましい。すなわち、アンテナ内蔵駒部材において、少なくともループアンテナの開口面に直交する軸方向に存在する面を、プラスチックなどの非導電性部材で形成することが好ましい。
具体的には、アンテナ内蔵駒部材全体を、プラスチック等の非導電性部材で構成してもよい。また、アンテナ内蔵駒部材のアンテナ開口面に対向する面を非導電性部材で構成し、他の部分を金属等の導電性部材で構成してもよい。
このような構成によれば、アンテナの指向性に最も影響するアンテナ開口面に対向する面が非導電性部材で構成されているので、アンテナ特性の劣化を防止することができる。
【0010】
また、前記アンテナ内蔵駒部材全体を導電性部材で構成した場合、前記ループアンテナの開口面に対向する面の部材の厚みを他の面の厚みより薄くすることが好ましい。
このような構成によれば、駒部材がすべて導電性部材で形成されつつも、アンテナの指向性に最も影響するアンテナ開口面に対向する面のみが薄い導電性部材で構成されているので、駒部材の外観の質感を保ちつつ、アンテナ特性の劣化を防止することができる。
【0011】
ここで、前記ループアンテナは磁性体コアが挿入されていることが好ましい。
ループアンテナとしてはコアが無いものも利用できるが、磁性体コアが挿入されていれば、指向性をよりシャープにでき、アンテナ特性を向上できる。
【0012】
また、前記アンテナ内蔵駒部材内には前記アンテナに接続された同調用容量素子が配置されていることが好ましい。
バンドの駒部材にアンテナを内蔵した場合、本体ケース内にアンテナを内蔵している電子機器に比べて、アンテナ配線が長くなるため、腕や本体ケースとの角度等により同調周波数がずれやすい。これに対し、同調用容量素子(コンデンサ)をアンテナ内蔵駒部材内に配置すれば、同調用容量素子までのアンテナ配線を短くでき、外部からの影響を少なくできて無線信号の通信(受信や送信)を安定して行うことができる。
【0013】
さらに、前記本体ケースは金属製であることが好ましい。ここで、本体ケースとは、電子機器の各種部品等が収納された本体部分を覆うケースにおいて、例えば時計の表面側のガラスのように、その機能上、材質が限定される部分を除き、材質を選択可能な部分、例えば、時計であれば表面ガラスを除く、ケーシング(胴)や裏蓋部分を意味する。
本体ケースを金属製にできれば、金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も少なくすることができる。
【0014】
この際、前記アンテナ内蔵駒部材には他の駒部材および前記金属製の本体ケースと同様の外観となるように表面処理加工が施されていることが好ましい。
このような構成によれば、アンテナ内蔵駒部材をプラスチック等の非導電性部材で構成し、他の駒部材を金属などの導電性部材で構成して各駒部材で材質が異なる場合でも、表面処理加工を施すことで外観を同様のものにでき、バンド部分の意匠性を向上することができる。さらに、アンテナ内蔵駒部材および他の駒部材は、金属製の本体ケースとも同じような外観となるため、本体ケースおよびバンド部分が統一感のある外観意匠となり、電子機器全体の意匠性も向上することができる。
【0015】
さらに、前記外部からの無線情報は時刻情報を含む無線情報であり、前記電子機器は、前記無線情報に基づいて修正表示される時刻表示手段を備える電子時計であることが好ましい。このようないわゆる電波修正時計に本発明を適用すれば、従来の電波修正時計と異なり、金属製の時計ケースを用いることができ、電波修正時計においても金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も少なくすることができる。
この際、時計の文字板は、金属製の文字板、または非導電性部材(プラスチック等)の表面にメタリック塗装等の処理を施して金属層を設けた文字板であることが好ましい。従来の電波修正時計では、時計ケース内にアンテナを内蔵していたため、時計ケースを金属製にできなかったことと同様に、文字板もプラスチック等の非導電性部材しか使えず、文字板を金属調にすることができず、デザイン上の制約となっていたという問題があった。これに対し、本発明では、時計ケース内にはアンテナを内蔵していないので、文字板も、例えば黄銅(真鍮、Bs)、洋白(洋銀、NS)等の金属製や、プラスチック板等に表面加工を施して金属層を設けたものが利用でき、文字板を金属調の外観にできてデザイン上の制約も無くすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明にあたって、同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係る電子機器としての電波修正時計1の構成を示すブロック図が示されている。
本発明の電波修正時計1は、一般的な電波修正時計と同様の構成を備えるものであり、時刻情報を含む電波を受信する通信手段としての受信手段2と、駆動制御回路部3と、指針を駆動する駆動手段4と、時刻をカウントするカウンタ部6と、電力を供給する電力供給手段7と、リュウズなどの外部入力装置8とを備えて構成されている。
【0017】
受信手段2は、電波を受けるアンテナ21と、コンデンサ等で構成されてアンテナ21で受信する電波に同調させる同調回路部22と、アンテナ21で受けた情報を処理する受信回路23と、受信回路23で処理された時刻データを記憶する時刻データ記憶回路部24とを備えて構成されている。
アンテナ21は、図2に示すように、フェライト、電磁軟鉄(SUY)、アモルファス(Co系)等で構成された磁性体コア211にコイル212を巻き、耐食性に優れるカチオン電着塗装で絶縁を施したものなどが利用できる。なお、コイル212の巻き方としては、特に限定されず、乱巻きなどでもよいが、特に整列巻きが好ましい。整列巻きを採用すれば、コイル線材間の無駄な空間が無くなり、同じインダクタンス値を得るためのコイル体積を小さくできる。
このアンテナ21には、外部への接続用のフレキシブル基板213が接続され、この基板213上の2つの配線パターン214にコイル212の両端部がそれぞれ接続されている。
【0018】
受信回路23は、図3に示されるように、アンテナ21によって受信された長波標準電波信号を増幅する増幅回路231と、増幅された長波標準電波信号から所望の周波数成分のみを抜き出すバンドパスフィルタ232と、長波標準電波信号を平滑化し復調する復調回路233と、増幅回路231のゲインコントロールを行ない長波標準電波信号の受信レベルが一定になるように制御するAGC(Automatic Gain Control)回路234と、復調された長波標準電波信号をデコードして出力するデコード回路235とを備えて構成されている。
受信回路23で受信され信号処理された時刻データは時刻データ記憶回路部24に出力されて記憶される。
受信回路23は、予め設定されたスケジュールや外部入力装置8による強制受信操作等によって、駆動制御回路部3から出力される受信制御信号に基づいて時刻情報の受信を開始する。
【0019】
駆動制御回路部3は、図1に示されるように、パルス合成回路31からのパルス信号が入力される。パルス合成回路31は、水晶振動子などの基準振動子311からの基準パルスを分周してクロックパルスを生成し、また、基準パルスからパルス幅やタイミングの異なるパルス信号を発生させる。
【0020】
駆動制御回路部3は、一秒に一回出力され秒針を駆動させる秒駆動パルス信号PS1と、一分間に一回出力され時分針を駆動させる時分駆動パルス信号PS2とを、各秒駆動回路41、時分駆動回路42に出力して、指針の駆動を制御する。すなわち、各駆動回路41,42は、各回路41、42からのパルス信号によって駆動されるステッピングモータからなる秒モータ411,時分モータ421を駆動し、これにより各モータ411,421に接続された秒針と、分針および時針とを駆動する。
【0021】
カウンタ部6は、秒をカウントする秒カウンタ回路部61と、時分をカウントする時分カウンタ回路部62とを備えて構成されている。
秒カウンタ回路部61は、秒位置カウンタ611と、秒時刻カウンタ612と、一致検出回路613とを備えて構成されている。秒位置カウンタ611および秒時刻カウンタ612はともに60カウント、つまり1Hzの信号が入力された場合には60秒でループするカウンタである。秒位置カウンタ611は、駆動制御回路部3から秒駆動回路41に供給される駆動パルス信号(秒駆動パルス信号PS1)をカウントしている。つまり、秒針を駆動させる駆動パルス信号をカウントすることによって、秒針が示している秒針の位置をカウントしている。
秒時刻カウンタ612は、通常は、駆動制御回路部3から出力される1Hzの基準パルス信号(クロックパルス)をカウントする。また、受信手段2で時刻データを受信した場合には、この時刻データのうちの秒データに合わせてカウンタ値が修正される。
【0022】
同様に、時分カウンタ回路部62は、時分位置カウンタ621と、時分時刻カウンタ622と、一致検出回路623とを備えて構成されている。時分位置カウンタ621および時分時刻カウンタ622はともに24時間分の信号が入力されるとループするカウンタである。時分位置カウンタ621は、駆動制御回路部3から時分駆動回路42に供給される駆動パルス信号(時分駆動パルス信号PS2)をカウントし、時針、分針が示している時分針の位置をカウントしている。
時分時刻カウンタ622は、通常は、駆動制御回路部3から出力される1Hzのパルス(クロックパルス)をカウントする(正確には1Hzを60回計数したところで1カウントとする)。また、受信手段2で時刻データを受信した場合には、この時刻データのうちの時分データに合わせてカウンタ値が修正される。
【0023】
各一致検出回路613,623は、各位置カウンタ611,621と各時刻カウンタ612,622とのカウント値の一致を検出し、一致しているか否かを示す検出信号を駆動制御回路部3に出力する。
駆動制御回路部3は、各一致検出回路613,623から不一致信号が入力されると、一致信号が入力されるまで各駆動パルス信号PS1,PS2を出力し続ける。このため、通常運針時は、駆動制御回路部3から1Hzの基準信号によって各時刻カウンタ612,622のカウンタ値が変化して位置カウンタ611,621と不一致となると、各駆動パルス信号PS1,PS2が出力されて各指針が動くとともに、各位置カウンタ611,621が時刻カウンタ612,622と一致することになり、この動作を繰り返すことで、通常の運針制御が行われる。
また、受信した時刻データで各時刻カウンタ612,622が修正されると、そのカウンタ値に各位置カウンタ611,621のカウンタ値が一致するまで、各駆動パルス信号PS1,PS2が出力され続け、指針が早送りされて正しい時刻に修正される。
【0024】
電力供給手段7は、発電手段としての発電装置71と、発電装置71で発電された電力を蓄電する高容量二次電源72とを備えて構成されている。
外部入力手段としての外部入力装置8は、リュウズ等を備え、受信動作や時刻合わせなどを行うために利用される。
【0025】
このような構成の電波修正時計1は、図4,5にも示すように、約リング状に形成されたケーシング(胴)91と、ケーシング91の表面側にガラス縁92Aを介して装着されたカバーガラス92と、ケーシング91の裏面側に着脱可能に取り付けられた裏蓋93とを備えている。ケーシング91および裏蓋93は、ステンレス鋼、真鍮、チタン等の金属材で構成される。従って、ケーシング91および裏蓋93によって、本実施形態における金属製の本体ケース(時計ケース)9が構成されている。本体ケース9内には、アンテナ21を除く前記各構成が組み込まれている。すなわち、駆動制御回路部3およびカウンタ部6を構成する回路基板150、駆動手段4を構成するモータや輪列等が組み込まれた時計体(ムーブメント)160、電力供給手段7を構成する電池170、時計体160の表面側に設けられた文字板180等の各構成部材が組み込まれている。
ここで、前記フレキシブル基板213は、回路基板150に電気的に接続されている。また、文字板180は、黄銅(真鍮、Bs)、洋白(洋銀、NS)等の金属で製造されたものや、プラスチック板等にメタリック塗装等の表面処理加工を施して金属層を設けたもので構成されている。
【0026】
ケーシング91の対向する2カ所、通常は文字板180における12時方向および6時方向には、時計バンド10を連結するための連結用突片(カン)91Aがそれぞれ突設されている。このケーシング91に取り付けられる時計バンド10は、複数の駒部材100をピン(バネ棒等)で互いに回動可能に連結することで構成されている。そして、端部の駒部材100もケーシング91にピン105で回動可能に連結されている。
【0027】
本実施形態では、ケーシング91にピン105で取り付けられる2つの駒部材100の内、一方の駒部材100Aには、前記アンテナ21が配置されている。駒部材100Aは、バンド10の表面側に配置される駒本体101と、この駒本体101の裏面側に取り付けられる裏蓋102とを備えて構成されている。なお、図4はバンド10を裏面側から見ている図であるため、裏蓋102が上側に配置されている。
駒本体101は、金属製であり、図示のように、断面略コ字状に形成されている。駒本体101は、前記ピン105が挿通される貫通孔が形成された2つの突部101Aと、他の駒部材100が連結される突部101Bとを有し、突部101Aおよび前記連結用突片91Aを通してピン105を嵌挿することで、時計ケース9および駒部材100Aは互いに回動可能に連結されている。
この駒本体101を金属製にすることで、傷が付きやすいバンド10の表面側の耐久性の向上および時計ケース9と同様の金属調の外観が得られて意匠性の向上を図ることができる。
【0028】
一方、裏蓋102は、断面略コ字状に形成され、駒本体101と組み合わされることで、内部に中空の空間を形成できるようにされている。
ここで、裏蓋102の裏面部102Aは、金属等の導電性部材またはプラスチックやセラミックなどの非導電性部材(電気絶縁体)で構成されている。一方、裏蓋102の側面部102Bは、アンテナ21への磁束の出入り口になるため、プラスチックやセラミック等の電気絶縁体で構成されている。従って、裏蓋102は、全体がプラスチックやセラミックなどの非導電性部材で構成されたものや、金属部分とプラスチックなどの非導電性部分とを備える複合材で構成されたものが利用できる。なお、駒本体101と裏蓋102との接合方法は、各部材の材質などに応じて適宜設定すればよく、接着剤、ねじ等を用いた適宜な方法が利用できる。
【0029】
そして、アンテナ21は、コイル212の軸方向が前記両側面部102Bを結ぶ方向となるように、換言すれば、アンテナ21の磁性体コア211の両端面211Bが各側面部102Bにそれぞれ対向するように、駒部材100Aの内部空間に配置される。従って、駒部材100Aはアンテナ内蔵駒部材として機能している。
【0030】
アンテナ21は、フレキシブル基板213を時計ケース9内まで挿通させることでケース9内に配置される回路基板に接続される。
すなわち、ケーシング91および駒本体101の互いに対向する各対向端面には、貫通孔95,106が形成されている。そして、図5にも示すように、各貫通孔95,106に跨ってチューブ(筒状部材)110が配置されている。
チューブ110は、NBR(アクリロニトリル‐ブタジエン‐ゴム)等のゴム材料により、略円筒状に形成されている。チューブ110の外径は、貫通孔95,106の内径と略同一とされている。また、チューブ110の両端部には、チューブ110の径方向外側へ向かって突出し、貫通孔95,106の内径よりも外径が大きい端部突出部110Aが形成されている。これらの端部突出部110Aは、貫通孔95,106の内部側端縁に当接している。
【0031】
チューブ110の両端開口部内にはそれぞれ、ケーシング91および駒本体101の各部材内部側から、金属製で筒状の固定部材115が圧入されている。固定部材115は、一端側にフランジが形成された略円筒形状に形成されている。
固定部材115の外径は、チューブ110の内径と略同一とされている。従って、固定部材115の略円筒形状外周面と、ケーシング91および駒本体101の貫通孔95,106の内周面とで、チューブ110が挟持、固定されている。
この固定構造により、チューブ110が貫通孔95,106内面に密着し、貫通孔95,106部分からの水の浸入を防止して防水性が確保されている。なお、各駒本体101および裏蓋102の接合面部分も必要に応じてシール材等が介在されて防水性が確保されている。
【0032】
これらのチューブ110および固定部材115の内側(内部貫通孔部分)を通って、フレキシブル基板213が駒部材100A内のアンテナ21からケーシング91内の回路基板まで配設されている。
なお、ケーシング91と駒部材100Aとは、ピン105によって回動可能に連結されているが、この際の回動角度は、回動角規制手段によって所定角度範囲内に規制されている。回動角規制手段としては、種々の構成が採用できるが、例えば、ケーシング91に対して駒部材100Aが所定角度まで回動すると、ケーシング91と駒部材100Aとが当接してそれ以上回動できないようにする構成等が利用できる。
また、チューブ110が、駒部材100Aとケーシング91及び裏蓋102の隙間から見えないようにした方が外観は良くなるので、前記の回転角規制手段も兼ねた化粧部材をさらに追加して、チューブ110を覆って隠してもよい。
【0033】
駒部材100A内に配置されるアンテナ21は、前述の通り、コイル212が巻かれた磁性体コア211の軸方向に、電気絶縁体で構成された前記裏蓋102の側面部102Bが配置される向きに設定されている。
アンテナ21で長波標準電波等の電波を受信するときは、図6にも示すように、電波の一部である磁界成分は、アンテナ21のコア211を、その一端Aから他端Bへと通過する。すると、コア211に巻回されたコイル212に交流電流が誘導され、これに伴ってコイル212の両端に交流電圧が発生する。そして、この交流電圧がアナログ受信信号として受信回路23に流れる。
そして、このアナログ受信信号を受信回路23で増幅、復調、デコード等の処理をしてデジタルの時刻データとし、時刻データ記憶回路部24に記憶している。
すなわち、アンテナ21は、コア211の一端Aと他端Bとを結ぶ延長線方向(コア211やコイル212の軸方向)の磁界に反応する指向性を有している。
従って、前記延長線方向に存在する裏蓋102の側面部102Bを電気絶縁体で構成し、延長線方向の磁界成分が駒部材100Aで遮断されずに容易に通過するように構成している。
【0034】
また、駒部材100A、駒本体101の材質は金属部材で構成した場合は、側面部102Bの厚みを他の部分より薄くした方が望ましい。理想的には30μm以下に薄くすると長波の場合、電波が透過してアンテナ特性が確保できる。駒部材100A、駒本体101がすべて同じ金属部材で構成したので、部材としての一体感が増して外観状の美観を向上できる。なお、側面部102Bの導電部材の厚みが薄くなることで駒部材の強度が不足する場合は、駒部材の内部をプラスチック等の非導電性部材で補強しても良い。
【0035】
このような構成による電波修正時計1の動作を説明する。
まず、通常時の時刻表示について説明する。通常は、駆動制御回路部3は、パルス合成回路31から入力されるパルス信号(基準信号)を利用し、1Hzのパルス信号を送って秒時刻カウンタ612のカウンタ値をカウントアップする。秒時刻カウンタ612がカウントアップして秒位置カウンタ611のカウンタ値と異なると、一致検出回路613はその不一致を検出して駆動制御回路部3に不一致信号を出力する。駆動制御回路部3は、その不一致信号に基づいて、秒駆動パルス信号PS1を出力する。この秒駆動パルス信号PS1の出力により、秒位置カウンタ611がカウントアップされるとともに、秒駆動回路41を介して秒モータ411が駆動され、秒針が駆動される。以上の処理は一致検出回路613で各カウンタ611,612の値が一致するまで行われる。従って、通常運針時は、秒時刻カウンタ612に1Hzが入力されてカウンタ値が「1」カウントアップされる毎に、秒駆動パルス信号PS1が1つ出力され、秒針が1秒分毎ステップ運針される。
時分についても同様に、時分時刻カウンタ622でカウントされるカウント値に時分位置カウンタ621のカウント値を一致させるように駆動制御回路部3から時分駆動パルス信号PS2が出力され、時分駆動パルス信号PS2に応じて時分駆動回路42から時分モータ421にパルス信号が出力され時針、分針が駆動される。
【0036】
次に、時刻情報を受信した場合の動作について説明する。
駆動制御回路部3は、設定された受信開始時間になると、受信回路23を駆動して時刻情報の受信を開始する。なお、外部入力装置8による受信動作開始の操作によって強制的に開始(強制受信)させることも可能である。
受信回路23が作動されると、アンテナ21を介して受信された電波(時刻情報)は受信回路23で処理されたのち、記憶回路部24に記憶される。このとき、受信した時刻データが正しいか否かの検証も合わせて行われる。具体的には、長波標準電波の時刻情報は1分毎のデータとなるため、受信した複数の時刻データが1分間隔の異なるデータになっているかで判断される。
受信された時刻情報が正しいデータと判断されると、駆動制御回路部3の指示によって、時刻データは秒時刻カウンタ612と時分時刻カウンタ622に出力され、秒時刻カウンタ612と時分時刻カウンタ622のカウント値が修正される。そして、各時刻カウンタ612,622のカウント値が修正された結果、各位置カウンタ611,621と異なる値になると、それらのカウント値が一致するまで各一致検出回路613,623の不一致信号を受けて、駆動制御回路部3は、各駆動パルス信号PS1、PS2を出力し、各指針を駆動する。この指針の駆動は、各カウンタ値が一致するまで早送りで継続される。
【0037】
なお、バンド10を構成する各駒部材100は、図示しないが駒部材100Aと同一の形状で構成された一体型の金属製の駒部材100で構成されている。そして、バンド10は、複数の金属製駒部材100が、ばね棒等を介して互いに回動可能に連結されて構成されている。複数の金属製駒部材100のうち、端部に配置される駒部材は、端部駒部材100Aとされ、この端部駒部材100Aをケーシング91に連結することで、バンド10が時計ケース9に取り付けられる。
なお、図示しないが、ケーシング91(時計ケース9)の両側部に連結されたバンド10の他端側は、Z字形に折り畳み可能な中留等を備えた固定具を介して連結され、全体環状に形成されている。時計1を腕へ装着する際には、中留等によってバンド10を良好な装着感が得られる長さに調節し、腕を挿通し固定具を固定して装着することとなる。
【0038】
前述の本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)アンテナ21をバンド10の駒部材100A内に配置しているので、本体ケース(時計ケース)9であるケーシング91等は金属製ケースで構成することができる。このため、本体ケース内にアンテナを配置していた従来の電波修正時計のように、本体ケースをプラスチック等で構成した場合に比べてチタン等の金属製にできるため、顧客ニーズの高い金属調の外観が得られ、これによりデザイン上の制約も少ない電波修正時計1を提供することができる。
その上、時計ケース9をプラスチック等の金属材以外で構成する場合、必要な強度を確保するために、厚みにしたり補強リブを設けるなど、ケース9の製造に工夫を要するが、金属製であれば、プラスチック等と比べて一般的には強度が高いので、より強度の高いケース9にできたり、同じ強度を確保するために必要なケース9の厚み寸法を小さくすることができる。
さらに、本実施形態では、文字板180も金属製あるいは表面が金属層のものにできるため、文字板180においても金属調の外観を得ることができ、デザイン上の制約も少なくできるので、顧客ニーズの高いデザインを設計することができる。
【0039】
(2)ケーシング91および駒部材100A間に跨ってチューブ110を配置し、このチューブ110内に固定部材115を圧入してチューブ110および各貫通孔95,106を密着させているので、貫通孔95,106部分からの浸水等も防止でき、ケーシング91内部および駒部材100A内部の防水性能を十分に高めることができる。具体的には、本実施形態の構造を備えた時計1では、10気圧程度の水圧に耐え得る防水性能が確保できる。このため、アンテナ21を駒部材100A内に配置しても、水浸入による故障等を防止でき、安定した性能を長期間確保することができる。
【0040】
(3)また、チューブ110は、信号線(フレキシブル基板213)とは別部材として加工および取り付けできるので、フレキシブル基板213やチューブ110の加工の手間が掛からず取付作業を容易にできるとともに、フレキシブル基板213に余分な力が加わることもなくその耐久性も向上できる。また、チューブ110は、NBR等の弾性材料であるゴムから形成され、その両端部のみが固定部材115と貫通孔95,106とで挟持、固定されているため、時計ケース9および駒部材100Aが互いに回動した状態でも、相互間の変形をチューブ110の中間部分が変形して吸収できるので、チューブ110がずれたり、外れたりすることがなく、防水性を確保できる。
【0041】
(4)アンテナ21が内蔵される駒部材100Aにおいて、コイル212の軸方向(コア211の軸方向)に配置される裏蓋102の側面部102Bを、非導電性部材で構成しているので、電波の受信感度を高めることができる。
さらに、前記アンテナ21のコア211やコイル212の軸方向が、バンド10の延長方向や時計ケース9の方向と異なるように構成したので、他の駒部材100やケーシング91などが金属製であっても、電波受信に障害とならず、受信感度の低下を防止することができる。
【0042】
(5)駒部材100Aは、駒本体101および裏蓋102で構成されており、バンド10の表面側に露出する駒本体101を金属製としたので、裏蓋102がプラスチックなどの非導電性部材で構成されていた場合でも、バンド表面側の意匠は他の駒部材100と同じ金属製にできるので、意匠性を向上することができる。
【0043】
(6)ループアンテナ21は磁性体コア211が挿入されているので、指向性をよりシャープにでき、アンテナ特性を向上できる。
【0044】
(7)チューブ110の両端部に形成された端部突出部110Aが、ケーシング91および駒本体101に孔設された貫通孔95,106の内部側端縁に当接、係止されているので、時計ケース9および駒部材100Aが互いに回動した状態において、チューブ110に大きな引張力が作用した場合でも、チューブ110が貫通孔95,106に対してずれることなく、より一層防水性を高めることができる。
その上、固定部材115をチューブ110に挿入する際、端部突出部110Aが貫通孔95,106の内部側端縁に係止され、チューブ110が抜け出してしまうことがないので、取付作業を容易にできる。
【0045】
(8)時計ケース9および駒部材100Aの回動角度を規制する手段を設けたので、これらの各部材が必要以上に回動することを防止できる。このため、チューブ110や信号線(フレキシブル基板213)に作用する応力および変形を所定量以下に抑制できる。
【0046】
(9)アンテナ21を駒部材100Aに収納できるので、従来のようにアンテナを時計ケース9内に配置する場合に比べて、時計ケース9の大きさを小さくしたり、厚さを薄くすることができる。
さらに、時計ケース9内には電池や回路基板、モータ等の各部品が配置されているため、アンテナを配置する場合にはそのレイアウトや大きさが制限されるため、あまり大きなアンテナを組み込むことができない。これに対し、本実施形態では、他の部品が配置されていない駒部材100A内にアンテナ21を配置しているので、駒部材100A自体の大きさや厚さによる制限はあるにしても、時計ケース9内に配置する場合に比べて、アンテナ21のレイアウトや大きさの制限が少なくなり、比較的大きなあるいは巻数の多いアンテナ21を用いることもできる。
【0047】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、駒部材100Aの構造と、アンテナ21の磁性体コア211の構造のみが前記第1実施形態と相違するものであるため、その部分のみを説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成部分には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態の駒部材100Aは、図7に示すように、駒本体121と、上蓋122とで構成されている。駒本体121は、プラスチックなどの電磁絶縁体からなり、上面(バンド表面側)に開口する凹部状の収納部121Aを備えて構成されている。そして、この収納部121Aに前記アンテナ21を収納した状態で、上蓋122を収納部121Aの上面に固着して駒部材100Aを構成する。なお、上蓋122は、金属製でもよいし、プラスチック、セラミックなどの電磁絶縁体でもよい。また、駒本体121との固着方法としては、接着剤を用いた接着方法、超音波溶着、熱かしめ、ねじ等の各種の固着方法が利用できる。これらの固着方法は、駒本体121、上蓋122の材質等に応じて適宜選択すればよい。
【0048】
アンテナ21の磁性体コア211は、コバルト系アモルファス金属、鉄系アモルファス金属磁性材料等の各種アモルファス金属薄板211Aを積層して構成されている。アモルファス金属薄板211Aは、溶融した原料を急冷する連続鋳造超急冷装置等により製造でき、その製造手順は例えば以下の通りである。
まず、誘導加熱炉で原料となる複数種類の金属を溶融し、誘導加熱炉から注がれる溶融原料をフィーダーで加圧して鋳造ヘッドから噴出し、この吹き付けられた溶融原料を急冷ドラムで急速冷却してアモルファス金属からなるテープを形成し、このテープを巻き取り装置に巻き取る。
この連続鋳造超急冷装置で製造されたテープを、巻き取りリールとともに打ち抜き用のプレス装置にセットし、プレス装置で打ち抜くことにより、テープから磁性体コア211の平面形状に応じた所定の形状を有する磁性薄材、換言すれば、所定形状となったアモルファス金属薄板211Aを製造する。
【0049】
この後、所定形状となったアモルファス金属薄板211Aを窒素ガス等の中で加熱・冷却して焼鈍を行う。この際、アモルファス金属薄板211Aを所定温度まで加熱し、当該所定温度に到達してから所定時間が経過するまで当該温度を維持した後、冷却する。例えば、コバルト系アモルファス金属薄板211Aを製造する場合、加熱時の温度上昇率は、約50℃/1時間に設定することができる。
冷却時の温度降下率は、例えば、約300℃/1時間に設定できる。所定温度は、225℃より高温で550℃以下の範囲内に設定できる。所定温度を維持する所定時間は、30分以上120分以下の範囲内に設定することができる。
【0050】
焼鈍が完了したら、複数のアモルファス金属薄板211Aを積層し、この状態で、アモルファス金属薄板211Aに圧力を加え、これらのアモルファス金属薄板211Aの隙間に、毛細管現象により接着剤を注入し、これにより、複数のアモルファス金属薄板211Aを貼り合わせた所定の厚さの磁性体コア211を形成する。
なお、アモルファス金属薄板211Aの厚さは、例えば、15μmあるいは25μmに設定することができる。
【0051】
本実施形態によれば、前述の(1)〜(9)の効果と合わせて、次のような効果が得られる。
(10)磁性体コア211として、アモルファス金属薄板211Aを積層したものを用いているので、磁束が流れる方向の断面積を小さくでき、磁束変化により生じる渦電流が抑制され、鉄損を小さくできる。
(11)駒本体121に収納部121Aを形成したので、上蓋122は板状に形成できる。従って、上蓋122を金属やセラミックなどで形成する場合も、その加工が容易であり、安価に提供できる。その上、駒本体121もプラスチックなどで構成されるため、射出成形等を用いて容易に製造することもでき、比較的安価に製造できる。また、アンテナ21が収納される駒本体121を電磁絶縁体(非導電性部材)で構成しているので、コイル212の軸方向(コア211の軸方向)には電磁絶縁体の駒本体121が配置されることになるため、電波をシールドしてしまうことがなく、電波の受信感度を高めることができる。
さらに、上蓋122は、アンテナ感度への影響が小さいために、金属等の導電性部材を用いることができる。このため、バンド10の表面意匠などを考慮し、他の駒部材100と同様の外観となるように、他の駒部材100と同じ金属製の上蓋122等を用いることができ、バンド10の意匠性を容易に向上できる。
【0052】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、駒部材100Aの構造が第1、2実施形態と相違するものである。なお、アンテナ21は、第2実施形態と同じ構成であるため、説明を省略する。
第3実施形態の駒部材100Aは、図8に示すように、駒本体131と、側蓋132とで構成されている。駒本体131は、金属製部材からなり中空筒状に形成されている。側蓋132は、プラスチックなどの非導電性部材(電磁絶縁体)で構成されている。
そして、駒本体131の中空部(収納部)131A内にアンテナ21が収納され、その両開口部に側蓋132が装着されている。この際、コイル212の軸方向(コア211の軸方向)が中空部131Aの軸方向と一致する向きでアンテナ21は収納されている。従って、コイル212の軸方向には、非導電性部材からなる側蓋132が配置され、受信感度の低下を防止している。
また、駒本体131の外周の一部は、金属部分が切断されて絶縁材133が挟み込まれている。なお、本実施形態では、この絶縁材133は、バンド裏面側に形成されており、駒部材100Aにおけるバンド表面側の意匠の低下を防止している。
【0053】
本実施形態によれば、前述の(1)〜(10)の効果と合わせて、次のような効果が得られる。
(12)駒本体131を金属製でかつ中空状に形成したので、バンド10の裏面側つまり腕に時計1を装着した際に腕に接する面側も金属製にすることができ、腕に装着した場合の同調周波数のズレを最小限に抑えることができ、安定したアンテナ特性を実現することができる。すなわち、アンテナ21が内蔵される駒部材100Aのバンド裏面側を非導電性部材で構成した場合には、腕に装着した場合としない場合とで同調周波数の差が大きくなるため、調整が必要となる。これに対し、バンド裏面側が金属であれば、腕に対する装着の有無による同調周波数の差は小さくなり、予め腕に装着しない状態で調整することもでき、安定したアンテナ特性を得ることができる。
【0054】
(13)さらに、ループアンテナ21の周囲を全周金属製にすると、うず電流が発生してアンテナ効率が劣化する可能性があるが、本実施形態では、金属の周回方向の一部に絶縁材133を挿入して絶縁しているので、うず電流の発生を抑えることができ、アンテナ効率の劣化も防止できる。
【0055】
(14)駒部材100Aは、側蓋132のみをプラスチック等の非導電性部材で構成し、駒本体131は金属製であるため、他の駒部材100と略同様の外観および装着感を得ることができる。
【0056】
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、以上述べた実施の形態に対し、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
例えば、アンテナ21の構成としては、図9に示すように、磁性体コア211の断面積が大きい面がコイル212の軸方向に直交するように、コイル212を巻回してもよい。なお、このアンテナ21を駒部材100Aに配置した場合、コイル212つまりコア211の軸方向は、通常、駒部材100Aの表面および裏面を結ぶ方向となる。
この場合には、バンド10の表面に直交する方向の磁界成分に対して送受信時の感度を高くすることができる。このため、例えば、電車の自動改札機等で利用されている非接触IC(RF−ID)を用いた認証システムにおけるRF−ID用アンテナとして前記アンテナ21を利用することができる。すなわち、改札機等の認証機側に設置されたリードライタ用アンテナは、RF−ID用アンテナを組み込んだカードを近接させて情報を通信するため、無線情報の磁界成分が読み取り面に対して直交方向に(例えば上下方向)に出ている。従って、バンド10内のアンテナ21も、そのアンテナ21の軸方向を読み取り面に対して直交方向に向ける必要がある。この際、図9に示すような構成にすれば、バンド10の表面を認証機側の読み取り面に対向させればよいため、認証操作が容易になり、確実に認証できる利点がある。
さらに、標準電波(JJY)のように、40kHzや60kHzの低い周波数帯の電波を利用して通信する場合には、アンテナインダクタンス値を大きくする必要があるため、コイル巻数が多くできる前記実施形態の構成が好ましい。これに対し、13.56MHz等の非接触ICカード(ISO14443)のように高い周波数を使う場合は、図9に示す構成のほうがアンテナ特性を向上できるという利点もある。従って、使用する無線信号の種類などに応じてアンテナ21の構成を設定すればよい。
【0057】
また、アンテナ21としては、図10に示すように、同調用コンデンサ230をフレキシブル基板213上に配置し、コイル212とともに駒部材100A内に配置してもよい。バンド10の駒部材100A内にアンテナ21を配置した場合、時計ケース9内にアンテナ21を内蔵した場合に比べてアンテナ配線が長くなるため、腕やケース9との角度により、同調周波数がずれやすい。このため、コンデンサ230を駒部材100A内に内蔵してアンテナ21のコイル212の近くに配置すれば、外部からの影響を少なくでき、アンテナ特性をより一層安定させることができる。
【0058】
さらに、本発明は、アナログ式の電波修正時計1に限らず、デジタル式の電波修正時計1Aに適用してもよい。デジタル式の電波修正時計1Aは、図11に示すように、アンテナ21、受信回路23、時刻データ記憶回路部24、駆動制御回路部3、パルス合成回路31、電力供給手段7である電池73、リュウズなどの外部入力装置8等の電波修正時計1と同様の構成を備えている。さらに、駆動制御回路部3内には時刻カウンタ630が設けられ、時刻カウンタ630の時刻データが液晶パネルの駆動回路43を介して時刻表示手段である液晶パネル430に表示されるように構成されている。
なお、時刻カウンタ630の値は、パルス合成回路31からのパルス信号によって変化するとともに、受信回路23で受信され時刻データ記憶回路部24に記憶された時刻データが正しいと判断された場合には、その時刻データによって更新される。
【0059】
このようなデジタル式の電波修正時計1Aにおいても、アンテナ21をケース本体ではなく、バンド10の駒部材100A内に配置できるので、時計ケース9を小型、薄型化できる。特に、デジタル時計の場合、液晶パネル430と回路基板、電池73等で構成できてアナログ時計に比べて部品点数が少ないため、非常に薄型の時計1Aにできる。
【0060】
また、駒部材100A内には、アンテナ21のみ、あるいはアンテナ21と同調用コンデンサ230を内蔵させる場合に限らず、アンテナ21、同調回路部22、受信回路23を内蔵させてもよい。この場合、受信した時刻データを送信する信号線、受信回路23を制御する信号を送る制御線、受信回路23の電源線を駒部材100Aから本体ケースまで、チューブ110内を介して配設すればよい。
【0061】
前述の各実施形態では、チューブ110の両端部に端部突出部110Aを備える構成としたが、これに限らず、両端部ともに端部突出部110Aが形成されていなくてもよく、また、片側のみに端部突出部110Aが形成されたものでもよい。このようにすることで、チューブ110(筒状部材)を貫通孔95,106に挿入しやすくなり、取付作業が容易にできる。さらに、筒状部材の片側あるいは両側をケース9や駒部材100Aに接着や溶着、圧着等の方法で固定してもよい。このようにすることで、筒状部材の固定がより確実になり、ケース9や駒部材100A内部に対する防水性が向上する。
【0062】
また、前述の各実施形態では、ケーシング91および駒部材100A間に跨って配置される信号線として、フレキシブル基板213を用いていたが、これに限らず、銅線のより線に絶縁被覆を施した導電線等の他の信号線を用いてもよい。
さらに、例えば、受信回路23までを駒部材100A内に配置した場合のように、デジタル信号を送信する信号線を配置する場合には、光ファイバー等の信号線を用いてもよく、要するに電気信号や磁気信号、光信号等の各種信号を送信できる各種の信号線を用いればよい。
また、チューブ110として、NBR(アクリロニトリル‐ブタジエン‐ゴム)を適用したが、これに限らず、ゴムとして天然ゴムやIIR(ブチルゴム)、ウレタンゴム等が適用でき、その他に合成樹脂等の可撓性や伸縮性、水密性を有する材料であれば適用可能である。また、筒状部材の形状は円筒状に限らず、断面略楕円形や長円形の筒状、断面多角形の角筒状に形成されたものでもよい。
さらに、チューブ110が挿入される貫通孔95,106の端縁と、チューブ110との間にシリコンオイルを塗布してもよい。このようにすることで、チューブ110と貫通孔95,106との間から水がより入りにくくなり、防水性を向上できる。
【0063】
また、ケーシング91と駒部材100Aとの回動角を規制する回動角規制手段としては、他の構成を採用してもよいし、この回動角規制手段は必ずしも設けなくてもよい。
【0064】
さらに、前述の各実施形態では、時計ケース9に隣接する駒部材100にアンテナ21を内蔵させていたが、時計ケース9に対し1つ以上の駒部材100を挟んで配置される駒部材100にアンテナ21を配置してもよい。この場合、時計ケース9と駒部材100との間だけでなく、アンテナ21が内蔵された駒部材100までの各駒部材100にも貫通孔106を形成し、これらの各駒部材100間にも、前記チューブ110、固定部材115を配置して信号線を配設可能に構成すればよい。そして、アンテナ21が内蔵された駒部材100から1つ以上の他の駒部材100および各チューブ110を介して時計ケース9まで信号線を配設すればよい。
【0065】
また、前述の実施形態では、ケーシング91および裏蓋93等からなる本体ケース9や文字板180を、ステンレス鋼、真鍮、チタン等の金属材で構成していたが、合成樹脂やセラミックなどの非導電性材料で構成してもよく、さらにはこれらプラスチック等にメタリック塗装などの表面処理を施して金属層を形成したもので構成してもよい。この場合でも、アンテナ21を駒部材100A側に配置することによる時計ケース9の小型、薄型化の効果は得られる。
なお、本体ケースを金属製とする場合、要求される機能において、非導電性部材で構成される部分があるときは、その部分以外を金属製とすればよい。例えば、時計ケース9においては、通常は、ケーシング91および裏蓋93を金属製とするが、時計によっては、内部のムーブメントを視認できるように、裏蓋93を金属リングとその内側に嵌め込まれたガラスとで構成する場合がある。この場合、ガラス部分を除く他の部分を金属製とすればよい。要するに、本体ケースにおいて、材質を選択できる部分を金属製とすればよい。
また、固定部材115についても金属製に限らず、筒状部材を挟持、固定できる強度と剛性を有する材料が適用でき、例えば合成樹脂製であってもよい。
【0066】
駒部材100Aの材質は、前記実施形態に限らない。例えば、駒部材100Aにおいてプラスチックなどの非導電性部材で構成された部分(側面部102Bや、駒本体121、側蓋132)に、メタリック塗装などの表面処理加工を施し、他の駒部材100や本体ケース9の表面意匠と統一感が得られるようにしてもよい。
特に、駒部材100Aに表面処理加工を施し、本体ケース9および駒部材100の両方と同様の表面意匠にすれば、時計全体を統一感がある意匠にすることができる。
なお、本体ケース9とバンド10部分の表面意匠をデザイン上異ならせてもよい。この場合、前記駒部材100Aが各駒部材100の途中にある場合には、駒部材100と同様の表面意匠となるように表面処理すればよい。一方、駒部材100Aが、本体ケース9に隣接つまり駒部材100と本体ケース9との間に配置されている場合には、デザイン面を考慮し、駒部材100Aを本体ケース9と同様の表面処理にしてもよいし、駒部材100と同様の表面処理にしてもよい。これらは、電子機器の意匠性を考慮して適宜設定すればよい。
【0067】
さらに、駒部材100Aにおいて、ループアンテナ21の開口面に対向する面、つまりコイル212の軸方向に配置される面を非導電性部材で構成していたが、金属などの導電性部材で構成してもよい。導電性部材で構成すると、アンテナ特性が低下するが、時計ケース9に比べて駒部材100Aは薄く形成できるため、金属製の時計ケース9内にアンテナ21を配置する場合に比べるとアンテナ特性を向上でき、無線信号の種類や強度(発信源からの距離等)によっては金属製の駒部材100A内にアンテナ21を配置しても信号を受信できるためである。
【0068】
さらに、駒部材100A内に内蔵されるアンテナ21によって受信する無線情報としては、時刻情報を含む長波標準電波に限定されない。例えば、時刻情報を受信する場合でも、その無線信号としては、300MHz帯の微弱電波無線、400MHz帯の特定小電力無線、2.4GHz帯のBluetooth(ブルートゥース)等を利用してもよい。これらの無線を受信する場合には、周波数が高いため、コイル212のターン数は少なくてよく、アンテナ21も小さくできる。
【0069】
また、電波を用いた無線通信に限らず、電磁結合方式や電磁誘導方式等の他の無線通信方式を用いてもよい。なお、電磁結合や電磁誘導方式は、通信機器同士を近接させる必要があるが、ステンレス等の非磁性体であれば金属部分でも透過して通信が可能なため、アンテナが内蔵される駒部材100をステンレス等の金属製で構成できる利点がある。
【0070】
さらに、前記アンテナ21を用いて通信する無線情報としては、時刻情報に限らない。例えば、電車の定期券や各種プリペイドICカードのような情報を送受信するために利用してもよい。例えば、駒部材100内にICチップとアンテナ等を組み込み、ICカードを用いた改札機や入退室管理機、各種の課金支払機等に腕時計を近接させて情報をやり取りできるようにして、時計のバンド10部分にICカード機能を組み込んでもよい。この場合、別途、ICカードを出し入れする必要がなく、時計をはめた手を近付けるだけでよいため、操作性を非常に向上することができる。その上、このような付加機能は駒部材100部分に組み込むことができるので、既存の時計などに対してもバンド10を交換するだけで容易に実現できる。
従って、本発明のアンテナ駒部材100Aに内蔵されるアンテナ21としては、標準電波を受信する場合のような受信専用に用いるものでもよいし、非接触ICを用いたタグのように、情報を送受信するために用いてもよいし、さらには送信専用に用いてもよく、これらは本発明を適用する電子機器の種類に応じて適宜選択すればよい。
【0071】
本発明の無線機能付き電子機器としては、前述の電波修正時計に限定されず、例えば、前記ICカード機能のみが設けられた電子機器(装着バンド付ICカード装置)等の各種電子機器にも適用できる。例えば、電子機器としては、脈拍や体温等の測定機器や通信、通話機能を備えた通信機器、カレンダやスケジュール、アドレス帳機能を備えた携帯情報端末機器、電子計算機能を備えた携帯型コンピュータ、音楽や画像、映像再生機能を備えたAV機器、非接触型通信機能を備えた個人情報管理用機器等の各種の無線情報の通信機能を有する電子機器に適用できる。
これらの電子機器においても、例えば本体に液晶表示部等を設け、駒部材100内に組み込まれたアンテナで受信したり、外部に送信する情報、例えば残金情報や使用履歴等の情報を表示するようにしてもよい。さらには、電子機器から利用者のID情報を通信できるようにし、その電子機器と通信するシステム側から利用者に情報を提供するようにしてもよい。例えば、交通機関への乗降車時や、イベント会場や店舗への入退場時、会社等への出退勤時に、利用者全員にメッセージを送ったり、特定の人(IDで特定)に特別なメッセージ(特典ポイントの案内、イベント情報)を送るようにしてもよい。
【0072】
また、電子機器の場合、情報表示手段としてLCD(液晶ディスプレイ)を用いるが、バンド駒内にアンテナを配置すると、LCDから発生する電気ノイズによって、アンテナが誤受信するのを防げるメリットがある。LCDとアンテナを近接させながら誤動作を防止するには、両者の間に金属シールド板が必要になるから、本体部のみが厚くなってしまい、デザイン性も悪くなって、携帯もしづらくなる。これに対し、バンド駒内にアンテナを配置すると、機器全体を薄型化できる効果がある。
【0073】
また、アンテナ21は、ループアンテナに限らず、誘導体アンテナ等の他のアンテナを用いてもよく、これらは送信あるいは受信する無線情報の種類等に応じて適宜設定すればよい。なお、ループアンテナを用いる場合は、磁性体コアが挿入されていないものを用いてもよい。
【0074】
さらに、バンドの駒部材100内に組み込むものはアンテナに限らず、電池や2次電池や太陽電池等の電源を組み込んでもよい。これらの電源は通常本体ケース内に組み込まれるが、駒部材100に組み込めば、本体ケースをより小型化、薄型化できる。さらに、複数の駒部材100の表面に露出するように太陽電池を組み込めば、受光面積を大きくできて発電量を向上できる。なお、複数の駒部材100に各種の電池を組み込んだ場合には、これらの電池を直列あるいは並列で接続するように各信号線(配線)を配設すればよい。
【0075】
さらに、駒部材100に設置できる機器としては、プッシュ型や4方向ポインタ、8方向ポインタ、ダイヤル回転式等のスイッチ類等でもよい。このようなスイッチ類も通常は本体ケース部分に組み込まれるが、駒部材100側に配置することで、本体ケースのスペースを有効利用でき、例えば液晶表示部をより大きくできる等の利点がある。さらに、本体の表示部と離れた部分で操作できるので、レイアウトによっては操作性を向上でき、操作時に表示を確認し易くすることもできる。
また、駒部材100に設置できる機器としては、LCDやLED等で構成された副表示装置等でもよい。例えば、日付や時刻情報をこの副表示装置に表示し、本体の表示部は各種情報の表示などに利用してもよい。なお、副表示装置の表示内容としては、アラームなどの設定の有無(ベルの図形等で表示)や、次のスケジュールまでの時間等でもよく、利用者が適宜設定できることが好ましい。
さらに、本体に蓋を設け、副表示装置にメール着信情報等が表示された場合に、蓋を開いて本体の表示部でその内容を確認するような使い方をしてもよい。
【0076】
本発明の電子機器のバンドは、腕装着用に限定されるものではなく、身体のその他の部分や、鞄等の持ち物等に装着するため、さらには単なる装飾用として設けられているものでもよい。
【0077】
【発明の効果】
前述のように本発明の電子機器によれば、金属調の外観が得られ、デザイン上の制約も無い無線機能付き電子機器を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 前記実施形態のアンテナの構成を示す斜視図である。
【図3】 前記実施形態の受信回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 前記実施形態の要部を示す分解斜視図である。
【図5】 前記実施形態の時計ケースと駒部材との連結部分を示す断面図である。
【図6】 アンテナによる電波の受信を説明する概念図である。
【図7】 本発明の第2実施形態の要部を示す分解斜視図である。
【図8】 本発明の第3実施形態の要部を示す分解斜視図である。
【図9】 本発明のアンテナの変形例を示す斜視図である。
【図10】 本発明のアンテナの他の変形例を示す斜視図である。
【図11】 本発明の変形例であるデジタル時計の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1A…電波修正時計、2…受信手段、3…駆動制御回路部、4…駆動手段、6…カウンタ部、7…電力供給手段、8…外部入力装置、9…時計ケース、10…時計バンド、21…ループアンテナ、22…同調回路部、23…受信回路、24…時刻データ記憶回路部、91…ケーシング、91A…連結用突片、92…カバーガラス、93…裏蓋、95,106…貫通孔、100,100A…駒部材、101…駒本体、102…裏蓋、102A…裏面部、102B…側面部、105…ピン、110…チューブ、110A…端部突出部、115…固定部材、121…駒本体、121A…収納部、122…上蓋、131…駒本体、131A…中空部、132…側蓋、133…絶縁材、180…文字板、211…磁性体コア、211A…アモルファス金属薄板、212…コイル、213…フレキシブル基板、230…同調用コンデンサ、430…液晶パネル。

Claims (9)

  1. 本体ケースと、複数の駒部材を互いに連結して形成されて前記本体ケースに連結されるバンドと、アンテナと、このアンテナを介して外部との間で無線通信を行う通信手段とを備え、
    前記アンテナは前記バンドの駒部材内に配置され、
    このアンテナが内蔵されたアンテナ内蔵駒部材から前記本体ケースまでの互いに連結される各部材間には、これらの各部材同士が対向する互いの端面から各部材内部まで貫通する貫通孔が設けられ、
    前記各貫通孔には、前記各部材に渡って設けられる筒状部材の両端部が挿入され、前記筒状部材の両端部は、前記各部材の内部側から当該筒状部材に圧入される筒状の固定部材と、前記貫通孔の内周面とで挟持され、
    前記本体ケースから前記アンテナ内蔵駒部材までは、各駒部材および前記固定部材および筒状部材内を通して信号線が配設されていることを特徴とする無線機能付き電子機器。
  2. 請求項1に記載の無線機能付き電子機器において、前記アンテナはループアンテナであり、かつ、そのアンテナ開口面がアンテナ内蔵駒部材に連結する他の部材に対向しない向きに配置されていることを特徴とする無線機能付き電子機器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無線機能付き電子機器において、前記アンテナはループアンテナであり、かつ、前記アンテナ内蔵駒部材は、少なくとも前記ループアンテナの開口面に対向する面を非導電性部材で形成したことを特徴とする無線機能付き電子機器。
  4. 請求項1または請求項2に記載の無線機能付き電子機器において、前記アンテナはループアンテナであり、かつ、前記アンテナ内蔵駒部材の少なくとも外面は導電性部材で形成され、前記ループアンテナの開口面に対向する面の導電性部材の厚みは他の面の厚よりも薄いことを特徴とする無線機能付き電子機器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の無線機能付き電子機器において、前記アンテナはループアンテナであり、かつ、前記ループアンテナは磁性体コアが挿入されていることを特徴とする無線機能付き電子機器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の無線機能付き電子機器において、前記アンテナ内蔵駒部材内には前記アンテナに接続された同調用容量素子が配置されていることを特徴とする無線機能付き電子機器。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の無線機能付き電子機器において、前記本体ケースは金属製であることを特徴とする無線機能付き電子機器。
  8. 請求項7に記載の無線機能付き電子機器において、前記アンテナ内蔵駒部材には他の駒部材および前記金属製の本体ケースと同様の外観となるように表面処理加工が施されていることを特徴とする無線機能付き電子機器。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の無線機能付き電子機器において、前記外部からの無線情報は時刻情報を含む無線情報であり、前記電子機器は、前記無線情報に基づいて修正表示される時刻表示手段を備える電子時計であることを特徴とする無線機能付き電子機器。
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