JP4752150B2 - 腕時計用のアンテナ及びそれを内蔵する腕時計 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用いたタグを内蔵し、かつ時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正可能に構成された腕時計に用いられる腕時計用のアンテナ及びそれを内蔵する腕時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、目視で人又は物品を確認するものとして、認識票や名札等のプレートがあるけれども、このプレートに表示可能な情報は極めて限られた量の情報しか表示できない。このため近年では、RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用いて電子的に識別機能を付加したタグが知られている。この識別用タグはICチップとこのICチップに電気的に接続されたアンテナとを有し、この識別用タグを上記プレートに付ければ、プレートの表面に刻印された情報を目視で確認できることに加えて、上記ICチップに多様な情報を記憶させることができる。例えば、上記タグ付プレートを人又は物品に取付け、自動的にICチップに記憶された情報を取出して、人又は物品の出入管理又は出納管理を行うことができるようになっている。
【0003】
なお、最近ではこのような識別用タグを、スキー場のリフト乗り場におけるゲートや各種遊園地の遊戯施設におけるゲートで入場のための識別装置として、又は電車やバスの乗車券や定期券として使用することがなされている。識別用タグをこのようなゲートの通過や乗車のための識別に使用すれば、リフトに乗ろうとする乗客、又は遊戯装置に搭乗しようとする乗客、若しくは乗車しようとする乗客は、そのタグをゲートに設けられた識別手段に近づけるための簡単な動作で正規の乗客であることを識別できるようになっている。
【0004】
一方、リフトに乗る乗客又は遊戯装置やバス等に搭乗する乗客は通常その腕に時刻を表示する腕時計を着用しているのが一般的である。このため、その腕時計に識別用タグを内蔵しようとする試みがなされている。腕時計にこの識別用タグを内蔵できれば、別個独立の識別用タグを腕時計と別に携帯する必要はなく、識別用タグを違和感なく腕に着用することができるため、その利用分野が従来にも増して拡大することが期待されている。
【0005】
また、従来、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正可能に構成された時計が知られており、このような機能を有する腕時計として、図12に示すように、環状枠2aとガラス蓋2bと裏蓋2c(図11)により構成されたケース2の外側面に棒状のアンテナ6が設けられ、このアンテナ6がプラスチック又は非磁性材料からなるカバー8に収納されたものが知られている。この腕時計1では、アンテナ6がフェライト棒からなる磁芯部材6aと、この磁芯部材6aに巻回されたコイル6bとを有する。また環状枠2aには一対の受け具2d,2dが突設され、これらの受け具2d,2dにはバンド9の両端がそれぞれ枢着される。このように構成された腕時計1では、アンテナ6の直径を小さくかつ長さを短く形成することにより、腕時計1の小型化を図っている。しかし、上記従来の腕時計では、バンド9の軸線とケース2の中心軸とが一致しないため、見栄えを著しく損う問題点があった。
【0006】
一方、腕時計自体は、図11に示すように、時計ケース2と、その時計ケース2に収容された駆動部3と、時計ケース2に収容され駆動部3により駆動されて時刻を表示する表示部4と、ケース2に収容されアンテナ6の検出出力に基づいて駆動部3を制御するコントローラ7とを備えている。この腕時計1では、表側をガラス蓋2bで封止された環状枠2aの内部に、表示部4と駆動部3をこの順序で収容し、最後に裏蓋2cで環状枠2aの裏側を封止するような構造をなしている。従って、この従来の腕時計1には駆動部3の周囲に比較的余裕のある空間が生じている。従って、環状枠2aの内面と駆動部3の間にアンテナ6を収容できれば、バンド9の軸線とケース2の中心軸とを一致させることが可能になり、腕時計における外観を一般的な腕時計と同様の外観構成にすることにより、外観上の見栄えを向上させることが期待される。また、この空間にICチップとアンテナからなる前述の識別用タグを内蔵できれば、腕時計の利用分野が従来にも増して拡大することが期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、環状枠2aの内面と駆動部3の間に時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナと、識別タグを構成するアンテナの双方を別個独立させた状態で収容することは、環状枠2aの内面と駆動部3の間の空間を拡大させる必要を生じさせ、結果的に腕時計全体の外径が増大する不具合がある。また、2つのアンテナを収容することは、それらのアンテナを独立して管理する必要があり、それらのアンテナを時計ケースに収容させる作業工数も増加して腕時計の単価が押し上げられる不具合もある。更に、2つのアンテナを収容する際に、それらのアンテナが磁芯部材を有する場合には、一方の磁束に対して他方のアンテナが反応し、それぞれのアンテナが正確に電波を受信できない問題点もある。
【0008】
一方、いわゆるブランド品と言われるような比較的高価な腕時計は、耐久性と高級感を醸し出すために、その時計ケースを構成する環状枠及び裏蓋が電気導電性を有しかつ電波の遮蔽効果を有する金属により作られている場合が多い。この高級感を漂わせる高級腕時計にあっては、環状枠の内面と駆動部の間にアンテナを収容できたとしても、環状枠及び裏蓋が電波の通過する障壁となり、アンテナが時刻情報を含む所定の周波数(40kHz)の電波又は識別タグのICチップに記憶された情報を読み出すための電波を受信できない不具合がある。
【0009】
また、一般的な腕時計では、環状枠のみを金属により作り裏蓋をプラスチックにより作り上げたものもあり、この腕時計では、裏蓋がプラスチックであるために電波が通過したとしても、アンテナが電波を受けた際にその環状枠にも誘導電流が流れ、外部からの電波を相殺してしまう不具合があり、アンテナの感度を著しく低下させる不具合がある。この点を解消するために、腕時計の時計ケースにおける環状枠をも非導電性の樹脂により形成することも考えられるが、樹脂により環状枠及び裏蓋を形成すると、おもちゃの部類に属する比較的安価な腕時計と同じレベルの腕時計になり、一般的な腕時計が本来的に有する高級感を表出することができない不具合がある。
【0010】
本発明の目的は、時刻情報を含む電波及びICチップに記憶された情報を読み出すための電波の双方を受信し得る腕時計用のアンテナを提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、外観上の見栄え及び高級感を損うことなく、アンテナが時刻情報を含む電波及びICチップに記憶された情報を読み出すための電波を確実に受信し得る腕時計を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、環状枠12aとこの環状枠12aの表側を封止するガラス蓋12bとこの環状枠12aの裏側を封止する裏蓋12cとを有しかつ駆動部13が収容されたする時計ケース12に収容され磁芯部材22とコイル23a,23bを備える腕時計用のアンテナである。
【0013】
その特徴ある構成は、磁芯部材22が駆動部13に遊嵌可能な孔が形成されて駆動部13と環状枠12aとの間に挿入可能なリング状に形成され、コイルが,リング状の磁芯部材22の中心軸を磁芯軸とするようにリング状の磁芯部材22の外周面に巻回された第1コイル23aと,リング状の磁芯部材22を磁芯軸をするようにリング状の磁芯部材22に螺旋状に巻回された第2コイル23bとを有するところにある。
【0014】
この請求項1に記載された腕時計用のアンテナでは、単一の磁芯部材22に第1及び第2コイル23a,23bをそれぞれ巻回したので、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナとしての機能と、識別タグ18を構成するアンテナとしての機能を併せ持つ。従って、この双方の機能を有する本発明におけるアンテナ21では、環状枠12aの内面と駆動部13の間の空間を拡大させることなく腕時計用ケース12に収容することができる。
【0015】
また、第1コイル23aの磁芯軸と第2コイル23bの磁芯軸を直交させたので、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することを回避することができ、第1コイル23a及び第2コイル23bはそれぞれ正確に電波を受信することが可能になる。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、磁芯部材22が磁性体の粉末又はフレークとプラスチックとの複合材を射出成形又は圧縮成形することにより形成された腕時計用のアンテナである。
【0017】
この請求項2に記載された腕時計用のアンテナでは、複合材を射出又は圧縮成形して形成するので、任意の形状における磁芯部材22を得ることが可能になり、比較的安価なアンテナ21を得ることが可能になる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、磁芯部材22が磁性材料からなる粉末又はフレークを含むインク又は塗料を塗布乾燥することにより形成された磁性塗膜をリング状に巻回することにより作られた腕時計用のアンテナである。
【0019】
この請求項3に記載された腕時計用のアンテナでは、射出成形において成形が困難な0.8mm以下の肉厚を有する磁芯部材22を得ることができ、環状枠12aの内面と駆動部13の外周面との間の隙間が少ない場合であっても、その隙間に収容可能な磁芯部材22を得ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明は、図2に示すように、環状枠12aと裏蓋12cがそれぞれ非導電性プラスチックにより形成された時計ケース12と、時計ケース12に収容され時刻を表示する表示部14と、時計ケース12に収容され表示部14を駆動可能に構成された駆動部13と、時計ケースの環状枠12aの内面に沿って駆動部13を包囲するように時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ21と、ケース12に収容されて第1コイル23aに電気的に接続されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御可能に構成されたコントローラ17と、ケース12に収容されて第2コイル23bに電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ16とを備えた腕時計である。
【0021】
この請求項4に記載された腕時計では、RFID技術を用いたタグとしての機能と、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正する機能の双方を併せ持つことができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、非導電性プラスチックにより形成された裏蓋12cの外面に、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aが形成された金属製補助蓋33が接着された腕時計である。
【0023】
この請求項5に記載された腕時計では、環状枠12aと裏蓋12cがそれぞれ非導電性プラスチックにより形成された時計ケース12を金属製補助蓋33が部分的に補強して、時計ケース12の強度を向上する。一方、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aが金属製補助蓋33に形成されるので、電波を受けた際に金属製補助蓋33の周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態は回避される。
【0024】
請求項6に係る発明は、図6〜図8に示すように、金属材料により形成された環状枠42aと非導電性プラスチックにより形成された裏蓋42cとを有する時計ケース42と、時計ケース42に収容され時刻を表示する表示部14と、時計ケース42に収容され表示部14を駆動可能に構成された駆動部13と、時計ケースの環状枠42aの内面に沿って駆動部13を包囲するように時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ21と、ケース42に収容されて第1コイル23aに電気的に接続されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御可能に構成されたコントローラ17と、ケース42に収容されて第2コイル23bに電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ16とを備え、環状枠42aを少なくとも1個所切断することにより環状枠42aに第1スリット42eが形成された腕時計である。
【0025】
この請求項6に記載された腕時計では、腕時計41の外表面を構成する環状枠42aを金属材料により形成するので、腕時計が本来的に有する高級感を表出することができる。また、環状枠42aに第1スリット42eを形成するので、アンテナ21が電波を受信した際に環状枠42aに誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避してアンテナ16の感度が低下することを防止することができる。
【0026】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明であって、非導電性プラスチックにより形成された裏蓋42cの外面に、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリットが形成された金属製補助蓋が接着された腕時計である。
【0027】
この請求項7に記載された腕時計では、裏蓋12cが非導電性プラスチックにより形成されているが、裏蓋42cの外面に金属製補助蓋を接着することにより腕時計の見栄えを向上する。一方、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリットが金属製補助蓋に形成されるので、電波を受けた際に金属製補助蓋の周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態は回避される。
【0028】
請求項8に係る発明は、図9及び図10に示すように、環状枠62aと裏蓋62cがそれぞれ金属材料により形成された時計ケース62と、時計ケース62に収容され時刻を表示する表示部14と、時計ケース62に収容され表示部14を駆動可能に構成された駆動部13と、時計ケースの環状枠62aの内面に沿って駆動部13を包囲するように時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ21と、ケース62に収容されて第1コイル23aに電気的に接続されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御可能に構成されたコントローラ17と、ケース62に収容されて第2コイル23bに電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ16とを備え、環状枠62aを少なくとも1個所切断することにより環状枠12aに第1スリットが形成され、少なくとも一方の端部が裏蓋62cの外縁に達する1又は2以上の第2スリット62dが裏蓋62cに形成された腕時計である。
【0029】
この請求項8に記載された腕時計では、腕時計61の外表面を構成する環状枠62aと裏蓋62cをそれぞれ金属材料により形成するので、腕時計が本来的に有する高級感を更に表出することができる。一方、環状枠62aと裏蓋62cに第2スリット及び第2スリット62dを形成するので、電波を受けた際に環状枠62a及び裏蓋62cの周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避してアンテナの感度を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1に本発明のアンテナ21を示す。このアンテナ21は、RFID技術を用いたタグを内蔵し、かつ時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正可能に構成された腕時計に収容されるものである。図2に示すように、この腕時計11は、時計ケース12と、ケース12に収容された駆動部13と、駆動部13により駆動されて時刻を表示する表示部14と、ケース12に収容されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御するコントローラ17とを備える。ここで、ケース12は、環状枠12aと、この環状枠12aの表側を封止するガラス蓋12bと、この環状枠12aの裏側を封止する裏蓋12cにより構成される。
【0032】
図1に戻って、アンテナ21は、磁芯部材22とコイル23a,23bを備える。磁芯部材22は、駆動部13に遊嵌可能な孔22aが形成されてケース12に収容された駆動部13(図2)とケース12を構成する環状枠12a(図2)との間に挿入可能なリング状に形成される。磁芯部材22はフェライト又はアモルファス箔の積層材によりリング状に形成するか、或いは磁性体である金属又はフェライトの粉末又はフレークとプラスチックとの複合材により駆動部13に遊嵌可能な孔22aを有するリング状に形成される。複合材のプラスチックとしては加工性の良い熱可塑性のプラスチックを用いたり、或いは耐熱性の良い熱硬化性のプラスチックを用いたりすることができる。また複合材の金属の粉末としては、カーボニル鉄粉末,鉄−パーマロイ等のアトマイズ粉末,還元鉄粉末等が用いられる。一方、金属のフレークとしては、上記粉末をボールミル等で機械的に扁平化して得られたフレークや、鉄系又はコバルト系アモルファス合金の溶湯粒を水冷銅に衝突させて得られたフレークを用いることができる。
【0033】
この実施の形態における磁芯部材22は、複合材を射出成形又は圧縮成形することにより作られ、後述する第1コイル23aの巻枠22cを有するボビン状に形成される。この実施の形態におけるボビン状の磁芯部材22を説明すると、円板状に形成された中央に駆動部13の外形形状に相応しかつ駆動部13に遊嵌可能な角孔22aが形成され、その円板周囲の上縁及び下縁に巻枠22cが全周にそれぞれ形成される。この磁芯部材22の上縁及び下縁にそれぞれ形成された巻枠22cの間の円周方向に形成される凹溝22eに後述する第1コイル23aを巻回可能に構成される。この磁芯部材22の上面には、後述する第2コイル23bとともに識別タグ18を構成するICチップ16を装着可能な窪み22fが形成される。
【0034】
一方、コイルは、磁芯部材22の外周に巻回された第1コイル23aと、磁芯部材22の周囲に螺旋状に巻回された第2コイル23bとを有する。第1コイル23aは、磁芯部材22の外周に巻回されることにより、このアンテナ21がケース12に収容された状態で環状枠12aの内面に沿って駆動部13を包囲するように構成され、この第1コイル23aの磁芯軸は磁芯部材22の中心軸と同一になるように構成される。一方、第2コイル23bは、磁芯部材22の窪み22fが形成された辺を除く左右にそれぞれ同方向に螺旋状に巻回され、この第2コイル23bはリング状の磁芯部材22を磁芯軸とするものになり、第1コイル23aの磁芯軸に対して直交する磁芯軸を構成するように第2コイル23bは巻回される。
【0035】
このように構成された腕時計用のアンテナ21では、単一の磁芯部材22に第1及び第2コイル23a,23bをそれぞれ巻回したので、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナとしての機能と、識別タグ18を構成するアンテナとしての機能を併せ持つことになる。従って、この双方の機能を有する本発明におけるアンテナ21では、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナと識別タグを構成するアンテナを別個にそれぞれ独立させた状態で収容する場合に比較して、環状枠12aの内面と駆動部13の間の空間を拡大させることを防止することができる。
【0036】
また、第1コイル23aの磁芯軸と第2コイル23bの磁芯軸を直交させたので、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することを回避することができ、第1コイル23a及び第2コイル23bはそれぞれ正確に電波を受信することが可能になる。また、この実施の形態におけるアンテナ21は、磁芯部材22をボビン状にしたので比較的巻数の多い第1コイル23aの巻回が容易になる。その一方で、第2コイル23bは、角孔22aを挿通させて磁芯部材22に螺旋状に巻回させる必要を生じるが、第2コイル23bとして必要とする巻数が少ないコイルを選択することにより、第2コイルを巻回する手間を極力小さくすることができる。更に、複合材を射出又は圧縮成形するので、任意の形状における磁芯部材22を得ることが可能になり、比較的安価なアンテナ21を得ることが可能になる。
【0037】
なお、上述した実施の形態におけるアンテナ21では、複合材を射出成形又は圧縮成形することにより作られた磁芯部材22を説明したが、環状枠12aの内面と駆動部13の外周面との間の隙間が比較的少ない場合には、磁性塗膜をリング状に巻回することにより磁芯部材22を作製しても良い。この場合の磁性塗膜は、磁性材料からなる粉末又はフレークを含むインク又は塗料を電気絶縁フィルムに塗布乾燥することにより形成され、塗布する際に用いられたた電気絶縁フィルムとともに磁性塗膜を巻回しても良く、電気絶縁フィルムから剥離した磁性塗膜のみを巻回しても良い。ここでインク又は塗料に含ませる磁性材料の粉末又はフレークとしては前述した複合材に用いられるものと同一のものを使用できる。
【0038】
形成された磁性塗膜の厚さは10〜800μmが好ましく、更に好ましくは30〜300μmである。なお、塗料を一度塗布しただけでは所定の厚さが得られない場合には、繰り返し同一の塗料を塗布乾燥することにより所望の厚さの塗膜を得ることができ、その磁性塗膜を巻回する回数を増減させることにより巻回された部分の肉厚を調整することが可能になる。また、電気絶縁フィルムの両面に塗布膜を形成させれば所定の厚さは半分で同じ効果が得られる。この磁性塗膜を巻回して得られた磁芯部材の肉厚は極めて薄いものになり、射出成形において成形が困難な0.8mm以下の肉厚を有する磁芯部材を得ることが可能になる。このため、環状枠12aの内面と駆動部13の外周面との間の隙間が少ない場合であっても、その隙間に磁芯部材を有するアンテナ21を収容することが可能になる。
【0039】
図2〜図5に上述したアンテナ21を内蔵する腕時計11について説明する。
【0040】
図2に示すように、腕時計11は、時計ケース12と駆動部13と表示部14とコントローラ17とを備える。この実施の形態における腕時計11はおもちゃの部類に属する比較的安価な腕時計11であって、ケース12を構成する環状枠12aと裏蓋12cがそれぞれ非導電性プラスチックにより形成され、ガラス蓋12bは電気絶縁材料(ガラス板)により円板状に形成される。図2及び図4に示すように、表示部14は文字盤14aと、駆動部13により駆動されかつ文字盤14a上を回転する短針14b,長針14c及び秒針(図示せず)からなり、駆動部13はこれらの短針14b,長針14c及び秒針を文字盤14a上を回転させて時刻を表示させるように構成される。駆動部13は文字盤14aの裏面に設けられ、コントローラ17はこの駆動部13の裏蓋12c側に更に積層して設けられる。駆動部13は、竜頭13aの回転により表示部14における短針14b及び長針14cの回転位置を変更可能に構成される。竜頭13aは支軸13bを介して駆動部13に接続され、支軸13bはケース12に形成された支軸孔12kを貫通し竜頭13aをケース12の外部から回転可能に支持する。
【0041】
一方、この腕時計11はアンテナ21とICチップ16とにより構成された識別タグ18を備える。図1に示すように、ICチップ16は磁芯部材22の窪み22fに装着される。磁芯部材22の左右にそれぞれ螺旋状に巻回された第2コイル23bはそれぞれの一端が互いに接続されて直列に接続された単一の第2コイル23bが形成される。この直列に接続された単一の第2コイル23bにおける両端はICチップ16の端子に電気的に接続され、第2コイル23bと磁芯部材22からアンテナ21が構成され、このアンテナ21とICチップ16とにより識別タグ18が構成される。
【0042】
図5に示すように、ICチップ16は、電源回路16aと、無線周波数(RF)回路16bと、変調回路16cと、復調回路16dと、CPU16eと、このCPU16eに接続され腕時計の所有者に関する情報を記憶するメモリ16fとを有する。電源回路16aはコンデンサ(図示せず)を内蔵し、このコンデンサはアンテナ21とともに共振回路を形成する。このコンデンサにはアンテナ21が特定の周波数の電波(上記共振回路が共振する周波数)を受信したときにその相互誘導作用で生じる電力が充電される。電源回路16aはこの電力を整流し安定化してCPU16eに供給し、ICチップ16を活性化する。メモリ16fはROM(read only memory)、RAM(ramdom-access memory)及びEEPROM(electrically erasable pogramable read only memory)を含み、CPU16eの制御の下で後述する識別手段26からの電波のデータ通信による読出しコマンドに応じて記憶されたデータの読出しを行うとともに、識別手段26からの書込みコマンドに応じてデータの書込みが行われる。
【0043】
図2に戻って、磁芯部材22の外周に巻回された第1コイル23aの両端は図示しないコンデンサ(図示せず)及びコントローラ17に電気的に接続され、この状態で裏蓋12c側から環状枠12aに挿入され、磁芯部材22及び第1及び第2コイル23a,23bからなるアンテナ21は時計ケース12に収容される。上記第1コイル23a及びコンデンサにより所定の周波数の電波と共振する共振回路が構成され、コントローラ17は所定の時間毎にオンするように構成される。ここで所定の周波数は40kHzであり、この電波は郵政省の通信総合研究所の原子時計に基づいて発せられる日本の標準時の時刻情報を含む電波である(以下、この電波を標準電波という)。なお、図4の符号12d,12dは環状枠12aに突設された一対の受け具であり、これらの受け具12d,12dにはバンド19の両端がそれぞれ枢着される。
【0044】
図2及び図3に示すように、裏蓋12cの外面には金属製補助蓋33が接着され、金属製補助蓋33には少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aが形成される。この実施の形態における第2スリット33aは、金属製補助蓋33を4つに分けるように互いに交差する2本の第2スリット33aが形成された例を示す。この第2スリット33aは、金属製補助蓋33を裏蓋12cに接着した後に金属製補助蓋33の一部を、薄い砥石、放電を用いたいわゆるワイヤカット、又はワイヤに砥粒を付けた切断等の手段により放射状に切断することにより形成される。この第2スリット33aには非導電性樹脂が充填され、裏蓋12cの外表面を形成する金属製補助蓋33の第2スリット33aをこの非導電性樹脂により平滑な面に仕上げている。
【0045】
このように構成された電波時計11の動作を説明する。
【0046】
この腕時計11は所持者の腕にバンド19,19を介して装着される。この場合、この実施の形態における腕時計11は、環状枠12a及び裏蓋12cをそれぞれ比較的安価なプラスチックにより形成するので、比較的複雑な造形を有しかつ比較的安価な腕時計を得ることができる。また裏蓋12cの外面に金属製補助蓋33を接着するので、その部分における耐久性を向上させることができる。また、環状枠12aの内面と駆動部13の間にアンテナ21を収容するので、バンド19の軸線とケース12の中心軸とを一致させることが可能になり、腕時計における外観上の見栄えを向上させることができる。
【0047】
コントローラ17は所定時間が経過するとオン状態となり、標準電波を受信して第1コイル23aを含むアンテナ21及び図示しないコンデンサにて構成される共振回路を共振させる。この実施の形態では、裏蓋12cの外面に金属製補助蓋33を接着するが、その金属製補助蓋33には第2スリット33aが形成されるので、第1コイル23aを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して金属製補助蓋33が障壁になることはなく、標準電波は時計ケース12を通過してアンテナ21に受信される。アンテナ21は環状枠12aの内面に沿って駆動部13を包囲するように巻回された第1コイル23aを備えるので、そのアンテナ21における磁化軸は文字盤14cに垂直になり、アンテナ21の感度は向上する。特にこの実施の形態におけるアンテナ21は磁芯部材22を備えるので、アンテナ21自体の受信感度は向上し、そのアンテナ21は標準電波を有効に受信して、第1コイル23aを含むアンテナ21及びコンデンサにて構成される共振回路は確実に共振する。共振回路が共振することによりコントローラ17は上記標準電波に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14を修正する。
【0048】
一方、ICチップ16に記憶された情報は図5に示す識別手段26により読取られる。この実施の形態における識別手段26は、第2コイル23bを含むアンテナ21と相互誘導作用する送受信アンテナ27と、送受信アンテナ27から電波を発信させかつ送受信アンテナ27の受けた電波を処理する処理部28と、ICチップ16に記憶された情報を表示する表示部29を備える。受信アンテナ27は腕時計11に取付けられた識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に電波を送信しかつそのアンテナ21からの電波を受信可能に構成される。また処理部28は送受信アンテナ27に接続され、バッテリを内蔵する電源回路28aと、無線周波数(RF)回路28bと、変調回路28cと、復調回路28dと、CPU28eと、このCPU28eに接続されICチップ16から読取った情報を記憶するメモリ28fとを有する。また処理部28のCPU28eには入力部28gが接続され、この入力部28gにより入力された情報はICチップ16に書込み可能に構成される。
【0049】
識別手段26における送受信アンテナ27にその腕時計11が近づけられると、識別手段26は送受信アンテナ27から識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に向けて2値化されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。金属製補助蓋33には第2スリット33aが形成されるので、第2コイル23bを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース12が障壁になることはなく、送受信アンテナ27から送信された電波は第2コイル23bを含むアンテナ21に受信される。本発明では第1コイル23aの磁芯軸と第2コイル23bの磁芯軸を直交させたので、第1コイル23aを含むアンテナ21が標準電波を受信してコントローラ17が駆動部13を制御している間に、送受信アンテナ27から送信された電波を第2コイル23bを含むアンテナ21が受信しても、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することはなく、特にこの第2コイル23bを含むアンテナ21は磁芯部材16aを備えるので、アンテナ21自体の受信感度は向上し、そのアンテナ21は送受信アンテナ27から発せられた電波を有効に受信する。
【0050】
識別タグ18における第2コイル23bを含むアンテナ21が電波を受信すると、電源回路16aのコンデンサに電力が充電される。電源回路16aは電力をCPU16eに供給し、ICチップ16を活性化し、RF回路16bを介して復調回路16dで元のデジタル信号の質問信号を再現させる。CPU16eはこの質問信号に基づいてメモリ16fに記憶されていたその腕時計11に関する情報を送信する。この情報の送信は2値化されたデータ信号をICチップ16の変調回路16cで変調し、RF回路16bで増幅して第2コイル23bを含むアンテナ21から送出することにより行われる。送信されたデータは識別手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は識別タグ18から腕時計を着用した者の固有の情報を表示部29に表示する。
【0051】
図6〜図8に本発明の別の腕時計41を示す。図面中上述した実施の形態と同一符号は同一部品を示し、繰り返しての説明を省略する。
【0052】
図6に示すように、この実施の形態における腕時計41は一般的な腕時計41であり、時計ケース42は金属材料により形成された環状枠42aと非導電性プラスチックにより形成された裏蓋42cとを有する。図6及び図7に示すように、環状枠42aには第1スリット42eが形成される。この第1スリット42eは少なくとも1個所環状枠42aを切断することにより形成され、この実施の形態では、1個所の第1スリットを有する環状枠42aを示す。第1スリット42eは、薄い砥石、放電を用いたいわゆるワイヤカット、又はワイヤに砥粒を付けた切断等の手段により環状枠42aを切断することにより形成され、この実施の形態では、図7に示すように、第1スリット42eの対向する切断平面が連続した2枚の切断平面からなるように切断される。この第1スリット42eには非導電性樹脂21が充填され、第1スリット42eを形成する対向する切断平面がこの非導電性樹脂21により互いに接着される。
【0053】
このように構成された電波時計41の動作を説明する。
【0054】
この腕時計41は所持者の腕にバンド19,19を介して装着される。この場合、本発明の腕時計41は、腕に装着したときにガラス蓋42bの周囲に表出する環状枠42aが金属材料により形成されるので、一般的な腕時計41が本来的に有する高級感を表出することができる。また、この実施の形態における腕時計41では、環状枠42aを切断しているが、切断することにより作られた第1スリット42eにおける切断平面を非導電性樹脂21により互いに接着しているので、第1スリット42eが形成されたことに起因する環状枠42aの強度が低下することはなく、時計ケース42が本来的に有する耐久性を確保することができる。
【0055】
コントローラ17は所定時間が経過するとオン状態となり、第1コイル23aを含むアンテナ21及び図示しないコンデンサにて構成される共振回路を標準電波と共振させる。この際に、腕時計41の環状枠42aに第1スリット42eが形成されるので、第1コイル23aを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース42が障壁になることはなく、標準電波はガラス蓋42bと裏蓋42cを通過してアンテナ21に受信される。また、環状枠42aに少なくとも1個所第1スリット42eを形成するので、環状枠42aに誘導電流が流れることはなく、そのアンテナ21は標準電波を有効に受信して、第1コイル23aを含むアンテナ21及びコンデンサにて構成される共振回路は確実に共振する。共振回路が共振することによりコントローラ17は上記標準電波に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14を修正する。
【0056】
一方、識別手段26における送受信アンテナ27にその腕時計41が近づけられると、識別手段26は送受信アンテナ27から識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に向けて2値化されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。腕時計41は、環状枠42aに第1スリット42eが形成されるので、第2コイル23bを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース42が障壁になることはなく、送受信アンテナ27から送信された電波は第2コイル23bを含むアンテナ21に受信される。識別タグ18における第2コイル23bを含むアンテナ21が電波を受信すると、ICチップ16は活性化され、CPU16eはこの質問信号に基づいてメモリ16fに記憶されていたその腕時計41に関する情報を送信する。この情報の送信は第2コイル23bを含むアンテナ21から送出することにより行われ、送信されたデータは識別手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は識別タグ18から腕時計を着用した者の固有の情報を表示部29に表示する。
【0057】
なお、上述した別の腕時計では、裏蓋42cに先に説明した金属製補助蓋33を接着していないが、裏蓋42cに先に説明した金属製補助蓋33を接着してもよい。裏蓋42cに金属製補助蓋33を接着しても、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aを形成する限り、電波を受けた際に金属製補助蓋33の周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避することができる。
【0058】
図8及び図9は本発明の更に別の腕時計61を示す。図面中上述した実施の形態と同一符号は同一部品を示し、繰り返しての説明を省略する。
【0059】
図8に示すように、この実施の形態における腕時計61はいわゆるブランド品と言われるような比較的高価な腕時計61であり、時計ケース62における環状枠62a及び裏蓋62cがそれぞれ金属材料により形成される。環状枠62aには図示しない第1スリットが形成され、この第1スリットには非導電性樹脂が充填されて第1スリットを形成する対向する切断平面が非導電性樹脂により互いに接着される。
【0060】
図8及び図9に示すように、裏蓋62cには少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット62dが形成される。この実施の形態における第2スリット62dは、金属材料からなる裏蓋62cの中心から放射状に8本形成された例を示す。この第2スリット62dは、裏蓋62cの一部を薄い砥石、放電を用いたいわゆるワイヤカット、又はワイヤに砥粒を付けた切断等の手段により放射状に切断することにより形成される。この第2スリット62dには非導電性樹脂が充填され、裏蓋62cの外表面をこの非導電性樹脂により平滑な面に仕上げている。
【0061】
このように構成された電波時計61の動作を説明する。
【0062】
この腕時計61は、環状枠62a及び裏蓋62cの双方をそれぞれ金属材料により形成するので、比較的高価な腕時計61が本来的に有する高級感を表出することができる。また、この実施の形態における腕時計61では、裏蓋62cの一部を切断しているが、切断することにより作られた第2スリット62dにおける切断平面を非導電性樹脂21により互いに接着しているので、第2スリット62dが形成されたことに起因する裏蓋62cの強度が低下することはなく、時計ケース62が本来的に有する耐久性を確保することができる。
【0063】
コントローラ17は所定時間が経過するとオン状態となり、第1コイル23aを含むアンテナ21及び図示しないコンデンサにて構成される共振回路を標準電波と共振させる。この際に、腕時計61の環状枠62aに第1スリット62eが形成され、裏蓋62cに第2スリット62dが形成されるので、第1コイル23aを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース62が障壁になることはなく、標準電波はアンテナ21に受信される。また、図示しない第1スリット及び第2スリット62dは、環状枠62a及び裏蓋62cの周囲に誘導電流が流れることを防止するので、そのアンテナ21は標準電波を有効に受信して、第1コイル23aを含むアンテナ21及びコンデンサにて構成される共振回路は確実に共振する。共振回路が共振することによりコントローラ17は上記標準電波に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14を修正する。
【0064】
一方、識別手段26における送受信アンテナ27にその腕時計61が近づけられると、識別手段26は送受信アンテナ27から識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に向けて2値化されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。識別タグ18における第2コイル23bを含むアンテナ21が電波を受信すると、ICチップ16は活性化され、CPU16eはこの質問信号に基づいてメモリ16fに記憶されていたその腕時計61に関する情報を送信する。この情報の送信は第2コイル23bを含むアンテナ21から送出することにより行われ、送信されたデータは識別手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は識別タグ18から腕時計を着用した者の固有の情報を表示部29に表示する。
【0065】
なお、上述した実施の形態では、環状枠62aに形成された第1スリット62eに関し、連続した2枚の切断平面からなる第1スリットを説明したが、第1スリット62eは対向する切断平面が単一面を形成するものであっても良く、対向する切断平面が3枚の切断平面を形成するものであっても良い。また、第1スリットは対向する切断平面が4枚、5枚又は6枚以上の複数の連続した切断平面からなるものであっても良い。
【0066】
また、上述した実施の形態では、第1スリットを1個所形成した環状枠62aを示したが、2個所以上形成しても良い。但し、第1スリット62eを2個所以上形成した場合には、環状枠62a自体が複数の部材から構成されることになり、その環状枠62aの機械的強度を向上させる必要からも、それぞれの第1スリット62eは対向する切断平面が複数の連続した切断平面から構成して、その第1スリット62eに充填される非導電性樹脂21による複数の部材相互間における接着力を強固に行うことが好ましい。
【0067】
更に、上述した実施の形態では、金属製補助蓋33を4つに分断するように互いに交差して形成された2本の第2スリット33a、及び裏蓋62cの中心から放射状に異性された8本の第2スリット62dを用いて説明したが、図示しないが、第2スリットは裏蓋又は金属製補助蓋を2つに分断するような単一のものであっても良く、環状に誘導電流が流れることを防止することができる限り第2スリットは放射状でなくても良く、第2スリットが放射状に形成される場合には8本でなくても、2本、3本、4本、5本、6本、7本、9本、10本、又はそれ以上であっても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、磁芯部材をケースに収容された駆動部と環状枠との間に挿入可能なリング状に形成し、磁芯部材の外周に巻回され磁芯部材の中心軸を磁芯軸とする第1コイルと、磁芯部材の周囲に螺旋状に巻回され磁芯部材を周回する磁芯軸を有する第2コイルとを備えるので、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナとしての機能と、識別タグを構成するアンテナとしての機能を併せ持つことができる。従って、この双方の機能を有する本発明におけるアンテナでは、環状枠の内面と駆動部の間の空間を拡大させることなく腕時計用ケースに収容することができる。また、第1コイルの磁芯軸と第2コイルの磁芯軸を直交させたので、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することを回避することができ、時刻情報を含む電波及びICチップに記憶された情報を読み出すための電波の双方を受信し得る腕時計用のアンテナを得ることができる。
【0069】
一方、このアンテナを時計ケースの環状枠の内面に沿って駆動部を包囲するように収容し、アンテナの検出出力に基づいて駆動部を制御可能に構成されたコントローラと第1コイルを電気的に接続し、所定の情報を記憶可能に構成されたICチップに第2コイルを電気的に接続した腕時計は、RFID技術を用いたタグとしての機能と、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正する機能の双方を併せ持つことができる。時計ケースの環状枠又は環状枠及び裏蓋が金属材料により形成されている場合には、腕時計が本来的に有する高級感を表出することができ、その環状枠及び裏蓋に第1及び第2スリットを形成すれば、アンテナが電波を受信した際に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避してアンテナの感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のアンテナを示す斜視図。
【図2】本発明実施形態の腕時計を示す図4のA−A線断面図。
【図3】その腕時計の裏面図。
【図4】その腕時計の平面図。
【図5】その識別タグと識別手段の関係を示すブロック線図。
【図6】本発明の別の腕時計を示す図1に対応する断面図。
【図7】その環状枠に形成された第1スリットを示す図2のB方向から見た側面図。
【図8】その別の腕時計の平面図。
【図9】本発明の更に別の腕時計を示す図1に対応する断面図。
【図10】その更に別の腕時計の裏面図。
【図11】従来の一般的な電波時計を示す図12のC−C線断面図。
【図12】その従来例を示す電波時計の正面図。
【符号の説明】
11,41,61 腕時計
12,42,62 時計ケース
12a,42a,62a 環状枠
12b.42b.62b ガラス蓋
12c.42c.62c 裏蓋
12e 第1スリット
13 駆動部
14 表示部
16 ICチップ
17 コントローラ
21 アンテナ
22 磁芯部材
22a 孔
23a 第1コイル
23b 第2コイル
33 金属製補助蓋
33a,62d 第2スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用いたタグを内蔵し、かつ時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正可能に構成された腕時計に用いられる腕時計用のアンテナ及びそれを内蔵する腕時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、目視で人又は物品を確認するものとして、認識票や名札等のプレートがあるけれども、このプレートに表示可能な情報は極めて限られた量の情報しか表示できない。このため近年では、RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用いて電子的に識別機能を付加したタグが知られている。この識別用タグはICチップとこのICチップに電気的に接続されたアンテナとを有し、この識別用タグを上記プレートに付ければ、プレートの表面に刻印された情報を目視で確認できることに加えて、上記ICチップに多様な情報を記憶させることができる。例えば、上記タグ付プレートを人又は物品に取付け、自動的にICチップに記憶された情報を取出して、人又は物品の出入管理又は出納管理を行うことができるようになっている。
【0003】
なお、最近ではこのような識別用タグを、スキー場のリフト乗り場におけるゲートや各種遊園地の遊戯施設におけるゲートで入場のための識別装置として、又は電車やバスの乗車券や定期券として使用することがなされている。識別用タグをこのようなゲートの通過や乗車のための識別に使用すれば、リフトに乗ろうとする乗客、又は遊戯装置に搭乗しようとする乗客、若しくは乗車しようとする乗客は、そのタグをゲートに設けられた識別手段に近づけるための簡単な動作で正規の乗客であることを識別できるようになっている。
【0004】
一方、リフトに乗る乗客又は遊戯装置やバス等に搭乗する乗客は通常その腕に時刻を表示する腕時計を着用しているのが一般的である。このため、その腕時計に識別用タグを内蔵しようとする試みがなされている。腕時計にこの識別用タグを内蔵できれば、別個独立の識別用タグを腕時計と別に携帯する必要はなく、識別用タグを違和感なく腕に着用することができるため、その利用分野が従来にも増して拡大することが期待されている。
【0005】
また、従来、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正可能に構成された時計が知られており、このような機能を有する腕時計として、図12に示すように、環状枠2aとガラス蓋2bと裏蓋2c(図11)により構成されたケース2の外側面に棒状のアンテナ6が設けられ、このアンテナ6がプラスチック又は非磁性材料からなるカバー8に収納されたものが知られている。この腕時計1では、アンテナ6がフェライト棒からなる磁芯部材6aと、この磁芯部材6aに巻回されたコイル6bとを有する。また環状枠2aには一対の受け具2d,2dが突設され、これらの受け具2d,2dにはバンド9の両端がそれぞれ枢着される。このように構成された腕時計1では、アンテナ6の直径を小さくかつ長さを短く形成することにより、腕時計1の小型化を図っている。しかし、上記従来の腕時計では、バンド9の軸線とケース2の中心軸とが一致しないため、見栄えを著しく損う問題点があった。
【0006】
一方、腕時計自体は、図11に示すように、時計ケース2と、その時計ケース2に収容された駆動部3と、時計ケース2に収容され駆動部3により駆動されて時刻を表示する表示部4と、ケース2に収容されアンテナ6の検出出力に基づいて駆動部3を制御するコントローラ7とを備えている。この腕時計1では、表側をガラス蓋2bで封止された環状枠2aの内部に、表示部4と駆動部3をこの順序で収容し、最後に裏蓋2cで環状枠2aの裏側を封止するような構造をなしている。従って、この従来の腕時計1には駆動部3の周囲に比較的余裕のある空間が生じている。従って、環状枠2aの内面と駆動部3の間にアンテナ6を収容できれば、バンド9の軸線とケース2の中心軸とを一致させることが可能になり、腕時計における外観を一般的な腕時計と同様の外観構成にすることにより、外観上の見栄えを向上させることが期待される。また、この空間にICチップとアンテナからなる前述の識別用タグを内蔵できれば、腕時計の利用分野が従来にも増して拡大することが期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、環状枠2aの内面と駆動部3の間に時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナと、識別タグを構成するアンテナの双方を別個独立させた状態で収容することは、環状枠2aの内面と駆動部3の間の空間を拡大させる必要を生じさせ、結果的に腕時計全体の外径が増大する不具合がある。また、2つのアンテナを収容することは、それらのアンテナを独立して管理する必要があり、それらのアンテナを時計ケースに収容させる作業工数も増加して腕時計の単価が押し上げられる不具合もある。更に、2つのアンテナを収容する際に、それらのアンテナが磁芯部材を有する場合には、一方の磁束に対して他方のアンテナが反応し、それぞれのアンテナが正確に電波を受信できない問題点もある。
【0008】
一方、いわゆるブランド品と言われるような比較的高価な腕時計は、耐久性と高級感を醸し出すために、その時計ケースを構成する環状枠及び裏蓋が電気導電性を有しかつ電波の遮蔽効果を有する金属により作られている場合が多い。この高級感を漂わせる高級腕時計にあっては、環状枠の内面と駆動部の間にアンテナを収容できたとしても、環状枠及び裏蓋が電波の通過する障壁となり、アンテナが時刻情報を含む所定の周波数(40kHz)の電波又は識別タグのICチップに記憶された情報を読み出すための電波を受信できない不具合がある。
【0009】
また、一般的な腕時計では、環状枠のみを金属により作り裏蓋をプラスチックにより作り上げたものもあり、この腕時計では、裏蓋がプラスチックであるために電波が通過したとしても、アンテナが電波を受けた際にその環状枠にも誘導電流が流れ、外部からの電波を相殺してしまう不具合があり、アンテナの感度を著しく低下させる不具合がある。この点を解消するために、腕時計の時計ケースにおける環状枠をも非導電性の樹脂により形成することも考えられるが、樹脂により環状枠及び裏蓋を形成すると、おもちゃの部類に属する比較的安価な腕時計と同じレベルの腕時計になり、一般的な腕時計が本来的に有する高級感を表出することができない不具合がある。
【0010】
本発明の目的は、時刻情報を含む電波及びICチップに記憶された情報を読み出すための電波の双方を受信し得る腕時計用のアンテナを提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、外観上の見栄え及び高級感を損うことなく、アンテナが時刻情報を含む電波及びICチップに記憶された情報を読み出すための電波を確実に受信し得る腕時計を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、環状枠12aとこの環状枠12aの表側を封止するガラス蓋12bとこの環状枠12aの裏側を封止する裏蓋12cとを有しかつ駆動部13が収容されたする時計ケース12に収容され磁芯部材22とコイル23a,23bを備える腕時計用のアンテナである。
【0013】
その特徴ある構成は、磁芯部材22が駆動部13に遊嵌可能な孔が形成されて駆動部13と環状枠12aとの間に挿入可能なリング状に形成され、コイルが,リング状の磁芯部材22の中心軸を磁芯軸とするようにリング状の磁芯部材22の外周面に巻回された第1コイル23aと,リング状の磁芯部材22を磁芯軸をするようにリング状の磁芯部材22に螺旋状に巻回された第2コイル23bとを有するところにある。
【0014】
この請求項1に記載された腕時計用のアンテナでは、単一の磁芯部材22に第1及び第2コイル23a,23bをそれぞれ巻回したので、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナとしての機能と、識別タグ18を構成するアンテナとしての機能を併せ持つ。従って、この双方の機能を有する本発明におけるアンテナ21では、環状枠12aの内面と駆動部13の間の空間を拡大させることなく腕時計用ケース12に収容することができる。
【0015】
また、第1コイル23aの磁芯軸と第2コイル23bの磁芯軸を直交させたので、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することを回避することができ、第1コイル23a及び第2コイル23bはそれぞれ正確に電波を受信することが可能になる。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、磁芯部材22が磁性体の粉末又はフレークとプラスチックとの複合材を射出成形又は圧縮成形することにより形成された腕時計用のアンテナである。
【0017】
この請求項2に記載された腕時計用のアンテナでは、複合材を射出又は圧縮成形して形成するので、任意の形状における磁芯部材22を得ることが可能になり、比較的安価なアンテナ21を得ることが可能になる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、磁芯部材22が磁性材料からなる粉末又はフレークを含むインク又は塗料を塗布乾燥することにより形成された磁性塗膜をリング状に巻回することにより作られた腕時計用のアンテナである。
【0019】
この請求項3に記載された腕時計用のアンテナでは、射出成形において成形が困難な0.8mm以下の肉厚を有する磁芯部材22を得ることができ、環状枠12aの内面と駆動部13の外周面との間の隙間が少ない場合であっても、その隙間に収容可能な磁芯部材22を得ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明は、図2に示すように、環状枠12aと裏蓋12cがそれぞれ非導電性プラスチックにより形成された時計ケース12と、時計ケース12に収容され時刻を表示する表示部14と、時計ケース12に収容され表示部14を駆動可能に構成された駆動部13と、時計ケースの環状枠12aの内面に沿って駆動部13を包囲するように時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ21と、ケース12に収容されて第1コイル23aに電気的に接続されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御可能に構成されたコントローラ17と、ケース12に収容されて第2コイル23bに電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ16とを備えた腕時計である。
【0021】
この請求項4に記載された腕時計では、RFID技術を用いたタグとしての機能と、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正する機能の双方を併せ持つことができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、非導電性プラスチックにより形成された裏蓋12cの外面に、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aが形成された金属製補助蓋33が接着された腕時計である。
【0023】
この請求項5に記載された腕時計では、環状枠12aと裏蓋12cがそれぞれ非導電性プラスチックにより形成された時計ケース12を金属製補助蓋33が部分的に補強して、時計ケース12の強度を向上する。一方、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aが金属製補助蓋33に形成されるので、電波を受けた際に金属製補助蓋33の周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態は回避される。
【0024】
請求項6に係る発明は、図6〜図8に示すように、金属材料により形成された環状枠42aと非導電性プラスチックにより形成された裏蓋42cとを有する時計ケース42と、時計ケース42に収容され時刻を表示する表示部14と、時計ケース42に収容され表示部14を駆動可能に構成された駆動部13と、時計ケースの環状枠42aの内面に沿って駆動部13を包囲するように時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ21と、ケース42に収容されて第1コイル23aに電気的に接続されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御可能に構成されたコントローラ17と、ケース42に収容されて第2コイル23bに電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ16とを備え、環状枠42aを少なくとも1個所切断することにより環状枠42aに第1スリット42eが形成された腕時計である。
【0025】
この請求項6に記載された腕時計では、腕時計41の外表面を構成する環状枠42aを金属材料により形成するので、腕時計が本来的に有する高級感を表出することができる。また、環状枠42aに第1スリット42eを形成するので、アンテナ21が電波を受信した際に環状枠42aに誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避してアンテナ16の感度が低下することを防止することができる。
【0026】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明であって、非導電性プラスチックにより形成された裏蓋42cの外面に、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリットが形成された金属製補助蓋が接着された腕時計である。
【0027】
この請求項7に記載された腕時計では、裏蓋12cが非導電性プラスチックにより形成されているが、裏蓋42cの外面に金属製補助蓋を接着することにより腕時計の見栄えを向上する。一方、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリットが金属製補助蓋に形成されるので、電波を受けた際に金属製補助蓋の周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態は回避される。
【0028】
請求項8に係る発明は、図9及び図10に示すように、環状枠62aと裏蓋62cがそれぞれ金属材料により形成された時計ケース62と、時計ケース62に収容され時刻を表示する表示部14と、時計ケース62に収容され表示部14を駆動可能に構成された駆動部13と、時計ケースの環状枠62aの内面に沿って駆動部13を包囲するように時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ21と、ケース62に収容されて第1コイル23aに電気的に接続されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御可能に構成されたコントローラ17と、ケース62に収容されて第2コイル23bに電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ16とを備え、環状枠62aを少なくとも1個所切断することにより環状枠12aに第1スリットが形成され、少なくとも一方の端部が裏蓋62cの外縁に達する1又は2以上の第2スリット62dが裏蓋62cに形成された腕時計である。
【0029】
この請求項8に記載された腕時計では、腕時計61の外表面を構成する環状枠62aと裏蓋62cをそれぞれ金属材料により形成するので、腕時計が本来的に有する高級感を更に表出することができる。一方、環状枠62aと裏蓋62cに第2スリット及び第2スリット62dを形成するので、電波を受けた際に環状枠62a及び裏蓋62cの周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避してアンテナの感度を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1に本発明のアンテナ21を示す。このアンテナ21は、RFID技術を用いたタグを内蔵し、かつ時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正可能に構成された腕時計に収容されるものである。図2に示すように、この腕時計11は、時計ケース12と、ケース12に収容された駆動部13と、駆動部13により駆動されて時刻を表示する表示部14と、ケース12に収容されアンテナ21の検出出力に基づいて駆動部13を制御するコントローラ17とを備える。ここで、ケース12は、環状枠12aと、この環状枠12aの表側を封止するガラス蓋12bと、この環状枠12aの裏側を封止する裏蓋12cにより構成される。
【0032】
図1に戻って、アンテナ21は、磁芯部材22とコイル23a,23bを備える。磁芯部材22は、駆動部13に遊嵌可能な孔22aが形成されてケース12に収容された駆動部13(図2)とケース12を構成する環状枠12a(図2)との間に挿入可能なリング状に形成される。磁芯部材22はフェライト又はアモルファス箔の積層材によりリング状に形成するか、或いは磁性体である金属又はフェライトの粉末又はフレークとプラスチックとの複合材により駆動部13に遊嵌可能な孔22aを有するリング状に形成される。複合材のプラスチックとしては加工性の良い熱可塑性のプラスチックを用いたり、或いは耐熱性の良い熱硬化性のプラスチックを用いたりすることができる。また複合材の金属の粉末としては、カーボニル鉄粉末,鉄−パーマロイ等のアトマイズ粉末,還元鉄粉末等が用いられる。一方、金属のフレークとしては、上記粉末をボールミル等で機械的に扁平化して得られたフレークや、鉄系又はコバルト系アモルファス合金の溶湯粒を水冷銅に衝突させて得られたフレークを用いることができる。
【0033】
この実施の形態における磁芯部材22は、複合材を射出成形又は圧縮成形することにより作られ、後述する第1コイル23aの巻枠22cを有するボビン状に形成される。この実施の形態におけるボビン状の磁芯部材22を説明すると、円板状に形成された中央に駆動部13の外形形状に相応しかつ駆動部13に遊嵌可能な角孔22aが形成され、その円板周囲の上縁及び下縁に巻枠22cが全周にそれぞれ形成される。この磁芯部材22の上縁及び下縁にそれぞれ形成された巻枠22cの間の円周方向に形成される凹溝22eに後述する第1コイル23aを巻回可能に構成される。この磁芯部材22の上面には、後述する第2コイル23bとともに識別タグ18を構成するICチップ16を装着可能な窪み22fが形成される。
【0034】
一方、コイルは、磁芯部材22の外周に巻回された第1コイル23aと、磁芯部材22の周囲に螺旋状に巻回された第2コイル23bとを有する。第1コイル23aは、磁芯部材22の外周に巻回されることにより、このアンテナ21がケース12に収容された状態で環状枠12aの内面に沿って駆動部13を包囲するように構成され、この第1コイル23aの磁芯軸は磁芯部材22の中心軸と同一になるように構成される。一方、第2コイル23bは、磁芯部材22の窪み22fが形成された辺を除く左右にそれぞれ同方向に螺旋状に巻回され、この第2コイル23bはリング状の磁芯部材22を磁芯軸とするものになり、第1コイル23aの磁芯軸に対して直交する磁芯軸を構成するように第2コイル23bは巻回される。
【0035】
このように構成された腕時計用のアンテナ21では、単一の磁芯部材22に第1及び第2コイル23a,23bをそれぞれ巻回したので、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナとしての機能と、識別タグ18を構成するアンテナとしての機能を併せ持つことになる。従って、この双方の機能を有する本発明におけるアンテナ21では、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナと識別タグを構成するアンテナを別個にそれぞれ独立させた状態で収容する場合に比較して、環状枠12aの内面と駆動部13の間の空間を拡大させることを防止することができる。
【0036】
また、第1コイル23aの磁芯軸と第2コイル23bの磁芯軸を直交させたので、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することを回避することができ、第1コイル23a及び第2コイル23bはそれぞれ正確に電波を受信することが可能になる。また、この実施の形態におけるアンテナ21は、磁芯部材22をボビン状にしたので比較的巻数の多い第1コイル23aの巻回が容易になる。その一方で、第2コイル23bは、角孔22aを挿通させて磁芯部材22に螺旋状に巻回させる必要を生じるが、第2コイル23bとして必要とする巻数が少ないコイルを選択することにより、第2コイルを巻回する手間を極力小さくすることができる。更に、複合材を射出又は圧縮成形するので、任意の形状における磁芯部材22を得ることが可能になり、比較的安価なアンテナ21を得ることが可能になる。
【0037】
なお、上述した実施の形態におけるアンテナ21では、複合材を射出成形又は圧縮成形することにより作られた磁芯部材22を説明したが、環状枠12aの内面と駆動部13の外周面との間の隙間が比較的少ない場合には、磁性塗膜をリング状に巻回することにより磁芯部材22を作製しても良い。この場合の磁性塗膜は、磁性材料からなる粉末又はフレークを含むインク又は塗料を電気絶縁フィルムに塗布乾燥することにより形成され、塗布する際に用いられたた電気絶縁フィルムとともに磁性塗膜を巻回しても良く、電気絶縁フィルムから剥離した磁性塗膜のみを巻回しても良い。ここでインク又は塗料に含ませる磁性材料の粉末又はフレークとしては前述した複合材に用いられるものと同一のものを使用できる。
【0038】
形成された磁性塗膜の厚さは10〜800μmが好ましく、更に好ましくは30〜300μmである。なお、塗料を一度塗布しただけでは所定の厚さが得られない場合には、繰り返し同一の塗料を塗布乾燥することにより所望の厚さの塗膜を得ることができ、その磁性塗膜を巻回する回数を増減させることにより巻回された部分の肉厚を調整することが可能になる。また、電気絶縁フィルムの両面に塗布膜を形成させれば所定の厚さは半分で同じ効果が得られる。この磁性塗膜を巻回して得られた磁芯部材の肉厚は極めて薄いものになり、射出成形において成形が困難な0.8mm以下の肉厚を有する磁芯部材を得ることが可能になる。このため、環状枠12aの内面と駆動部13の外周面との間の隙間が少ない場合であっても、その隙間に磁芯部材を有するアンテナ21を収容することが可能になる。
【0039】
図2〜図5に上述したアンテナ21を内蔵する腕時計11について説明する。
【0040】
図2に示すように、腕時計11は、時計ケース12と駆動部13と表示部14とコントローラ17とを備える。この実施の形態における腕時計11はおもちゃの部類に属する比較的安価な腕時計11であって、ケース12を構成する環状枠12aと裏蓋12cがそれぞれ非導電性プラスチックにより形成され、ガラス蓋12bは電気絶縁材料(ガラス板)により円板状に形成される。図2及び図4に示すように、表示部14は文字盤14aと、駆動部13により駆動されかつ文字盤14a上を回転する短針14b,長針14c及び秒針(図示せず)からなり、駆動部13はこれらの短針14b,長針14c及び秒針を文字盤14a上を回転させて時刻を表示させるように構成される。駆動部13は文字盤14aの裏面に設けられ、コントローラ17はこの駆動部13の裏蓋12c側に更に積層して設けられる。駆動部13は、竜頭13aの回転により表示部14における短針14b及び長針14cの回転位置を変更可能に構成される。竜頭13aは支軸13bを介して駆動部13に接続され、支軸13bはケース12に形成された支軸孔12kを貫通し竜頭13aをケース12の外部から回転可能に支持する。
【0041】
一方、この腕時計11はアンテナ21とICチップ16とにより構成された識別タグ18を備える。図1に示すように、ICチップ16は磁芯部材22の窪み22fに装着される。磁芯部材22の左右にそれぞれ螺旋状に巻回された第2コイル23bはそれぞれの一端が互いに接続されて直列に接続された単一の第2コイル23bが形成される。この直列に接続された単一の第2コイル23bにおける両端はICチップ16の端子に電気的に接続され、第2コイル23bと磁芯部材22からアンテナ21が構成され、このアンテナ21とICチップ16とにより識別タグ18が構成される。
【0042】
図5に示すように、ICチップ16は、電源回路16aと、無線周波数(RF)回路16bと、変調回路16cと、復調回路16dと、CPU16eと、このCPU16eに接続され腕時計の所有者に関する情報を記憶するメモリ16fとを有する。電源回路16aはコンデンサ(図示せず)を内蔵し、このコンデンサはアンテナ21とともに共振回路を形成する。このコンデンサにはアンテナ21が特定の周波数の電波(上記共振回路が共振する周波数)を受信したときにその相互誘導作用で生じる電力が充電される。電源回路16aはこの電力を整流し安定化してCPU16eに供給し、ICチップ16を活性化する。メモリ16fはROM(read only memory)、RAM(ramdom-access memory)及びEEPROM(electrically erasable pogramable read only memory)を含み、CPU16eの制御の下で後述する識別手段26からの電波のデータ通信による読出しコマンドに応じて記憶されたデータの読出しを行うとともに、識別手段26からの書込みコマンドに応じてデータの書込みが行われる。
【0043】
図2に戻って、磁芯部材22の外周に巻回された第1コイル23aの両端は図示しないコンデンサ(図示せず)及びコントローラ17に電気的に接続され、この状態で裏蓋12c側から環状枠12aに挿入され、磁芯部材22及び第1及び第2コイル23a,23bからなるアンテナ21は時計ケース12に収容される。上記第1コイル23a及びコンデンサにより所定の周波数の電波と共振する共振回路が構成され、コントローラ17は所定の時間毎にオンするように構成される。ここで所定の周波数は40kHzであり、この電波は郵政省の通信総合研究所の原子時計に基づいて発せられる日本の標準時の時刻情報を含む電波である(以下、この電波を標準電波という)。なお、図4の符号12d,12dは環状枠12aに突設された一対の受け具であり、これらの受け具12d,12dにはバンド19の両端がそれぞれ枢着される。
【0044】
図2及び図3に示すように、裏蓋12cの外面には金属製補助蓋33が接着され、金属製補助蓋33には少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aが形成される。この実施の形態における第2スリット33aは、金属製補助蓋33を4つに分けるように互いに交差する2本の第2スリット33aが形成された例を示す。この第2スリット33aは、金属製補助蓋33を裏蓋12cに接着した後に金属製補助蓋33の一部を、薄い砥石、放電を用いたいわゆるワイヤカット、又はワイヤに砥粒を付けた切断等の手段により放射状に切断することにより形成される。この第2スリット33aには非導電性樹脂が充填され、裏蓋12cの外表面を形成する金属製補助蓋33の第2スリット33aをこの非導電性樹脂により平滑な面に仕上げている。
【0045】
このように構成された電波時計11の動作を説明する。
【0046】
この腕時計11は所持者の腕にバンド19,19を介して装着される。この場合、この実施の形態における腕時計11は、環状枠12a及び裏蓋12cをそれぞれ比較的安価なプラスチックにより形成するので、比較的複雑な造形を有しかつ比較的安価な腕時計を得ることができる。また裏蓋12cの外面に金属製補助蓋33を接着するので、その部分における耐久性を向上させることができる。また、環状枠12aの内面と駆動部13の間にアンテナ21を収容するので、バンド19の軸線とケース12の中心軸とを一致させることが可能になり、腕時計における外観上の見栄えを向上させることができる。
【0047】
コントローラ17は所定時間が経過するとオン状態となり、標準電波を受信して第1コイル23aを含むアンテナ21及び図示しないコンデンサにて構成される共振回路を共振させる。この実施の形態では、裏蓋12cの外面に金属製補助蓋33を接着するが、その金属製補助蓋33には第2スリット33aが形成されるので、第1コイル23aを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して金属製補助蓋33が障壁になることはなく、標準電波は時計ケース12を通過してアンテナ21に受信される。アンテナ21は環状枠12aの内面に沿って駆動部13を包囲するように巻回された第1コイル23aを備えるので、そのアンテナ21における磁化軸は文字盤14cに垂直になり、アンテナ21の感度は向上する。特にこの実施の形態におけるアンテナ21は磁芯部材22を備えるので、アンテナ21自体の受信感度は向上し、そのアンテナ21は標準電波を有効に受信して、第1コイル23aを含むアンテナ21及びコンデンサにて構成される共振回路は確実に共振する。共振回路が共振することによりコントローラ17は上記標準電波に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14を修正する。
【0048】
一方、ICチップ16に記憶された情報は図5に示す識別手段26により読取られる。この実施の形態における識別手段26は、第2コイル23bを含むアンテナ21と相互誘導作用する送受信アンテナ27と、送受信アンテナ27から電波を発信させかつ送受信アンテナ27の受けた電波を処理する処理部28と、ICチップ16に記憶された情報を表示する表示部29を備える。受信アンテナ27は腕時計11に取付けられた識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に電波を送信しかつそのアンテナ21からの電波を受信可能に構成される。また処理部28は送受信アンテナ27に接続され、バッテリを内蔵する電源回路28aと、無線周波数(RF)回路28bと、変調回路28cと、復調回路28dと、CPU28eと、このCPU28eに接続されICチップ16から読取った情報を記憶するメモリ28fとを有する。また処理部28のCPU28eには入力部28gが接続され、この入力部28gにより入力された情報はICチップ16に書込み可能に構成される。
【0049】
識別手段26における送受信アンテナ27にその腕時計11が近づけられると、識別手段26は送受信アンテナ27から識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に向けて2値化されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。金属製補助蓋33には第2スリット33aが形成されるので、第2コイル23bを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース12が障壁になることはなく、送受信アンテナ27から送信された電波は第2コイル23bを含むアンテナ21に受信される。本発明では第1コイル23aの磁芯軸と第2コイル23bの磁芯軸を直交させたので、第1コイル23aを含むアンテナ21が標準電波を受信してコントローラ17が駆動部13を制御している間に、送受信アンテナ27から送信された電波を第2コイル23bを含むアンテナ21が受信しても、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することはなく、特にこの第2コイル23bを含むアンテナ21は磁芯部材16aを備えるので、アンテナ21自体の受信感度は向上し、そのアンテナ21は送受信アンテナ27から発せられた電波を有効に受信する。
【0050】
識別タグ18における第2コイル23bを含むアンテナ21が電波を受信すると、電源回路16aのコンデンサに電力が充電される。電源回路16aは電力をCPU16eに供給し、ICチップ16を活性化し、RF回路16bを介して復調回路16dで元のデジタル信号の質問信号を再現させる。CPU16eはこの質問信号に基づいてメモリ16fに記憶されていたその腕時計11に関する情報を送信する。この情報の送信は2値化されたデータ信号をICチップ16の変調回路16cで変調し、RF回路16bで増幅して第2コイル23bを含むアンテナ21から送出することにより行われる。送信されたデータは識別手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は識別タグ18から腕時計を着用した者の固有の情報を表示部29に表示する。
【0051】
図6〜図8に本発明の別の腕時計41を示す。図面中上述した実施の形態と同一符号は同一部品を示し、繰り返しての説明を省略する。
【0052】
図6に示すように、この実施の形態における腕時計41は一般的な腕時計41であり、時計ケース42は金属材料により形成された環状枠42aと非導電性プラスチックにより形成された裏蓋42cとを有する。図6及び図7に示すように、環状枠42aには第1スリット42eが形成される。この第1スリット42eは少なくとも1個所環状枠42aを切断することにより形成され、この実施の形態では、1個所の第1スリットを有する環状枠42aを示す。第1スリット42eは、薄い砥石、放電を用いたいわゆるワイヤカット、又はワイヤに砥粒を付けた切断等の手段により環状枠42aを切断することにより形成され、この実施の形態では、図7に示すように、第1スリット42eの対向する切断平面が連続した2枚の切断平面からなるように切断される。この第1スリット42eには非導電性樹脂21が充填され、第1スリット42eを形成する対向する切断平面がこの非導電性樹脂21により互いに接着される。
【0053】
このように構成された電波時計41の動作を説明する。
【0054】
この腕時計41は所持者の腕にバンド19,19を介して装着される。この場合、本発明の腕時計41は、腕に装着したときにガラス蓋42bの周囲に表出する環状枠42aが金属材料により形成されるので、一般的な腕時計41が本来的に有する高級感を表出することができる。また、この実施の形態における腕時計41では、環状枠42aを切断しているが、切断することにより作られた第1スリット42eにおける切断平面を非導電性樹脂21により互いに接着しているので、第1スリット42eが形成されたことに起因する環状枠42aの強度が低下することはなく、時計ケース42が本来的に有する耐久性を確保することができる。
【0055】
コントローラ17は所定時間が経過するとオン状態となり、第1コイル23aを含むアンテナ21及び図示しないコンデンサにて構成される共振回路を標準電波と共振させる。この際に、腕時計41の環状枠42aに第1スリット42eが形成されるので、第1コイル23aを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース42が障壁になることはなく、標準電波はガラス蓋42bと裏蓋42cを通過してアンテナ21に受信される。また、環状枠42aに少なくとも1個所第1スリット42eを形成するので、環状枠42aに誘導電流が流れることはなく、そのアンテナ21は標準電波を有効に受信して、第1コイル23aを含むアンテナ21及びコンデンサにて構成される共振回路は確実に共振する。共振回路が共振することによりコントローラ17は上記標準電波に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14を修正する。
【0056】
一方、識別手段26における送受信アンテナ27にその腕時計41が近づけられると、識別手段26は送受信アンテナ27から識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に向けて2値化されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。腕時計41は、環状枠42aに第1スリット42eが形成されるので、第2コイル23bを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース42が障壁になることはなく、送受信アンテナ27から送信された電波は第2コイル23bを含むアンテナ21に受信される。識別タグ18における第2コイル23bを含むアンテナ21が電波を受信すると、ICチップ16は活性化され、CPU16eはこの質問信号に基づいてメモリ16fに記憶されていたその腕時計41に関する情報を送信する。この情報の送信は第2コイル23bを含むアンテナ21から送出することにより行われ、送信されたデータは識別手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は識別タグ18から腕時計を着用した者の固有の情報を表示部29に表示する。
【0057】
なお、上述した別の腕時計では、裏蓋42cに先に説明した金属製補助蓋33を接着していないが、裏蓋42cに先に説明した金属製補助蓋33を接着してもよい。裏蓋42cに金属製補助蓋33を接着しても、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット33aを形成する限り、電波を受けた際に金属製補助蓋33の周囲に環状に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避することができる。
【0058】
図8及び図9は本発明の更に別の腕時計61を示す。図面中上述した実施の形態と同一符号は同一部品を示し、繰り返しての説明を省略する。
【0059】
図8に示すように、この実施の形態における腕時計61はいわゆるブランド品と言われるような比較的高価な腕時計61であり、時計ケース62における環状枠62a及び裏蓋62cがそれぞれ金属材料により形成される。環状枠62aには図示しない第1スリットが形成され、この第1スリットには非導電性樹脂が充填されて第1スリットを形成する対向する切断平面が非導電性樹脂により互いに接着される。
【0060】
図8及び図9に示すように、裏蓋62cには少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット62dが形成される。この実施の形態における第2スリット62dは、金属材料からなる裏蓋62cの中心から放射状に8本形成された例を示す。この第2スリット62dは、裏蓋62cの一部を薄い砥石、放電を用いたいわゆるワイヤカット、又はワイヤに砥粒を付けた切断等の手段により放射状に切断することにより形成される。この第2スリット62dには非導電性樹脂が充填され、裏蓋62cの外表面をこの非導電性樹脂により平滑な面に仕上げている。
【0061】
このように構成された電波時計61の動作を説明する。
【0062】
この腕時計61は、環状枠62a及び裏蓋62cの双方をそれぞれ金属材料により形成するので、比較的高価な腕時計61が本来的に有する高級感を表出することができる。また、この実施の形態における腕時計61では、裏蓋62cの一部を切断しているが、切断することにより作られた第2スリット62dにおける切断平面を非導電性樹脂21により互いに接着しているので、第2スリット62dが形成されたことに起因する裏蓋62cの強度が低下することはなく、時計ケース62が本来的に有する耐久性を確保することができる。
【0063】
コントローラ17は所定時間が経過するとオン状態となり、第1コイル23aを含むアンテナ21及び図示しないコンデンサにて構成される共振回路を標準電波と共振させる。この際に、腕時計61の環状枠62aに第1スリット62eが形成され、裏蓋62cに第2スリット62dが形成されるので、第1コイル23aを含むアンテナ21が受信すべき電波に対して時計ケース62が障壁になることはなく、標準電波はアンテナ21に受信される。また、図示しない第1スリット及び第2スリット62dは、環状枠62a及び裏蓋62cの周囲に誘導電流が流れることを防止するので、そのアンテナ21は標準電波を有効に受信して、第1コイル23aを含むアンテナ21及びコンデンサにて構成される共振回路は確実に共振する。共振回路が共振することによりコントローラ17は上記標準電波に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14を修正する。
【0064】
一方、識別手段26における送受信アンテナ27にその腕時計61が近づけられると、識別手段26は送受信アンテナ27から識別タグ18の第2コイル23bを含むアンテナ21に向けて2値化されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。識別タグ18における第2コイル23bを含むアンテナ21が電波を受信すると、ICチップ16は活性化され、CPU16eはこの質問信号に基づいてメモリ16fに記憶されていたその腕時計61に関する情報を送信する。この情報の送信は第2コイル23bを含むアンテナ21から送出することにより行われ、送信されたデータは識別手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は識別タグ18から腕時計を着用した者の固有の情報を表示部29に表示する。
【0065】
なお、上述した実施の形態では、環状枠62aに形成された第1スリット62eに関し、連続した2枚の切断平面からなる第1スリットを説明したが、第1スリット62eは対向する切断平面が単一面を形成するものであっても良く、対向する切断平面が3枚の切断平面を形成するものであっても良い。また、第1スリットは対向する切断平面が4枚、5枚又は6枚以上の複数の連続した切断平面からなるものであっても良い。
【0066】
また、上述した実施の形態では、第1スリットを1個所形成した環状枠62aを示したが、2個所以上形成しても良い。但し、第1スリット62eを2個所以上形成した場合には、環状枠62a自体が複数の部材から構成されることになり、その環状枠62aの機械的強度を向上させる必要からも、それぞれの第1スリット62eは対向する切断平面が複数の連続した切断平面から構成して、その第1スリット62eに充填される非導電性樹脂21による複数の部材相互間における接着力を強固に行うことが好ましい。
【0067】
更に、上述した実施の形態では、金属製補助蓋33を4つに分断するように互いに交差して形成された2本の第2スリット33a、及び裏蓋62cの中心から放射状に異性された8本の第2スリット62dを用いて説明したが、図示しないが、第2スリットは裏蓋又は金属製補助蓋を2つに分断するような単一のものであっても良く、環状に誘導電流が流れることを防止することができる限り第2スリットは放射状でなくても良く、第2スリットが放射状に形成される場合には8本でなくても、2本、3本、4本、5本、6本、7本、9本、10本、又はそれ以上であっても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、磁芯部材をケースに収容された駆動部と環状枠との間に挿入可能なリング状に形成し、磁芯部材の外周に巻回され磁芯部材の中心軸を磁芯軸とする第1コイルと、磁芯部材の周囲に螺旋状に巻回され磁芯部材を周回する磁芯軸を有する第2コイルとを備えるので、時刻情報を含む所定の電波を受信するためのアンテナとしての機能と、識別タグを構成するアンテナとしての機能を併せ持つことができる。従って、この双方の機能を有する本発明におけるアンテナでは、環状枠の内面と駆動部の間の空間を拡大させることなく腕時計用ケースに収容することができる。また、第1コイルの磁芯軸と第2コイルの磁芯軸を直交させたので、一方の磁芯軸に生じる磁束に対して他方のコイルが反応することを回避することができ、時刻情報を含む電波及びICチップに記憶された情報を読み出すための電波の双方を受信し得る腕時計用のアンテナを得ることができる。
【0069】
一方、このアンテナを時計ケースの環状枠の内面に沿って駆動部を包囲するように収容し、アンテナの検出出力に基づいて駆動部を制御可能に構成されたコントローラと第1コイルを電気的に接続し、所定の情報を記憶可能に構成されたICチップに第2コイルを電気的に接続した腕時計は、RFID技術を用いたタグとしての機能と、時刻情報を含む所定の電波を受信して時刻を修正する機能の双方を併せ持つことができる。時計ケースの環状枠又は環状枠及び裏蓋が金属材料により形成されている場合には、腕時計が本来的に有する高級感を表出することができ、その環状枠及び裏蓋に第1及び第2スリットを形成すれば、アンテナが電波を受信した際に誘導電流が流れることを防止することができ、誘導電流により電波が相殺される事態を回避してアンテナの感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のアンテナを示す斜視図。
【図2】本発明実施形態の腕時計を示す図4のA−A線断面図。
【図3】その腕時計の裏面図。
【図4】その腕時計の平面図。
【図5】その識別タグと識別手段の関係を示すブロック線図。
【図6】本発明の別の腕時計を示す図1に対応する断面図。
【図7】その環状枠に形成された第1スリットを示す図2のB方向から見た側面図。
【図8】その別の腕時計の平面図。
【図9】本発明の更に別の腕時計を示す図1に対応する断面図。
【図10】その更に別の腕時計の裏面図。
【図11】従来の一般的な電波時計を示す図12のC−C線断面図。
【図12】その従来例を示す電波時計の正面図。
【符号の説明】
11,41,61 腕時計
12,42,62 時計ケース
12a,42a,62a 環状枠
12b.42b.62b ガラス蓋
12c.42c.62c 裏蓋
12e 第1スリット
13 駆動部
14 表示部
16 ICチップ
17 コントローラ
21 アンテナ
22 磁芯部材
22a 孔
23a 第1コイル
23b 第2コイル
33 金属製補助蓋
33a,62d 第2スリット
Claims (8)
- 環状枠(12a)とこの環状枠(12a)の表側を封止するガラス蓋(12b)とこの環状枠(12a)の裏側を封止する裏蓋(12c)とを有しかつ駆動部(13)が収容された時計ケース(12)に収容され磁芯部材(22)とコイル(23a,23b)を備える腕時計用のアンテナであって、
前記磁芯部材(22)が前記駆動部(13)に遊嵌可能な孔(22a)が形成されて前記駆動部(13)と前記環状枠(12a)との間に挿入可能なリング状に形成され、
前記コイルが,前記リング状の磁芯部材(22)の中心軸を磁芯軸とするように前記リング状の磁芯部材(22)の外周面に巻回された第1コイル(23a)と,前記リング状の磁芯部材(22)を磁芯軸をするように前記リング状の磁芯部材(22)に螺旋状に巻回された第2コイル(23b)とを有する
ことを特徴とする腕時計用のアンテナ。 - 磁芯部材(22)が磁性体の粉末又はフレークとプラスチックとの複合材を射出成形又は圧縮成形することにより形成された請求項1記載の腕時計用のアンテナ。
- 磁芯部材(22)が磁性材料からなる粉末又はフレークを含むインク又は塗料を塗布乾燥することにより形成された磁性塗膜をリング状に巻回することにより作られた請求項1記載の腕時計用のアンテナ。
- 環状枠(12a)と裏蓋(12c)がそれぞれ非導電性プラスチックにより形成された時計ケース(12)と、
前記時計ケース(12)に収容され時刻を表示する表示部(14)と、
前記時計ケース(12)に収容され前記表示部(14)を駆動可能に構成された駆動部(13)と、
時計ケースの環状枠(12a)の内面に沿って前記駆動部(13)を包囲するように前記時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ(21)と、
前記ケース(12)に収容されて第1コイル(23a)に電気的に接続され前記アンテナ(21)の検出出力に基づいて前記駆動部(13)を制御可能に構成されたコントローラ(17)と、
前記ケース(12)に収容されて第2コイル(23b)に電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ(16)と
を備えた腕時計。 - 非導電性プラスチックにより形成された裏蓋(12c)の外面に、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリット(33a)が形成された金属製補助蓋(33)が接着された請求項4記載の腕時計。
- 金属材料により形成された環状枠(42a)と非導電性プラスチックにより形成された裏蓋(42c)とを有する時計ケース(42)と、
前記時計ケース(42)に収容され時刻を表示する表示部(14)と、
前記時計ケース(42)に収容され前記表示部(14)を駆動可能に構成された駆動部(13)と、
時計ケースの環状枠(42a)の内面に沿って前記駆動部(13)を包囲するように前記時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ(21)と、
前記ケース(42)に収容されて第1コイル(23a)に電気的に接続され前記アンテナ(21)の検出出力に基づいて前記駆動部(13)を制御可能に構成されたコントローラ(17)と、
前記ケース(42)に収容されて第2コイル(23b)に電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ(16)と
を備え、
前記環状枠(42a)を少なくとも1個所切断することにより前記環状枠(42a)に第1スリット(42e)が形成された
ことを特徴とするた腕時計。 - 非導電性プラスチックにより形成された裏蓋の外面に、少なくとも一方の端部が外縁に達する1又は2以上の第2スリットが形成された金属製補助蓋が接着された請求項5記載の腕時計。
- 環状枠(62a)と裏蓋(62c)がそれぞれ金属材料により形成された時計ケース(62)と、
前記時計ケース(62)に収容され時刻を表示する表示部(14)と、
前記時計ケース(62)に収容され前記表示部(14)を駆動可能に構成された駆動部(13)と、
時計ケースの環状枠(62a)の内面に沿って前記駆動部(13)を包囲するように前記時計ケースに収容された請求項1ないし3いずれか記載のアンテナ(21)と、
前記ケース(62)に収容されて第1コイル(23a)に電気的に接続され前記アンテナ(21)の検出出力に基づいて前記駆動部(13)を制御可能に構成されたコントローラ(17)と、
前記ケース(62)に収容されて第2コイル(23b)に電気的に接続され所定の情報を記憶可能に構成されたICチップ(16)と
を備え、
前記環状枠(62a)を少なくとも1個所切断することにより前記環状枠(62a)に第1スリットが形成され、
少なくとも一方の端部が前記裏蓋(62c)の外縁に達する1又は2以上の第2スリット(62d)が前記裏蓋(62c)に形成された
ことを特徴とする腕時計。
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