JP4165363B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、詳しくは画像形成するときのフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
医療用レーザイメージャ(画像処理装置)には、診断画像を濃淡階調で表現するため濃度を常に安定して出力するという基本機能に対する要望が非常に強い。近年では、処理液の廃却が不要となるため、このような画像処理装置として熱現像方式が好まれて使用される傾向にある。熱現像方式に用いられる感光材料が湿度影響を受けることは知られている。
例えば特許文献1には、感光材料を装置装填後、機内の湿度環境下にフィルムが曝され続けることで感度変化を生じることが開示されている。
一方、従来の液現像方式イメージャ、ドライ熱現像方式イメージャに限らず、装置へのフィルム装填を明室下で可能となるよう、いわゆるデーライトパック方式のフィルム包装形態が広く用いられている。
この包装形態は、特許文献2にも記載されているように、(1)フィルム束、(2)フィルム束を受けるトレー、(3)フィルムを光密に保つバリア袋、から構成される。(2)のトレーは、上記特許文献2に例示される紙の他に樹脂製が用いられることもある。この包装に用いられるバリア袋は装置装填後、搬送のじゃまにならぬように除去せねばならないので、この処理(バリア引き抜きやバリア巻き取り)時に過大な負荷を発生させぬように可撓性(しなやかさ)が要求されるため、金属薄膜は用いず、比較的薄手のアルミ蒸着ポリエチレンシート等が用いられる。
この為、パッケージの保存環境下の水分が、当該シートを突き抜けフィルムに影響を与える、即ちフィルムの感度変化を生じることがあった。更に、ベースがPETであるフィルム自体をも、水分はいくばくかは透過し、同様に紙/樹脂製のトレーをも透過する。これはパッケージの最上位と最下位のフィルムが最も湿度影響を受けやすく、これに隣接する数枚は幾ばくかの影響を受け、中央部のフィルムは全く影響を受けないことになる。
一方、フィルムは、工場等での製造後イメージャに装填使用されるまでに、場合によっては数ケ月を経過することがある。
この間に、保存環境下での水分が、パッケージ内に浸入して、ついにはフィルムの感度変化を生じさせることがあることを、本発明者等は発見した。
又、各フィルムパッケージのロットバラツキ等を抑制するため、新パッケージ使用時に、装填直後、又は、使用直前に自動キャリブレーションが実施されるのが一般的である(特許文献3)。又、始業時や、長期連休直後等の使用再開時に、必要に応じて手動キャリブレーションが行われることも有る。
新パッケージ装填直後のキャリブレーションは、湿度影響を最も受けやすい最上位(又は最下位)のフィルム(最も感度変化を生じている可能性有り)を使用してキャリブレーションを行うことになり、これを基準としてキャリブレーション実施すると、逆に湿度影響の無い(感度変化の無い)中央部分のフィルムを使用した画像成時は適正濃度からずれることになり問題となっていた。
特開平05−53209号公報 特開2000−228152号公報 特開平06−233134号公報
また、医療機関の過半数以上を占める施設では、装填されたフィルムパッケージ内のフィルム(例えば125枚)を一日のうちに使い切ることは少なく、数日、場合によっては週をまたいで使用される為、1つのパッケージのフィルムを使い切るまでに複数回のキャリブレーションを行うことになり、上記の問題は深刻なものであった。
そこで、本発明の課題は、水分を起因とするフィルムの感度変化による濃度異常を抑えることによってフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装填可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送手段と、試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光手段と、当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション手段とを備えた画像処理装置であって、前記キャリブレーション手段におけるキャリブレーション実行時に当該キャリブレーションが装填されたフィルムパッケージに対する初回のキャリブレーションであったか否かを判断する判断手段と、前記判断手段で初回のキャリブレーションであったと判断された場合にのみ、水分起因感度変化を抑制するように前記LUTを補正する補正手段を有することを特徴とする画像処理装置。
(請求項2)水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装置本体に着脱可能に装填すると共に、装填されたフィルムパッケージのID情報を取得可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送手段と、試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光手段と、当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、前記搬送手段で取得されたID情報に対応するキャリブレーション回数を記憶する記憶手段とを備えた画像処理装置であって、前記キャリブレーション手段におけるキャリブレーション実行時に、前記記憶手段に記憶されたID情報に対応するキャリブレーション回数と前記取得したID情報に基づいて初回のキャリブレーションか否かを判断する判断手段を有し、該判断手段で初回と判断された時のみ、水分起因感度変化を抑制するようにLUTを補正する補正手段を有することを特徴とする画像処理装置。
(請求項3)前記搬送手段は、フィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得し、前記キャリブレーション手段は、該取得した情報に基づいてLUTの補正量を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
(請求項4)水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装填可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送工程と、試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光工程と、当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション工程とを備えた画像処理方法であって、前記キャリブレーション工程におけるキャリブレーション実行時に当該キャリブレーションが装填されたフィルムパッケージに対する初回のキャリブレーションであったか否かを判断する判断工程と、前記判断工程で初回のキャリブレーションであったと判断された場合にのみ、水分起因感度変化を抑制するように前記LUTを補正する補正工程を有することを特徴とする画像処理方法。
(請求項5)水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装置本体に着脱可能に装填すると共に、装填されたフィルムパッケージのID情報を取得可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送工程と、試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光工程と、当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション工程と、前記搬送工程で取得されたID情報に対応するキャリブレーション回数を記憶する記憶工程とを備えた画像処理方法であって、前記キャリブレーション工程におけるキャリブレーション実行時に、前記記憶工程で記憶されたID情報に対応するキャリブレーション回数と前記取得したID情報に基づいて初回のキャリブレーションか否かを判断する判断工程を有し、該判断工程で初回と判断された時のみ、水分起因感度変化を抑制するようにLUTを補正する補正工程を有することを特徴とする画像処理方法。
(請求項6)前記搬送工程は、フィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得し、前記キャリブレーション工程は、該取得した情報に基づいてLUTの補正量を決定することを特徴とする請求項4又は5記載の画像処理方法。
(請求項7)請求項4乃至請求項6の何れかに記載の画像処理方法を画像処理装置内に内蔵されたコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
本発明によれば、水分を起因とするフィルムの感度変化による濃度異常を抑えることによって、画像形成するときのフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明は画像処理装置の制御に特徴を有するものであるが、かかる制御の前提となる画像処理装置の装置構成について始めに説明しておく。
図1は本発明に係る画像処理装置の内部構成の一例を示す概略構成図であり、図2は図1の画像処理装置の露光部を概略的に示す図である。
図1に示すように、画像処理装置100は、シート状の熱現像感光材料であるフィルムを複数枚パッケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11、12と、フィルムを1枚ずつ露光・現像のために搬送し供給するサプライ部90とを有する本発明の搬送手段としての供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを露光し潜像を形成する露光手段である露光部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する現像手段である現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る測定手段の一例である濃度計200と、を備える。
本発明の画像処理装置には、水分起因感度変化を生じる複数の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材から構成されているフィルムパッケージを装填可能である。
また、搬送手段としての供給部110において、フィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得することが好ましい。また、供給部110の第1の装填部11及び第2の装填部12において取得することが好ましい。取得する態様としては、例えば、フィルムパッケージの所定部分にバーコードにて前記情報を記録しておき、装填部に設けられたバーコードスキャナによって当該バーコードをスキャンして得ることができる。
供給部110の第1及び第2の装填部11、12からフィルムが1枚ずつサプライ部90、搬送ローラ対39、41、141により、図1の矢印方向(1)に搬送されるようになっている。
次に、図2に示すように、露光部120は画像データ信号に基づき強度変調された波長780〜860nm範囲内の所定波長のレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向であるほぼ水平方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
露光部120のより具体的な構成を以下に述べる。図2において、画像信号出力装置121から出力されたデジタル信号である画像信号Sを受信すると、画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づきレーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させる。また、高周波重畳部118により変調回路123及びドライバ124を介してレーザ光に高周波成分を重畳してフィルムにおける干渉縞の形成を防止する。
また、露光部120のレンズ112とレーザ光源部110aとの間に、音響光学変調器88を配置している。この音響光学変調器88は、変調量を調整する光源制御部77からの信号に基づいて音響光学変調(AOM)ドライバ89により制御され駆動される。
光源制御部77は、制御部99からの制御信号に基づいて露光時に最適な変調量(入射光量に対する出射光量の比率)になるようにAOMドライバ89を介して音響光学変調素子88を制御する。また、変調回路123にもパルスを発振して、レーザ光源部110aからの照射を音響光学変調器88と同期させることにより所望の露光を行うように制御する。
次に、レーザ光源部110aから照射され音響光学変調素子88で光量が適正に調整されたレーザ光Lは、レンズ112を通過した後、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図2の矢印A方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113はレーザ光Lを主走査方向に反射偏向し、偏向されたレーザ光Lは、4枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬送装置142により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査される。これにより、レーザ光LはフィルムF上の被走査面117全面にわたって走査する。
fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面上に、副走査方向にのみ収束させるものとなっており、またfθレンズ114からフィルムFの被走査面までの距離は、fθレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。このように、露光部120においては、シリンドリカルレンズ115及びシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を配設しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で一旦副走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転多面鏡113に面倒れや軸ブレが生じても、フィルムFの被走査面上において、レーザ光Lの走査位置が副走査方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成することができるようになっている。回転多面鏡113は、例えばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以上のようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像が形成される。
次に、図1の画像処理装置の現像部130について説明する。図1に示すように、現像部130はフィルムFを外周に保持しつつ加熱可能なドラム14と、ドラム14との間でフィルムを挟んで保持する複数のロール16とを有する。ドラム14は、ヒータ(図示省略)を内部に備え、フィルムFを所定の最低熱現像温度(例えば120℃前後)以上の温度に所定の熱現像時間維持することでフィルムFを熱現像する。これによって、上述の露光部120でフィルムFに形成された潜像を可視画像として形成する。また、ドラム14のヒータは、後述する制御部で制御され、ヒータの温度を変えて現像温度を変えることで濃度調整を行うことができる。
熱現像部130の左側方には、複数の搬送ローラ対144及び濃度計200を内部に備えるとともに加熱されたフィルムを冷却するための冷却搬送部150が設けられている。加熱ドラム14から離れたフィルムFを冷却搬送部150で図1の矢印(3)に示すように左斜め下方に搬送しつつ、冷却する。そして、搬送ローラ対144が冷却されたフィルムFを搬送しつつ、濃度計200がフィルムFの濃度を測定する。その後、複数の搬送ローラ対144は、フィルムFを図1の矢印(4)のように更に搬送し、画像処理装置100の上部から取り出せるように、熱現像装置100の右上方部に設けられた排出トレイ160に排出する。
図3は、図1の冷却搬送部150において加熱ドラム14の近傍に配置されたガイド部材21を示す要部正面図である。図3に示すように、ガイド部材21は、フィルムFを案内する案内面30を構成しかつ不織布からなり断熱性を有する第1部材22と、第1部材22の下面に一体的に設けられアルミニウム等の金属材料からなり熱導伝性の第2部材23と、から構成されている。ガイド部材21は、図3の破線で示すフィルムFが加熱ドラム14と案内ローラ16との間で搬送されて外周面14aから離れた後に最初にその案内面30がフィルムFを案内する。
図1の濃度計200(測定手段の一例)は、発光部200aと受光部200bとを備え、現像後のフィルムが発光部200aと受光部200bとの間を上述のように搬送され、通過する際に、発光部200aから照射した光をフィルムを通して受光部200bで受け、その受光量の減衰の程度に基づいて濃度を測定するようになっている。
次に、図1の画像処理装置を用いて本発明の特徴となる機能について以下、2つの態様に分けて説明する。かかる機能は、画像処理装置内の図示しないフラッシュROM等の所定の記憶装置内に予め格納されたソフトウエアプログラム(プログラム)によって制御されることにより実現するものである。本発明の画像処理装置は、内部に図示しないCPUを含んだマイクロコンピュータ(コンピュータ)を備えており、かかるコンピュータによりプログラムの処理を行うことにより以下の機能は実行される。
(第1の態様)
図4は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第1の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図5は、図4に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
本態様の画像処理装置は、図4に示すように、搬送工程を実施するための搬送手段110、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、キャリブレーション工程を実施するためのキャリブレーション手段300、判断工程を実施するための判断手段400、補正工程を実施するための補正手段500を備えている。
本発明の画像処理装置は、図5に示すように搬送手段110によりフィルムを搬送する(S1)。このとき、搬送手段110においてフィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得することが好ましい。
フィルムが搬送手段110によって搬送されて露光手段120の露光位置まできたら、露光手段120で露光し、現像手段130で現像を行う(S2)。このとき露光現像される画像データは試験用画像データである。試験用画像データには、テストパターンとしての複数の種類の画像信号が含まれる。
露光・現像されたフィルムの濃度を測定手段200で測定する(S3)。
試験用画像データとS3で測定された結果から、画像信号に対応する露光量を規定するLUT(ルックアップテーブル)を作成するためのキャリブレーションをキャリブレーション手段300により行う(S4)。
キャリブレーションは、フィルム及び画像処理装置のバラツキや変動を加味して、仕上がり画像濃度が一定となるように、画像信号(画像濃度の指定)と、当該画像信号に対応する露光量との関係を定めるものである。画像信号に対応する露光量との関係は、作成されたLUT(ルックアップテーブル)によって定められる。
S4で一旦LUTが作成されると、今回のキャリブレーションが当該フィルムパッケージを装填してから最初のキャリブレーションか否かが判断手段400により判断される(S5)。初回のキャリブレーションか否かの判断は、例えば、オペレータによる初回か否かの入力を受け付けて、該入力に基づいて判断する態様や、各装填部毎にフィルムパッケージの装填時(最後にフィルムパッケージを交換した時)からのキャリブレーションの回数を図示しない装置内蔵のコンピュータの主記憶部に記憶しておき、該記憶に基づいて初回か否かを判断する態様がある。
初回のキャリブレーションであると判断された場合は、補正手段500は、水分起因感度変化を抑制するようにLUTを補正する(S6)。水分起因感度変化を抑制するための補正量は、予め設定された補正量に決定されても良いし、算出して決定されてもよい。予め設定された補正量は、例えば、画像処理装置内に記憶されていたり、前記搬送手段110において好ましく取得されるパッケージ情報に含まれる情報であってもよい。また、補正量を算出する場合は、例えば、パッケージ情報として取得した生産時刻情報に基づいて算出したりできる。生産時刻情報に基づく場合は、現在時刻と生産時刻との時間を算出して、該時間に基づいて補正量を増減させる。
LUTの補正は、具体的には、例えば、相対湿度60%の雰囲気中にフィルムの保証期間の間だけ晒して得られる感度劣化濃度Dを求め、該感度劣化濃度の半量D=D/2に基づいて補正量を予め算出しておく。そしてかかる補正量に基づいて、補正前のLUTが図6に示すTとなる場合、画像信号の最小出力によって得られた濃度を、該感度劣化濃度の半量D=D/2分だけ濃くなるように補正して最小濃度を決定する。補正して得られた最小濃度位置と濃度飽和位置とをTに沿うように結ぶ。このようにして水分起因感度変化を考慮したLUT(Tで示す)を得ることができる。尚、上述する補正方法は一例であって、フィルム物性に応じて適宜決定できることは言うまでもない。
S5で初回でないと判断された場合又はS6の処理後、LUTの作成は終了する。これにより水分起因感度変化を考慮したLUTが作成される。
このようにして作成されたLUTによって診断用画像を露光することにより、水分起因感度変化による影響の少ない画像を得ることができる。
(第2の態様)
図7は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図8は、図7に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
本態様は、初回キャリブか否かを判断するために、ID情報を用いる点で異なる。本態様の画像処理装置においては、装填されるフィルムパッケージの着脱が可能である。
ID情報とは、各フィルムパッケージ毎に付与されたIDのことである。このようなID情報としては、例えば、UID(ユニークカートリッジID)を用いることができる。かかるID情報により各フィルムパッケージを識別できる。従って、装置から一度外した場合も各フィルムパッケージを識別できる。
本態様の画像処理装置は、図7に示すように、搬送工程を実施するための搬送手段110、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、キャリブレーション工程を実施するためのキャリブレーション手段300、判断工程を実施するための判断手段400、補正工程を実施するための補正手段500、記憶工程を実施するための記憶手段を備えている。
本発明の画像処理装置は、図7に示すように搬送手段110においてフィルムパッケージのID情報を取得する(S11)。ID情報を取得する態様は、例えば、ID情報を予めフィルムパッケージにバーコード等の形態で付与し、該バーコードを読み取ることによってID情報を取得する態様が考えられる。
取得したID情報は記憶手段600に記憶する(S12)。記憶されるID情報は当該ID情報で決定されるフィルムパッケージについてのキャリブレーション回数と対応づけられている。既に同一のID情報が記憶されている場合は、新たなにID情報は記録しない。
ID情報が取得されたフィルムパッケージ内のフィルムを搬送手段110により搬送する(S13)。このとき、搬送手段110においてフィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得することが好ましい。
フィルムが搬送手段110によって搬送されて露光手段120の露光位置まできたら、露光手段120で露光し、現像手段130で現像を行う(S14)。このとき露光現像される画像データは試験用画像データである。試験用画像データには、テストパターンとしての複数の種類の画像信号が含まれる。
露光・現像されたフィルムの濃度を測定手段200で測定する(S15)。
試験用画像データとS15で測定された結果から、画像信号に対応する露光量を規定するLUT(ルックアップテーブル)を作成するためのキャリブレーションを行う(S16)。該キャリブレーションはキャリブレーション手段300により行われる。
S16で一旦LUTが作成されると、今回のキャリブレーションが当該ID情報に対応する最初のキャリブレーションか否かが判断手段400により判断される(S17)。初回のキャリブレーションか否かの判断は、記憶手段600に記憶されたID情報に対応するキャリブレーション回数に基づいて判断することができる。
初回のキャリブレーションであると判断された場合は、補正手段500は、水分起因感度変化を抑制するようにLUTを補正する(S18)。水分起因感度変化を抑制するための補正量は、予め設定された補正量に決定されても良いし、算出して決定されてもよい。予め設定された補正量は、例えば、画像処理装置内に記憶されていたり、前記搬送手段110において好ましく取得されるパッケージ情報に含まれる情報であってもよい。また、補正量を算出する場合は、例えば、パッケージ情報として取得した生産時刻情報に基づいて算出したりできる。生産時刻情報に基づく場合は、現在時刻と生産時刻との時間を算出して、該時間に基づいて補正量を増減させる。
LUTの補正は、具体的には、例えば、相対湿度60%の雰囲気中にフィルムの保証期間の間だけ晒して得られる感度劣化濃度Dを求め、該感度劣化濃度の半量D=D/2に基づいて補正量を予め算出しておく。そしてかかる補正量に基づいて、補正前のLUTが図6に示すTとなる場合、画像信号の最小出力によって得られた濃度を、該感度劣化濃度の半量D=D/2分だけ濃くなるように補正して最小濃度を決定する。補正して得られた最小濃度位置と濃度飽和位置とをTに沿うように結ぶ。尚、上述する補正方法は一例であって、フィルム物性に応じて適宜決定できることは言うまでもない。
このようにして得られたLUT(Tで示す)は、水分起因感度変化を考慮したLUTである。
S17で初回でないと判断された場合又はS18の処理後、記憶手段600に記憶されたID情報に対応するキャリブレーション回数に1を加算する(S19)。
以上の処理により、水分起因感度変化を考慮したLUTが作成される。
本態様によれば、フィルムパッケージを着脱可能に装填すると共に、該フィルムパッケージのキャリブ回数をID情報で管理するようにしたことにより、上記第1の態様の画像処理装置の効果に加え、フィルムパッケージのフィルムを使用途中に他のフィルムパッケージに交換し、再度元のフィルムパッケージを使用する様な場合にも、当該フィルムパッケージについて初回のキャリブレーションか否かが正確に判断できる効果がある。
上記何れの態様においても画像処理装置のキャリブレーション手段、判断手段、補正手段は、具体的には、画像処理装置内に内蔵された図示しないコンピュータによる記憶・演算によって処理されることによってその機能を実現する。
本発明の画像処理装置の一構成例を示す概略構成図 図1の画像処理装置の露光部を概略的に示す図 図1の冷却搬送部において加熱ドラムの近傍に配置されたガイド部材を示す要部正面図 本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第1の態様の機能を説明するためのブロック図 第1の態様の画像処理装置による処理を説明するためのフロー図 補正手段による補正を説明するための図 本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図 第2の態様の画像処理装置による処理を説明するためのフロー図
符号の説明
100:画像処理装置
110:供給部
120:露光部
130:熱現像部
150:冷却搬送部
200:濃度計
300:キャリブレーション手段
400:判断手段
500:補正手段
600:記憶手段
11:第1の装填部
12:第2の装填部
14:ドラム
77:光源制御部
88:音響光学変調器
89:AOMドライバ
99:制御部
110a:レーザ光源部
F:フィルム
S:画像信号

Claims (7)

  1. 水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装填可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送手段と、
    試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光手段と、
    当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
    現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
    試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション手段とを備えた画像処理装置であって、
    前記キャリブレーション手段におけるキャリブレーション実行時に当該キャリブレーションが装填されたフィルムパッケージに対する初回のキャリブレーションであったか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段で初回のキャリブレーションであったと判断された場合にのみ、水分起因感度変化を抑制するように前記LUTを補正する補正手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装置本体に着脱可能に装填すると共に、装填されたフィルムパッケージのID情報を取得可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送手段と、
    試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光手段と、
    当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
    現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
    試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、
    前記搬送手段で取得されたID情報に対応するキャリブレーション回数を記憶する記憶手段とを備えた画像処理装置であって、
    前記キャリブレーション手段におけるキャリブレーション実行時に、前記記憶手段に記憶されたID情報に対応するキャリブレーション回数と前記取得したID情報に基づいて初回のキャリブレーションか否かを判断する判断手段を有し、
    該判断手段で初回と判断された時のみ、水分起因感度変化を抑制するようにLUTを補正する補正手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記搬送手段は、フィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得し、前記キャリブレーション手段は、該取得した情報に基づいてLUTの補正量を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装填可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送工程と、
    試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光工程と、
    当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
    現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
    試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション工程とを備えた画像処理方法であって、
    前記キャリブレーション工程におけるキャリブレーション実行時に当該キャリブレーションが装填されたフィルムパッケージに対する初回のキャリブレーションであったか否かを判断する判断工程と、
    前記判断工程で初回のキャリブレーションであったと判断された場合にのみ、水分起因感度変化を抑制するように前記LUTを補正する補正工程を有することを特徴とする画像処理方法。
  5. 水分起因感度変化を生じる複数枚の熱現像感光材料を光密に保つ遮光部材を含むフィルムパッケージを装置本体に着脱可能に装填すると共に、装填されたフィルムパッケージのID情報を取得可能で、該遮光部材を退避させて当該熱現像感光材料を搬送する搬送工程と、
    試験用画像データを基にフィルム上に露光して潜像として画像形成する露光工程と、
    当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
    現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
    試験用画像データと、試験用画像データを基にフィルム上に露光され現像可視化された画像の濃度の測定結果とに基づき、画像信号に対応する露光量を規定するLUTを作成するキャリブレーションを行うキャリブレーション工程と、
    前記搬送工程で取得されたID情報に対応するキャリブレーション回数を記憶する記憶工程とを備えた画像処理方法であって、
    前記キャリブレーション工程におけるキャリブレーション実行時に、前記記憶工程で記憶されたID情報に対応するキャリブレーション回数と前記取得したID情報に基づいて初回のキャリブレーションか否かを判断する判断工程を有し、
    該判断工程で初回と判断された時のみ、水分起因感度変化を抑制するようにLUTを補正する補正工程を有することを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記搬送工程は、フィルムパッケージ種別情報、生産時刻情報のうちの少なくとも1つのパッケージ情報を取得し、前記キャリブレーション工程は、該取得した情報に基づいてLUTの補正量を決定することを特徴とする請求項4又は5記載の画像処理方法。
  7. 請求項4乃至請求項6の何れかに記載の画像処理方法を画像処理装置内に内蔵されたコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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