JP2004205555A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電源投入の度に、再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能とし,省エネも図る。
【解決手段】フィルムの一部領域を予め定めた露光量で露光する露光手段120と、当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段130と、現像されたフィルムの一部領域濃度を測定する測定手段200と、前記測定手段によって測定した濃度速度結果から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、フィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段500と、当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段400と、前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段300とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】フィルムの一部領域を予め定めた露光量で露光する露光手段120と、当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段130と、現像されたフィルムの一部領域濃度を測定する測定手段200と、前記測定手段によって測定した濃度速度結果から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、フィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段500と、当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段400と、前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段300とを有する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、詳しくは画像をフィルムに形成するときのフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療用レーザーイメージャー(画像処理装置)には診断画像を濃淡階調で表現するため、濃度を常に安定して出力するという基本機能に対する要望が非常に強く、種々の濃度安定化策が用いられている。
【0003】
医療用レーザーイメージャーには、各モダリティから送られるデジタル・VIDEOの信号(指定濃度信号)がフィルム上で一定濃度となるよう画像形成部分を制御するいわゆるキャリブレーション機能が設けられている。
【0004】
しかし、キャリブレーションを実施した直後は一定濃度が得られるが、キャリブ後の時間経過に伴って、様々な要因で濃度が変動する。特に熱現像プロセスは変動し易いことが知られている。
例えば
(1)機内温度上昇に伴う露光系変動
(2)フィルム処理に伴う熱現冷却搬送部温度上昇等の熱像特性の変動
(3)機内に保存されたフィルムの感度特性変動
(4)フィルム処理に伴う脂肪酸付着等による熱現像ドラムの特性変化
(5)熱現像特性の違うフィルムの使用
これらの変動を補正するために露光現像したフィルムの仕上がり濃度を測定し、次以降のプリントへ補正をかけるいわゆる濃度パッチ方式が用いられることがある。濃度パッチ方式の一つの方法として、熱現像後のフィルム濃度を透過型センサーで濃度測定し、結果をレーザー光量にフィードバックするレーザ記録装置(画像処理装置)が知られている(特許文献1)。
【0005】
この濃度パッチ方式においては、フィルム所定箇所に5×10mm程度の矩形状エリアを予め定めた光量で露光し、このエリアの仕上がり濃度を測定し、本来得られるはずの濃度(以下、比較用濃度と言う)との差分をベースに次以降のプリントを最適濃度にすべく、露光量及び/又は熱現条件を可変する。
【0006】
従って、この比較用濃度値の設定を間違えると、プロセス系は適性画像(濃度)を再現しているにも係わらず、補正系は不適と判断しプロセス系の条件変更行う為、結果として濃度低下や濃度上昇を生じることになる。
【0007】
又、露光系・熱現像系には装置毎にバラツキ要素を含んでいる為、この比較用濃度値を一律な値で設定することも好ましくない。
【0008】
しかし、上記のような補正システムは常時電源投入されていれば、比較的安定な画像濃度を得られるが、一旦、電源OFF後の再稼働時等は適正画像が得られない場合があった。例えば、特に、医療診断に用いられる場合は、医療診断施設が休診になるケースに医療診断画像を作成する場合において、金曜日の診断プリント終了し、この時の最終プリントを基に次プリントへの補正量を記憶し、翌週の月曜日に診断プリント再開時に、当該補正量によりプリント行うと、濃度安定しなかった。この為、従来は休診日の土日にも装置を通電状態とすることで対応していた。これは省エネ的に好ましくない。
【0009】
又、保安管理等の関係でどうしても連続通電できない場合は、次の診断再開に際し、再度キャリブレーションを行うしかなく、フィルムを余計に消費してしまうこととなっていた。
【0010】
【特許文献1】特開昭62−249138号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記原因が、潜像形成する露光系及び潜像を可視化する熱現像系等のプロセス系が電源OFF状態に応じて特性変化することに起因することを解明し、本発明に至った。
【0012】
そこで本発明は、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ、且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【0013】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0015】
(請求項1)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの一部領域濃度を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定した濃度速度結果から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0016】
(請求項2)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
当該フィルムの一部領域を前記測定手段によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出された温度に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0017】
(請求項3)前記現像手段は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【0018】
(請求項4)前記温度検出手段は、前記露光手段の温度を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【0019】
(請求項5)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
当該フィルムの一部領域を前記測定手段によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間と前記温度検出手段で検出された温度とに基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0020】
(請求項6)前記現像手段は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【0021】
(請求項7)前記温度検出手段は、前記露光手段の温度を検出することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【0022】
(請求項8)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
前記露光段及び/又は前記現像手段を含む画像形成にかかわる特性変化を相殺すべく前記露光手段及び/又は前記現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0023】
(請求項9)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0024】
(請求項10)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出工程と、
前記温度検出工程で検出された温度に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0025】
(請求項11)前記現像工程は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出工程が設けられていることを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。
【0026】
(請求項12)前記温度検出工程は、前記露光工程の温度を検出することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理方法。
【0027】
(請求項13)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間と前記温度検出工程で検出された温度とに基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0028】
(請求項14)前記現像工程は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出工程が設けられていることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
【0029】
(請求項15)前記温度検出工程は、前記露光工程の温度を検出することを特徴とする請求項13又は14に記載の画像処理方法。
【0030】
(請求項16)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
前記露光段及び/又は前記現像工程を含む画像形成にかかわる特性変化を相殺すべく前記露光工程及び/又は前記現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0031】
(請求項17)請求項9乃至請求項16の何れかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、画像処理装置内に格納されることを特徴とするプログラム。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0033】
本発明は画像処理装置の制御に特徴を有するものであるが、かかる制御の前提となる画像処理装置の装置構成について始めに説明しておく。
【0034】
図1は本発明に係る画像処理装置構成の一例を示す要部正面図であり、図2は図1の画像処理装置の露光部を概略的に示す図である。
【0035】
図1に示すように、画像処理装置100は、シート状の熱現像感光材料であるフィルムを所定枚数でバーケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11、12と、フィルムを1枚づつ露光・現像のために搬送し供給するサプライ部90とを有する供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを露光し潜像を形成する露光手段である露光部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する現像手段である現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る測定手段の一例である濃度計200と、を備える。
【0036】
供給部110の第1及び第2の装填部11、12からフィルムが1枚づつサプライ部90、搬送ローラ対39、41、141により、図1の矢印方向(1)に搬送されるようになっている。
【0037】
次に、図2に示すように、露光部120は画像データ信号に基づき強度変調された波長780〜860nm範囲内の所定波長のレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向であるほぼ水平方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
【0038】
露光部120のより具体的な構成を以下に述べる。図2において、画像信号出力装置121から出力されたデジタル信号である画像信号Sを受信すると、画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づきレーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させる。また、高周波重畳部118により変調回路123及びドライバ124を介してレーザ光に高周波成分を重畳してフィルムにおける干渉縞の形成を防止する。
【0039】
また、露光部120のレンズ112とレーザ光源部110aとの間に、音響光学変調器88を配置している。この音響光学変調器88は、変調量を調整する補正手段300からの信号に基づいて音響光学変調(AOM)ドライバ89により制御され駆動される。
【0040】
補正手段300は、制御部99からの補正信号に基づいて露光時に最適な変調量(入射光量に対する出射光量の比率)になるようにAOMドライバ89を介して音響光学変調素子88を制御する。
【0041】
次に、レーザ光源部110aから照射され音響光学変調素子88で光量が適正に調整されたレーザ光Lは、レンズ112を通過した後、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図2の矢印A方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113はレーザ光Lを主走査方向に反射偏向し、備向されたレーザ光Lは、4枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬送装置142により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査される。これにより、レーザ光LはフィルムF上の被走査面117全面にわたって走査する。
【0042】
fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面上に、副走査方向にのみ収束させるものとなっており、またfθレンズ114からフィルムFの被走査面までの距離は、fθレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。このように、露光部120においては、シリンドリカルレンズ115及びシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を配設しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で一旦副走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転多面鏡113に面倒れや軸プレが生じても、フィルムFの被走査面上において、レーザ光Lの走査位置が副走査方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成することができるようになっている。回転多面鏡113は、例えばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以上のようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像が形成される。
【0043】
次に、図1の画像処理装置の現像部130について説明する。図1に示すように、現像部130はフィルムFを外周に保持しつつ加熱可能なドラム14と、ドラム14との間でフィルムを挟んで保持する複数のロール16とを有する。ドラム14は、ヒータ(図示省略)を内部に備え、フィルムFを所定の最低熱現像温度(例えば110℃前後)以上の温度に所定の熱現像時間維持することでフィルムFを熱現像する。これによって、上述の露光部120でフィルムFに形成された潜像を可視画像として形成する。また、ドラム14のヒータは、後述する制御部で制御され、ヒータの温度を変えて現像温度を変えることで濃度調整を行うことができる。
【0044】
熱現像部130の左側方には、複数の搬送ローラ対144及び濃度計200を内部に備えるとともに加熱されたフィルムを冷却するための冷却搬送部150が設けられている。加熱ドラム14から離れたフィルムFを冷却搬送部150で図1の矢印(3)に示すように右斜め下方に搬送しつつ、冷却する。そして、搬送ローラ対144が冷却されたフィルムFを搬送しつつ、濃度計200がフィルムFの濃度を測定する。その後、複数の搬送ローラ対144は、フィルムFを図1の矢印(4)のように更に搬送し、画像処理装置100の上部から取り出せるように、熱現像装置100の右上方部に設けられた排出トレイ160に排出する。
【0045】
図3は、図1の冷却搬送部150において加熱ドラム14の近傍に配置されたガイド部材21を示す要部正面図である。図3に示すように、ガイド部材21は、フィルムFを案内する案内面30を構成しかつ不織布からなり断熱性を有する第1部材22と、第1部材22の下面に一体的に設けられアルミニウム等の金属材料からなり熱導伝性の第2部材23と、から構成されている。ガイド部材21は、図3の破線で示すフィルムFが加熱ドラム14と案内ローラ16との間で搬送されて外周面14aから離れた後に最初に熱導伝性の第2部材23に達する。次いで案内面30に沿って案内される。
【0046】
図1の濃度計200は、発光部200aと受光部200bとを備え、現像後のフィルムが発光部200aと受光部200bとの間を上述のように搬送され、通過する際に、発光部200aから照射した光を、フィルムを通して受光部200bで受け、その受光量の減衰の程度に基づいて濃度を測定するようになっている。
【0047】
次に、図1の画像処理装置を用いて本発明の特徴となる機能について以下、3つの態様に分けて説明する。かかる機能は、画像処理装置内の図示しないフラッシュROM等の所定の記憶装置内に予め格納されたソフトウエアプログラム(プログラム)によって制御されることにより実現するものである。本発明の画像処理装置は、内部に図示しないCPUを含んだマイクロコンピュータ(コンピュータ)を備えており、かかるコンピュータによりプログラムの処理を行うことにより以下の機能は実行される。
(第1の態様)
図4は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第1の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図5は、図4に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
【0048】
図4に示すように、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、濃度制御工程を実施するための濃度制御手段500、時間監視工程を実施するための時間監視手段400、補正工程を実施するための補正手段300を備えている。
【0049】
図5に示すように、露光手段120及び現像手段130において露光・現像を行う(S1)。具体的には、画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に該画像形成するフィルムの一部を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しルックアップテーブル(LUT)経由で演算された出力で露光する。該画像形成するフィルムの一部とは、図6に示すフィルムFにおけるF1のような画像形成領域F2の端部の形成される領域であり、例えば5×10mm程度の領域が用いられる。用いられるルックアップテーブル(LUT)とは、キャリブレーションして得られる。キャリブレーションとは、予め試験用に画像を形成し、形成した画像の濃度を測定して、光量とフィルム上の濃度との関係を求めることにより、画像信号(指定濃度)と光量との関係を定めるLUTを作成することをいう。LUTは、例えば、図7に示すような形であらわされる。
【0050】
次いで、露光・現像を行ったフィルムの一部領域の濃度測定を測定手段200で行う(S2)。
【0051】
濃度制御手段500において、前記測定手段によって測定した濃度測定結果(以下、パッチデータともいう)から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段120及び/又は現像手段130を制御する(S3)。濃度測定結果とは、フィルムの一部領域の濃度(測定濃度値)と該濃度を測定した時刻のことである。予め定めた比較用濃度値とは、露光手段120及び/又は現像手段130又はその他のフィルムの仕上がり濃度に影響する要因を相殺するために、制御すべき制御量を算出するための値であり、予め定められている。このフィルムの濃度を最適化するのは、パッチデータに基づく制御に限らず、装置の変動量予め相殺するようにFF制御する方法もある。
【0052】
ここで、濃度制御手段500における制御は2つの方法があり、かかる2つの態様について説明する。
【0053】
(1つ目の方法)
濃度制御手段500は、まず、露光手段120及び/又は現像手段130に起因する濃度変化は装置の特性変化に基づく濃度変化分を、前記予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分から差し引くことにより相殺する。この装置の特性変化に基づく濃度変化分は、濃度の測定時間と基準となる時間とのそれぞれに対応する特性変化モデルにおける濃度の差分として求められる。さらに、濃度制御手段500は、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分から特性変化モデルに基づく濃度変化分を差し引いた後の差分に基づいて、次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。
【0054】
画像処理装置は、その露光手段120及び/又は現像手段130の経時的な温度変化に起因して濃度変化をするので、かかる特性変化は特性変化モデルとしてモデル化することができる。特性変化モデルとは、装置の露光系及び/又は現像系が時間的に特性が変化する様子を時間と濃度とを軸に相関的に示したものである。かかる特性変化は、装置に固有の特性の変化を採用することが好ましい。かかる特性変化モデルの例としては、図8に示す例が挙げられる。図8(a)は、露光手段120の特性変化モデルの例であり、図8(b)は現像手段130の特性変化モデルの例であり、図8(c)露光手段120及び現像手段130の特性変化モデルである。図8(c)において、曲線Aの部分は画像処理装置の一例である熱現像装置の特性変動として、設置環境に馴染んだ状態から電源投入後、例えば15〜30min経過して処理可能状態となる時期(これをReady直後という)以降の特性を示している。また曲線Bの部分は、この後のフィルム処理に伴う機内温度の上昇による露光及び/又は現像特性から決定される。
【0055】
本発明の特性変化モデルとしては、図8(a)〜(c)に示すいずれもモデルも使用できるが、好ましくは図8(c)に示すモデルが実装置に適合する上で好ましい。
【0056】
(2つ目の方法)
濃度制御手段500は、1つ目の方法と同様な特性変化モデルに基づいて特性変化の逆バイアスをかけるいわゆるFF制御で行う方法がある。
【0057】
このように濃度制御手段500でS3の処理がなされた後、時間監視手段400は、画像処理装置への電源供給停止時間を監視する(S4)。時間監視手段400が監視する電源供給停止時間は、前記濃度制御手段500でS3の処理が終了した後に電源をOFFした時間を監視する。例えば、電源をOFFしなかった場合は、0時間となる。
【0058】
次いで、補正手段300において、前記時間監視手段400で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段500での制御内容を補正する(S5)。
【0059】
補正手段300における補正は、例えば、濃度制御手段500において図9に示す特性変化モデルに基づいてS3の制御を行う場合、T1で電源をOFFした後、Ta時間経過後に電源を投入した場合について考える。図9に示す特性変化モデルにおいて、電源をOFFした時刻T1から、電源供給停止時間に当たるTaに比例する値αTa分だけ戻った時刻T2における濃度値とT1における濃度値の差分(D2−D1)を相殺するように、次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。そして、次画像形成後に濃度制御手段500において2つ目の方法により装置の特性変化に基づく濃度変化分を制御する際には、T2から装置電源が投入されたものとして計算される。
【0060】
このように、本発明の制御では、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる。
【0061】
(第2の態様)
この態様は、第1の態様が電源をOFFした時間に基づいて濃度制御の補正を行っていた補正手段において、電源投入時の温度に基づいて濃度制御の補正を行っている。
【0062】
図10は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図11は、図10に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
【0063】
図10に示すように、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、濃度制御工程を実施するための濃度制御手段500、温度検出工程を実施するための温度検出手段450、補正工程を実施するための補正手段300を備えている。
【0064】
図10に示すように、露光手段120及び現像手段130において露光・現像を行う(S11)。具体的には、画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に該画像形成するフィルムの一部を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しルックアップテーブル(LUT)経由で演算された出力で露光する。LUTは、例えば、図7に示すような形であらわされる。
【0065】
次いで、露光・現像を行ったフィルムの一部領域の濃度測定を測定手段200で行う(S12)。
【0066】
濃度制御手段500において、前記測定手段によって測定した濃度測定結果(以下、パッチデータともいう)から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段120及び/又は現像手段130を制御する(S13)。濃度制御手段500は、具体的には、第1の態様と同様の制御を行う。
【0067】
このように濃度制御手段500でS13の処理がなされた後、温度検出手段450は、画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する(S14)。温度検出手段450は、前記濃度制御手段500でS13の処理が終了した後に電源をOFFし、電源投入を行った場合に温度の検出を行う。例えば、電源をOFF及び電源投入を行わなかった場合は、温度の検出結果は、未測定となる。
【0068】
また、温度検出手段450は、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることが好ましい。このとき、前記現像手段130は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備えているものとする。加熱搬送部の温度は、現像温度として、処理可能状態ではほぼ一定に保たれていることが一般的であるが、冷却搬送部は、処理可能状態に至る間に加熱ドラムの影響を受けるが、電源投入前に、所定量のフィルム処理を行っているとこの加熱されたフィルムからの熱影響も存在するため、このトータルの熱影響を踏まえた電源投入時の温度に左右されることになる。即ち、現像手段130に起因する仕上がり濃度のぶれは、この冷却搬送部の電源投入時の温度により左右されるからである。
【0069】
また、前記温度検出手段450は、前記露光手段120の温度を検出することが好ましい。露光手段120は、電源投入時の温度により処理可能状態以降における変動特性が異なる。これはAOM特性やLD波長変動及び光学系構成部品の熱膨張によるフィルムに到達する光量変動があるためである。即ち、露光手段120に起因する仕上がり濃度のぶれは、電源投入時の温度により左右されるからである。
【0070】
次いで、補正手段300において、前記温度検出手段450で検出した温度に基づき前記濃度制御手段500での制御内容を補正する(S15)。
【0071】
補正手段300における補正は、図12に示す電源投入時の温度と特性変化の補正量との相関図から求められる。図12(a)は、露光手段120に起因する温度特性変化の相関図を示し、図12(b)は、現像手段130に起因する温度特性変化の相関図を示す。具体的には、検出した電源投入時の温度がTbであるときは、図12に示す温度特性変化で求められた温度Tbに対応する濃度を相殺するように次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。
【0072】
このように、本発明の制御では、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる。
【0073】
(第3の態様)
この態様は、第1の態様の電源をOFFした時間に基づいて行う濃度制御の補正と第2の態様の電源投入時の温度に基づいて行う濃度制御の補正とを含んだ内容である。
【0074】
図13は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第3の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図14は、図13に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
【0075】
図13に示すように、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、濃度制御工程を実施するための濃度制御手段500、停止時間監視工程を実施するための停止時間監視手段400、温度検出工程を実施するための温度検出手段450、補正工程を実施するための補正手段300を備えている。
【0076】
図14に示すように、露光手段120及び現像手段130において露光・現像を行う(S21)。具体的には、画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に該画像形成するフィルムの一部を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しルックアップテーブル(LUT)経由で演算された出力で露光する。LUTは、例えば、図7に示すような形であらわされる。
【0077】
次いで、露光・現像を行ったフィルムの一部領域の濃度測定を測定手段200で行う(S22)。
【0078】
濃度制御手段500において、前記測定手段によって測定した濃度速度結果(以下、パッチデータともいう)から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段120及び/又は現像手段130を制御する(S23)。濃度制御手段500は、具体的には、第1の態様と同様の制御を行う。
【0079】
このように濃度制御手段500でS23の処理がなされた後、時間監視手段400は、画像処理装置への電源供給停止時間を監視する(S24)。時間監視手段400が監視する電源供給停止時間は、前記濃度制御手段500でS3の処理が終了した後に電源をOFFした時間を監視する。例えば、電源をOFFしなかった場合は、0時間となる。
【0080】
また、温度検出手段450は、画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する(S25)。温度検出手段450は、前記濃度制御手段500でS13の処理が終了した後に電源をOFFし、電源投入を行った場合に温度の検出を行う。例えば、電源をOFF及び電源投入を行わなかった場合は、温度の検出結果は、未測定となる。
【0081】
また、温度検出手段450は、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることが好ましい。このとき、前記現像手段130は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備えているものとする。加熱搬送部の温度は、現像温度として、処理可能状態ではほぼ一定に保たれていることが一般的であるが、冷却搬送部は、処理可能状態に至る間に加熱ドラムの影響を受けるが、電源投入前に、所定量のフィルム処理を行っているとこの加熱されたフィルムからの熱影響も存在するため、このトータルの熱影響を踏まえた電源投入時の温度に左右されることになる。即ち、現像手段130に起因する仕上がり濃度のぶれは、この冷却搬送部の電源投入時の温度により左右されるからである。
【0082】
また、前記温度検出手段450は、前記露光手段120の温度を検出することが好ましい。露光手段120は、電源投入時の温度により処理可能状態以降における変動特性が異なる。これはAOM特性やLD波長変動及び光学系構成部品の熱膨張によるフィルムに到達する光量変動があるためである。即ち、露光手段120に起因する仕上がり濃度のぶれは、電源投入時の温度により左右されるからである。
【0083】
次いで、補正手段300において、前記時間監視手段400で監視した電源供給停止時間と前記温度検出手段450で検出した温度とに基づき前記濃度制御手段500での制御内容を補正する(S26)。
【0084】
補正手段300における補正は、時間監視手段400で監視された電源供給停止時間に基づいて第1の態様と同様の方法で求められた電源供給停止時間に比例する時間αTaに対応する濃度差分(D2−D1)と、温度検出手段450により検出した温度に基づいて第2の態様と同様の方法で求めた濃度を相殺するように次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。
【0085】
このように、本発明の制御では、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一構成例を示す要部正面図
【図2】図1の画像処理装置の露光部を概略的に示す図
【図3】図1の冷却搬送部において加熱ドラムの近傍に配置されたガイド部材を示す要部正面図
【図4】本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第1の態様の機能を説明するためのブロック図
【図5】同上の処理を示すフロー図
【図6】フィルムの画像領域と一部領域を示す図
【図7】LUTの一例を示す図
【図8】装置固有の特性変化モデルの一例を示す図
【図9】補正手段における補正の一例を説明するための図
【図10】本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図
【図11】図10に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図
【図12】温度による特性変化の様子の一例を示す図
【図13】本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図で
【図14】図13に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図
【符号の説明】
100:画像処理装置
110:供給部
120:露光部(露光手段)
130:熱現像部(現像手段)
150:冷却搬送部
200:濃度計(測定手段)
300:補正手段
400:時間監視手段
450:温度検出手段
500:濃度制御手段
11:第1の装填部
12:第2の装填部
14:ドラム
88:音響光学変調器
89:AOMドライバ
99:制御部
110a:レーザ光源部
F:フィルム
S:画像信号(診断画像信号)
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、詳しくは画像をフィルムに形成するときのフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療用レーザーイメージャー(画像処理装置)には診断画像を濃淡階調で表現するため、濃度を常に安定して出力するという基本機能に対する要望が非常に強く、種々の濃度安定化策が用いられている。
【0003】
医療用レーザーイメージャーには、各モダリティから送られるデジタル・VIDEOの信号(指定濃度信号)がフィルム上で一定濃度となるよう画像形成部分を制御するいわゆるキャリブレーション機能が設けられている。
【0004】
しかし、キャリブレーションを実施した直後は一定濃度が得られるが、キャリブ後の時間経過に伴って、様々な要因で濃度が変動する。特に熱現像プロセスは変動し易いことが知られている。
例えば
(1)機内温度上昇に伴う露光系変動
(2)フィルム処理に伴う熱現冷却搬送部温度上昇等の熱像特性の変動
(3)機内に保存されたフィルムの感度特性変動
(4)フィルム処理に伴う脂肪酸付着等による熱現像ドラムの特性変化
(5)熱現像特性の違うフィルムの使用
これらの変動を補正するために露光現像したフィルムの仕上がり濃度を測定し、次以降のプリントへ補正をかけるいわゆる濃度パッチ方式が用いられることがある。濃度パッチ方式の一つの方法として、熱現像後のフィルム濃度を透過型センサーで濃度測定し、結果をレーザー光量にフィードバックするレーザ記録装置(画像処理装置)が知られている(特許文献1)。
【0005】
この濃度パッチ方式においては、フィルム所定箇所に5×10mm程度の矩形状エリアを予め定めた光量で露光し、このエリアの仕上がり濃度を測定し、本来得られるはずの濃度(以下、比較用濃度と言う)との差分をベースに次以降のプリントを最適濃度にすべく、露光量及び/又は熱現条件を可変する。
【0006】
従って、この比較用濃度値の設定を間違えると、プロセス系は適性画像(濃度)を再現しているにも係わらず、補正系は不適と判断しプロセス系の条件変更行う為、結果として濃度低下や濃度上昇を生じることになる。
【0007】
又、露光系・熱現像系には装置毎にバラツキ要素を含んでいる為、この比較用濃度値を一律な値で設定することも好ましくない。
【0008】
しかし、上記のような補正システムは常時電源投入されていれば、比較的安定な画像濃度を得られるが、一旦、電源OFF後の再稼働時等は適正画像が得られない場合があった。例えば、特に、医療診断に用いられる場合は、医療診断施設が休診になるケースに医療診断画像を作成する場合において、金曜日の診断プリント終了し、この時の最終プリントを基に次プリントへの補正量を記憶し、翌週の月曜日に診断プリント再開時に、当該補正量によりプリント行うと、濃度安定しなかった。この為、従来は休診日の土日にも装置を通電状態とすることで対応していた。これは省エネ的に好ましくない。
【0009】
又、保安管理等の関係でどうしても連続通電できない場合は、次の診断再開に際し、再度キャリブレーションを行うしかなく、フィルムを余計に消費してしまうこととなっていた。
【0010】
【特許文献1】特開昭62−249138号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記原因が、潜像形成する露光系及び潜像を可視化する熱現像系等のプロセス系が電源OFF状態に応じて特性変化することに起因することを解明し、本発明に至った。
【0012】
そこで本発明は、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ、且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【0013】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0015】
(請求項1)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの一部領域濃度を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定した濃度速度結果から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0016】
(請求項2)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
当該フィルムの一部領域を前記測定手段によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出された温度に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0017】
(請求項3)前記現像手段は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【0018】
(請求項4)前記温度検出手段は、前記露光手段の温度を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【0019】
(請求項5)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
当該フィルムの一部領域を前記測定手段によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間と前記温度検出手段で検出された温度とに基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0020】
(請求項6)前記現像手段は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【0021】
(請求項7)前記温度検出手段は、前記露光手段の温度を検出することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【0022】
(請求項8)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
前記露光段及び/又は前記現像手段を含む画像形成にかかわる特性変化を相殺すべく前記露光手段及び/又は前記現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【0023】
(請求項9)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0024】
(請求項10)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出工程と、
前記温度検出工程で検出された温度に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0025】
(請求項11)前記現像工程は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出工程が設けられていることを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。
【0026】
(請求項12)前記温度検出工程は、前記露光工程の温度を検出することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理方法。
【0027】
(請求項13)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間と前記温度検出工程で検出された温度とに基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0028】
(請求項14)前記現像工程は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出工程が設けられていることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
【0029】
(請求項15)前記温度検出工程は、前記露光工程の温度を検出することを特徴とする請求項13又は14に記載の画像処理方法。
【0030】
(請求項16)画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
前記露光段及び/又は前記現像工程を含む画像形成にかかわる特性変化を相殺すべく前記露光工程及び/又は前記現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【0031】
(請求項17)請求項9乃至請求項16の何れかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、画像処理装置内に格納されることを特徴とするプログラム。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0033】
本発明は画像処理装置の制御に特徴を有するものであるが、かかる制御の前提となる画像処理装置の装置構成について始めに説明しておく。
【0034】
図1は本発明に係る画像処理装置構成の一例を示す要部正面図であり、図2は図1の画像処理装置の露光部を概略的に示す図である。
【0035】
図1に示すように、画像処理装置100は、シート状の熱現像感光材料であるフィルムを所定枚数でバーケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11、12と、フィルムを1枚づつ露光・現像のために搬送し供給するサプライ部90とを有する供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを露光し潜像を形成する露光手段である露光部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する現像手段である現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る測定手段の一例である濃度計200と、を備える。
【0036】
供給部110の第1及び第2の装填部11、12からフィルムが1枚づつサプライ部90、搬送ローラ対39、41、141により、図1の矢印方向(1)に搬送されるようになっている。
【0037】
次に、図2に示すように、露光部120は画像データ信号に基づき強度変調された波長780〜860nm範囲内の所定波長のレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向であるほぼ水平方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
【0038】
露光部120のより具体的な構成を以下に述べる。図2において、画像信号出力装置121から出力されたデジタル信号である画像信号Sを受信すると、画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づきレーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させる。また、高周波重畳部118により変調回路123及びドライバ124を介してレーザ光に高周波成分を重畳してフィルムにおける干渉縞の形成を防止する。
【0039】
また、露光部120のレンズ112とレーザ光源部110aとの間に、音響光学変調器88を配置している。この音響光学変調器88は、変調量を調整する補正手段300からの信号に基づいて音響光学変調(AOM)ドライバ89により制御され駆動される。
【0040】
補正手段300は、制御部99からの補正信号に基づいて露光時に最適な変調量(入射光量に対する出射光量の比率)になるようにAOMドライバ89を介して音響光学変調素子88を制御する。
【0041】
次に、レーザ光源部110aから照射され音響光学変調素子88で光量が適正に調整されたレーザ光Lは、レンズ112を通過した後、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図2の矢印A方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113はレーザ光Lを主走査方向に反射偏向し、備向されたレーザ光Lは、4枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬送装置142により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査される。これにより、レーザ光LはフィルムF上の被走査面117全面にわたって走査する。
【0042】
fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面上に、副走査方向にのみ収束させるものとなっており、またfθレンズ114からフィルムFの被走査面までの距離は、fθレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。このように、露光部120においては、シリンドリカルレンズ115及びシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を配設しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で一旦副走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転多面鏡113に面倒れや軸プレが生じても、フィルムFの被走査面上において、レーザ光Lの走査位置が副走査方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成することができるようになっている。回転多面鏡113は、例えばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以上のようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像が形成される。
【0043】
次に、図1の画像処理装置の現像部130について説明する。図1に示すように、現像部130はフィルムFを外周に保持しつつ加熱可能なドラム14と、ドラム14との間でフィルムを挟んで保持する複数のロール16とを有する。ドラム14は、ヒータ(図示省略)を内部に備え、フィルムFを所定の最低熱現像温度(例えば110℃前後)以上の温度に所定の熱現像時間維持することでフィルムFを熱現像する。これによって、上述の露光部120でフィルムFに形成された潜像を可視画像として形成する。また、ドラム14のヒータは、後述する制御部で制御され、ヒータの温度を変えて現像温度を変えることで濃度調整を行うことができる。
【0044】
熱現像部130の左側方には、複数の搬送ローラ対144及び濃度計200を内部に備えるとともに加熱されたフィルムを冷却するための冷却搬送部150が設けられている。加熱ドラム14から離れたフィルムFを冷却搬送部150で図1の矢印(3)に示すように右斜め下方に搬送しつつ、冷却する。そして、搬送ローラ対144が冷却されたフィルムFを搬送しつつ、濃度計200がフィルムFの濃度を測定する。その後、複数の搬送ローラ対144は、フィルムFを図1の矢印(4)のように更に搬送し、画像処理装置100の上部から取り出せるように、熱現像装置100の右上方部に設けられた排出トレイ160に排出する。
【0045】
図3は、図1の冷却搬送部150において加熱ドラム14の近傍に配置されたガイド部材21を示す要部正面図である。図3に示すように、ガイド部材21は、フィルムFを案内する案内面30を構成しかつ不織布からなり断熱性を有する第1部材22と、第1部材22の下面に一体的に設けられアルミニウム等の金属材料からなり熱導伝性の第2部材23と、から構成されている。ガイド部材21は、図3の破線で示すフィルムFが加熱ドラム14と案内ローラ16との間で搬送されて外周面14aから離れた後に最初に熱導伝性の第2部材23に達する。次いで案内面30に沿って案内される。
【0046】
図1の濃度計200は、発光部200aと受光部200bとを備え、現像後のフィルムが発光部200aと受光部200bとの間を上述のように搬送され、通過する際に、発光部200aから照射した光を、フィルムを通して受光部200bで受け、その受光量の減衰の程度に基づいて濃度を測定するようになっている。
【0047】
次に、図1の画像処理装置を用いて本発明の特徴となる機能について以下、3つの態様に分けて説明する。かかる機能は、画像処理装置内の図示しないフラッシュROM等の所定の記憶装置内に予め格納されたソフトウエアプログラム(プログラム)によって制御されることにより実現するものである。本発明の画像処理装置は、内部に図示しないCPUを含んだマイクロコンピュータ(コンピュータ)を備えており、かかるコンピュータによりプログラムの処理を行うことにより以下の機能は実行される。
(第1の態様)
図4は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第1の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図5は、図4に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
【0048】
図4に示すように、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、濃度制御工程を実施するための濃度制御手段500、時間監視工程を実施するための時間監視手段400、補正工程を実施するための補正手段300を備えている。
【0049】
図5に示すように、露光手段120及び現像手段130において露光・現像を行う(S1)。具体的には、画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に該画像形成するフィルムの一部を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しルックアップテーブル(LUT)経由で演算された出力で露光する。該画像形成するフィルムの一部とは、図6に示すフィルムFにおけるF1のような画像形成領域F2の端部の形成される領域であり、例えば5×10mm程度の領域が用いられる。用いられるルックアップテーブル(LUT)とは、キャリブレーションして得られる。キャリブレーションとは、予め試験用に画像を形成し、形成した画像の濃度を測定して、光量とフィルム上の濃度との関係を求めることにより、画像信号(指定濃度)と光量との関係を定めるLUTを作成することをいう。LUTは、例えば、図7に示すような形であらわされる。
【0050】
次いで、露光・現像を行ったフィルムの一部領域の濃度測定を測定手段200で行う(S2)。
【0051】
濃度制御手段500において、前記測定手段によって測定した濃度測定結果(以下、パッチデータともいう)から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段120及び/又は現像手段130を制御する(S3)。濃度測定結果とは、フィルムの一部領域の濃度(測定濃度値)と該濃度を測定した時刻のことである。予め定めた比較用濃度値とは、露光手段120及び/又は現像手段130又はその他のフィルムの仕上がり濃度に影響する要因を相殺するために、制御すべき制御量を算出するための値であり、予め定められている。このフィルムの濃度を最適化するのは、パッチデータに基づく制御に限らず、装置の変動量予め相殺するようにFF制御する方法もある。
【0052】
ここで、濃度制御手段500における制御は2つの方法があり、かかる2つの態様について説明する。
【0053】
(1つ目の方法)
濃度制御手段500は、まず、露光手段120及び/又は現像手段130に起因する濃度変化は装置の特性変化に基づく濃度変化分を、前記予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分から差し引くことにより相殺する。この装置の特性変化に基づく濃度変化分は、濃度の測定時間と基準となる時間とのそれぞれに対応する特性変化モデルにおける濃度の差分として求められる。さらに、濃度制御手段500は、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分から特性変化モデルに基づく濃度変化分を差し引いた後の差分に基づいて、次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。
【0054】
画像処理装置は、その露光手段120及び/又は現像手段130の経時的な温度変化に起因して濃度変化をするので、かかる特性変化は特性変化モデルとしてモデル化することができる。特性変化モデルとは、装置の露光系及び/又は現像系が時間的に特性が変化する様子を時間と濃度とを軸に相関的に示したものである。かかる特性変化は、装置に固有の特性の変化を採用することが好ましい。かかる特性変化モデルの例としては、図8に示す例が挙げられる。図8(a)は、露光手段120の特性変化モデルの例であり、図8(b)は現像手段130の特性変化モデルの例であり、図8(c)露光手段120及び現像手段130の特性変化モデルである。図8(c)において、曲線Aの部分は画像処理装置の一例である熱現像装置の特性変動として、設置環境に馴染んだ状態から電源投入後、例えば15〜30min経過して処理可能状態となる時期(これをReady直後という)以降の特性を示している。また曲線Bの部分は、この後のフィルム処理に伴う機内温度の上昇による露光及び/又は現像特性から決定される。
【0055】
本発明の特性変化モデルとしては、図8(a)〜(c)に示すいずれもモデルも使用できるが、好ましくは図8(c)に示すモデルが実装置に適合する上で好ましい。
【0056】
(2つ目の方法)
濃度制御手段500は、1つ目の方法と同様な特性変化モデルに基づいて特性変化の逆バイアスをかけるいわゆるFF制御で行う方法がある。
【0057】
このように濃度制御手段500でS3の処理がなされた後、時間監視手段400は、画像処理装置への電源供給停止時間を監視する(S4)。時間監視手段400が監視する電源供給停止時間は、前記濃度制御手段500でS3の処理が終了した後に電源をOFFした時間を監視する。例えば、電源をOFFしなかった場合は、0時間となる。
【0058】
次いで、補正手段300において、前記時間監視手段400で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段500での制御内容を補正する(S5)。
【0059】
補正手段300における補正は、例えば、濃度制御手段500において図9に示す特性変化モデルに基づいてS3の制御を行う場合、T1で電源をOFFした後、Ta時間経過後に電源を投入した場合について考える。図9に示す特性変化モデルにおいて、電源をOFFした時刻T1から、電源供給停止時間に当たるTaに比例する値αTa分だけ戻った時刻T2における濃度値とT1における濃度値の差分(D2−D1)を相殺するように、次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。そして、次画像形成後に濃度制御手段500において2つ目の方法により装置の特性変化に基づく濃度変化分を制御する際には、T2から装置電源が投入されたものとして計算される。
【0060】
このように、本発明の制御では、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる。
【0061】
(第2の態様)
この態様は、第1の態様が電源をOFFした時間に基づいて濃度制御の補正を行っていた補正手段において、電源投入時の温度に基づいて濃度制御の補正を行っている。
【0062】
図10は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図11は、図10に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
【0063】
図10に示すように、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、濃度制御工程を実施するための濃度制御手段500、温度検出工程を実施するための温度検出手段450、補正工程を実施するための補正手段300を備えている。
【0064】
図10に示すように、露光手段120及び現像手段130において露光・現像を行う(S11)。具体的には、画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に該画像形成するフィルムの一部を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しルックアップテーブル(LUT)経由で演算された出力で露光する。LUTは、例えば、図7に示すような形であらわされる。
【0065】
次いで、露光・現像を行ったフィルムの一部領域の濃度測定を測定手段200で行う(S12)。
【0066】
濃度制御手段500において、前記測定手段によって測定した濃度測定結果(以下、パッチデータともいう)から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段120及び/又は現像手段130を制御する(S13)。濃度制御手段500は、具体的には、第1の態様と同様の制御を行う。
【0067】
このように濃度制御手段500でS13の処理がなされた後、温度検出手段450は、画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する(S14)。温度検出手段450は、前記濃度制御手段500でS13の処理が終了した後に電源をOFFし、電源投入を行った場合に温度の検出を行う。例えば、電源をOFF及び電源投入を行わなかった場合は、温度の検出結果は、未測定となる。
【0068】
また、温度検出手段450は、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることが好ましい。このとき、前記現像手段130は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備えているものとする。加熱搬送部の温度は、現像温度として、処理可能状態ではほぼ一定に保たれていることが一般的であるが、冷却搬送部は、処理可能状態に至る間に加熱ドラムの影響を受けるが、電源投入前に、所定量のフィルム処理を行っているとこの加熱されたフィルムからの熱影響も存在するため、このトータルの熱影響を踏まえた電源投入時の温度に左右されることになる。即ち、現像手段130に起因する仕上がり濃度のぶれは、この冷却搬送部の電源投入時の温度により左右されるからである。
【0069】
また、前記温度検出手段450は、前記露光手段120の温度を検出することが好ましい。露光手段120は、電源投入時の温度により処理可能状態以降における変動特性が異なる。これはAOM特性やLD波長変動及び光学系構成部品の熱膨張によるフィルムに到達する光量変動があるためである。即ち、露光手段120に起因する仕上がり濃度のぶれは、電源投入時の温度により左右されるからである。
【0070】
次いで、補正手段300において、前記温度検出手段450で検出した温度に基づき前記濃度制御手段500での制御内容を補正する(S15)。
【0071】
補正手段300における補正は、図12に示す電源投入時の温度と特性変化の補正量との相関図から求められる。図12(a)は、露光手段120に起因する温度特性変化の相関図を示し、図12(b)は、現像手段130に起因する温度特性変化の相関図を示す。具体的には、検出した電源投入時の温度がTbであるときは、図12に示す温度特性変化で求められた温度Tbに対応する濃度を相殺するように次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。
【0072】
このように、本発明の制御では、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる。
【0073】
(第3の態様)
この態様は、第1の態様の電源をOFFした時間に基づいて行う濃度制御の補正と第2の態様の電源投入時の温度に基づいて行う濃度制御の補正とを含んだ内容である。
【0074】
図13は、本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第3の態様の機能を説明するためのブロック図であり、図14は、図13に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図である。
【0075】
図13に示すように、露光工程を実施するための露光手段120、現像工程を実施するための現像手段130、測定工程を実施するための測定手段200、濃度制御工程を実施するための濃度制御手段500、停止時間監視工程を実施するための停止時間監視手段400、温度検出工程を実施するための温度検出手段450、補正工程を実施するための補正手段300を備えている。
【0076】
図14に示すように、露光手段120及び現像手段130において露光・現像を行う(S21)。具体的には、画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に該画像形成するフィルムの一部を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しルックアップテーブル(LUT)経由で演算された出力で露光する。LUTは、例えば、図7に示すような形であらわされる。
【0077】
次いで、露光・現像を行ったフィルムの一部領域の濃度測定を測定手段200で行う(S22)。
【0078】
濃度制御手段500において、前記測定手段によって測定した濃度速度結果(以下、パッチデータともいう)から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段120及び/又は現像手段130を制御する(S23)。濃度制御手段500は、具体的には、第1の態様と同様の制御を行う。
【0079】
このように濃度制御手段500でS23の処理がなされた後、時間監視手段400は、画像処理装置への電源供給停止時間を監視する(S24)。時間監視手段400が監視する電源供給停止時間は、前記濃度制御手段500でS3の処理が終了した後に電源をOFFした時間を監視する。例えば、電源をOFFしなかった場合は、0時間となる。
【0080】
また、温度検出手段450は、画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する(S25)。温度検出手段450は、前記濃度制御手段500でS13の処理が終了した後に電源をOFFし、電源投入を行った場合に温度の検出を行う。例えば、電源をOFF及び電源投入を行わなかった場合は、温度の検出結果は、未測定となる。
【0081】
また、温度検出手段450は、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることが好ましい。このとき、前記現像手段130は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備えているものとする。加熱搬送部の温度は、現像温度として、処理可能状態ではほぼ一定に保たれていることが一般的であるが、冷却搬送部は、処理可能状態に至る間に加熱ドラムの影響を受けるが、電源投入前に、所定量のフィルム処理を行っているとこの加熱されたフィルムからの熱影響も存在するため、このトータルの熱影響を踏まえた電源投入時の温度に左右されることになる。即ち、現像手段130に起因する仕上がり濃度のぶれは、この冷却搬送部の電源投入時の温度により左右されるからである。
【0082】
また、前記温度検出手段450は、前記露光手段120の温度を検出することが好ましい。露光手段120は、電源投入時の温度により処理可能状態以降における変動特性が異なる。これはAOM特性やLD波長変動及び光学系構成部品の熱膨張によるフィルムに到達する光量変動があるためである。即ち、露光手段120に起因する仕上がり濃度のぶれは、電源投入時の温度により左右されるからである。
【0083】
次いで、補正手段300において、前記時間監視手段400で監視した電源供給停止時間と前記温度検出手段450で検出した温度とに基づき前記濃度制御手段500での制御内容を補正する(S26)。
【0084】
補正手段300における補正は、時間監視手段400で監視された電源供給停止時間に基づいて第1の態様と同様の方法で求められた電源供給停止時間に比例する時間αTaに対応する濃度差分(D2−D1)と、温度検出手段450により検出した温度に基づいて第2の態様と同様の方法で求めた濃度を相殺するように次画像形成時における露光手段120の出力を調整する。
【0085】
このように、本発明の制御では、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、自由に電源OFF状態としても、電源投入の度に再びキャリブレーションして無駄なフィルムを消費することなく適正濃度の画像の出力を可能としたことにより、省エネが図れ且つフィルムの無駄なくフィルムの仕上がりを適正な濃度とすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一構成例を示す要部正面図
【図2】図1の画像処理装置の露光部を概略的に示す図
【図3】図1の冷却搬送部において加熱ドラムの近傍に配置されたガイド部材を示す要部正面図
【図4】本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第1の態様の機能を説明するためのブロック図
【図5】同上の処理を示すフロー図
【図6】フィルムの画像領域と一部領域を示す図
【図7】LUTの一例を示す図
【図8】装置固有の特性変化モデルの一例を示す図
【図9】補正手段における補正の一例を説明するための図
【図10】本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図
【図11】図10に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図
【図12】温度による特性変化の様子の一例を示す図
【図13】本発明の画像処理方法を実施するための画像処理装置の第2の態様の機能を説明するためのブロック図で
【図14】図13に示す画像処理装置による処理を説明するためのフロー図
【符号の説明】
100:画像処理装置
110:供給部
120:露光部(露光手段)
130:熱現像部(現像手段)
150:冷却搬送部
200:濃度計(測定手段)
300:補正手段
400:時間監視手段
450:温度検出手段
500:濃度制御手段
11:第1の装填部
12:第2の装填部
14:ドラム
88:音響光学変調器
89:AOMドライバ
99:制御部
110a:レーザ光源部
F:フィルム
S:画像信号(診断画像信号)
Claims (17)
- 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの一部領域濃度を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定した濃度速度結果から、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
当該フィルムの一部領域を前記測定手段によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出された温度に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記現像手段は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記温度検出手段は、前記露光手段の温度を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
- 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定手段と、
当該フィルムの一部領域を前記測定手段によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光手段及び/又は現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間と前記温度検出手段で検出された温度とに基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記現像手段は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 前記温度検出手段は、前記露光手段の温度を検出することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
- 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成する露光手段と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像手段と、
前記露光段及び/又は前記現像手段を含む画像形成にかかわる特性変化を相殺すべく前記露光手段及び/又は前記現像手段を制御する濃度制御手段と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御手段での制御内容を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。 - 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出工程と、
前記温度検出工程で検出された温度に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記現像工程は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出工程が設けられていることを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。
- 前記温度検出工程は、前記露光工程の温度を検出することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理方法。
- 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成すると共に画像形成するフィルムの一部領域を予め定めた露光量又は指定された濃度に対しLUT経由で演算された出力で露光する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
現像されたフィルムの濃度を測定する測定工程と、
当該フィルムの一部領域を前記測定工程によって濃度測定し、予め定めた比較用濃度値と当該測定濃度値の差分に基づいて、次にプリントするフィルムの濃度が最適化となるように前記露光工程及び/又は現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
当該画像処理装置の少なくとも1カ所以上の電源投入時の温度を検出する温度検出工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間と前記温度検出工程で検出された温度とに基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記現像工程は、加熱搬送部及び冷却搬送部を備え、該冷却搬送部に前記温度検出工程が設けられていることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
- 前記温度検出工程は、前記露光工程の温度を検出することを特徴とする請求項13又は14に記載の画像処理方法。
- 画像データを基にフィルム上に潜像として画像形成する露光工程と、
当該露光されたフィルムを現像可視化する現像工程と、
前記露光段及び/又は前記現像工程を含む画像形成にかかわる特性変化を相殺すべく前記露光工程及び/又は前記現像工程を制御する濃度制御工程と、
当該画像処理装置への電源供給停止時間を監視する時間監視工程と、
前記時間監視工程で監視した電源供給停止時間に基づき前記濃度制御工程での制御内容を補正する補正工程とを有することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項9乃至請求項16の何れかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、画像処理装置内に格納されることを特徴とするプログラム。
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