JP2003136782A - レーザーイメージャー - Google Patents

レーザーイメージャー

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JP2003136782A
JP2003136782A JP2001341463A JP2001341463A JP2003136782A JP 2003136782 A JP2003136782 A JP 2003136782A JP 2001341463 A JP2001341463 A JP 2001341463A JP 2001341463 A JP2001341463 A JP 2001341463A JP 2003136782 A JP2003136782 A JP 2003136782A
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Japan
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film
density
laser
unit
developing
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English (en)
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Mamoru Umeki
守 梅木
Akira Horiuchi
亮 堀内
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム毎の濃淡のばらつきを抑えた優れた
性能のレーザーイメージャーを提供する。 【解決手段】 露光部2でレーザー光が走査されながら
照射されることでフィルム1が露光され、現像部3で現
像されて潜像が可視化された後、フィルム排出部5に排
出される。基準照度で露光されたフィルム1のパッチ1
21の現像後の濃度が、現像部3とフィルム排出部5と
の間の搬送路上で濃度測定器7により測定され、測定結
果に従って現像部3のヒートローラ31の回転速度が制
御手段8によりフィードバック制御される。現像部3で
は、ヒートローラ31と各接触ローラ32との間にフィ
ルム1が挟み込まれて熱現像される。パッチ121は、
フィルム1の搬送方向に沿った長さの中央の位置か、搬
送方向の前縁又は後縁から各接触ローラ32の離間間隔
以上の距離離れた位置となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、医療分野にお
いて好適に使用されるレーザーイメージャーに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】レーザーイメージャーは、感光剤が表面
に形成されたフィルムをレーザーによって露光した後に
現像を行って潜像を可視化する装置である。レーザーイ
メージャーは、CRTのようなディスプレイによる表示
やコピーマシンによる紙へのプリントアウトに比べ、高
解像度・高階調のイメージ出力が可能なため、医療分野
において多く用いられている。例えば、X線CT装置
(X線断層撮影装置)やNMR(核磁気共鳴装置)、超
音波CT装置(超音波断層撮影装置)等の出力データを
可視化するため、レーザーイメージャーが使用されてい
る。
【0003】レーザー光は、光変調素子によって変調さ
れた後、ポリゴンミラー等によって走査されながらフィ
ルムに照射される。露光されたフィルムは、熱又は現像
液によって現像され、これによりフィルム上にイメージ
が可視化される。光変調素子は、X線CT装置等の出力
データに従ってレーザー光を変調するため、出力データ
がフィルム上に可視化される。現像の方式には湿式と乾
式とがあるが、取り扱いの容易さ等から乾式が多くなっ
ている。乾式の場合、露光後のフィルムをヒートローラ
により加熱する熱現像方式が採用されることが多い。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】このようなレーザーイ
メージャーにおいて、露光量や現像時間は、出力される
イメージの濃淡に直接的に影響する。フィルム上のレー
ザーの照度は、ある基準となる値が定められていて、こ
れに対して変調がかけられる。また、乾式の現像の場
合、ヒートローラの温度や回転速度が定められ、一定し
た熱量で現像が行われるようにしている。
【0005】しかしながら、レーザー光の基準照度や現
像の際の熱量は、各種の要因で僅かに変動することがあ
る。例えば、レーザーの電源出力の僅かな変動、周囲温
度の変化によるレーザー出力の僅かなシフト、光学変調
素子の変調特性の僅かな変動、ヒートローラの回転速度
の僅かなズレ、周囲温度の変動による現像時の温度の僅
かな変動等の要因である。このような要因によりレーザ
ーの基準照度や現像時の熱量が変動すると、イメージの
濃淡が変動し、全体に濃かったり薄かったりすることが
ある。レーザーイメージャーが、前述したような医療用
に用いられる場合、濃淡の変動のため、場合によっては
診断がしづらかったりすることもあり得る。
【0006】本願の発明は、かかる課題を解決するため
になされたものであり、フィルム毎の濃淡のばらつきを
抑えた優れた性能のレーザーイメージャーを提供する技
術的意義を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、感光層が表面に形成
されたフィルム上にレーザー光を照射して露光する露光
部と、露光後のフィルムを現像して潜像を可視化する現
像部と、未露光のフィルムを収容したフィルム収容部
と、現像後のフィルムが排出されるフィルム排出部と、
フィルム収容部、露光部、現像部、フィルム排出部の順
にフィルムを搬送する搬送系とから成るレーザーイメー
ジャーであって、露光部は、照射するレーザー光を発振
するレーザー発振器と、レーザー光をフィルム上で走査
させる走査手段と、フィルム上で走査されるレーザー光
の照度を可視化すべきイメージのデータに従って変更さ
せる照度変更手段とを備えており、照度変更手段は、フ
ィルム上のイメージの可視化に用いる領域外に設定され
た濃度測定箇所が基準となる照度で露光されるようにす
るものであり、現像部は、内部にヒータを備えたヒート
ローラと、ヒートローラにフィルムを接触させるようヒ
ートローラの周面に沿って複数設けられた接触ローラと
より成るものであり、さらに、現像後の濃度測定箇所の
濃度を測定する濃度測定器器が設けられており、濃度測
定箇所は、フィルムの搬送方向に沿った長さの中央の位
置に設定されているという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項2記載の発明は、感光層が表
面に形成されたフィルム上にレーザー光を照射して露光
する露光部と、露光後のフィルムを現像して潜像を可視
化する現像部と、未露光のフィルムを収容したフィルム
収容部と、現像後のフィルムが排出されるフィルム排出
部と、フィルム収容部、露光部、現像部、フィルム排出
部の順にフィルムを搬送する搬送系とから成るレーザー
イメージャーであって、露光部は、照射するレーザー光
を発振するレーザー発振器と、レーザー光をフィルム上
で走査させる走査手段と、フィルム上で走査されるレー
ザー光の照度を可視化すべきイメージのデータに従って
変更させる照度変更手段とを備えており、照度変更手段
は、フィルム上のイメージの可視化に用いる領域外に設
定された濃度測定箇所が基準となる照度で露光されるよ
うにするものであり、現像部は、内部にヒータを備えた
ヒートローラと、ヒートローラにフィルムを接触させる
ようヒートローラの周面に沿って複数設けられた接触ロ
ーラとより成るものであり、さらに、現像後の濃度測定
箇所の濃度を測定する濃度測定器器が設けられており、
濃度測定箇所は、フィルムの搬送方向の前縁又は後縁か
ら、前記接触ローラのお互い離間間隔以上の距離離れた
位置に設定されているという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求
項1又は2の構成において、前記濃度測定器の測定結果
に従って、前記露光部における露光又は前記現像部にお
ける現像をフィードバック制御する制御手段が設けられ
ているという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3
の構成において、前記濃度測定箇所は、フィルム上のイ
メージの可視化に利用される領域以外の所定の領域に設
定されているという構成を有する。また、上記課題を解
決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項4の構
成において、前記濃度測定箇所は、フィルム上のイメー
ジの可視化に利用される領域を挟んで両側に設定されて
いるという構成を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態(以
下、実施形態)について説明する。図1は、本願発明の
実施形態に係るレーザーイメージャーの概略構成を示す
斜視図である。図1に示すレーザーイメージャーは、感
光層が表面に形成されたフィルム1上にレーザーを照射
して露光する露光部2と、露光後のフィルム1を現像し
て潜像を可視化する現像部3と、未露光のフィルム1を
収容したフィルム収容部4と、現像後のフィルム1が排
出されるフィルム排出部5と、フィルム収容部4、露光
部2、現像部3、フィルム排出部5の順にフィルム1を
搬送する搬送系6とから成っている。
【0009】フィルム収容部4は、未露光のフィルム1
を多数重ねて収容したトレーより成る構成であり、コピ
ー機における用紙トレーとほぼ同様の構成である。本実
施形態では、フィルム収容部4は二つ設けられており、
サイズの異なるフィルム1を収容することが可能となっ
ている。フィルム収容部4内のフィルム1が無くなった
ら、トレーを引き出して新たに収容する。
【0010】露光部2は、フィルム1上に照射するレー
ザー光を発振するレーザー発振器21と、レーザー光を
フィルム1上で走査させる走査手段22と、フィルム1
上で走査されるレーザー光の照度を可視化すべきイメー
ジのデータに従って変更させる照度変更手段23とから
主に構成されている。レーザー発振器21は、フィルム
1の感光波長域のレーザー光を発振するものであり、例
えば発振波長810nmの半導体レーザが使用できる。
走査手段22は、本実施形態ではポリゴンミラーが使用
されている。ポリゴンミラーが所定の速度で回転しなが
らレーザー光が照射されると、レーザー光はフィルム1
の幅方向に所定の周期で走査される。
【0011】また、露光部2は、露光中のフィルム1を
長さ方向に精度良く移動させる精密送り機構を備えてい
る。ポリゴンミラーによりレーザー光が幅方向に走査さ
れ、フィルム1が精密送り機構により長さ方向に少しず
つ移動するので、フィルム1の所定のエリアにレーザー
光が走査されることになる。
【0012】照度変更手段23は、本実施形態では、光
変調素子によって構成されている。光変調素子として
は、例えば音響光学素子が使用できる。音響光学素子
は、超音波によって回折光を生じさせるものであり、超
音波の強度を調節することで回折光の強度を変調するも
のである。出力されるイメージのデータ(以下、イメー
ジデータ)は、不図示のインターフェースを介して外部
から入力され、不図示のメモリに記憶されるようになっ
ている。照度変更手段23には、メモリ内のイメージデ
ータが読み出されて送られる。照度変更手段23は、フ
ィルム1上に走査される際のレーザー光をイメージデー
タに従ってレーザー光の照射を変更する。この結果、イ
メージデータ通りのイメージでフィルム1が露光され
る。
【0013】尚、レーザー光学系としては、照度変更手
段23にレーザー光を集光させる集光レンズ241、照
度変更手段23から出射したレーザー光を平行光に戻す
コリメータレンズ242、フィルム1までの距離の違い
にかかわらずポリゴンミラーに反射したレーザー光がフ
ィルム1上で細いビームに集光するようにするf・θレ
ンズ243等から成っている。
【0014】また、精密送り機構は、フィルム1を挟ん
で送る一対の送りローラ251と、送りローラ251を
駆動するサーボモータ252等から構成されている。サ
ーボモータ252は、走査手段22に同期してフィルム
1が所定の速度で前進するよう送りローラ251を駆動
する。
【0015】現像部3は、本実施形態では、熱現像を行
うものとなっている。具体的には、現像部3は、ヒート
ローラ31と、ヒートローラ31にフィルム1を接触さ
せる接触ローラ32とから成っている。ヒートローラ3
1は、図1に示すように、比較的径の大きな円柱状であ
り、内部にヒータが設けられている。接触ローラ32
は、細長いものであり、ヒートローラ31の周面に沿っ
て均等間隔に多数設けられている。
【0016】ヒートローラ31には、現像用モータ33
が設けられている。露光されたフィルム1は、ヒートロ
ーラ31と接触ローラ32との間に挟み込まれる。そし
て、現像用モータ33によってヒートローラ31が回転
すると、フィルム1は、ヒートローラ31の周面に押し
付けられながら、ヒートローラ31と各接触ローラ32
によって送られる。この際、フィルム1は、ヒートロー
ラ31からの熱によって現像される。
【0017】また、搬送系6は、トレーからフィルム1
をピックアップして送り出すピックアップ機構61、フ
ィルム1を挟んで送る複数対のピンチローラ62、ピン
チローラ62を駆動する不図示の搬送用モータ、フィル
ム1の搬送をガイドするガイド板63等から構成されて
いる。尚、搬送系6のうち、ピンチローラ62等、フィ
ルム1に接触する部材は、フィルム1を傷つけたり汚損
したりしないよう、特別の表面加工が施されたり、又
は、材質が選定されたりしている。フィルム排出部5
は、本実施形態では、レーザーイメージャーの上面に設
けられたトレーとより成っている。現像済みのフィルム
1は、搬送系6によって搬送されてこのトレー上に排出
されるようになっている。
【0018】本実施形態のレーザーイメージャーでは、
現像部3とフィルム排出部5との間の搬送路上に、基準
となる照度で露光されたフィルム1の所定箇所(以下、
濃度測定箇所)の現像後の濃度を測定する濃度測定器
(図1中不図示)が設けられている。そして、濃度測定
器の測定結果に従って、露光又は現像がフィードバック
制御されるようになっている。以下、この点について図
2を使用して説明する。図2は、濃度測定器及び濃度測
定器の測定結果を利用した制御系の概略構成を示す図で
ある。
【0019】濃度測定器7は、現像後のフィルム1の濃
度測定箇所に向けて光を照射する発光器71と、濃度測
定箇所を透過した発光器71からの光を受光する受光器
72とから構成されている。図2に示すように、発光器
71と受光器72とを結ぶ光軸Aは、フィルム1の搬送
レベルに対して垂直である。発光器71としては白色L
EDが使用されている。受光器72にはフォトダイオー
ドが使用されている。
【0020】濃度測定器7は、図2に示す現像部3の少
し下流側(フィルム排出部5側)に設けられている。ま
た、現像部3と濃度測定器7との間には、現像部3から
フィルム1が送り出されたことを確認する光センサ73
が設けられている。現像部3における現像が終了してフ
ィルム1がヒートローラ31から送り出されると、それ
を光センサ73が検出する。制御系は、この光センサ7
3からの信号に従い、所定のタイムラグをおいて濃度測
定器7を動作させ、濃度測定箇所の濃度を測定する。
【0021】制御系には、レーザーイメージャーの各部
の制御も含まれている。即ち、搬送系6によるフィルム
1の搬送、露光部2での露光、露光済みのフィルム1の
現像部3での現像等、各部を所定のタイミングで動作さ
せる制御が行われる。制御系は、不図示のCPU(中央
演算処理装置)と、不図示のCPUによって実行される
各種制御プログラムとによって構成されている。また、
本実施形態のレーザーイメージャーは、各種制御プログ
ラムを含むソフトウェアを記憶した不図示のメモリを備
えている。
【0022】制御系には、フィルムの仕上がりを一定に
保つためのフィードバック制御を行うための制御手段8
が含まれている。本実施形態では、フィードバック制御
の制御対象は、現像部3における現像時間、より詳しく
は、ヒートローラ31を回転させる現像用モータ33の
回転速度となっている。つまり、濃度測定器7の測定結
果に従って現像用モータ33の回転速度が負帰還制御さ
れ、常に一定の仕上がりになるようにしている。
【0023】前述したように、本実施形態のレーザーイ
メージャーは、白黒イメージの可視化を行うものであ
る。出力されるフィルム1上の各点(ドット)は、入力
されたイメージデータに従った白黒の濃淡となる。この
際、レーザー光の基準照度、走査速度、ヒートローラ3
1の温度、ヒートローラ31の回転速度等が常に一定で
あれば、仕上がりは常に一定になる。つまり、同一のイ
メージデータであれば同一の濃淡のイメージとなる。
【0024】しかしながら、レーザー光の基準照度、走
査速度、ヒートローラ31の温度、ヒートローラ31の
回転速度等、露光−現像系の動作条件のいずれかにバラ
ツキが生ずると、イメージデータは同じであっても、全
体に濃いイメージとなったり、もしくは淡いイメージと
なったりする。レーザーイメージャーが、X線CTやN
MRのような医療用装置のイメージ出力に使用される場
合、このような濃淡のバラツキが大きくなると、イメー
ジに基づく診断がしづらくなることもあり得る。
【0025】本実施形態では、仕上がりを常に一定にす
るため、上述した負帰還制御を行う構成を採用してい
る。つまり、一定の仕上がりとは、同一のイメージデー
タの場合、全体の濃淡が常に一定になるということを意
味している。もしくは、フィルム1上のある点が一定の
濃度で露光された場合に、現像後のその点の濃度が常に
一定である、と表現することもできる。
【0026】図2に示すように、制御手段8は、基準濃
度設定部81と、濃度測定器7の測定結果と基準濃度と
を比較する比較器82と、比較器82の出力に従って補
正信号を出力する信号出力部83等を備えている。尚、
濃度測定器7の出力は、増幅器74及びAD変換器75
を介して比較器82に入力されるようになっている。信
号出力部83からの補正信号は、現像用モータ33を制
御するモータコントローラ34に入力されるようになっ
ている。尚、現像用モータ33は、DC又はACサーボ
モータであり、モータコントローラ34の制御に従った
回転速度でヒートローラ31を回転させるようになって
いる。
【0027】いま、濃度測定器7で測定されたあるフィ
ルム1の現像後の濃度測定箇所の濃度(以下、測定濃度
という)を、Dとする。また、基準照度で露光された場
合の基準濃度がDsとする。例えば、基準濃度Dsに対
して測定濃度Dが2%低下した場合、信号出力部83
は、現像用モータ33の回転速度を2%下げるようモー
タコントローラ34に補正信号を出力する。回転速度が
2%下がると、現像時間は2%長くなる。この結果、次
に露光−現像されるフィルム1では、濃度低下が補償さ
れ、当初の一定した仕上がりに戻る。また、例えば基準
濃度Dsに対して測定濃度が3%上昇した場合、信号出
力部83は、現像用モータ33の回転速度を3%上げる
ようモータコントローラ34に補正信号を出力する。こ
の結果、回転速度が3%上がり、現像時間は3%短くな
って、元の一定した仕上がりに回復する。
【0028】露光−現像系の外乱としては、次のような
要因が考えられる。まず、露光部2においては、レーザ
ー発振器21の出力の変動、照度変更手段23として用
いられた光学変調素子の特性変動等である。また、現像
部3においては、接触ローラ32やヒートローラ31の
摩耗によるヒートローラ31に対するフィルム1の熱接
触性の低下、雰囲気温度の変化に伴う現像温度の変動等
である。これらの変動は、それぞれの要素内のフィード
バック制御系により、僅かなものに抑えられることが多
いが、そのような変動が生じた場合でも、上述した濃度
測定器7の測定結果を利用したフィードバック制御によ
り、仕上がりは常に一定になる。
【0029】さて、本実施形態のレーザーイメージャー
の大きな特徴点は、濃度測定箇所の設定位置にある。以
下、この点について説明する。図3は、濃度測定箇所の
設定位置を示した図である。図3には、本実施形態のレ
ーザーイメージャーによりイメージが可視化されるフィ
ルム1が示されている。フィルム1は、イメージの可視
化に用いる主領域11と、主領域11以外のマージンの
部分に相当するボーダー領域12とから成っている。現
像後のフィルム1は、白色蛍光灯より成る照明パネルの
前面に保持して背後から照明しながら観察されるが、ボ
ーダー領域12には、照明パネルの前面に保持される際
にホルダーに接触する部分が含まれている。
【0030】本実施形態のレーザーイメージャーは医療
用であり、X線CTやNMRのような装置の出力を白黒
のイメージで可視化するものとなっている。フィルム1
には、ボーダー領域12が透明であるクリアボーダーと
呼ばれるものと、ボーダー領域12が黒色であるブラッ
クボーダーと呼ばれるものとがあるが、照明パネルから
の光が抑えられることから、ブラックボーダーがよく使
用される。
【0031】本実施形態のレーザーイメージャーの大き
な特徴点は、図3に示すように、濃度測定箇所121
が、ボーダー領域のうち、フィルム1の搬送方向に沿っ
た長さの中央の位置に設定されている点である。濃度測
定箇所域121は、小さな方形であり、以下パッチと呼
ぶ。パッチ121の寸法としては、例えば横5mm縦1
0mm程度である。前述した照度変更手段23は、図3
に示すパッチ121の領域のパターンでレーザー光が照
射されるようにするとともに、その際、現像後の濃度が
基準濃度となる照度でレーザー光が照射されるようにす
る。
【0032】濃度測定器7による濃度測定について、図
4を使用してさらに詳しく説明する。図4は、濃度測定
器7による濃度測定の詳細を示す図である。前述したよ
うに、濃度測定器7による濃度測定は、光センサ73に
よってフィルム1が現像部3から排出されたことをよっ
て検出し、その時点から所定のタイムラグをおいて濃度
測定器7による測定を行う。より詳しく説明すると、図
4に示すように、光センサ73によってフィルム1の搬
送方向前側の縁が検出された時刻をtとする。そし
て、その後、パッチ121の搬送方向前側の縁が濃度測
定器7の光軸A上に達する時刻をtとする。また、そ
の後の、パッチ121の搬送方向後ろ側の縁が濃度測定
器7の光軸A上に達する時刻をtとする。フィルム1
の搬送速度、フィルム1の縁からパッチ121までの距
離及び搬送方向におけるパッチ121の長さは既知であ
るので、tからt、tからtまでの時間は、計
算により求められる。
【0033】濃度測定器7による濃度測定は、パッチ1
21上の一点ではなく、信頼性を高めるため、複数の点
の測定を行い、それらの平均を算出している。具体的に
は、図4に示すt〜tの時刻の範囲内で均等間隔の
20個の時刻(t〜t20)で濃度測定している。従
って、原理的には、パッチ121上の20個の点の濃度
を測定していることになる。最終的にパッチ121の濃
度を測定結果として制御手段8に出力する場合には、そ
れらの各時刻(t〜t20)での測定値を平均して出
力する。尚、測定値の個数が一定の場合、「平均する」
とは、単に合計を算出するだけの場合もある。
【0034】本実施形態において、パッチ121をフィ
ルム1の搬送方向に沿った長さの中央に設定しているの
は、以下のような発明者の研究に基づくものである。パ
ッチ121は、通常は、フィルム1の搬送方向の前端部
又は後端部に設けられる。しかしながら、前端部又は後
端部にパッチ121が設けられる場合、次のような問題
があることが、発明者の研究により判明した。図5は、
フィルム1の前端部又は後端部にパッチ121が設けら
れている場合の問題について示した図である。
【0035】前述したように、フィルム1は、ヒートロ
ーラ31と接触ローラ32との間に挟み込まれ、ヒート
ローラ31に押し付けられることで加熱される。この
際、フィルム1の弾性のため、フィルム1の前端部は、
図5(1)に示すように、各接触ローラ32の間では、
ヒートローラ31の表面から少し浮いた状態となる。前
端部は、各接触ローラ32とヒートローラ31との間に
挟み込まれる際にはヒートローラ31に充分に接触する
が、それ以外ではヒートローラ31に対する接触性が低
下する。このため、フィルム1が現像部3を通過する際
に前端部が受ける熱の総量は、他の部分に比して少なく
なってしまう。また、後端部についても同様であり、図
5(2)に示すように、各接触ローラ32の間では、弾
性によりヒートローラ31から浮いてしまう。この結
果、後端部が受ける熱の総量が他の部分に比して少なく
なる。
【0036】このように前端部や後端部において熱の総
量が低下すると、現像不足になる。また、前端部や後端
部の浮上は不安定に生ずるため、前端部や後端部が受け
る熱の総量も不安定に変動する。従って、現像も不安定
になる。パッチ121がこのような前端部や後端部に設
けられていると、基準照度で露光しても、予定されてい
る基準濃度Dsにはならない。このため、このようなパ
ッチ121の濃度を測定してその測定結果に従ってフィ
ードバック制御を行ってしまうと、制御の精度が低下し
たり不安定になったりする。この結果、フィルム1の仕
上がりが悪くなったり均一性が低下したりする恐れがあ
る。
【0037】このような問題を防止するには、フィルム
1の柔軟性を増加させ、弾性を小さくすることが考えら
れる。しかしながら、フィルム1の弾性を小さくする
と、フィルム1の耐久性や機械的強度が低下する他、引
き離し具35によるフィルム1のヒートローラ31から
の引き離しも難しくなってしまう。
【0038】本実施形態では、上記のような点を考慮
し、パッチ121をフィルム1の搬送方向に沿った長さ
の中央に設けている。このため、パッチ121の濃度が
基準濃度Dsから外れてしまうことがなく、高精度のフ
ィードバック制御が安定して行える。従って、フィルム
1は、正しい仕上がりに安定して仕上がる。そして、接
触ローラ32を大きな力でヒートローラ31に押し付け
る必要がないので、フィルムの傷つき等がなく、安定し
て現像が行える。
【0039】尚、図4では、フィルム1の一方の側にの
みパッチ121が設けられているが、両側に設けて双方
の測定値の平均を取っても良い。この方がさらに測定精
度が高く成り、精度の高いフィードバック制御が行え
る。また、「フィルムの搬送方向に沿った長さの中央」
とは、パッチ121の中心がちょうど中央になっている
場合には限られない。パッチ121内のいずれかの点で
長さの中央に位置している、即ちパッチ121が長さの
中央の点を占めていればよい。
【0040】次に、本願発明の第二の実施形態について
説明する。図6は、第二の実施形態の主要部を示す図で
ある。第二の実施形態では、パッチ121の設定位置が
第一の実施形態と異なっている。即ち、図6に示すよう
に、第二の実施形態では、パッチ121のフィルム1の
前縁から距離が最適化されている。具体的には、フィル
ム1の前縁と、パッチ121のうちフィルム1の前縁に
対して最も近い所との距離(縁離間距離)dが、接触ロ
ーラ32のお互いの離間距離以上(例えば20mm以
上)となっている。
【0041】縁離間距離dが短くなってくると、前述し
たようなヒートローラ31から浮き上がりによる熱量不
足が生じ、パッチ121が基準濃度Dsにならない恐れ
がある。縁離間距離dを接触ローラ32の離間距離以上
(例えば20mm以上)としておけば、第一の実施形態
と同様に、基準濃度Dsが得られ、精度の高いフィード
バック制御が行える。尚、接触ローラ32の離間距離と
は、ある接触ローラ32がヒートローラ31とともにフ
ィルム1を挟み込む点と、その接触ローラに32に隣り
合う別の接触ローラ32がヒートローラ31とともにフ
ィルム1を挟み込む点との間の距離である。厳密には、
図5において、ある接触ローラ32の中心からヒートロ
ーラ31の表面に引いた垂線がヒートローラ31の表面
に交わる点と、その接触ローラ32に隣接する別の接触
ローラ32の中心からヒートローラ31の表面に引いた
垂線がヒートローラ31の表面に交わる点との距離であ
る。
【0042】この実施形態では、パッチ121は、フィ
ルム1の搬送方向に沿った長さの中央よりも前縁よりの
位置に設定されたが、後縁よりの意味でも良い。その場
合でも、フィルムの後縁と、パッチ121のうち後縁に
最も近い点との距離は、接触ローラ32の離間距離以上
(例えば20mm以上)としておく。尚、この実施形態
においても、パッチ121は、フィルム1の両側に設け
られていてもよい。
【0043】上記各実施形態では、濃度測定箇所は、主
領域11外に設定されたが、場合によっては、主領域1
1内に設定される場合もある。具体的には、主領域11
内の特定の点を予め指定し、その点をどの程度の照度で
露光するようになっているかを、イメージデータから抽
出する。そして、その照度の場合に得られると想定され
る濃度を求め、基準照度Dsの場合と同様に測定濃度と
比較するようにする。このような演算処理によっても、
フィードバック制御用のデータを同様に得ることができ
る。この場合でも、そのように設定される濃度測定箇所
は、フィルム1の搬送方向の長さの中央とするか、又
は、前縁もしくは後縁からの距離を接触ローラ32の離
間距離以上(例えば20mm以上)とする。但し、前述
したように、主領域11外の領域の濃度を測定した方
が、可視化するイメージとは無関係にフォードバック制
御用のデータを得ることができるので、演算処理等が容
易である。
【0044】上記各実施形態では、濃度測定器7の測定
結果は、露光−現像系のフィードバック制御に利用され
たが、本願発明はこれに限られる訳ではない。例えば、
露光−現像後の仕上がりを単に確認するだけのために用
いられるものであっても良い。濃度測定値の測定結果か
ら、測定濃度が基準濃度と大きく異なっている場合、単
にエラーメッセージを表示したり、要メンテナンスの表
示をしたりする場合もある。また、測定濃度が基準濃度
と大きく異なっている場合、そのフィルムをキャンセル
して所定の場所に回収し、現像時間等を調整した上、同
じイメージデータでもう一度露光−現像するようなシー
ケンスが採用されることもある。尚、所定の場所とは、
例えばソーターを備えたレーザーイメージャーの場合、
最下部のソーター等である。また、レーザーイメージャ
ーの用途しては、専ら医療分野について説明されたが、
これ以外の用途に用いられるものであっても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1又は
2記載の発明によれば、濃度測定箇所が、フィルムの搬
送方向の前端部や後端部にはないので、より正しい濃度
測定が行える。このため、測定結果を利用したフィード
バック制御等の精度が向上し、フィルムの仕上がり状態
が良好で一定に維持された優れたレーザーイメージャー
が提供される。また、請求項3記載の発明によれば、上
記効果に加え、露光−現像系がフィードバック制御され
るので、フィルムの仕上がり状態が良好で一定に維持さ
れた優れたレーザーイメージャーとなる。また、請求項
4記載の発明によれば、上記効果に加え、濃度測定箇所
が主領域外に設定されているので、可視化するイメージ
とは無関係にフォードバック制御用のデータを得ること
ができるので、演算処理等が容易である。また、請求項
5記載の発明によれば、上記効果に加え、濃度測定箇所
が、主領域を挟んで両側に設定されているので、さらに
測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態に係るレーザーイメージャ
ーの概略構成を示す斜視図である。
【図2】濃度測定器及び濃度測定器の測定結果を利用し
た制御系の概略構成を示す図である。
【図3】濃度測定箇所の設定位置を示した図である。
【図4】濃度測定器7による濃度測定の詳細を示す図で
ある。
【図5】フィルム1の前端部又は後端部にパッチ121
が設けられている場合の問題について示した図である。
【図6】第二の実施形態の主要部を示す図である。
【符号の説明】
1 フィルム 11 主領域 12 ボーダー領域 121 パッチ 2 露光部 21 レーザー発振器 22 走査手段 23 照度変更手段 3 現像部 31 ヒートローラ 32 接触ローラ 33 現像用モータ 34 モータコントローラ 4 フィルム収容部 5 フィルム排出部 6 搬送系 7 濃度測定器 71 発光器 72 受光器 73 光センサ 8 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 AA65 BA04 CB71 CB80 DA49 2G059 AA02 BB10 DD12 EE01 GG02 HH02 KK01 MM03 MM05 MM09 2H106 BA55 BH00 4C096 AA18 AB09 AD15 AD19 DD06 DD20 FC11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光層が表面に形成されたフィルム上に
    レーザー光を照射して露光する露光部と、露光後のフィ
    ルムを現像して潜像を可視化する現像部と、未露光のフ
    ィルムを収容したフィルム収容部と、現像後のフィルム
    が排出されるフィルム排出部と、フィルム収容部、露光
    部、現像部、フィルム排出部の順にフィルムを搬送する
    搬送系とから成るレーザーイメージャーであって、 露光部は、照射するレーザー光を発振するレーザー発振
    器と、レーザー光をフィルム上で走査させる走査手段
    と、フィルム上で走査されるレーザー光の照度を可視化
    すべきイメージのデータに従って変更させる照度変更手
    段とを備えており、 照度変更手段は、フィルム上のイメージの可視化に用い
    る領域外に設定された濃度測定箇所が基準となる照度で
    露光されるようにするものであり、 現像部は、内部にヒータを備えたヒートローラと、ヒー
    トローラにフィルムを接触させるようヒートローラの周
    面に沿って複数設けられた接触ローラとより成るもので
    あり、 さらに、 現像後の濃度測定箇所の濃度を測定する濃度測定器器が
    設けられており、濃度測定箇所は、フィルムの搬送方向
    に沿った長さの中央の位置に設定されていることを特徴
    とするレーザーイメージャー。
  2. 【請求項2】 感光層が表面に形成されたフィルム上に
    レーザー光を照射して露光する露光部と、露光後のフィ
    ルムを現像して潜像を可視化する現像部と、未露光のフ
    ィルムを収容したフィルム収容部と、現像後のフィルム
    が排出されるフィルム排出部と、フィルム収容部、露光
    部、現像部、フィルム排出部の順にフィルムを搬送する
    搬送系とから成るレーザーイメージャーであって、 露光部は、照射するレーザー光を発振するレーザー発振
    器と、レーザー光をフィルム上で走査させる走査手段
    と、フィルム上で走査されるレーザー光の照度を可視化
    すべきイメージのデータに従って変更させる照度変更手
    段とを備えており、 照度変更手段は、フィルム上のイメージの可視化に用い
    る領域外に設定された濃度測定箇所が基準となる照度で
    露光されるようにするものであり、 現像部は、内部にヒータを備えたヒートローラと、ヒー
    トローラにフィルムを接触させるようヒートローラの周
    面に沿って複数設けられた接触ローラとより成るもので
    あり、 さらに、 現像後の濃度測定箇所の濃度を測定する濃度測定器器が
    設けられており、 濃度測定箇所は、フィルムの搬送方向の前縁又は後縁か
    ら、前記接触ローラのお互い離間間隔以上の距離離れた
    位置に設定されていることを特徴とするレーザーイメー
    ジャー。
  3. 【請求項3】 前記濃度測定器の測定結果に従って、前
    記露光部における露光又は前記現像部における現像をフ
    ィードバック制御する制御手段が設けられていることを
    特徴とする請求項1又は2記載のレーザーイメージャ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記濃度測定箇所は、フィルム上のイメ
    ージの可視化に利用される領域以外の所定の領域に設定
    されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    レーザーイメージャー。
  5. 【請求項5】 前記濃度測定箇所は、フィルム上のイメ
    ージの可視化に利用される領域を挟んで両側に設定され
    ていることを特徴とする請求項4記載のレーザーイメー
    ジャー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7508546B2 (en) 2004-02-13 2009-03-24 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Medical image recording apparatus, medical image correcting method and recording media

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7508546B2 (en) 2004-02-13 2009-03-24 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Medical image recording apparatus, medical image correcting method and recording media
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