JP2005003984A - 画像補正方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各1度の固定画像読取処理、移動画像読取処理及び画像形成処理により、固定画像読取部における画像読取位置及び画像読取倍率の誤差、画像形成部における画像形成位置及び画像形成倍率の誤差、及び、移動画像読取部における画像読取位置及び画像読取倍率の誤差を個別に補正できるようにする。
【解決手段】第1基準画像31が形成された用紙41と第2基準画像33を有する補正用治具1とを第1原稿台210上に載置して固定画像読取部で第1補正用画像を読み取る。用紙41をADF220にセットして移動画像読取部で第2補正用画像を読み取る。第1補正用画像の第2基準画像33から固定画像読取部の誤差を測定し、第1補正用画像の第1基準画像31で測定した誤差から固定画像読取部の誤差を除いて画像形成部の誤差とし、第2補正用画像内の第1基準画像31で測定した誤差から画像形成部の誤差を除いて移動画像読取部の誤差とする。
【選択図】図5
【解決手段】第1基準画像31が形成された用紙41と第2基準画像33を有する補正用治具1とを第1原稿台210上に載置して固定画像読取部で第1補正用画像を読み取る。用紙41をADF220にセットして移動画像読取部で第2補正用画像を読み取る。第1補正用画像の第2基準画像33から固定画像読取部の誤差を測定し、第1補正用画像の第1基準画像31で測定した誤差から固定画像読取部の誤差を除いて画像形成部の誤差とし、第2補正用画像内の第1基準画像31で測定した誤差から画像形成部の誤差を除いて移動画像読取部の誤差とする。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置における画像位置及び画像倍率の誤差を補正する画像補正方法、及び、この方法が適用される画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の画像形成部における画像形成時の画像位置の誤差を補正するため、画像形成装置内のメモリに保存されている基準画像についての画像形成処理と作業者による補正値の入力作業とを繰り返す手法が知られている。この手法では、作業者が、基準画像についての画像形成処理によって画像形成装置が画像形成を行って出力した出力画像と基準画像とを目視により比較して画像位置の誤差を測定し、測定した誤差の補正に適当であると思われる補正値を画像形成装置に入力した後、基準画像についての画像形成処理を画像形成装置に行わせる作業を、誤差が許容範囲内に収まるまで繰り返す。このため、作業者が誤差の測定結果を勘案して補正値を決定しなければならないだけでなく、誤差が許容範囲内に収まるまで基準画像についての画像形成処理を繰り返す必要があり、資源の浪費や作業時間の長時間化を招く。
【0003】
そこで、従来の画像形成装置として、原稿画像についての出力画像の画像位置と原稿画像の画像位置との差を検出し、レーザ露光装置における画像の書き出し位置を調整するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。なお、書き出し位置は、画像形成装置に記憶される。
【0004】
また、画像読取部が読取原稿から読み取った基準画像について画像形成部で画像形成した出力画像を基準画像と比較する場合、読取原稿である基準画像に対する出力画像の画像位置及び画像倍率の誤差は、詳細には、画像読取部における画像読取時に生じる画像読取位置及び画像読取倍率の誤差と、画像形成部における画像形成時に生じる画像形成位置及び画像形成倍率の誤差と、の両方により生じる。つまり、画像形成装置の画像形成部における誤差と、画像形成装置の画像読取部における誤差と、が重ね合わされて全体としての画像位置及び画像倍率の誤差をなしている。
【0005】
そこで、従来の他の画像形成装置として、画像読取部において所定の基準画像を読み取って画像読取倍率の補正値を算出した後、画像形成部において基準画像についての画像形成を行って出力画像を作成し、その出力画像を画像読取部において読み取らせて画像形成倍率の補正値を算出するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。この画像形成装置は、画像形成装置における画像形成部の誤差と画像読取部の誤差とを個別に算出する。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−186994号公報
【特許文献2】
特開平08−265560号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された画像形成装置では、画像読取部における画像読取位置の誤差と、画像形成部における画像形成位置の誤差と、を分離していないため、画像形成部と画像読取部との何れか一方を使用しない場合には、画像位置及び画像倍率の誤差を正確に補正することができない問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2に記載された画像形成装置では、画像形成部と画像読取部との何れか一方を使用しない場合でも、画像位置及び画像倍率の誤差を正確に補正することができるが、画像読取部において基準画像と出力画像との両方を読み取る必要があり、画像位置及び画像倍率の補正作業が煩雑になる問題がある。
【0009】
さらに、画像読取部の光学系を原稿が載置された原稿台に対向して走査させて画像を読み取る原稿固定方式の画像読取と、画像読取部の光学系を搬送移動中の原稿に原稿台を挟んで対向する位置に配置して画像を読み取る原稿移動方式の画像読取と、を選択的に行うことができるようにした画像形成装置がある。このような画像形成装置では、原稿固定方式の画像読取時に画像読取部に生じる誤差と原稿移動方式の画像読取時に画像読取部に生じる誤差とを別々に補正する必要がある。したがって、原稿固定方式の画像読取処理と原稿移動方式の画像読取処理とを選択的に実行する画像形成装置では、画像位置及び画像倍率の補正作業の煩雑化がさらに大きな問題となる。
【0010】
この発明の目的は、各1度の原稿固定方式の画像読取処理、原稿移動方式の画像読取処理及び画像形成処理を行うだけで、原稿固定方式の画像読取処理時及び原稿移動方式の画像読取処理時のそれぞれでの画像読取部における画像読取位置及び画像読取倍率の誤差と、画像形成部における画像形成位置及び画像形成倍率の誤差と、を個別に補正することができ、正確な画像位置及び画像倍率の補正作業を簡単かつ迅速に行うことができる画像位置補正方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えたものである。
【0012】
(1)画像形成部において、画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像を用紙上に形成する基準画像形成工程と、
固定画像読取部において、前記第1基準画像が形成された後に第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の画像を、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を前記第1原稿台上の適正な位置に配置した第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る第1補正用画像読取工程と、
移動画像読取部において、前記第1基準画像が形成された後に第2原稿台を経由して搬送される用紙の画像を、第2補正用画像として読み取る第2補正用画像読取工程と、
制御部において、前記第1補正用画像内の第2基準画像に基づいて前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する固定画像読取部誤差測定工程と、
制御部において、前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差と前記第1補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する画像形成部誤差測定工程と、
制御部において、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する移動画像読取部誤差測定工程と、
を含むことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、画像形成部において用紙に形成された画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像が、固定画像読取部において画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を第1原稿台上の適正な位置に配置した第2の基準画像とともに第1補正用画像として読み取られ、かつ、移動画像形成部において第2補正用画像として読み取られる。第1補正用画像内の第2の基準画像に基づいて固定画像読取部における誤差が測定され、固定画像読取部における誤差と第1補正用画像内の第1の基準画像とに基づいて画像形成部における誤差が測定され、画像形成部における誤差と第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差及び移動画像形成部における誤差の全てが測定される。
【0014】
(2)前記基準画像形成工程は、用紙の表裏面のそれぞれに表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を形成する工程であり、
前記第1補正用画像読取工程は、前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の表裏面の少なくとも一方の画像を、第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る工程であり、
前記第2補正用画像読取工程は、前記第2原稿台を経由して表裏面を反転して搬送される用紙の表裏面のそれぞれの画像を、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取る工程であり、
前記移動画像読取部誤差測定工程は、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記表面用第2補正用画像における表面用第1基準画像及び前記裏面用第2補正用画像における裏面用第1基準画像に基づいて前記移動画像読取部における表面画像読取時及び裏面画像読取時の画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する工程であることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、画像形成部において用紙の表裏面のそれぞれに形成された表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像が、移動画像形成部において表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取られる。画像形成部における誤差と表面用第2補正用画像内の表面用第1基準画像及び裏面用第2補正用画像内の裏面用第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の表面画像読取時及び裏面画像読取時の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差、移動画像形成部における表面画像読取時の誤差、及び、移動画像形成部における裏面画像読取時の誤差の全てが測定される。
【0016】
(3)前記画像形成部誤差測定工程は、前記第1補正用画像読取工程で固定画像読取部が読み取った第1基準画像を内部のメモリに記憶している第1基準画像情報と比較した結果から、前記固定画像読取部誤差測定工程で測定した固定画像読取部の誤差を除く工程であり、
前記移動画像読取部誤差測定工程は、前記第2補正用画像読取工程で移動画像読取部が読み取った第1基準画像を内部のメモリに記憶している第1基準画像情報と比較した結果から、前記画像形成部誤差測定工程で測定した画像形成部の誤差を除く工程であることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、固定画像読取部が読み取った第1補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果が、固定画像読取部の誤差を除かれた後に、移動画像読取部が読み取った第2補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果から除かれる。したがって、画像形成部で第1基準画像が形成された用紙を第2原稿台を経由して搬送する間に読み取った第1基準画像に生じている誤差から、固定画像読取部及び画像形成部で生じた誤差の影響が除かれ、移動画像読取部のみで生じた誤差が測定される。
【0018】
(4)少なくとも前記移動画像読取部誤差測定工程の後に、前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて移動画像読取部が読み取った画像情報を補正するための補正情報を作成して内部のメモリに保存する移動画像読取部補正情報作成工程を含むことを特徴とする。
【0019】
この構成においては、移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて作成された移動画像読取部の補正情報が内部のメモリに保存される。したがって、通常の画像読取作業時に、誤差の測定及び補正情報の作成を繰り返す必要がなく、読み取った画像情報が内部のメモリに保存されている補正情報を用いて正確に補正される。
【0020】
(5)前記移動画像読取部補正情報作成工程は、前記第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び、前記第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報を作成する工程であることを特徴とする。
【0021】
この構成においては、移動画像読取部において生じる誤差を補正する情報として、第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び、第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報が作成される。したがって、移動画像読取部の原稿搬送動作に係る制御内容の変更によって移動画像読取部で生じた誤差が補正される。
【0022】
(6)第1原稿台上に載置された原稿の画像情報を読み取る固定画像読取部と、第2原稿台を経由して搬送される原稿の画像情報を読み取る移動画像読取部と、画像情報に基づく出力画像を用紙上に形成する画像形成部と、固定画像読取部、移動画像読取部及び画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記画像形成部は、画像補正作業時に、画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像の画像情報に基づく画像を用紙上に形成し、
前記固定画像読取部は、画像補正作業時に、前記第1基準画像の画像情報に基づく画像が形成された後に前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の画像を、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を前記第1原稿台上の適正な位置に配置した第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取り、
前記移動画像読取部は、画像補正作業時に、前記第1基準画像の画像情報に基づく画像が形成された後に前記第2原稿台を経由して搬送される用紙の画像を第2補正用画像として読み取り、
前記制御部は、画像補正作業時に、前記第1補正用画像内の第2基準画像に基づいて前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する固定画像読取部誤差測定処理、前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定結果と前記第1補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する画像形成部誤差測定処理、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定結果と前記第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する移動画像読取部誤差測定処理、前記固定画像読取部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて固定画像読取部において生じる誤差を補正するための固定画像読取部補正情報を作成して内部メモリに格納する固定画像読取部補正情報作成処理、前記画像形成部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて画像形成部において生じる誤差を補正するための画像形成部補正情報を作成して内部メモリに格納する画像形成部補正情報作成処理、及び、前記移動画像読取部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて移動画像読取部において生じる誤差を補正するための移動画像読取部補正情報を作成して内部メモリに格納する移動画像読取部補正情報作成処理を実行することを特徴とする。
【0023】
この構成においては、画像形成部において用紙に形成された画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像が、固定画像読取部において画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を第1原稿台上の適正な位置に配置した第2の基準画像とともに第1補正用画像として読み取られ、かつ、移動画像形成部において第2補正用画像として読み取られる。第1補正用画像内の第2の基準画像に基づいて固定画像読取部における誤差が測定され、固定画像読取部における誤差と第1補正用画像内の第1の基準画像とに基づいて画像形成部における誤差が測定され、画像形成部における誤差と第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差及び移動画像形成部における誤差の全てが測定される。
【0024】
また、移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて作成された移動画像読取部の補正情報が内部のメモリに保存される。したがって、通常の画像読取作業時に、誤差の測定及び補正情報の作成を繰り返す必要がなく、読み取った画像情報が内部のメモリに保存されている補正情報を用いて正確に補正される。
【0025】
(7)前記移動画像読取部は、原稿の表裏面のそれぞれを第2原稿台を経由して順次搬送する両面画像読取機能を備え、
前記基準画像形成処理は、用紙の表裏面のそれぞれに表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を形成する処理であり、
前記第1補正用画像読取処理は、前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の表裏面の少なくとも一方の画像を、第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る処理であり、
前記第2補正用画像読取工程は、前記第2原稿台を経由して表裏面を反転して搬送される用紙の表裏面のそれぞれの画像を、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取る処理であり、
前記移動画像読取部誤差測定処理は、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記表面用第2補正用画像における表面用第1基準画像及び前記裏面用第2補正用画像における裏面用第1基準画像に基づいて前記移動画像読取部における表面画像読取時及び裏面画像読取時の画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する処理であることを特徴とする。
【0026】
この構成においては、画像形成部において用紙の表裏面のそれぞれに形成された表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像が、移動画像形成部において表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取られる。画像形成部における誤差と表面用第2補正用画像内の表面用第1基準画像及び裏面用第2補正用画像内の裏面用第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の表面画像読取時及び裏面画像読取時の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差、移動画像形成部における表面画像読取時の誤差、及び、移動画像形成部における裏面画像読取時の誤差の全てが測定される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係る画像位置補正方法が適用される画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置100は、上部の画像読取部200と下部の画像形成部300とに大別される。画像読取部200は、透明ガラス体の第1原稿台210及び第2原稿台211を備え、これら原稿台210及び211の上方に自動原稿送り装置(以下、ADFという。)220が装着されている。原稿台210及び211は、ADF220によって上面を開閉自在に被覆されている。
【0028】
ADF220は、片面読取モードの処理又は両面読取モードの処理を選択的に実行する。ADF220は、片面読取モードの処理時に原稿トレイ221に載置された単一又は複数枚の原稿を1枚ずつ原稿台211を経由して排紙トレイ222に導く。ADF220は、両面読取モードの処理時に原稿トレイ221に載置された単一又は複数枚の原稿を1枚ずつ原稿台211を経由して中間トレイ223に導き、中間トレイ223において原稿搬送方向の前後を反転することにより表裏面を反転した原稿を再度原稿台211を経由して排紙トレイ222に導く。
【0029】
画像読取部200において原稿台210及び211の下方には、第1ミラーベース231、第2ミラーベース232、レンズ233及び光電変換素子(以下、CCDという。)234が備えられている。第1ミラーベース231は、ランプユニット235及び第1ミラー236を搭載し、原稿台210及び211の下方において水平方向に往復移動自在にされている。第2ミラーベース232は、第2ミラー237及び第3ミラー238を搭載し、原稿台210及び211の下方において水平方向に往復移動自在にされている。
【0030】
ミラー236〜238は、ランプユニット235の光の原稿画像面における反射光をレンズ233に配光する。レンズ233は、ミラー236〜238を介して配光された反射光をCCD234の受光面に結像させる。CCD234は、受光面における受光量に応じた電気信号を出力する。
【0031】
第1原稿台210上に載置された原稿の画像を読み取る原稿固定方式の画像読取時には、図示しない操作部に配置されているスタートキーが操作されると、ランプユニット235の光により原稿台210上の原稿の画像面を照射しつつ第1ミラーベース231が所定速度で矢印A方向に移動するとともに、第2ミラーベース232が第1ミラーベース231の1/2の速度で矢印A方向に移動する。これによって、ランプユニット231の光の原稿画像面における反射光が、第1原稿台210上に載置された原稿の画像面の全面について光路長を変化させることなく、ミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234に受光される。したがって、第1原稿台210、第1ミラーペース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234を用いて原稿固定方式の画像読取処理が行われる。これら、第1原稿台210、第1ミラーペース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234によって固定画像読取部が構成される。
【0032】
ADF220の原稿トレイ221上にセットされた原稿の画像を読み取る原稿移動方式の画像読取時には、操作部のスタートキーが操作されると、第1ミラーベース231が第2原稿台211に対向する位置に移動する。また、第2ミラーベース232は、第2原稿台211の上面を通過する原稿の画像面からミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234の受光面に至る光路長が原稿固定方式の画像読取時の光路長と等しくなる位置に移動する。これによって、ランプユニット231の光の原稿画像面における反射光が、第2原稿台211上を通過する原稿の画像面の全面について光路長を変化させることなく、ミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234に受光される。したがって、ADF220、第2原稿台211、第1ミラーペース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234を用いて原稿移動方式の画像読取処理が行われる。これらのうち、ADF220及び第2原稿台211によって移動画像読取部が構成される。
【0033】
画像形成部300は、矢印C方向に回転自在に支持された感光体ドラム311の周囲に、帯電器312、現像器314、転写器315及びクリーナ316等を感光体ドラム311の回転方向に沿ってこの順に備えている。また、感光体ドラム311の回転方向の帯電器312の下流側における現像器314との間で感光体ドラム311の表面を画像光によって露光する露光ユニット313を備えている。
【0034】
露光ユニット313には、画像読取部200のCCD234から出力された電気信号が、ディジタルデータに変換された後、所定の画像処理を施されて画像データとして供給される。また、露光ユニット313には、外部装置から画像形成装置100に入力された画像データが、ビットマップデータに展開された後、所定の画像処理を施されて画像データとして供給される。
【0035】
画像形成部300の最下部には、給紙カセット321が着脱自在に装着されている。給紙カセット321は、所定枚数の用紙を収容している。給紙カセット321内に収容された用紙は、給紙ローラ322の回転によって1枚ずつ給紙される。画像形成部300には、給紙カセット321から感光体ドラム311と転写器315との間を経由して排紙トレイ327に至る用紙搬送路323が形成されている。この用紙搬送路323内には、レジストローラ329、給紙ローラ322及び排紙ローラ328を含む複数のローラとともに、定着装置317が配置されている。また、画像形成部300には、用紙搬送路323における定着装置317の下流側を給紙ローラ322とレジストローラ329との間に連結する反転搬送路324が形成されている。
【0036】
画像形成部300における画像形成処理時には、画像データに基づいて以下の帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程を含む電子写真方式の画像形成プロセスが行われる。即ち、矢印C方向に回転する感光体ドラム311の表面に対して、帯電器312によって単一極性の電荷が均一に付与された後(帯電工程)、露光ユニット313から画像データによって変調された画像光が露光される(露光工程)。これによって、感光体ドラム311の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム311の表面の静電潜像は、現像器314から供給されるトナーによってトナー像に顕像化される(現像工程)。
【0037】
給紙カセット321から給紙された用紙は、その前端部が感光体ドラム311の表面に形成されたトナー像の前端に対向するタイミングで、レジストローラ329によって感光体ドラム311と転写器315との間に導かれる。感光体ドラム311の表面のトナー像は、転写器315によって用紙上に転写された後(転写工程)、定着装置317によって加熱及び加圧されて用紙上に堅牢に定着する(定着工程)。
【0038】
なお、転写工程を終了した感光体ドラム311の表面は、クリーナ316によって紙粉を含む残留トナーを除去された後、上記の画像形成プロセスに繰り返し使用される。
【0039】
図11は、上記画像形成装置に用いられるADFの構成を示す図である。また、図12及び図13は、移動画像読取処理時における動作を説明するフローチャートである。ADF220には、原稿トレイ221から第2原稿台211と原稿押え板226aとの間を経由して中間トレイ223及び排出トレイ222に至る間に、ピックアップローラ224、レジストローラ225、搬送ローラ226、排出ローラ227及び揺動板228等を備えた原稿搬送路229が形成されている。
【0040】
ADF220の動作による移動画像読取処理(原稿移動方式の画像読取処理)時には、光源235及びミラー236が第2原稿台211の下面に対向する位置に移動している。レジストローラ225及び搬送ローラ226によって原稿搬送路229における第2原稿台211と原稿押え板226aとの間を通過する原稿は、光源235からの光の照射を受け、その反射光がミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234に受光されることにより、画像を読み取られる。排出ローラ227の外部に設けられた揺動板228は、排出ローラ227によって排出された原稿を中間トレイ223又は排出トレイ222の何れかに選択的に導く。
【0041】
ADF220は、原稿の片面のみの画像を読み取る片面読取処理時には、図12に示すように、揺動板228を図11中実線で示す上側位置に位置させて排出トレイ222方向を開放した状態で(S21,S22)、ピックアップローラ224の回転を開始する(S23)。これによって、原稿トレイ221上に載置された原稿が、ピックアップローラ224と捌き板224aとによって1枚ずつ原稿搬送路229に送り出される。送り出された原稿は、原稿搬送路229内を移動し、回転していないレジストローラ225に前端を当接させた状態で一旦停止する。
【0042】
ADF220は、所定のタイミングでレジストローラ225、搬送ローラ226及び排出ローラ227の回転を開始し(S24,S25)、原稿搬送路229内で停止していた原稿の前端部は原稿読取開始時に第2原稿台211の上面に対向する。第2原稿台211の上面を通過した原稿は、搬送ローラ226の回転によって、排出ローラ227に向けて搬送される。第2原稿台211の上面に対向する位置で片面の画像を読み取られた原稿は、排出ローラ227の回転によって排出トレイ222上に排出される。ADF220は、原稿移動方式の片面読取処理時に、原稿トレイ221に載置された原稿の全てについてS21〜S26の処理を繰り返し実行し(S26→S21)、原稿トレイ221上に次の原稿がなくなると全てのローラの回転を停止して処理を終了する(S27)。
【0043】
一方、原稿の両面の画像を読み取る両面読取処理時には、ADF220は、図13に示すように、先ずピックアップローラ224の回転を開始し(S31)、原稿トレイ221上に載置された原稿のうちで最上部に位置する原稿を原稿搬送路229内に送り出してレジストローラ225に前端を当接させた状態で一旦停止させる。この後、ADF220は、揺動板228を図11中破線で示す下側位置に位置させて中間トレイ223方向を開放する(S32,S33)。
【0044】
ADF220は、所定のタイミングでレジストローラ225、搬送ローラ226及び排出ローラ227の回転を開始し(S34,S35)、原稿搬送路229内で停止していた原稿の前端部は原稿読取開始時に第2原稿台211の上面に対向する。第2原稿台211の上面に対向する位置で第1面の画像を読み取られた原稿は、搬送ローラ226の回転によって、排出ローラ227に向けて搬送され、さらに、排出ローラ227の回転によって中間トレイ223上に導かれる。
【0045】
ADF220は、S35におけるレジストローラ225の回転開始から所定時間が経過し、原稿の後端が排出ローラ227を通過する前のタイミングで、排出ローラ227を含む全てのローラの回転を一旦停止する(S36,S37)。この後、ADF220は、排出ローラ227の回転方向を逆転させ(S38)、前後端を反転させた状態の原稿を副原稿搬送路230内を経由して原稿搬送路229内に導く。第1面の画像を読み取られた原稿は、反転後の前端をレジストローラ225に当接させた状態で一旦停止する。
【0046】
次いで、ADF220は、所定のタイミングでレジストローラ225、搬送ローラ226及び排出ローラ227の回転を開始し(S39,S40)、第1面の画像が読み取られた原稿を第2原稿台211と原稿押え板226aとの間に導く。このとき、原稿の第2面が第2原稿台211に対向するため、第2原稿台211と原稿押え板226aとの間を通過する際に原稿の第2面の画像が読み取られる。両面の画像を読み取られた原稿は、搬送ローラ226の回転によって排出ローラ227に向けて搬送され、さらに、排出ローラ227の回転によって中間トレイ223上に導かれる。
【0047】
ADF220は、S40におけるレジストローラ225の回転開始から所定時間が経過し、原稿の後端が排出ローラ227を通過する前のタイミングで、排出ローラ227を含む全てのローラの回転を一旦停止させる(S41,S42)。この後、ADF220は、排出ローラ227を逆転させるとともに(S43)、レジストローラ225及び搬送ローラ226の回転を開始する(S44)。
【0048】
さらに、ADF220は、原稿センサ229aが原稿の後端の通過を検出した後、排出ローラ227を正転させるとともに、揺動板228を上側位置に移動させて排出トレイ222方向を開放する(S45〜S47)。これによって、両面の画像を読み取られた原稿は、排出トレイ222上に排出される。この後、ADF220は、原稿トレイ221上における原稿の有無を判別し(S48)、次の原稿がない場合には、原稿が排出トレイ222上に排出されるのを待って全てのローラの回転を停止して処理を終了する(S49)。次の原稿がある場合には、ADF220は、ピックアップローラ224の回転を開始してS32に戻る(S50)。
【0049】
このように、ADF220は、両面画像読取時に、第1面の画像を読み取るための第1面読取用搬送工程と第2面の画像を読み取るための第2面読取用搬送工程とに加えて、画像を読み取ることなく原稿を搬送する空搬送工程を行う。これによって、両面の画像が読み取られた複数枚の原稿は、原稿トレイ221上にセットされた順序のままで排出トレイ222上に積み重ねて排出される。
【0050】
以上のように、移動画像読取処理時には、ADF220の原稿搬送路229内を搬送される原稿から画像が読み取られるため、レジストローラ225の回転開始タイミング及び原稿の搬送速度に応じて主走査方向及び副走査方向の画像読取開始位置が変化し、原稿の搬送速度に応じて副走査方向の画像読取倍率が変化する。
【0051】
図7は、上記画像形成装置の制御部を含むブロック図である。画像形成装置100は、画像読取部200及び画像形成部300を統轄して制御する制御部400を備えている。制御部400は、CPU401、画像処理部402、不揮発性メモリ403及び画像メモリ404を含む。CPU401は、図示しないROMに予め書き込まれたプログラムに従って画像読取部200、ADF220及び画像形成部300を駆動制御する。不揮発性メモリ403は、EEPROM等によって構成され、画像補正作業時に算出された誤差情報等を記憶する。画像メモリ404は、SDRAM等によって構成され、画像データを格納する。
【0052】
画像処理部402は、例えば、ASICによって構成されている。画像処理部402には、画像読取部200内のCCD234から出力信号をA/D変換器239によりディジタルデータに変換した画像データが入力される。また、画像処理部402には、図示しない外部装置からプリントデータ又はファックスデータが画像データとして入力される。画像処理部402は、入力された画像データに対して、エッジ強調処理等の所定の画像処理を実行する。
【0053】
図2は、上記画像形成装置における画像位置及び画像倍率の補正作業(以下、画像補正作業という。)時に使用されるこの発明の補正用治具の平面図、底面図及び使用状態の側面図である。補正用治具1は、長尺状の本体10の一方の側面から用紙押え部2(2a,2b)及び基準部材3を突出させ、他方の側面からガイド部材13を突出させ、底面における長手方向の両端部に滑り止め部4を形成して構成されている。
【0054】
本体10は、少なくとも底面が平面によって構成されているとともに、2側面が互いに平行な平面によって構成されており、この例では、図2(C)に示すように、横断面が矩形を呈している。基準部材3及びガイド部材13は、透明又は半透明の素材によって平板状に形成され、本体10の長手方向の中央部から突出している。用紙押え部2a及び2bのそれぞれは、本体10の長手方向における2箇所から突出しており、図2(C)に示すように、原稿台210上に載置された原稿5を上方から押圧して原稿台210上における位置を固定する。滑り止め部4は、原稿台210の上面における補正用治具1の滑りを防止する。
【0055】
図2(A)に示すように、本体10の上面には、本体10の長さ方向における中心位置を示す指標7が表記されている。即ち、指標7から本体10の長手方向における一方(画像形成装置100の前面側)の端部(前側端部)10aまでの距離と、指標7から本体10の長手方向における他方(画像形成装置100の背面側)の端部(後側端部)10bまでの距離と、は等しい。指標7は本体10の長さ方向に直交する方向の直線によって構成されている。基準部材3の上面には、指標7に副走査方向に連続する指標8が表記されている。また、ガイド部材13の上面には、指標7に副走査方向に連続する指標14が表記されている。
【0056】
図2(B)に示すように、本体10の底面は、前側端部10aから後側端部10bに向って、第2黒色部11a、第1白色部11b、第1黒色部11c及び第2白色部11dに着色されている。第1白色部11bと第1黒色部11cとの境界は、本体10の長手方向について本体10及び基準部材3の上面における指標7及び8の表記位置に一致している。また、第1白色部11bと第2黒色部11aとの境界は前側の用紙押え部2aの前側面に略一致しており、第1黒色部11cと第2白色部11dとの境界は後側の用紙押え部2bの後面側に略一致している。これら第2黒色部11a、第1白色部11b、第1黒色部11c及び第2白色部11dは、基準画像33(この発明の第2の基準画像である。)として読み取られる。
【0057】
本体10の長さ方向について、第1黒色部11cの長さは第1白色部11bの長さに一致し、第2黒色部11aの長さは第2白色部11dの長さに一致している。一例として、本体10の長さ方向における第1黒色部11c及び第1白色部11bの長さはそれぞれ95mmにされている。また、本体10の幅は10mm、全長は250mmにされている。したがって、第2黒色部11a及び第2白色部11dの長さはそれぞれ30mmにされている。
【0058】
図2(C)に示すように、補正用治具1は、画像補正作業時に、その長さ方向が画像形成装置100の前後方向である主走査方向と平行となるように、画像形成装置100の第1原稿台210上に載置される。このとき、補正用治具1の指標7が、主走査方向について、第1原稿台210に備えられている原稿基準板13の中心線13′に一致する。
【0059】
なお、第1黒色部11cの長さと第1白色部11bの長さとを合せた長さ(この例では、190mm)を、画像補正作業時における主走査方向に関する基準長とする。また、第1黒色部11c及び第1白色部11bの幅である本体10の幅(この例では、10mm)を、画像補正作業時における副走査方向に関する基準長とする。
【0060】
画像補正作業時に、第1原稿台210に載置された原稿を補正用治具1の用紙押え部2によって押圧して第1原稿台210上の位置を固定する際には、図2(C)に示すように、原稿の端面5aと補正用治具1の本体10における原稿側の側面10cとの主走査方向における何れか一方の全面を他方に当接させる。また、原稿5の主走査方向の中心を、補正用治具1の中心線7に一致させる。
【0061】
図3は、上記画像形成装置における画像補正作業に使用される第1基準画像を示す図である。図3(A)は片面用第1基準画像を形成した用紙を示す図であり、図3(B)は両面用第1基準画像を形成した用紙を示す図である。また、図3(C)は、図3(A)に示す用紙を画像補正作業に使用する際の状態を示す図である。
【0062】
片面用第1基準画像31は、用紙41の一方の面に形成される。両面用第1基準画像32である表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bのそれぞれは、用紙42の両面のそれぞれに形成される。この例では、表面用第1基準画像32aと裏面用第1基準画像32bとは、用紙42の表裏面において互いに上下を反転して形成されている。これら第1基準画像31,32は、画像形成装置100の画像形成部300において用紙41,42に形成される。特に、両面用第1基準画像32は、画像形成部300の両面画像形成機能を用いて用紙42の両面に形成される。
【0063】
この実施形態においては、第1基準画像31,32を形成した用紙41,42の長手方向を、画像形成装置100の副走査方向(用紙搬送方向)に一致させて使用する。用紙41,42は、一例としてA4サイズであるが、これに限定されるものではない。第1基準画像31,32は、予め画像形成装置100の後述する不揮発性メモリに記憶されている。なお、第1基準画像31,32は、画像形成装置100に接続されるコンピュータ等の外部装置に記憶させておくこともできる。
【0064】
第1基準画像31,32は、用紙41,42の上下端部近傍に形成される2つの黒色の帯状画像311,312と、上側の帯状画像311の下方に近接して形成される黒色の三角形画像313と、を含む。帯状画像311,312のそれぞれは、一例として190mm×10mmの矩形を呈し、用紙41,42の短手方向の位置は互いに一致する。三角形画像313は、用紙41,42の短手方向において、帯状画像311,312の中心位置に上側の頂点の位置を一致させている。この頂点は、第1基準画像31が用紙41,42上の適正な画像位置に適正な画像倍率で形成された際に、用紙41,42の短手方向の中心に位置するように、予め記憶されている。なお、両面用第1基準画像32を構成する表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bのそれぞれには、上記帯状画像311,312及び三角形画像313に加えて、表裏面のそれぞれを表す「SIDE A」及び「SIDE B」の文字等が表記されている。
【0065】
用紙41,42を基準原稿として補正用治具1とともに第1原稿台210上に載置して画像形成装置100における画像補正作業に使用する際には、図3(C)に示すように、基準原稿である用紙41,42の上側の一部において長手方向に平行な両端部を合せるようにして短手方向について半分に折り、折り目(以下、折線という。)51を形成しておく。
【0066】
図4は、上記画像形成装置における画像補正作業時に基準原稿である用紙を原稿台上に固定した状態を示す平面図である。画像形成装置100における画像補正作業時には、補正用治具1を用いて基準原稿である用紙41を第1原稿台210上に固定して載置する。補正用治具1は、ガイド部材13の指標14が第1原稿台210の端部に配置されている載置位置表示板212の中心指標213に一致し、かつ、本体10の外側の側面10dの全面が載置位置表示板212の段部212aに当接した状態で、第1原稿台210上に載置される。
【0067】
片面用第1基準画像31を印刷した第1基準原稿としての用紙41は、第1原稿台210上に載置された補正用治具1の本体10における内側の側面10cに短手方向に平行な一方の端部の全面が当接するように、第1原稿台210の上面と補正用治具1の原稿押え部2の下面との間に挿入される。このとき、用紙41の折線51が補正用治具1の基準部材3に表記された指標8の下方に位置するように、短手方向の位置が決定される。この状態で、画像読取部200による画像読取作業を行うと、図5に示すように、第1の基準画像である基準画像31と第2の基準画像である基準画像33とを含む補正用画像が読み取られる。
【0068】
図8は、上記画像形成装置における画像補正作業時の処理手順の一例を示すフローチャートである。一例として、画像形成装置100の画像補正作業は、工場出荷時に各画像形成装置100に対して行われる。CPU401は、操作部において特定のキー操作がなされると、画像補正作業モードの処理を開始し、画像補正作業用の外部装置であるパーソナルコンピュータから第1基準画像31,32の画像データの入力を受ける(S1:基準画像情報入力工程)。CPU401は、入力された第1基準画像31,32の画像データを、画像処理部402で所定の画像処理を施した後に画像メモリ404に一旦格納し、現在設定されている画像形成タイミングで第1基準画像31又は32についての画像形成処理を実行する(S2:基準画像形成工程)。
【0069】
第1基準画像31,32の入力に際して、作業者は、画像補正作業用の外部装置において印刷処理用のアプリケーションソフトを起動し、画像補正作業の対象である画像形成装置100を指定して第1基準画像31,32の印刷処理を指示する。一般に、印刷処理用のアプリケーションソフトでは、印刷時に用紙上における画像の上下左右に形成すべき余白を設定できるようにされており、この余白の大きさは用紙上に画像形成される画像位置に影響を与える。
【0070】
しかし、S2における画像形成処理時には、第1基準画像31,32における三角画像313が主走査方向の中心に位置し、かつ、図5に示した距離L7が第2の基準値となるように画像メモリ404から第1基準画像31,32の画像データが画像形成部300のLSU313に供給される。したがって、作業者は、外部装置において余白の値を設定する必要がない。
【0071】
なお、CPU401は、S2の基準画像形成工程に先立って、用紙41を用いた片面原稿についての画像形成処理時の補正作業、又は、用紙42を用いた両面原稿についての画像形成処理時の補正作業の何れかの選択を受け付ける。CPU401は、この選択に応じてS2の基準画像形成工程で第1基準画像31又は第1基準画像32の何れか一方のみについての画像形成処理を実行する。
【0072】
第1基準画像31又は32についての画像形成処理が終了すると、CPU401は、作業者によるスタートキーの操作を待機する(S3)。作業者は、片面用第1基準画像31が形成された用紙(片面用基準原稿)41、又は、両面用第1基準画像32が形成された用紙(両面用基準原稿)42を補正用治具1を介して第1原稿台210上の所定の位置に載置して、図示しない操作部のスタートキーを操作する。
【0073】
スタートキーが操作されるとと、CPU401は、先ず、画像読取部200を動作させて第1原稿台210上に載置された補正用治具1及び用紙41又は用紙42について画像読取処理を実行し、第2基準画像33及び片面用第1基準画像31又は両面用第1基準画像32からなる第1補正用画像を読み取り、読み取った第1補正用画像を画像メモリ404に格納する(S4:第1補正用画像読取工程)。
【0074】
次に、CPU401は、CPU401は、再度、作業者によるスタートキーの操作を待機する(S5)。作業者は、片面用第1基準画像31が形成された用紙(片面用基準原稿)41、又は、両面用第1基準画像32が形成された用紙(両面用基準原稿)42をADF220の原稿トレイ221にセットして、図示しない操作部のスタートキーを操作する。
【0075】
スタートキーが操作されると、CPU401は、画像読取部200及びADF220を動作させて第2原稿台上を搬送される用紙41又は42について画像読取処理を実行し、片面用第1基準画像31又は両面用第1基準画像32からなる第2補正用画像を読取、読み取った第2補正用画像を画像メモリ404に格納する(S6:第2補正用画像読取工程)。
【0076】
この後、CPU401は、画像メモリ404に格納した第1補正用画像における特定の距離を測定し、測定した距離に基づいて原稿固定方式の画像読取処理における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差、並びに、画像形成処理における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する(S7,S8:固定原稿読取部誤差測定工程及び画像形成部誤差測定工程)。さらに、CPU401は、画像メモリ404に格納した第2補正用画像における特定の距離を測定し、測定した距離、並びに、画像形成処理における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差に基づいて原稿移動方式の画像読取処理における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する(S9:移動画像読取部誤差測定工程)。
【0077】
誤差を適正に算出できた場合には、CPU401は、測定した誤差に基づいて固定画像読取部が読み取った画像情報を補正するための補正情報、及び、画像形成部に供給すべき画像情報を補正するための補正情報を作成し(S10→S11〜S13:固定画像読取部補正情報作成工程、画像形成部補正情報作成工程及び移動画像読取部補正情報作成工程)、作成した補正情報を不揮発性メモリ403に格納する(S14)。
【0078】
第1原稿台における補正用治具1又は用紙41の載置状態が適正でない場合、算出した誤差が調整可能な範囲を超えている場合、ADF220の動作が正常でない場合、その他の不都合により、誤差を適正に算出できなかった場合には、CPU401は、画像補正作業に失敗した旨を、操作部又は外部装置において表示し(S10→S15)、画像補正作業を終了する。
【0079】
なお、上記S6の第2補正用画像読取工程及びS9のADF誤差測定工程をS13の移動画像読取部補正情報作成工程の前に行うこともできる。
【0080】
また、ADF220が両面画像読取機能を備えていない場合、又は、両面原稿についての画像形成処理時の補正を行わない場合には、両面用第1基準画像32についての画像形成を行う必要はなく、作業者は、第2補正用画像読取工程に先立って片面用第1基準画像を形成した用紙41をADF220の原稿トレイ221にセットすればよい。この場合、第2補正用画像は、片面用第1基準画像31によって構成される。
【0081】
以下に、上記画像補正作業のS6〜S9における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差、並びに、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の算出処理ついて説明する。
【0082】
画像形成装置100において、ADF220により第2原稿台211上に搬送される原稿から読み取った原稿画像について画像形成部300で用紙上に画像形成を行った場合、ADF220における原稿搬送時に生じた誤差と、画像読取部200における画像読取処理時に生じた誤差と、画像形成部300における画像形成処理時に生じた誤差と、が重ね合わさって、出力画像と原稿画像との画像位置及び画像倍率の誤差を生じる。
【0083】
一方、予め画像形成装置100に記憶されている第1基準画像31又は32について画像形成部300で用紙41又は42上に画像形成を行い、この用紙41又は42を基準原稿として画像読取部200で第2補正用画像を読み取った場合、第2補正用画像と基準画像31又は32との画像位置及び画像倍率の誤差は、画像形成処理時に生じる誤差と、ADF220における原稿搬送時に生じた誤差と、画像読取処理時に生じる誤差と、を重ね合わせたものである。
【0084】
したがって、ADF220により搬送された原稿から画像読取部200が読み取った原稿画像について画像形成部300で用紙上に画像形成を行った場合に生じる用紙上の出力画像と原稿画像との画像位置及び画像倍率の誤差は、予め記憶されている第1基準画像31又は32について画像形成部300で用紙41又は42上に画像形成を行った後に用紙41又は42をADF220により第2原稿台211に搬送して画像読取部200で読み取った場合に生じる第2補正用画像と基準画像31又は32との画像位置及び画像倍率の誤差に等しい。
【0085】
そこで、この発明の画像補正方法では、予め記憶されている第1基準画像31又は32について画像形成部300で用紙41又は42上に画像形成を行った後、先ず、第1原稿台210において用紙41又は42の第1基準画像31を補正用治具1の基準画像33とともに画像読取部200で読み取った結果に基づいて、固定画像読取部における誤差と画像形成部300における誤差とを個別に測定する。次に、第2原稿台211において用紙41又は42の第1基準画像31又は32を画像読取部200で読み取った結果及び画像形成部300における誤差に基づいて、移動画像読取部における誤差を測定する。
【0086】
測定したそれぞれの誤差を、画像読取部200、画像形成部300及びADF220のそれぞれにおいて補正することにより、画像形成装置100における画像形成処理時に適正な位置に適正な倍率で画像を形成できるようにする。
【0087】
なお、実施例1は片面用第1基準画像31を形成した用紙41を用いて誤差を測定する例であり、実施例2は両面用第1基準画像32を形成した用紙42を用いて誤差を測定する例である。
【0088】
(実施例1)
<誤差の測定>
A.固定画像読取部における誤差の測定
第1原稿台210、第1ミラーベース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234からなる固定画像読取部における誤差の測定に先立って、図4又は図15に示すように基準画像31が形成された用紙41又は基準画像32が形成された用紙42を補正用治具1を介して原稿台210における所定の位置に固定的に載置した状態で、固定画像読取部による原稿固定方式の画像読取処理が行われる。この原稿固定方式の画像読取処理により、一例として、図5に示すように読み取られた第1補正用画像を用いて、固定画像読取部における誤差の測定が行われる。この第1補正用画像には、用紙41の基準画像31とともに補正用治具1の基準画像33が含まれる。
【0089】
(1)副走査方向の読取開始位置の誤差
図4に示す状態で原稿台210上に載置された補正用治具1及び用紙41に対して画像読取処理を実行することにより、図5に示す基準画像33と基準画像31とを含む第1補正用画像を読み取る。読み取った第1補正用画像において、まず、原稿固定方式の画像読取処理時におけるホームポジションで第1ミラーベース231を検出するHPセンサの出力信号が変化したタイミングに対応するHPセンサ変化ラインから補正用冶具1の終端ラインZまでの距離L1を測定する。この距離L1は、補正用冶具1の第1黒色部11c又は第2黒色部11dの画像を用いて測定する。つまり、画像データが補正用冶具1の黒色部から原稿の白色領域に変化したタイミングに基づいて距離L1を測定する。距離L1は、画素数によって表される。
【0090】
次に、検出した補正用冶具1の終端ラインZから補正用冶具1の幅L2(この例では10mm)を差し引いた位置を副走査方向の読取開始位置Yとする。この読取開始位置Yは、実際の画像読取処理時における原稿先端位置として不揮発性メモリ403に格納される。
【0091】
(2)主走査方向の画像読取倍率の誤差
図5に示す補正用画像において、第1白色部11bの長さと第1黒色部11cの長さとの合計長L3を測定し、読み取った合計長L3の基準画像31における帯状画像311の長に対する割合を固定画像読取部における主走査方向の画像読取倍率の誤差として算出する。固定画像読取部における主走査方向の画像読取倍率の誤差は、画像読取部200における画像読取処理時にのみ反映させ、画像形成部300における画像形成処理時には反映させない。この合計長L3も、画素数によって表されれる。
【0092】
なお、補正用冶具1における第1白色部11bと第1黒色部11cとの合計の長さは、基準画像31における帯状画像311の長手方向の長さと同じに設定されている。
【0093】
また、主走査方向の読取倍率の誤差は、具体的には下記式1によって算出される。
【0094】
(主走査方向の読取倍率誤差)=(合計長L3の読取画素数)÷(基準画像31における帯状画像311の長手方向の画素数) ・・・式1
たとえば、主走査方向の入力解像度及び出力解像度が600dpiの場合、基準画像31における帯状画像311の長手方向の画素数は、帯状画像311の長手方向の長さが190mmであることから、
190÷25.4×600=4488(pixel)
となる。合計長L3の読取画素数が4500画素であった場合、主走査方向の読取倍率の誤差A1は、上記式1より、
A1=4500÷4488×100=100.27(%)
となり、固定画像読取部では、0.27%拡大気味に画像が読み取られることになる。
【0095】
この主走査方向の読取倍率誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0096】
(3)主走査方向の読取開始位置の誤差
図5に示す第1補正用画像において、補正用治具1の中心線7′を抽出し、主走査方向の読取開始位置Jから中心線7′までの距離L4を測定する。次に、測定した距離L4を設計上の中心位置と比較し、中心位置の誤差(図6に示す誤差L4′)を算出する。中心位置の誤差は、具体的には下記式2によって算出される。
【0097】
(中心位置の誤差)=(距離L4の画素数)―(中心画素位置) ・・・式2
なお、例えば、画像読取部200におけるCCD234の主走査方向の読取領域の画素数が5300である場合、原稿に対して正確に中心部分を読み取ったときには、距離L4の設計上の画素数は、
5300÷2=2650(pixel)
である。基準画像33から測定した距離L4の画素数がP2であった場合、読取開始位置の誤差A2は、上記主走査方向の画像読取倍率の誤差を考慮すると、
A2=2650−(P2×A1÷100)
となる。
【0098】
算出した中心位置の誤差L4′は、主走査方向の読取開始位置の誤差(図6に示す誤差L5)として画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0099】
B.画像形成部300における誤差の測定
画像形成部300における誤差の測定は、画像読取部200における誤差の測定時に求めた各値を適宜参照して行われる。
【0100】
(1)主走査方向の画像形成開始位置の誤差
図5に示す第1補正用画像において、主走査方向の読取開始位置Jから帯状画像311の端部311a,311bのうち読取開始位置Jに近い方の端部311aまでの距離L6を測定する。距離L6は、読取画素数で表され、ここでは画素数Sとする。
【0101】
ここで、既に画像読取部300における主走査方向の読取開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数Sから差し引いた結果(画素数)を第1の基準値と比較する。第1の基準値とは、設計上設定されている主走査方向の読取開始位置Jと基準画像31における帯状画像311の端部311aとの距離に対応した画素数である。主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的には下記式3によって算出される。
【0102】
(主走査方向の画像形成開始位置の誤差)=(画素数S)―(主走査方向の読取開始位置の誤差)−(第1の基準値) ・・・式3
たとえば、主走査方向の入力解像度及び出力解像度が600dpi、CCD234の読取画素数Sが5300である場合、設計上の距離L6は、
(5300−190÷25.4×600)÷2=406(pixel)
となる。距離L6の読取画素数をP3とすると、主走査方向の画像形成開始位置の誤差A3は、上記誤差A1及びA2を考慮して、
A3=406−{(P3−A2)×A1÷100}(pixel)
となる。
【0103】
算出した主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0104】
(2)副走査方向の画像形成開始位置の誤差
図5に示す補正用画像において、画像位置補正用冶具1の終端ラインZから帯状画像311の長手方向に平行な辺であって補正用治具1側の辺の位置までの距離L7を測定する。距離L7は、読取画素数で表され、ここでは画素数Tとする。
【0105】
ここで、既に画像読取部200における副走査方向の読取開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数Tから差し引いた結果(画素数)を第2の基準値と比較する。第2の基準値とは、設計上設定されている副走査方向の読取開始位置Yと予め記憶されている基準画像31における帯状画像311の補正用治具1側の位置Kとの間の距離に対応した画素値である。副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的に下記式4によって算出される。
【0106】
(副走査方向の画像形成開始位置の誤差)=(画素数T)―(副走査方向の読取開始位置の誤差)−(第2の基準値) ・・・式4
算出した副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0107】
(3)主走査方向の画像形成倍率の誤差
図5に示す第1補正用画像において、主走査方向の帯状画像311の長さL8を測定する。距離L8は、読取画素数で表され、ここでは画素数Uとする。測定した距離L8を、第3の基準値と比較する。第3の基準値とは、予め記憶されている基準画像31における帯状画像の長さに対応した画素数である。画像形成部300における主走査方向の画像形成倍率の誤差は、具体的には、画像読取部200における主走査方向の画像読取倍率の誤差を考慮して、下記式5によって算出される。
【0108】
(主走査方向の画像形成倍率の誤差)=(画素数U)÷(第3の基準値)÷(主走査方向の画像読取倍率の誤差) ・・・式5
算出した主走査方向の画像形成倍率の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリに格納される。
【0109】
(4)副走査方向の画像形成倍率の誤差
図5に示す第1補正用画像において、2つの帯状画像311,312の間の距離L9を測定する。距離L9は、読取画素数で表され、ここでは画素数Vとする。測定した距離9を、第4の基準値と比較する。第4の基準値とは、予め記憶されている基準画像31における2つの帯状画像311,312の間の距離に対応した画素数である。画像形成部300における副走査方向の画像形成倍率の誤差は、具体的には、下記式6によって算出される。
【0110】
算出した主走査方向の画像形成倍率の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0111】
C.移動画像読取部における誤差の測定
第2原稿台211及びADF220からなる移動画像読取部における誤差の測定は、基準画像31が形成された用紙41をADF220の原稿トレイ221にセットして画像読取部200による画像読取処理を行い、一例として、図14に示すように読み取られた第2補正用画像を用いる。このため、ADF220の原稿トレイ221上には、画像形成面を上向きにし、かつ、画像311、画像312、画像313がこの順に読み取られるように用紙41をセットする。第2補正用画像には、用紙41の基準画像31のみが含まれる。また、ADF220における誤差の測定は、画像形成部300における誤差の測定時に求めた各値を適宜参照して行われる。ADF220を介して第2原稿台211で読み取られる用紙41の画像には、画像形成時に画像形成部300における誤差が含まれているからである。
【0112】
(1)主走査方向の読取開始位置の誤差
図14に示す第2補正用画像において、主走査方向の読取開始位置Jから帯状画像311の端部311a,311bのうち読取開始位置Jに近い方の端部311aまでの距離L6を測定する。距離L6は、読取画素数で表され、ここでは画素数S′とする。
【0113】
ここで、既に画像形成部300における主走査方向の画像形成開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数S′から差し引いた結果(画素数)を第1の基準値と比較する。第1の基準値とは、設計上設定されている主走査方向の読取開始位置Jと基準画像31における帯状画像311の端部311aとの距離に対応した画素数である。主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的には下記式3′によって算出される。
【0114】
(主走査方向の読取開始位置の誤差)=(画素数S′)―(主走査方向の画像形成開始位置の誤差)−(第1の基準値) ・・・式3′
算出した主走査方向の読取開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0115】
なお、画像形成部300における主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像読取部200における主走査方向の画像読取開始位置の誤差を考慮して測定されたものである。したがって、ここで測定された主走査方向の読取開始位置の誤差は、画像読取部200における固定画像読取部の取付誤差等の影響を除く、主にADF220の原稿搬送動作において生じた誤差である。
【0116】
(2)副走査方向の読取開始位置の誤差
図14に示す補正用画像において、第2補正用画像の前端から帯状画像311の長手方向に平行な辺であって補正用治具1側の辺の位置までの距離L7を測定する。距離L7は、読取画素数で表され、ここでは画素数T′とする。
【0117】
ここで、既に画像形成部300における副走査方向の画像形成開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数T′から差し引いた結果(画素数)を第2の基準値と比較する。第2の基準値とは、設計上設定されている副走査方向の読取開始位置Yと予め記憶されている基準画像31における帯状画像311の補正用治具1側の位置との間の距離に対応した画素値である。副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的には下記式4′によって算出される。
【0118】
(副走査方向の読取開始位置の誤差)=(画素数T′)―(副走査方向の画像形成開始位置の誤差)−(第2の基準値) ・・・式4′
算出した副走査方向の読取開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0119】
なお、画像形成部300における副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像読取部200における副走査方向の画像読取開始位置の誤差を考慮して測定されたものである。したがって、ここで測定された副走査方向の読取開始位置の誤差は、画像読取部200における固定画像読取部の取付誤差等の影響を除く、主に、ADF220の原稿搬送動作において生じた誤差である。
【0120】
(3)副走査方向の画像読取倍率の誤差
図14に示す第2補正用画像において、2つの帯状画像311,312の間の距離L9を測定する。距離L9は、読取画素数で表され、ここでは画素数V′とする。測定した距離9を、第4の基準値と比較する。第4の基準値とは、予め記憶されている基準画像31における2つの帯状画像311,312の間の距離に対応した画素数である。画像形成部300における副走査方向の画像形成倍率の誤差は、具体的には、下記式6′によって算出される。
【0121】
算出した主走査方向の画像形成倍率の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0122】
なお、ADF220による搬送中の原稿から画像を読み取る原稿移動方式の画像読取時には、画像読取部200の第1ミラーベース231及び第2ミラーベース232は動作を停止している。したがって、移動画像読取部における走査方向の画像形成倍率の誤差は、専らADF220の原稿搬送速度の誤差によるものである。
【0123】
(4)主走査方向の画像読取倍率の誤差
ADF220によって搬送された原稿から第2原稿台211において読み取られた画像に生じる主走査方向の画像読取倍率の誤差は、上記A(2)で測定した固定画像読取部における主走査方向の画像読取倍率の誤差に等しいため、移動画像読取部における誤差として測定する必要はない。
【0124】
<誤差の補正>
以上の誤差の測定結果に基づいて、画像形成装置100におけるADF220を用いたスキャナモード及びコピーモードのそれぞれの処理時に、画像読取部200及び画像形成部300において画像位置及び画像倍率が補正される。以下に、各モードの処理時における画像読取部及び画像形成部の画像補正作業について説明する。
【0125】
但し、移動画像読取部における主走査方向及び副走査方向の画像読取開始位置の誤差並びに副走査方向の読取倍率誤差については、ADF220における原稿センサ229aのオン/オフタイミングの制御、レジストローラ225の回転開始タイミングの制御、及び、ローラ224〜227の回転速度の制御によって予め補正される。したがって、原稿移動方式の画像読取処理で読み取られた原稿画像のそれぞれに対して、移動画像読取部の誤差を補正を行う必要はない。
【0126】
但し、移動画像読取部における誤差と固定画像読取部における誤差との関係が明らかな場合には、ADF220を介して読み取った原稿画像を画像メモリ404に格納する際、又は、画像メモリ404から画像形成部300に供給する際に、移動画像読取部における誤差と固定画像読取部における誤差とを合わせて補正することもできる。
【0127】
A.スキャナモードにおける画像読取処理時の誤差の補正
画像形成装置100をスキャナとして用い、画像読取部200で読み取った画像データをパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力するスキャナモード時には、画像読取部200において以下の画像補正作業が行われる。
【0128】
(1)画像読取位置の補正作業
スキャナモード時には、画像読取部200で読み取られた画像データを、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、主走査方向の読取開始位置の誤差及び副走査方向の読取開始位置の誤差だけ補正して出力する。
【0129】
なお、補正後の画像データとともに主走査方向及び副走査方向の読取開始位置の誤差を表す画素数データを出力することもできる。
【0130】
(2)画像読取倍率の補正作業
スキャナモード時には、画像読取部200で読み取られた画像データを、主走査方向について、主走査方向の画像読取倍率の誤差の逆数を掛け合わせた大きさに補正して出力する。画像読取倍率の補正は、画像メモリ内において拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0131】
なお、補正後の画像データとともに主走査方向の画像読取倍率の誤差を表すデータを出力することもできる。
【0132】
B.コピーモードにおける画像読取処理時及び画像形成処理時の誤差の補正
画像形成装置100を複写機として用い、画像読取部200で読み取った画像データについて画像形成部300で用紙上に画像形成を行うコピーモード時には、画像読取部200及び画像形成部300において以下の画像位置の補正作業が行われる。
【0133】
(1)画像位置の補正作業
コピーモード時には、原稿読取部200で読み取った画像データを、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、主走査方向の読取開始位置の誤差と画像形成開始位置の誤差とを加えた量、及び、副走査方向の読取開始位置の誤差と画像形成開始位置の誤差とを加えた量を補正して用紙上に形成する。主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、読取開始位置の誤差と画像形成開始位置の誤差とを加えた量を、予め画像形成装置100のメモリに記憶しておくこともできる。
【0134】
(2)画像倍率の補正作業
コピーモード時には、原稿読取部200で読み取った画像データを、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、主走査方向の画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを補正する倍率、及び、副走査方向の画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを補正する倍率で拡大又は縮小して用紙上に形成する。主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを補正する倍率を、予め画像形成装置100のメモリに記憶しておくこともできる。
【0135】
なお、主走査方向と副走査方向のそれぞれの画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを掛け合わせた倍率を本装置のメモリに記憶し、この倍率を用いて画像倍率を補正することもできる。画像の拡大又は縮小は、画像メモリ内で画像データを拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0136】
画像補正作業時には、CPU401は、画像読取部200において、補正用画像についての画像読取処理を実行し、CCD234が受光量に応じて出力した電気信号がA/D変換器239によってディジタル化されて画像データとして画像処理部402に入力される。画像処理部402は入力された画像データに対して所定の画像処理を施して画像メモリ404に格納する。この後、CPU401は、画像メモリ404から必要な部分の画像データを読み出し、誤差を測定及び算出する。CPU401は、測定及び算出した誤差情報を、不揮発性メモリ403に保存する。
【0137】
通常のコピーモードの画像形成処理時には、CPU401は、不揮発性メモリ403から誤差情報を読み出し、読み出した誤差情報を画像処理部402及び画像形成部300に供給する。画像形成部300は、供給された誤差情報に基づいて調整したタイミングでADF220の動作を開始し、適正なタイミングで原稿が原稿台211に対向するように原稿を搬送する。
【0138】
画像処理部402は、供給された誤差情報に基づいて画像読取部200から入力された画像データに対する画像処理を実行し、画像処理後の画像データを画像メモリ404を経由して画像形成部300の露光ユニット313に出力する。露光ユニット313は、入力された画像データによって変調した画像光を、誤差情報に基づくタイミングで、感光体ドラム311に照射する。また、画像形成部300は、供給された誤差情報に基づいて調整したタイミングで用紙を感光体ドラム311と転写器315との間に導く。
【0139】
図9は、上記画像形成装置に備えられる露光ユニットの一例を示す図である。露光ユニット313は、一例として画像データによって変調されたレーザ光によって感光体ドラム311を露光するレーザスキャンユニット(LSU)である。LSU313は、半導体レーザ3112から照射されたレーザ光を、コリメータレンズ3113、シリンドリカルレンズ3116、ポリゴンミラー3120、f−θレンズ3123及び折り返しミラー3124等を介して感光体ドラム311の表面に結像させる。
【0140】
コリメータレンズ3113は、半導体レーザ2から照射された拡散光であるレーザ光を平行光に変換する。シリンドリカルレンズ3116は、ポリゴンミラー3120の反射面の面倒れによって生じる感光体ドラム311上における照射位置の誤差の補正を容易にすべく、レーザ光を副走査方向に集光させる。ポリゴンミラー3120は、矢印方向に一定速度で回転し、各反射面において反射したレーザ光によって感光体ドラム311の表面を主走査方向に露光走査する。f−θレンズ3123は、ポリゴンミラー3120の回転に伴って等角速度で主走査方向に移動するレーザ光を、感光体ドラム311の表面において等速度で移動するように偏向して結像させるとともに、ポリゴンミラー3120の反射面の面倒れによる感光体ドラム311上における照射位置を補正する。これによって、レーザ光は感光体ドラム311の表面に静電潜像を形成するために感光体ドラム311の表面を主走査方向に走査する画像光としての走査光にされる。
【0141】
また、LSU313では、主走査方向の露光タイミングを制御するため、f−θレンズ3123を通過したレーザ光の走査範囲内における画像形成領域外にミラー3126を配置し、レーザ光をBDセンサ3127に配光する。LSU313の制御部は、BDセンサ3127によるレーザ光の検出タイミングに基づいて、各走査ラインの画像書込タイミングを同期させる。
【0142】
即ち、BDセンサ3127がレーザ光を検出した時点から所定時間が経過したタイミングで画像データによるレーザ光の変調を開始する。この所定時間は、レーザ光がBDセンサ3127によって検出された後、感光体ドラム311上における画像の書込開始位置を露光するまでに要する時間である。したがって、この所定時間を増減することにより、感光体ドラム311を介して用紙上に形成される画像の主走査方向の位置が変化する。また、用紙の搬送開始から画像データによるレーザ光の変調を開始するまでの時間を調整することにより、感光体ドラム311を介して用紙上に形成される画像の副走査方向の位置が変化する。
【0143】
(実施例2)
上述のように、実施例2では、表裏面のそれぞれに両面用第1基準画像32を形成した用紙42を用いて両面画像読取時のADF220の誤差を測定する。図3(B)に示すように、両面用第1基準画像32は、「SIDE B」の文字が表記された表面用第1基準画像32a、及び、「SIDE A」の文字が表記された裏面用第1基準画像32bからなる。
【0144】
なお、ADF220における両面画像読取時には、原稿の表面からの画像読取時と原稿の裏面からの画像読取時とで、搬送方向の前後端が反転され、画像の読取方向が反転する。つまり、原稿の裏面画像は原稿の表面画像に対して上下方向を反転した状態で読み取られる。但し、図3(B)に示したように、用紙42の表裏面には表面用第1基準画像32aと裏面用第1基準画像32bとが上下方向を反転した状態で形成されるため、結果的に表面用第1基準画像32aと裏面用第1基準画像32bとは上下方向が一致した状態で読み取られる。
【0145】
<誤差の測定>
A.固定画像読取部における誤差の測定
固定画像読取部における誤差の測定にあたっては、第1基準画像32が形成された用紙42を、図15(A)に示すように裏面用第1基準画像32bを上向きにして、又は、図15(B)に示すように表面用第1基準画像32aを上向きにして、補正用治具1を介して第1原稿台210における所定の位置に固定的に載置した状態で、固定画像読取部による第1補正用画像の読取処理を行う。用紙42には、主走査方向である短手方向の長さを2分する折り線52を形成しておく。
【0146】
このようにして読み取った表面用第1基準画像32aと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像、又は、裏面用第1基準画像32bと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像の何れかを用いて、実施例1におけるAの処理と同様にして、固定画像読取部における誤差の測定を行う。
【0147】
なお、用紙42を、図15(A)に示すように裏面用第1基準画像32bを上向きにした状態と、図15(B)に示すように表面用第1基準画像32aを上向きにした状態と、の両方について画像読取処理を行い、表面用の第1補正用画像と裏面用の第1補正用画像とを読み取っておき、画像形成部300における表面画像形成時の誤差と裏面画像形成時の誤差との両方を測定するようにしてもよい。画像形成部300における表面画像形成時の誤差と裏面画像形成時の誤差とに差がある場合、後述する移動画像形成部(ADF220)における表面画像読取時の誤差の測定結果と裏面画像読取時の誤差の測定結果とに影響を与える可能性がある。ただし、この例では、画像形成部300における表面画像形成時の誤差と裏面画像形成時の誤差とが同一であるとして移動画像読取部の誤差の測定を行っている。
【0148】
B.画像形成部300における誤差の測定
上記の第1印字面画像32aと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像、又は、第2印字面画像32bと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像の何れかを用いて、実施例1におけるBの処理と同様にして、画像形成部300における誤差の測定を行う。
【0149】
C.移動画像読取部における誤差の測定
移動画像形成部における誤差の測定は、表裏面に両面用第1基準画像32が形成された用紙42をADF220の原稿トレイ221にセットして画像読取部200による両面画像読取処理を行い、読み取られた第2補正用画像を用いる。このとき、ADF220の原稿トレイ221上には、表面用第1基準画像32aが形成された第1印字面を上向きにし、かつ、画像311、画像312、画像313がこの順に読み取られるように用紙42をセットする。ADF220は、用紙42の表裏面が順次第2原稿台211に対向するように用紙42を反転しつつ2回連続して搬送する。用紙42に形成された表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bが、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として、この順に読み取られる。
【0150】
この後、表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bのそれぞれについて、実施例1におけるCの処理と同様の処理により、主走査方向の読取開始位置の誤差、副走査方向の読取開始位置の誤差、及び、副走査方向の画像読取倍率の誤差が測定される。測定された誤差は、表面画像読取時及び裏面画像読取時のぞれぞれにおける誤差として画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0151】
<誤差の補正>
以上の誤差の測定結果に基づいて、画像形成装置100におけるADF220を用いた両面原稿についてのスキャナモード及びコピーモードのそれぞれの処理時に、実施例1と同様の処理により、画像読取部200及び画像形成部300において画像位置及び画像倍率が補正される。
【0152】
但し、移動画像読取部における主走査方向及び副走査方向の画像読取開始位置の誤差並びに副走査方向の読取倍率誤差については、原稿センサ229aのオン/オフタイミングの制御、レジストローラ225の回転開始タイミングの制御、及び、ローラ224〜227の回転速度の制御によって予め補正される。なお、原稿の表面画像の読取時には表面用第1基準画像32aについて測定された誤差を用いて補正が行われ、原稿の裏面画像の読取時には裏面用第1基準画像32bについて測定された誤差を用いて補正が行われる。
【0153】
(実施例3)
上記実施例1及び2の画像補正作業では、固定画像読取部における副走査方向の画像読取倍率の誤差を算出していない。このため、画像形成部300における副走査方向の画像形成倍率の誤差の補正においても、固定画像読取部における副走査方向の画像読取倍率の誤差を考慮していない(式5及び式6参照。)。これに対して、実施例3の画像補正作業では、固定画像読取部における副走査方向の画像読取倍率の誤差をも補正する。なお、補正用治具1と補正用原稿とを原稿台210上に載置して補正用治具1の画像及び基準画像31を補正用画像として読み取る作業は、実施例1と同様である。
【0154】
また、以下においては、実施例1に加えて行なう処理のみを説明する。つまり、実施例2の画像補正作業では、実施例1の画像補正作業における処理に加えて、以下の処理が行われる。ただし、副走査方向の画像形成倍率の誤差の補正処理に限って、以下に説明する方法に置き換える。
【0155】
<誤差の測定>
A.固定画像読取部における誤差の測定
固定画像読取部の誤差の測定は、補正用治具1の裏面から読み取った画像を用いて行なう。
【0156】
読み取った補正用画像の画像データにおいて、補正用治具1の幅を測定し、測定した幅を、画像メモリ404に格納されている基準画像31における矩形画像311の副走査方向の幅と比較し、両者の誤差を副走査方向の画像読取倍率の誤差として算出する。算出した副走査方向の画像読取倍率の誤差は、画像読取処理時のみに反映させ、画像形成処理時には反映させない。補正用治具1の幅は、補正用画像における画素数として測定される。
【0157】
副走査方向の画像読取倍率の誤差は、補正用治具1の幅が、基準画像31における矩形画像311の短手方向の幅と同じに設定されていることから、
(副走査方向の画像読取倍率の誤差)=(補正用治具1の幅方向の読取画素数)÷(基準画像31における矩形画像311の短手方向の画素数) ・・・式7
によって算出される。算出された副走査方向の画像読取倍率の誤差は、不揮発性メモリ403に保存される。
【0158】
B.画像形成部300における誤差の測定
(1)副走査方向の画像形成倍率の誤差
画像読取部200が読み取った補正用画像の画像データにおいて、実施例1と同様に、副走査方向における2つの矩形画像311及び312の距離L9の画素数を測定する。測定した距離L9を第4の基準値と比較する。第4の基準値は、画像メモリ404に格納されている基準画像31における2つの矩形画像311及び312の間隔である。この測定結果から、副走査方向の画像形成倍率の誤差は、
によって算出される。
【0159】
<誤差の補正>
A.スキャナモードにおける画像読取処理時の誤差の補正
画像形成装置100をスキャナとして用い、画像読取部200で読み取った画像データをパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力するスキャナモード時には、画像読取部200で読み取られた画像データを、副走査方向について、副走査方向の画像読取倍率の誤差の逆数を掛け合わせた大きさに補正する。画像読取倍率の補正は、画像メモリ内において拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0160】
なお、補正後の画像データとともに副走査方向の画像読取倍率の誤差を表すデータを出力することもできる。
【0161】
B.プリンタモードにおける画像形成処理時の誤差の補正
画像形成装置100をプリンタとして用い、パーソナルコンピュータ等の外部装置から入力された画像データについて画像形成部300で用紙上に画像形成を行うプリンタモード時には、外部装置から入力された画像データを、副走査方向について、副走査方向の画像形成倍率の誤差の逆数で拡縮した大きさで用紙上に形成する。画像の拡縮は、画像メモリ内で画像データを拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0162】
C.コピーモードにおける画像読取処理時及び画像形成処理時の誤差の補正
画像形成装置100を複写機として用い、画像読取部200で読み取った画像データについて画像形成部300で用紙上に画像形成を行うコピーモード時には、原稿読取部200で読み取った画像データを、副走査方向について、副走査方向の画像読取倍率の誤差(倍率)と副走査方向の画像形成倍率の誤差(倍率)とを掛け合わせた倍率の逆数(補正用倍率)で拡縮した大きさで用紙上に画像形成する。
【0163】
なお、等倍率以外の複写倍率が設定されている場合には、補正用倍率に複写倍率を掛けた倍率によって電子ズーム処理によって拡縮した画像を用紙上に形成する。また、副走査方向の画像読取倍率の誤差と副走査方向の画像形成倍率の誤差とを掛け合わせた倍率を副走査方向の画像倍率の誤差として不揮発メモリ403に保存しておくこともできる。
【0164】
(実施例4)
上記実施例3とは異なる副走査方向の画像読取倍率の誤差の補正方法について以下に説明する。
【0165】
(1)直線形状の補正用治具1に代えて、図10に示すように裏面が着色されたL字型形状を呈する補正用治具1′を用いる。補正用治具1′の裏面には、補正用治具1と同様の第2黒色部11a、第1白色部11b、第1黒色部11c及び第2白色部11dに加えて、基準画像31の2本の矩形画像311及び312に相当する2つの黒色部11e及び11fを形成する。この補正用治具1′を画像形成装置100において基準画像31を形成した用紙とともに原稿台210上に載置して補正用画像を読み取る。この補正用画像には、用紙41の基準画像31とともに補正用治具1′の基準画像34が含まれる。
【0166】
(2)基準画像31を形成した用紙に代えて、画像を何ら形成していないA4サイズ等の定型サイズの用紙を補正用治具1又は補正用治具1′とともに原稿台210上に載置し、読み取った補正用画像において用紙の互いに平行な2側端部間の距離を測定する。この測定結果をA4サイズの用紙における幅及び長さと比較して、画像読取倍率の誤差を求めることもできる。
【0167】
この場合には、基準画像を用いることなく画像読取倍率の調整を簡単に行うことができる。しかし、誤差の測定結果に用紙サイズの誤差の影響を受ける可能性がある。
【0168】
(3)原稿台210の周囲の下面側を補正用治具1又は1′の裏面と同様に着色することにより、補正用治具1又は1′を省略することもできる。
【0169】
(実施例5)
実施例1〜3では原稿台210における主走査方向の中央を基準として原稿を載置するようにした画像形成装置100を前提としているが、主走査方向の一端側を基準とした画像形成装置100にもこの発明を適用できる。
【0170】
(実施例6)
上記の実施例で記載した基準画像31〜34の構成については、上記の実施例に限るものでない。また、基準画像31〜34の色も、上記の実施例では黒と白とで構成したが、境界を判別可能であれば、他の色を用いても良い。さらに、基準画像であることを識別するマーク(例えば、バーコードなど)を、別途、各基準画像31〜34に付加してもよい。加えて、基準画像のサイズが分かるように、そのデータを識別可能に基準画像に付加してもよく、基準画像の一部に使用方法に関する記載を付加することもできる。
【0171】
(実施例7)
以下、誤差に対する他の補正方法について説明する。
【0172】
(1)主走査方向及び副走査方向における読取開始位置誤差の補正方法
主走査方向及び副走査方向の読取開始位置誤差(補正量)は、画素数で示す以外に、時間(読取開始タイミング)又は距離で示すことができる。また、補正後の開始画素が画像メモリ上の何画素目であるかを示すこともできる。補正方法としては、画像メモリ上の画像データの位置をシフトする。
【0173】
(2)主走査方向及び副走査方向における読取倍率誤差の補正方法
▲1▼読み取った画像データを倍率の補正を行うことなく画像メモリに格納しておき、画像データの出力時に画像メモリにおける画像データの記憶領域を読取倍率誤差のない状態に変換することにより倍率補正を行う。
【0174】
▲2▼読み取った画像データを補正倍率で変換した状態で画像メモリに格納し、画像データの出力時には画像メモリ内の画像データをそのまま出力する。
【0175】
(3)主走査方向のおける画像形成開始位置の誤差の補正方法
▲1▼画像メモリへの画像データの格納時、及び、画像メモリからの画像データの出力時には誤差を補正せず、レーザプリンタ等の画像形成装置における画像形成開始タイミングを補正する。
【0176】
▲2▼画像メモリへの画像データの格納時には補正せず、画像メモリからの出力時に画像データの位置をシフトする。
【0177】
▲3▼画像メモリへの格納時に画像データを正しい位置にシフトしておき、画像データの出力時には画像メモリ内の画像データをそのまま出力する。
【0178】
(4)副走査方向における画像形成開始位置の誤差の補正方法
主走査方向における画像形成開始位置の誤差の補正方法に加えて、用紙搬送タイミングを変える方法も用いることができる。
【0179】
(5)主走査方向における画像形成倍率の誤差の補正方法
▲1▼画像メモリからの出力時に、画像データの位置を変換する。
【0180】
▲2▼画像データを正しい位置に変換して画像メモリに格納しておき、画像データの出力時に画像メモリ内の画像データをそのまま出力する。
【0181】
(8)副走査方向における画像形成倍率の誤差の補正方法
主走査方向における画像形成開始位置の誤差の補正方法に加えて、用紙搬送速度を変える方法も用いることができる。
【0182】
(実施例8)
実施例1では、第1の基準画像31,32をパーソナルコンピュータ外部装置に基準画像を保存しておき、画像補正作業時に画像形成装置に接続された外部装置から基準画像を送信することとしたが、この他に、以下の方法を採ることができる。
【0183】
(1)画像形成装置内の不揮発性メモリに保存しておき、画像補正作業時に内部の不揮発性メモリから基準画像を読み出す(基準画像情報読出工程)。これによって、サービスマンによるメンテナンス時にも、この発明を実施できる。
【0184】
(2)FD、CD等の外部の記録可能な記録媒体に保存しておき、画像補正作業時に記録媒体から基準画像を読み取る(基準画像情報読取工程)。
【0185】
【発明の効果】
以上のようにして、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0186】
(1)各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差及び移動画像形成部における誤差の全てを測定することができ、正確な画像位置及び画像倍率の補正作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0187】
(2)画像形成部において用紙の表裏面のそれぞれに形成された表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を、移動画像形成部において表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取り、画像形成部における誤差と表面用第2補正用画像内の表面用第1基準画像及び裏面用第2補正用画像内の裏面用第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の表面画像読取時及び裏面画像読取時の誤差を測定することにより、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差、移動画像形成部における表面画像読取時の誤差、及び、移動画像形成部における裏面画像読取時の誤差の全てを測定できる。
【0188】
(3)固定画像読取部が読み取った第1補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果を、固定画像読取部の誤差を除いた後に、移動画像読取部が読み取った第2補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果から除くことにより、画像形成部で第1基準画像が形成された用紙を第2原稿台を経由して搬送する間に読み取った第1基準画像に生じている誤差から、固定画像読取部及び画像形成部で生じた誤差の影響を除くことができ、移動画像読取部のみで生じた誤差を正確に測定できる。
【0189】
(4)移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて作成された移動画像読取部の補正情報を内部のメモリに保存することにより、通常の画像読取作業時に、誤差の測定及び補正情報の作成を繰り返す必要がなく、読み取った画像情報が内部のメモリに保存されている補正情報を用いて正確に補正できる。
【0190】
(5)移動画像読取部において生じる誤差を補正する情報として、第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び、第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報を作成することにより、移動画像読取部の原稿搬送動作に係る制御内容の変更によって移動画像読取部で生じた誤差のみを補正できる。このため、原稿移動方式の画像読取処理時に固定画像読取部の一部を使用する場合であっても、移動画像読取部の誤差を固定画像読取部の誤差とは区別して正確に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る画像位置補正方法が適用される画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】上記画像形成装置における画像補正作業時に使用されるこの発明の補正用治具の平面図、底面図及び使用状態の側面図である。
【図3】上記画像形成装置における画像補正作業に使用される第1の基準画像を示す図である。
【図4】上記画像形成装置における画像補正作業時に片面用の基準原稿である用紙を原稿台上に固定した状態を示す平面図である。
【図5】上記画像形成装置における画像補正作業時に第1原稿台から読み取られる第1補正用画像を示す図である。
【図6】同補正用画像における要部の測定位置を示す図である。
【図7】上記画像形成装置の制御部を含むブロック図である。
【図8】上記画像形成装置における画像補正作業時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】上記画像形成装置に備えられる露光ユニットの一例を示す図である。
【図10】上記画像形成装置における画像補正作業時に使用されるこの発明の別の実施形態に係る補正用治具の底面図である。
【図11】上記画像形成装置に用いられるADFの構成を示す図である。
【図12】片面原稿についての移動画像読取処理時のADFにおける動作を説明するフローチャートである。
【図13】両面原稿についての移動画像読取処理時のADFにおける動作を説明するフローチャートである。
【図14】上記画像形成装置における画像補正作業時に第2原稿台から読み取られる第2補正用画像を示す図である。
【図15】上記画像形成装置における画像補正作業時に両面用の基準原稿である用紙を原稿台上に固定した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1−補正用治具
31,32−第1基準画像
33,34−第2基準画像
41,42−用紙
100−画像形成装置
200−画像読取部
210−第1原稿台
211−第2原稿台
220−ADF
300−画像形成部
400−制御部
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置における画像位置及び画像倍率の誤差を補正する画像補正方法、及び、この方法が適用される画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の画像形成部における画像形成時の画像位置の誤差を補正するため、画像形成装置内のメモリに保存されている基準画像についての画像形成処理と作業者による補正値の入力作業とを繰り返す手法が知られている。この手法では、作業者が、基準画像についての画像形成処理によって画像形成装置が画像形成を行って出力した出力画像と基準画像とを目視により比較して画像位置の誤差を測定し、測定した誤差の補正に適当であると思われる補正値を画像形成装置に入力した後、基準画像についての画像形成処理を画像形成装置に行わせる作業を、誤差が許容範囲内に収まるまで繰り返す。このため、作業者が誤差の測定結果を勘案して補正値を決定しなければならないだけでなく、誤差が許容範囲内に収まるまで基準画像についての画像形成処理を繰り返す必要があり、資源の浪費や作業時間の長時間化を招く。
【0003】
そこで、従来の画像形成装置として、原稿画像についての出力画像の画像位置と原稿画像の画像位置との差を検出し、レーザ露光装置における画像の書き出し位置を調整するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。なお、書き出し位置は、画像形成装置に記憶される。
【0004】
また、画像読取部が読取原稿から読み取った基準画像について画像形成部で画像形成した出力画像を基準画像と比較する場合、読取原稿である基準画像に対する出力画像の画像位置及び画像倍率の誤差は、詳細には、画像読取部における画像読取時に生じる画像読取位置及び画像読取倍率の誤差と、画像形成部における画像形成時に生じる画像形成位置及び画像形成倍率の誤差と、の両方により生じる。つまり、画像形成装置の画像形成部における誤差と、画像形成装置の画像読取部における誤差と、が重ね合わされて全体としての画像位置及び画像倍率の誤差をなしている。
【0005】
そこで、従来の他の画像形成装置として、画像読取部において所定の基準画像を読み取って画像読取倍率の補正値を算出した後、画像形成部において基準画像についての画像形成を行って出力画像を作成し、その出力画像を画像読取部において読み取らせて画像形成倍率の補正値を算出するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。この画像形成装置は、画像形成装置における画像形成部の誤差と画像読取部の誤差とを個別に算出する。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−186994号公報
【特許文献2】
特開平08−265560号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された画像形成装置では、画像読取部における画像読取位置の誤差と、画像形成部における画像形成位置の誤差と、を分離していないため、画像形成部と画像読取部との何れか一方を使用しない場合には、画像位置及び画像倍率の誤差を正確に補正することができない問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2に記載された画像形成装置では、画像形成部と画像読取部との何れか一方を使用しない場合でも、画像位置及び画像倍率の誤差を正確に補正することができるが、画像読取部において基準画像と出力画像との両方を読み取る必要があり、画像位置及び画像倍率の補正作業が煩雑になる問題がある。
【0009】
さらに、画像読取部の光学系を原稿が載置された原稿台に対向して走査させて画像を読み取る原稿固定方式の画像読取と、画像読取部の光学系を搬送移動中の原稿に原稿台を挟んで対向する位置に配置して画像を読み取る原稿移動方式の画像読取と、を選択的に行うことができるようにした画像形成装置がある。このような画像形成装置では、原稿固定方式の画像読取時に画像読取部に生じる誤差と原稿移動方式の画像読取時に画像読取部に生じる誤差とを別々に補正する必要がある。したがって、原稿固定方式の画像読取処理と原稿移動方式の画像読取処理とを選択的に実行する画像形成装置では、画像位置及び画像倍率の補正作業の煩雑化がさらに大きな問題となる。
【0010】
この発明の目的は、各1度の原稿固定方式の画像読取処理、原稿移動方式の画像読取処理及び画像形成処理を行うだけで、原稿固定方式の画像読取処理時及び原稿移動方式の画像読取処理時のそれぞれでの画像読取部における画像読取位置及び画像読取倍率の誤差と、画像形成部における画像形成位置及び画像形成倍率の誤差と、を個別に補正することができ、正確な画像位置及び画像倍率の補正作業を簡単かつ迅速に行うことができる画像位置補正方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えたものである。
【0012】
(1)画像形成部において、画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像を用紙上に形成する基準画像形成工程と、
固定画像読取部において、前記第1基準画像が形成された後に第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の画像を、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を前記第1原稿台上の適正な位置に配置した第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る第1補正用画像読取工程と、
移動画像読取部において、前記第1基準画像が形成された後に第2原稿台を経由して搬送される用紙の画像を、第2補正用画像として読み取る第2補正用画像読取工程と、
制御部において、前記第1補正用画像内の第2基準画像に基づいて前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する固定画像読取部誤差測定工程と、
制御部において、前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差と前記第1補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する画像形成部誤差測定工程と、
制御部において、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する移動画像読取部誤差測定工程と、
を含むことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、画像形成部において用紙に形成された画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像が、固定画像読取部において画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を第1原稿台上の適正な位置に配置した第2の基準画像とともに第1補正用画像として読み取られ、かつ、移動画像形成部において第2補正用画像として読み取られる。第1補正用画像内の第2の基準画像に基づいて固定画像読取部における誤差が測定され、固定画像読取部における誤差と第1補正用画像内の第1の基準画像とに基づいて画像形成部における誤差が測定され、画像形成部における誤差と第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差及び移動画像形成部における誤差の全てが測定される。
【0014】
(2)前記基準画像形成工程は、用紙の表裏面のそれぞれに表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を形成する工程であり、
前記第1補正用画像読取工程は、前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の表裏面の少なくとも一方の画像を、第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る工程であり、
前記第2補正用画像読取工程は、前記第2原稿台を経由して表裏面を反転して搬送される用紙の表裏面のそれぞれの画像を、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取る工程であり、
前記移動画像読取部誤差測定工程は、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記表面用第2補正用画像における表面用第1基準画像及び前記裏面用第2補正用画像における裏面用第1基準画像に基づいて前記移動画像読取部における表面画像読取時及び裏面画像読取時の画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する工程であることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、画像形成部において用紙の表裏面のそれぞれに形成された表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像が、移動画像形成部において表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取られる。画像形成部における誤差と表面用第2補正用画像内の表面用第1基準画像及び裏面用第2補正用画像内の裏面用第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の表面画像読取時及び裏面画像読取時の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差、移動画像形成部における表面画像読取時の誤差、及び、移動画像形成部における裏面画像読取時の誤差の全てが測定される。
【0016】
(3)前記画像形成部誤差測定工程は、前記第1補正用画像読取工程で固定画像読取部が読み取った第1基準画像を内部のメモリに記憶している第1基準画像情報と比較した結果から、前記固定画像読取部誤差測定工程で測定した固定画像読取部の誤差を除く工程であり、
前記移動画像読取部誤差測定工程は、前記第2補正用画像読取工程で移動画像読取部が読み取った第1基準画像を内部のメモリに記憶している第1基準画像情報と比較した結果から、前記画像形成部誤差測定工程で測定した画像形成部の誤差を除く工程であることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、固定画像読取部が読み取った第1補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果が、固定画像読取部の誤差を除かれた後に、移動画像読取部が読み取った第2補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果から除かれる。したがって、画像形成部で第1基準画像が形成された用紙を第2原稿台を経由して搬送する間に読み取った第1基準画像に生じている誤差から、固定画像読取部及び画像形成部で生じた誤差の影響が除かれ、移動画像読取部のみで生じた誤差が測定される。
【0018】
(4)少なくとも前記移動画像読取部誤差測定工程の後に、前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて移動画像読取部が読み取った画像情報を補正するための補正情報を作成して内部のメモリに保存する移動画像読取部補正情報作成工程を含むことを特徴とする。
【0019】
この構成においては、移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて作成された移動画像読取部の補正情報が内部のメモリに保存される。したがって、通常の画像読取作業時に、誤差の測定及び補正情報の作成を繰り返す必要がなく、読み取った画像情報が内部のメモリに保存されている補正情報を用いて正確に補正される。
【0020】
(5)前記移動画像読取部補正情報作成工程は、前記第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び、前記第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報を作成する工程であることを特徴とする。
【0021】
この構成においては、移動画像読取部において生じる誤差を補正する情報として、第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び、第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報が作成される。したがって、移動画像読取部の原稿搬送動作に係る制御内容の変更によって移動画像読取部で生じた誤差が補正される。
【0022】
(6)第1原稿台上に載置された原稿の画像情報を読み取る固定画像読取部と、第2原稿台を経由して搬送される原稿の画像情報を読み取る移動画像読取部と、画像情報に基づく出力画像を用紙上に形成する画像形成部と、固定画像読取部、移動画像読取部及び画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記画像形成部は、画像補正作業時に、画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像の画像情報に基づく画像を用紙上に形成し、
前記固定画像読取部は、画像補正作業時に、前記第1基準画像の画像情報に基づく画像が形成された後に前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の画像を、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を前記第1原稿台上の適正な位置に配置した第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取り、
前記移動画像読取部は、画像補正作業時に、前記第1基準画像の画像情報に基づく画像が形成された後に前記第2原稿台を経由して搬送される用紙の画像を第2補正用画像として読み取り、
前記制御部は、画像補正作業時に、前記第1補正用画像内の第2基準画像に基づいて前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する固定画像読取部誤差測定処理、前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定結果と前記第1補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する画像形成部誤差測定処理、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定結果と前記第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する移動画像読取部誤差測定処理、前記固定画像読取部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて固定画像読取部において生じる誤差を補正するための固定画像読取部補正情報を作成して内部メモリに格納する固定画像読取部補正情報作成処理、前記画像形成部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて画像形成部において生じる誤差を補正するための画像形成部補正情報を作成して内部メモリに格納する画像形成部補正情報作成処理、及び、前記移動画像読取部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて移動画像読取部において生じる誤差を補正するための移動画像読取部補正情報を作成して内部メモリに格納する移動画像読取部補正情報作成処理を実行することを特徴とする。
【0023】
この構成においては、画像形成部において用紙に形成された画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像が、固定画像読取部において画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を第1原稿台上の適正な位置に配置した第2の基準画像とともに第1補正用画像として読み取られ、かつ、移動画像形成部において第2補正用画像として読み取られる。第1補正用画像内の第2の基準画像に基づいて固定画像読取部における誤差が測定され、固定画像読取部における誤差と第1補正用画像内の第1の基準画像とに基づいて画像形成部における誤差が測定され、画像形成部における誤差と第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差及び移動画像形成部における誤差の全てが測定される。
【0024】
また、移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて作成された移動画像読取部の補正情報が内部のメモリに保存される。したがって、通常の画像読取作業時に、誤差の測定及び補正情報の作成を繰り返す必要がなく、読み取った画像情報が内部のメモリに保存されている補正情報を用いて正確に補正される。
【0025】
(7)前記移動画像読取部は、原稿の表裏面のそれぞれを第2原稿台を経由して順次搬送する両面画像読取機能を備え、
前記基準画像形成処理は、用紙の表裏面のそれぞれに表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を形成する処理であり、
前記第1補正用画像読取処理は、前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の表裏面の少なくとも一方の画像を、第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る処理であり、
前記第2補正用画像読取工程は、前記第2原稿台を経由して表裏面を反転して搬送される用紙の表裏面のそれぞれの画像を、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取る処理であり、
前記移動画像読取部誤差測定処理は、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記表面用第2補正用画像における表面用第1基準画像及び前記裏面用第2補正用画像における裏面用第1基準画像に基づいて前記移動画像読取部における表面画像読取時及び裏面画像読取時の画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する処理であることを特徴とする。
【0026】
この構成においては、画像形成部において用紙の表裏面のそれぞれに形成された表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像が、移動画像形成部において表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取られる。画像形成部における誤差と表面用第2補正用画像内の表面用第1基準画像及び裏面用第2補正用画像内の裏面用第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の表面画像読取時及び裏面画像読取時の誤差が測定される。したがって、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差、移動画像形成部における表面画像読取時の誤差、及び、移動画像形成部における裏面画像読取時の誤差の全てが測定される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係る画像位置補正方法が適用される画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置100は、上部の画像読取部200と下部の画像形成部300とに大別される。画像読取部200は、透明ガラス体の第1原稿台210及び第2原稿台211を備え、これら原稿台210及び211の上方に自動原稿送り装置(以下、ADFという。)220が装着されている。原稿台210及び211は、ADF220によって上面を開閉自在に被覆されている。
【0028】
ADF220は、片面読取モードの処理又は両面読取モードの処理を選択的に実行する。ADF220は、片面読取モードの処理時に原稿トレイ221に載置された単一又は複数枚の原稿を1枚ずつ原稿台211を経由して排紙トレイ222に導く。ADF220は、両面読取モードの処理時に原稿トレイ221に載置された単一又は複数枚の原稿を1枚ずつ原稿台211を経由して中間トレイ223に導き、中間トレイ223において原稿搬送方向の前後を反転することにより表裏面を反転した原稿を再度原稿台211を経由して排紙トレイ222に導く。
【0029】
画像読取部200において原稿台210及び211の下方には、第1ミラーベース231、第2ミラーベース232、レンズ233及び光電変換素子(以下、CCDという。)234が備えられている。第1ミラーベース231は、ランプユニット235及び第1ミラー236を搭載し、原稿台210及び211の下方において水平方向に往復移動自在にされている。第2ミラーベース232は、第2ミラー237及び第3ミラー238を搭載し、原稿台210及び211の下方において水平方向に往復移動自在にされている。
【0030】
ミラー236〜238は、ランプユニット235の光の原稿画像面における反射光をレンズ233に配光する。レンズ233は、ミラー236〜238を介して配光された反射光をCCD234の受光面に結像させる。CCD234は、受光面における受光量に応じた電気信号を出力する。
【0031】
第1原稿台210上に載置された原稿の画像を読み取る原稿固定方式の画像読取時には、図示しない操作部に配置されているスタートキーが操作されると、ランプユニット235の光により原稿台210上の原稿の画像面を照射しつつ第1ミラーベース231が所定速度で矢印A方向に移動するとともに、第2ミラーベース232が第1ミラーベース231の1/2の速度で矢印A方向に移動する。これによって、ランプユニット231の光の原稿画像面における反射光が、第1原稿台210上に載置された原稿の画像面の全面について光路長を変化させることなく、ミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234に受光される。したがって、第1原稿台210、第1ミラーペース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234を用いて原稿固定方式の画像読取処理が行われる。これら、第1原稿台210、第1ミラーペース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234によって固定画像読取部が構成される。
【0032】
ADF220の原稿トレイ221上にセットされた原稿の画像を読み取る原稿移動方式の画像読取時には、操作部のスタートキーが操作されると、第1ミラーベース231が第2原稿台211に対向する位置に移動する。また、第2ミラーベース232は、第2原稿台211の上面を通過する原稿の画像面からミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234の受光面に至る光路長が原稿固定方式の画像読取時の光路長と等しくなる位置に移動する。これによって、ランプユニット231の光の原稿画像面における反射光が、第2原稿台211上を通過する原稿の画像面の全面について光路長を変化させることなく、ミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234に受光される。したがって、ADF220、第2原稿台211、第1ミラーペース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234を用いて原稿移動方式の画像読取処理が行われる。これらのうち、ADF220及び第2原稿台211によって移動画像読取部が構成される。
【0033】
画像形成部300は、矢印C方向に回転自在に支持された感光体ドラム311の周囲に、帯電器312、現像器314、転写器315及びクリーナ316等を感光体ドラム311の回転方向に沿ってこの順に備えている。また、感光体ドラム311の回転方向の帯電器312の下流側における現像器314との間で感光体ドラム311の表面を画像光によって露光する露光ユニット313を備えている。
【0034】
露光ユニット313には、画像読取部200のCCD234から出力された電気信号が、ディジタルデータに変換された後、所定の画像処理を施されて画像データとして供給される。また、露光ユニット313には、外部装置から画像形成装置100に入力された画像データが、ビットマップデータに展開された後、所定の画像処理を施されて画像データとして供給される。
【0035】
画像形成部300の最下部には、給紙カセット321が着脱自在に装着されている。給紙カセット321は、所定枚数の用紙を収容している。給紙カセット321内に収容された用紙は、給紙ローラ322の回転によって1枚ずつ給紙される。画像形成部300には、給紙カセット321から感光体ドラム311と転写器315との間を経由して排紙トレイ327に至る用紙搬送路323が形成されている。この用紙搬送路323内には、レジストローラ329、給紙ローラ322及び排紙ローラ328を含む複数のローラとともに、定着装置317が配置されている。また、画像形成部300には、用紙搬送路323における定着装置317の下流側を給紙ローラ322とレジストローラ329との間に連結する反転搬送路324が形成されている。
【0036】
画像形成部300における画像形成処理時には、画像データに基づいて以下の帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程を含む電子写真方式の画像形成プロセスが行われる。即ち、矢印C方向に回転する感光体ドラム311の表面に対して、帯電器312によって単一極性の電荷が均一に付与された後(帯電工程)、露光ユニット313から画像データによって変調された画像光が露光される(露光工程)。これによって、感光体ドラム311の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム311の表面の静電潜像は、現像器314から供給されるトナーによってトナー像に顕像化される(現像工程)。
【0037】
給紙カセット321から給紙された用紙は、その前端部が感光体ドラム311の表面に形成されたトナー像の前端に対向するタイミングで、レジストローラ329によって感光体ドラム311と転写器315との間に導かれる。感光体ドラム311の表面のトナー像は、転写器315によって用紙上に転写された後(転写工程)、定着装置317によって加熱及び加圧されて用紙上に堅牢に定着する(定着工程)。
【0038】
なお、転写工程を終了した感光体ドラム311の表面は、クリーナ316によって紙粉を含む残留トナーを除去された後、上記の画像形成プロセスに繰り返し使用される。
【0039】
図11は、上記画像形成装置に用いられるADFの構成を示す図である。また、図12及び図13は、移動画像読取処理時における動作を説明するフローチャートである。ADF220には、原稿トレイ221から第2原稿台211と原稿押え板226aとの間を経由して中間トレイ223及び排出トレイ222に至る間に、ピックアップローラ224、レジストローラ225、搬送ローラ226、排出ローラ227及び揺動板228等を備えた原稿搬送路229が形成されている。
【0040】
ADF220の動作による移動画像読取処理(原稿移動方式の画像読取処理)時には、光源235及びミラー236が第2原稿台211の下面に対向する位置に移動している。レジストローラ225及び搬送ローラ226によって原稿搬送路229における第2原稿台211と原稿押え板226aとの間を通過する原稿は、光源235からの光の照射を受け、その反射光がミラー236〜238及びレンズ233を経由してCCD234に受光されることにより、画像を読み取られる。排出ローラ227の外部に設けられた揺動板228は、排出ローラ227によって排出された原稿を中間トレイ223又は排出トレイ222の何れかに選択的に導く。
【0041】
ADF220は、原稿の片面のみの画像を読み取る片面読取処理時には、図12に示すように、揺動板228を図11中実線で示す上側位置に位置させて排出トレイ222方向を開放した状態で(S21,S22)、ピックアップローラ224の回転を開始する(S23)。これによって、原稿トレイ221上に載置された原稿が、ピックアップローラ224と捌き板224aとによって1枚ずつ原稿搬送路229に送り出される。送り出された原稿は、原稿搬送路229内を移動し、回転していないレジストローラ225に前端を当接させた状態で一旦停止する。
【0042】
ADF220は、所定のタイミングでレジストローラ225、搬送ローラ226及び排出ローラ227の回転を開始し(S24,S25)、原稿搬送路229内で停止していた原稿の前端部は原稿読取開始時に第2原稿台211の上面に対向する。第2原稿台211の上面を通過した原稿は、搬送ローラ226の回転によって、排出ローラ227に向けて搬送される。第2原稿台211の上面に対向する位置で片面の画像を読み取られた原稿は、排出ローラ227の回転によって排出トレイ222上に排出される。ADF220は、原稿移動方式の片面読取処理時に、原稿トレイ221に載置された原稿の全てについてS21〜S26の処理を繰り返し実行し(S26→S21)、原稿トレイ221上に次の原稿がなくなると全てのローラの回転を停止して処理を終了する(S27)。
【0043】
一方、原稿の両面の画像を読み取る両面読取処理時には、ADF220は、図13に示すように、先ずピックアップローラ224の回転を開始し(S31)、原稿トレイ221上に載置された原稿のうちで最上部に位置する原稿を原稿搬送路229内に送り出してレジストローラ225に前端を当接させた状態で一旦停止させる。この後、ADF220は、揺動板228を図11中破線で示す下側位置に位置させて中間トレイ223方向を開放する(S32,S33)。
【0044】
ADF220は、所定のタイミングでレジストローラ225、搬送ローラ226及び排出ローラ227の回転を開始し(S34,S35)、原稿搬送路229内で停止していた原稿の前端部は原稿読取開始時に第2原稿台211の上面に対向する。第2原稿台211の上面に対向する位置で第1面の画像を読み取られた原稿は、搬送ローラ226の回転によって、排出ローラ227に向けて搬送され、さらに、排出ローラ227の回転によって中間トレイ223上に導かれる。
【0045】
ADF220は、S35におけるレジストローラ225の回転開始から所定時間が経過し、原稿の後端が排出ローラ227を通過する前のタイミングで、排出ローラ227を含む全てのローラの回転を一旦停止する(S36,S37)。この後、ADF220は、排出ローラ227の回転方向を逆転させ(S38)、前後端を反転させた状態の原稿を副原稿搬送路230内を経由して原稿搬送路229内に導く。第1面の画像を読み取られた原稿は、反転後の前端をレジストローラ225に当接させた状態で一旦停止する。
【0046】
次いで、ADF220は、所定のタイミングでレジストローラ225、搬送ローラ226及び排出ローラ227の回転を開始し(S39,S40)、第1面の画像が読み取られた原稿を第2原稿台211と原稿押え板226aとの間に導く。このとき、原稿の第2面が第2原稿台211に対向するため、第2原稿台211と原稿押え板226aとの間を通過する際に原稿の第2面の画像が読み取られる。両面の画像を読み取られた原稿は、搬送ローラ226の回転によって排出ローラ227に向けて搬送され、さらに、排出ローラ227の回転によって中間トレイ223上に導かれる。
【0047】
ADF220は、S40におけるレジストローラ225の回転開始から所定時間が経過し、原稿の後端が排出ローラ227を通過する前のタイミングで、排出ローラ227を含む全てのローラの回転を一旦停止させる(S41,S42)。この後、ADF220は、排出ローラ227を逆転させるとともに(S43)、レジストローラ225及び搬送ローラ226の回転を開始する(S44)。
【0048】
さらに、ADF220は、原稿センサ229aが原稿の後端の通過を検出した後、排出ローラ227を正転させるとともに、揺動板228を上側位置に移動させて排出トレイ222方向を開放する(S45〜S47)。これによって、両面の画像を読み取られた原稿は、排出トレイ222上に排出される。この後、ADF220は、原稿トレイ221上における原稿の有無を判別し(S48)、次の原稿がない場合には、原稿が排出トレイ222上に排出されるのを待って全てのローラの回転を停止して処理を終了する(S49)。次の原稿がある場合には、ADF220は、ピックアップローラ224の回転を開始してS32に戻る(S50)。
【0049】
このように、ADF220は、両面画像読取時に、第1面の画像を読み取るための第1面読取用搬送工程と第2面の画像を読み取るための第2面読取用搬送工程とに加えて、画像を読み取ることなく原稿を搬送する空搬送工程を行う。これによって、両面の画像が読み取られた複数枚の原稿は、原稿トレイ221上にセットされた順序のままで排出トレイ222上に積み重ねて排出される。
【0050】
以上のように、移動画像読取処理時には、ADF220の原稿搬送路229内を搬送される原稿から画像が読み取られるため、レジストローラ225の回転開始タイミング及び原稿の搬送速度に応じて主走査方向及び副走査方向の画像読取開始位置が変化し、原稿の搬送速度に応じて副走査方向の画像読取倍率が変化する。
【0051】
図7は、上記画像形成装置の制御部を含むブロック図である。画像形成装置100は、画像読取部200及び画像形成部300を統轄して制御する制御部400を備えている。制御部400は、CPU401、画像処理部402、不揮発性メモリ403及び画像メモリ404を含む。CPU401は、図示しないROMに予め書き込まれたプログラムに従って画像読取部200、ADF220及び画像形成部300を駆動制御する。不揮発性メモリ403は、EEPROM等によって構成され、画像補正作業時に算出された誤差情報等を記憶する。画像メモリ404は、SDRAM等によって構成され、画像データを格納する。
【0052】
画像処理部402は、例えば、ASICによって構成されている。画像処理部402には、画像読取部200内のCCD234から出力信号をA/D変換器239によりディジタルデータに変換した画像データが入力される。また、画像処理部402には、図示しない外部装置からプリントデータ又はファックスデータが画像データとして入力される。画像処理部402は、入力された画像データに対して、エッジ強調処理等の所定の画像処理を実行する。
【0053】
図2は、上記画像形成装置における画像位置及び画像倍率の補正作業(以下、画像補正作業という。)時に使用されるこの発明の補正用治具の平面図、底面図及び使用状態の側面図である。補正用治具1は、長尺状の本体10の一方の側面から用紙押え部2(2a,2b)及び基準部材3を突出させ、他方の側面からガイド部材13を突出させ、底面における長手方向の両端部に滑り止め部4を形成して構成されている。
【0054】
本体10は、少なくとも底面が平面によって構成されているとともに、2側面が互いに平行な平面によって構成されており、この例では、図2(C)に示すように、横断面が矩形を呈している。基準部材3及びガイド部材13は、透明又は半透明の素材によって平板状に形成され、本体10の長手方向の中央部から突出している。用紙押え部2a及び2bのそれぞれは、本体10の長手方向における2箇所から突出しており、図2(C)に示すように、原稿台210上に載置された原稿5を上方から押圧して原稿台210上における位置を固定する。滑り止め部4は、原稿台210の上面における補正用治具1の滑りを防止する。
【0055】
図2(A)に示すように、本体10の上面には、本体10の長さ方向における中心位置を示す指標7が表記されている。即ち、指標7から本体10の長手方向における一方(画像形成装置100の前面側)の端部(前側端部)10aまでの距離と、指標7から本体10の長手方向における他方(画像形成装置100の背面側)の端部(後側端部)10bまでの距離と、は等しい。指標7は本体10の長さ方向に直交する方向の直線によって構成されている。基準部材3の上面には、指標7に副走査方向に連続する指標8が表記されている。また、ガイド部材13の上面には、指標7に副走査方向に連続する指標14が表記されている。
【0056】
図2(B)に示すように、本体10の底面は、前側端部10aから後側端部10bに向って、第2黒色部11a、第1白色部11b、第1黒色部11c及び第2白色部11dに着色されている。第1白色部11bと第1黒色部11cとの境界は、本体10の長手方向について本体10及び基準部材3の上面における指標7及び8の表記位置に一致している。また、第1白色部11bと第2黒色部11aとの境界は前側の用紙押え部2aの前側面に略一致しており、第1黒色部11cと第2白色部11dとの境界は後側の用紙押え部2bの後面側に略一致している。これら第2黒色部11a、第1白色部11b、第1黒色部11c及び第2白色部11dは、基準画像33(この発明の第2の基準画像である。)として読み取られる。
【0057】
本体10の長さ方向について、第1黒色部11cの長さは第1白色部11bの長さに一致し、第2黒色部11aの長さは第2白色部11dの長さに一致している。一例として、本体10の長さ方向における第1黒色部11c及び第1白色部11bの長さはそれぞれ95mmにされている。また、本体10の幅は10mm、全長は250mmにされている。したがって、第2黒色部11a及び第2白色部11dの長さはそれぞれ30mmにされている。
【0058】
図2(C)に示すように、補正用治具1は、画像補正作業時に、その長さ方向が画像形成装置100の前後方向である主走査方向と平行となるように、画像形成装置100の第1原稿台210上に載置される。このとき、補正用治具1の指標7が、主走査方向について、第1原稿台210に備えられている原稿基準板13の中心線13′に一致する。
【0059】
なお、第1黒色部11cの長さと第1白色部11bの長さとを合せた長さ(この例では、190mm)を、画像補正作業時における主走査方向に関する基準長とする。また、第1黒色部11c及び第1白色部11bの幅である本体10の幅(この例では、10mm)を、画像補正作業時における副走査方向に関する基準長とする。
【0060】
画像補正作業時に、第1原稿台210に載置された原稿を補正用治具1の用紙押え部2によって押圧して第1原稿台210上の位置を固定する際には、図2(C)に示すように、原稿の端面5aと補正用治具1の本体10における原稿側の側面10cとの主走査方向における何れか一方の全面を他方に当接させる。また、原稿5の主走査方向の中心を、補正用治具1の中心線7に一致させる。
【0061】
図3は、上記画像形成装置における画像補正作業に使用される第1基準画像を示す図である。図3(A)は片面用第1基準画像を形成した用紙を示す図であり、図3(B)は両面用第1基準画像を形成した用紙を示す図である。また、図3(C)は、図3(A)に示す用紙を画像補正作業に使用する際の状態を示す図である。
【0062】
片面用第1基準画像31は、用紙41の一方の面に形成される。両面用第1基準画像32である表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bのそれぞれは、用紙42の両面のそれぞれに形成される。この例では、表面用第1基準画像32aと裏面用第1基準画像32bとは、用紙42の表裏面において互いに上下を反転して形成されている。これら第1基準画像31,32は、画像形成装置100の画像形成部300において用紙41,42に形成される。特に、両面用第1基準画像32は、画像形成部300の両面画像形成機能を用いて用紙42の両面に形成される。
【0063】
この実施形態においては、第1基準画像31,32を形成した用紙41,42の長手方向を、画像形成装置100の副走査方向(用紙搬送方向)に一致させて使用する。用紙41,42は、一例としてA4サイズであるが、これに限定されるものではない。第1基準画像31,32は、予め画像形成装置100の後述する不揮発性メモリに記憶されている。なお、第1基準画像31,32は、画像形成装置100に接続されるコンピュータ等の外部装置に記憶させておくこともできる。
【0064】
第1基準画像31,32は、用紙41,42の上下端部近傍に形成される2つの黒色の帯状画像311,312と、上側の帯状画像311の下方に近接して形成される黒色の三角形画像313と、を含む。帯状画像311,312のそれぞれは、一例として190mm×10mmの矩形を呈し、用紙41,42の短手方向の位置は互いに一致する。三角形画像313は、用紙41,42の短手方向において、帯状画像311,312の中心位置に上側の頂点の位置を一致させている。この頂点は、第1基準画像31が用紙41,42上の適正な画像位置に適正な画像倍率で形成された際に、用紙41,42の短手方向の中心に位置するように、予め記憶されている。なお、両面用第1基準画像32を構成する表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bのそれぞれには、上記帯状画像311,312及び三角形画像313に加えて、表裏面のそれぞれを表す「SIDE A」及び「SIDE B」の文字等が表記されている。
【0065】
用紙41,42を基準原稿として補正用治具1とともに第1原稿台210上に載置して画像形成装置100における画像補正作業に使用する際には、図3(C)に示すように、基準原稿である用紙41,42の上側の一部において長手方向に平行な両端部を合せるようにして短手方向について半分に折り、折り目(以下、折線という。)51を形成しておく。
【0066】
図4は、上記画像形成装置における画像補正作業時に基準原稿である用紙を原稿台上に固定した状態を示す平面図である。画像形成装置100における画像補正作業時には、補正用治具1を用いて基準原稿である用紙41を第1原稿台210上に固定して載置する。補正用治具1は、ガイド部材13の指標14が第1原稿台210の端部に配置されている載置位置表示板212の中心指標213に一致し、かつ、本体10の外側の側面10dの全面が載置位置表示板212の段部212aに当接した状態で、第1原稿台210上に載置される。
【0067】
片面用第1基準画像31を印刷した第1基準原稿としての用紙41は、第1原稿台210上に載置された補正用治具1の本体10における内側の側面10cに短手方向に平行な一方の端部の全面が当接するように、第1原稿台210の上面と補正用治具1の原稿押え部2の下面との間に挿入される。このとき、用紙41の折線51が補正用治具1の基準部材3に表記された指標8の下方に位置するように、短手方向の位置が決定される。この状態で、画像読取部200による画像読取作業を行うと、図5に示すように、第1の基準画像である基準画像31と第2の基準画像である基準画像33とを含む補正用画像が読み取られる。
【0068】
図8は、上記画像形成装置における画像補正作業時の処理手順の一例を示すフローチャートである。一例として、画像形成装置100の画像補正作業は、工場出荷時に各画像形成装置100に対して行われる。CPU401は、操作部において特定のキー操作がなされると、画像補正作業モードの処理を開始し、画像補正作業用の外部装置であるパーソナルコンピュータから第1基準画像31,32の画像データの入力を受ける(S1:基準画像情報入力工程)。CPU401は、入力された第1基準画像31,32の画像データを、画像処理部402で所定の画像処理を施した後に画像メモリ404に一旦格納し、現在設定されている画像形成タイミングで第1基準画像31又は32についての画像形成処理を実行する(S2:基準画像形成工程)。
【0069】
第1基準画像31,32の入力に際して、作業者は、画像補正作業用の外部装置において印刷処理用のアプリケーションソフトを起動し、画像補正作業の対象である画像形成装置100を指定して第1基準画像31,32の印刷処理を指示する。一般に、印刷処理用のアプリケーションソフトでは、印刷時に用紙上における画像の上下左右に形成すべき余白を設定できるようにされており、この余白の大きさは用紙上に画像形成される画像位置に影響を与える。
【0070】
しかし、S2における画像形成処理時には、第1基準画像31,32における三角画像313が主走査方向の中心に位置し、かつ、図5に示した距離L7が第2の基準値となるように画像メモリ404から第1基準画像31,32の画像データが画像形成部300のLSU313に供給される。したがって、作業者は、外部装置において余白の値を設定する必要がない。
【0071】
なお、CPU401は、S2の基準画像形成工程に先立って、用紙41を用いた片面原稿についての画像形成処理時の補正作業、又は、用紙42を用いた両面原稿についての画像形成処理時の補正作業の何れかの選択を受け付ける。CPU401は、この選択に応じてS2の基準画像形成工程で第1基準画像31又は第1基準画像32の何れか一方のみについての画像形成処理を実行する。
【0072】
第1基準画像31又は32についての画像形成処理が終了すると、CPU401は、作業者によるスタートキーの操作を待機する(S3)。作業者は、片面用第1基準画像31が形成された用紙(片面用基準原稿)41、又は、両面用第1基準画像32が形成された用紙(両面用基準原稿)42を補正用治具1を介して第1原稿台210上の所定の位置に載置して、図示しない操作部のスタートキーを操作する。
【0073】
スタートキーが操作されるとと、CPU401は、先ず、画像読取部200を動作させて第1原稿台210上に載置された補正用治具1及び用紙41又は用紙42について画像読取処理を実行し、第2基準画像33及び片面用第1基準画像31又は両面用第1基準画像32からなる第1補正用画像を読み取り、読み取った第1補正用画像を画像メモリ404に格納する(S4:第1補正用画像読取工程)。
【0074】
次に、CPU401は、CPU401は、再度、作業者によるスタートキーの操作を待機する(S5)。作業者は、片面用第1基準画像31が形成された用紙(片面用基準原稿)41、又は、両面用第1基準画像32が形成された用紙(両面用基準原稿)42をADF220の原稿トレイ221にセットして、図示しない操作部のスタートキーを操作する。
【0075】
スタートキーが操作されると、CPU401は、画像読取部200及びADF220を動作させて第2原稿台上を搬送される用紙41又は42について画像読取処理を実行し、片面用第1基準画像31又は両面用第1基準画像32からなる第2補正用画像を読取、読み取った第2補正用画像を画像メモリ404に格納する(S6:第2補正用画像読取工程)。
【0076】
この後、CPU401は、画像メモリ404に格納した第1補正用画像における特定の距離を測定し、測定した距離に基づいて原稿固定方式の画像読取処理における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差、並びに、画像形成処理における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する(S7,S8:固定原稿読取部誤差測定工程及び画像形成部誤差測定工程)。さらに、CPU401は、画像メモリ404に格納した第2補正用画像における特定の距離を測定し、測定した距離、並びに、画像形成処理における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差に基づいて原稿移動方式の画像読取処理における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する(S9:移動画像読取部誤差測定工程)。
【0077】
誤差を適正に算出できた場合には、CPU401は、測定した誤差に基づいて固定画像読取部が読み取った画像情報を補正するための補正情報、及び、画像形成部に供給すべき画像情報を補正するための補正情報を作成し(S10→S11〜S13:固定画像読取部補正情報作成工程、画像形成部補正情報作成工程及び移動画像読取部補正情報作成工程)、作成した補正情報を不揮発性メモリ403に格納する(S14)。
【0078】
第1原稿台における補正用治具1又は用紙41の載置状態が適正でない場合、算出した誤差が調整可能な範囲を超えている場合、ADF220の動作が正常でない場合、その他の不都合により、誤差を適正に算出できなかった場合には、CPU401は、画像補正作業に失敗した旨を、操作部又は外部装置において表示し(S10→S15)、画像補正作業を終了する。
【0079】
なお、上記S6の第2補正用画像読取工程及びS9のADF誤差測定工程をS13の移動画像読取部補正情報作成工程の前に行うこともできる。
【0080】
また、ADF220が両面画像読取機能を備えていない場合、又は、両面原稿についての画像形成処理時の補正を行わない場合には、両面用第1基準画像32についての画像形成を行う必要はなく、作業者は、第2補正用画像読取工程に先立って片面用第1基準画像を形成した用紙41をADF220の原稿トレイ221にセットすればよい。この場合、第2補正用画像は、片面用第1基準画像31によって構成される。
【0081】
以下に、上記画像補正作業のS6〜S9における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差、並びに、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の算出処理ついて説明する。
【0082】
画像形成装置100において、ADF220により第2原稿台211上に搬送される原稿から読み取った原稿画像について画像形成部300で用紙上に画像形成を行った場合、ADF220における原稿搬送時に生じた誤差と、画像読取部200における画像読取処理時に生じた誤差と、画像形成部300における画像形成処理時に生じた誤差と、が重ね合わさって、出力画像と原稿画像との画像位置及び画像倍率の誤差を生じる。
【0083】
一方、予め画像形成装置100に記憶されている第1基準画像31又は32について画像形成部300で用紙41又は42上に画像形成を行い、この用紙41又は42を基準原稿として画像読取部200で第2補正用画像を読み取った場合、第2補正用画像と基準画像31又は32との画像位置及び画像倍率の誤差は、画像形成処理時に生じる誤差と、ADF220における原稿搬送時に生じた誤差と、画像読取処理時に生じる誤差と、を重ね合わせたものである。
【0084】
したがって、ADF220により搬送された原稿から画像読取部200が読み取った原稿画像について画像形成部300で用紙上に画像形成を行った場合に生じる用紙上の出力画像と原稿画像との画像位置及び画像倍率の誤差は、予め記憶されている第1基準画像31又は32について画像形成部300で用紙41又は42上に画像形成を行った後に用紙41又は42をADF220により第2原稿台211に搬送して画像読取部200で読み取った場合に生じる第2補正用画像と基準画像31又は32との画像位置及び画像倍率の誤差に等しい。
【0085】
そこで、この発明の画像補正方法では、予め記憶されている第1基準画像31又は32について画像形成部300で用紙41又は42上に画像形成を行った後、先ず、第1原稿台210において用紙41又は42の第1基準画像31を補正用治具1の基準画像33とともに画像読取部200で読み取った結果に基づいて、固定画像読取部における誤差と画像形成部300における誤差とを個別に測定する。次に、第2原稿台211において用紙41又は42の第1基準画像31又は32を画像読取部200で読み取った結果及び画像形成部300における誤差に基づいて、移動画像読取部における誤差を測定する。
【0086】
測定したそれぞれの誤差を、画像読取部200、画像形成部300及びADF220のそれぞれにおいて補正することにより、画像形成装置100における画像形成処理時に適正な位置に適正な倍率で画像を形成できるようにする。
【0087】
なお、実施例1は片面用第1基準画像31を形成した用紙41を用いて誤差を測定する例であり、実施例2は両面用第1基準画像32を形成した用紙42を用いて誤差を測定する例である。
【0088】
(実施例1)
<誤差の測定>
A.固定画像読取部における誤差の測定
第1原稿台210、第1ミラーベース231、第2ミラーベース232、レンズ233及びCCD234からなる固定画像読取部における誤差の測定に先立って、図4又は図15に示すように基準画像31が形成された用紙41又は基準画像32が形成された用紙42を補正用治具1を介して原稿台210における所定の位置に固定的に載置した状態で、固定画像読取部による原稿固定方式の画像読取処理が行われる。この原稿固定方式の画像読取処理により、一例として、図5に示すように読み取られた第1補正用画像を用いて、固定画像読取部における誤差の測定が行われる。この第1補正用画像には、用紙41の基準画像31とともに補正用治具1の基準画像33が含まれる。
【0089】
(1)副走査方向の読取開始位置の誤差
図4に示す状態で原稿台210上に載置された補正用治具1及び用紙41に対して画像読取処理を実行することにより、図5に示す基準画像33と基準画像31とを含む第1補正用画像を読み取る。読み取った第1補正用画像において、まず、原稿固定方式の画像読取処理時におけるホームポジションで第1ミラーベース231を検出するHPセンサの出力信号が変化したタイミングに対応するHPセンサ変化ラインから補正用冶具1の終端ラインZまでの距離L1を測定する。この距離L1は、補正用冶具1の第1黒色部11c又は第2黒色部11dの画像を用いて測定する。つまり、画像データが補正用冶具1の黒色部から原稿の白色領域に変化したタイミングに基づいて距離L1を測定する。距離L1は、画素数によって表される。
【0090】
次に、検出した補正用冶具1の終端ラインZから補正用冶具1の幅L2(この例では10mm)を差し引いた位置を副走査方向の読取開始位置Yとする。この読取開始位置Yは、実際の画像読取処理時における原稿先端位置として不揮発性メモリ403に格納される。
【0091】
(2)主走査方向の画像読取倍率の誤差
図5に示す補正用画像において、第1白色部11bの長さと第1黒色部11cの長さとの合計長L3を測定し、読み取った合計長L3の基準画像31における帯状画像311の長に対する割合を固定画像読取部における主走査方向の画像読取倍率の誤差として算出する。固定画像読取部における主走査方向の画像読取倍率の誤差は、画像読取部200における画像読取処理時にのみ反映させ、画像形成部300における画像形成処理時には反映させない。この合計長L3も、画素数によって表されれる。
【0092】
なお、補正用冶具1における第1白色部11bと第1黒色部11cとの合計の長さは、基準画像31における帯状画像311の長手方向の長さと同じに設定されている。
【0093】
また、主走査方向の読取倍率の誤差は、具体的には下記式1によって算出される。
【0094】
(主走査方向の読取倍率誤差)=(合計長L3の読取画素数)÷(基準画像31における帯状画像311の長手方向の画素数) ・・・式1
たとえば、主走査方向の入力解像度及び出力解像度が600dpiの場合、基準画像31における帯状画像311の長手方向の画素数は、帯状画像311の長手方向の長さが190mmであることから、
190÷25.4×600=4488(pixel)
となる。合計長L3の読取画素数が4500画素であった場合、主走査方向の読取倍率の誤差A1は、上記式1より、
A1=4500÷4488×100=100.27(%)
となり、固定画像読取部では、0.27%拡大気味に画像が読み取られることになる。
【0095】
この主走査方向の読取倍率誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0096】
(3)主走査方向の読取開始位置の誤差
図5に示す第1補正用画像において、補正用治具1の中心線7′を抽出し、主走査方向の読取開始位置Jから中心線7′までの距離L4を測定する。次に、測定した距離L4を設計上の中心位置と比較し、中心位置の誤差(図6に示す誤差L4′)を算出する。中心位置の誤差は、具体的には下記式2によって算出される。
【0097】
(中心位置の誤差)=(距離L4の画素数)―(中心画素位置) ・・・式2
なお、例えば、画像読取部200におけるCCD234の主走査方向の読取領域の画素数が5300である場合、原稿に対して正確に中心部分を読み取ったときには、距離L4の設計上の画素数は、
5300÷2=2650(pixel)
である。基準画像33から測定した距離L4の画素数がP2であった場合、読取開始位置の誤差A2は、上記主走査方向の画像読取倍率の誤差を考慮すると、
A2=2650−(P2×A1÷100)
となる。
【0098】
算出した中心位置の誤差L4′は、主走査方向の読取開始位置の誤差(図6に示す誤差L5)として画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0099】
B.画像形成部300における誤差の測定
画像形成部300における誤差の測定は、画像読取部200における誤差の測定時に求めた各値を適宜参照して行われる。
【0100】
(1)主走査方向の画像形成開始位置の誤差
図5に示す第1補正用画像において、主走査方向の読取開始位置Jから帯状画像311の端部311a,311bのうち読取開始位置Jに近い方の端部311aまでの距離L6を測定する。距離L6は、読取画素数で表され、ここでは画素数Sとする。
【0101】
ここで、既に画像読取部300における主走査方向の読取開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数Sから差し引いた結果(画素数)を第1の基準値と比較する。第1の基準値とは、設計上設定されている主走査方向の読取開始位置Jと基準画像31における帯状画像311の端部311aとの距離に対応した画素数である。主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的には下記式3によって算出される。
【0102】
(主走査方向の画像形成開始位置の誤差)=(画素数S)―(主走査方向の読取開始位置の誤差)−(第1の基準値) ・・・式3
たとえば、主走査方向の入力解像度及び出力解像度が600dpi、CCD234の読取画素数Sが5300である場合、設計上の距離L6は、
(5300−190÷25.4×600)÷2=406(pixel)
となる。距離L6の読取画素数をP3とすると、主走査方向の画像形成開始位置の誤差A3は、上記誤差A1及びA2を考慮して、
A3=406−{(P3−A2)×A1÷100}(pixel)
となる。
【0103】
算出した主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0104】
(2)副走査方向の画像形成開始位置の誤差
図5に示す補正用画像において、画像位置補正用冶具1の終端ラインZから帯状画像311の長手方向に平行な辺であって補正用治具1側の辺の位置までの距離L7を測定する。距離L7は、読取画素数で表され、ここでは画素数Tとする。
【0105】
ここで、既に画像読取部200における副走査方向の読取開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数Tから差し引いた結果(画素数)を第2の基準値と比較する。第2の基準値とは、設計上設定されている副走査方向の読取開始位置Yと予め記憶されている基準画像31における帯状画像311の補正用治具1側の位置Kとの間の距離に対応した画素値である。副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的に下記式4によって算出される。
【0106】
(副走査方向の画像形成開始位置の誤差)=(画素数T)―(副走査方向の読取開始位置の誤差)−(第2の基準値) ・・・式4
算出した副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0107】
(3)主走査方向の画像形成倍率の誤差
図5に示す第1補正用画像において、主走査方向の帯状画像311の長さL8を測定する。距離L8は、読取画素数で表され、ここでは画素数Uとする。測定した距離L8を、第3の基準値と比較する。第3の基準値とは、予め記憶されている基準画像31における帯状画像の長さに対応した画素数である。画像形成部300における主走査方向の画像形成倍率の誤差は、具体的には、画像読取部200における主走査方向の画像読取倍率の誤差を考慮して、下記式5によって算出される。
【0108】
(主走査方向の画像形成倍率の誤差)=(画素数U)÷(第3の基準値)÷(主走査方向の画像読取倍率の誤差) ・・・式5
算出した主走査方向の画像形成倍率の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリに格納される。
【0109】
(4)副走査方向の画像形成倍率の誤差
図5に示す第1補正用画像において、2つの帯状画像311,312の間の距離L9を測定する。距離L9は、読取画素数で表され、ここでは画素数Vとする。測定した距離9を、第4の基準値と比較する。第4の基準値とは、予め記憶されている基準画像31における2つの帯状画像311,312の間の距離に対応した画素数である。画像形成部300における副走査方向の画像形成倍率の誤差は、具体的には、下記式6によって算出される。
【0110】
算出した主走査方向の画像形成倍率の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0111】
C.移動画像読取部における誤差の測定
第2原稿台211及びADF220からなる移動画像読取部における誤差の測定は、基準画像31が形成された用紙41をADF220の原稿トレイ221にセットして画像読取部200による画像読取処理を行い、一例として、図14に示すように読み取られた第2補正用画像を用いる。このため、ADF220の原稿トレイ221上には、画像形成面を上向きにし、かつ、画像311、画像312、画像313がこの順に読み取られるように用紙41をセットする。第2補正用画像には、用紙41の基準画像31のみが含まれる。また、ADF220における誤差の測定は、画像形成部300における誤差の測定時に求めた各値を適宜参照して行われる。ADF220を介して第2原稿台211で読み取られる用紙41の画像には、画像形成時に画像形成部300における誤差が含まれているからである。
【0112】
(1)主走査方向の読取開始位置の誤差
図14に示す第2補正用画像において、主走査方向の読取開始位置Jから帯状画像311の端部311a,311bのうち読取開始位置Jに近い方の端部311aまでの距離L6を測定する。距離L6は、読取画素数で表され、ここでは画素数S′とする。
【0113】
ここで、既に画像形成部300における主走査方向の画像形成開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数S′から差し引いた結果(画素数)を第1の基準値と比較する。第1の基準値とは、設計上設定されている主走査方向の読取開始位置Jと基準画像31における帯状画像311の端部311aとの距離に対応した画素数である。主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的には下記式3′によって算出される。
【0114】
(主走査方向の読取開始位置の誤差)=(画素数S′)―(主走査方向の画像形成開始位置の誤差)−(第1の基準値) ・・・式3′
算出した主走査方向の読取開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0115】
なお、画像形成部300における主走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像読取部200における主走査方向の画像読取開始位置の誤差を考慮して測定されたものである。したがって、ここで測定された主走査方向の読取開始位置の誤差は、画像読取部200における固定画像読取部の取付誤差等の影響を除く、主にADF220の原稿搬送動作において生じた誤差である。
【0116】
(2)副走査方向の読取開始位置の誤差
図14に示す補正用画像において、第2補正用画像の前端から帯状画像311の長手方向に平行な辺であって補正用治具1側の辺の位置までの距離L7を測定する。距離L7は、読取画素数で表され、ここでは画素数T′とする。
【0117】
ここで、既に画像形成部300における副走査方向の画像形成開始位置の誤差が求められているため、この誤差を画素数T′から差し引いた結果(画素数)を第2の基準値と比較する。第2の基準値とは、設計上設定されている副走査方向の読取開始位置Yと予め記憶されている基準画像31における帯状画像311の補正用治具1側の位置との間の距離に対応した画素値である。副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、具体的には下記式4′によって算出される。
【0118】
(副走査方向の読取開始位置の誤差)=(画素数T′)―(副走査方向の画像形成開始位置の誤差)−(第2の基準値) ・・・式4′
算出した副走査方向の読取開始位置の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0119】
なお、画像形成部300における副走査方向の画像形成開始位置の誤差は、画像読取部200における副走査方向の画像読取開始位置の誤差を考慮して測定されたものである。したがって、ここで測定された副走査方向の読取開始位置の誤差は、画像読取部200における固定画像読取部の取付誤差等の影響を除く、主に、ADF220の原稿搬送動作において生じた誤差である。
【0120】
(3)副走査方向の画像読取倍率の誤差
図14に示す第2補正用画像において、2つの帯状画像311,312の間の距離L9を測定する。距離L9は、読取画素数で表され、ここでは画素数V′とする。測定した距離9を、第4の基準値と比較する。第4の基準値とは、予め記憶されている基準画像31における2つの帯状画像311,312の間の距離に対応した画素数である。画像形成部300における副走査方向の画像形成倍率の誤差は、具体的には、下記式6′によって算出される。
【0121】
算出した主走査方向の画像形成倍率の誤差は、画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0122】
なお、ADF220による搬送中の原稿から画像を読み取る原稿移動方式の画像読取時には、画像読取部200の第1ミラーベース231及び第2ミラーベース232は動作を停止している。したがって、移動画像読取部における走査方向の画像形成倍率の誤差は、専らADF220の原稿搬送速度の誤差によるものである。
【0123】
(4)主走査方向の画像読取倍率の誤差
ADF220によって搬送された原稿から第2原稿台211において読み取られた画像に生じる主走査方向の画像読取倍率の誤差は、上記A(2)で測定した固定画像読取部における主走査方向の画像読取倍率の誤差に等しいため、移動画像読取部における誤差として測定する必要はない。
【0124】
<誤差の補正>
以上の誤差の測定結果に基づいて、画像形成装置100におけるADF220を用いたスキャナモード及びコピーモードのそれぞれの処理時に、画像読取部200及び画像形成部300において画像位置及び画像倍率が補正される。以下に、各モードの処理時における画像読取部及び画像形成部の画像補正作業について説明する。
【0125】
但し、移動画像読取部における主走査方向及び副走査方向の画像読取開始位置の誤差並びに副走査方向の読取倍率誤差については、ADF220における原稿センサ229aのオン/オフタイミングの制御、レジストローラ225の回転開始タイミングの制御、及び、ローラ224〜227の回転速度の制御によって予め補正される。したがって、原稿移動方式の画像読取処理で読み取られた原稿画像のそれぞれに対して、移動画像読取部の誤差を補正を行う必要はない。
【0126】
但し、移動画像読取部における誤差と固定画像読取部における誤差との関係が明らかな場合には、ADF220を介して読み取った原稿画像を画像メモリ404に格納する際、又は、画像メモリ404から画像形成部300に供給する際に、移動画像読取部における誤差と固定画像読取部における誤差とを合わせて補正することもできる。
【0127】
A.スキャナモードにおける画像読取処理時の誤差の補正
画像形成装置100をスキャナとして用い、画像読取部200で読み取った画像データをパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力するスキャナモード時には、画像読取部200において以下の画像補正作業が行われる。
【0128】
(1)画像読取位置の補正作業
スキャナモード時には、画像読取部200で読み取られた画像データを、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、主走査方向の読取開始位置の誤差及び副走査方向の読取開始位置の誤差だけ補正して出力する。
【0129】
なお、補正後の画像データとともに主走査方向及び副走査方向の読取開始位置の誤差を表す画素数データを出力することもできる。
【0130】
(2)画像読取倍率の補正作業
スキャナモード時には、画像読取部200で読み取られた画像データを、主走査方向について、主走査方向の画像読取倍率の誤差の逆数を掛け合わせた大きさに補正して出力する。画像読取倍率の補正は、画像メモリ内において拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0131】
なお、補正後の画像データとともに主走査方向の画像読取倍率の誤差を表すデータを出力することもできる。
【0132】
B.コピーモードにおける画像読取処理時及び画像形成処理時の誤差の補正
画像形成装置100を複写機として用い、画像読取部200で読み取った画像データについて画像形成部300で用紙上に画像形成を行うコピーモード時には、画像読取部200及び画像形成部300において以下の画像位置の補正作業が行われる。
【0133】
(1)画像位置の補正作業
コピーモード時には、原稿読取部200で読み取った画像データを、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、主走査方向の読取開始位置の誤差と画像形成開始位置の誤差とを加えた量、及び、副走査方向の読取開始位置の誤差と画像形成開始位置の誤差とを加えた量を補正して用紙上に形成する。主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、読取開始位置の誤差と画像形成開始位置の誤差とを加えた量を、予め画像形成装置100のメモリに記憶しておくこともできる。
【0134】
(2)画像倍率の補正作業
コピーモード時には、原稿読取部200で読み取った画像データを、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、主走査方向の画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを補正する倍率、及び、副走査方向の画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを補正する倍率で拡大又は縮小して用紙上に形成する。主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを補正する倍率を、予め画像形成装置100のメモリに記憶しておくこともできる。
【0135】
なお、主走査方向と副走査方向のそれぞれの画像読取倍率の誤差と画像形成倍率の誤差とを掛け合わせた倍率を本装置のメモリに記憶し、この倍率を用いて画像倍率を補正することもできる。画像の拡大又は縮小は、画像メモリ内で画像データを拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0136】
画像補正作業時には、CPU401は、画像読取部200において、補正用画像についての画像読取処理を実行し、CCD234が受光量に応じて出力した電気信号がA/D変換器239によってディジタル化されて画像データとして画像処理部402に入力される。画像処理部402は入力された画像データに対して所定の画像処理を施して画像メモリ404に格納する。この後、CPU401は、画像メモリ404から必要な部分の画像データを読み出し、誤差を測定及び算出する。CPU401は、測定及び算出した誤差情報を、不揮発性メモリ403に保存する。
【0137】
通常のコピーモードの画像形成処理時には、CPU401は、不揮発性メモリ403から誤差情報を読み出し、読み出した誤差情報を画像処理部402及び画像形成部300に供給する。画像形成部300は、供給された誤差情報に基づいて調整したタイミングでADF220の動作を開始し、適正なタイミングで原稿が原稿台211に対向するように原稿を搬送する。
【0138】
画像処理部402は、供給された誤差情報に基づいて画像読取部200から入力された画像データに対する画像処理を実行し、画像処理後の画像データを画像メモリ404を経由して画像形成部300の露光ユニット313に出力する。露光ユニット313は、入力された画像データによって変調した画像光を、誤差情報に基づくタイミングで、感光体ドラム311に照射する。また、画像形成部300は、供給された誤差情報に基づいて調整したタイミングで用紙を感光体ドラム311と転写器315との間に導く。
【0139】
図9は、上記画像形成装置に備えられる露光ユニットの一例を示す図である。露光ユニット313は、一例として画像データによって変調されたレーザ光によって感光体ドラム311を露光するレーザスキャンユニット(LSU)である。LSU313は、半導体レーザ3112から照射されたレーザ光を、コリメータレンズ3113、シリンドリカルレンズ3116、ポリゴンミラー3120、f−θレンズ3123及び折り返しミラー3124等を介して感光体ドラム311の表面に結像させる。
【0140】
コリメータレンズ3113は、半導体レーザ2から照射された拡散光であるレーザ光を平行光に変換する。シリンドリカルレンズ3116は、ポリゴンミラー3120の反射面の面倒れによって生じる感光体ドラム311上における照射位置の誤差の補正を容易にすべく、レーザ光を副走査方向に集光させる。ポリゴンミラー3120は、矢印方向に一定速度で回転し、各反射面において反射したレーザ光によって感光体ドラム311の表面を主走査方向に露光走査する。f−θレンズ3123は、ポリゴンミラー3120の回転に伴って等角速度で主走査方向に移動するレーザ光を、感光体ドラム311の表面において等速度で移動するように偏向して結像させるとともに、ポリゴンミラー3120の反射面の面倒れによる感光体ドラム311上における照射位置を補正する。これによって、レーザ光は感光体ドラム311の表面に静電潜像を形成するために感光体ドラム311の表面を主走査方向に走査する画像光としての走査光にされる。
【0141】
また、LSU313では、主走査方向の露光タイミングを制御するため、f−θレンズ3123を通過したレーザ光の走査範囲内における画像形成領域外にミラー3126を配置し、レーザ光をBDセンサ3127に配光する。LSU313の制御部は、BDセンサ3127によるレーザ光の検出タイミングに基づいて、各走査ラインの画像書込タイミングを同期させる。
【0142】
即ち、BDセンサ3127がレーザ光を検出した時点から所定時間が経過したタイミングで画像データによるレーザ光の変調を開始する。この所定時間は、レーザ光がBDセンサ3127によって検出された後、感光体ドラム311上における画像の書込開始位置を露光するまでに要する時間である。したがって、この所定時間を増減することにより、感光体ドラム311を介して用紙上に形成される画像の主走査方向の位置が変化する。また、用紙の搬送開始から画像データによるレーザ光の変調を開始するまでの時間を調整することにより、感光体ドラム311を介して用紙上に形成される画像の副走査方向の位置が変化する。
【0143】
(実施例2)
上述のように、実施例2では、表裏面のそれぞれに両面用第1基準画像32を形成した用紙42を用いて両面画像読取時のADF220の誤差を測定する。図3(B)に示すように、両面用第1基準画像32は、「SIDE B」の文字が表記された表面用第1基準画像32a、及び、「SIDE A」の文字が表記された裏面用第1基準画像32bからなる。
【0144】
なお、ADF220における両面画像読取時には、原稿の表面からの画像読取時と原稿の裏面からの画像読取時とで、搬送方向の前後端が反転され、画像の読取方向が反転する。つまり、原稿の裏面画像は原稿の表面画像に対して上下方向を反転した状態で読み取られる。但し、図3(B)に示したように、用紙42の表裏面には表面用第1基準画像32aと裏面用第1基準画像32bとが上下方向を反転した状態で形成されるため、結果的に表面用第1基準画像32aと裏面用第1基準画像32bとは上下方向が一致した状態で読み取られる。
【0145】
<誤差の測定>
A.固定画像読取部における誤差の測定
固定画像読取部における誤差の測定にあたっては、第1基準画像32が形成された用紙42を、図15(A)に示すように裏面用第1基準画像32bを上向きにして、又は、図15(B)に示すように表面用第1基準画像32aを上向きにして、補正用治具1を介して第1原稿台210における所定の位置に固定的に載置した状態で、固定画像読取部による第1補正用画像の読取処理を行う。用紙42には、主走査方向である短手方向の長さを2分する折り線52を形成しておく。
【0146】
このようにして読み取った表面用第1基準画像32aと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像、又は、裏面用第1基準画像32bと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像の何れかを用いて、実施例1におけるAの処理と同様にして、固定画像読取部における誤差の測定を行う。
【0147】
なお、用紙42を、図15(A)に示すように裏面用第1基準画像32bを上向きにした状態と、図15(B)に示すように表面用第1基準画像32aを上向きにした状態と、の両方について画像読取処理を行い、表面用の第1補正用画像と裏面用の第1補正用画像とを読み取っておき、画像形成部300における表面画像形成時の誤差と裏面画像形成時の誤差との両方を測定するようにしてもよい。画像形成部300における表面画像形成時の誤差と裏面画像形成時の誤差とに差がある場合、後述する移動画像形成部(ADF220)における表面画像読取時の誤差の測定結果と裏面画像読取時の誤差の測定結果とに影響を与える可能性がある。ただし、この例では、画像形成部300における表面画像形成時の誤差と裏面画像形成時の誤差とが同一であるとして移動画像読取部の誤差の測定を行っている。
【0148】
B.画像形成部300における誤差の測定
上記の第1印字面画像32aと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像、又は、第2印字面画像32bと補正用治具1の第2基準画像33とを含む第1補正用画像の何れかを用いて、実施例1におけるBの処理と同様にして、画像形成部300における誤差の測定を行う。
【0149】
C.移動画像読取部における誤差の測定
移動画像形成部における誤差の測定は、表裏面に両面用第1基準画像32が形成された用紙42をADF220の原稿トレイ221にセットして画像読取部200による両面画像読取処理を行い、読み取られた第2補正用画像を用いる。このとき、ADF220の原稿トレイ221上には、表面用第1基準画像32aが形成された第1印字面を上向きにし、かつ、画像311、画像312、画像313がこの順に読み取られるように用紙42をセットする。ADF220は、用紙42の表裏面が順次第2原稿台211に対向するように用紙42を反転しつつ2回連続して搬送する。用紙42に形成された表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bが、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として、この順に読み取られる。
【0150】
この後、表面用第1基準画像32a及び裏面用第1基準画像32bのそれぞれについて、実施例1におけるCの処理と同様の処理により、主走査方向の読取開始位置の誤差、副走査方向の読取開始位置の誤差、及び、副走査方向の画像読取倍率の誤差が測定される。測定された誤差は、表面画像読取時及び裏面画像読取時のぞれぞれにおける誤差として画像形成装置100に備えられた不揮発性メモリ403に格納される。
【0151】
<誤差の補正>
以上の誤差の測定結果に基づいて、画像形成装置100におけるADF220を用いた両面原稿についてのスキャナモード及びコピーモードのそれぞれの処理時に、実施例1と同様の処理により、画像読取部200及び画像形成部300において画像位置及び画像倍率が補正される。
【0152】
但し、移動画像読取部における主走査方向及び副走査方向の画像読取開始位置の誤差並びに副走査方向の読取倍率誤差については、原稿センサ229aのオン/オフタイミングの制御、レジストローラ225の回転開始タイミングの制御、及び、ローラ224〜227の回転速度の制御によって予め補正される。なお、原稿の表面画像の読取時には表面用第1基準画像32aについて測定された誤差を用いて補正が行われ、原稿の裏面画像の読取時には裏面用第1基準画像32bについて測定された誤差を用いて補正が行われる。
【0153】
(実施例3)
上記実施例1及び2の画像補正作業では、固定画像読取部における副走査方向の画像読取倍率の誤差を算出していない。このため、画像形成部300における副走査方向の画像形成倍率の誤差の補正においても、固定画像読取部における副走査方向の画像読取倍率の誤差を考慮していない(式5及び式6参照。)。これに対して、実施例3の画像補正作業では、固定画像読取部における副走査方向の画像読取倍率の誤差をも補正する。なお、補正用治具1と補正用原稿とを原稿台210上に載置して補正用治具1の画像及び基準画像31を補正用画像として読み取る作業は、実施例1と同様である。
【0154】
また、以下においては、実施例1に加えて行なう処理のみを説明する。つまり、実施例2の画像補正作業では、実施例1の画像補正作業における処理に加えて、以下の処理が行われる。ただし、副走査方向の画像形成倍率の誤差の補正処理に限って、以下に説明する方法に置き換える。
【0155】
<誤差の測定>
A.固定画像読取部における誤差の測定
固定画像読取部の誤差の測定は、補正用治具1の裏面から読み取った画像を用いて行なう。
【0156】
読み取った補正用画像の画像データにおいて、補正用治具1の幅を測定し、測定した幅を、画像メモリ404に格納されている基準画像31における矩形画像311の副走査方向の幅と比較し、両者の誤差を副走査方向の画像読取倍率の誤差として算出する。算出した副走査方向の画像読取倍率の誤差は、画像読取処理時のみに反映させ、画像形成処理時には反映させない。補正用治具1の幅は、補正用画像における画素数として測定される。
【0157】
副走査方向の画像読取倍率の誤差は、補正用治具1の幅が、基準画像31における矩形画像311の短手方向の幅と同じに設定されていることから、
(副走査方向の画像読取倍率の誤差)=(補正用治具1の幅方向の読取画素数)÷(基準画像31における矩形画像311の短手方向の画素数) ・・・式7
によって算出される。算出された副走査方向の画像読取倍率の誤差は、不揮発性メモリ403に保存される。
【0158】
B.画像形成部300における誤差の測定
(1)副走査方向の画像形成倍率の誤差
画像読取部200が読み取った補正用画像の画像データにおいて、実施例1と同様に、副走査方向における2つの矩形画像311及び312の距離L9の画素数を測定する。測定した距離L9を第4の基準値と比較する。第4の基準値は、画像メモリ404に格納されている基準画像31における2つの矩形画像311及び312の間隔である。この測定結果から、副走査方向の画像形成倍率の誤差は、
によって算出される。
【0159】
<誤差の補正>
A.スキャナモードにおける画像読取処理時の誤差の補正
画像形成装置100をスキャナとして用い、画像読取部200で読み取った画像データをパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力するスキャナモード時には、画像読取部200で読み取られた画像データを、副走査方向について、副走査方向の画像読取倍率の誤差の逆数を掛け合わせた大きさに補正する。画像読取倍率の補正は、画像メモリ内において拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0160】
なお、補正後の画像データとともに副走査方向の画像読取倍率の誤差を表すデータを出力することもできる。
【0161】
B.プリンタモードにおける画像形成処理時の誤差の補正
画像形成装置100をプリンタとして用い、パーソナルコンピュータ等の外部装置から入力された画像データについて画像形成部300で用紙上に画像形成を行うプリンタモード時には、外部装置から入力された画像データを、副走査方向について、副走査方向の画像形成倍率の誤差の逆数で拡縮した大きさで用紙上に形成する。画像の拡縮は、画像メモリ内で画像データを拡縮する所謂電子ズームによって行われる。
【0162】
C.コピーモードにおける画像読取処理時及び画像形成処理時の誤差の補正
画像形成装置100を複写機として用い、画像読取部200で読み取った画像データについて画像形成部300で用紙上に画像形成を行うコピーモード時には、原稿読取部200で読み取った画像データを、副走査方向について、副走査方向の画像読取倍率の誤差(倍率)と副走査方向の画像形成倍率の誤差(倍率)とを掛け合わせた倍率の逆数(補正用倍率)で拡縮した大きさで用紙上に画像形成する。
【0163】
なお、等倍率以外の複写倍率が設定されている場合には、補正用倍率に複写倍率を掛けた倍率によって電子ズーム処理によって拡縮した画像を用紙上に形成する。また、副走査方向の画像読取倍率の誤差と副走査方向の画像形成倍率の誤差とを掛け合わせた倍率を副走査方向の画像倍率の誤差として不揮発メモリ403に保存しておくこともできる。
【0164】
(実施例4)
上記実施例3とは異なる副走査方向の画像読取倍率の誤差の補正方法について以下に説明する。
【0165】
(1)直線形状の補正用治具1に代えて、図10に示すように裏面が着色されたL字型形状を呈する補正用治具1′を用いる。補正用治具1′の裏面には、補正用治具1と同様の第2黒色部11a、第1白色部11b、第1黒色部11c及び第2白色部11dに加えて、基準画像31の2本の矩形画像311及び312に相当する2つの黒色部11e及び11fを形成する。この補正用治具1′を画像形成装置100において基準画像31を形成した用紙とともに原稿台210上に載置して補正用画像を読み取る。この補正用画像には、用紙41の基準画像31とともに補正用治具1′の基準画像34が含まれる。
【0166】
(2)基準画像31を形成した用紙に代えて、画像を何ら形成していないA4サイズ等の定型サイズの用紙を補正用治具1又は補正用治具1′とともに原稿台210上に載置し、読み取った補正用画像において用紙の互いに平行な2側端部間の距離を測定する。この測定結果をA4サイズの用紙における幅及び長さと比較して、画像読取倍率の誤差を求めることもできる。
【0167】
この場合には、基準画像を用いることなく画像読取倍率の調整を簡単に行うことができる。しかし、誤差の測定結果に用紙サイズの誤差の影響を受ける可能性がある。
【0168】
(3)原稿台210の周囲の下面側を補正用治具1又は1′の裏面と同様に着色することにより、補正用治具1又は1′を省略することもできる。
【0169】
(実施例5)
実施例1〜3では原稿台210における主走査方向の中央を基準として原稿を載置するようにした画像形成装置100を前提としているが、主走査方向の一端側を基準とした画像形成装置100にもこの発明を適用できる。
【0170】
(実施例6)
上記の実施例で記載した基準画像31〜34の構成については、上記の実施例に限るものでない。また、基準画像31〜34の色も、上記の実施例では黒と白とで構成したが、境界を判別可能であれば、他の色を用いても良い。さらに、基準画像であることを識別するマーク(例えば、バーコードなど)を、別途、各基準画像31〜34に付加してもよい。加えて、基準画像のサイズが分かるように、そのデータを識別可能に基準画像に付加してもよく、基準画像の一部に使用方法に関する記載を付加することもできる。
【0171】
(実施例7)
以下、誤差に対する他の補正方法について説明する。
【0172】
(1)主走査方向及び副走査方向における読取開始位置誤差の補正方法
主走査方向及び副走査方向の読取開始位置誤差(補正量)は、画素数で示す以外に、時間(読取開始タイミング)又は距離で示すことができる。また、補正後の開始画素が画像メモリ上の何画素目であるかを示すこともできる。補正方法としては、画像メモリ上の画像データの位置をシフトする。
【0173】
(2)主走査方向及び副走査方向における読取倍率誤差の補正方法
▲1▼読み取った画像データを倍率の補正を行うことなく画像メモリに格納しておき、画像データの出力時に画像メモリにおける画像データの記憶領域を読取倍率誤差のない状態に変換することにより倍率補正を行う。
【0174】
▲2▼読み取った画像データを補正倍率で変換した状態で画像メモリに格納し、画像データの出力時には画像メモリ内の画像データをそのまま出力する。
【0175】
(3)主走査方向のおける画像形成開始位置の誤差の補正方法
▲1▼画像メモリへの画像データの格納時、及び、画像メモリからの画像データの出力時には誤差を補正せず、レーザプリンタ等の画像形成装置における画像形成開始タイミングを補正する。
【0176】
▲2▼画像メモリへの画像データの格納時には補正せず、画像メモリからの出力時に画像データの位置をシフトする。
【0177】
▲3▼画像メモリへの格納時に画像データを正しい位置にシフトしておき、画像データの出力時には画像メモリ内の画像データをそのまま出力する。
【0178】
(4)副走査方向における画像形成開始位置の誤差の補正方法
主走査方向における画像形成開始位置の誤差の補正方法に加えて、用紙搬送タイミングを変える方法も用いることができる。
【0179】
(5)主走査方向における画像形成倍率の誤差の補正方法
▲1▼画像メモリからの出力時に、画像データの位置を変換する。
【0180】
▲2▼画像データを正しい位置に変換して画像メモリに格納しておき、画像データの出力時に画像メモリ内の画像データをそのまま出力する。
【0181】
(8)副走査方向における画像形成倍率の誤差の補正方法
主走査方向における画像形成開始位置の誤差の補正方法に加えて、用紙搬送速度を変える方法も用いることができる。
【0182】
(実施例8)
実施例1では、第1の基準画像31,32をパーソナルコンピュータ外部装置に基準画像を保存しておき、画像補正作業時に画像形成装置に接続された外部装置から基準画像を送信することとしたが、この他に、以下の方法を採ることができる。
【0183】
(1)画像形成装置内の不揮発性メモリに保存しておき、画像補正作業時に内部の不揮発性メモリから基準画像を読み出す(基準画像情報読出工程)。これによって、サービスマンによるメンテナンス時にも、この発明を実施できる。
【0184】
(2)FD、CD等の外部の記録可能な記録媒体に保存しておき、画像補正作業時に記録媒体から基準画像を読み取る(基準画像情報読取工程)。
【0185】
【発明の効果】
以上のようにして、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0186】
(1)各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差及び移動画像形成部における誤差の全てを測定することができ、正確な画像位置及び画像倍率の補正作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0187】
(2)画像形成部において用紙の表裏面のそれぞれに形成された表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を、移動画像形成部において表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取り、画像形成部における誤差と表面用第2補正用画像内の表面用第1基準画像及び裏面用第2補正用画像内の裏面用第1基準画像とに基づいて移動画像読取部の表面画像読取時及び裏面画像読取時の誤差を測定することにより、各1度の画像形成作業、原稿固定方式の画像読取処理、及び,原稿移動方式の画像読取処理を行うだけで、画像形成部における誤差、固定画像読取部における誤差、移動画像形成部における表面画像読取時の誤差、及び、移動画像形成部における裏面画像読取時の誤差の全てを測定できる。
【0188】
(3)固定画像読取部が読み取った第1補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果を、固定画像読取部の誤差を除いた後に、移動画像読取部が読み取った第2補正用画像内の第1基準画像とメモリ内の第1基準画像情報との比較結果から除くことにより、画像形成部で第1基準画像が形成された用紙を第2原稿台を経由して搬送する間に読み取った第1基準画像に生じている誤差から、固定画像読取部及び画像形成部で生じた誤差の影響を除くことができ、移動画像読取部のみで生じた誤差を正確に測定できる。
【0189】
(4)移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて作成された移動画像読取部の補正情報を内部のメモリに保存することにより、通常の画像読取作業時に、誤差の測定及び補正情報の作成を繰り返す必要がなく、読み取った画像情報が内部のメモリに保存されている補正情報を用いて正確に補正できる。
【0190】
(5)移動画像読取部において生じる誤差を補正する情報として、第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び、第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報を作成することにより、移動画像読取部の原稿搬送動作に係る制御内容の変更によって移動画像読取部で生じた誤差のみを補正できる。このため、原稿移動方式の画像読取処理時に固定画像読取部の一部を使用する場合であっても、移動画像読取部の誤差を固定画像読取部の誤差とは区別して正確に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る画像位置補正方法が適用される画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】上記画像形成装置における画像補正作業時に使用されるこの発明の補正用治具の平面図、底面図及び使用状態の側面図である。
【図3】上記画像形成装置における画像補正作業に使用される第1の基準画像を示す図である。
【図4】上記画像形成装置における画像補正作業時に片面用の基準原稿である用紙を原稿台上に固定した状態を示す平面図である。
【図5】上記画像形成装置における画像補正作業時に第1原稿台から読み取られる第1補正用画像を示す図である。
【図6】同補正用画像における要部の測定位置を示す図である。
【図7】上記画像形成装置の制御部を含むブロック図である。
【図8】上記画像形成装置における画像補正作業時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】上記画像形成装置に備えられる露光ユニットの一例を示す図である。
【図10】上記画像形成装置における画像補正作業時に使用されるこの発明の別の実施形態に係る補正用治具の底面図である。
【図11】上記画像形成装置に用いられるADFの構成を示す図である。
【図12】片面原稿についての移動画像読取処理時のADFにおける動作を説明するフローチャートである。
【図13】両面原稿についての移動画像読取処理時のADFにおける動作を説明するフローチャートである。
【図14】上記画像形成装置における画像補正作業時に第2原稿台から読み取られる第2補正用画像を示す図である。
【図15】上記画像形成装置における画像補正作業時に両面用の基準原稿である用紙を原稿台上に固定した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1−補正用治具
31,32−第1基準画像
33,34−第2基準画像
41,42−用紙
100−画像形成装置
200−画像読取部
210−第1原稿台
211−第2原稿台
220−ADF
300−画像形成部
400−制御部
Claims (7)
- 画像形成部において、画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像を用紙上に形成する基準画像形成工程と、
固定画像読取部において、前記第1基準画像が形成された後に第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の画像を、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を前記第1原稿台上の適正な位置に配置した第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る第1補正用画像読取工程と、
移動画像読取部において、前記第1基準画像が形成された後に第2原稿台を経由して搬送される用紙の画像を、第2補正用画像として読み取る第2補正用画像読取工程と、
制御部において、前記第1補正用画像内の第2基準画像に基づいて前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する固定画像読取部誤差測定工程と、
制御部において、前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差と前記第1補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する画像形成部誤差測定工程と、
制御部において、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する移動画像読取部誤差測定工程と、
を含むことを特徴とする画像補正方法。 - 前記基準画像形成工程は、用紙の表裏面のそれぞれに表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を形成する工程であり、
前記第1補正用画像読取工程は、前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の表裏面の少なくとも一方の画像を、第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る工程であり、
前記第2補正用画像読取工程は、前記第2原稿台を経由して表裏面を反転して搬送される用紙の表裏面のそれぞれの画像を、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取る工程であり、
前記移動画像読取部誤差測定工程は、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記表面用第2補正用画像における表面用第1基準画像及び前記裏面用第2補正用画像における裏面用第1基準画像に基づいて前記移動画像読取部における表面画像読取時及び裏面画像読取時の画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する工程である請求項1に記載の画像補正方法。 - 前記画像形成部誤差測定工程は、前記第1補正用画像読取工程で固定画像読取部が読み取った第1基準画像を内部のメモリに記憶している第1基準画像情報と比較した結果から、前記固定画像読取部誤差測定工程で測定した固定画像読取部の誤差を除く工程であり、
前記移動画像読取部誤差測定工程は、前記第2補正用画像読取工程で移動画像読取部が読み取った第1基準画像を内部のメモリに記憶している第1基準画像情報と比較した結果から、前記画像形成部誤差測定工程で測定した画像形成部の誤差を除く工程である請求項1又は2に記載の画像補正方法。 - 少なくとも前記移動画像読取部誤差測定工程の後に、前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差に基づいて移動画像読取部が読み取った画像情報を補正するための補正情報を作成して内部のメモリに保存する移動画像読取部補正情報作成工程を含む請求項1又は2に記載の画像補正方法。
- 前記移動画像読取部補正情報作成工程は、前記第2原稿台に対する原稿の搬送開始タイミングを決定する搬送開始タイミング情報、及び前記第2原稿台に対する原稿の搬送速度を決定する搬送速度情報を作成する工程である請求項4に記載の画像補正方法。
- 第1原稿台上に載置された原稿の画像情報を読み取る固定画像読取部と、第2原稿台を経由して搬送される原稿の画像情報を読み取る移動画像読取部と、画像情報に基づく出力画像を用紙上に形成する画像形成部と、固定画像読取部、移動画像読取部及び画像形成部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記画像形成部は、画像補正作業時に、画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定に用いられる画像を含む第1基準画像の画像情報に基づく画像を用紙上に形成し、
前記固定画像読取部は、画像補正作業時に、前記第1基準画像の画像情報に基づく画像が形成された後に前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の画像を、画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定に用いられる画像を前記第1原稿台上の適正な位置に配置した第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取り、
前記移動画像読取部は、画像補正作業時に、前記第1基準画像の画像情報に基づく画像が形成された後に前記第2原稿台を経由して搬送される用紙の画像を第2補正用画像として読み取り、
前記制御部は、画像補正作業時に、前記第1補正用画像内の第2基準画像に基づいて前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する固定画像読取部誤差測定処理、前記固定画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差の測定結果と前記第1補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差を測定する画像形成部誤差測定処理、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差の測定結果と前記第2補正用画像内の第1基準画像とに基づいて前記移動画像読取部における画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する移動画像読取部誤差測定処理、前記固定画像読取部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて固定画像読取部において生じる誤差を補正するための固定画像読取部補正情報を作成して内部メモリに格納する固定画像読取部補正情報作成処理、前記画像形成部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて画像形成部において生じる誤差を補正するための画像形成部補正情報を作成して内部メモリに格納する画像形成部補正情報作成処理、及び、前記移動画像読取部誤差測定処理で測定した誤差に基づいて移動画像読取部において生じる誤差を補正するための移動画像読取部補正情報を作成して内部メモリに格納する移動画像読取部補正情報作成処理を実行することを特徴とする画像形成装置。 - 前記移動画像読取部は、原稿の表裏面のそれぞれを第2原稿台を経由して順次搬送する両面画像読取機能を備え、
前記基準画像形成処理は、用紙の表裏面のそれぞれに表面用第1基準画像及び裏面用第1基準画像を形成する処理であり、
前記第1補正用画像読取処理は、前記第1原稿台上の適正な位置に載置された用紙の表裏面の少なくとも一方の画像を、第2基準画像とともに第1補正用画像として読み取る処理であり、
前記第2補正用画像読取工程は、前記第2原稿台を経由して表裏面を反転して搬送される用紙の表裏面のそれぞれの画像を、表面用第2補正用画像及び裏面用第2補正用画像として読み取る処理であり、
前記移動画像読取部誤差測定処理は、前記画像形成部における画像形成位置の誤差及び画像形成倍率の誤差と前記表面用第2補正用画像における表面用第1基準画像及び前記裏面用第2補正用画像における裏面用第1基準画像に基づいて前記移動画像読取部における表面画像読取時及び裏面画像読取時の画像読取位置の誤差及び画像読取倍率の誤差を測定する処理である請求項6に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)
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JP2007163854A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-28 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2012080228A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置及び読取終了タイミング調整方法 |
JP2014155188A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Canon Inc | スキャナおよびプリンタの複合機、および搬送誤差補正方法 |
-
2003
- 2003-06-12 JP JP2003168060A patent/JP2005003984A/ja active Pending
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