JP5074060B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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一方,特許文献1には,感光体ドラム上の静電潜像の電位を検出し,その検出された電位に基づいて,露光装置により照射される光量を複数のブロック毎に調整する画像形成装置が示されている。このような構成によれば,前記感光体ドラムの帯電特性のバラツキに起因して生じる静電潜像の階調のムラを防止することができる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,露光装置により照射される光量を感光体ドラムの帯電特性に基づいて調整することのできる画像形成装置の装置サイズの小型化やコストの低減を図ることにある。
本発明によれば,前記帯電特性記憶手段に予め記憶された前記帯電特性に基づいて前記露光手段により照射される光量が調整されるため,前記像担持体の帯電特性を検出するための手段を必須とする従来装置に比べて構成要素を省略することができ,装置サイズの小型化やコストの低減を図ることができる。もちろん,前記帯電特性に基づいて前記露光手段により照射される光量が調整されるため,前記帯電特性のバラツキに起因して発生する画像の濃度ムラを防止することができる。
また,一般的な前記画像形成装置では,前記前記一の操作ライン上の前記静電潜像の形成領域の終端における光量と,前記次の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域の始端における光量との階調差が大きければ,前記次の走査ラインの始端において,前記一の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域の終端の光量を前記次の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域の始端の光量まで変更した場合に,その始端部分の画像にスジが形成されるという問題が生じる。しかしながら,本発明によれば,前記静電潜像が形成される領域外において前記露光手段により照射される光量が変更されるため,前記次の操作ライン上の前記静電潜像の形成領域の始端における画像のスジの発生を防止することができる。
具体的に,前記露光手段により照射される光量の調整は,前記像担持体における静電潜像の形成領域を複数に分割した分割領域毎に行うことが考えられる。
例えば,前記帯電特性記憶手段に全ての前記分割領域中の一部をなす部分領域の帯電特性を記憶しておき,前記部分領域の帯電特性に基づいて該部分領域に対応する前記分割領域を除く全ての前記分割領域の帯電特性を算出することが考えられる。この場合には,前記部分領域に対応する前記分割領域を除く前記分割領域の帯電特性を前記帯電特性記憶手段に記憶させておく必要がないため,該帯電特性記憶手段の記憶容量を削減することができる。また,前記帯電特性記憶手段に記憶される前記像担持体の帯電特性の測定時の作業の手間も軽減される。
そこで,隣接する前記分割領域の境界の階調差が,画像にスジが生じない程度の所定量以下となるように,前記露光手段により照射される光量を調整することが望ましい。より具体的には,前記露光手段の光量調整の分解能,即ち濃度調整の分解能が256階調である場合には,隣接する前記分割領域の境界の階調差が2階調以下となるように前記露光手段により照射される光量を調整することにより,画像のスジの発生を防止することができる。
また,例えば前記露光手段の光量調整の分解能,即ち濃度調整の分解能が256階調である場合には,隣接する前記分割領域の境界の階調差が2階調(所定量)以下となるように,前記露光手段により照射される光量を調整することにより画像のスジの発生を防止することができる。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの概略構成を示すブロック図,図2は前記画像形成装置Xに設けられた露光装置54の概略構成図,図3は前記画像形成装置Xに設けられた制御部1によって実行される光量調整処理の手順の一例を説明するためのフローチャート,図4は前記光量調整処理を説明するための図である。
まず,図1のブロック図を用いて,本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの概略構成について説明する。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xは,CPU及びROM,RAM等の周辺装置からなり前記ROMに格納された所定のプログラムに従った処理を実行することにより当該画像形成装置Xを統括的に制御する制御部1と,当該画像形成装置Xにおいて各種の情報の表示や入力操作を行う液晶ディスプレイ,タッチパネルなどの操作表示部2と,原稿台(不図示)に載置された原稿或いは自動原稿送り装置(ADF,不図示)により搬送された原稿の画像を読み取る画像読取部3と,前記画像読取部3によって読み取られた画像データ或いは外部から入力された画像データに対して各種の画像処理を施す画像処理部4と,不図示の給紙カセットから供給された用紙に前記画像データに基づいて画像を形成する画像形成部5と,を備えて概略構成されている。前記画像形成装置Xは,例えば複写機やファクシミリ装置,プリンタ装置,これらの複合機などである。
図2に示すように,前記露光装置54は,レーザ光を照射するレーザデバイス61と,図外の駆動モータによって回転駆動されることにより前記レーザデバイス61から照射されたレーザ光を前記感光体ドラム51の表面上に走査させるポリゴンミラー62(光走査手段の一例)と,前記ポリゴンミラー2により走査されるレーザ光を前記感光体ドラム51に導くレンズ63及び64と,前記ポリゴンミラー2により走査されるレーザ光の走査ライン上の端部に設けられた反射面65によって反射されたレーザ光を検知するレーザ光検知センサ66と,を備えて構成されている。
このとき,前記レーザ光の光量が,印字する画像に応じて前記制御部1によって調整されることにより,前記感光体ドラム51の表面上に静電潜像が形成される。具体的に,前記画像形成装置Xでは,前記レーザ光の光量が8ビットのデータで調整され,即ち256階調の濃度表現が可能である。なお,前記制御部1は,前記レーザ光検知センサ66による前記レーザ光の検知により静電潜像の書き出しタイミングを調整する。
また,前記画像形成装置Xでは,前記制御部1によって実行される後述の光量調整処理(図3のフローチャート参照)において,前記感光体ドラム51における静電潜像の形成領域A1(図4(b)参照)を29に分割した分割領域(図4(a)参照)毎に,前記露光装置54から照射されるレーザ光の光量が調整される。
このように,前記画像形成装置Xには,前記感光体ドラム51の帯電特性が予め記憶された前記帯電特性記憶部52が設けられており,前記制御部1によって実行される後述の光量調整処理(図3のフローチャート参照)では,前記帯電特性記憶部52から読み出された帯電特性に基づいて前記露光装置54により照射される光量が調整される。したがって,従来装置(例えば特許文献1参照)のように装置内において前記感光体ドラム51の帯電特性を測定,検出するための手段を設けておく必要がなく,装置サイズの小型化やコストの低減を図ることができる。
当該光量調整処理は,前記画像読取部2或いは外部から前記制御部1に画像データが入力されたときや,前記画像処理装置3で各種の処理が施された後の画像データが前記制御部1に入力されたときなどに,該制御部1によって実行される。ここに,かかる光量調整処理を実行するときの前記制御部1が光量調整手段に相当する。なお,当該光量調整処理は,前記画像処理部4によって実行されてもかまわない。この場合には,前記画像処理部4が前記光量調整手段に相当する。
まず,図3のフローチャートに示すように,当該光量調整処理のステップS1では,前記ドラムユニット50に設けられた前記帯電特性記憶部52に記憶された前記感光体ドラム51の帯電特性が,前記制御部1によって読み出される。ここでは,前記感光体ドラム51における前記部分領域P1〜P9の帯電特性が読み出される。
これにより,前記制御部1では,前記感光体ドラム51における静電潜像の形成領域を分割した29ブロックの分割領域全ての帯電特性が得られる。このように,前記部分領域P1〜P9の帯電特性だけを前記帯電特性記憶部52に予め記憶させておき,他の領域の帯電特性を算出するように構成すれば,該帯電特性記憶部52の記憶容量を削減することができ,また,前記感光体ドラム51の帯電特性の測定時の作業の手間を軽減することも可能である。
なお,前記感光体ドラム51の前記分割領域中の全ての領域についての帯電特性を前記帯電特性記憶部52に予め記憶させておくことも他の実施例として考えられ,この場合には,前記算出処理(S2)を実行する必要はない。
このように,前記画像形成装置Xでは,前記ドラムユニット50に設けられた前記帯電特性記憶部52に記憶された前記感光体ドラム51の帯電特性に基づいて前記光量が調整されるため,前記感光体ドラム51における帯電特性のバラツキに起因する濃度ムラの発生を防止することができる。また,前述したように,前記感光体ドラム51の帯電特性を測定,検出するための手段を設けておく必要がないため,装置サイズの小型化やコストの低減を図ることができる。
そのため,当該光量補正処理では,続くステップS4において,前記光量の補正後に,隣接する前記分割領域の境界の階調差が2階調以下になっているか否かが前記制御部1によって判断される。ここで,前記階調差が2階調よりも大きいと判断された場合(S4のNo側)には,処理はステップS5に移行し,2階調以下であると判断された場合には,処理はステップS6に移行する。
前記ステップS5では,前記制御部1によって,前記境界の階調差が2階調以下になるように,その境界を形成する分割領域のいずれか一方又は両方における前記露光装置54の光量が補正される。例えば,図4(d)に示すように,3階調の補正が,2階調と1階調の2段階に分けて行われる。このように,前記露光装置54により照射される光量を急激に変化させるような補正を阻止することにより,前記分割領域の境界部分における画像のスジを防止することができる。なお,本実施の形態では,前記境界の階調差を2階調以下に設定しているが,この階調数は,当該画像形成装置Xにおける表現可能な階調数(ここでは256階調)に応じて適宜設定すれば良い。
そのため,当該光量調整処理では,ステップS6において,その補正後の光量が,前記レーザ光検知センサ66で検知可能な所定の光量以上であるか否かが前記制御部1によって判断される。
ここで,前記補正後の光量が前記所定の光量以下であると判断された場合(S6のNo側)には,処理はステップS7に移行し,所定の光量よりも大きいと判断された場合には,処理はステップS8に移行する。
前記ステップS7では,前記制御部1によって,前記補正後の光量が前記所定の光量以上になるように前記露光装置54の光量が補正される。したがって,前記制御部1によって行われる前記静電潜像の書き出しタイミングの判断を正常に行うことができる。
一方,1ページ分の画像データにおける光量補正が終了したと判断された場合には,当該光量調整処理は終了され,前記画像形成部5による画像形成処理が開始される。
このように,前記光量調整処理の実行後に前記画像形成部5により実行される前記画像形成処理では,前記光量調整処理において調整された前記部分割域毎の帯電特性に応じて調整された光量のレーザ光の照射が行われるため,帯電特性のバラツキに起因する濃度ムラが生じない。しかも,前記分割領域各々の境界における階調差が2階調以下となるように調整されているため,該境界部分の画像にスジが生じることもない。
そして,前記光量に大きな差が生じた場合には,前記次の走査ラインの始端部分において前記露光装置54により照射されるレーザ光の光量を大きく変化させる必要があるため,該始端部分の画像にスジが生じるおそれがある。
このように,前記静電潜像が形成されることのない非形成領域A2において,連続する走査ラインの始端の光量が略同一となるように前記露光装置54により照射される光量を調整することにより,前記静電潜像の形成領域A1の始端部分の画像にスジが発生することを防止することができる。
ここに,図5は前記露光装置54への電力供給経路を示す電気回路のブロック図,図6は光量調整手法の具体例を説明するためのグラフである。
図5(a)に示すように,電力制御回路Z1では,前記制御部1が,レーザ光の光量を示す8ビット(256階調)のシリアル信号をD/Aコンバータ71に入力することにより,該D/Aコンバータ71では,電源72から前記露光装置54のレーザデバイス61への供給電力が前記シリアル信号に基づいて制御される。これにより,前記露光装置54のレーザデバイス61から照射されるレーザ光の光量が調整される。ここに,かかる調整を実行するときの前記制御部1が光量調整手段の一例である。
具体的に,図6(a)に示すように,前記実施の形態で説明した図4(d)と同じくレーザ光の光量を調整して階調補正を行う場合には,図6(b)に示すように,前記D/Aコンバータ71から前記レーザデバイス61に印加される電圧値が変化する。
このとき,前述したように,前記レーザデバイス61から照射されるレーザ光の光量は,隣接する前記分割領域の境界の階調差が2階調以下になるように補正されるため,前記分割領域の境界部分における画像のスジは防止される。但し,前記電力制御回路Z1では,図6(b)に示すように,前記レーザデバイス61に印加される電圧値が,レーザ光の光量を調整するために必要な分だけ急に立ち上げられ,或いは急に立ち下げられる。そのた,2階調以下の補正分の小さい変化量ではあるが,前記分割領域の境界部分における電圧値が急に変化することになる。
前記積分回路73は,例えば抵抗(R)とコンデンサ(C)を用いたCRローパスフィルタであって,時定数に応じて入出力特性(電圧変化の傾き)が変化するものである。なお,前記積分回路73は,CRローパスフィルタに限られず,オペアンプを用いた積分回路など,従来周知の他の積分回路を用いればよい。
このように構成された前記電力制御回路Z2では,図6(c)に示すように,前記D/Aコンバータ71から出力された電力は,前記積分回路73によって積分されて前記レーザデバイス61に供給される。即ち,前記レーザデバイス61に印加される電圧値の変化時,その傾きは小さく緩やかなものとなる。したがって,前記レーザデバイス61から照射されるレーザ光の光量を,隣接する前記分割領域の境界の階調差が2階調以下になるように補正する際に,その光量の急な変化をより少なくすることができ,前記分割領域の境界部分におけるより細かい画像のスジの発生を防止することができる。
2…操作表示部
3…画像読取部
4…画像処理部
5…画像形成部
50…ドラムユニット(像担持体ユニット)
51…感光体ドラム(像担持体の一例)
52…帯電特性記憶部(帯電特性記憶手段の一例)
53…帯電装置(帯電手段の一例)
54…露光装置(露光手段の一例)
55…現像装置
56…転写装置
57…定着装置
61…レーザデバイス
62…ポリゴンミラー(光走査手段の一例)
63,64…レンズ
65…反射面
66…レーザ光検知センサ
S1,S2,,,…処理手順(ステップ)番号
Claims (8)
- 少なくとも像担持体を有してなり,当該画像形成装置に装着される像担持体ユニットと,前記像担持体を帯電させる帯電手段と,前記帯電手段により帯電された前記像担持体に光を照射することにより該像担持体に静電潜像を形成する露光手段と,前記露光手段により照射される光量を調整する光量調整手段と,を備えてなる画像形成装置であって,
前記像担持体ユニットに,前記像担持体の帯電特性が予め記憶された帯電特性記憶手段が設けられてなり,
前記露光手段が,照射する光を一の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域の始端から終端まで走査した後,次の走査ラインについて同様に走査を行う光走査手段を含んでなり,
前記光量調整手段が,前記光走査手段による前記一の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域に対する走査と前記次の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域に対する走査との間の時間に,前記次の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域の始端の光量が前記一の走査ライン上の前記静電潜像の形成領域の始端の光量と略同一になるように,前記帯電特性記憶手段に記憶された前記帯電特性に基づいて前記露光手段により照射される光量を調整するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電特性が,明電位,暗電位及び半減露光量のいずれか一又は複数を含むものである請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記光量調整手段が,前記像担持体における静電潜像の形成領域を複数に分割した分割領域毎に,前記露光手段により照射される光量を調整するものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記帯電特性記憶手段に,全ての前記分割領域中の一部をなす部分領域の帯電特性が記憶されてなり,
前記光量調整手段が,前記部分領域の帯電特性に基づいて該部分領域に対応する前記分割領域を除く全ての前記分割領域の帯電特性を算出する帯電特性算出手段を含んでなる請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記光量調整手段が,隣接する前記分割領域の境界の階調差が所定量以下となるように前記露光手段により照射される光量を調整するものである請求項3又は4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記光量調整手段による前記露光手段の光量調整の分解能が256階調であって,
前記光量調整手段が,隣接する前記分割領域の境界の階調差が2階調以下となるように前記露光手段により照射される光量を調整するものである請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記光量調整手段が,前記露光手段に供給される電力を調整することによって,該露光手段により照射される光量を調整するものであって,
前記露光手段への電力の供給経路に電圧を緩やかに変化させるための電気回路が設けられてなる請求項5又は6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記電気回路が積分回路である請求項7に記載の画像形成装置。
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