JP2000029143A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2000029143A
JP2000029143A JP10191855A JP19185598A JP2000029143A JP 2000029143 A JP2000029143 A JP 2000029143A JP 10191855 A JP10191855 A JP 10191855A JP 19185598 A JP19185598 A JP 19185598A JP 2000029143 A JP2000029143 A JP 2000029143A
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optical filter
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Takashi Shiyouji
たか志 荘司
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光検出器及び記録材料の分光感度特性がフラ
ットでなくても、記録材料の濃度を一定に保つことがで
きる半導体レーザ装置を提供する。 【解決手段】 半導体レーザ素子50から出射された光
ビームLを記録材料Aに照射すると共に、出射された光
ビームLの一部を検出する光検出器59を備え、光検出
器59の出力を半導体レーザ素子50にフィードバック
して光量制御を行う半導体レーザ装置において、記録材
料Aの分光感度特性と、光検出器59の分光感度特性の
双方に対応した分光透過率特性を有する光学フィルタ5
8aを用いて光量調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
を用いた半導体レーザ装置に関し、特に光検出器及び記
録材料の分光感度特性に応じて記録材料への照射光量を
補正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルジオグラフィーシステム、C
T、MR等の医療用の画像を記録する各種画像記録装置
が実用化されている。この種の画像記録装置は、光源と
してレーザ光源を用いており、感光体として、例えばフ
ィルム上に熱現像感光材料をコーティングした記録材
料、又は汎用化されているハロゲン化銀・ゼラチン乳剤
等の湿式現像感光材料をコーティングした記録材料を用
いている。このような構成とすることにより、高解像度
の画像記録を可能にしている。しかし、レーザ光源から
の出力光を感度の高い記録材料に照射する場合は、感光
材料の感度の波長依存性が大きな問題となる。例えば、
半導体レーザ(以下LD:レーザダイオードと略記す
る)から出射されるレーザ光の波長は800nm前後で
近赤外領或にあるため、He−Neレーザ等の気体レー
ザ、或いは固体レーザと比較すると通常使用される記録
材料では感度が低くなる。
【0003】このため、LDをこの種の画像記録装置に
用いる場合は、記録材料を増感して使用することが多
い。しかし、たとえ増感を行っても画質の安定性や記録
材料の耐久性確保等の理由により分光感度を使用するレ
ーザ光波長域でフラットにすることができず、記録材料
は依然として波長依存性を呈することになる。この点に
関し、例えば特公昭63−60385号公報には、LD
の環境温度変化等によるレーザ光波長の変化に応じて光
量コントロールを行う半導体レーザ装置が開示されてい
る。これによれば、出射されるレーザ光をフォトダイオ
ード等の光検出器で検出してレーザ光源にフィードバッ
クすると共に、レーザ光の波長変化による記録材料の感
度変化をキャンセルする光学フィルタを光検出器の光路
前段に設け、常に適正な光量が記録材料に照射されるよ
うに補正している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
光検出器自体も分光感度特性を有しており、特に半導体
レーザであるLDに顕著なレーザ光源の波長変動が生じ
た場合、その波長変動域で光検出器の分光感度特性がフ
ラットでないために、実際の光量と検出値との間に差が
生じる。このように波長変動を有する光源を使用してい
る場合、光検出器の分光感度特性のために正確な光量制
御を行うことができないという問題があった。上記フィ
ードバック制御用の光検出器としては、シリコンフォト
ダイオードがよく用いられるが、このフォトダイオード
は一般的に赤外波長域で感度のピークを有する分光感度
特性を有している。そのため、LDの光量検出に使用さ
れる波長域においても波長依存性を有するため、高精度
のフィードバック制御が困難となり、記録される画像に
濃度変動等の画質劣化が生じる。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、光検出器及び記録材料の分光感度特性がフ
ラットでなくても、記録材料の濃度を一定に保つことが
できる半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1の半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子から出
射された光ビームを記録材料に照射すると共に、該出射
された光ビームの一部を検出する光検出器を備えた半導
体レーザ装置において、前記光検出器の分光感度特性と
前記記録材料の分光感度特性との双方に対応した分光透
過率特性を有する光学フィルタを用いて光量調整を行う
ことを特徴としている。
【0007】この半導体レーザ装置では、半導体レーザ
素子から出射された光ビームをビームスプリッタにより
光路を分岐させ、分岐された光路の光量を光検出器によ
り検出し、該光検出器の出力を前記半導体レーザ素子に
フィードバックして光源の光量制御を行うと共に、記録
材料と光検出器の分光感度特性に対応した分光透過率特
性を有する光学フィルタを光路の途中に設けることで、
記録材料及び光検出器の分光感度特性に応じた画像様の
露光量を記録材料に照射することができる。
【0008】請求項2の半導体レーザ装置は、前記光学
フィルタは、前記記録材料への照射光路から分岐された
前記光検出器への光路の前段に配置したことを特徴とし
ている。
【0009】この半導体レーザ装置では、光検出器と記
録材料の分光感度特性に対応した光フィルタを介して光
量が検出されるため、検出された光量に基づいて正確に
光源をフィードバック制御することができる。
【0010】請求項3の半導体レーザ装置は、前記光学
フィルタは、記録材料への照射光路上に配置したことを
特徴としている。
【0011】この半導体レーザ装置では、光検出器と記
録材料の分光感度特性に対応した光フィルタを介して記
録材料に露光されるため、各分光感度特性に応じて光量
が制御された後に光ビームが記録材料に照射されること
になる。
【0012】請求項4の半導体レーザ装置は、前記光検
出器の光路前段に配置した第1の光学フィルタと、記録
材料の照射光路上に配置した第2の光学フィルタとを備
え、第1の光学フィルタの分光透過率特性を光検出器の
分光感度特性に対応させると共に、第2の光学フィルタ
の分光透過率特性を記録材料の分光感度特性に対応させ
たことを特徴としている。
【0013】この半導体レーザ装置では、第1の光学フ
ィルタにより光検出器の分光感度特性に応じて光量が調
整され、第2の光学フィルタにより記録材料の分光感度
特性に応じて光量が調整される。また、異なる分光感度
特性を有する記録材料に記録する際は、第2の光学フィ
ルタのみ交換することで対処できるため、予め用意する
光学フィルタの数を低減し、装置間での互換性を確保す
ることができる。
【0014】請求項5の半導体レーザ装置は、前記半導
体レーザ素子は、波長が700nm以下の赤色光を発す
ることを特徴としている。
【0015】この半導体レーザ装置では、波長が700
nm以下の赤色光で記録材料に露光することができる。
【0016】請求項6の半導体レーザ装置は、前記光検
出器は、シリコンフォトダイオードにより光検出するこ
とを特徴としている。
【0017】この半導体レーザ装置では、シリコンフィ
とダイオードにより安価で安定した光検出が行える。
【0018】請求項7の半導体レーザ装置は、前記記録
材料は、パンクロ系感光材料であることを特徴としてい
る。
【0019】この半導体レーザ装置では、パンクロ系感
光材料に対して記録することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体レーザ
装置の各実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明す
る。まず、本発明の半導体レーザ装置を画像記録装置に
組み込んだ第1実施形態を説明する。図1は本実施形態
の画像記録装置の概略構成図である。図示したように画
像記録装置10は、湿式の現像処理を必要としない熱現
像感光材料又は感光感熱記録材料(以下、記録材料Aと
する)を用い、レーザ光である光ビームLによる走査露
光により記録材料Aを像様露光して潜像を形成した後に
熱現像を行って可視像を得る装置である。
【0021】この画像記録装置10は、記録材料Aの搬
送方向順に、記録材料供給部12と、幅寄せ部14と、
画像露光部16と、熱現像部18とから構成される。記
録材料供給部12は、記録材料Aを一枚ずつ取り出し
て、記録材料Aの搬送方向の下流に位置する幅寄せ部1
4に供給する部分であり、装填部22及び24と、前記
各装填部に配置される吸盤26及び28を有する記録材
料供給手段並びに供給ローラ対30及び32と、搬送ロ
ーラ対34及び36と、搬送ガイド38、40及び42
とを有して構成される。
【0022】装填部22及び24は、記録材料Aを収納
したマガジン100を所定位置に装填する部位である。
図示の例では、2つの装填部22及び24を有してお
り、両装填部には、通常、サイズの異なる(例えば、C
TやMRI用の半切サイズと、FCR(富士コンピュー
テッドラジオグラフィー)用のB4サイズ等)記録材料
Aを収納するマガジン100が装填される。 各装填部
22及び24に配置される記録材料供給手段は、吸盤2
6及び28によって記録材料Aを吸着保持して、リンク
機構等の公知の移動手段で吸盤26及び28を移動する
ことによって記録材料Aを搬送し、それぞれの装填部2
2及び24に配置される供給ローラ対30及び32に供
給する。
【0023】記録材料Aとしては、熱現像記録材料、感
光感熱記録材料等があり、パンクロ系の記録材料が用い
られる。熱現像感光材料は、少なくとも1本のレーザビ
ームのような光ビームによって画像を記録(露光)し、
その後熱現像して発色させる記録材料である。また、感
光感熱記録材料は、少なくとも1本のレーザビームであ
る光ビームによって画像を記録(露光)し、その後熱現
像して発色させる、あるいは、レーザビームのヒートモ
ード(熱)によって画像を記録し、同時に発色させて、
その後光照射で定着する記録材料である。また、記録材
料Aは、シート状に加工され、通常、100枚等の所定
単位の積層体(束)とされ、袋体や帯等で包装されてパ
ッケージ80とされている。
【0024】供給ローラ対30に供給された装填部22
の記録材料Aは、搬送ガイド38,40,42に案内さ
れつつ搬送ローラ対34,36によって、また供給ロー
ラ対32に供給された装填部24の記録材料Aは、搬送
ガイド40,42に案内されつつ搬送ローラ対36によ
って、それぞれ下流の幅寄せ部14に搬送される。
【0025】幅寄せ部14は、記録材料Aを、搬送方向
と直交する方向(以下、幅方向とする)に位置合わせす
ることにより、下流の画像露光部16における主走査方
向の記録材料Aの位置合わせ、いわゆるサイドレジスト
を取って、搬送ローラ対44によって記録材料Aを下流
の画像露光部16に搬送する部位である。幅寄せ部14
におけるサイドレジストの方法には特に限定はなく、例
えば、記録材料Aの幅方向の1端面と当接して位置決め
を行うレジスト板と、記録材料Aを幅方向に押動して端
面をレジスト板に当接させるローラ等の押動手段とを用
いる方法や、前記レジスト板と、記録材料Aの搬送方向
を幅方向で規制して同様にレジスト板に当接させる、記
録材料Aの幅方向のサイズに応じて移動可能なガイド板
等とを用いる方法等、公知の方法が各種例示される。幅
寄せ部14に搬送された記録材料Aは、上記のように幅
方向に位置合わせされた後、搬送ローラ対44によって
下流の画像露光部16に搬送される。
【0026】画像露光部16は、光ビーム走査露光によ
って記録材料Aを像様に露光する部位で、露光ユニット
46と副走査搬送手段48とを有して構成される。露光
ユニット46は、図2に示すように記録画像に応じて変
調した光ビームLを記録材料Aの幅方向である主走査方
向bに偏向して、所定の記録位置Xに入射させる公知の
光ビーム走査装置に、詳細は後述するが、出射された光
ビームの光量に基づいてフィードバック制御を行うフィ
ードバック制御部70を付加したものである。
【0027】具体的には、記録材料Aの分光感度特性に
応じた狭帯波長域の光ビームLを射出する半導体レーザ
素子としてのLD50と、記録画像に応じてLD50を
パルス幅変調して駆動することで記録画像様に光ビーム
を出射させるドライバユニット51と、LD50から出
射された光ビームLを整形するコリメータレンズ52
と、フィードバック制御部70への光路を分割するビー
ムスプリッタ53と、光源50から出射された光ビーム
の光量を検出し、検出された光量に基づいてフィードバ
ック制御を行うフィードバック制御部70と、光偏向器
であるポリゴンミラー54と、fθレンズ55と、立ち
下げミラー56とを有して構成される。LD50は、好
ましくは赤色のレーザ(波長700nm以下)を発する
もので、例えばAlGaInP等の半導体レーザ素子を
用いることができる。
【0028】尚、露光ユニット46には、これ以外に
も、ビームエキスパンダ、面倒れ補正光学系、光路調整
用ミラー等、公知の光ビーム走査装置に配置される各種
の部材が必要に応じて適宜配置されている。また、図示
の例ではモノクロの画像記録を行う装置で、露光ユニッ
ト46は光源50を1つのみ有するが、カラー画像の記
録に利用する際には、例えば、カラー感光材料のR
(赤)、G(緑)及びB(青)の分光感度特性に応じた
波長の光ビームを射出する3種の光源を有す露光ユニッ
トが用いられる。
【0029】ドライバユニット51は、記録画像に応じ
て光源50をパルス幅変調して駆動し、記録画像に応じ
てパルス幅変調された光ビームLを射出させる。LD5
0から射出された光ビームLは、ポリゴンミラー54に
よって主走査方向bに偏光され、fθレンズ55によっ
て記録位置Xで結像するように調光され、立ち下げミラ
ー56によって光路を変更されて記録位置Xに入射され
る。フィードバック制御部70は、ビームスプリッタ5
3から分岐して導入される光ビームを集光する集光レン
ズ57と、集光レンズ57の光路後段に配置され所定の
分光透過率を有する光学フィルタ58aと、光学フィル
タ58aを通過した光ビームの光量を検出する光検出器
59を備えて構成している。光検出器59としては、例
えばシリコンフォトダイオードを用いることができる。
このシリコンフォトダイオードは、赤外波長域に感度ピ
ークがあり、入力される光の波長によって出力が変化す
ることになる。
【0030】一方、副走査搬送手段48は、記録位置X
(走査線)を挟んで配置される一対の搬送ローラ対60
及び62を有するものであり、搬送ローラ対60及び6
2によって記録材料Aを記録位置Xに保持しつつ、前記
主走査方向と直交する副走査方向(図2中の矢印a方
向)に搬送する。ここで、前述したように記録画像に応
じてパルス幅変調された光ビームLは、主走査方向bに
偏向されているので、記録材料Aは光ビームによって2
次元的に走査露光されて潜像が記録される。
【0031】図示の例では、光源50を直接変調してパ
ルス幅変調を行う構成であるが、本発明はこれ以外に
も、バルス数変調を行う装置にも利用可能であり、ま
た、パルス変調を行う装置であれば、AOM(音響工学
変調器)等の外部変調器を用いた間接変調の装置にも利
用可能である。また、アナログ強度変調により画像記録
を行うようにしてもよい。
【0032】画像露光部16に搬送された記録材料A
は、光ビーム走査されるレーザー光等によって露光さ
れ、記録材料A上に潜像が形成された後、搬送ローラ6
4、66等によって熱現像部18へ搬送される。その
際、記録材料Aは、塵埃除去ローラ132によって裏面
及び表面の塵埃が除去される。
【0033】熱現像部18は、記録材料Aを加熱するこ
とにより、熱現像を行って潜像を可視像とする部位で、
加熱ドラム68と、エンドレスベルト70と、剥離爪7
2とを備えている。加熱ドラム68は、ハロゲンランプ
等の加熱用光源やヒータ等の熱源を内蔵するドラムで、
その表面が記録材料Aの熱現像温度に応じた温度に加熱
・保持されており、また、軸68aを中心に回転してエ
ンドレスベルト70と共に記録材料Aを挟持搬送する。
【0034】エンドレスベルト70は、ローラ74a,
74b,74c,74dの4つのローラに張架されて、
加熱ドラム68に巻き掛けられるようにして押圧されて
いる。剥離爪72は、記録材料Aを加熱ドラム68から
剥離するものであり、加熱ドラム68による記録材料A
の搬送に対応して、加熱ドラム68に軽く当接、離脱す
るように構成される。搬送ローラ対66によって熱現像
部18に搬入された記録材料Aは、エンドレスベルト7
0と、ローラ76、78とによって挟持搬送されて、加
熱ドラム68とエンドレスベルト70との間に搬入さ
れ、加熱ドラム68の回転に応じて搬送されつつ、加熱
ドラム68によって熱現像されて、露光によって記録さ
れた潜像が可視像となる。
【0035】記録材料Aの先端が剥離爪72の近傍に搬
送されると、剥離爪72が軽く加熱ドラム68に当接し
て、加熱ドラム68と記録材料Aとの間に侵人し、記録
材料Aを加熱ドラム68から剥離する。剥離爪72によ
って加熱ドラム68から剥離された記録材料Aは、装置
外に搬送されてトレイ79に排出され、一回の記録作業
を終了する。
【0036】次に、上記構成の画像記録装置における画
像露光部16のフィードバック制御を詳細に説明する。
記録材料Aの分光感度Sf(λ)は、記録材料Aの種類
によって異なり、例えば図3(a)に示す波長依存性を有
している。また、光検出器59の分光感度Sd(λ)も
図3(b)に示す波長依存性を有している。従って、一般
的に波長変動が比較的大きいとされるLD50において
は、光源50からの光の波長が経時的に変化し、記録材
料Aや光検出器の分光感度特性が光源の波長変動範囲で
フラットでないために、記録結果や検出結果にずれが生
じる。特に画像記録装置においては、このずれは記録画
像の品質に大きな影響を及ぼすことになる。
【0037】そのため、本実施形態においては光学フィ
ルタ58aの分光透過率を、図3(c)に示すように記録
材料Aの分光感度特性と光検出器59の分光感度特性の
双方を考慮して設定している。即ち、光学フィルタ58
aの分光透過率T(λ)は、(1)式で表される特性を
備えている。 T(λ)≒k・Sf(λ)/Sd(λ) (1) ここで、λは波長であり、Sf(λ)は記録材料Aの分
光感度であり、Sd(λ)は光検出器の分光感度であ
る。また、kは比例定数である。
【0038】光源50の波長λの変動範囲において、記
録材料Aの分光感度は図3(a)に示すように短波長側で
は高く、長波長側では低くなっている。従って、波長変
動範囲における短波長側では感度が高くなるため、光源
50の光量を減少制御する。一方、長波長側では感度が
低くなるため、光源50の光量を増加制御する。これに
より、記録材料Aの分光感度に応じた光ビームが記録材
料Aに照射されることになる。また同時に、光検出器5
9からの出力信号は、光検出器59の分光感度特性に基
づいて補正される。つまり、図3(b)によれば、波長変
動範囲における短波長側では感度が低くなり検出値が実
際より小さくなるため、光源50の光量の補正量を通常
より増加させる。一方、長波長側では感度が高くなり検
出値が実際より大きくなるため、光源50の光量の補正
量を通常より減少させる。これにより、検出器59の分
光感度特性に応じて光源50からの光量を正確に検出す
ることができ、以て、高精度のフィードバック制御が行
える。
【0039】尚、光学フィルタ58aは、ビームスプリ
ッタ53からの光軸に対し、所定角度θ傾けて配置され
ている。これは光学フィルタ58からの反射光の戻りを
防止するためのもので、周知のように反射光がLDに戻
されると複合共振器が形成され特性が不安定となるた
め、これを防止するために傾斜させている。
【0040】次に、フィードバック制御部の光学フィル
タを記録材料Aの照射光路上に配置した第2実施形態を
説明する。図4は本実施形態の光学系を示した概念図で
ある。本実施形態においては、ビームスプリッタ53と
ポリゴンミラー54とを結ぶ光路上に、光学フィルタ5
8bを所定角度θ傾けて配置している。この場合の光学
フィルタ58bの分光透過率T(λ)は、(2)式で表
される分光特性を備えている。 T(λ)≒k・Sd(λ)/Sf(λ) (2)
【0041】まず、光検出器59の分光感度特性の補正
について説明する。光検出器59からの検出信号は光検
出器59の分光感度特性に基づいた結果の光量信号であ
る。従って、図3(b)に示すように短波長側では光検出
器59の感度が低くなるため、検出値は実際の光量より
小さくなる。そのため、光源50は光量不足とみなされ
て光量の増加制御が行われる。ところが実際の光量は検
出値より大きいため、この増加分をキャンセルするため
に光フィルタ85bの透過率を低く設定する。また、長
波長側では光検出器59の感度が高くなるため、検出値
は実際の光量より大きくなり、光源50は光量過多とみ
なされて光量の減少制御が行われる。ところが実際の光
量は検出値より小さいため、この減少分をキャンセルす
るために光フィルタ85bの透過率を高く設定する。
【0042】即ち、光学フィルタ58bの分光透過率特
性を光検出器59の分光感度特性と同じ特性にすること
で、光ビームを光検出器59の分光感度特性に応じた光
量で記録材料Aに照射することができる。
【0043】次に、記録材料Aの分光感度特性の補正に
ついて説明する。光源50からの光ビームは記録材料A
の分光感度特性を考慮しない光量で出射されている。従
って、図3(a)に示すように短波長側では記録材料Aの
感度が高くなるため、光ビームをこのまま記録材料Aに
照射すると過剰な記録濃度で記録される。そこで、光フ
ィルタ85bの透過率を低く設定して露光量を制限す
る。また、長波長側では記録材料Aの感度が低くなるた
め、記録濃度が不足する、そこで、光フィルタ85bの
透過率を高く設定して露光量を相対的に増加させる。
【0044】即ち、光学フィルタ58bの分光透過率特
性を記録材料Aの分光感度特性を逆転させた特性にする
ことで、光ビームを記録材料Aの分光感度特性に応じた
光量で記録材料Aに照射することができる。このような
光学フィルタの分光透過率特性とすることで、フィード
バック信号は波長依存性がキャンセルされていないが、
光学フィルタ58bを通過させることにより、光検出器
59及び記録材料Aに対して波長に応じた光量に調光さ
れる。このため、光学フィルタ58bを介して記録材料
Aに照射される光は、結果的に記録材料A及び光検出器
59の分光感度特性に合致することになる。
【0045】次に、フィードバック制御部の光学フィル
タを記録材料Aの分光特性補正用と光検出器の分光特性
補正用とに分離して設けた第3実施形態を説明する。図
5は本実施形態の光学系を示した概念図である。本実施
形態においては、フィードバック制御部70の集光レン
ズの光路後段に光検出器の分光特性補正用光学フィルタ
(第1の光学フィルタ)58dを設けると共に、ビーム
スプリッタ53とポリゴンミラー54とを結ぶ光路上に
記録材料Aの分光特性補正用光学フィルタ(第2の光学
フィルタ)58cを設けている。この光検出器59の分
光特性補正用光学フィルタ58dの分光透過率特性は、
光検出器59の分光感度特性と同じ特性に設定され、ま
た、記録材料Aの分光特性補正用光学フィルタ58cの
分光透過率特性は、記録材料Aの分光感度特性と同じ特
性に設定されている。
【0046】従って、本実施形態においては、記録材料
A及び光検出器の分光感度特性に応じて記録材料Aに照
射される光ビームの光量が補正され、常に入力された画
像情報を忠実に再現することができる。また、画像記録
装置が使用する記録材料Aの分光感度特性に対応させる
には、単に記録材料Aの分光特性補正用光学フィルタ5
8cを交換するだけでよい。このため、記録材料Aの種
類に応じて予め用意する交換用の光学フィルタの種類を
極力減少させることができ、コスト低減が図れ画像記録
装置の調整作業をより簡便化することが可能となる。そ
して、異なる画像記録装置間でも記録材料Aの分光特性
補正用光学フィルタは共用でき、汎用性を持たせること
ができる。上記各実施形態においては、ドライシステム
による記録装置を例に取り説明したが、本発明はこれに
限定されることなく、ウエットシステムによる記録装置
に対しても同様に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体レ
ーザ装置によれば、光検出器の分光感度特性と、記録材
料の分光感度特性に対応した光学フィルタを光路の途中
に設けることにより、光検出器及び記録材料の分光感度
特性がフラットでなくても、光源からのレーザビームの
波長が変動した場合に光量制御を高精度に行うことがで
きる。以て、記録される画像品質を劣化させることなく
忠実に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ装置が搭載された画像記
録装置の概略図である。
【図2】画像記録装置の画像露光部の概略図である。
【図3】光検出器及び記録材料の分光感度特性と光学フ
ィルタの分光透過率特性を説明する図である。
【図4】本発明の第2実施形態における光学系を示す概
略図である。
【図5】本発明の第3実施形態における光学系を示す概
略図である。
【符号の説明】
16 画像露光部 46 露光ユニット 50 LD 51 ドライブユニット 52 コリメータレンズ 53 ビームスプリッタ 57 集光レンズ 58a,58b,58c,58d 光学フィルタ 59 光検出器 70 フィードバック制御部 A 記録材料 λ 光源の波長 Sf(λ) 記録材料の分光感度 Sd(λ) 光検出器の分光感度 T(λ) 光学フィルタの分光透過率

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ素子から出射された光ビー
    ムを記録材料に照射すると共に、該出射された光ビーム
    の一部を検出する光検出器を備えた半導体レーザ装置に
    おいて、 前記光検出器の分光感度特性と前記記録材料の分光感度
    特性との双方に対応した分光透過率特性を有する光学フ
    ィルタを用いて光量調整を行うことを特徴とする半導体
    レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記光学フィルタは、前記記録材料への
    照射光路から分岐された前記光検出器への光路の前段に
    配置したことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記光学フィルタは、記録材料への照射
    光路上に配置したことを特徴とする請求項1記載の半導
    体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記光検出器の光路前段に配置した第1
    の光学フィルタと、記録材料の照射光路上に配置した第
    2の光学フィルタとを備え、第1の光学フィルタの分光
    透過率特性を光検出器の分光感度特性に対応させると共
    に、第2の光学フィルタの分光透過率特性を記録材料の
    分光感度特性に対応させたことを特徴とする請求項1記
    載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体レーザ素子は、波長が700
    nm以下の赤色光を発することを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれか1項記載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記光検出器は、シリコンフォトダイオ
    ードにより光検出することを特徴とする請求項1〜請求
    項5のいずれか1項記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記記録材料は、パンクロ系感光材料で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1
    項記載の半導体レーザ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006013443A (ja) * 2004-05-27 2006-01-12 Sunx Ltd レーザ光出射装置およびその製造方法並びに光電センサおよびその製造方法
JP2015085097A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 富士フイルム株式会社 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
JP6466036B1 (ja) * 2018-02-22 2019-02-06 三菱電機株式会社 レーザ発振装置

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