JP4160698B2 - たこ焼用粉 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、焼成しやすく、見かけがよく、冷凍後再加熱しても優れた食感を有するたこ焼の製造を可能にするたこ焼用粉に関する。
【0002】
【従来の技術】
水に溶いた小麦粉に、刻んだタコ、乾しエビ、ネギ、紅ショウガなどを加え、鉄製の型に流しこんで球形に焼きあげて製造されるたこ焼は、元来、大阪の郷土料理菓子の一つであったが、手軽さと独特の風味などが好まれて、現在では老若男女を問わず最も広く賞味される食物の一つとなってきている。
【0003】
しかし、咋今のように飽食の時代になると他の食品と同じようにたこ焼についても食感及び外観に対しての要望が厳しくなっている。
【0004】
食感としては、表面がパリッとして歯ざわりが良好で、内部をクリーミーにすることで口溶けをよくした食感が好まれるようになっている。さらに、調理済みのたこ焼を冷凍保存し、電子レンジなどで再加熱して食するケースが増えており、冷凍品を再加熱しても焼きたて時と同じような食感が要求されるようになっている。
【0005】
また、食感がよくても、外観が悪いとそれだけで敬遠されて喫食するまでにいかないケースも多い。食品それぞれに好ましいとされる外観があり、たこ焼の場合には、ふくらみのある見かけが好まれる。その際、焼成時にふくらみのあることに加えて、冷却しても縮みの少ないことが必要とされる。ふくらみの少ない冷凍品を再加熱してもやはりふくらみが小さくなる。
【0006】
また、食品を製造する上で、調理を容易にすることが重要で、たこ焼の場合には加熱時の裏かえし操作が問題となる。型に流しこんだ生地がかたまってきたら裏返し、裏返した面もかたまりだしたら、回転させて球形に焼きあげていくが、裏返しがスムーズにいかないと作業性が悪くなって数がこなせなくなると共に、形も悪くなる。
【0007】
一般にたこ焼は、小麦粉を原料として製造し、加熱時の裏かえしは容易で、焼成時のふくらみも比較的容易で、冷却時の縮みもあまりなく、食感も割合良好であるが、一度冷凍すると電子レンジなどで再加熱しても焼きたて時の食感とは全く異なるものであった。
【0008】
これらに対して、たこ焼の主原料である小麦粉が澱粉質であることから、澱粉及び澱粉質を含む物質を使用して、たこ焼の品質を改善する為の提案がなされており、例えば特開平06−86658号では、澱粉(好適には小麦澱粉)100重量部に対して、大豆蛋白粉10〜50部及びグルコノデルタラクトン1〜10部を原料中に配合し、明石風たこ焼を得る方法が、また、特開平06−62813号に於いては、小麦粉、油脂及び澱粉エーテルの混合物を主原料とするたこ焼き用ミツクス及びこれを使用するたこ焼の製造法が開示されており、、特開平06−277011号では、小麦粉とコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカデンプン、馬鈴薯デンプンなどの澱粉を原料とするハイドロキシプロピプロピル化デンプンを含有するたこ焼用プレミックスが開示されており、また特開平11−46874号によれば、小麦粉を主原料とした溶練物に米飯品100重量部を混入させ、適宜具を加えて、焼き上げるか又は冷凍後焼き上げ、必要に応じて凍結してなるたこ焼、お好み焼又はこれらに類似した食品が提案されている。
【0009】
特開平06−86658号では焼きたてのソフトなふっくらとした食感が冷凍後電子レンジで加熱することで復元する旨記載されているが、大豆蛋白粉特有の臭いがあったり、小麦粉由来の風味のないたこ焼である。特開平06−62813号や特開平06−277011では、プレミックスに澱粉エーテルを存在させること、また特開平11−46734号では米飯品として米飯粥状物、破砕米炊飯物米飯などを用いることで、やきたて時や冷凍後も良好な食感が得られるとしているが、口溶けに関しては必ずしも良好なものでなかった。
【0010】
澱粉質以外のものとして、特開平07−79555号により、乳酸ナトリウム5〜50重量%、糖(アルコール)0〜35重量%、HLB12以上のポリグリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤0.1〜20重量%、水分30〜90重量%で構成される組成物を小麦粉や米粉に1〜5重量%添加する澱粉系食品が提案されており、また特開平11−9173号では米麹、アラビヤガム、グァーガム、カラギナン、キサンタン、ジェランガム、デキストランから選択される1種以上の増粘多糖類、デキストラン及び/または蔗糖から選択される糖類、さらに好ましくは食物繊維からなる食品用品質改良剤が開示されている。
【0011】
特開平07−79555号では、界面活性剤等を使用することによって、でん粉の老化をおさえてケーキ、ホツトケーキ、たい焼、たこ焼、饅頭、団子等の食品を冷凍後解凍して室温乃至冷蔵保存後もしっとり感などの食感をもたせ得られるとしているが、界面活性剤を使用しては味覚が悪くなるし、特開平11−9173号では、該食品品質改良剤を、小麦粉、米粉又は澱粉を主原料とするパン、饅頭、たこ焼、ピザ等の加熱食品に対して0.01〜0.02重量%添加することで、該食品の柔軟性、膨らみ等の形態的特性や食品の味等の官能的な品質を向上させ、冷凍し、電子レンジで解凍後の物性も良好としているが、必ずしも充分といえるものではなかった。
【0012】
さらに、上記のような提案の何れもが、たこ焼の場合に於ける加熱時の裏返しのような食品製造時の問題についての考慮がなく、その記載もしていない。
【0013】
尚、食感に関して、本出願者も小麦粉100重量部と可溶性澱粉3〜20重量部よりなるたこ焼用粉(特開平10−150957号)を既に提案し、焼成時も冷凍後再加熱しても外側はパリッとして歯ざわりが良好、内部はクリーミーで口溶けが良好なたこ焼の製造を可能にしたが、裏返しなど焼成時の問題やふくらみについては改善の余地が残されていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、焼成を容易にし、ふくらみのある見かけを保持し、焼き上げ時も冷凍後に再加熱しても優れた食感を有するたこ焼の製造を可能にするたこ焼用粉の提供にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる現状に鑑み、本発明の課題を解決すべく鋭意検討した結果、たこ焼用粉として、特定冷水膨潤度のα‐化澱粉を特定割合で含有させる事で、本発明の課題が解決される事を見出して本発明を完成した。
【0016】
即ち、小麦粉98.0〜99.5重量部と冷水膨潤度5〜15のα‐化澱粉0.5〜2.0重量部からなるたこ焼用粉である。
【0017】
本発明でいうたこ焼とは、主原料の粉として小麦粉を水又はだし汁に溶き、卵や調味料を加えて生地をつくり、これに刻んだタコ、乾しエビ、ネギ、紅ショウガなどの具材を加え、たこ焼機の型に入れ、焼きあげて製造されるものを総称し、たこ焼機の種類や窪みの形などによって、たこ焼の形状が決定さるが、通常は球状、或は半円状にする場合が多い。尚、具材としてタコのみを用いる明石焼も本発明のたこ焼に包含する。
【0018】
本発明に使用するα‐化澱粉とは、澱粉を水の存在下に加熱し、糊化(α化)し、乾燥した澱粉を指称し、常温の水で膨潤する特性を有するもの全てが使用出来るが、たこ焼の膨らみをより大きくしたり、歯ざわりを改善する効果が大きいと言う点で、冷水膨潤度5〜15程度のものを使用する。α‐化澱粉を製造する為の澱粉としては、小麦澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、米澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチやサゴ澱粉等の天然澱粉やそれらをエステル化、エーテル化、架橋、或はそれらの組み合せ等の処理をした加工澱粉等が例示され、澱粉乳をドラムドライヤーで処理して糊化、乾燥する、或は少量の水を添加又は水を添加しない澱粉をエクスツル−ダで処理して膨化させる等の方法に依って、α‐化澱粉が製造される。尚、冷水膨潤度とは、試料1gを水100ccに分散せしめ、30分間30℃の恒温槽の中で攪拌して膨潤させた後、3000rpmで10分間遠心分離し、ゲル層と上澄み液に分け、ゲル層の重量をA、ゲル層を105℃で恒量になるまで乾固して重量を測定したものをBとし、A/Bで表示される。
【0019】
本発明に使用する澱粉分解物とは、澱粉を水に懸濁させ、次亜塩素酸ソーダ酸又は酸(例えば塩酸、硫酸等)を添加して、10重量%水溶液の粘度が5〜500cp程度に分解し、中和、水洗、脱水、乾燥して粉末状で得られる可溶性澱粉及び、澱粉に酵素(例:αアミラーゼ等)及び/又は酸(塩酸、蓚酸等)を添加し、ペースト状態で反応してDE10〜20程度まで分解し、必要に応じて脱色、脱イオンなどの精製をし、噴霧乾燥、ドラム乾燥などで粉末状にして得られるマルトデキストリンを意味する。尚10重量%水溶液の粘度は、200ccのビーカに該澱粉試料20gと水180gを秤取し、沸騰浴中で内容物を攪拌しながら90℃まで加熱後、蒸発水分を補充しながら30℃まで冷却し、B型回転粘度型の60rpmの回転数で測定した値である。
【0020】
かかる澱粉分解物を製造する澱粉としては、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチなどの市販の澱粉やそれらの澱粉をエステル化、或はエーテル化した加工澱粉などがあげられる。
【0021】
たこ焼用粉として、小麦粉を100%使用するたこ焼は、容器への付着等が少なくて加熱時の裏返しも容易で、ふくらみ感も割合あり、食感が焼きたて直後ではまずまずであるが、一度冷凍してこれを電子レンジなどで再加熱すると食感や風味が大幅に低下するし、本出願人が提案している特開平10−150957号の可溶性澱粉3〜20重量部よりなるたこ焼用粉を使用するたこ焼きは、冷凍後の再加熱でも良好な食感にすることを可能にしたが、焼成時の裏返しの問題やふくらみ等についてはそれほど考慮にいれてなかった。
【0022】
これに対して、本発明は、焼成しやすく、ふくらみのある見かけを有し、冷凍後再加熱しても焼き上げ時と同じように優れた食感を有するたこ焼の製造を可能にするα−化澱粉を含有するたこ焼用粉である。
【0023】
本発明のたこ焼用粉は、小麦粉とα‐化澱粉から構成されるたこ焼用粉であり、小麦粉とα‐化澱粉の比率を特に問題とし、小麦粉:α‐化澱粉=98.0〜99.5:0.5:2.0の重量比率からなるたこ焼用粉とする。
【0024】
たこ焼用粉100重量部中、α−化澱粉の割合が、0.2重量部未満ではふくらみや食感を改善する効果が弱く、5重量部を越えるとたこ焼の食感を悪くする。
【0025】
上記のような割合にしたたこ焼き用粉にすることで、焼成しやすく、焼成時もこれを冷却してもふくらみをもたせ、冷凍後に再加熱しても焼成時と同じように良好な食感を有するたこ焼になって当初の目的を果たしたが、さらに研究を続け、たこ焼用粉の構成成分を、小麦粉、α−化澱粉、澱粉分解物の3成分とすることで、さらに口溶けに優れたたこ焼を製造できるようになった。
【0026】
小麦粉とα−化澱粉の2成分からなるたこ焼粉においては、たこ焼用粉中のα−化澱粉の含量が0.5〜2重量部とすることで極めて焼成しやすく、ふくらみを最大にできるということに着目し、小麦粉、α−化澱粉、澱粉分解物の3成分からなるたこ焼用粉においてもα−化澱粉をこの割合で固定し、小麦粉と澱粉分解物の割合を検討した結果、澱粉分解物の種類によっても異なるが、小麦粉:α−化澱粉:澱粉分解物=88〜98.5:0.5〜2:1〜10の重量比率とする。
【0027】
たこ焼粉100重量部中の澱粉分解物の割合が1重量未満、又は10重量%を越えるような割合では、食感をより以上によく改善することが期待できにくくなる。さらに、澱粉分解物がDE10〜20のマルトデキストリンでは少ないめに、10重量%水溶液の粘度が5〜500cpの可溶性澱粉の場合は多いめに使用することが肝要である。
【0028】
本発明のたこ焼用粉は、焼成しやすく、ふくらみのある見かけにし、焼成時も冷凍後の再加熱でも良好な食感を有するたこ焼を可能にしたが、たこ焼以外にお好み焼のように小麦粉を主原料とする生地を使用して鉄板などで焼いてそのまま、或は冷凍後に電子レンジなどで再加熱しても良好な食感が要求される食品の製造に使用できる。
【0029】
次に本発明のたこ焼用粉をより明確にするために、本発明のたこ焼用粉を用いてたこ焼を製造する方法の一例を示す。
【0030】
小麦粉とα‐化澱粉を98〜99.5〜98.0の割合にしたたこ焼用粉、又小麦粉、α‐化澱粉、澱粉分解物を88.0〜98.5:0.5〜2.0:1〜10の割合にしたたこ焼用粉とする。次いでたこ焼用粉にグルコース、砂糖等の糖類、食塩、グルタミン酸等の調味料、砂糖等の糖類、卵、水、必要に応じてレシチン等の界面活性剤やパーム油等の油脂を添加してたこ焼用の生地とする。
【0031】
上記のたこ焼用生地を予め加熱しておいたたこ焼機の鉄板の窪みに添加し、タコ、ネギ、キャベツ、紅ショウガなど好みの具材を添加する。生地がかたまってきたら反転さす必要はあるが、上記のたこ焼用粉では鉄板への付着などは殆ど見られず、容易に反転できる。反転した面がかたまってきたら適宜回転しながら焼きあげてたこ焼とする。
【0032】
このようにして製造されるたこ焼は、ふくらみ感のある見かけを有し、そのまま食すると、表面はパリッとし、内部がクリーミーで口溶けのよいたこ焼となる。
【0033】
また、冷却しても殆ど縮みがみられず、そのまま冷凍し、冷凍後に電子レンジなどで再加熱するとふくらみのあるふっくらとした外観となり、良好な食感を有するたこ焼になった。
【0034】
以下に本発明をより詳細に説明するために、参考例、実施例でもって説明するが、これらの例において部とあるのは重量部を示す。
【0035】
【参考例1】
水120部に硫酸ソーダ10部、タピオカ澱粉100部を加えたスラリーを5点用意し、これらに攪拌下3%苛性ソーダ水溶液を加えてpH11.1〜11.3に維持しながら、トリメタリン酸ソーダ1.5部を添加し、39℃で10時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水した。脱水したケーキ、及びタピオカ澱粉を、それぞれ水に分散してボーメ21度の乳液とした。得られた乳液をダブルドラムドライヤー(蒸気内圧;5.0kg/cm2)に供給して、ドラム上でα-化し、解砕機で粗砕後粉砕し、α‐化澱粉とした。その際、α‐化澱粉の原料が、トリメタリン酸ソーダ処理した架橋タピオカ澱粉の場合には試料A、未処理のタピオカの場合には試料Dと明記し、それらの冷水膨潤度を表1に記載した。但し、試料A及びDは冷水膨潤度がそれぞれ本発明の範囲外の比較例である。
【0036】
また、松谷化学工業社製のα−化澱粉であるパインソフトB,マツノリン340をそれぞれ、試料B,試料Cと表記し、それらの冷水膨潤度を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【参考例2】
攪拌下にある水130部にワキシーコーンスターチを100部投入して分散させた澱粉スラリーを4点調製し、それぞれに次亜塩素酸ソーダ溶液(活性塩素約13%含有)を25部、12部、澱粉スラリーのpHを11±0.1、温度30±1℃で活性塩素がなくなるまで反応(オルトトルイジン溶液で確認)後、10%硫酸溶液で中和する。反応中のpHは3%水酸化ナトリウムで調節し、温度が上昇する場合には冷却して反応をコントロールする。中和後の澱粉スラリーを水洗、脱水、乾燥して得られた可溶性澱粉を可溶性澱粉1と可溶性澱粉2とし、30℃における10%粘度を表2に記載した。
【0039】
【表2】
【0040】
【実施例1】
α−化澱粉として、参考例1の試料A〜試料Dを使用し、小麦粉(日清製粉製、商品名:鶏)とα−化澱粉の表2の割合にしたたこ焼用粉を用いてたこ焼を製造した。その際、小麦粉のみよりなるたこ焼の場合を対照例、小麦粉とα−化澱粉を併用するたこ焼の場合を比較例、及び実施例とした。
【0041】
食塩1.8部、砂糖2.4部、グルタミン酸ソーダ2.4部を300部の水で溶解し、該当するたこ焼粉100部を添加し、泡立て器を用いてダマがなくなるまで混合した後、全卵6部を加えて混合し、たこ焼き用の生地とする。
【0042】
株式会社太幸製のたこ焼器(TS−284型 4連 ガス式 1連に28個の孔を有す)のガスバーナーを全開にして煙が出る程度までフライパンを加熱後、ガスバーナのコックをしぼり、フライパンにあたる程度の炎とした後、孔の部分に薄く油を引いてから、たこ焼用の生地を1種類につき8点ずつ流し込む。その上に天カス、刻んだネギや紅ショウガを適量、湯通しし、約3g程度になるように裁断したタコを一切れ入れる。尚、具材のそれぞれについて重量を正確に測定しないが、目分量でほぼ同じ程度の量になるようにして添加した。
【0043】
生地の表面が固まってきたら、裏返しにし、裏返した面がかたまってきたら千枚通しを用いてたこ焼を回転させ、わずかに表面にコゲ目がみられる程度まで焼きあげたたこ焼をたこ焼器より取り出した。その際、焼成が容易に行えるかどうかをみるために裏返しの状態を焼成適正としてチエックしておいた。
【0044】
得られたたこ焼のふくらみ具合いをすばやくチエックし、半数についてはそのまま食して食感として歯ざわりと口溶けを評価した。残りの半数については室温まで冷却して縮み具合いをチエックした後、−20℃の冷凍庫に1週間おいた後電子レンジで再加熱してから食感として歯ざわりを評価した。
【0045】
たこ焼の焼成適正、ふくらみ、食感については下記の基準で評価したが、その結果を表4に記載した。尚、表4において、歯ざわりと口溶けT、Mと表記した。
【0046】
焼成適正
○:裏返しが対照例と同じ程度に容易
×:裏返しが対照例ほど容易でない
ふくらみ
◎:焼成時及び冷却時のふくらみが対照例よりかなり大きい
○:焼成時及び冷却時のふくらみが対照例より大きい
△:焼成時も冷却時のふくらみが対照例と同じ程度
×:焼成時及び/又は冷却時のふくらみがが対照例より小さい
歯ざわりと口溶け
◎:対照例の焼きたて直後に比してかなり良好
○:対照例の焼きたて直後に比して良好
△:対照例の焼きたて直後とぼ同じ程度
×:対照例の焼きたて直後に比して悪い
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【実施例2】
実施例1で使用した小麦粉、α−化澱粉としてパインソフトB、澱粉分解物として、参考例2の可溶性澱粉1(30℃に於ける10%粘度が5.4cp)とTK−16(松谷化学製でDE約16のマルトデキストリン)を表5の割合で混合して、粉11〜粉15のたこ焼用粉を調製し、実施例1に準じてたこ焼を製造し、同じように評価した結果を表6に示す。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【実施例3】
実施例2において、TK−16をパインデックス#2(商品名、松谷化学工業製でDE約11のマルトデキストリン)に、可溶性澱粉1を参考例2の可溶性澱粉2(30℃における10%粘度が450cp)に変えて同じようにたこ焼を製造したところ、ほぼ同じような評価されるたこ焼が得られた。
【0053】
【実施例4】
小麦粉93部、パインソフトBを1部、可溶性澱粉6部を混合し、食塩2.5部、卵2.5部、昆布だし汁500部を添加して混合した生地を表面温度を約130℃に調節しておいたたこ焼器に入れ、その上にタコ約2.5部を添加し、焦げ目がつかないように注意しながら、10分間焼成して明石焼きを得た。得られた明石焼は、ふくらみがおおきく、口溶けに優れたものであった。
【0054】
また、焼成後、2週間冷凍し、電子レンジで再加熱したところ、焼きたてと同様に好ましい食感のものであった。

Claims (3)

  1. 小麦粉98.0〜99.5重量部とその冷水膨潤度が5〜15のα‐化澱粉0.5〜2.0重量部からなるたこ焼用粉。但し冷水膨潤度とは、試料1gを水100ccに分散せしめ、30分間30℃の恒温槽の中で攪拌して膨潤させた後、3000rpmで10分間遠心分離し、ゲル層の重量をA、ゲル層を105℃で恒量になるまで乾固して重量を測定したものをBとし、A/Bで表示される。
  2. 小麦粉88.0〜98.5重量部、その冷水膨潤度が5〜15のα‐化澱粉0.5〜2.0重量部及び澱粉分解物1〜10重量部からなる請求項1に記載のたこ焼用粉。
  3. 澱粉分解物がDE10〜20のマルトデキストリン、又は10%水溶液の粘度が5〜500cpの可溶性澱粉である請求項2に記載のたこ焼用粉。
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