JP4156772B2 - 平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版の素材であるウエブの表面へ合紙を貼り付け、この合紙の幅方向に沿った側端部を長手方向に沿って切断し、合紙を平版印刷版の幅に対応する幅に切断加工するための平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PS版等の平版印刷版の製造ラインでは、アルミニウム板等の金属支持体上に、例えば、砂目立て、陽極酸化処理、化成処理などの表面処理を単独又は適宜組み合わせて施し、次いで感光性組成物(この感光性組成物の中には感熱性組成物を含む)を塗布、乾燥して感光層を形成し、平版印刷版への加工素材である帯状のウエブを製造する。このウエブはロール状に巻き取られてウエブロールとして平版印刷版の製造ラインから加工ラインへ供給される。
【0003】
平版印刷版の加工ラインでは、ウエブロールから巻き出されたウエブの感光層表面、すなわち画像形成面へ静電接着等により帯状の保護用合紙(以下、単に「合紙」という。)を貼り付け、この合紙が貼り付けられたウエブの両側端部をそれぞれスリッタ装置により切り落とす。このとき、スリッタ装置は、ウエブの側端から所定の切捨幅だけ内側へ入った線(スリット予定線)に沿ってウエブ及び合紙を同時に切断する。これにより、ウエブにおける両側端部からは、それぞれ切捨幅の幅を有する帯状の切捨部が切り落とされる。ここで、ウエブの切捨幅は、平版印刷版の製品サイズやウエブに対するスリット数(幅方向に沿ったウエブの分割数)に応じて最小値である4mmから数十mmの範囲で変化する。また合紙は、通常、その幅がウエブの幅と略等しいものが使用され、その幅方向の中心(中心線)がウエブの幅方向の中心(中心線)と一致するように位置決めされ、ウエブへ貼り付けられる。
【0004】
スリッタ装置により両側端部から切捨部が切り落とされ、更に必要に応じて幅方向に沿って複数に分割(スリット)されたウエブは、カッタ装置によりその幅方向に沿って合紙と共に切断(カット)されて予め定められた製品サイズの平版印刷版に切断加工される。この合紙が貼り付けられた平版印刷版は、例えば、その出荷仕様により定められた所定の束枚数毎に積み重ねられると共に、最上部及び最下部にそれぞれ厚紙、段ボール等の保護シートが配置されてシート束とされる。このシート束は包装工程へ搬送され、クラフト紙等の外装紙により包装され、更に必要に応じて段ボール箱等の収納箱内へ収納されたり、又は出荷用のパレット上に積載されることにより、ユーザへ出荷可能な形態とされる。
【0005】
図5には、平版印刷版の加工ラインにおけるスリッタ装置が示されている。このスリッタ装置90には、ウエブ10の上面側にウエブ10及び合紙12を長手方向に沿って切断するための一対の剪断上刃14が設けられている。これら一対の剪断上刃14は、それぞれウエブ10の両端部付近に配置され、その軸方向に沿って位置調整可能とされている。またスリッタ装置90には、ウエブ10の下面側に一対の剪断上刃14とそれぞれ対となる一対の剪断下刃(図示省略)が設けられている。
【0006】
剪断上刃14及び剪断下刃は、予めウエブ10の側端から所定の切捨幅WEだけ内側に入った位置へ位置調整され、ウエブ10の長手方向(矢印L方向)に沿って下流側へ搬送されるウエブ10及び合紙12を挟み込んで長手方向に沿って切断(スリット)する。これにより、ウエブ10の両側端部からは、それぞれ切捨幅WEのウエブ切捨部16が切り落とされ、これと同時に、ウエブ切捨部16に貼り付けられている合紙12の両側端部もそれぞれ合紙切捨部18として切り落とされる。
【0007】
スリッタ装置90には、ウエブ10から切り落とされたウエブ切捨部16をチョッパ装置へ導くガイド機構(図示省略)が設けられており、このチョッパ装置は、細長い帯状のウエブ切捨部16を細かく裁断して金属屑を回収するための回収容器内へ排出する。
【0008】
一方、加工ライン30には、スリッタ装置90の僅かに下流側に一対の合紙回収装置20が設けられている。この一対の合紙回収装置20は、それぞれウエブ10両側端の外側へ配置されている。合紙回収装置20には、略L字状に屈曲された吸引パイプ22が設けられており、この吸引パイプ22の屈曲部には負圧を発生させるためのブロア26が接続されている。吸引パイプ22は、一方の開口端が合紙切捨部18の吸入口23とされ、また他方の開口端が回収容器28内へ合紙切捨部18を排出するための排出口24とされている。
【0009】
合紙回収装置20では、ブロア26を作動させて負圧を発生させると、吸引パイプ22内に吸入口23から外気を吸入すると共に吸入した外気を排出口24から排出させるような気流が発生する。これにより、ブロア26の作動時にスリッタ装置90により合紙12から切り落とされた合紙切捨部18の先端部を吸入口23付近へ導くと、合紙12から切り落とされる合紙切捨部18を吸引パイプ22内へ連続的に吸入し、その合紙切捨部18を回収容器28内へ排出できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スリッタ装置90により切り落とされる合紙切捨部18の切捨幅WEの設定が小さいと、合紙回収装置20による合紙切捨部18の回収時に合紙切捨部18が破断し、この破断後に合紙12から新たに切り落とされる合紙切捨部18を吸引パイプ22内へ吸入できなくなることがある。
【0011】
例えば、切捨幅WEが4mmに設定され、ウエブ10の幅と合紙12の幅が一致している場合には、ウエブ10へ貼付時に合紙12の中心とウエブ10の中心が一致していれば、合紙切捨部18も切捨幅WEと等しい4mm幅となり、合紙回収装置20により安定して回収可能となる。しかし、合紙12がウエブ10に対して蛇行すると、一対の合紙切捨部18の一方には、必ず幅が4mm未満となる部分が生じる。このよう合紙12の蛇行は、エッジセンサ等を用いて合紙12の幅方向における位置制御を厳密に行っても、少なくとも0.5mm程度は不可避的に生じる。従って、切捨幅WEが4mmに設定された場合、合紙切捨部18には幅が3.5mm以下となる部分が生じてしまい、このような幅が3.5mm以下の部分は、吸引パイプ22からの負圧が合紙切捨部18へ作用すると容易に破断してしまう。この破断して吸引パイプ22内へ吸入できなくなった合紙切捨部18は、スリッタ装置90の剪断上刃14の回転軸に巻き付いたり、また平版印刷版の束内に異物として混入するなどのおそれがある。
【0012】
上記のように切捨幅WEの設定が小さい場合における合紙切捨部18の破断を防止するためには、例えば、ウエブ10の幅に対して合紙12の蛇行量以上幅が広い合紙12を用いればよい。これにより、合紙切捨部18の幅として常に4mmを確保できるので、吸引パイプ22からの負圧を受けたときにも合紙切捨部18の破断が生じなくなる。しかし、ウエブ10の幅及び切捨幅WE、合紙12の蛇行量等に応じて合紙12の幅を変更すると、平版印刷版の加工ラインへ装填する合紙12の種類及び交換頻度が増加することから、作業負荷が増大すると共に合紙12のコストが高騰するという問題が生じる。
【0013】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、ウエブへ貼り付ける合紙の種類を増加することなく、ウエブへ貼り付けられた合紙の両端部から切り落とされる合紙切捨部の幅を十分広くし、この合紙切捨部を回収する際の破断を確実に防止できる平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の平版印刷版用保護紙の貼付・スリット方法は、平版印刷版の素材である帯状のウエブへ合紙を貼り付け、この合紙の幅方向に沿った側端部を長手方向に沿って切断し、合紙を平版印刷版の幅に対応する幅に切断加工するための平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法であって、合紙を、その幅方向における中心がウエブの中心に対して幅方向に沿って片側へオフセットされるように位置決めする位置決め工程と、前記位置決め工程にて位置決めされた合紙をウエブの表面へ貼り付ける貼付工程と、前記貼付工程にてウエブの表面へ貼り付けられた合紙及びウエブを、該ウエブの一側端から所定の切捨幅WEだけ内側に入ったスリット予定線に沿って切断するスリット工程と、を有し、前記位置決め工程では、合紙の一側端がウエブの一側端部に沿った前記スリット予定線に対して5mm以上外側に位置し、かつ合紙の他側端がウエブの他側端部に沿った前記スリット予定線の内側に位置するように、合紙をウエブに対して位置決めするものである。
【0015】
上記構成の平版印刷版用保護紙の貼付・スリット方法によれば、合紙に対する位置決め工程にて、合紙を、その幅方向における中心がウエブの中心に対して幅方向に沿って片側へオフセットされるように位置決めし、その時に、合紙の一側端がウエブの一側端部に沿ったスリット予定線に対して5mm以上外側に位置し、かつ合紙の他側端がウエブの他側端部に沿ったスリット予定線の内側に位置することにより、ウエブの一側端部を合紙の一側端部と共にスリット予定線に沿って切断(スリット)する際に、合紙の一側端部から切り落とされる合紙切捨部の設定幅として5mm以上の幅を確保できるので、ウエブに対する合紙の位置決め時の誤差が1mm以下であるならば、合紙切捨部の幅として安定的に4mm以上を確保できる。この結果、合紙の一側端部から切り落とされる合紙切捨部の長手方向に沿った強度を十分な大きさにできるので、負圧等を利用した回収装置により合紙切捨部を回収する際に、合紙切捨部が破断することを防止できる。
【0016】
また、幅方向に沿って合紙の他側端がウエブの他側端部に沿ったスリット予定線の内側に位置するように、合紙をウエブに対して位置決めすることにより、合紙の他側端部からは合紙がを切り落とされなくなるので、従来2台必要であった合紙切捨部の回収装置を1台とすることができ、設備の簡素化が可能になる。
【0017】
また、ウエブに対する合紙の位置決め精度が低かったり、ウエブに対する合紙の蛇行量が大きい場合には、前記位置決め工程にて、合紙の一側端からスリット予定線までの幅を5mmよりも大きく、例えば6mm以上となるように、合紙をウエブに対して位置決めするようにしてもよい。これにより、ウエブに対する合紙の誤差が大きい場合にも、合紙切捨部の幅として十分広い幅(例えば、4mm以上)を確保できるようになり、合紙切捨部を回収する際の合紙切捨部の破断を防止できる。また合紙として強度が低いものを使用する必要がある場合にも、スリット工程にて切断される合紙の一側端からスリット予定線までの幅が5mmよりも大きく設定することにより、回収時における合紙切捨部の破断を防止できる。
【0018】
また、上記したように合紙の他側端がウエブのスリット予定線より内側に位置するように合紙を位置決めすれば、合紙の他側端部から合紙切捨部を切り落とす必要がなくなるが、合紙の他側端が平版印刷版における画像形成領域の境界より内側に位置すると、平版印刷版における画像形成領域の一部を合紙により保護できなくなる。ここで、平版印刷版における画像形成領域は、平版印刷版の外周端から少なくとも10mm以上内側となるように設けられる。従って、平版印刷版における画像形成領域の一部が合紙からはみ出ることを防止するためには、前記位置決め工程にて、合紙の他側端がウエブの他側端から切捨幅WE内側に入ったスリット予定線とウエブの他側端から(切捨幅WE+10mm)内側に入った仮想画像端との間へ位置するように、合紙をウエブに対して位置決めすればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法について図面を参照して説明する。
【0020】
(実施形態の構成)
先ず、図1及び図2に示されている本発明の実施形態に係る合紙の貼付・スリット方法が適用される平版印刷版の加工ライン30について説明する。この加工ライン30の上流側(図1の右上側)には、図1に示されるようにウエブ10がロール状に巻き取られたウエブロール11が着脱可能に装填されたウエブ送出機32が配設されている。このウエブ送出機32は、ウエブロール11から平版印刷版の素材であるウエブ10を連続的に下流側へ送り出す。このウエブ10はレベラ34によりカールが矯正された後、圧着ローラ36に至る。圧着ローラ36はウエブ10の上面(画像形成面)に合紙送出機38から送られて来た合紙12を圧着する。このとき、ウエブ10へ圧着された合紙12は帯電装置(図示省略)により帯電されてウエブ10へ静電接着される。なお、本実施形態では、合紙12として、坪量が35g/m2、厚さが50μmとそれぞれ規格されたパルプ100%ものを使用している。但し、合紙12の厚さについては一般的な製造誤差が許容され、また坪量については30〜50g/m2の範囲内であれば実用上問題ない。
【0021】
一方、圧着ローラ36へ供給される合紙12は、図2に示されるように予めロール状に巻き取られた合紙ロール13として合紙送出機38へ装填されており、合紙送出機38は合紙ロール13から合紙12をウエブ10の搬送速度と等しい速度で連続的に圧着ローラ36へ供給する。合紙送出機38の下流側には、合紙ロール13から巻き出された合紙12を圧着ローラ36までガイドする複数本(図2では4本)のガイドローラ40が設けられており、これらのうち中間部に配置された2本のガイドローラ40は、図3に示されるように共通のローラフレーム42によりそれぞれ支持されている。このローラフレーム42は、2本のガイドローラ40の軸方向とそれぞれ直交し、かつ2本のガイドローラ40間に位置する軸心R1を中心として回転可能に支持されている。これにより、軸心R1を中心としてローラフレーム42を回転させれば、合紙12をローラフレーム42の下流側で幅方向に沿って位置調整することが可能になる。
【0022】
またウエブ送出機32の下流側にも、図2に示されるように複数本(図2では4本)のガイドローラ44が設けられており、これらのうち中間部に配置された2本のガイドローラ44は、合紙送出機38のガイドローラ40と同様に、共通のローラフレーム46によりそれぞれ支持されている。このローラフレーム46も、2本のガイドローラ44の軸方向とそれぞれ直交し、かつ2本のガイドローラ44間に位置する軸心R2を中心として回転可能に支持されている。これにより、軸心を中心としてローラフレーム46を回転させれば、合紙12の場合と同様に、ウエブ10をローラフレーム46の下流側で幅方向に沿って位置調整することが可能になる。
【0023】
圧着ローラ36の下流側には、図1に示されるようにノッチャー48が配置されている。このノッチャー48は、ウエブ10のスリット幅を変更する際にウエブ10における幅方向に沿った中央部及び両側端部をそれぞれ打抜き、ウエブ10の中央部及び両側端部にそれぞれ所定形状の開口部を形成する。これにより、ウエブ10の中央部及び両側端部にそれぞれ対応するように設けられたスリッタ装置51の剪断上刃14及び剪断下刃15(図2参照)が前記開口部内で軸方向へ移動可能となる。これにより、ウエブ10と合紙12とを同時に連続裁断しつつウエブ10の幅を変更できる。
【0024】
なお、ウエブ10の中央部に対応して配置された剪断上刃14及び剪断下刃15は、ウエブ10を幅方向に沿って2分割する場合にのみ使用され、ウエブ10を幅方向に沿って分割しない場合にはウエブ10を切断しない待機位置へそれぞれ保持される。また加工ライン30では、スリッタ装置51及びその周辺部材(図示省略)とで裁断ユニット50が構成されると共に、この裁断ユニット50が2組用意されている。これにより、剪断上刃14及び剪断下刃15の交換や位置調整等の段取作業を、ライン外の使用していない裁断ユニット50で行うことができ、加工ライン30のライン停止時間を最小限にすることが可能となっている。
【0025】
スリッタ装置51により所定のスリット幅に裁断されたウエブ10は、測長装置52により送り長がカウントされ、予め設定されたカウント値が測長装置52によりカウントされると、それに同期して走間カッタ54により切断される。これにより、予め設定されたサイズの平版印刷版84が製造される。
【0026】
平版印刷版84は、複数台のコンベア56からなる搬送路58により集積部60に送られ、この集積部60にて所定枚数積み重ねられて、集積束62が構成される。なお、保護シート供給ライン64から搬送路58へ所定のタイミングで段ボール等、厚紙等の保護シート66を供給することにより、集積部60に積載される集積束62の上下若しくは片側に、厚紙等からなる保護シート66を配置することが可能となる。
【0027】
集積束62は、複数台のコンベア68により所定の積替位置へ搬送され、この積替位置で積替装置69によりコンベア68からパレット70上へ積替えられる。この集積束62が積載されたパレット70は自動搬送装置72により包装工程に送られ、クラフト紙等の外装紙により包装された後、更に必要に応じて段ボール箱等の収納箱内へ収納されたり、又は出荷用のパレット上に積載されることにより、ユーザへ出荷可能な形態とされる。
【0028】
加工ライン30には、図2に示されるようにローラフレーム46と最も下流側のガイドローラ40との間にウエブ10の幅方向における中心(ウエブセンタ)を位置検出するためのポジションセンサ74が設けられ、また圧着ローラ36の僅かに上流側の位置にウエブ10一側端(ウエブエッジ)を位置検出するためのポジションセンサ76が設けられている。
【0029】
ここで、ポジションセンサ74からのセンタ検出信号はCPC(centerposition contor)機構78へ出力され、このCPC機構78は、センタ検出信号に従ってアクチュエータ(図示省略)を駆動してローラフレーム46を回転させることにより、ウエブ10をそのセンタが圧着ローラ36のセンタへ一致するように位置調整する。
【0030】
またポジションセンサ76からのエッジ検出信号は、EPC(edge position contor)機構80へ出力され、このEPC機構80は、エッジ検出信号に従ってアクチュエータ(図示省略)を駆動してローラフレーム42を回転させることにより、ウエブ10の一側端の位置を基準として合紙12を幅方向へ位置調整する。このとき、ウエブ10の幅は平版印刷版84の品種等に応じて変化するが、合紙12は、原則的にその幅が一定のものが用いられる。従って、予め合紙12の初期位置を所定の基準位置に位置調整しておけば、合紙12の一側端(図4では合紙12の左端)は、幅方向に沿ってローラフレーム42の回転量に対応する位置へ精度よく移動する。
【0031】
EPC機構80には、ウエブ10のスリット幅に対応するエッジ目標位置が設定されており、EPC機構80は、ウエブ10の一側端を基準(原点)として合紙12の一側端がエッジ目標位置へ移動するように合紙12を幅方向に沿って位置調整する。ここで、エッジ目標位置は、ウエブ10のスリット幅が変更されると、加工ライン30全体を制御するためのコントローラ(図示省略)により変更されたスリット幅に対応する値が新たに設定される。
【0032】
加工ライン30には、図4に示されるようにスリッタ装置51の下流側に合紙回収装置82が設けられている。この合紙回収装置82は、図5に基づいて既に説明した合紙回収装置20と基本的に同一構造とされているので、各構成部品について図5に示される合紙回収装置20と同一符号を付して、その構成に関する説明を省略する。但し、合紙回収装置20はウエブ10の両側端の外側にそれぞれ設置されていたが、本実施形態に係る合紙回収装置82はウエブ10の一側端の外側に1台のみ設置されている。
【0033】
また加工ライン30には、スリッタ装置51の下流側にウエブ10から切り落とされたウエブ切捨部16をチョッパ装置へ導くガイド機構(図示省略)が設けられており、チョッパ装置は細長い帯状のウエブ切捨部16を細かく裁断して金属屑とする。この金属屑は、図1に示されるコンベア86により回収容器88内へ排出される。
【0034】
次に、ウエブ10のスリット幅に対応させてエッジ目標位置を設定する方法について具体的に説明する。加工ライン30全体を制御するためのコントローラは、ウエブ10のスリッタ幅が変更されると、スリッタ装置51により剪断上刃14及び剪断下刃15を軸方向に沿って変更されたスリッタ幅に対応する位置へ移動させる。このとき、コントローラは、図4に示されるように一対の剪断上刃14をそれぞれウエブセンタCに対して対称的な位置に移動させると共に、それに連動して一対の剪断下刃15もそれぞれウエブセンタCに対して対称的な位置に移動させる。これにより、ウエブ10の両側端部からそれぞれ切り落とされる一対のウエブ切捨部16の切捨幅WEは互いに同一となる。このとき、切捨幅WEは、ウエブ10のスリット幅、すなわち平版印刷版84の製品サイズに応じて最小値の4mmから数十mmの間で変化する。
【0035】
コントローラは、スリッタ装置51の剪断上刃14及び剪断下刃15を軸方向へ位置調整すると同時に、EPC機構80へ新たなエッジ目標位置を設定する。このエッジ目標位置は、圧着ローラ36の位置におけるウエブ10の一側端(図4では左側のウエブエッジ)を基準とする合紙12の一側端(図4では左端)の位置により規定されている。
【0036】
コントローラは、圧着ローラ36の位置で、合紙12の一側端がウエブ10の一側端から切捨幅WE内側に入ったスリット予定線SLに対して5mm以上外側に位置し、かつ合紙12の他側端がウエブ10の他側端から切捨幅WE内側に入ったスリット予定線SRとウエブ10の他側端から(切捨幅WE+10mm)内側に入った仮想画像端E(図4参照)との間へ位置するようなエッジ目標位置をEPC機構80へ設定する。
【0037】
具体的には、例えば、切捨幅WEが最小値である4mmに設定され、かつ合紙12としてウエブ10と等しい幅のものを用いた場合には、合紙12の一側端が、ウエブ10の一側端部に沿ったスリット予定線SLに対して5mm以上、14mm未満の範囲で外側に位置するように設定可能となり、このとき、合紙12の他側端は、ウエブ10の他側端に対して5mm以上、14mm未満の範囲で内側に位置する。すなわち、切捨幅WEが4mmである場合には、合紙12の一側端部から切り落とされる合紙切捨部18の幅として5mm以上、14mm未満の範囲で任意の値を選択できることになる。
【0038】
また合紙12の他側端はウエブ10の他側端部に沿ったスリット予定線SRより内側に位置していることから、スリッタ装置51によりウエブ10の他側端部がスリット予定線SRに沿って切断されても、合紙12の他側端部はスリッタ装置51により切断されない。さらにウエブ10の他側端部からウエブ切捨部16が切り落とされた状態では、合紙12の他側端はウエブ10の他側端から10mm以内に位置する。
【0039】
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本実施形態に係る合紙の貼付・スリット方法が適用される加工ライン30の作用について説明する。
【0040】
加工ライン30では、EPC機構80により合紙12を、その幅方向における中心がウエブ10のウエブセンタCに対して幅方向に沿って片側へオフセットされるように位置決めし、その時に、合紙12の一側端がウエブ10の一側端部に沿ったスリット予定線SLに対して5mm以上外側に位置し、かつ合紙12の他側端がウエブ10の他側端部に沿ったスリット予定線SRの内側に位置することにより、スリッタ装置51によりウエブ10の一側端部を合紙12の一側端部と共にスリット予定線SLに沿って切断する際に、合紙12の一側端部から切り落とされる合紙切捨部18の設定幅として常に5mm以上の幅を確保できるので、ウエブ10に対する合紙12の位置決め時に合紙が蛇行しても、例えば、その時の合紙12の蛇行量が1mm以下であるならば、合紙切捨部18の幅として安定的に4mm以上を確保できる。この結果、合紙12の一側端部から切り落とされる合紙切捨部18の長手方向に沿った強度を十分な大きさにできるので、負圧等を利用した合紙回収装置20により合紙切捨部18を回収する際に、合紙切捨部18が破断することを防止できる。
【0041】
更に、本実施形態に係る加工ライン30では、EPC機構80により合紙12の他側端がウエブ10の他側端から切捨幅WE内側に入ったスリット予定線SRとウエブの他側端から(切捨幅WE+10mm)内側に入った仮想画像端Eとの間へ位置するように、合紙12をウエブ10に対して位置決めされることから、スリッタ装置51により合紙12の他側端部からは合紙が切り落とされなくなるので、従来2台必要であった合紙切捨部18の合紙回収装置20を1台に減らすことができ、設備の簡素化が可能になる。また平版印刷版84における画像形成領域は、一般的に平版印刷版84の外周端から少なくとも10mm以上内側となるように設けられ、すなわち仮想画像端Eの内側に設けられることから、平版印刷版84の画像形成領域全体を確実に合紙12により覆って合紙12により画像形成領域全体を確実に保護できる。
【0042】
なお、本実施形態に係る加工ライン30では、ウエブ10への合紙12の貼付時にEPC機構80及びCPC機構80により合紙12をウエブ10に対して精度よく(例えば、1mm以下)幅方向の所定位置へ位置決めできるが、合紙12をウエブ10に対して精度よく位置決めできない場合や、合紙12のウエブ10に対する蛇行量が大きい場合には、EPC機構80等の位置決め装置により合紙12の一側端からスリット予定線SLまでの幅を5mmよりも大きく、例えば6mm以上となるように、合紙12をウエブ10に対して位置決めするようにしてもよい。これにより、合紙の蛇行量が大きい場合(例えば、2mm以上の場合)にも、合紙切捨部18の幅として十分広い幅(例えば、4mm以上)を確保できるようになり、合紙切捨部18を回収する際の合紙切捨部18の破断を防止できる。また合紙12として強度が低いものを使用する必要がある場合にも、スリット工程にて切断される合紙12の一側端からスリット予定線までの幅が5mmよりも大きく設定することにより、回収時における合紙切捨部18の破断を防止できる。
【0043】
また、本実施形態に係る合紙の貼付・スリット方法で使用される合紙12は、例えば、品種によって異なるウエブ10の幅から最大幅のものと略等しい幅のものを用意しておけば、最大幅より狭幅のウエブ10に対して全て対応可能となるので、従来の貼付・スリット方法に対して使用される合紙12の種類を減少させても問題が生じなくなる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法によれば、ウエブへ貼り付ける合紙の種類を増加することなく、ウエブへ貼り付けられた合紙の両端部から切り落とされる合紙切捨部の幅を十分広くし、この合紙切捨部を回収する際の破断を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る合紙の貼付・スリット方法が適用される平版印刷版の加工ラインの構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る合紙の貼付・スリット方法が適用される平版印刷版の加工ラインの構成を示す側面図である。
【図3】 図2に示される平版印刷版の加工ラインにおけるウエブへ貼り付けられる合紙を位置決めするためのEPC機構の構成を示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る合紙の貼付・スリット方法を説明するためのスリッタ装置の平面図である。
【図5】 従来の合紙の貼付・スリット方法を説明するためのスリッタ装置の平面図である。
【符号の説明】
10 ウエブ
12 合紙
16 ウエブ切捨部
18 合紙切捨部
20 合紙回収装置
30 加工ライン
51 スリッタ装置
74 ポジションセンサ
76 ポジションセンサ
78 CPC機構
80 EPC機構
Claims (2)
- 平版印刷版の素材である帯状のウエブへ合紙を貼り付け、この合紙の幅方向に沿った側端部を長手方向に沿って切断し、合紙を平版印刷版の幅に対応する幅に切断加工するための平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法であって、
合紙を、その幅方向における中心がウエブの中心に対して幅方向に沿って片側へオフセットされるように位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程にて位置決めされた合紙をウエブの表面へ貼り付ける貼付工程と、
前記貼付工程にてウエブの表面へ貼り付けられた合紙及びウエブを、該ウエブの一側端から所定の切捨幅WEだけ内側に入ったスリット予定線に沿って切断するとともに、前記スリット予定線に沿って切断された合紙を、吸引パイプで吸引して回収するスリット工程と、を有し、
前記位置決め工程では、合紙の一側端がウエブの一側端部に沿った前記スリット予定線に対して5mm以上外側に位置し、かつ合紙の他側端がウエブの他側端から切捨幅WE内側に入ったスリット予定線とウエブの他側端から(切捨幅WE+10mm)内側に入った仮想画像端との間へ位置するように、合紙をウエブに対して位置決めすることを特徴とする平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法。 - 前記位置決め工程では、前記幅方向に沿って合紙の一側端が前記スリット予定線に対して6mm以上外側に位置するように、合紙をウエブに対して位置決めすることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版用合紙の貼付・スリット方法。
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