JP3118218U - 印刷機用シータの回転刃 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷ウェブなどを安定して裁断できる印刷機用シータの回転刃を提供する。
【解決手段】印刷機用シータの回転刃10は、印刷ウェブ20上を搬送方向と同方向に回転し、印刷ウェブ20と直交する方向で印刷ウェブ20を裁断するナイフ24を備えている。ナイフ24には、刃先24bの裏側に印刷ウェブ20の先端部を叩いて搬送方向に押し出す巻上げ防止手段となる片26を設けてある。またナイフ24の刃先24bの裏側に印刷ウェブを滑らせて搬送方向に押し出す滑性層34を設けてもよい。
【選択図】図1

Description

本考案は、特に印刷ウェブまたは給紙ロールから繰り出されたウェブを所定の長さに裁断する印刷機用シータの回転刃に関する。
図5は従来の印刷機用シータの構成概略を示すブロック図である。図示のように印刷機用シータ100は、印刷機102から搬送される印刷ウェブ101を所定の長さに裁断するカット部104と、枚葉状態のカット紙(シート)を搬送する高速搬送部106および低速搬送部108と、裁断したカット紙を積層するスタック部110とを備えている。
カット部104は、前段の印刷機102で印刷された印刷ウェブ101を搬送経路上で所定の長さに裁断する。図6は従来の印刷機用シータの回転刃の裁断時の動作説明図である。図7は従来の印刷機用シータの回転刃の裁断後の動作説明図である。図6に示すようにカット部104には、印刷ウェブ101の搬送経路を挟んで回転刃120と固定刃140とが対向するように形成してある。固定刃140は搬送経路の下側に刃先を上方に向けて固定してある。回転刃120は図6(1)に示すように搬送する印刷ウェブの上側であって、印刷ウェブ101の搬送方向Aと直交する方向に回転軸を形成し、搬送方向Aと同方向Bに回転している。そして図6(2)に示すように回転刃120の外周部に1箇所または複数個突出して形成したナイフ122が下方の固定刃140の刃先と剪断する位置142で印刷ウェブをカットすることができる。高速搬送部106は、上部高速搬送手段106aと下部高速搬送手段106bとからなり、最終段のスタック部110までの搬送経路の前段に設けられている。高速搬送部106は後段の低速搬送部108で紙を重ねる際のタイミングをとるために印刷速度よりも僅かながら早い速度でカット紙を搬送している。低速搬送部108は、後段のスタック部110へ枚葉状態のカット紙を積層させるために搬送速度を積層に影響しない速度まで低下させている。スタック部110は、低速搬送部から順次搬送されるカット紙を積層させている(例えば特許文献1に示す)。
特開2001−341931号公報
ところで印刷機用シータに搬送される印刷ウェブは、保湿液などにより僅かながら湿った状態となる。一例としてシリコン液を用いた場合、湿った印刷ウェブの通し枚数が多くなると、刃先の裏側に付着したシリコン液が次第に乾燥してシリコンの塊となり、印刷ウェブが付着しやすくなる。また印刷ウェブは多くのガイドロールを経由してカット部に搬送されてくるため帯電してしまう。このため搬送される印刷ウェブは静電気を帯びた状態となり、刃先に付着しやすくなる。
そうすると図6(2)に示す固定刃と回転刃とが噛合う位置において、例えば印刷ウェブを裁断した後、湿った印刷ウェブあるいは静電気を帯びた印刷ウェブは回転刃のナイフの先端に付着し、付着したまま図7(1)に示すように回転刃の回転とともに上方に捲れ上がる。そして図7(2)に示すように後段の高速搬送部の入側のベルトコンベアに流れる際にまっすぐ入らなかったり、紙の先端が折れ曲がったりしてしまう。これにより先端部が折れ曲がったカット紙がスタック部に供給されたり、高速搬送部の入側で連続供給されるカット紙によって紙詰まり(ジャミング)が連鎖的に発生したりしてしまう。このように一旦紙詰まりが発生すると、印刷機用シータを停止させなければならず、搬送部からカット紙を取り除くのに作業員の手間がかかるとともに、再度通常の印刷機の稼動に移行するためには点検・整備の時間がかかり、印刷設備の稼動時間を長期化できないという問題が生じていた。
上記従来技術の問題を改善するため本考案は、印刷ウェブまたは給紙ロールを安定して裁断できる印刷機用シータの回転刃を提供することを目的としている。
本考案に係る印刷機用シータの回転刃は、裁断した印刷ウェブの先端部を搬送方向に押し出す巻上げ防止手段を刃先の裏側に設けたことを特徴としている。
この場合において、前記巻上げ防止手段は、断面くの字形状の片であって一方の面を前記刃先の裏側に沿って設置し、他方の面を前記刃先から離間するように傾けて突出させてあるとよい。また前記巻上げ防止手段は、前記刃先の長手方向の両端に設けてあるとよい。前記巻上げ防止手段は、滑性層であるとよい。前記滑性層は、フッ素樹脂を含有しているとよい。
上記構成による本考案によれば、印刷機から搬送された印刷ウェブが保湿液で湿ったり、あるいは静電気を帯びた状態であっても、裁断した後、印刷ウェブが回転刃の刃先に付着するのを防止して搬送方向に押し出し、回転刃の回転に伴う印刷ウェブの巻き上げを防止することができる。このため後段の高速搬送部の入口において、カット紙先端の紙折れ、または複数のカット紙が連続供給されることによって発生するジャミング等を防止することができる。また印刷ウェブが薄紙であっても高速でカット紙を後段の搬送部に連続供給することができる。さらに紙詰まりによる印刷機の停止や、その後の調整によってロスしていた印刷機の稼動時間の長期化を図ることができる。
本考案に係る印刷機用シータの回転刃の実施形態を添付の図面に従って以下詳細に説明する。図1は実施形態に係る印刷機用シータの回転刃の構成概略を示す図である。図2は実施形態に係る回転刃のナイフの説明図である。
実施形態に係る印刷機用シータの回転刃10は、ドローローラ12と、高速搬送部14のガイドローラ14a,14bとの間のカット部16に設置している。また回転刃10は、印刷ウェブ20の搬送経路を挟んで、搬送経路の下方に形成した固定刃22と対向する位置に設置している。回転刃10は、搬送方向Aと直交する方向に回転軸を設けて、搬送方向(矢印A)と同方向(矢印B)に回転している。そして回転刃10の外周部10aにはナイフ24の取り付け部10bを本実施形態では1箇所設けてある。あるいは回転刃10の外周部に複数設けてもよい。
ナイフ24は、図2に示すように長手方向の長さがウェブの搬送方向と交差する幅と略同じ長さに設定した断面矩形の鋼板である。ナイフ24は、断面矩形の短辺の長手方向に回転刃10の取り付け側24aを形成し、取り付け側24aと対向する反対側に一部を斜めに切り欠いた鋭角状の刃先24bを形成している。またナイフ24の断面矩形の長辺の長手方向の面には回転刃10の取り付け部10bの取り付けボルト10cが貫通して、ナイフ24の取り付け位置を調整可能な楕円形の調整孔24cを複数並べて開口してある。印刷ウェブ上を回転するナイフ24の刃先24bと、印刷ウェブ20の下側に固定した固定刃22の刃先は、回転するナイフ24の刃先24bと固定刃22の刃先とを噛合わせて剪断するように、それぞれ位置調整している。
ナイフ24の刃先24bの裏側には巻上げ防止手段を設けてある。本実施形態に係る巻上げ防止手段は、矩形の薄板の片26であって断面くの字形状に折り曲げて形成してある。片26の材質には、例えば合成樹脂、または厚紙などを用いることができる。片26の一方の面26aはナイフ24裏側に設け、他方の面26bは刃先24bから離間するように傾けて突出させてある。また片26は、ナイフ24の長手方向の両端に設けてある。もちろん長手方向の全域に設けることもできる。
また固定刃22と高速搬送部14との間には、ウェブガイド28を設置し、裁断した後の印刷ウェブ20が高速搬送部の入側へ案内される。
上記のごとく構成した本考案において、まず印刷機で印刷された印刷ウェブが複数のガイドロールを介して印刷機用シータに搬送される。図3は実施形態に係る印刷機用シータの回転刃の動作説明図である。図3(1)に示すように搬送された印刷ウェブ20は、カット部16の手前に配置されたドローローラ12によってカット部16に導入される。印刷ウェブ20は搬送経路を挟んで上下に形成したカット部16の回転刃10と固定刃22の間に導入される。そして所定の長さに裁断できるように回転速度が調整された回転刃10のナイフ24の刃先24bが回転して固定刃22の刃先と噛合う位置32に来たとき、印刷ウェブ20が裁断される。このとき裁断した印刷ウェブ20の先端は、シリコン液で湿った状態あるいは静電気を帯びた状態でありナイフ24の刃先に付着し、回転刃10の回転に伴って僅かに巻き上げられる。巻き上がられた印刷ウェブは、図3(2)に示すようにナイフ24の裏側に設けた片26によって印刷ウェブ20の先端部を叩かれて、ナイフ24の刃先から引き剥がされ搬送方向に押し出される。そして図3(3)に示すように、ナイフ24の裏側に形成した片26によって搬送方向に押し出された印刷ウェブ20は、ウェブガイド28によって印刷ウェブ20の先端部が高速搬送部14の入側に案内される。このようにナイフ24の刃先24bに付着した印刷ウェブ20は、刃先24bの裏側に設けた片26によって叩かれて引き剥がされるため、高速搬送部の入側にまっすぐ案内され、カット紙30の折れ曲がり、またはジャミングを防止することができる。
図4は実施形態に係る回転刃のナイフの変形例を示す図である。図示のようにナイフ24の鋭角な先端の裏側の傾斜面24dには巻上げ防止手段となる滑性層34を形成してある。滑性層34は、滑り性があり滑らかで摩擦係数の小さい層で形成してあり、例えばフッ素樹脂などを含有しているとよい。本実施形態ではフッ素樹脂を含有するテープを用い、傾斜面24dに貼付して容易に形成している。なお滑性層34は傾斜面24dの両端部に形成するように構成することもできる。また本実施形態に係る滑性層34は、裁断する印刷ウェブの厚みを考慮して刃先24bと僅かな隙間を開けて貼付している。これまでナイフ24の裏側に付着したシリコン液が乾燥して塊となり、この塊が大きくなって印刷ウェブの付着が発生していたが、滑性層34を形成することにより、湿った印刷ウェブが刃先の裏側を滑って搬送方向に押し出される。このため印刷ウェブが刃先に付着することを防止できる。なお滑性層34はテープのほかに、コーティングなどによって形成することもできる。
実施形態に係る印刷機用シータの回転刃の構成概略を示す図である。 実施形態に係る回転刃のナイフの説明図である。 実施形態に係る印刷機用シータの回転刃の動作説明図である。 実施形態に係る回転刃のナイフの変形例を示す図である。 従来の印刷機用シータの構成概略を示すブロック図である。 従来の印刷機用シータの回転刃の裁断時の動作説明図である。 従来の印刷機用シータの回転刃の裁断後の動作説明図である。
符号の説明
10………印刷機用シータの回転刃、12………ドローローラ、14………高速搬送部、16………カット部、20………印刷ウェブ、22………固定刃、24………ナイフ、26………片、28………ウェブガイド、30………カット紙、34………滑性層、100………印刷機用シータ、101………印刷ウェブ、102………印刷機、104………カット部、106………高速搬送部、108………低速搬送部、110………スタック部、120………回転刃、140………固定刃。

Claims (5)

  1. 裁断した印刷ウェブを搬送方向に押し出す巻上げ防止手段を刃先の裏側に設けたことを特徴とする印刷機用シータの回転刃。
  2. 前記巻上げ防止手段は、断面くの字形状の片であって一方の面を前記刃先の裏側に沿って設置し、他方の面を前記刃先から離間するように傾けて突出させてあることを特徴とする請求項1記載の印刷機用シータの回転刃。
  3. 前記巻上げ防止手段は、前記刃先の長手方向の両端に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷機用シータの回転刃。
  4. 前記巻上げ防止手段は、滑性層であること特徴とする請求項1記載の印刷機用シータの回転刃。
  5. 前記滑性層は、フッ素樹脂を含有することを特徴とする請求項4記載の印刷機用シータの回転刃。
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