JP4156095B2 - ホールクロップ用ロールベーラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場のホールクロップ用の作物を刈り取って、そのままロールベールに成形可能なホールクロップ用ロールベーラに関するものである。なお、本明細書において、「茎かん」とは、圃場に生えているホールクロップ用の作物を株元の部分で刈り取った状態のものを示す。
【0002】
【従来の技術】
近時の日本の農政事情によって、一部の水田がホールクロップ(貯蔵飼料)用の稲の栽培に利用されている。そして、この稲ホールクロップに限られず、一般にホールクロップ用の作物は、圃場で刈り取られた後において、ロール状に成形したロールベールとして扱われることが多い。
【0003】
このように、ホールクロップ用の作物をロールベールに成形するには、刈取機によりホールクロップ用の作物を刈り取って、刈り取られた作物をそのまま圃場に散在させておき、その後に、ロールベーラによって、刈り取られて圃場に散在しているホールクロップ用の作物の茎かんをピックアップして、ロール状に成形してロールベールにしている。このため、刈取機による刈取りと、ロールベーラによるロールベール成形との2回の作業が必要となって、その作業能率が悪かった。
【0004】
上記のことは、ホールクロップ用の稲の場合も全く同様であるが、稲の刈取りと脱穀に関しては、コンバインが利用されており、本発明者は、このコンバインを部分利用することにより、ホールクロップ用の作物の刈取りと、そのロールベール化との双方が同時にできるとの知見を得た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、コンバインの刈取・搬送部を部分利用することにより、ホールクロップ用の作物を刈り取って、そのままロールベールに成形できるロールベーラの提供である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、圃場のホールクロップ用の作物を刈り取った後に、その茎かんを切断して、その茎かん切断片をロールベールに成形するためのホールクロップ用ロールベーラであって、圃場のホールクロップ用の作物を刈り取って、その茎かんを中央部に集めた状態で、同量ずつ連続して機体の斜後上方に搬送するための刈取・搬送装置と、前記刈取・搬送装置により機体の斜後上方に搬送された前記茎かんをロールベールに成形するためのロールベーラ装置と、前記刈取・搬送装置と前記ロールベーラ装置との間に配設されて、該刈取・搬送装置により機体の斜後上方に搬送された前記茎かんを機体の斜右後方に向けて継続搬送して中央寄せするための茎かん中央寄せ装置とを備えていることを、その特徴としている。
【0007】
コンバインと同様にして、刈取・搬送装置の部分において、圃場に生えているホールクロップ用の作物は、刈り取られて、機体の斜後上方に搬送された後に、茎かん中央寄せ装置によって、機体の幅方向の一端側(圃場を基準にすると、作物の未刈取側)に寄せられた茎かんは、機体の斜右後方に向けて継続搬送されて中央寄せされ、この状態で搬送装置によって、ロールベーラ装置に送り込まれる。このロールベーラ装置の部分において、その外径が徐々に増大されつつ周方向に搬送されることにより、最終的には、半径方向、及び軸方向の双方からの圧縮によりロール状に梱包されて、ロールベールが成形される。このように、作業機の1回の運転操作によって、圃場に生えているホールクロップ用の作物を刈り取って、ロールベールの成形を行えるために、全体としての作業能率が大幅に向上する。
【0008】
また、本発明に係るホールクロップ用ロールベーラにおいて、前記茎かん中央寄せ装置の終端から連続して落下させられる前記茎かんを短く切断するための茎かん切断装置を具備した場合には、ホールクロップ用の作物の茎かんが短く切断された状態で、ロールベーラ装置においてロール状に梱包成形されるために、飼料として使用する際のロールベールの解体が容易となる効果がある。
【0009】
更に、茎かん切断装置を具備している場合において、茎かん切断装置とロールベーラ装置との間に配設される搬送装置を、茎かん切断片を搬送方向と直交する方向に沿って移動させながら搬送可能な搬送ローラと、茎かん切断片をロールベーラ装置に送り込むための送込みローラとを含むローラのみで構成すると、短く切断された前記茎かんの株元側部と穂側部と中間部との3つの各部分が適度に混合される。このため、ロールベーラ装置で梱包成形されるロールベールが円筒状、或いはこれに近い形状となり、その形状が中太り、或いは中細りとならなくなって、後のロールベールの取扱いが容易となる利点がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、ホールクロップ用作物が稲の場合を例に挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係るロールベーラの全体右側面図であり、図2は、同じく平面図である。最初に、本発明に係るロールベーラの全体構成について説明し、その後に、ロールベーラを構成する各装置の部分について詳細に説明する。なお、動力伝達に関しては、最後にまとめて説明する。本実施例のロールベーラは、圃場の稲ホールクロップを刈り取って、その茎かんRを中央部に集めた状態で、同量ずつ連続して機体1の斜後上方に向けて搬送するための刈取・搬送装置Aと、該刈取・搬送装置Aにより機体1の斜後上方に搬送された前記茎かんRを機体1の斜右後方に向けて継続搬送して、中央寄せするための茎かん中央寄せ装置Bと、該茎かん中央寄せ装置Bの終端から連続して落下させられる前記茎かんRを短く切断して機体1の後方に搬送するための茎かん切断装置Cと、該茎かん切断装置Cで短く切断された茎かん切断片R’を集めてロールベールVに梱包成形するためのロールベーラ装置Dとの各装置を備えており、これらの各装置は、機体1の前方から後方に向けて上記順序で該機体1に装着されている。
【0011】
また、機体1には、左右一対のゴムクローラ2が設けられていて、各ゴムクローラ2の周回走行によって、機体1は、前進及び後進、並びに旋回を行う。前記茎かん中央寄せ装置Bは、機体1の前記刈取・搬送装置Aと前記茎かん切断装置Cとの間の略左半分の部分であって、しかも該機体1の上部に配設されており、該茎かん中央寄せ装置Bの右側方に運転席ユニット3が配設されている。また、前記運転席ユニット3の後方であって、しかも前記茎かん切断装置Cの右側方には、機体1に搭載された種々の電気機器の電源となるバッテリー4が搭載されている。
【0012】
引き続いて、本実施例のロールベーラを構成する上記各装置A〜Dの部分について順次説明する。刈取・搬送装置Aは、自脱コンバインのそれと同一構成であって、回動シリンダ11の作用によって、その全体で支点ピン12を介して機体1に垂直面内において回動可能に支持されている。刈取・搬送装置Aは、その前部が横方向に沿って複数に分割されて、各分割部13の下端部には、それぞれ分草板14が取付けられている。各分割部13には、傾斜姿勢の稲ホールクロップを引き起こすための突起付きの引起しチェーン15が、その側方に突出した状態で装着されている。本実施例では、両端の分草板14と、その内側の分草板14との間に、補助分草板16が配設されている。また、各分割部13の下端部には、稲ホールクロップを、その下端の株元で刈り取るための刈刃(図示せず)が設けられており、更に該刈刃により株元で刈り取られた多数株の稲ホールクロップの茎かんRを機体1の幅方向の中央部に寄せ集めるためのオーガ(図示せず)が設けられている。また、刈取・搬送装置Aには、前記刈刃により株元で刈り取られて、前記オーガにより機体1の幅方向の中央部に集められた稲ホールクロップの茎かんRを斜上方に搬送するための上部、中央部、及び下部の3種類の各コンベア17,18,19が機体1の左側端に偏してそれぞれ設けられている。また、中央部と下部の各コンベア18,19の上端部には、その上端部に達した茎かんRの中央部と株元部とを保持するための保持アーム18a,19aが斜側方であって、しかも斜下方に向けてそれぞれ設けられている。
【0013】
このため、機体1の前進により、各分草板14及び各補助分草板16により分草された各株列の稲ホールクロップは、引起しチェーン15により起立姿勢に引き起こされながら、その株元が刈刃で刈り取られた後に、オーガにより機体1の幅方向のほぼ中央部に寄せ集められて、前記各コンベア17,18,19により茎かんRの穂先部、中央部、及び株元部がそれぞれ支持された状態で斜後上方に搬送され、その搬送途中において、茎かんRの姿勢が起立姿勢から水平姿勢に徐々に変化させられて、茎かん中央寄せ装置Bに送り込まれる。
【0014】
次に、刈取・搬送装置Aにより、その上昇端まで搬送されてきた茎かんRを機体1の幅方向の中央部に寄せながら、茎かん切断装置Cの部分まで搬送するための茎かん中央寄せ装置Bについて説明する。この茎かん中央寄せ装置Bは、茎かんRの中央部を挟んで搬送するための第1コンベア21と、その穂先に近い部分を挟んで搬送するための第2コンベア22とが所定の間隔をおいて機体1の斜右後方であって、しかも僅かに斜上方に向けて配設された構成である。図3は、第1及び第2の各コンベア21,22の各側面図であり、図4は、図3のX−X線断面図である。第1コンベア21は、垂直に配されたギア支持板23の内側面に複数個のギア24a〜24dが軸心を水平にして支持され、これらの各ギア24a〜24dと、前記ギア支持板23の上方に配置されたテンション調整用のギア24eとの間に第1無端チェーン25が掛装され、該第1無端チェーン25の下方走行部の直下に挟持バー26が該下方走行部と平行に配設された構成である。ギア支持板23の入口側は、斜上方に向けて折り曲げられ、挟持バー26の入口側は、斜下方に向けて折り曲げられ、ギア支持板23と挟持バー26の各折曲げ部により茎かんRの入口部27が形成される。挟持バー26は、その下方に配設された複数の圧縮バネ28の復元力により、第1無端チェーン25の下方走行部の側に付勢されて、両者の間において、茎かんRの中央部を確実に挟持して搬送可能な構造にしてある。第1無端チェーン25を構成する多数チェーンリンクには、所定間隔をおいて茎かんRを押え付けるための押付け突起25aが設けられている。この第1コンベア21においては、ギア支持板23に支持された複数個のギア24a〜24dのうち、機体1を基準にして最も後端に支持されているギア24aが駆動ギアとなっていて、第1無端チェーン25は、その張側において、茎かんRの株元に近い部分を確実に挟持して搬送する構造になっている。
【0015】
また、茎かんRの穂先に近い部分を挟持して搬送するための第2コンベア22は、2本の連結筒29を介して該第1コンベア21に対してこれと平行に連結されており、フレーム31の前後に支持された各ギア32a,32bに第2無端チェーン33が掛装された構成である。この第2無端チェーン33には、所定ピッチをおいて多数の突起体33aが取付けられていて、その下方走行部において、直下に配された茎かん支持板34との間で茎かんRの穂先に近い部分を挟んで、該茎かんRを搬送する構成である。茎かんRの搬送時には、第2無端チェーン33の突起体33aは、束状となった茎かんRの内部に入り込むために、その搬送が確実に行われる。また、第2コンベア22を構成するギア32aの支持軸35は、前記第1コンベア21を構成するギア24bのそれと共通になっていて、機体1を基準にして後方に配置されたギア32aが駆動ギアとなっているため、第2コンベア22においても、その下方走行部が張側となって、茎かんRの搬送を確実にしている。
【0016】
また、図2に示されるように、第1コンベア21の先端部は、後述する一対の切断ローラ42,43の直上まで達しているが、第2コンベア22の先端部は、その手前側に達しているのみである。このため、刈取・搬送装置Aによって、その斜後上方まで搬送されてきた束状の茎かんRは、そのままの状態で茎かん中央寄せ装置Bの入口部27にスムーズに入り込んで、その中央部が第1コンベア21の第1無端チェーン25と挟持バー26との間で挟持されると共に、その穂先に近い部分が第2コンベア22の第2無端チェーン33と茎かん支持板34との間で挟持され、そのままの状態で、機体1を基準にしてその斜右後方に向けて継続搬送されて、機体1の幅方向の中央部に寄せられる。そして、機体1の斜右後方に向けて継続搬送中の束状の茎かんRは、第2コンベア22との挟持が解除された後に、第1コンベア21との挟持が解除されて、その直下の一対の切断ローラ42,43の間に落下させられる。なお、図2において36は、茎かん中央寄せ装置Bの全体を機体1に支持しているステーを示し、図4において、37は、搬送中の茎かんRの中央部から株元に至る部分を下方から支持するための支持板を示す。
【0017】
引き続いて、茎かん切断装置Cについて説明する。機体1における前記茎かん中央寄せ装置Bの直下と、ロールベーラ装置Dの投入口との間には、搬送板41が設けられている。この搬送板41は、その手前側端部から略中央部までは、斜後下方に向けて急傾斜した急傾斜部となっており、ロールベーラ装置Dの手前側の部分のみが、斜後上方に向けて緩傾斜した緩傾斜部となっていて、残りの部分は、ほぼ水平な水平部となっている。図1及び図5に示されるように、前記搬送板41の急傾斜部の上端に近い部分に一対の切断ローラ42,43が機体1の前後方向に沿って所定間隔をおいて配設されて、その両端部は、ロールベーラ装置Dの梱包室Fを形成する両側板44の延長部に支持されている。一対の切断ローラ42,43は、右側面視において前方のローラ42が時計方向に回転するように、互いに逆回転する。前方の切断ローラ42には、互いに近接して配置されて2枚の切断刃単体が1組となった多数組の切断刃42aが軸方向に沿って一定間隔をおいて取付けられ、他方の切断ローラ43には、前記切断刃42aを構成する2枚の切断刃単体の間に挿入される切断刃43aが軸方向に沿って一定間隔をおいて取付けられている。
【0018】
このため、前記茎かん中央寄せ装置Bの端部から落下させられた束状の茎かんRは、切断装置Cを構成する一対の切断ローラ42,43の間に入り込んで、それらの間を通過する際に、各切断刃42a,43aによって短く切断されて、茎かん切断片R’となって、ほぼ直下に搬送される。
【0019】
また、図1及び図6に示されるように、一対の切断ローラ42,43の斜後下方の前記搬送板41の急傾斜部には、前記茎かん切断片R’を搬送しながら混合させるための第1及び第2の搬送ローラ45,46がそれぞれ配設され、更に、該搬送板41の緩傾斜部の直前部には、混合済の茎かん切断片R’をロールベーラ装置Dの梱包室Fに送り込むための送込みローラ47が配設されている。この送込みローラ47には、その軸方向に沿って所定間隔をおいて多数の送込み羽根47aが取付けられており、送込みローラ47における各送込み羽根47aの間であって、しかもその背面側には、該送込みローラ47の表面に付着する茎かん切断片R’を除去するためのストリッパー48が接触している。
【0020】
第1及び第2の各搬送ローラ45,46、及び送込みローラ47は、いずれも右側面視において反時計方向に回転する。第1及び第2の各搬送ローラ45,46には、その軸方向の中心部から両端に向けて互いに逆方向の螺旋羽根45a,46aがそれぞれ取付けられており、しかも第1及び第2の各搬送ローラ45,46においては、その螺旋羽根45a,46aの螺旋方向は、互いに逆の関係になっている。よって、第1搬送ローラ45の部分においては、その回転によって茎かん切断片R’が機体1の後方に搬送される間に、該茎かん切断片R’は、第1搬送ローラ45の両端部から、その中央部に向けて移動させられると共に、第2搬送ローラ46の部分においては、上記とは逆に、その回転によって茎かん切断片R’が機体1の後方に搬送される間に、該茎かん切断片R’は、第2搬送ローラ46の中央部から両端部に向けて移動させられる。第1及び第2の各搬送ローラ45,46の上記作用によって、茎かん切断片R’は、機体1の後方に向けて搬送される途中において、適度に混合される。このため、嵩張りの程度の異なる茎かんRの各部位の切断片が適度に混合されることにより、多量の茎かん切断片R’をロールベーラ装置Dの梱包室Fに投入してロール状に梱包してロールベールVを成形する際に、該ロールベールVの軸心方向に沿った断面半径の変化が少なくなって、成形されるロールベールVの形状は、円柱状、或いはこれに近い形状となる。
【0021】
引き続いて、ロールベーラ装置Dについて説明する。このロールベーラ装置Dは、機体1に固定された前記両側板44の後端であって、しかもその上端に近い部分にヒンジピン51を介して開閉蓋52が回動シリンダ53の作用によって開閉可能に連結されている。この開閉蓋52が閉じた状態では、機体1に固定された両側板44と、この両側板44を連結する天板54(図2参照)とで、ロールベーラタンク55のほぼ半分が構成され、このロールベーラタンク55のほぼ半分の部分の後方の開口を前記開閉蓋52で閉塞すると、その全体がロールベーラタンク55となる。
【0022】
また、図1及び図7に示されるように、機体1に固定された前記ロールベーラタンク55のほぼ半分の部分の両側板44と、前記開閉蓋52を構成する両側板44’との各内側面には、多数のチェーン歯車56a〜56fが支持され、前記各側板44,44’の内側面には、円弧状のガイド板57,57’が連続した状態で取付けられ、図1に示されるように、前記各チェーン歯車56a〜56fと前記各ガイド板57,57’との間に無端チェーン58が掛装され、側板44に支持されたチェーン歯車56fが駆動歯車となって、前記無端チェーン58は、右側面視において、ガイド板57,57’の部分を反時計方向に周回走行するようになっている。また、図7に示されるように、相対向して配設された各側板44,44’の内側面に沿ってそれぞれ周回走行可能に支持された前記各無端チェーン58の間は、多数本の梱包バー59で連結されていて、この多数本の梱包バー59は、無端鎖58と同一軌跡を周回走行する。そして、180度を遙に超える大きな中心角を有する円弧状のガイド板57,57’の部分を走行する多数本の梱包バー59と、これらの梱包バー59で囲まれる部分において相対向して配置されている両側板44,44’とによって、ロールベールVの梱包室Fが形成される。
【0023】
そして、梱包室Fの周壁を構成する多数の梱包バー59が周回走行している状態において、前記送込みローラ47の回転により茎かん切断片R’が連続して前記梱包室Fに投入状態で送り込まれると、該茎かん切断片R’は、多数本の梱包バー59の周回走行によって、その方向に連れ廻りさせられながら、その外径が徐々に増大されて、梱包室F内に茎かん切断片R’が充満されると、ロール状に梱包成形された茎かん切断片R’は、その半径方向及び軸方向の双方に沿って圧縮されて、強く締め固められたロールベールVが成形される。
【0024】
また、ロールベールVの成形後においては、トワイン繰出装置61によってトワイン束62からトワインが繰り出され、成形後のロールベールVの回転中において、これに接触しているトワイン巻掛ローラ63の部分において、前記ロールベールVの外周にトワインが螺旋状となって巻き掛けられて、ロールベールVの全体が結束される。その後に、回動シリンダ53のロッドが突出して、図1で2点鎖線で示されるように、ロールベーラタンク55の後部の開閉蓋52が開かれることにより、成形されたロールベールVが梱包室Fから機体1の後方に放出される。
【0025】
次に、上記ロールベーラの主要部の動力伝達機構について簡単に説明する。図6及び図8に示されるように、機体1に搭載されたエンジンEの動力は、Vベルト71を介して中間軸72に伝達される。中間軸72に軸着されたチェーン歯車72aと、第1及び第2の搬送ローラ45,46にそれぞれ軸着された各チェーン歯車45b,46bと、送込みローラ47に軸着されたチェーン歯車47bとには、無端チェーン73が掛装されているため、第1及び第2の各搬送ローラ45,46と、送込みローラ47とは、いずれも前記中間軸72と同方向に回転する。また、送込みローラ47に軸着された歯車47cと、中間軸74に軸着された歯車74aとが直接に噛合されているため、該中間軸74は、送込みローラ47と逆方向に回転する。この中間軸74の回転(動力)は、チェーン伝動によって、前記トワイン巻掛ローラ63のローラ軸を介してロールベーラ装置Dを構成するチェーン歯車56fに伝達される。このため、ロールベーラ装置Dを構成する前記無端チェーン58におけるガイド板57,57’を走行する部分は、右側面視において反時計方向に沿って周回走行する。
【0026】
一方、図5、図6及び図8に示されるように、第1搬送ローラ45に軸着されたVプーリ75と、切断ローラ43に軸着されたVプーリ76との間にVベルト77が掛装されて、第1搬送ローラ45の動力が切断ローラ43に伝達される。また、各切断ローラ42,43の間に配設された中間軸78に軸着されたチェーンギア79と、切断ローラ43に軸着されたチェーンギア81との間に無端チェーン82が掛装され、前記中間軸78に軸着されたギア83と、切断ローラ42に軸着されたギア84とが直接に噛合されている。このため、切断ローラ43の動力が別の切断ローラ42に伝達されて、各切断ローラ42,43は、互いに逆方向に回転する。
【0027】
また、切断ローラ43の動力は、Vベルト85を介して中間軸86に伝達されて、該中間軸86の動力は、ユニバーサルジョイント87(図2参照)を介して茎かん中央寄せ装置Bの第1コンベア21を構成するギア24aに伝達されて、その第1無端チェーン25を周回走行させる。また、エンジンEの動力は、ミッション88(図1参照)を介して一対のゴムクローラ2に伝達されて、これを周回走行させると共に、前記刈取・搬送装置Aの引起しチェーン15、各コンベア17,18,19等に伝達されて、これらを走行させる。
【0028】
そして、本実施例のロールベーラを構成する各装置A〜Dの個々の作用は、上記した通りであるが、ロールベーラ全体としての連続した作用は、以下の通りである。圃場において、機体1が前進すると、刈取・搬送装置Aの各分草板14及び各補助分草板16により各株列の稲ホールクロップは、引起しチェーン15により起立姿勢に引き起こされながら、その株元が刈刃により刈り取られて切断された後に、オーガにより機体1の中央部に寄せ集められる。そして、上部、中央部、及び下部の各コンベア17,18,19により茎かんRの穂先部、中央部、及び株元部がそれぞれ支持された状態で斜後上方に搬送され、その搬送途中において、茎かんRの姿勢は、起立姿勢から水平姿勢に徐々に変化させられて、茎かん中央寄せ装置Bの入口部27にスムーズに送り込まれる。
【0029】
図4及び図9に示されるように、茎かん中央寄せ装置Bの入口部27に束状となって連続して送り込まれた茎かんRは、機体1の幅方向にほぼ沿っていて、その中央部が第1コンベア21の第1無端チェーン25と挟持バー26との間で挟持されると共に、その穂先に近い部分が第2コンベア22の第2無端チェーン33と茎かん支持板34との間で挟持され、そのままの状態で、機体1の斜右後方に向けて継続搬送されて、機体1の幅方向の中央部に寄せられる。このようにして、機体1の斜右後方に向けて搬送中の束状の茎かんRは、第2コンベア22との挟持が解除された後に、第1コンベア21との挟持が解除されて、その直下の一対の切断ローラ42,43の間に落下させられる。
【0030】
一対の切断ローラ42,43は、上記したように互いに逆回転していて、その間を束状の茎かんRが連続して通過する際に、各切断刃42a,43aによって短く切断されて、茎かん切断片R’となる。一対の切断ローラ42,43により短く切断された茎かん切断片R’は、搬送板41の急傾斜部の部分において、第1及び第2の各搬送ローラ45,46によって斜後下方に向けて搬送されると同時に、その軸方向に沿って交互に移動させられることにより、茎かんRの異なる部位の各茎かん切断片R’は、適度に混合され、この状態で、送込みローラ47によって、投入状態でロールベーラ装置Dの梱包室Fに送り込まれる(図10参照)。
【0031】
梱包室F内においては、その周面の大部分において、一対の無端チェーン58に無端状となって連結されている多数本の梱包バー59が順次、その周方向に沿って走行しているために、該梱包室Fに投入された茎かん切断片R’は、梱包バー59の走行に沿って連れ廻りさせられて、その外径が順次増大して、梱包終了前においては、その半径方向及び軸方向の双方から強固に圧縮されて、ロール状のロールベールVに成形される。そして、成形されたロールベールVの外周面をトワインにより結束した後に、梱包バー59の走行を停止させて、回動シリンダ53によって、ロールベーラ装置Dの開閉蓋52を開くと、成形されたロールベールVが機体1の後方に放出される。
【0032】
また、上記実施例では、茎かん切断装置Cとロールベーラ装置Dとの間において、茎かん切断片R’を搬送する手段として、複数本の搬送ローラを使用しているが、この部分をベルトコンベアで構成することも可能である。更に、茎かん切断装置Cを設けると、茎かんが短く切断された切断片の状態でロール状に梱包されたロールベールが成形され、その解体が容易である利点があるが、茎かん切断装置を設けずに、茎かんをそのままロール状に成形することも可能である。
【0033】
なお、上記実施例では、ホールクロップ用作物が稲の場合を例に挙げて説明したが、このホールクロップ用作物は、稲に限られず大麦、とうもろこし等であっても、本発明に係るロールベーラにより刈り取って、そのままロールベール化することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るホールクロップ用ロールベーラは、コンバインのそれとほぼ同一構造の刈取・搬送装置と、ホールクロップ用の作物の茎かんをロール状に成形するためのロールベーラ装置と、両装置の間に配設されて、前記刈取・搬送装置により機体の斜後上方に搬送された茎かんを、その搬送中に機体の中央部に寄せるための茎かん中央寄せ装置とを備えているために、圃場において、ホールクロップ用作物を刈り取って、そのままロールベールに成形できる。この結果、ホールクロップ用の作物をロールベール化するための作業の能率が著しく高められる。
【0035】
また、茎かん中央寄せ装置とロールベーラ装置との間に、茎かんを短く切断するための茎かん切断装置を配設しておくと、茎かんが短く切断された切断片の状態でロール状に梱包されたロールベールが成形されるために、飼料として使用する際における解体が容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るホールクロップ用ロールベーラの全体右側面図である。
【図2】 同じく全体平面図である。
【図3】 茎かん中央寄せ装置Bを構成する第1及び第2の各コンベア21,22の各側面図である。
【図4】 図3のX−X線断面図である。
【図5】 一対の切断ローラ42,43の模式的平面図である。
【図6】 第1及び第2の各搬送ローラ45,46と送込みローラ47の模式的平面図である。
【図7】 ロールベーラ装置Dの一部の模式的斜視図である。
【図8】 動力伝達機構を示す側面図である。
【図9】 茎かん中央寄せ装置Bの作用説明図である。
【図10】 ロールベーラ装置Dの作用説明図である。
【符号の説明】
A:刈取・搬送装置
B:茎かん中央寄せ装置
C:茎かん切断装置
D:ロールベーラ装置
R:稲ホールクロップの茎かん
R’:茎かん切断片
V:ロールベール
42,43:切断ローラ
45:第1搬送ローラ
46:第2搬送ローラ
47:送込みローラ
Claims (2)
- 圃場のホールクロップ用の作物を刈り取った後に、その茎かんを切断して、その茎かん切断片をロールベールに成形するためのホールクロップ用ロールベーラであって、
圃場のホールクロップ用作物を刈り取って、その茎かんを中央部に集めた状態で、同量ずつ連続して機体の斜後上方に搬送するための刈取・搬送装置と、
前記刈取・搬送装置により機体の斜後上方に搬送された前記茎かんをロールベールに成形するためのロールベーラ装置と、
前記刈取・搬送装置と前記ロールベーラ装置との間に配設されて、該刈取・搬送装置により機体の斜後上方に搬送された前記茎かんを機体の斜右後方に向けて継続搬送して中央寄せするための茎かん中央寄せ装置と、
を備えていることを特徴とするホールクロップ用ロールベーラ。 - 茎かん中央寄せ装置の終端から連続して落下させられる前記茎かんを所定長に切断するための茎かん切断装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載のホールクロップ用ロールベーラ。
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