JPH06189619A - コンバイン刈取部の株元搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 機体の全長を圧縮して作業性能と取扱性を向
上する。 【構成】 左側に脱穀部を右側に操縦部（Ｃ）と穀粒収
容部を設置し、脱穀部から操縦部（Ｃ）の前方がわにか
けて対地高さを変更可能の刈取部（Ｂ）を設け、刈取穀
稈を後送する左右の株元搬送チエン（３）（４）を始端
がわ開きのハの字形に配置したもので、操縦部（Ｃ）の
前部下方近くを回動する右側株元搬送チエン（４）の非
搬送作用がわ部分を平面視で凹部形状に懸回し、その凹
部（５）内に株元搬送チエン（４）に対して突起（４
ａ）がわから係合する駆動スプロケット（６）を位置さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、走行装置上に載設する
搭載台の左側に脱穀部を、右側に操縦部と穀粒収容部を
設置し、脱穀部から操縦部の前方がわにかけて対地高さ
を変更する刈取部を設け、該刈取部分を構成して刈取穀
稈を後送する左右の株元搬送チエンを始端がわ開きのハ
の字形に配置して、機体の前進とともに穀稈を刈取脱穀
処理するコンバインにおける刈取部の株元搬送装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンバインにおいては、圃場での
刈取作業の際に枕刈りを出来るだけ少なくしたり、ま
た、路上走行時の方向変換等を容易にするために、刈取
部では引起しケ−スの後傾姿勢の傾きの度合いや刈取穀
稈を掻込み後送するスタ−形ホイル・掻込みベルト・株
元搬送チエン・縦搬送チエン・穂先搬送タイン等の傾斜
角度に検討が加えられ、脱穀部においても前後長の短縮
をはかってきたのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように従来からコ
ンバインの機体の全長を圧縮して作業性能と取扱性の向
上を目指して刈取部および脱穀部の短縮に鋭意検討を重
ねてきたところであるが、本発明はこの従来から目指し
ている機体の全長を更に圧縮して圃場での作業性能と取
扱性の向上に一層の貢献ができるものを提供するために
発明に至ったものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明のものは、
上記のようなコンバインを提供するために、走行装置上
に載設する搭載台の左側に脱穀部を、右側に操縦部と穀
粒収容部を設置し、脱穀部から操縦部の前方がわにかけ
て対地高さを変更する刈取部を設け、該刈取部を構成し
て刈取穀稈を後送する左右の株元搬送チエンを始端がわ
開きのハの字形に配置したものにおいて、前記操縦部の
前部下方近くを回動する右側株元搬送チエンの非搬送作
用がわ部分を平面視で凹部形状に懸回し、その凹部内に
株元搬送チエンに対して突起がわから係合する駆動スプ
ロケットを位置させて構成したことを特徴とするもので
ある。

【０００５】

【作用】このように構成したことによって、圃場での刈
取作業において刈取穀稈列の終端にきて機体を旋回させ
るとき或は路上走行時のように、刈取部を上動させて高
位にする際に右側株元搬送チエンの非搬送作用がわが凹
部形状に懸回されその凹部内に駆動スプロケットが位置
していることで操縦部の前部に干渉せず刈取部の上下動
操作が行え、これにより刈取部をより脱穀部がわに接近
させることができるのである。

【０００６】

【実施例】以下、本発明による刈取部の株元搬送装置に
関して実施例図により説明すると、先ずこのコンバイン
の概要について、（２）は走行装置（１）上に載設する
搭載台、（Ａ）はフィ−ドチエン（１０）を左側に張設
し扱胴（１１）・処理胴（１２）・揺動選別体（１３）
等を内蔵して搭載台（２）の左側に載置する脱穀部、
（Ｂ）は分草体（１４）・引起しケ−ス（１５）・刈刃
（１６）・スタ−形ホイル（１７）・掻込ベルト（１
８）・株元搬送チエン（３）（４）・縦搬送チエン（１
９）・穂先搬送タイン（２０）などからなり脱穀部
（Ａ）の前方がわに設けられた刈取部、（Ｆ）はフィ−
ドチエン（１０）の終端部から脱穀済の藁稈を後方に搬
出する排藁チエン（２１）の終端部をのぞませる排藁処
理部、（Ｃ）は操縦部、（Ｄ）は脱穀部（Ａ）からの穀
粒を揚穀筒（２２）を介して貯溜する穀粒収容部であっ
て、操縦部（Ｃ）と穀粒収容部（Ｄ）は搭載台（２）の
右側に位置し、連続的に植立穀稈を刈取りその刈取穀稈
を株元搬送チエン（３）（４）から縦搬送チエン（１
９）と穂先搬送タイン（２０）によって脱穀部（Ａ）が
わに搬送しフィ−ドチエン（１０）により挟持し扱室内
を横送させて脱穀処理し、穀粒を穀粒収容部（Ｄ）に貯
留しながら脱穀済の藁稈を排藁チエン（２１）により搬
出して排藁処理部（Ｆ）で処理するようになっている。
なお、（２３）は穀粒収容部（Ｄ）に貯留された穀粒を
機外に取出す排出オ−ガである。

【０００７】前記の刈取部（Ｂ）は該部（Ｂ）の最後部
に設けた駆動ケ−ス（２４）から前下方に向けて刈取主
ケ−ス（８）が延設され、この刈取主ケ−ス（８）の前
方がわ下端部に横出力ケ−ス（２５）がＴ字形に連結す
るとともに横出力ケ−ス（２５）に刈取フレ−ム（７）
が一体的に取付けられて、駆動ケ−ス（２４）内に内蔵
されたエンジン（Ｅ）から伝動される入力軸（２６）を
回動支点として操縦部（Ｃ）に設ける刈取昇降レバ−
（２７）の操作により油圧シリンダ−装置（図示省略）
によって上下動し対地高さが高低変位するようになり刈
高さの調節や機体の旋回あるいは路上走行を可能にして
いる。そして、（２８）（２９）は前記入力軸（２６）
を同一軸芯にして駆動ケ−ス（２４）の両側部から左右
に突設しそれぞれ受部材によって所定に位置決めされた
支持パイプであって、刈取部（Ｂ）の前記の上下動は具
体的にはこの支持パイプ（２８）（２９）を軸にして行
われるのである。

【０００８】そして、刈取部（Ｂ）の各部への動力の供
給は、前記の駆動ケ−ス（２４）内に入力軸（２６）の
他に中間軸（３０）と出力軸（３１）が平行に横架され
各軸に軸着する平ギヤ群により所定回転のものが出力さ
れて、この出力軸（３１）から刈取主ケ−ス（８）内に
内装の伝達軸（３２）に一対のベベルギヤ（３３）を介
して伝達され、その伝達軸（３２）によって前記の引起
しケ−ス（１５）から突出して上昇下降する引起しタイ
ン（３４）・刈刃（１６）・スタ−形ホイル（１７）・
掻込ベルト（１８）・株元搬送チエン（３）（４）等に
動力が供給され、縦搬送チエン（１９）と穂先搬送タイ
ン（２０）には前記の出力軸（３１）を左側方に延出
し、この延出部の端部に軸筒（３５）を介してスプライ
ン嵌合する伝動軸（３６）からベベルギヤ（３７）によ
り回転する縦方向の軸（３８）の下端部で縦搬送チエン
（１９）を回動させ、上端部で穂先搬送タイン（２０）
を回行させているのである。

【０００９】また、刈取部（Ｂ）は前述のように、分草
体（１４）・引起しケ−ス（１５）・刈刃（１６）・ス
タ−形ホイル（１７）・掻込ベルト（１８）・株元搬送
チエン（３）（４）・縦搬送チエン（１９）・穂先搬送
タイン（２０）などから構成されていて、その引起しケ
−ス（１５）は横方向に数本のものを並設して植立穀稈
の３条分を引起し、左側の２つの掻込ベルト（１８）と
スタ−形ホイル（１７）で左側２条分の穀稈を掻込み、
右側の掻込ベルト（１８）とスタ−形ホイル（１７）で
右側１条分の穀稈を掻込みながら刈刃（１６）で刈取
り、左側の株元搬送チエン（３）と右側の株元搬送チエ
ン（４）でこの刈取った穀稈の株元がわを後送して終端
部で合流させ、この合流したものを縦搬送チエン（１
９）によりもち上げるようにして３条分の刈取穀稈をＹ
字形に搬送し脱穀部（Ａ）に供給するようにしている。

【００１０】したがって、左側の掻込ベルト（１８）と
スタ−形ホイル（１７）と株元搬送チエン（３）は一連
のものに構成され、右側の掻込ベルト（１８）とスタ−
形ホイル（１７）と株元搬送チエン（４）も一連のもの
になって始端がわ開きのハの字形に配置されているので
ある。そして、この各一連のものに構成された左側のも
のを、以下、左側送込み機構（ａ）右側のものを右側送
込み機構（ｂ）とそれぞれ総称することにする。

【００１１】そして、右側の株元搬送チエン（４）は操
縦部（Ｃ）を装備するキャビン（３９）の前部下方近く
を回動する非搬送作用がわの部分を平面視で凹部形状に
懸回して、その凹部（５）内に駆動スプロケット（６）
を位置させ株元搬送チエン（４）の突起（４ａ）がわか
ら係合してこの搬送チエン（４）を回動させていて、そ
の駆動スプロケット（６）は前記の横出力ケ−ス（２
５）の右側部から立設するケ−ス内に内装して回動する
軸（４０）の上端部に軸着されているのである。

【００１２】（９）は前記の右側送込み機構（ｂ）を支
持する支持杆で、折曲して形成した２つのパイプ材（９
ａ）（９ｂ）を溶着連結して一体物とし、その支持杆
（９）の前端は刈取フレ−ム（７）から上方がわに向け
突設して上端に平板を固着した連結体（４１）に固定
し、後端は刈取主ケ−ス（８）に溶着する取付座（４
２）に固定されて平面視で株元搬送チエン（４）の搬送
作用がわにそう状態で刈取フレ−ム（７）と刈取主ケ−
ス（８）とに連結されている。

【００１３】そして、この状態に連結してある支持杆
（９）に前記の右側送込み機構（ｂ）が取着され支持さ
れているのであって、（４３）はこの支持杆（９）がわ
に取付られた取着板（４４）により株元搬送チエン
（４）の背面に接合する転輪であり、（４５）と（４
６）は株元搬送チエン（４）の終端部を上側と下側から
挟む状態に取付られた穀稈巻付け防止板である。また、
（４７）は支持杆（９）がわに固設の縦軸（４８）を軸
にして回動可能のア−ム（４９）の先端に装着されたテ
ンション輪体で、左右方向に伸縮力が働くテンションス
プリング（５０）によって株元搬送チエン（４）の背面
から駆動スプロケット（６）の巻掛け角を大にするがわ
に押圧している。なお、（５１）は株元搬送チエン
（４）の搬送作用がわの背面に接して支持案内するガイ
ド体、、（５２）と（５３）は巻付け防止板（４５）
（４６）から延出して左側の株元搬送チエン（３）に対
設するバネ杆、（５４）と（５５）は左右の株元搬送チ
エン（３）（４）間に設けられた搬送補助杆である。

【００１４】したがって、刈取部（Ｂ）の左側２条分は
左側送込み機構（ａ）で、右側１条分は右側送込み機構
（ｂ）によってそれぞれ掻込まれ後送されて終端部で合
流し縦搬送チエン（１９）に受継がれて脱穀部（Ａ）に
供給されるのであるが、右側送込み機構（ｂ）は前端を
刈取フレ−ム（７）に後端を刈取主ケ−ス（８）に連結
する支持杆（９）で支持されてその支持が強固になり穀
稈を掻込んで搬送するとき詰まりが生じても変形するよ
うなことがなく、また、この右側送込み機構（ｂ）は所
定の位置への位置決めが確実なものになり、さらに、こ
れを構成する掻込ベルト（１８）・スタ−形ホイル（１
７）・株元搬送チエン（４）等が刈取フレ−ム（７）が
わから立設するもので支持されないから、土や泥がたま
ったり雑草などが引っ掛かることがなくなる。

【００１５】そして、刈取作業の際、穀稈列の終端にき
て機体を旋回させるとき或は路上走行時のように、刈取
部（Ｂ）を上動させて高位にする際に右側株元搬送チエ
ン（４）の非搬送作用がわが凹部形状に懸回されその凹
部（５）内に駆動スプロケット（６）が位置しているこ
とでキャビン（３９）の前部に干渉せず、また、下動さ
せたとき右側のクロ−ラ前端に接触する恐れもなく刈取
部（Ｂ）の上下動操作が行えるのである。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、以上詳述したように、走行装
置（１）上に載設する搭載台（２）の左側に脱穀部
（Ａ）を、右側に操縦部（Ｃ）と穀粒収容部（Ｄ）を設
置し、脱穀部（Ａ）から操縦部（Ｃ）の前方がわにかけ
て対地高さを変更する刈取部（Ｂ）を設け、該刈取部
（Ｂ）を構成して刈取穀稈を後送する左右の株元搬送チ
エン（３）（４）を始端がわ開きのハの字形に配置した
ものにおいて、前記操縦部（Ｃ）の前部下方近くを回動
する右側株元搬送チエン（４）の非搬送作用がわ部分を
平面視で凹部形状に懸回し、その凹部（５）内に株元搬
送チエン（４）に対して突起（４ａ）がわから係合する
駆動スプロケット（６）を位置させて構成したことを特
徴とするものであるから、刈取部（Ｂ）を上動または下
動する際に右側の株元搬送チエン（４）の非搬送作用が
わが操縦部（Ｃ）の前部に干渉しなくなり、また、右側
のクロ−ラの前端に接触する恐れもなくなって、刈取部
（Ｂ）を脱穀部（Ａ）がわに接近させることができて機
体の前後長が更に圧縮され、圃場での作業性と路上走行
時の取扱性が向上し、また、機体の前後バランスの改善
にも貢献できるものとなったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】刈取部の株元搬送装置の平面図である。

【図２】刈取部の駆動ケ−ス周辺部の内部構造図であ
る。

【図３】コンバイン全体の側面図である。

【符号の説明】

１ 走行装置 ２ 搭載台 Ａ 脱穀部 Ｂ 刈取部 Ｃ 操縦部 Ｄ 穀粒収容部 ３ 株元搬送チエン（左側） ４ 株元搬送チエン（右側） ４ａ 突起 ５ 凹部 ６ 駆動スプロケット ７ 刈取フレ−ム ８ 刈取主ケ−ス ９ 支持杆

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺島 淳 大阪市北区茶屋町１番32号ヤンマ−農機株 式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行装置（１）上に載設する搭載台
   （２）の左側に脱穀部（Ａ）を、右側に操縦部（Ｃ）と
   穀粒収容部（Ｄ）を設置し、脱穀部（Ａ）から操縦部
   （Ｃ）の前方がわにかけて対地高さを変更する刈取部
   （Ｂ）を設け、該刈取部（Ｂ）を構成して刈取穀稈を後
   送する左右の株元搬送チエン（３）（４）を始端がわ開
   きのハの字形に配置したものにおいて、前記操縦部
   （Ｃ）の前部下方近くを回動する右側株元搬送チエン
   （４）の非搬送作用がわ部分を平面視で凹部形状に懸回
   し、その凹部（５）内に株元搬送チエン（４）に対して
   突起（４ａ）がわから係合する駆動スプロケット（６）
   を位置させて構成したことを特徴とするコバイン刈取部
   の株元搬送装置。
2. 【請求項２】 前端を刈取フレ−ム（７）に後端を刈取
   主ケ−ス（８）に連結した支持杆（９）によって右側の
   株元搬送チエン（４）がわを支持してあることを特徴と
   する請求項１のコバイン刈取部の株元搬送装置。