JP4155742B2 - フィルムに対する欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状被検査対象のフィルム中に含まれ、製品の不良となる異物等の欠陥を検出して記録若しくは添付するフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置並びにフィルム状製品、更にこのフィルム状製品の加工方法およびその加工システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば透明フィルムの欠陥検査装置として、走行中の透明フィルムを一次元CCDカメラやレーザ光でスキャンして透明フィルムの透過光量の変化や拡散光を検出し、これにより透明フィルム中の欠陥を検査してその製品としての良否を判定するものが知られている。例えば、特開2000−131245号公報に記載された検査装置では、毎分数mの早さで走行する透明フィルムを下方から照明装置により照射し、その透明フィルムの上方に固定された所定の分解能を有する一次元CCDカメラが透明フィルムの透過光を撮像することによって、透明フィルム中に含まれる欠陥(異物)の有無が検査される。また、レーザをフィルムに照射することで、欠陥からの散乱光を検出し、透明フィルム中の欠陥を検出する方法も多く適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような検査方法では、透明フィルムにおいては透過光による欠陥の顕在化が可能であるが、フィルムの樹脂中に粒子などのフィラーが存在すると、例えば透過率の低いフィラー中に欠陥として異物が存在している場合、欠陥と粒子の双方が同様に撮像されるために、欠陥と粒子の弁別が困難となる。例えば、図36に示すように粒子181は、基材183上の樹脂層182の中に点在しているフィルムにおいて、図37に示すように欠陥である異物185がフィルム厚さ方向に存在した場合には、照明光184と反対側に取り付けられた撮像装置(図示せず)でフィルムを観察すると、図38に示すように透過光に基く観察像186が検出され、粒子181と異物185の弁別が困難となる。
【0004】
さらに、液晶表示装置などの電子回路基板に用いられているフィラーを含んだフィルムの場合には、近年の回路の微細化にともないフィルム中の粒子密度が高くなる傾向にあり、透過光による検出がより困難になっているといった課題がある。
【0005】
とりわけ欠陥が極小である場合には、その発見が難しく、本来不良として判定されるべき透明フィルムが良品として判定される可能性がある。また、逆にフィラーの凝集を欠陥として検出してしまい、良品を不良として判定してしまうといった課題がある。また、透明フィルムや鋼板の表面欠陥検査で多く用いられているレーザの散乱光を用いた欠陥検出では、数μmのフィラーから散乱光が発生してしまい、欠陥からの散乱光とを弁別し難いといった課題があった。
【0006】
また、欠陥が検出されても、そのフィルムは欠陥発生が基準以上であれば出荷、またはその部分を除去してから出荷され、基準以下であれば破棄されていた。しかし、欠陥は数十から数百μm程度の大きさであり、その部分さえ除けば品質には問題ない。即ち、一部の異物発生によりフィルムを搭載する製品に不良が発生したり、また、一部の欠陥により全フィルムが不良となり大半が破棄されるといった課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、フィラーがフィルム中に欠陥と同等かそれ以下の大きさで存在しても、これに含まれる欠陥を高精度に検出し、この検出される欠陥に関する情報を記録若しくは添付して廃棄することなくフィルム状製品として提供できるフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置並びにフィルム状製品を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象に対して、これに含まれる金属種の異物等の欠陥を高精度に検出できるフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置ならびにこの検出される欠陥に関する情報を記録若しくは添付して廃棄することなくフィルム状製品として提供できることにある。
【0009】
また、本発明の更に他の目的は、提供を受けたフィルム状製品を基に良品部を加工するようにしたフィルム状製品の加工方法およびその加工システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フィルム状被検査対象を走行させる走行工程と、該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対して斜方から斜方照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した反射光をフィルム状被検査対象の法線方向から受光して第1の画像信号として検出し、該検出された第1の画像信号に基づいて第1の欠陥を検出する第1の欠陥検出工程と、前記走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対して法線方向から垂直照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した反射光を前記フィルム状被検査対象の法線方向から受光して第2の画像信号として検出し、該検出された第2の画像信号に基づいて第2の欠陥を検出する第2の欠陥検出工程と、前記第1および第2の欠陥検出工程によって検出された第1および第2の欠陥に関する情報(少なくともフィルム上の欠陥位置座標等)を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置である。
【0011】
また、本発明は、前記第1の欠陥検出工程において、前記第1の画像信号を背景信号レベルよりも低い第1の閾値で2値化することにより、前記第1の欠陥を前記第1の閾値より低い信号レベルとして検出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記第2の欠陥検査工程において、前記第2の画像信号を背景信号レベルよりも高い第2の閾値で2値化することにより、前記第2の欠陥を前記第2の閾値よりも高い信号レベルとして検出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記第1および/または第2の欠陥検出工程において、第1および/または第2の画像信号を基に、欠陥若しくはその候補を検出する判定処理を、第1および/または第2の画像信号における欠陥を示す濃淡度に応じた判定閾値および面積に応じた判定閾値を併用することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、斜方照明によってフィルム内部の黒異物(樹脂種の塊異物)を顕在化して検出する第1の異物検出工程と、欠陥としてフィラーと金属種の異物との反射率の違いをもとに金属種の異物を検出する第2の異物検出工程とを有することで、観察像の濃淡度で異物を顕在化させ、画像処理を単純化することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記記録若しくは添付工程において、フィルム状被検査対象に関する情報(フイルム状製品の製造番号や混入されたフィラーに関する情報)も併せて記録若しくは添付することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記フィルムに対する欠陥検査方法およびその装置において、更に、前記フィルム状被検査対象中に等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィラーを画像信号として顕在化して検出し、該検出された画像信号を基に、間隔、寸法、分布のいずれか1つ以上のフィラーの配列状態を測定するフィラー測定工程を有し、前記記録若しくは添付工程において、更に、前記フィラー測定工程で測定されたフィラーの配列状態を示す情報を記録若しくは添付することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記フィルムに対する欠陥検査方法およびその装置において、内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象に対して欠陥を画像信号として検出する欠陥検出工程と、前記フィルム状被検査対象中に等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィラーを画像信号として顕在化して検出し、該検出された画像信号を基に、間隔、寸法、分布のいずれか1つ以上のフィラーの配列状態を測定するフィラー測定工程と、前記欠陥検出工程によって検出された欠陥に関する情報と前記フィラー測定工程で測定されたフィラーの配列状態を示す情報とを前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置である。
【0018】
また、本発明は、内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行工程と、該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対してレーザ光を斜方より照射し、前記フィルム状被検査対象から得られる散乱光の内、空間フィルタを有する検出光学系によりフィラーのパターンからの散乱光を除去して欠陥からの散乱光を受光して画像信号として欠陥を顕在化して検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置である。
【0019】
また、本発明は、内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行工程と、該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象が磁気センサの間を通過することによって前記フィラーと欠陥とによっておよぼす磁界の変化に基づいて前記欠陥を前記フィラーと弁別して検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置である。
【0020】
また、本発明は、内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行工程と、該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象を磁気センサの間を通過させる際、前記フィラーと欠陥とを磁化し、該磁化されたフィラーと欠陥との磁気信号の相違に基づいて前記欠陥を前記フィラーと弁別して検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置である。
【0021】
また、本発明は、前記フィルムに対する欠陥検査方法およびその装置において、更に、前記欠陥検出工程で欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、斜方照明をフィルム状被検査対象の垂線に対して60°以上の入射角になるようにし、観察領域にあわせて照射光をライン状、またはスポット状(細帯状)にすることで、エネルギ密度を高め、異物の検出感度を向上させることを特徴としている。
【0023】
また、本発明は、斜方照明および落射照明において、波長およびエネルギ密度は、フィルムを構成する樹脂を変質させない程度の短波長化、高エネルギ密度化することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、斜方照明において、フィルム端の明るさむらを低減させるために、画像処理信号の明るさ補正(シェーデイング補正)に加え、検査光の照射方法をフィルム送り方向の両側から照射することにより明るさむらを抑制することを特徴としている。
【0025】
また、本発明は、前記第1および第2の欠陥検出工程において、前記撮像装置としてカラー撮像装置を用いて表示用のカラー画像を得ることを特徴とする。すなわち本発明は、カラーTDI(Time Delay and Integration)またはカラーラインセンサを用いることで、フィルムを停止することなく高速に欠陥検出を行い、欠陥状態確認用(表示用)の画像保存が同一のカメラで行え、装置を単純・小型化することができる。
【0026】
また、本発明は、搬送系の速度をモニタリングすることで、フィルムの送り速度に合わせてカメラへの取込速度を変動させることが可能なので、速度変動時にも同一感度で欠陥検出が可能である。
【0027】
また、本発明は、欠陥検査結果に関する情報をフィルム状製品に記録若しくは添付して構成したことを特徴とするフィルム状製品である。
また、本発明は、前記フィルム状製品は、内部にフィラーが存在することを特徴とする。また、本発明は、前記フィルム状製品は、内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在することを特徴とする。また、本発明は、前記フィルム状製品は、内部にフィラーが存在するフィルム樹脂層をフィルム基材層に貼り付けて構成することを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、前記フィルム状製品において、前記欠陥検査結果に関する情報として、欠陥発生位置、欠陥寸法、欠陥の種類、欠陥数のいずれか一つ以上の情報を含むことを特徴とする。また、本発明は、前記フィルム状製品において、更に、フィラーに関する情報(例えば、フィラーの寸法やピッチ等)も記録若しくは添付して構成することを特徴とする。
また、本発明は、前記フィルム状製品がロール状であることを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、前記第1の欠陥検出工程において判定処理された結果と、前記第2の欠陥検出工程において判定処理された結果とを基に、データ解析を行い、その結果を製造履歴や製品情報(製造履歴や製品情報を基に圧着等の加工条件を調整若しくは変更する場合に利用可能である。従って、利用しない場合には、製造履歴などは必要としない。)とともにレーザマーカ若しくはインクジェットマーカ、触針式マーカ等で前記フィルムの終端部に記録する、若しくは前記フィルム情報を添付する記録若しくは添付工程を有することを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、製品品質情報が記録若しくは添付されたフィルム状製品を間歇的若しくは連続的に走行させる走行工程と、該走行工程で走行される前記フィルム状製品に記録若しくは添付された製品品質情報を読み取る読み取り工程と、該読み取り工程で得られた製品品質情報からフィルム状製品に不具合が生じる個所の情報を送信する制御工程と、前記制御工程により送信された不具合が生じる個所の情報を基に前記フィルム状製品に対する加工を停止し、不具合以外の正常部分については前記フィルム状製品に対して加工を施す加工工程とを有することを特徴とするフィルム状製品の加工方法およびその加工システムである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るフィルムに対する欠陥検査方法およびその装置の実施の形態を図面を用いて具体的に説明する。
【0032】
まず、本発明に係るフィルムに対する欠陥検査の第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、図1に示すように、半導体素子の電極を、液晶表示装置などの電子回路基板上の電極に接続する際などに用いられる伝導性材料のフィラー、例えば粒子3を高密度に含んだフィルム(樹脂層)2内に欠陥として混入若しくは存在された金属種の異物や非金属種の異物である樹脂種の塊異物等を光学的に検査するものである。なお、被検査対象10としては、図3に示すように、上記粒子3を高密度に散らばされたフィルム樹脂層2をフィルム基材層1に貼りつけたものである。従って、本発明に係るフィルムに対する異物検査は、取扱いおよび連続的な送りを容易にするために、フィルム樹脂層2をフィルム基材層1に貼りつけた状態で行われる。
【0033】
そして、本発明に係る検査されたフィルムを用いての例えば圧着工程は、図2に示すように行われる。即ち、この圧着の際、フィルム樹脂層2からフィルム基材層1を剥がした状態で行われる。この圧着工程については、後で詳しく説明する。
【0034】
図1(a)は、本発明に係るフィルムに対する異物検査装置の一実施の形態を示す概略構成図である。図1(b)は、フィルムに対する異物検査装置において、フィルムデータ記録部をロールで巻き取る巻き終わり部に形成した場合を示す図である。まず、本発明に係るフィルムに対する異物検査装置は、図3に示すように、フィルム樹脂層2をフィルム基材層1に貼りつけた状態のフィルム状被検査対象10を連続的に送る(移動させる)送り機構20と、第1のステーションSt1に設けられ、被検査対象10のフィルム樹脂層2内に存在する上記非金属種の異物である樹脂種の塊などの塊異物(黒異物)を検出する第1の光学検出部30と、第2のステーションSt2に設けられ、被検査対象10のフィルム樹脂層2内に混入若しくは存在する上記金属種の異物(白異物)を検出する第2の光学検出部40と、上記第1および第2の光学検出部30、40から検出される画像信号を基に画像処理して異物を検査・解析する検査・解析部50とを備えて構成される。
【0035】
送り機構20は、搬送用ピンチローラ21a、21bと、これら搬送用ピンチローラ21a、21bを駆動するロータリエンコーダ付き駆動モータ22と、該ロータリエンコーダからの信号を基に、被検査対象10の送り座標値を出力する制御部23とから構成される。即ち、制御部23は、ロータリエンコーダからの信号を基に、被検査対象の送り座標値を管理することになる。
【0036】
第1の光学検出部30は、被検査対象10の振動を抑制する送りローラ31と、ハロゲンランプなどの光源(図示せず)から得られる白色光37を、振動が抑制された被検査対象10に対して検出光軸(被検査対象の垂線)に対して60°以上傾斜した方向から、照射エネルギ密度を高くするために、スリット状若しくはスポット状(細帯状)に集光させて対称的に照明する集光レンズを有する斜方照明光学系32a、32bと、白色光でスリット状若しくはスポット状(細帯状)に斜方照明された被検査対象10のフィルム樹脂層2を通しての内部からの散乱反射光(0次以外の回折光)を集光される対物レンズ36、該集光された散乱反射光を結像させる光学系(図示せず)、および結像された散乱反射光像を撮像して画像信号を出力する撮像装置(ラインセンサ若しくはTDIセンサ)35を有する検出光学系で構成され、フィルム樹脂層2を透過して基材1の粗表面からは、殆どが乱反射してフィルム2の表面から出射されて対物レンズ36に入射して、図13に示す如く背景73として明るく検出されることになる。
【0037】
フィルム樹脂層2内に存在する樹脂種の塊等の塊異物(黒異物)4の場合は、反射率が小さいだけではなく、図15に示すように対物レンズ36の瞳に入射する反射光38が小さくなり、図13に71で示す如く暗く検出されることになる。さらに、フィルム樹脂層2内に存在する粒子3や金属種の異物(白異物)5からは、図14に示すように、等方的に反射光39が発生して一部分が対物レンズ36に入射して、図13に72で示すように比較的明るく検出される。従って、明るさ判定閾値74を設けることによって、塊異物(黒異物)4のみを検出することが可能となる。
なお、上記スリット状(細帯状)照明としては、集光されたスポット光を回転ミラーや回転プリズム等を用いて走査する場合も含むものである。
【0038】
第2の検出光学系40は、被検査対象10の振動を抑制する送りローラ41と、ハロゲンランプ等の光源42から得られる白色光を波長選択フィルタ43を用いて約550nm以下の波長を選択して、ハーフミラー44で反射させて、振動が抑制された被検査対象10に対して検出光軸方向から、照射エネルギを高くするために、スリット状若しくはスポット状(細帯状)に集光させて照明する集光レンズを有する落射照明光学系と、約550nm以下の波長の光47でスリット状若しくはスポット状(細帯状)に落射照明された被検査対象10から得られる正反射光(0次回折光)に近い光を集光される対物レンズ46、該集光された正反射光に近い光を結像させる光学系(図示せず)、および結像された正反射光に近い光像を撮像して画像信号を出力する撮像装置(カラーラインセンサ若しくはカラーTDIセンサ)45を有する検出光学系とで構成され、粒子3と金属種などの異物5とで反射率の差の大きい波長領域を検査光47と選択することで、図19に示すように金属種の異物5からの反射光48が、図17に81で示すように明るく検出されることになる。図18に示す粒子3からの反射光49は、上記反射光48に比べて弱く、図17に82で示すように81に比べて暗く検出されることになる。なお、被検査対象10に照明される垂直落射照明光は、フィルム2を透過して半透明である基材1を通過し、基材1の粗表面からは弱い反射光が得られることにより、背景が図17に83で示すように暗く検出される。フィルム2内に存在する樹脂種の塊等の塊異物4については、乱反射されて対物レンズ46の瞳に一部が入射される関係で、粒子3と同様に暗く検出される。従って、明るさ閾値84を設けることによって、金属種などの異物5のみを検出することが可能となる。
【0039】
また、本実施例では垂直落射照明光の波長選択により粒子3と金属種などの異物5の弁別性を向上させているが、粒子3がAuのように短波長で反射率が減少する場合、検査光47に白色光を用いて、撮像装置で短波長側の色、即ち、R、G、BのBを用いて検出しても、弁別性を向上することができる。
【0040】
即ち、第2の検出光学系40を用いた異物検出工程において、欠陥として金属種など光沢のある異物5を白色異物として検出する際、該異物の検出感度を向上させるために、フィルム中に含まれるフィラー3の反射率が小さい波長の光りを落射照明として用いることにある。図5に金属の反射率の一例を示す。例えば、Cu、Au金属は、90で示すように波長500nm近傍92で反射率が減少するのに対して、Al金属は、91で示すように、500nm以下の波長領域でも高い反射率である。そのため粒子と異物を構成する金属の反射率が異なる光源、例えば、500nm以下の光を照射することで、金属種の異物のみを顕在化させることが可能となる。
【0041】
検査・解析部50は、第1の検出光学系30の撮像装置35から得られる画像信号に基いて樹脂種の塊などの塊異物4を、樹脂(フィルム)2や粒子3と弁別して判定する第1の判定処理部51aと、該第1の判定処理部51aで判定された判定結果に基く塊異物の画像を保存する第1の画像記憶部52aと、第2の検出光学系40の撮像装置45から得られる画像信号に基いて金属種などの異物5を、樹脂(フィルム)2や粒子3と弁別して判定する第2の判定処理部51bと、該第2の判定処理部52bで判定された判定結果に基づく金属種などの異物の画像を保存する第2の画像記憶部52bと、上記第1および第2の判定処理部51a、51bで判定された判定結果並びに上記第1および第2の画像記憶部52a、52bに保存された異物の画像に基づいて異物の発生状況を集計して解析するデータ解析部53と、該データ解析部53で解析された結果を出力して表示する表示装置54とから構成される。上記第1および第2の判定処理部51a、51bで判定される異物の被検査対象10上の座標データは、制御部23から出力されるフィルムの送り座標値を基に決定される。
以上説明した構成により、被検査対象10は、搬送用ピンチローラ21a、21bが回転駆動されることにより搬送される。
【0042】
このとき、斜方照明する第1の検出光学系30と、垂直落射照明する第2の検出光学系40とは送り方向に並べて設置されている。被検査対象10を間歇またはその被検査対象10の幅方向の一部を検査する場合、上記第1の検出光学系30の撮像装置と上記第2の検出光学系40の撮像装置は、走行している被検査対象10の同じ座標(幅方向、送り方向)を検査するような構成となっている。被検査対象10におけるフィルム樹脂層2に対する検査は、振動を抑えるために各ステーションに設けられた送りローラ31、41との接触部で行い、被検査対象10の振動の影響による感度変化を抑制する。
【0043】
このように、被検査対象10を直線状に搬送した際、被検査対象10に振動が存在する場合には、図4に示すように、送りローラ31、41において、被検査対象10に張力が得られるように搬送系を構成する。例えば、前側および後側にガイド用のピンチローラ61、62を設け、後側のピンチローラ62にブレーキを掛けることによって、被検査対象10に張力を付与することが可能となる。
【0044】
そして、各ステーションSt1、St2における撮像は、被検査対象10のフィルム2が平坦となる部分63、64において行うが、必要に応じて第1の検出光学系30および第2の検出光学系40を傾けて、被検査対象10の振動が少ない送りローラ31、41との接触部分で行ってもよい。
【0045】
第1の検出光学系30の照明光源(図示せず)および第2の検出光学系40の照明光源42としては、ハロゲンランプなどの白色光源を用いるが、フィルム樹脂層2中の粒子3や樹脂の種類により、必要に応じて波長選択フィルタ43を用いて波長を選択することによって、異物4、5と粒子3の弁別性を高めることができる。
【0046】
図5には、粒子3がAuの場合と金属種の異物5としてAlが混入した場合における照明光の波長(nm)と反射率(%)との関係を示す。90は、Auの金属の場合における照明光の波長に対する反射率の関係を示す。91は、金属異物5としてAl金属の場合における照明光の波長に対する反射率の関係を示す。このように、Auの金属は、波長500nm近傍において反射率が減少するのに対して、Al金属は、500nm以下の波長領域でも高い反射率が維持される。
【0047】
特に、第2の検出光学系40における波長選択フィルタ43として、550nm以下の波長を選択するようにすれば、粒子3がAu粒子の場合には、反射率が大きく減少して約60%以下になり、金属種の異物5としてAlの場合には、反射率が約90%となる。このように、照明光の波長として550nm以下を選択することにより、混入したAlの金属種の異物とAuの粒子との反射率に大きな差が生じ、その結果、粒子3からの金属種の異物5の弁別性を向上させることが可能となる。この場合、光源42として短波長領域に強度を有するHgランプなどを利用すると有効である。
【0048】
第1の検出光学系30における斜方照明は、第2の検出光学系40による垂直落射照明では検出し難い、フィルム樹脂層2中の樹脂種の塊異物4を検出するためである。そして、樹脂層2の中に存在する粒子3と塊異物4を顕在化させるために、検査領域の照射エネルギ密度を高くすると有効である。そのため、斜方照明装置32a、32bに取り付けられたファイバの先端に集光レンズ(図示せず)を備えて、白色光を集光して被検査対象10に照射する。検査領域に対応して、ライン状やスポット状に集光するが、何れにしても撮像装置35の撮像部と同じかそれよりも広い照明でなくてはならない。斜方照明装置32a、32bは、フィルム中の粒子3から塊異物4を顕在化させるために、斜方照明装置32a、32bの入射角を被検査対象10の垂線に対して約60度以上に設定するのが望ましい。
【0049】
ところで、被検査対象10のフィルム樹脂層2が透明または半透明フィルムの場合、所定の厚さを持った透過性材料であることから、図6に示すように、斜方照明装置33a、33bにより送り方向と直交して斜方から照明すると、図6のようにフィルム樹脂層2の端93が中心部94より明るくなり、フィルム基材層1上のフィルム樹脂層2内への照度が不均一になる。これを抑制するために、図8に示すような被検査対象10の送り方向から、斜方照明装置32a、32bにより検査光を照射することで、図9のように均一な照度分布95が得られるようにする。
【0050】
撮像装置35、45にはカラーラインセンサまたはカラーTDIセンサを採用することで、異物検出判定とともに画像を保存して、異物が存在している箇所の外観を確認できるようになっている。検出画素寸法は粒子3と異物4、5とを弁別できるだけの感度を得るために、フィルム2中にある粒子3の少なくとも3分の1以下の検出画素寸法とする。この撮像装置35、45はフィルム樹脂層2の幅方向、すなわち送り方向と直角の方向に受光素子列が並ぶように設置されている。この撮像装置35、45はフィルム2の全幅を撮像するものとし、必要な場合には複数台設けて全幅を撮像する。
【0051】
上記第1および第2の判定処理部51a、51bの各々における画像処理は、例えば、図10に示すような処理フローにより行う。実線は画像の流れを表し、波線はデータ信号の流れを示す。まず、ステップS81において、撮像装置35、45の各々からカラー画像を入力し、ステップS82において、入力された各カラー画像を上記第1および第2の画像記録部52a、52bの各々または別に設けられた一次保存用のメモリの各々に一次保存する。次に、入力されたカラー画像RGBのうち1色若しくは平均値を利用して、明るさ補正(シェーディング補正)(ステップS83)、平滑化処理(ステップS84)、明るさ判定閾値で2値化する2値化処理(ステップS85)、収縮処理(2値化信号で異物を示す連続した一塊の信号を一つの異物信号に収縮する処理)(ステップS86)、ラベリング処理(一つの異物信号毎にラベリングを行う処理)(ステップS87)等を行う。
【0052】
上記第1および第2の判定処理部51a、51bの各々に対応する2値化処理において、予め設定しておいた判定閾値74、84と面積判定閾値(例えば、面積に応じて、粒子3凝集による虚報を消去して異物を顕在化する判定処理)を併用することで粒子(球状粒子)3が存在するフィルム樹脂層2中から異物4、5のみを検出する(ステップS88)。このように、第1および第2の判定処理部51a、51bにおける欠陥若しくはその候補を検出する判定処理を、第1および第2の画像信号における欠陥を示す濃淡度に応じた判定閾値および面積に応じた判定閾値を併用することによって、粒子(フィラー)3が存在するフィルム樹脂層2中から異物4、5のみを検出することが可能となる。
【0053】
各ステップS88で、各異物4、5が検出されない場合には、ステップS82で一時保存したカラー画像を、ステップS89で破棄する。各ステップS88で、各異物4、5が検出された場合には、ステップS82で一時保存したカラー画像に、制御装置23から得られる座標情報を付与して、ステップS82において上記第1および第2の画像記録部52a、52bの各々に保存するとともに、この異物検出結果に制御装置23から得られる座標情報を付与してデータ解析部53に出力する(ステップS91)。
【0054】
次に、主な画像処理の形態とデータ解析部53による解析結果の出力例について、図11を用いて説明する。撮像装置35、45の各々で撮像された画像90a、90bは第1および第2の判定処理部51a、51bの各画像入力ボードに転送される。第1および第2の判定処理部51a、51bの各々は、観察画像90a、90bに対して、明るさ濃淡度による2値化処理を行い、フィルム樹脂層2中から異物のみの2値化画像91a、91bを得る。さらに、ノイズ成分の除去を設けて、対象異物4、5のみの検出画像92a、92bが得られる。異物が検出されると、図10に示すように、ステップS82で一時保存されていた画像を例えば256×256画素で座標情報とともに記録装置52a、52bに保存し(ステップS90)、検査後にデータ解析部53は、第1および第2の判定処理部51a、51bを介して記録装置52a、52bから画像を呼び出して、例えば表示装置54に表示することによって確認できる構成となっている。検査結果は、2系統の判定処理部51a、51bからそれぞれ出力され、データ解析部53にてデータ集計を行い、フィルムの幅方向および送り方向の異物発生座標、異物種、異物種毎の検出個数、異物種毎の検出面積または検出直径など、表示装置54に検査結果画面93としてマッピング画面およびデータ集計表(異物1:個数○○○面積×××、異物2:個数○○○面積×××)が表示される。表示装置54のマッピング画面は、表示分解能を任意のスケールに変更が可能であり、部分的な異物の発生状況を確認できるものとする。要するに、データ解析部53は、検査結果である異物情報として、異物発生座標、異物種、異物種毎の検出個数、および異物種毎の検出面積などを解析でき、これら解析された異物発生座標、異物種、異物種毎の検出個数、および異物種毎の検出面積などを基に良品領域部分と不良品領域部分とに区分けできるように構成されている。
【0055】
撮像装置35、45であるカラーセンサには、搬送系に備えられたロータリエンコーダ22からパルス信号が送信され、被検査対象10の走行と同期して画像を取り込むことにより、被検査対象10の速度変動時においても検出感度の変動を抑制する。さらにエンコーダ22のパルス信号は、制御装置23でパルスをカウントすることで判定処理部51a、51bである計算機に座標情報および速度情報を提供する構成となっている。
【0056】
検査は、搬送系のピンチローラ21a、21bが回転して被検査対象10が所定の搬送速度になることで開始される。すなわち、ロータリエンコーダ22のパルス信号が所定の値になり、判定処理部51a、51bの計算機に検査速度情報が転送されることで開始される。また、被検査対象10の送り速度が加減速時にはエンコーダ22の信号から撮像装置35、45のスキャンレートまたは駆動周波数を変動させて、検出感度の変動を抑制することも可能である。検査の開始も、搬送の開始と同期させることも可能である。
【0057】
さらに、図1(a)に示すように、ステップS91で得られた検査結果(ステップS92からの異物の座標情報も含む)をデータ解析部53からマーキング装置102に転送して、被検査対象であるフィルムの終端に、検査したフィルムについての製品情報(製品品番など)および異物情報(異物発生位置、異物サイズ、異物種など)をフィルムまたはロールに記録、印刷または記憶する(ステップS93)。マーキング装置102は、レーザマーカやインクジェットマーカ、または触針式マーカなどを用いて、巻取部101aで巻き取られるフィルム10の記録部103に印刷または記録する。検査結果である異物情報は被検査対象10の検査の最後、終端部に印刷、記録または記憶する。記憶する場合には、フィルム10の巻き終わり部やロール110a等に記憶する素子や部材を形成することによって可能となる。即ち、図1(b)に示すように、フィルムデータ記録部111aを、ロール110aへのフィルムの巻き終わり部に位置することが、後述するこのフィルムを用いて圧着接続する際、好都合である。なお、上記マーキングは、例えば図32、図33に示すように、251a、252aには製品番号、252a、252bには異物情報である検査結果といったようにバーコード253や文字251b、252bを用いて印刷または記録して行う。図32および図33は、製品情報および異物情報も視覚で認識できるように示したが、検査情報については、特に視覚認識できなくても良く、フィルムを購入した側の読み取り装置で読取れればよい。
【0058】
また、前記マーキング装置102は、必ずしもフィルム終端部に検査結果である異物情報を記録するものではなく、図32および図33に示すように、例えば、検査中に異物が検出された際に、その箇所に異物255が存在していることを示すためにマーキング254aまたは254bを行っても良い。
【0059】
また、検査結果および製品情報はマーキング以外にも、製品へ添付する手段若しくは方法としては、バーコードなどの情報を印字したラベルやICチップなどでも良い。
【0060】
以上説明したように、フィルムメーカはフィルムに検査結果である異物情報を製品情報と共に記録(印刷、記憶も含む)または添付して提供することによって、フィルムに関する信頼性の情報がユーザーに提供され、フィルムとしての製品の付加価値を向上させることが可能となる。添付する場合としては、製品情報(製品番号)をキーとして異物情報をネットワークを介して提供する場合も含むものである。しかし、記録する場合には、提供を受けるフィルム自身或いはフィルムを巻き取ったロールに検査情報である異物情報が記録されているので、ユーザ側が読み取り装置を設置するだけで、検査情報である異物情報を把握することが可能となる。
【0061】
また、前記フィルム状被検査対象は検査終了後、巻き取らなければならない。通常、巻き取り用のローラにはモータ等の動力と制御装置を設けて、回転速度を巻き取り量によって変化させなければならない。本発明でのフィルム巻き取り機構は、図34に示すように、フィルム送り用のピンチローラ301、302によりフィルムが搬送された後、ローラ巻き取り部304により巻き取られる。巻き取り部304はピンチローラ駆動部302に外接しており、巻き取り部304の軸が例えばバネ305によってピンチローラの駆動部302に常に押し当てられる構成となっている。そのため、図35に示すようにフィルムの巻き取りによって巻き取り部304の径が増加しても、径が変化しないピンチローラ302の外周速度と同速度で巻き取り部304が回転するため、巻き取り部304の回転速度を制御することなく、巻き取ることが可能である。
【0062】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。ここでは判定処理部51a、51bとしてPC(Personal Computer)を用いたソフトによる異物検出を例に説明する。
【0063】
第1の実施例は、基材1上に貼り付けられたフィルム2中に、フィラー、例えば粒子3が点在した被検査対象10に異物検査例である。異物種としては、図13に示すように背景より暗く検出(黒判定)される樹脂種の塊などの黒異物4と、図17に示すように背景より明るく検出される金属種の異物(以後、白異物)5がある。
【0064】
まず、第1のステーションSt1においての黒異物4の検出についての第1の実施例について説明する。黒異物4の検出では、斜方照明装置32a、32bによりフィルム樹脂層2中に光37が浸透することで、フィルム樹脂層2中に存在する透過率の低い粒子3と黒異物4とを背景73よりも黒い部分71、72として顕在化させる。
【0065】
図12には、黒異物4の検出例を示す。被検査対象10のフィルム樹脂層2である樹脂層6中に存在する粒子(フィラー)3と黒異物4は斜方から検査光37を照射する斜方照明装置32a、32bにより、図13に示す如く、図12のA−A‘の断面濃淡波形が得られる。フィルム樹脂層2が透明または半透明で可視領域に対して透過性の材料であれば、150W程度のハロゲン光源を集光することで十分な検査光が得られるが、低い透過率の材料の場合には、高出力のHgランプやXeランプ光源を用いたり、フィルムの透過率の高い波長領域を選択して採用することによって、フィルム樹脂層中の異物検出率を向上させることができる。
【0066】
撮像装置35は、斜方照明により顕在化された粒子(フィラー)3と黒異物4を撮像する。該撮像された画像は、第1の判定処理部51aに備えられた画像入力ボードを介して、ロータリエンコーダ22からの座標情報とともに第1の判定処理部51aに入力される。ロータリエンコーダ22は、送り方向の座標を少なくとも100μm以下の分解能を有するものとする。第1の判定処理部51aに入力した撮像画像(観察画像)は、図11に示すように、1フレーム分の画像、例えば2048×2048画素分を一時的に保存し(ステップS82)、RGBの何れか1色または平均値を用いて画像処理を行う。本装置の特徴としては、透過照明装置を用いた検査装置とは異なり、斜方照明装置32a、32bにより粒子3と黒異物4の明るさ濃淡度に差を生じることができるため、煩雑な画像処理を行う必要が無く、画像処理時間の短縮が可能である。
【0067】
即ち、図13に示すように、樹脂層6中の粒子3は、斜方照明装置32a、32bにより、72で示すように黒く検出されるが、濃淡度は71で示す黒異物4と比べて73で示す樹脂層6との差が小さいため、判定閾値74による黒判定により黒異物のみを検出することができる。これは、図14に示すように、粒子3に斜方照明装置32a、32bからの検査光である斜方照明37が照射されると、粒子3が球状に近いため、等方的に反射光39が発生し、該反射光39の一部が対物レンズ36を通過して撮像装置35により撮像される。この撮像の際、粒子3の頂点部のみが、反射光を発生する反射部として観察されるため、その大きさは画素に対して小さく、その他の部分は暗部であり、画素あたりの濃淡度はマージされ、粒子3の濃淡波形72が得られる。黒異物4の場合には、反射率が小さいだけではなく、図15に示すようにレンズ36を通過して撮像装置35に入射する反射光38が小さく、粒子3より黒い濃淡波形71が得られ、明るさ判定閾値74を設けることで、黒異物のみを検出することができる。
【0068】
また、粒子3が黒異物4と同等の濃淡度を有している場合でも、2値化処理によりこれらの異物候補を取り上げ、これらの異物候補の中からラベリングにより検出対象サイズの黒異物4のみを取り出して(面積による閾値処理をすることによって)、ノイズや粒子3の凝集から発生する虚報を除去して、黒異物4のみを検出する。
【0069】
第1の検出光学系30において、高精細な検出分解能を有する検出系を採用した場合には、撮像装置35で撮像される観察画像(高精細な検出分解能を有する画素単位では)において粒子3と黒異物4の濃淡度の差が小さい場合があるが、上記処理方法の他に、平滑化処理により画像をマージすることで黒異物4のみを顕在化することが可能である。
【0070】
以上説明したように、第1の判定処理部51aは、黒異物4が検出されると、制御装置23からの座標情報とともにこの検査結果のデータをデータ解析部53に転送する。この黒異物データは、異物発生位置座標、異物の種類、異物の面積(または異物の長径)、異物数、検査長などから構成され、適宜に表示装置54に表示される。また、これと同時に、第1の判定処理部51aにステップS82において一時保存されていた1フレーム分の画像を座標情報とともに第1の判定処理部51aから記録装置52aに保存して(ステップS90)、検査終了後、異物の状態を観察できるような構成となっている。黒異物が存在しなかった場合は、そのフレームの画像を破棄する(ステップS89)。
【0071】
次に、第2のステーションSt2においての白異物5の検出についての第1の実施例について説明する。背景より明るく検出される金属異物(白異物)5の検出例を図16に示す。斜方照明装置32a、32bが黒異物4の顕在化に有効なのに対して、垂直落射照明装置42〜44による垂直落射照明は、フィルム樹脂層2の厚さ方向に点在する白異物5に対して、高い検出感度が得られる。図16のB−B‘の断面濃淡波形は、図17に示すように、白異物5の濃淡度81が粒子3の濃淡度82に対して差が生じる。なお、83は背景から検出される濃淡度を示す。垂直落射照明47による粒子3と白異物5の反射光の違いを、図18と図19とに示す。粒子3と白異物5の物質の反射率の違いを利用して、垂直落射照明装置42〜44に波長選択フィルタ43を挿入して、粒子3と白異物である金属異物5との反射率の差が大きい波長領域を検査光47として選択することで、白異物5からの反射光48と粒子3からの反射光49との間に差を得ることができ、検出感度を向上することが可能である。
【0072】
第2の判定処理部51bにおける画像処理は、黒異物4と同様に、図10の処理フローに従って一連の画像処理を施し、白異物5の検出を行う。第2の判定処理部51bは、ステップS85において判定閾値84による白判定の2値化処理により白異物5の候補をあげ、ステップS87においてラベリング処理により検出対象の大きさ(例えば同じラベリング処理が施された面積)から白異物5を弁別して検出し、この検出結果をデータ解析部53に出力する。
【0073】
以上説明したように、第2の判定処理部51bは、白異物5が検出されると、制御装置23からの座標情報とともにこの検査結果のデータをデータ解析部53に転送する。この白異物データは、異物発生位置座標、異物の種類、異物の面積(または長径)、異物数、検査長などから構成され、適宜に表示装置54に表示される。また、これと同時に、ステップS82において一時保存されていた1フレーム分の画像を座標情報とともに第2の判定処理部51bから記録装置52bに保存し(ステップS90)、検査終了後、異物の状態を観察できるような構成となっている。白異物が存在しなかった場合は、そのフレームの画像を破棄する(ステップS89)。
【0074】
また、第1のステーションSt1においての白異物5の検出についての第2の実施例について説明する。即ち、検査光37として粒子3と白異物である金属異物5との反射率の差が大きい波長領域を選択することで、フィルム樹脂層2の表面近傍に存在する金属異物(白異物)5からは、斜方照明装置32a、32bでも背景よりも十分な反射光が得られるため、黒異物4の判定に加えて、背景よりも明るい判定閾値による白判定でも検出することが可能となる。
【0075】
この場合、垂直落射照明系40と斜方照明系30の双方の判定処理部51a、51bで重畳して異物が検出される可能性があるため、データ解析部53において同一座標情報を有する異物を同一異物と判定することによって、重畳して異物を検出するのを防止してその判定結果を出力することができる。
【0076】
以上、ステップS91での検査結果(製品品番、異物発生位置、異物サイズ、異物種など)は、データ解析部53から検査結果記録装置102に転送され、検査結果を被検査対象であるフィルム10の例えば終端部にマーキングする(ステップS93)。
【0077】
このように、フィルム10に関する検査結果である上記異物情報を製品情報と共に記録(印刷、記憶も含む)または添付して提供することによって、フィルムに関する信頼性の情報がユーザーに提供され、フィルムとしての製品の付加価値を向上させることが可能となる。
【0078】
次に、本発明に係るフィルムに対する異物検査の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、被検査対象10として、半透明フィルムであるポリイミドフィルムの場合である。ポリイミドフィルムは半導体パッケージやフレキシブル基板に用いられており、その絶縁性がデバイス特性に大きく影響する。
【0079】
第2の実施の形態の異物検査装置は、第1の実施の形態である斜方照明装置32a、32bと垂直落射照明装置42〜44を用いることにより、金属種の異物5を顕在化し、品質上問題の生じない絶縁性の異物4と致命欠陥となる金属種の異物5を弁別することができる。ポリイミドフィルムは、図1に示す搬送系21a,21bにより搬送され、上流の斜方照明装置32a、32bを有する第1の検出光学系30により、黒異物4の有無を検査し、下流の垂直落射照明装置42〜44を有する第2の検出光学系40により、金属種の異物(白異物)5の有無を検査する。それぞれの検出系の第1および第2の判定処理部51a、51bを経て、データ解析部53に検査データを転送し、第2の検出光学系40で異物が検出された場合は、フィルム中に金属種の異物5が存在すると判断する。金属以外の異物を検出対象とするときは、第1の検出光学系30からのみ検出されたものを、非金属異物とする。ポリイミドフィルムとは異なる樹脂種の異物4を検出する場合は、前述の第1の実施の形態のように、ポリイミドと樹脂種異物4の反射・吸収特性の相違を利用して弁別をすることができる。
【0080】
次に、本発明に係るフィルムに対する異物検査の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、内部のフィラー、例えば粒子202が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象200を連続的に走行させる場合である。なお、該被検査対象200は、図21で示すように、粒子202が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム樹脂層201をフィルム基材層204に貼り付けたものである。従って、本発明に係るフィルム200に対する異物検査は、第1および第2の実施の形態と同様に、取扱いおよび連続的な送りを容易にするために、フィルム樹脂層201をフィルム基材層204に貼り付けた状態で行われる。
【0081】
そして、図20および図21に示すように、フィルム201中に粒子202が等間隔に並んでいる被検査対象200の場合には、予めこの粒子パターン信号を第1および第2の判定処理部51a、51bに入力しておくことで、斜方照明光学系32a、32bでの画像処理の際にこの粒子パターンから外れたものを異物203として認識することが可能となる。さらに、この異物203が電子デバイスで用いる際に短絡を起こす致命的な金属異物5であるか、短絡への影響は無い樹脂の塊異物4であるかの判断は、搬送系の下流に位置する垂直落射照明光学系42〜45で撮像を行い、第2の判定処理部51bを経て、データ解析部53で判定する。
【0082】
ところで、粒子202が等間隔に並んでいる場合には、第1のステーションSt1として、斜方照明光学系の代わりに、図21および図22に示すような透過照明光学系で構成してもよい。勿論、斜方照明光学系とは、別に、図21および図22に示す透過照明光学系を設けても良い。即ち、透過照明光学系の場合は、フィルム200の裏面側からガイドローラ209の間を通して透過照明205を行い、透過光を対物レンズ207で集光して撮像装置(CCDイメージセンサ、TDIイメージセンサなど)206で受光して画像信号を出力するように構成される。その結果、図23に示すように、撮像装置206から撮像して得られた画像信号を、異物検出とは別の画像処理系統(データ解析部53でもよい。)で、画像信号から粒子202のデータを集計する。即ち、ステップS201において撮像装置206から撮像して得られた画像を入力し、ステップS202において所定の閾値で2値化することによって、図24に示す如く、粒子202および金属種等の異物は黒画像として検出できることになる。このようにステップS202で得られた2値化画像を、異物検出を行うステップS205と、粒子202の状態を調べるステップS203に分割する。
【0083】
異物検出を行うステップS205は、上記2値化画像信号を基に、例えば粒子ピッチずらした参照2値化画像信号との論理を取ることによってマスク処理する(パターンマッチングする)ことによって粒子パターン信号を得ることができる。この粒子パターン信号を第1および第2の判定処理部51a、51bに入力しておくことによって、第1および第2の判定処理部51a、51bを経て、データ解析部53において、異物203が電子デバイスで用いる際に短絡を起こす致命的な金属種異物5であるか、短絡への影響は無い樹脂の塊異物4であるかの判断を行うことが可能となる(S206)。特に、第2の判定処理部51bからは金属種の異物5が検出されることになる。
【0084】
そして、ステップS203では、粒子202の粒径211(および形状)、ピッチ212、粒子202の欠落214等のデータを例えば2値化画像信号から測定する。これらの測定結果をステップS204で統計処理して、粒径やピッチの分布などをデータとして解析する。解析結果は、例えば図25に示すように、粒径211およびピッチ212の分布217を表示し、ある閾値218以内であれば良品、それ以外は不良と判定する。全体の統計処理の他に、任意の領域で統計分布処理を行い、異物発生時と同様に、不良位置を被検査対象200に記録または添付する。このように、これまでの異物203の有無だけではなく、粒子202の欠落214による接続不良の観点からの品質検査も可能である。
【0085】
これらのデータは、粒子パターンを有していない前記フィルム検査と同様に、マーキング装置102により、フィルムの終端部に製品番号とフィルム検査結果、さらに粒子のデータが記録または添付される。このように、フィルム200に関する検査結果である上記異物情報を製品情報(粒子データも含む)と共に記録(印刷、記憶も含む)または添付して提供することによって、フィルムに関する信頼性の情報がユーザーに提供され、フィルムとしての製品の付加価値を向上させることが可能となる。
なお、繰返しパターンを有するフィルムの場合でも、同様な処理により、異物検査を行って、その結果をフィルムに記録または添付することが可能となる。
【0086】
次に、本発明に係るフィルムに対する異物検査の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、内部のフィラー、粒子が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象200を連続的に走行させる場合である。この場合、第1のステーションSt1に図26に示す構成の光学系を設置してもよい。即ち、内部の粒子202が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象200にレーザ光222を斜方照明するように構成する。レーザ光222が被検査対象200に照射されると、入射光は回折、散乱される。この回折光および散乱光は、対物レンズ221を通過し、空間フィルタ220および偏光板を通過して光検出器(イメージセンサ等)219に入射する。この検出器219への入射光の光量によりフィルム中の異物の有無を検出することができる。即ち、フィルム中に異物が存在した場合、パターン以外からの散乱光が発生するため、この散乱光量の増加を光検出器219により検出して異物の存在を検出することが可能となる。しかし、光検出器219への入射光には異物による散乱光のみではなく、粒子や繰返しパターンによる回折光も含まれるため、この回折光を除去して異物の検出感度を向上させるために空間フィルタ220および偏光板を用いる。その結果、図27に示すように、スキャン位置に対応した検出信号225から異物203の中の金属異物3を示す散乱光信号226が得られる。
【0087】
更に、フィルム樹脂層201中の異物203としての金属種異物5を検出する場合には、第2のステーションSt2に設けられた垂直落射照明系を用いる。このようにして、粒子202が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在する被検査対象200の中に存在する異物203を検出して、その検査結果を被検査対象200に記録または添付することが可能となる。
【0088】
次に、本発明に係るフィルムに対する異物検査の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、内部のフィラー、粒子3が任意に存在するフィルム状被検査対象10または粒子202が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象200を連続的に走行させる場合である。即ち、第5の実施の形態では、図28および図29に示すように、被検査対象10、200を連続的に送る(移動させる)送り機構20と、磁場の変化を観測する磁気センサ部220と、磁気センサ部220からの信号を基に信号処理して金属異物などを検査・解析する検査・解析部50と、マーキング装置102などを備えて構成される。検査・解析部50は、金属種などの異物5を、粒子3、202と弁別して判定する判定処理部51と、該判定処理部51で判定された異物を示す信号等を制御装置23から得られる座標情報を付与して逐次記憶する記憶部52と、前記判定処理部51で判定された結果および記憶部52に記憶された信号(座標情報も含む)等に基づいて異物の発生状況を集計して解析するデータ解析部53と、該データ解析部53で解析された結果を出力して表示する表示装置54とから構成される。磁気センサ部220は、被検査対象10、200が通過した際、金属異物5が及ぼす磁界の変化を検出して金属異物5を検出する磁気センサ227a、227bを備えて構成される。
【0089】
等間隔に粒子202が存在する場合には、磁気センサ227a、227bによって、一定の磁場の変化が観測されるが、その間に金属異物5が存在すると磁場に乱れが発生し、信号処理部230において、図30に示す如く、磁気信号241が弱まることにより金属異物信号242として観測され、その乱れから金属異物5の存在を検出することが可能となる。
【0090】
さらに、磁気センサ部220として、記録部(磁化部)227a、227bと読取部228を設け、判定処理部51において、読取部228で読取られた金属種による信号の強度変化から、金属種の異物の弁別も可能となる。上記粒子3、202に比べて磁化率の高いまたは低い金属種であれば、異物の存在がわかる。さらに、図31に244、245で示すように、金属種でも磁化率が大きく異なるため、どの金属種が異物として混入したかを、判定処理部51において、信号強度243から弁別が可能となる。
【0091】
以上、フィルム状被検査対象10、200に混入した金属異物5に関する情報が判定処理部51において判定されて記憶部52に逐次記憶されることになる。従って、データ解析部53は、判定処理部51で判定される金属異物5に関する情報および記憶部52に記憶された信号等を基に、一つの被検査対象に対して金属異物5に関する情報を集計し、その結果を例えばマーキング装置102に出力して記録または添付することが可能となる。
【0092】
なお、上記第1乃至第5の実施の形態の他に、食品用のラップに含まれる金属異物検査、医療用のカテーテルに用いられる樹脂材料中に存在する異物検査にも同様の方法で適用することができる。
また、上記第1乃至第5の実施の形態としては、PCを用いたソフト処理を例に説明したが、画像処理はこれに限らず画像処理ボードによるハード処理でも同様である。
【0093】
また、上記第1乃至第5の実施の形態としては、樹脂などで構成されたフィルムを被検査対象としたが、鋼板などの長物検査でも、検査し、検査結果を記録する工程は同様である。
また、実施例ではフィラーが粒子状のもので説明したが、矩形などの場合にも適用可能である。
また、実施例ではフィルム全面検査での実施の形態であるが、部分検査においても、製品の品質および情報管理情報として利用することが可能である。
【0094】
次に、フィルム10、200等の製品が、製品情報および異物検査結果の情報を記録または添付して提供を受けて、加工工程である例えば圧着工程に利用する場合の実施の形態について、図2を用いて説明する。即ち、図10に示すように、マーキング工程S93においてフィルムの品質情報である異物等の欠陥情報を記録または添付されて提供を受けたフィルム10、200について、加工工程である例えば圧着工程S94において、上記記録または添付された欠陥情報を読み取り、この読み取られた欠陥情報に基づいて異物が混入していない正常な個所のみ製品に適用する。即ち、全体制御部105は、品質情報である異物等の欠陥情報を記録または添付されて提供を受けたフィルム10、200について、上記記録または添付された欠陥情報を読み取り、該読み取られた欠陥情報を基に不良箇所のフィルムについて製品適用しないように管理し、加工装置である圧着装置を制御することによってフィルム起因による電子デバイスの不良発生を防止する。また、繰り返しパターンの場合も同様な処理により製品適用を行う。
【0095】
例えば圧着工程S94における圧着システムは、上記の如く提供を受けたロール状のフィルム10、200が設置される供給部101bと、該供給部101bから送り出されるフィルム10,200にマーキング工程S93で記録または添付された検査結果である異物等の欠陥情報および製品情報を読み取る読取部104と、該読取部104で読取られた欠陥情報および製品情報等が入力される全体制御部105と、上記供給部101bから送り出されるフィルム10,200から送りローラ121a、121bおよび124a、124bによってフィルム基材層1、204を剥がして送り込まれるフィルム樹脂層2,201を所定の寸法に切断して圧着等の加工を行う加工装置130と、全体制御部105からの指令に基づいて加工装置130を制御する加工制御装置106とによって構成される。加工装置130は、圧着の場合には、圧着装置131a、131bによって構成される。なお、フィルムを送り出す送り機構120は、搬送用ピンチローラ121a、121bと、これら搬送用ピンチローラ121a、121bを駆動するロータリエンコーダ付き駆動モータ122と、該ロータリエンコーダからの信号を基に、フィルム10、200の送り座標値を出力する制御部123とから構成される。
【0096】
読取部104は、ロール110bから巻き解されて送り出されるフィルムの始端部の記録部111bから、マーキング工程S93で記録または添付された検査結果である異物等の欠陥情報を読み取り、該読み取られた欠陥情報を圧着等の加工を行う加工装置130にフィードバックすることにより、フィルムの欠陥発生個所を避けて製品に利用することができる。これにより、これまで、異物4、5等の欠陥が混入していることで破棄していたフィルムを製品に利用することが可能となる。
【0097】
即ち、異物等の欠陥情報などの製品品質情報が記録または添付されたロール状のフィルム状製品10、200を送りローラ121a、121bおよび124a、124bによって間歇的若しくは連続的に送り出し、該フィルム状製品10、200に記録または添付された製品品質情報を読取部104で読み取って解読し、該解読された製品品質情報から全体制御部105で製品に不具合を生じるフィルムの部分を認識し、該認識されたフィルムの部分が、制御部123から得られる送り座標値に基づいて送り機構120によって送り込まれた際、加工制御装置106により加工装置(例えば圧着装置)130を作動させないように制御することによって、不具合部分を除外させて良品部分のみに対して加工を施すことが可能となり、その結果、フィルム起因による製品の加工不良(例えば圧着不良)を防止し、しかも、フィルム全体を破棄することなく、製品に適用することが可能となる。
【0098】
また、フィルムに記録または添付する情報として、フィルム内に配置させるフィラー寸法、フィラーのピッチ等のフィルムの製造条件を含ませることによって、フィルム製品の提供を受ける側において、例えば圧着等の加工条件を上記フィルムの製造条件に適するように制御することも可能となる。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルムに含まれる非金属種(樹脂種)や金属種等の異物を高精度に検査した結果を記録または添付した状態でフィルム製品として提供することができる効果を奏する。
【0100】
また、本発明によれば、粒子などのフィラーが内部に存在しても、フィルムに含まれる非金属種(樹脂種)や金属種等の異物を高精度に検査した結果を記録または添付した状態でフィルム製品として提供することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルムに対する欠陥検出装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るフィルム状製品の加工システムの一実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るフィルム状被検査対象の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係るフィルム状被検査対象の観察位置を説明するための図である。
【図5】本発明に係る粒子の反射率と金属種の異物の反射率との相違を説明するための図である。
【図6】斜方照明を送り方向と直角方向にした場合を説明するための図である。
【図7】図6に示す方法で斜方照明した場合の照度分布を示す図である。
【図8】斜方照明を送り方向からした場合を説明するための図である。
【図9】図8に示す方法で斜方照明した場合の照度分布を示す図である。
【図10】本発明に係るフィルムに対する欠陥検査装置における画像処理および検査結果記録を活用するフローを示す図である。
【図11】本発明に係る画像処理と検査結果出力の一実施例を説明するための図である。
【図12】本発明に係るフィルム中の黒異物(樹脂種の塊異物)の状態を説明する図である。
【図13】図12に示すA−A‘断面における斜方照明による検出画像から得られる濃淡度波形を示す図である。
【図14】本発明に係る斜方照明による粒子および白異物からの反射光の発生状況を説明する図である。
【図15】本発明に係る斜方照明による黒異物(樹脂種の塊異物)からの反射光の発生状況を説明する図である。
【図16】本発明に係るフィルム中の白異物(金属種の異物)の状態を説明する図である。
【図17】図16に示すB−B‘断面における落射照明による検出画像から得られる濃淡度波形を示す図である。
【図18】本発明に係る落射照明による粒子からの反射光の発生状況を説明する図である。
【図19】本発明に係る落射照明による白異物(金属種の異物)からの反射光の発生状況を説明する図である。
【図20】本発明に係るフィルム状被検査対象の粒子が粒子が等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するとき(整列時)の一実施例を示す図である。
【図21】本発明に係るフィルム状被検査対象の粒子が整列時の裏面照射による透過光の一実施例を示す断面図である。
【図22】図21を透過光により検出する場合の検出系を示す図である。
【図23】本発明に係る粒子が整列したフィルムに対する欠陥検査装置における画像処理および粒子の測定データを処理するフローを示す図である。
【図24】本発明に係るフィルム状被検査対象の粒子が整列時の粒子のデータ測定位置を示す図である。
【図25】本発明に係るフィルム状被検査対象の粒子が整列時の粒子のデータ処理結果の一例を示す図である。
【図26】本発明に係るフィルム状被検査対象の粒子が整列時にレーザ散乱光検出方式による欠陥検出を示した図である。
【図27】図26での異物が検出された時の信号強度の変化を示す図である。
【図28】本発明に係るフィルム状被検査対象の粒子が整列時に磁気変化による欠陥検出を示した図である。
【図29】磁場の間を被検査対象のフィルムが通過する状態を示した図である。
【図30】図28での異物が検出された時の磁場の信号強度の変化を示す図である。
【図31】図28での異物が検出された時の記録された磁気信号強度の変化を示す図である。
【図32】フィルム状被検査対象への製品情報および検査結果の記録例と、異物箇所へのマーキングの一例を示す図である。
【図33】図32とは異なった形態のフィルム状被検査対象への製品情報および検査結果の記録例と、異物箇所へのマーキングの一例を示す図である。
【図34】フィルムの巻き取り部の機構を示した図である。
【図35】図34のフィルム巻き取り部にフィルムが巻かれ、巻き取り部の外周が変化した状態を説明する図である。
【図36】フィルム中に存在する粒子の状態を説明する図である。
【図37】フィルム中に存在する異物の状態を説明する断面図である。
【図38】図36と図37を透過光により観察した場合の様子を説明するための図である。
【符号の説明】
1、204…フィルム基材層、2、201…フィルム樹脂層、3、202…粒子(フィラー)、4…樹脂種の塊異物(黒異物)、5…金属種の異物(白異物)、6…樹脂層、10、200…被検査対象、20…送り機構、21a、21b…搬送用ピンチローラ、22…ロータリエンコーダ付駆動モータ、23…制御装置、30…第1の光学検出部(検出光学系)、31…送りローラ、32a、32b…斜方照明光学系、35…撮像装置、36…対物レンズ、40…第2の光学検出部(検出光学系)、41…送りローラ、42…光源、43…波長選択フィルタ、44…ハーフミラー、45…撮像装置、46…対物レンズ、51a…第1の判定処理部、51b…第2の処理判定部、52a…第1の画像記憶部、52b…第2の画像記憶部、53…データ解析部、54…表示装置、73…背景、74…明るさ判定閾値、84…明るさ判定閾値、83…背景、90a、90b…観察画像、91a、91b…2値化画像、92a、92b…検出画像、101a…巻取部、101b…供給部、103…記録部、104…読取部、105…全体制御部、106…加工制御装置、110b…ロール、111a、111b…記録部、120…送り機構、121a、121bおよび124a、124b…送りローラ、130…加工装置、131a、131b…圧着装置、122…ロータリエンコーダ付き駆動モータ、123…制御部、201…フィルム、203…異物、211…粒径、212…ピッチ、214…欠落、217…分布、218…閾値、220…磁気センサ部、227a、227b…記録部(磁化部)、228…読取部。

Claims (18)

  1. フィラーを内在させたフィルム状被検査対象を走行させる走行工程と、
    該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対して斜方から斜方照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した散乱反射光をフィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して非金属種の異物からの散乱反射光を暗部として、前記フィラー及び金属種の異物からの散乱反射光を明部として受光して第1の画像信号検出し、該検出された第1の画像信号に基づいて前記暗部の前記非金属種の異物である第1の欠陥を前記明部の前記フィラー及び前記金属種の異物と弁別して検出する第1の欠陥検出工程と、
    前記走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対して法線方向から550nm以下の波長からなる垂直照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した反射光に近い光を前記フィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して前記金属種の異物からの正反射光に近い光を明部として、前記フィラー及び前記非金属種の異物からの正反射光に近い光を暗部として受光して第2の画像信号検出し、該検出された第2の画像信号に基づいて前記明部の前記金属種の異物である第2の欠陥を前記暗部の前記フィラー及び前記非金属種の異物と弁別して検出する第2の欠陥検出工程と、
    前記第1および前記第2の欠陥検出工程の各々によって検出された第1および第2の欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法。
  2. フィラーを内在させたフィルム状被検査対象を走行させる走行工程と、
    該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対して斜方から斜方照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した散乱反射光をフィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して非金属種の異物からの散乱反射光を暗部として、前記フィラー及び金属種の異物からの散乱反射光を明部として受光して第1の画像信号を検出し、該検出された第1の画像信号に基づいて前記暗部の前記非金属種の異物である第1の欠陥を前記明部の前記フィラー及び前記金属種の異物と弁別して検出する第1の欠陥検出工程と、
    前記走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対して法線方向から垂直照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した550nm以下の波長からなる正反射光に近い光を前記フィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して前記金属種の異物からの正反射光に近い光を明部として、前記フィラー及び前記非金属種の異物からの正反射光に近い光を暗部として受光して第2の画像信号を検出し、該検出された第2の画像信号に基づいて前記明部の前記金属種の異物である第2の欠陥を前記暗部の前記フィラー及び前記非金属種の異物と弁別して検出する第2の欠陥検出工程と、
    前記第1および前記第2の欠陥検出工程の各々によって検出された第1および第2の欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法
  3. 前記フィルム状被検査対象は、前記フィラーを内在させたフィルム樹脂層をフィルム基材層に貼り付けて形成することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムに対する欠陥検査方法。
  4. 前記第1の欠陥検出工程において、前記第1の画像信号を背景信号レベルよりも低い第1の閾値で2値化することにより、前記非金属種の異物である第1の欠陥を前記第1の閾値より低い信号レベルとして検出することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムに対する欠陥検査方法。
  5. 前記第2の欠陥検出工程において、前記第2の画像信号を背景信号レベルよりも高い第2の閾値で2値化することにより、前記金属種の異物である第2の欠陥を前記第2の閾値よりも高い信号レベルとして検出することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムに対する欠陥検査方法。
  6. 前記記録若しくは添付工程において、フィルム状被検査対象に関する情報も併せて記録若しくは添付することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムに対する欠陥検査方法。
  7. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象に対して欠陥を画像信号として検出する欠陥検出工程と、
    前記フィルム状被検査対象中に等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィラーを画像信号として顕在化して検出し、該検出された画像信号を基に、間隔、寸法、分布のいずれか1つ以上のフィラーの配列状態を測定するフィラー測定工程と、
    前記欠陥検出工程によって検出された欠陥に関する情報と前記フィラー測定工程で測定されたフィラーの配列状態を示す情報とを前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法。
  8. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行工程と、
    該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象に対してレーザ光を斜方より照射し、前記フィルム状被検査対象から得られる散乱光の内、空間フィルタを有する検出光学系によりフィラーのパターンからの散乱光を除去して欠陥からの散乱光を受光して画像信号として欠陥を顕在化して検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法。
  9. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行工程と、
    該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象が磁気センサの間を通過することによって前記フィラーと欠陥とによっておよぼす磁界の変化に基づいて前記欠陥を前記フィラーと弁別して検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法。
  10. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行工程と、
    該走行工程で走行されるフィルム状被検査対象を磁気センサの間を通過させる際、前記フィラーと欠陥とを磁化し、該磁化されたフィラーと欠陥との磁気信号の相違に基づいて前記欠陥を前記フィラーと弁別して検出する欠陥検出工程とを有することを特徴とするフィルムに対する欠陥検査方法。
  11. 更に、前記欠陥検出工程で欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付工程を有することを特徴とする請求項8または9または10に記載のフィルムに対する欠陥検査方法。
  12. フィラーを内在させたフィルム状被検査対象を走行させる走行手段と、
    該走行手段で走行されるフィルム状被検査対象に対して斜方から斜方照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した散乱反射光をフィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して非金属種の異物からの散乱反射光を暗部として、前記フィラー及び金属種の異物からの散乱反射光を明部として受光して第1の画像信号検出し、該検出された第1の画像信号に基づいて前記暗部の前記非金属種の異物である第1の欠陥を前記明部の前記フィラー及び前記金属種の異物と弁別して検出する第1の欠陥検出手段と、
    前記走行手段で走行されるフィルム状被検査対象に対して法線方向から550nm以下の波長からなる垂直照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した反射光に近い光を前記フィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して前記金属種の異物からの正反射光に近い光を明部として、前記フィラー及び前記非金属種の異物からの正反射光に近い光を暗部として受光して第2の画像信号検出し、該検出された第2の画像信号に基づいて前記明部の前記金属種の異物である第2の欠陥を前記暗部の前記フィラー及び前記非金属種の異物と弁別して検出する第2の欠陥検出手段と、
    前記第1および前記第2の欠陥検出手段の各々によって検出された第1および第2の欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付手段とを備えたことを特徴とするフィルムに対する欠陥検査装置。
  13. フィラーを内在させたフィルム状被検査対象を走行させる走行手段と、
    該走行手段で走行されるフィルム状被検査対象に対して斜方から斜方照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した散乱反射光をフィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して非金属種の異物からの散乱反射光を暗部として、前記フィラー及び金属種の異物からの散乱反射光を明部として受光して第1の画像信号を検出し、該検出された第1の画像信号に基づいて前記暗部の前記非金属種の異物である第1の欠陥を前記明部の前記フィラー及び前記金属種の異物と弁別して検出する第1の欠陥検出手段と、
    前記走行手段で走行されるフィルム状被検査対象に対して法線方向から垂直照明光を集光して照射し、前記フィルム状被検査対象で反射した550nm以下の波長からなる正反射光に近い光を前記フィルム状被検査対象の法線方向から対物レンズにより集光して前記金属種の異物からの正反射光に近い光を明部として、前記フィラー及び前記非金属種の異物からの正反射光に近い光を暗部として受光して第2の画像信号を検出し、該検出された第2の画像信号に基づいて前記明部の前記金属種の異物である第2の欠陥を前記暗部の前記フィラー及び前記非金属種の異物と弁別して検出する第2の欠陥検出手段と、
    前記第1および前記第2の欠陥検出手段の各々によって検出された第1および第2の欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付手段とを備えたことを特徴とするフィルムに対する欠陥検査装置
  14. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象に対して欠陥を画像信号として検出する欠陥検出手段と、
    前記フィルム状被検査対象中に等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィラーを画像信号として顕在化して検出し、該検出された画像信号を基に、間隔、寸法、分布のいずれか1つ以上のフィラーの配列状態を測定するフィラー測定手段と、
    前記欠陥検出手段によって検出された欠陥に関する情報と前記フィラー測定手段で測定されたフィラーの配列状態を示す情報とを前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付手段とを備えたことを特徴とするフィルムに対する欠陥検査装置。
  15. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行手段と、
    該走行手段で走行されるフィルム状被検査対象に対してレーザ光を斜方より照射し、前記フィルム状被検査対象から得られる散乱光の内、空間フィルタを有する検出光学系によりフィラーのパターンからの散乱光を除去して欠陥からの散乱光を受光して画像信号として欠陥を顕在化して検出する欠陥検出手段とを備えたことを特徴とするフィルムに対する欠陥検査装置。
  16. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行手段と、
    該走行手段で走行されるフィルム状被検査対象が磁気センサの間を通過することによって前記フィラーと欠陥とによっておよぼす磁界の変化に基づいて前記欠陥を前記フィラーと弁別して検出する欠陥検出手段とを備えたことを特徴とするフィルムに対する欠陥検査装置。
  17. 内部にフィラーが等間隔若しくは繰り返しパターンで存在するフィルム状被検査対象を連続的に走行させる走行手段と、
    該走行手段で走行されるフィルム状被検査対象を磁気センサの間を通過させる際、前記フィラーと欠陥とを磁化し、該磁化されたフィラーと欠陥との磁気信号の相違に基づいて前記欠陥を前記フィラーと弁別して検出する欠陥検出手段とを備えたことを特徴とするフィルムに対する欠陥検査装置。
  18. 更に、前記欠陥検出手段で欠陥に関する情報を前記フィルム状被検査対象に記録若しくは添付する記録若しくは添付手段を備えたことを特徴とする請求項15または16または17に記載のフィルムに対する欠陥検査装置。
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