JPH07306160A - 無地材料の品質検査方法 - Google Patents

無地材料の品質検査方法

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JPH07306160A
JPH07306160A JP12176194A JP12176194A JPH07306160A JP H07306160 A JPH07306160 A JP H07306160A JP 12176194 A JP12176194 A JP 12176194A JP 12176194 A JP12176194 A JP 12176194A JP H07306160 A JPH07306160 A JP H07306160A
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JP12176194A
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English (en)
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Yoshitaka Hikami
好孝 氷上
Toshiyuki Doi
敏幸 土井
Hiromi Okamoto
宏巳 岡本
Ginkai Ri
銀会 李
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DAKKU ENG KK
DATSUKU ENG KK
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DAKKU ENG KK
DATSUKU ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無地材料の被検査面の地色の濃淡や凹凸形状
等の条件にかかわらず、欠陥箇所を高精度に検出すると
ともに、欠陥箇所の評価を柔軟に行う。 【構成】 検査対象である走行するラミネートフィルム
1の被検査面をラインセンサにより撮像し、多階調のラ
イン画像を順次メモリに格納し、メモリ内部に被検査面
の多階調エリア画像を作製する。被検査面の多階調エリ
ア画像の各部の濃度レベルを、基準となるマスタの多階
調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、こ
の比較結果から許容値をもとに被検査面の欠陥箇所を判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺のフィルムやシー
トに付着した淡い黄色の汚れ、ニッカリ粉(パウダー)
が塗布された長尺のラミネートフィルムに付着したきょ
う雑物、全体に凹凸を有する長尺の紙に付着した異物や
油汚れ、長尺の二重紙の中に混入した異物、蒸着膜の淡
い汚れ、プリント基板の汚損等、長尺、若しくは所定の
大きさの各種無地材料(素材)の汚れ、ムラ、異物の付
着等の各種欠陥を検出するようにした品質検査方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の無地材料における汚損等
の欠陥の有無を検査する最も原始的な方法として、例え
ば、無地材料を走行させる途中で目視により検査する方
法が知られている。この検査方法は無地材料である検査
対象的の走行路の途中に光源を配置し、この光源により
照明された検査対象物の表面を検査員が目視により検査
する。
【0003】この検査方法によると、肉眼による検査で
あることから、検査対象物に存在する欠陥箇所の評価を
柔軟に行うことができる。すなわち、最終製品を手にす
る消費者の視覚感性にほぼ一致した評価を行うことがで
き、欠陥箇所に対してその欠陥箇所が製品化したときに
消費者の「クレーム対象となる欠陥」(重欠陥)である
か、あるいは「クレーム対象とならない欠陥」(軽欠
陥)であるかについて的確に区別することができる。し
たがって、廃棄対象となる部分を最小限に止めることが
できる。しかしながら、肉眼による検査であることか
ら、処理スピードに限界がある上に、検査員の疲労が著
しいなどの問題がある。
【0004】そこで、従来、上記のような目視による品
質検査方法に代えて、検査工程の自動化を図った方法が
ある。その例として、レーザ光源、回転ミラー、受光器
等を用いて走行する検査対象物の被検査面を撮像し、若
しくは、線状のCCDラインセンサ等を用いて走行する
検査対象物の被検査面を撮像し、撮像によって得られた
画像信号を微分して被検査面の濃度変化を検出し、この
微分波形を二値化処理して得られる信号パターンをあら
かじめ作製しておいたマスターパターンと記憶手段内で
比較対照することにより、検査対象物の欠陥箇所を検出
するようにした方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のうち、前
者の自動検査方法では、ビーム径が細いため、被検査面
のバタツキに弱く、しかも、回転ミラーは高価で寿命が
短い。一方、後者の自動検査方法では、被検査面のバタ
ツキに強く、ラインセンサカメラの寿命が長く、しか
も、照明ムラに強いという利点がある。
【0006】ところで、上記従来のいずれの自動検査方
法でも、判定レベルの設定が微妙であり、この判定レベ
ル設定の適、不敵によって欠陥検出精度が大きく左右さ
れる。また、微分波形によって得られる濃度変化のみに
よって欠陥箇所を検出しているため、地色が濃色である
場合と、薄色である場合とでは検出精度が異なる。更に
重要なことは、このような濃度変化のみによって検出さ
れた欠陥部分は、必ずしも人間の視覚による欠陥認識と
一致しない。例えば、被検査面における汚損範囲が極め
て狭い範囲であっても、汚損範囲内外での濃度差が大き
い場合には、人間の視覚では「目立つ汚損」として認識
される。また、汚損濃度が同じ程度であっても、汚損範
囲の大、小によっても「目立つ汚損」として認識され、
若しくは「目立たない汚損」として認識される。そし
て、「目立つ汚損」は製品から確実に排除する必要があ
るが、他方、「目立たない汚損」は排除する必要がない
場合が多く、このような人間の視覚感性を考慮した欠陥
判定が極めて困難であった。
【0007】また、いかなる検査装置を用いても、発見
された欠陥箇所が真に製品から排除すべき欠陥箇所であ
るか否かを最終的に判定しようとすれば、検査員による
目視判定が必要となり、このためには被検査面のエリア
画像をモニタ等に映し出す必要がある。従来例において
は、このエリア画像を映し出すに際して、欠陥検出用の
CCDラインセンサとは別に、被検査面を広範囲に撮像
することができるTVカメラ等のエリアセンサが必要と
なる。しかも、被検査面の欠陥箇所を高倍率で撮像しよ
うとすると、検査対象物の幅方向に沿って高価なTVカ
メラを複数台設置する必要があり、装置全体がコストア
ップとなる。
【0008】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するものであり、被検査面の地色の濃淡や凹凸形状等の
条件に関わらず、欠陥箇所を高精度に検出することがで
き、また、欠陥箇所の評価を柔軟に行うことができ、廃
棄対象となる部分を最小限に止めることができて経済性
を向上させることができるようにした無地材料の品質検
査方法を提供することを目的をするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的手段は、無地材料の被検査面をセンサ
により順次撮像し、このセンサから順次出力される多階
調のライン画像のデータを記憶手段に格納してこの記憶
手段内部に上記被検査面の多階調エリア画像を作製し、
この被検査面の多階調エリア画像の各部の濃度レベル
を、マスタ画像の多階調エリア画像の対応する各部の濃
度レベルと比較し、この比較結果から許容値をもとに欠
陥箇所を判定するようにしたものである。
【0010】上記目的を達成するための本発明の他の技
術的手段は、被検査面の多階調エリア画像とマスタの多
階調エリア画像の濃度パターンのマッチングのみによっ
て欠陥箇所の最終判定を行うことに加え、記憶手段内に
作製された被検査面の欠陥部分の多階調エリア画像をモ
ニタ画面に映し出すことにより検査員の目視による判定
を行うようにしたものである。
【0011】上記目的を達成するための本発明の更に他
の技術的手段は、無地材料が走行する長尺物である場合
に、センサの位置より無地材料の走行方向下流側にラベ
リング装置を配置し、かつセンサとラベリング装置との
間に無地材料の走行量を測定する手段を設置し、センサ
が欠陥箇所を検出した時点、すなわち、欠陥箇所が検出
部を通過した時点から無地材料の走行量を計測すること
により、無地材料の欠陥箇所がラベリング装置の直下に
到達した時点を検出してその位置の側縁等にラベルを貼
着するようにしたものである。
【0012】上記各技術的手段において、無地材料が所
定の大きさである場合には、無地材料とセンサとを相対
的に移動させて無地材料の被検査面を順次撮像すること
ができる。
【0013】また、無地材料が走行する長尺物である場
合には、マスタ画像の多階調エリア画像の濃度レベルと
比較する被検査面の多階調エリア画像は、被検査面の多
階調エリア画像を一定周期ごとに加算して作製すること
ができる。
【0014】また、無地材料の被検査面を被検査用ロー
ラ上で順次撮像する際、多階調エリア画像を上記検査用
ローラの一回転ごとの範囲で作製することができる。
【0015】また、被検査面の多階調エリア画像と比較
するマスタ多階調エリア画像は、上記被検査面の多階調
エリア画像を記憶する記憶手段、若しくは別の記憶手段
にあらかじめ格納しておくことができ、または検査済み
の正常な被検査面の多階調エリア画像を更新しながら利
用することができる。
【0016】また、許容値に濃度レベル差を用い、この
濃度レベル差の許容値として、マスタ画像の多階調エリ
ア画像の各行を構成する各多階調ライン画像の濃度レベ
ルに許容濃度レベルを加算して明欠陥多階調ライン画像
を作製し、他方、マスタ画像の各多階調ライン画像の濃
度レベルから許容濃度レベルを減算して暗欠陥多階調ラ
イン画像を作製し、これら明欠陥多階調ライン画像およ
び暗欠陥多階調ライン画像を許容範囲の上限値および下
限値として用いることができる。
【0017】また、上記濃度レベル差の許容値を重欠陥
濃度レベルと軽欠陥濃度レベルに設定し、濃度レベル差
が重欠陥濃度レベルを超えた場合には欠陥箇所であると
判定し、濃度レベル差が軽欠陥濃度レベルと重欠陥濃度
レベルの間の場合には軽欠陥濃度レベルを逸脱している
部分の形状を解析することにより、この逸脱部分が広い
場合に欠陥箇所であると判定し、狭い場合には欠陥箇所
ではないと判定するのが好ましい。また、軽欠陥レベル
を複数階段に設定することも可能である。
【0018】また、許容値は濃度差と面積の総和の基準
値によって区画することができる。
【0019】また、センサとしてラインセンサを用いる
ことができる。
【0020】
【作用】本発明によれば、無地材料の被検査面をセンサ
により撮像して得られる多階調のライン画像のデータを
記憶手段に順次格納し、記憶手段内部に被検査画像の多
階調エリア画像を作製し、この多階調エリア画像をマス
タ多階調エリア画像とパターンマッチングさせて両画像
の対応部分の濃度レベルを比較し、この比較結果から許
容値をもとに欠陥箇所を判定する。このように濃度レベ
ルの比較結果から許容値をもとに欠陥箇所を判定するの
で、被検査面の地色の濃淡や凹凸形状等の条件に左右さ
れることなく、欠陥箇所を検出することができ、また、
欠陥箇所の評価を柔軟に行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の一実施例における品
質検査方法を具現化する品質検査装置の概要を示す説明
図、図2ないし図4は同検査方法を示す説明図である。
【0022】図1に示すように、無地材料の検査対象物
である長尺で透明な合成樹脂製のラミネートフィルム1
はリール2に巻き取られている。このラミネートフィル
ム1は巻き取り状態において重ねられた面同士が密着し
ないように表面にニッカリ粉(パウダー)3(図2参
照)が塗布されている。そして、ラミネートフィルム1
は繰り出されて複数の案内ローラ4を介して走行し、リ
ール5に巻き取られ、若しくはスリッター工程へ供給さ
れる。ラミネートフィルム1は走行の途中の適当箇所で
一対の検査用ローラ6を通過するようになっており、ラ
ミネートフィルム1におけるニッカリ粉3の塗布側にC
CDラインセンサ7が配置されるとともに、ラミネート
フィルム1の走行方向におけるCCDラインセンサ7の
両側で反射照明用光源8が配置され、ラミネートフィル
ム1を間に挟んでCCDラインセンサ7と対向するよう
に透過照明用光源9が配置されている。図示例では、反
射照明と透過照明を併用しているが、検査対象物の種類
によっては反射照明、若しくは透過照明を採用してもよ
い。また、これら照明には、可視光、赤外線、紫外線、
γ線、χ線などを使用することができる。CCDライン
センサ7は512、1024、2048、5000ビッ
ト等の線状センサであり、走行するラミネートフィルム
1の幅方向に沿うように一個、若しくは複数個が設置さ
れ、走行するラミネートフィルム1の全幅が順次撮像さ
れる。
【0023】CCDラインセンサ7の位置よりラミネー
トフィルム1の走行方向下流側における検査用ローラ6
と同軸上にはロータリーエンコーダ10が設けられ、そ
れより下流側においてラベリング装置11が配置されて
いる。ラベリング装置11は案内ローラ4上でラミネー
トフィルム1における欠陥箇所が存在する部分の側縁部
に欠陥箇所指摘用のラベルを貼着することができるよう
に構成されている。ロータリーエンコーダ10はラミネ
ートフィルム1の走行量を検出するためにラミネートフ
ィルム1が所定長走行するごとにパルスを発生する。処
理部12はCCDラインセンサ7から送出される多階調
ライン画像データをメモリに格納し、このメモリ内で多
階調エリア画像を作製するが、ロータリーエンコーダ1
0から送出されるパルスを多階調ライン画像データから
多階調エリア画像に変換する際の改行信号として用い、
また、そのパルス数を計数することにより、CCDライ
ンセンサ7により撮像したラミネートフィルム1の欠陥
箇所がラベリング装置11の直下に到達するタイミング
を検出し、この検出信号によりラベリング装置11を駆
動し、ラミネートフィルム1の欠陥箇所における側縁部
にラベルを的確に貼着し得るように構成されている。
【0024】処理部12によって得られたデータはパー
ソナルコンピュータに送信され、このパーソナルコンピ
ュータによって統計処理されるとともに、履歴も記録さ
れるようになっている。処理部12にはモニタTV(C
RT)13が接続され、処理部12で作製された欠陥箇
所の多階調エリア画像データをモニタTV13に映し出
すことにより、必要に応じて欠陥箇所を切除すべきか否
かの最終判定を目視によって確認することができるよう
になっている。また、モニタTV13に映し出される画
像をビデオプリンタ、ビデオテープ、その他の記憶媒体
に記憶しておくことにより、ラミネートフィルム1の巻
き替え作業時等に上記欠陥箇所を再特定することが可能
となり、切除作業の迅速化を図ることができる。
【0025】次に、本発明の品質検査方法について図1
ないし図4を参照しながら上記品質検査装置の動作とと
もに説明する。図1に示すように、ニッカリ粉3が塗布
されたラミネートフィルム1をリール2から繰り出して
案内ロール4の案内により走行させ、リール5に巻き取
る。この走行の途中で照明用光源9によりラミネートフ
ィルム1を照射し、図1、図2に示すように、ラミネー
トフィルム1のニッカリ粉3が塗布された被検査面をそ
の幅方向の全長にわたってCCDラインセンサ7により
順次撮像する。処理部12においては、ラインセンサ7
から順次出力される256段階の多階調ライン画像のデ
ータをメモリに格納するとともに、ロータリーエンコー
ダ10から送出されるパルスを改行信号として多階調エ
リア画像を作製する。この被検査面の多階調エリア画像
の各部の濃度レベルを、上記メモリ、若しくは別のメモ
リにあらかじめの格納されているマスタ画像の256段
階の多階調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比
較する。そして、両画像の対応部分の濃度レベル差の許
容値をもとに欠陥箇所を判定する。この間、メモリ内部
に作製された被検査面の多階調エリア画像をモニタTV
13に映し出し、検査員が目視で欠陥箇所の欠陥重要度
を判断する。
【0026】処理部12は欠陥箇所を検出すると、ロー
タリーエンコーダ10から送出されるパルス信号のパル
ス数を計測して欠陥箇所がラベリング装置11の直下に
到達するタイミングを検出し、この検出信号によりラベ
リング装置11を駆動し、ラミネートフィルム1の欠陥
箇所における側縁部に欠陥箇所指摘用のラベルを貼着す
ることができる。したがって、このラベルをもとにラミ
ネートフィルム1における欠陥箇所を切除することがで
きる。
【0027】本発明の品質検査方法の概略は以上の如く
であるが、欠陥箇所検出のためのソフト処理の主要な特
徴は下記の3項目である。 (1)ラインセンサによって、被検査面の多階調ライン
画像を得る。 (2)得られた多階調ライン画像を用いて多階調エリア
画像を作製する。 (3)被検査面の多階調エリア画像とマスタの多階調エ
リア画像の対応する各部の濃度レベルを比較して欠陥箇
所を検出する。
【0028】以下、それぞれの特徴について説明する。
図2、図3は本実施例において、検査対象とする透明で
無地のラミネートフィルム1の一例を示している。ラミ
ネートフィルム1の表面には、上記のようにリール2に
巻き取った際に重ねられた面同士が密着しないようにニ
ッカリ粉3を塗布している。図3のA−A線、B−B
線、C−C線、D−D線、E−E線はラミネートフィル
ム1の走行に伴い、CCDラインセンサ6が順次撮像し
ている位置を示している。これらの各線上に比較的広い
面積で比較的淡い汚れ14と、比較的狭い面積で淡い汚
れ15と、ピンホール16と、比較的狭い面積で比較的
淡い汚れ17と、比較的狭い面積で濃い汚れ18がある
とする(濃度の淡い汚れは粗いピッチの斜線で示し、濃
度の濃い汚れは塗りつぶして示す。)。
【0029】図4(a)〜(e)はCCDラインセンサ
7が撮像している位置A−A線、B−B線、C−C線、
D−D線、E−E線を撮像することにより得られるライ
ン画像信号を示している(ニッカリ粉3の部分について
は図示の都合上、数を減らして示している。)。このラ
イン画像信号は照明ムラにより幅方向においてレベルが
異なることになる。そして、ライン画像は256階調の
濃度レベルを有する信号波形の形態で提供され、この信
号波形は256段階の階調データとして処理部12のメ
モリに格納される。
【0030】透過照明用光源9によって透過照明される
とともに反射照明用光源8により反射照明されたラミネ
ートフィルム1の被検査面をCCDラインセンサ7によ
って撮像した場合、CCDラインセンサ7からの出力信
号は光の透過量および反射量によって規定されるため、
一般に汚れ等の濃い部分で低いレベルとなり、薄い部分
で高いレベルとなる。すなわち、図4(a)、(b)、
(d)、(e)に示すように、A−A線、B−B線、D
−D線、E−E線上で検出された汚れ14、15、1
7、18はラミネートフィルム1そのもののレベルに対
し、「暗」側でそれぞれの濃淡に対応したレベルのパル
ス形状の変化として現われ、各線上で検出されたニッカ
リ粉3の部分とC−C線上で検出されたピンホール16
とはラミネートフィルム1そのもののレベルに対し、
「明」側でそれぞれの濃淡に対応したレベルのパルス形
状の変化として現われる。
【0031】このように多階調ライン画像データに現わ
れた各パルスの変形部分の検出は、この変形部分を含む
被検査面の多階調ライン画像データを、標準となるラミ
ネートフィルム1のレベルであるマスタ画像の多階調ラ
イン画像データと重ね合わせ、マスタ画像から逸脱する
部分を検出することによって行われる。この検出作業は
実際には、処理部12のメモリ上で行い、また、メモリ
への格納は、多階調ライン画像データ相互の比較対照が
可能なようにディジタル濃淡画像として記憶される。以
下、その基本的な考え方を図4(a)〜(e)に基づい
て説明する。
【0032】図4(a)〜(e)において、ラミネート
フィルム1自身の被検査面の多階調ライン画像とマスタ
の多階調ライン画像データの濃度レベル21が一致して
おり、厳密に言えば、これらの多階調ライン画像データ
の濃度レベル(以下、マスタ濃度レベルと称す)21に
対して「暗」側、若しくは「明」側のいずれかにパルス
形状の変化として現われればラミネートフィルム1その
ものとしては欠陥となるが、塗布してあるニッカリ粉3
や目立たない欠陥を欠陥として認識しないようにマスタ
画像の多階調ライン画像データに対し、濃度レベル差に
一定の許容値を設定する。
【0033】上記許容値としては、マスタの多階調ライ
ン画像データの真値であるマスタ濃度レベル21に一定
の許容値を加算して得られる「明」側で軽欠陥濃度レベ
ル22aおよび重欠陥濃度レベルレベル22bと、多階
調ライン画像データの真値であるマスタ濃度レベル21
から一定の許容値を減算して得られる「暗」側で軽欠陥
濃度レベル23aおよび重欠陥濃度レベル23bを作成
する。そして、原則的にはこの軽欠陥濃度レベル22a
と23aとによって区画される領域内に被検査面の多階
調ライン画像データが収まっている場合には、欠陥では
ないと判断し、上記領域からの逸脱部分があれば、この
部分は軽度、若しくは重度の欠陥であると判断する。こ
の判断基準によれば、図4(a)〜(e)に示すニッカ
リ粉3の部分は「明」側の軽欠陥濃度レベル22a内で
あるので、欠陥ではないと検出し、図4(a)に示す比
較的大きい面積で比較的淡い汚れ14は「暗」側の軽欠
陥濃度レベル23aを逸脱しているので、軽欠陥である
と検出し、図4(b)に示す比較的狭い面積で淡い汚れ
15は「暗」側の軽欠陥濃度レベル23a内であるの
で、欠陥ではないと検出し、図4(c)に示すピンホー
ル16は「明」側の重欠陥濃度レベル22bを逸脱して
いるので、重欠陥であると検出し、図4(d)に示す比
較的狭い面積で比較的淡い汚れ17は「暗」側の軽欠陥
濃度レベル23aを逸脱しているので、軽欠陥であると
検出し、図4(e)に示す比較的狭い面積で濃い汚れ1
8は「暗」側の重欠陥濃度レベル23bを逸脱している
ので、重欠陥であると検出することになる。
【0034】上記判定方法によれば、ある程度現実的な
欠陥検出が可能となるが、この判定方法だけでは不十分
な場合もある。例えば、汚損範囲や汚損の色と地色との
濃度差等によっては人間の視覚上では比較的目立たない
場合や比較的目立ちやすい場合があり、したがって、こ
のような汚損を除去対象とするか、若しくは除去対象か
ら外すかという問題に対処するために次のように判定す
る。
【0035】図4(a)に示すように、「明」側の軽欠
陥濃度レベル22aと「暗」側の軽欠陥濃度レベル23
aとによって区画される領域からの逸脱部分の形状、す
なわち、x、y(図3参照)の寸法が、比較的大きい場
合には、その汚損状態は軽欠陥であると認識させ、他
方、図4(d)に示すように、逸脱部分の形状、すなわ
ちx、y(図3参照)の寸法が比較的小さい場合には、
その汚損状態は欠陥ではないと認識させて仕分けるよう
にする。このように逸脱した部分の濃度レベルと形状を
監視することによって判定することも可能であるが、逸
脱部分の濃度レベルと面積を認識させることにより判定
することも可能である。
【0036】上記のようにニッカリ粉3を塗布したラミ
ネートフィルム1の欠陥を検査する場合、ニッカリ粉3
の部分については欠陥ではないと検出する必要があるの
で、「明」側の軽欠陥濃度レベル22aはマスタ濃度レ
ベル21に対し、「暗」側の軽欠陥濃度レベル23aよ
りも比較的濃度差が大きくなるように設定する必要があ
る。
【0037】本実施例によれば、比較的広い面積で比較
的淡い汚れ14、ピンホール16、比較的狭い面積で濃
い汚れ18については欠陥箇所であると判定し、ニッカ
リ粉3、比較的狭い面積で淡い汚れ15、比較的狭い面
積で比較的淡い汚れ17については欠陥箇所ではないと
判定することになる。これに対し、上記従来例の微分二
値化処理を利用した検査方法では、目立ちやすい比較的
広い面積で比較的淡い汚れ14については図5(a)に
示すような緩やかな信号パターンになるため、欠陥箇所
ではないと判定し、ピンホール16、比較的狭い面積で
濃い汚れ18は勿論のこと、比較的狭い面積で比較的淡
い汚れ17、更には比較的狭い面積で淡い汚れ15につ
いても図5(b)に示すような急激な信号パターンにな
るため、欠陥箇所であると判定することになり、しか
も、欠陥箇所が多数のニッカリ粉3のレベルに隠れて判
断しにくい。したがって、本実施例によれば、欠陥箇所
を高精度に検出することができ、また、欠陥箇所の評価
を柔軟に行うことができることが明らかである。
【0038】以上においては、被検査画像とマスタ画像
とのパターンマッチングを両画像において対応するライ
ン画像相互間で行う場合について述べた。パターンマッ
チングの基本原理はこのように対応するライン画像同士
を比較して行うものとして説明できるが、実際の処理と
しては、被検査面のライン画像を順次読み込んでメモリ
内に検査用ローラ6の1周期分の多階調エリア画像を作
製し、この被検査面の多階調エリア画像と、同一メモリ
内、あるいは別のメモリ内にあらかじめ読み込んで作製
しておいたマスタの多階調エリア画像とを比較対照して
パターンマッチングを行う。
【0039】本発明の他の実施例として、マスタ多階調
エリア画像には、検査済みの被検査面の正常な多階調エ
リア画像データをマスタ画像として更新しながら利用す
ることができる。但し、マスタ画像として採用する画像
には上記のように欠陥箇所が存在しないことが前提であ
る。したがって、検査済みの画像に欠陥箇所が存在する
場合には、別途記憶しておいた欠陥箇所の存在しない健
全なマスタ画像を用いる。
【0040】本発明の他の実施例として、無地材料が走
行する長尺物である場合には、マスタ画像の多階調エリ
ア画像の濃度レベルと比較する被検査面の多階調エリア
画像を、被検査面の多階調エリア画像を一定周期ごとに
加算して作製することにより、連続し、若しくは一定周
期で繰り返す淡い汚れ(印刷の場合にはかぶり)、磁
気、剥離剤等の塗工むらを確実に検出することができ
る。
【0041】本発明の他の実施例として、濃度レベル差
の許容値を「明」側と「暗」側における濃度差と面積の
総和(体積)の基準値により区画するにより欠陥箇所を
更に一層確実に検出することができる。
【0042】なお、長尺なプラスチックフィルムの欠陥
を検出する場合には、プラスチックフィルムがTダイに
より成形されて冷却された位置で、透過照明を用いてC
CDラインセンサにより撮像すればよく、アルミ蒸着膜
の欠陥やガムテープの粘着層の欠陥を検出する場合に
は、検査用ローラによる反転位置で、反射照明を用いて
CCDラインセンサにより撮像すればよく、紙の欠陥を
検出する場合には、透過照明と反射照明を用いてCCD
ラインセンサにより撮像すればよい。上記のように無地
材料の被検査面を検査用ローラ上で順次撮像する際、多
階調エリア画像を上記検査用ローラの一回転ごとの範囲
で作製することにより、検査用ローラが偏心していて
も、この偏心に左右されることなく、欠陥を検出するこ
とができる。また、プリント基板等のように所定の大き
さに形成された無地の検査対象物に対しても適用するこ
とができ、この場合、撮像装置として、検査対象物に対
して横断的に配置する単数、または複数のラインセンサ
を用いることに関しては前述したものと同様であるが、
被検査画像の多階調エリア画像を得るために、ラインセ
ンサを首振り移動させるなどして撮像対象部位を連続的
に変化させることが考慮される。勿論、コンベア上等に
検査対象物を載置するなどにより、検査対象物をライン
センサに対して移動させてもよい。要するに検査対象物
の被検査面とラインセンサを相対的に移動させるように
すればよい。また、上記実施例では256段階の多階調
ライン画像データを得るようにしているが、512段
階、若しくは1024段階等の多階調ライン画像データ
を得るようにすることもできる。更に、ラインセンサに
代えて多数のセンサをライン状に配置することもでき
る。このほか、本発明は、その基本的技術思想を逸脱し
ない範囲で変更することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、無
地材料の被検査面をセンサにより撮像して得られる多階
調ライン画像のデータを記憶手段に順次格納し、記憶手
段内部に被検査面の多階調エリア画像を作製し、この多
階調エリア画像の各部の濃度レベルをマスタ多階調エリ
ア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、この比較
結果から許容値をもとに欠陥箇所を判定するので、被検
査面の地色の濃淡や凹凸形状等の条件に左右されること
なく、欠陥箇所を検出することができる。したがって、
従来の微分二値化レベルを基準にした品質検査方法に比
べて高精度な欠陥検出が可能であり、許容値の設定も比
較的容易である。また、欠陥箇所の評価を柔軟に行うこ
とができ、廃棄対象となる部分を最小限に止めることが
できて経済性を向上させることができる。
【0044】また、記憶手段内部に作製された被検査面
の多階調エリア画像をモニタ画面に映し出した場合に
は、目視により欠陥箇所の欠陥重要度を判断することが
できる。しかも、安価なリニアセンサを用いてエリア画
像を作製していることから、エリア画像を得るためのT
Vカメラを別途必要とせず、装置コストの低減も図るこ
とができる。
【0045】また、無地材料が長尺物である場合、セン
サが欠陥箇所を検出した時点から長尺物の走行量を計測
し、この計測結果に基づき長尺物に欠陥箇所を指摘する
ためのラベルを貼ることにより、欠陥箇所を明確にする
ことができる。
【0046】また、無地材料が走行する長尺物の場合、
マスタ画像の多階調エリア画像の濃度レベルと比較する
被検査面の多階調エリア画像を、被検査面の多階調エリ
ア画像を一定周期ごとに加算して作製することにより、
淡い汚れ、塗工むら等を確実に検出することができる。
【0047】また、無地材料の被検査面を検査用ローラ
上で順次撮像する際、多階調エリア画像を上記検査用ロ
ーラの一回転ごとの範囲で作製することにより、検査用
ローラが偏心していても、この偏心に左右されることな
く、欠陥を検出することができる。
【0048】また、許容値に濃度レベル差を用い、濃度
レベル差の許容値を重欠陥濃度レベルと軽欠陥濃度レベ
ルに設定し、濃度レベル差が重欠陥濃度レベルを超えた
場合には欠陥箇所であると判定し、濃度レベル差が軽欠
陥濃度レベルと重欠陥濃度レベルの間の場合には軽欠陥
濃度レベルを逸脱している部分の形状を解析し、その逸
脱部分が広い場合には欠陥箇所であると判定し、狭い場
合には欠陥箇所ではないと判定することにより、目視判
定に近い判定結果を得ることができる。
【0049】また、許容値として、濃度差と面積の総和
の基準値によって区画することにより、欠陥箇所を更に
一層確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の品質検査方法を具現化した欠陥検出装
置の一例の概要を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例における品質検査方法を示
し、CCDラインセンサでラミネートフィルムの表面を
撮像している状態の説明図である。
【図3】同品質検査方法を示し、ラミネートフィルムの
汚損状態の説明図である。
【図4】(a)ないし(e)は同品質検査方法を示し、
ラミネートフィルムの各汚損部分の検出状態説明図であ
る。
【図5】(a)、(b)は従来の微分二値化処理を用い
た品質検査方法によるラミネートフィルムの汚損部分の
検出状態説明図である。
【符号の説明】
1 ラミネートフィルム 3 ニッカリ粉(パウダー) 7 CCDラインセンサ 8 反射照明用光源 9 透過照明用光源 10 ロータリーエンコーダ 11 ラベリング装置 12 処理部 21 マスタ濃度レベル 22a 「明」側の軽欠陥濃度レベル 22b 「明」側の重欠陥濃度レベル 23a 「暗」側の軽欠陥濃度レベル 23b 「暗」側の重欠陥濃度レベル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 銀会 京都市南区上鳥羽大柳町1番5 ダックエ ンジニアリング株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無地材料の被検査面をセンサにより順次
    撮像し、このセンサから順次出力される多階調のライン
    画像のデータを記憶手段に格納してこの記憶手段内部に
    上記被検査面の多階調エリア画像を作製し、この被検査
    面の多階調エリア画像の各部の濃度レベルを、マスタ画
    像の多階調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比
    較し、この比較結果から許容値をもとに欠陥箇所を判定
    する無地材料の品質検査方法。
  2. 【請求項2】 記憶手段内部に作製された被検査面の多
    階調エリア画像をモニタ画面に映し出す請求項1記載の
    無地材料の品質検査方法。
  3. 【請求項3】 無地材料が走行する長尺物であり、セン
    サが欠陥箇所を検出した時点から上記長尺物の走行量を
    計測し、この計測結果に基づき上記長尺物に欠陥箇所を
    指摘するためのラベルを貼着する請求項1または2記載
    の無地材料の品質検査方法。
  4. 【請求項4】 無地材料が所定の大きさであり、無地材
    料とセンサとを相対的に移動させて無地材料の被検査面
    を順次撮像する請求項1ないし3のいずれかに記載の無
    地材料の品質検査方法。
  5. 【請求項5】 無地材料が走行する長尺物であり、マス
    タ画像の多階調エリア画像の濃度レベルと比較する被検
    査面の多階調エリア画像は、被検査面の多階調エリア画
    像を一定周期ごとに加算して作製する請求項1ないし3
    のいずれかに記載の無地材料の品質検査方法。
  6. 【請求項6】 無地材料の被検査面を検査用ローラ上で
    順次撮像する際、多階調エリア画像を上記検査用ローラ
    の一回転ごとの範囲で作製する請求項1ないし3のいず
    れかに記載の無地材料の品質検査方法。
  7. 【請求項7】 被検査面の多階調エリア画像と比較する
    マスタ多階調エリア画像が上記被検査面の多階調エリア
    画像を記憶する記憶手段、若しくは別の記憶手段にあら
    かじめ格納されている請求項1ないし6のいずれかに記
    載の無地材料の品質検査方法。
  8. 【請求項8】 被検査面の多階調エリア画像と比較する
    マスタ多階調エリア画像が検査済みの被検査面の多階調
    エリア画像であり、更新しながら用いられる請求項1な
    いし6のいずれかに記載の無地材料の品質検査方法。
  9. 【請求項9】 許容値に濃度レベル差を用いる請求項1
    ないし8のいずれかに記載の無地材料の品質検査方法。
  10. 【請求項10】 濃度レベル差の許容値が、マスタ画像
    の多階調ライン画像の濃度レベルに許容濃度レベルを加
    算して作製した明欠陥多階調ライン画像と、上記マスタ
    画像の多階調ライン画像の濃度レベルから許容濃度レベ
    ルを減算して作製した暗欠陥多階調ライン画像とによっ
    て区画される請求項9記載の無地材料の品質検査方法。
  11. 【請求項11】 濃度レベル差の許容値が、重欠陥レベ
    ルと軽欠陥レベルに設定され、濃度レベル差が重欠陥レ
    ベルを超えた場合には欠陥箇所であると判定し、濃度レ
    ベル差が軽欠陥レベルと重欠陥レベルの間の場合には軽
    欠陥レベルを逸脱している部分の形状を解析することに
    より、この逸脱部分が広い場合に欠陥箇所であると判定
    し、狭い場合には欠陥箇所でないと判定する請求項10
    記載の無地材料の品質検査方法。
  12. 【請求項12】 許容値が濃度差と面積の総和の基準値
    によって区画される請求項1ないし8のいずれかに記載
    の無地材料の品質検査方法。
  13. 【請求項13】 センサとしてラインセンサを用いる請
    求項1ないし12のいずれかに記載の無地材料の品質検
    査方法。
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