JP4154094B2 - 自動現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像露光されたのちに、挿入口から挿入される感光材料を処理液によって処理する自動現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多量の印刷物を印刷する刷版を作成する場合、文字などの間違いがないかなどを検査する検版が行われる。また、カラー印刷を行うときには、色の間違いがないかなどを含めて検版を行う。このために、例えば、カラー印刷を行うときには、印刷する画像を検版用の感光材料に形成したカラープルーフが作成される。
【0003】
このようなカラープルーフの作成には、感光材料を露光する画像露光装置を出力装置として、出力装置に露光された感光材料を現像処理する自動現像装置(以下「プロセッサ」と言う)を連結したカラープルーフ作成装置が用いられる。
【0004】
一般に、プロセッサでは、挿入口から挿入された感光材料を、現像液、漂白定着液及びリンス液(または水洗水)などの処理液に浸漬して処理液処理を行った後に、乾燥処理を行うようになっている。このとき、現像液、漂白定着液等の処理液は、感光材料を最適な状態で仕上げられるように温調されている。
【0005】
このようなプロセッサでは、装置内部に現像液や漂白定着液などの処理液を貯留し、さらに、これらの処理液を温調しているため、内部の空気温度が高くなっていると共に、高湿度となっている。また、装置内部には、処理液中の成分を含むことにより腐食性ガスが滞留している。
【0006】
このために、プロセッサ内の空気が、このプロセッサに接続されている出力装置内に入り込むと、出力装置内部で結露を生じさせたり、結露した水分や腐食性ガスによって内部の部品に腐食を生じさせてしまうことがある。
【0007】
一方、印刷用の刷版を作成するとときに、デジタル信号に変換された画像データを用い、この画像データに基づいて変調した光ビームによって印刷版を露光するようにした製版方法が多用されている。このような製版方法では、画像データに基づいて検版用の感光材料を露光する画像露光装置にプロセッサを連結したカラープルーフ作成装置が用いられる。
【0008】
画像データに基づいて感光材料を露光する画像露光装置では、例えば回転ドラムに感光材料を巻き付け、負圧によって感光材料を吸着保持しながら回転ドラムを高速で回転して走査露光するようにしている。
【0009】
ところで、感光材料を負圧によって吸着保持する画像露光装置では、回転ドラムに感光材料を密着させて保持するときに、装置内部の圧力が機外の圧力よりも低くなることがある。このような画像露光装置にプロセッサを連結し、画像露光装置からプロセッサの挿入口へ感光材料を送り込むようにした場合、画像露光装置の内部圧力が低くなっていると、プロセッサの挿入口からプロセッサの内部の空気が、画像露光装置の内部に吸引されてしまい、結露や部品の腐食を生じさせてしまう。
【0010】
このために、カラープルーフ作成装置では、プロセッサの挿入口にシャッタ等の開閉手段を設け、感光材料の通過時に挿入口を開放し、非通過時に挿入口を閉止するようにして、画像露光装置内にプロセッサ内の空気が流れ込むのを防止したものがある。
【0011】
また、カラープルーフ作成装置では、プロセッサに排気ファンを設け、この排気ファンによってプロセッサ内部の空気を排出することにより、プロセッサの内部の空気が挿入口から画像露光装置に流れ込むのを防止するようにしたものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、排気ファンを用いて画像露光装置内の圧力が下がったときにプロセッサ内の空気が画像露光装置内に流れ込むのを防止するためには、大容量の排気ファンを用いる必要があり、挿入口からの空気の流出を確実に防止することは困難となっている。
【0013】
また、排気ファンを設けてプロセッサ内の空気を排出するようにしても、画像露光装置の内部が負圧となっていると、プロセッサの内部の空気が挿入口から画像露光装置内へ流れ込んでしまう。すなわち、迅速処理を行うために、画像露光の終了した感光材料の排出と、新たな感光材料の回転ドラムへの吸着保持とを並行して行うと、画像露光装置の内部圧力が低下してる状態でプロセッサの挿入口が開かれると、プロセッサ内の空気が画像露光装置内に流れ込んでしまう。
【0014】
したがって、プロセッサの挿入口から画像露光装置へ空気が流れ込むのを防止しようとすると、感光材料の処理間隔を長くする必要があり、処理効率を低下させてしまうことになる。
【0015】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、感光材料の処理効率を低下させることなく、処理液によって感光材料を処理する感光材料処理装置の挿入口から内部の空気が流出するのを防止した自動現像装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、出力装置から出力された露光済み感光材料が、長手方向が感光材料の搬送幅方向に沿うスリット状に形成された挿入口から挿入されることにより、該感光材料を処理液によって処理する自動現像装置であって、前記挿入口に上下方向及び前記感光材料の搬送幅方向のそれぞれに設けられて挿入口を筒体状に形成するガイド板と、前記挿入口の感光材料挿入方向の上流側の上方に設けられて前記筒体状の挿入口に対向された開口部を有するノズルと、所定風量の空気を前記ノズルへ供給することにより前記開口部から前記筒体状の挿入口の略全域へ向けて送風する送風手段と、を含む流出防止手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、送風手段によってノズルに供給した空気を、ノズルから感光材料の挿入口へ向けて噴き出す。ノズルの開口部は、スリット状に形成された挿入口に沿って配置されており、また、挿入口は、ガイド板によって筒体状に形成され、感光材料の搬送方向上流側のノズルから筒体状の挿入口内の略全域に向けて、空気が噴出される。
【0018】
これにより、ノズルから噴出された空気が、筒体状の挿入口の開口を塞ぐように充填されるので、挿入口、常に感光材料が挿入可能なように開放された状態であっても、装置内部の空気が挿入口から流れ出すのを確実に防止することができる。
【0021】
したがって、処理液によって感光材料を処理する装置内部の高湿度となっている空気や装置内の処理液中の成分が、出力装置内に入り込むことにより、出力装置の内部に結露を生じさせたり、出力装置内の部品を腐食させてしまうのを防止することができる。
【0022】
このような本発明が用いられる自動現像装置に連結される出力装置としては、前記感光材料を負圧によって吸着保持して露光する画像露光装置であっても良い。
【0023】
感光材料を負圧によって吸着する画像露光装置では、感光材料を吸着する負圧によって画像露光装置内部の圧力が低下するので、自動現像装置の挿入口から空気が流れ込みやすいが、ノズルから挿入口へ向けて空気を噴き出すことにより、画像露光装置内の圧力が下がっても、自動現像装置内の空気が挿入口から流れ出すのを確実に防止することができる。
【0024】
これにより、画像露光装置では、画像露光の終了した感光材料を自動現像装置へ向けて排出しながら、次に画像露光を行う感光材料の吸着保持を行うことができるので、感光材料の連続的な露光処理を効率良く行うことができる。
【0025】
請求項3に係る発明は、感光層側の面が上方へ向けられた状態で、前記感光材料が、前記挿入口に挿入されることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、上方へ向けられている感光材料の感光層側の面にノズルが対向される。これにより、ノズルから噴出される空気によって感光材料の感光層側の面が挿入口に配置しているガイドに押し付けられてしまうことにより、感光層に擦れ等による損傷を生じさせてしまうのを防止することができる。
【0029】
このような本発明では、前記ノズルが前記挿入口の前記感光材料の搬送幅方向に沿った全域に対向されて配置されていることが好ましい。これにより、スリット形状に形成されている挿入口の中央部は勿論、長手方向の両端部からも装置内部の空気が流れ出してしまうの防止することができる。
【0030】
また、本発明としては、前記ノズルがチャンバーに連結され、チャンバーを介して送風手段から吹出し風が供給されるときに、前記チャンバーが前記感光材料の幅方向に沿った一端部から他端部へ向けて徐々に開口面積を狭めるように楔形状に形成されたものであってもよい。
【0031】
さらに、本発明としては、前記チャンバー内に風切手段が設けられて、前記送風手段から供給される空気の少なくとも一部前記チャンバー内の所定の位置で前記ノズルへ向けて偏向されるものであっても良い。
【0032】
このように、本発明としては、チャンバーを楔形状に形成したり、風切手段を設けるなどの任意の方法で、ノズルから挿入口の開口へ向けて均一に空気が噴出されるようにすることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施の形態に適用したカラープルーフ作成装置10を示している。このカラープルーフ作成装置10は、画像露光装置11に感光材料処理装置であるプロセッサ12が連結されている。
【0034】
画像露光装置11には、内部を遮光する機枠14内にマガジン16が装填される。このマガジン16には、感光材料20をロール状に巻き取った感材ロール18が収容されている。また、画像露光装置11には、感光材料20に画像を形成する記録部22が設けられている。この記録部22は、回転ドラム24と記録ヘッド部26とを備えている。
【0035】
画像露光装置11では、マガジン16から感光材料20を引き出すと、カッタ28によって所定の長さに切断し、シート状の感光材料20として記録部22へ搬送した後、感光層側の面を外側に向けた状態で感光材料12を回転ドラム22の周面の所定位置に巻き付ける。このとき、画像露光装置11では、回転ドラム24に設けている図示しない吸着手段により、回転ドラム24に感光材料20を吸着保持させるようにしている。
【0036】
記録部22では、回転ドラム24に感光材料20を巻き付けて吸着保持すると、回転ドラム24を所定の速度で高速回転させながら、回転ドラム24の回転に同期させて、画像データに応じて変調した光ビームを記録ヘッド部26から回転ドラム24に巻き付けられた感光材料20へ照射する。これにより、感光材料20が光ビームによって走査露光される。なお、画像露光装置11では、R、G、Bの各色に分解した画像データに基づいて感光材料20を走査露光することにより、感光材料20にカラー画像を形成するようにしている。
【0037】
画像露光装置11では、感光材料20への走査露光が終了すると、この感光材料20を記録部22から取出し、機枠14のプロセッサ12側に形成している排出口30から送り出す。なお、画像露光装置11には、排出口30の近傍にスイッチバック部32が設けられており、感光層が下方へ向けられた状態で排出口30へ搬送される感光材料20を反転させ、感光層を上方へ向けた状態で感光材料20を送り出すようにしている。
【0038】
画像露光装置11から排出された感光材料20は、本実施の形態に感光材料処理装置として適用したプロセッサ12へ送り込まれる。
【0039】
図2に示されるように、プロセッサ12には、機枠34内に処理液処理部36及び乾燥部38が設けられている。処理液処理部36は、処理槽を形成する処理タンク40を備えている。
【0040】
この処理タンク40は、複数の仕切り板42それぞれに所定の処理液を貯留する複数の処理槽に区画されている。これにより、処理タンク40内には、感光材料20の搬送方向(図2の紙面左側から右側)に沿って現像液を貯留する現像槽44、46、漂白定着液を貯留する漂白定着槽48、リンス液もしくは水洗水を貯留するリンス槽50、52とが設けられている。
【0041】
現像槽44、46、漂白定着槽48、リンス槽50、52のそれぞれには、図示しないローラ及びガイドを備えた処理ラック54、56、58が配設されており、この処理ラック54、56、58によって感光材料20を略U字状に案内搬送する搬送路が形成されている。また、処理タンク40内には、仕切り板42の上方に、上流側の処理槽から下流側の処理槽へ感光材料20を案内するクロスオーバー用の図示しないガイドが設けられている。
【0042】
一方、プロセッサ12の機枠34には、感光材料20の搬送方向の上流側に挿入口60が形成され、この挿入口60の内方側に挿入ローラ対62が配置されている。挿入口60から送り込まれた感光材料20は、挿入ローラ対62によって機枠34内に引き入れられ、処理液処理部36の処理タンク40へ送り込まれる。
【0043】
プロセッサ12では、感光材料20が処理タンク40に送り込まれると、処理ラック54、54、56、58、58によって、現像槽44、46、漂白定着槽48、リンス槽50、52内を順に案内搬送する。これにより、感光材料20は、現像液及び漂白定着液に順に浸漬されて処理液処理された後、リンス液に浸漬されてリンス処理されることにより、付着した漂白定着液などの処理液が洗い落とされる。
【0044】
なお、現像槽44、46の間及びリンス槽50、52の間の仕切り板42は、それぞれ現像液、リンス液の液面よりも低くなっており、これにより、感光材料20は、現像槽44、46の間及びリンス槽50、52の間を現像液、リンス液に浸漬された状態で受け渡される。
【0045】
処理液処理及びリンス処理が終了した感光材料20は、乾燥部38へ送り込まれる。
【0046】
乾燥部38には、複数のローラ対64によって感光材料20を案内搬送する略直線状の搬送路が形成されており、乾燥部38に送り込まれた感光材料20は、ローラ対64によって乾燥部38内を挟持搬送される。
【0047】
乾燥部38には、ダクト66が設けられている。このダクト66は、一端が感光材料20の搬送路へ向けて開口されており、他端には、乾燥風発生部68が接続されている。
【0048】
乾燥風発生部68は、例えば図示しないファンとヒータを備えており、ファンによって発生させた乾燥風をヒータによって所定温度に加熱してダクト66へ送り込む。ダクト66に送り込まれた乾燥風は、搬送路を搬送される感光材料20へ向けて噴出される。乾燥部38内を搬送される感光材料20は、この乾燥風によって乾燥処理される。
【0049】
プロセッサ12の機枠34には、排出口70が形成されており、この排出口70の近傍に排出ローラ対72が配置されている。乾燥部38で乾燥処理された感光材料20は、排出ローラ対72に挟持されて、排出口70から機枠34外へ送り出される。
【0050】
このように形成されているプロセッサ12においても、図示しないヒータなどによって現像槽44、46内の現像液及び漂白定着槽48内の漂白定着液を温調し、現像液及び漂白定着液を、感光材料20が最適な処理状態となる所定の温度範囲に維持している。このために、機枠34内は、乾燥部38側は勿論、処理液処理部36側も空気温度が高く、高湿度となっている。また、プロセッサ12の機枠34内の空気中には、現像液や漂定着液中の成分が含まれている。
【0051】
図1に示されるように、画像露光装置11とプロセッサ12の間には、搬送装置74が設けられている。この搬送装置74は、ケーシング76によって、画像露光装置11の機枠14とプロセッサ12の機枠34を連結しており、画像露光装置11から送出される感光材料20を遮光状態でプロセッサ12へ搬送することができる。
【0052】
図2に示すように、搬送装置74は、ケーシング76内に搬送ローラ対78が設けられている。また、搬送装置74には、画像露光装置11の排出口30と搬送ローラ対78の間にガイド80が配置され、搬送ローラ対78とプロセッサ12の挿入口60の間にガイド82が配置されている。
【0053】
画像露光装置11の排出口30から排出される感光材料20は、ガイド80によって搬送ローラ対78へ案内され、搬送ローラ対78に挟持される。また、搬送ローラ対78に挟持された感光材料20は、ガイド82によってプロセッサ12の挿入口60へ案内される。搬送装置74は、この搬送ローラ対78を所定の回転速度で駆動することに、感光材料20を画像露光装置11から引き出しながら、プロセッサ12内での感光材料20の搬送速度に合わせた速度でプロセッサ12へ送り込む。
【0054】
なお、ガイド82は、上ガイド82Aと下ガイド82Bによって形成されており、感光材料12は、感光層(乳剤面)側が上方向けられた状態で上ガイド82Aと下ガイド82Bの間を、挿入口60へ向けて搬送される。
【0055】
ところで、プロセッサ12の挿入口60は、感光材料20の幅寸法(搬送方向と直交する方向の寸法)に合わせてスリット状に形成されている。この挿入口60には、上ガイド84Aと下ガイド84Bが対で設けられている。また、挿入口60には、上ガイド84Aと下ガイド84Bの間に幅ガイド86が配置されている。幅ガイド86は、感光材料20の幅方向に沿った両端側にそれぞれ設けられている。すなわち、プロセッサ12の挿入口60には、上ガイド84A、下ガイド84B及び幅ガイド86によって略ダクト形状に形成されている(以下「挿入ダクト88」とする)。感光材料20は、ガイド82によってこの挿入ダクト88内を通過して、機枠34内へ送り込まれる。
【0056】
一方、図1乃至図5に示されるように、この搬送装置74のケーシング76には、プロセッサ12の挿入口60から、プロセッサ12内の空気が流出するのを防止する流出防止装置90が設けられている。
【0057】
この流出防止装置90は、チャンバー92を備えている。図4及び図5に示されるように、このチャンバー92は、長尺の筒体形状となっており、長手方向が感光材料12の搬送方向と直交する幅方向に沿うようにして、ガイド82の上方に配置されている。また、チャンバー92は、長手方向の一端側が閉塞され、他端側にダクト94の一端が接続されている。
【0058】
図3に示されるように、流出防止装置90は、送風手段として送風ファン96を備えており、送風ファン96は、ダクト94の他端に接続されている。流出防止装置90は、送風ファン96が作動することにより、ダクト94を介してチャンバー92内に空気を送風する。
【0059】
図3乃至図5に示されるように、チャンバー92には、プロセッサ12の挿入口60へ向けてノズル98が突設されている。図4及び図5に示されるように、このノズル98は、感光材料20の幅方向に沿って設けられており、感光材料20の幅方向に沿った挿入口60の全域に対向されている。
【0060】
図3及び図4に示されるように、ノズル98の内部は中空とされており、先端に噴出し口100が設けられている。また、ノズル98の内部の開口幅は、噴出し口100へ向けて徐々に狭められている。
【0061】
これにより、送風ファン96によってチャンバー92に供給された空気は、ノズル98に流れ込んで、噴出し口100からプロセッサ12の挿入口60へ向けて噴出される。チャンバー92は、長手方向が挿入口60の長手方向に沿うように配置された噴出し口100から略均一に空気を噴出すようになっている。このようなチャンバー92としては、例えば内部の開口面積をダクト94側から徐々に狭めたり、内部に整流板を配置するなど、ノズル98の噴出し口100の全域から挿入口60へ向けて略均一な風量で空気を噴出すことができる任意の構造を用いることができる。
【0062】
ガイド82は、上ガイド82Aが下ガイド82Bよりも短くなっており、これにより、ノズル98がガイド82と干渉するのを防止すると共に、噴出し口100から挿入口60へ向けて噴出される空気が、ガイド82(上ガイド82A)によって遮られてしまうのを防止している。
【0063】
流出防止装置90は、プロセッサ12が稼動されると、送風ファン96を作動させて、噴出し口100からプロセッサ12の挿入口60へ向けて送風する。噴出し口100から噴出された空気は、挿入ダクト88内に吹き入れられる。これにより、挿入ダクト88内で、プロセッサ12の機枠34内の空気が挿入口60から流れ出すのを防止するエアーカーテンが形成される。また、噴出し口100から噴出される空気は、挿入ダクト88内でエアーカーテンを形成しながら、プロセッサ12の機枠34内に吹き入れられる。
【0064】
したがって、画像露光装置11が回転ドラム24に感光材料20を吸着保持するために、画像露光装置11の機枠14内の圧力が低下しても、挿入口60からプロセッサ12の機枠34内の空気が流出するのを防止される。
【0065】
搬送装置74は、画像露光装置11から出力される感光材料12を、流出防止装置90によってエアーカーテンが形成された挿入口60(挿入ダクト88)内へ、感光層が上方へ向けられた状態で挿入される。
【0066】
本実施の形態では、一例として、プロセッサ12で処理する感光材料20の最大幅寸法を約635mmとしており、挿入口60(挿入ダクト88)の開口は、上下寸法が約10mm、感光材料20の幅方向に沿う長手方向の寸法が約650mmとなっており、流出防止装置90は、この挿入口60へ向けて0.01m2/sec〜100m2/sec、好ましくは0.1m2/sec〜10m2/secの風量の空気を噴出し口100から噴出すようになっている。
【0067】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0068】
カラープルーフ作成装置10では、プロセッサ12が稼動された状態で検版を行う画像データが画像露光装置11に入力されると、画像露光装置11が作動を開始する。
【0069】
画像露光装置11は、マガジン16から引き出して所定の長さに切断した感光材料20を、感光層が半径方向の外方へ向けた状態で回転ドラム24に巻き付けて吸着保持する。この後に、画像露光装置11は、回転ドラム24を回転させながら、画像データに基づいて変調された光ビームを感光材料20に照射して感光材料20を走査露光する。これにより、感光材料20に画像データに基づいた画像が形成される。
【0070】
画像露光された感光材料20は、回転ドラム24から取り外されると、スイッチバック部32を経て、排出口30から搬送装置74へ向けて送出される。このとき、スイッチバック部32では、感光層が下側へ向けられた状態で回転ドラム24から剥がされた感光材料20を反転させ、感光層が上方へ向けられた状態で排出口30から排出される。
【0071】
搬送装置74では、画像露光装置11から排出された感光材料20を、搬送ローラ対78によって挟持搬送して、プロセッサ12の挿入口60へ送り込む。
【0072】
プロセッサ12は、例えば図示しない挿入センサ等によって、挿入口60へ感光材料20が挿入されたことを検出すると、挿入ローラ対62等の搬送用のローラを駆動する。これにより、挿入口60に挿入された感光材料20は、処理液処理部36に引き入れられ、現像槽44、46、漂白定着槽48及びリンス槽50、52内を順に搬送されて、現像、漂白定着及びリンスの各処理液処理が行われる。このとき、現像液、漂白定着液が温調されていることにより、感光材料20は、迅速にかつ適正な処理状態となるように処理される。
【0073】
プロセッサ12は、感光材料20の処理液処理を終了すると、乾燥部38内のローラ対64によって感光材料20を搬送しながら、乾燥風発生部68で発生させた乾燥風を感光材料20に吹き付け、感光材料20の乾燥処理を行う。乾燥部38での乾燥処理が終了した感光材料20は、排出ローラ対74に挟持搬送され、カラープルーフとして排出口70から排出される。
【0074】
ところで、プロセッサ12は、処理液を貯留し、この処理液を温調しているなどの要因によって機枠34内の空気の温度が高く、高湿度となっている。また、機枠34内の空気には、処理液中の成分が含まれており、この機枠34内の空気が搬送装置74や、画像露光装置11内に入り込むことにより、結露を生じさせたり、内部の部品を腐食させてしまう。
【0075】
一方、プロセッサ12に接続されている画像露光装置11は、負圧によって感光材料12を回転ドラム24に吸着保持させるため、特に感光材料20を回転ドラム24に吸着している間、機枠14内の圧力が低下し、搬送装置74のケーシング76を経てプロセッサ12の機枠34内の空気が流れ込み易くなっている。
【0076】
このような画像露光装置11とプロセッサ12とが連結されているカラープルーフ作成装置10には、プロセッサ12の挿入口60側に連結されている搬送装置74のケーシング76内に、流出防止装置90を設けている。
【0077】
流出防止装置90は、送風ファン96によってチャンバー92へ空気を送り込む。チャンバー92には、常に感光材料12が通過できるように開放されている挿入口60に対向して、噴出し口100が形成されているノズル98が設けられている。送風ファン96によってチャンバー92に供給された空気は、このノズル98によって噴出し口100から挿入口60の開口へ向けて噴出され、挿入口60から機枠34内の空気が流出するのを遮るエアーカーテンを形成する。流出防止装置90は、ノズル98から噴出す空気を挿入口60から機枠34内に押し込むようにエアーカーテンを形成する。
【0078】
これにより、画像露光装置11の機枠14内の圧力が低下しても、プロセッサ12の機枠34内の空気が、挿入口60から流れ出すのは勿論、画像露光装置11の機枠14内に入り込むことがない。
【0079】
したがって、画像露光装置11では、画像露光の終了した感光材料20を排出しながら、新たな感光材料20を回転ドラム24に吸着保持させても、プロセッサ12内の高湿度で処理液中の成分を含んだ空気が画像露光装置11内に入り込むのを防止することができる。
【0080】
すなわち、カラープルーフ作成装置10では、画像露光装置11で感光材料20への画像露光処理を効率的に行って、短時間に多数枚のカラープルーフを作成することができる。
【0081】
一方、感光材料20の感光層に擦り傷等が生じると、カラープルーフの仕上がり品質が損ねられ、正確な検版作業が不可能となってしまうことがある。
【0082】
これに対して、流出防止装置90では、ノズル98を感光材料20の感光層側に設けており、感光材料20は、挿入口60に挿入されるときに、感光層側の面に空気が吹き付けられる。したがって、感光材料20は、感光層と反対側の面が、挿入口60の下ガイド84Aに接触しながら搬送され、感光層側の面が上ガイド84A等に接触して擦り傷等が生じてしまうことがない。
【0083】
このように、本実施の形態に適用したカラープルーフ作成装置10では、搬送装置74内に流出防止装置90を設けることにより、プロセッサ12内の空気が画像露光装置11内に入り込むのを防止しながら、感光材料20を効率良く処理して、仕上がり品質の高いカラープルーフを作成することができる。
【0084】
なお、本実施の形態では、流出防止装置90が噴出し口100から噴出す風量を0.01m2/sec〜100m2/sec、好ましくは0.1m2/sec〜10m2/secとしたが、送風量はこれに限定するものではなく、プロセッサ12の機枠34内と画像露光装置11の機枠14内の圧力差が生じたときに、この圧力差によって挿入口60からプロセッサ12の機枠34内の空気が流出するのを防止できる風量であれば良い。
【0085】
なお、本実施の形態では、矩形筒体形状に形成したチャンバー92に感光材料20の幅方向に沿って噴出し口100が開口されているノズル98を設けたが、チャンバー及びノズルの形状はこれに限定するものではない。
【0086】
例えば、図6に示されるように、ノズル110を用いることもできる。なお、図6では、搬送装置74の構成の図示を省略している。
【0087】
このノズル110は、外形形状が楔形形状となっているチャンバー112に、プロセッサ12の挿入口60に対向して、感光材料20の幅方向に沿ったスリット状の噴出し口114を形成している。
【0088】
このノズル110のチャンバー112は、楔形形状に形成されることにより、内部の開口断面積が、感光材料20の幅方向に沿った一端側から他端側へ向けて徐々に狭められている。これにより、ノズル110は、感光材料20の幅方向に沿った一端側の空気を噴出し口114の開口の全域から略均一な風量で噴き出すことができるようにしている。
【0089】
また、チャンバー112内には、風切手段として整流板116が設けられている。この整流板116は、感光材料20の幅方向の一端側から供給される空気の一部を感光材料20の搬送方向へ向けて整流することにより、噴出し口114の略全域から感光材料20の搬送方向に沿って空気が噴出されるようにしている。
【0090】
挿入口60に感光材料20の搬送方向に対して斜め空気が吹き込まれた場合、挿入口60の開口周縁部に空気が吹き込まれない領域が生じ、この領域からプロセッサ12内の空気が流れ出してしまうことがある。これに対して、ノズル110は、整流板116によって噴出し口114から感光材料20の搬送方向に向けて整流した空気を噴き出すことにより、挿入口60の開口部周縁に空気が吹き込まれない領域が生じることがないようにし、プロセッサ12内の空気が挿入口60から流れ出すのを確実に防止するようにしている。
【0091】
このように、本発明に適用されるノズルは、プロセッサ12の挿入口60へ向けて感光材料20の搬送方向に沿って、挿入口60の開口部全域へ向けて略均一に空気を噴出する形状とすることがより好ましい。
【0092】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、画像露光装置11とプロセッサ12を搬送装置74を介して連結したカラープルーフ作成装置10を用いて説明したが、画像露光装置11としては、カラー画像に限らず白黒画像等を感光材料20に形成するものであっても良い。
【0093】
また、プロセッサ12に連結される出力装置としては、感光材料20を負圧によって吸着保持する画像露光装置11に限らず、プロセッサ12によって現像処理する感光材料20へ画像露光可能な任意に構成の画像露光装置を用いることができる。また、出力装置としては、プロセッサ12へ送り込む感光材料20を出力する任意の構成の出力装置を用いることができる。
【0094】
また、本実施の形態では、自動現像装置としてプロセッサ12を用いたが、自動現像装置としては、現像液、定着液等の感光材料に応じた処理液を温調しながら貯留する任意の構成の自動現像装置を用いることができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ガイド板によって筒体状に形成した挿入口の開口に対向して設けたノズルから空気を噴き出すことにより、この挿入口から自動現像装置内の空気が流出するのを確実に防止することができる。これにより、出力装置として感光材料を負圧によって吸着保持する画像露光装置を用いても、自動現像装置内の空気が画像露光装置内に入り込んでしまうのを防止しながら、感光材料の効率的な露光処理を行うことができる優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るカラープルーフ作成装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に自動現像装置として適用したプロセッサの概略構成図である。
【図3】搬送装置内に設けた流出防止装置を示す概略構成図である。
【図4】挿入口に対向して設けた流出防止装置の概略のチャンバーとノズルを示す概略斜視図である。
【図5】チャンバーとノズルが設けられた挿入口近傍を示す概略平面図である。
【図6】挿入口に対向して設けるノズルの他の一形状を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 カラープルーフ作成装置
11 画像露光装置(出力装置)
12 プロセッサ(自動現像装置)
14 機枠
20 感光材料
24 回転ドラム
34 機枠
36 処理液処理部
40 処理タンク
60 挿入口
74 搬送装置
88 挿入ダクト(筒体)
90 流出防止装置
92 チャンバー(送風手段)
96 送風ファン(送風手段)
98 ノズル
100、114 噴出し口
110 ノズル
112 チャンバー
116 整流板(風切手段)

Claims (6)

  1. 出力装置から出力された露光済み感光材料が、長手方向が感光材料の搬送幅方向に沿うスリット状に形成された挿入口から挿入されることにより、該感光材料を処理液によって処理する自動現像装置であって、
    前記挿入口に上下方向及び前記感光材料の搬送幅方向のそれぞれに設けられて挿入口を筒体状に形成するガイド板と、
    前記挿入口の感光材料挿入方向の上流側の上方に設けられて前記筒体状の挿入口に対向された開口部を有するノズルと、
    所定風量の空気を前記ノズルへ供給することにより前記開口部から前記筒体状の挿入口の略全域へ向けて送風する送風手段と、
    を含む流出防止手段を備えたことを特徴とする自動現像装置。
  2. 前記露光済み感光材料を出力する出力装置が、前記感光材料を負圧によって吸着保持する画像露光装置であることを特徴とする請求項1に記載の自動現像装置。
  3. 感光層側の面が上方へ向けられた状態で、前記感光材料が前記挿入口に挿入されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動現像装置。
  4. 前記ノズルが前記挿入口の前記感光材料の搬送幅方向に沿った全域に対向されて配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動現像装置。
  5. 前記ノズルがチャンバーに連結され、該チャンバーを介して送風手段から吹出し風が供給されるときに、前記チャンバーが前記感光材料の搬送幅方向に沿った一端部から他端部へ向けて徐々に開口面積が狭められるように楔形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の自動現像装置。
  6. 前記チャンバー内に風切り手段が設けられて、前記送風手段から供給される空気の少なくとも一部が前記チャンバー内の所定の位置で前記ノズルへ向け偏向されることを特徴とする請求項5に記載の自動現像装置。
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