JP3905404B2 - 自動現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理液処理した写真感光材料を乾燥処理して仕上げる自動現像装置に関する。詳細には、乾燥風によって感光材料を無端のベルトに押し付けて、この無端ベルトの移動によって感光材料を搬送して乾燥処理する自動現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多量の印刷物を印刷する刷版は、例えば印刷版を、印刷画像に応じて露光して作成する。また、印刷版を画像露光するのに先立って、文字などの間違いがないかの検版が行われる。また、カラー印刷を行うときには、色の間違いがないかなどを含めた検版を行う必要がある。
【0003】
このような検版には、検版用の感光材料を印刷用の画像に応じて露光して形成したプルーフ(カラープルーフ)が用いられる。
【0004】
近年、DTPの普及により印刷用の画像データに基づいて印刷版を露光して刷版を作成することがある。このような刷版の作成に先立って、カラープルーフを作成するときには、検版用の感光材料を画像データに応じて露光する画像露光装置を出力装置(セッター)として、この出力装置に、感光材料の現像処理を行う自動現像装置(以下「プロセッサ」とする)を連結したカラープルーフ作成装置が用いられる。
【0005】
カラープルーフ作成装置に用いられるセッターでは、回転ドラムの外周面に感光材料を巻き付け、この回転ドラムを高速回転しながら、回転ドラムの回転に同期させて画像データに応じて変調した光ビームを照射することにより、感光材料を走査露光し、回転ドラムから取り外した感光材料をプロセッサへ送り出す。このとき、感光材料は、感光層側の面が下方へ向けられた状態となっている。
【0006】
一方、プロセッサでは、通常、感光層側が上方へ向けられた状態で挿入される感光材料を処理するようになっているが、感光層側が下方へ向けられた状態でセッターから送り出される感光材料を、そのままの状態で搬送処理することにより、感光材料を反転する工程を省いて、装置のコンパクト化及び処理時間の短縮を図るようにしたものがある。
【0007】
ところで、プロセッサには、無端ベルトによって感光材料を搬送しながら乾燥処理を行う乾燥部を備えたものがる。これによりプロセッサでは、処理液によって処理された直後の感光材料の感光層にローラ等が接触するのを抑えて、仕上がり品質の向上を図るようにしている。
【0008】
しかしながら、無端ベルトを用いて感光材料を搬送するようにした場合、感光材料の先端部の処理液が付着した部分が、同じ感光材料の後端部に接触して、感光材料に乾燥ムラを生じさせてしまうことがある。
【0009】
これを防止するためには、無端ベルトを十分に長くして、同一位置が同じ感光材料に一度しか接触しないようにする方法が考えられるが、単に無端ベルトを長くしただけでは、乾燥部が大型化してしまうと共に、乾燥部を通過するのに時間がかかって、処理時間を長くしてしまうなどの問題が生じる。
【0010】
また、無端ベルトを回転駆動するときに、単にローラに巻きかけただけでは、無端ベルトがローラの軸線方向に移動してしまうことがある。
【0011】
さらに、感光層が下面側となるようにして搬送しながら感光材料の処理を行うプロセッサでは、感光材料を無端ベルトで搬送するときに、感光材料を無端ベルとの下面側に押し付けるように乾燥風を吹き付ける必要があるが、これにより乾燥室内に乾燥風の乱流が生じて、感光材料が無端ベルトから離れてしまうことがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、無端のベルトによって感光材料を搬送して乾燥処理するときに、乾燥ムラ等を生じさせることなく効率的な乾燥処理を行うことができる自動現像装置を提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、画像露光されたシート状の感光材料を搬送しながら処理液処理した後に、乾燥部で前記感光材料を乾燥処理する自動現像装置であって、周長が、処理する前記感光材料の中で搬送方向に沿った長さが最長である感光材料よりも長く感光材料の搬送速度に応じた速度で回転駆動される無端ベルトと、前記乾燥部内の前記感光材料の搬送路の上流部に配置されて前記無端ベルトが巻きかけられる第1のローラと、前記乾燥部内の前記感光材料の搬送路の下流部に配置されて前記無端ベルトが巻きかけられる第2のローラと、前記第1及び第2のローラより前記感光材料の搬送路から離れて配置されて前記無端ベルトが巻き掛けられる第1のローラ側の第3のローラ及び第2のローラ側の第4のローラと、前記第1から第4のローラに囲われる内部に配置されて前記第1のローラと前記第3のローラ又は前記第2のローラと前記第4のローラに巻き掛けられた前記無端ベルトが折り返されて巻き掛けられる第5のローラと、前記感光材料の搬送路を挟んで前記無端ベルトに対向して配置されて、無端ベルトへ向けて前記感光材料に乾燥処理を施す乾燥風を吹き付ける乾燥手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、第1のローラと第2のローラの間を感光材料の搬送方向に沿って移動する無端ベルトへ乾燥手段によって乾燥風を吹き付ける。これにより、感光材料は、乾燥風によって無端ベルトへ押し付けられながら無端ベルトの移動によって搬送されて乾燥処理される。
【0015】
この無端ベルトは、感光材料の搬送方向に沿った長さが、最大長の感光材料よりも長くなっており(好ましくは最大長の感光材料の長さの2倍以上)、これにより、同一の部分が同一の感光材料の先端部と後端部に接触してしまい、感光材料に乾燥不良を生じさせるのを防止する。
【0016】
た、この無端ベルトは、第5のローラに巻きかけることにより、第1のローラと第3のローラの間又は第2のローラと第4のローラとの間で折り返されている。これにより、第1及び第2のローラの間隔を、短くすることができるので、無端ベルトの長さにかかわらず乾燥部をコンパクトにすることができる。
【0017】
なお、第1のローラと第2のローラの間隔は、感光材料の搬送速度、乾燥時間等に基づいて設定されるものであればよい。
【0018】
請求項2に係る発明は、前記第5のローラ又は第5のローラに隣接する第3又は第4のローラの何れか少なくとも一つが、前記無端ベルトを引張方向へ付勢する付勢手段を備えたテンションローラであることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、第3乃至第5のローラの何れかによって無端ベルトに所定の張力を付与する。
【0020】
これにより、無端ベルトに乾燥風が吹き付けられても、無端ベルトが撓んでしまうのを防止でき、第1のローラと第2のローラとの間で、無端ベルトが撓んでしまうことによる感光材料の搬送不良が発生してしまうのを防止することができる。
【0021】
請求項3に係る発明は、前記第1のローラないし前記第5のローラの軸線方向の両端部に、前記無端ベルトの幅方向に沿った長さの間隔で拡径部を形成していることを特徴とする。
【0022】
これにより、第1乃至第5のローラで無端ベルトが幅方向にずれて偏ったり外れたりしてしまうのを確実に防止して、感光材料を適正に搬送することができる。
【0023】
また、請求項4に係る発明は、前記無端ベルトが前記感光材料の搬送路の上方側に配置されると共に、前記乾燥手段が前記感光材料の搬送路の下方側に配置されて、前記感光材料が感光層側の面を下方へ向けた状態で搬送されることを特徴とする。
【0024】
これにより、感光層を下方へ向けた状態でも、この感光層に無端ベルト等を接触させることなく搬送することができるので、未乾燥状態の感光材料の感光層に無端ベルトが接触してしまうことにより接触跡が生じてしまうのを確実に防止することができる。
【0025】
さらに、請求項5に係る発明は、前記第1から第5のローラに巻き掛けられた前記無端ベルトを、前記感光材料の搬送路側が開放された略箱体状に囲った乾燥室内に設けているときに、前記感光材料の幅方向の少なくとも一方の側壁に排気口を形成していることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、乾燥手段から噴出された乾燥風を、感光材料の搬送幅方向の排気口から排出する。
【0027】
これにより、乾燥風が乾燥室内で乱流を形成して、無端ベルトから感光材料が離れてしまい、感光材料の搬送不良等が生じるのを確実に防止して、感光材料を安定した状態で搬送することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1には本実施の形態に適用したカラープルーフ作成装置10を示している。このカラープルーフ作成装置10は、感光材料に画像露光を施して出力する出力装置であるセッター12に自動現像装置であるプロセッサ14が連結されている。また、プロセッサ14の排出側(セッター12と反対側)には、ストッカー16が設けられている。
【0029】
セッター12には、内部を遮光する機枠18内にマガジン20が装填される。このマガジン20には、長尺の感光材料22がロール状に巻き取られて収容されている。また、セッター12には、感光材料22に画像を形成する記録部24が設けられている。この記録部24は、回転ドラム26及び記録ヘッド部28を備えている。
【0030】
セッター12では、マガジン20から感光材料22を引き出すと、図示しないカッタによって所定長さに切断して記録部24へ送り出す。これにより、感光材料22がシート状となって記録部24に送り込まれる。
【0031】
記録部24では、この感光材料22を、感光層側の面を外側へ向けた状態で回転ドラム26の周面の所定位置に巻き付ける。また、記録部24では、回転ドラム26に設けている図示しない吸着手段により、回転ドラム26に感光材料22を吸着保持する。
【0032】
記録部24では、回転ドラム26の所定位置に感光材料22を巻き付けて吸着保持すると、回転ドラム26を所定の速度で高速回転させながら、回転ドラム26の回転に同期させて、画像データに応じて変調した光ビームを記録ヘッド部28から感光材料22へ照射することにより感光材料22を走査露光し、感光材料22に画像データに応じた画像露光を施す。なお、セッター12では、R、G、Bの各色に分解した画像データに基づいて感光材料22を走査露光することにより、感光材料22にカラー画像を形成するようにしている。
【0033】
セッター12は、感光材料22への画像露光が終了すると、この感光材料22を回転ドラム26から取り外し、感光層側の面を下方へ向けたままの状態で、機枠18のプロセッサ14側に形成している排出口30からプロセッサ14へ送り出す。
【0034】
セッター12では、所定範囲であれば幅寸法の異なる感光材料22への画像露光が可能となっており、感光材料22の幅方向の中心位置が、回転ドラム26の軸線方向に沿った一定位置となるように感光材料22を回転ドラム26へ位置決めして画像露光を行う。これにより、プロセッサ14には、所謂センター通しで感光材料22が挿入される。
【0035】
なお、セッター12では、一例として、幅寸法が506mmから820mmの感光材料22への画像露光が可能となっており、例えば幅寸法820mm、660mm、506mmの感光材料22を用いることにより、B1サイズ(820mm×1100mm)、B2サイズ(820mm×660mm)、A1サイズ(660mm×940mm)、A2サイズ(506mm×660mm)及びA3サイズ(506mm×350mm)の各サイズの感光材料22に画像形成が可能となっており、プロセッサ14には、搬送方向に沿った長さが最大で1100mmの感光材料22がセッター12から送り込まれる。
【0036】
プロセッサ14では、感光層側の面が下方へ向けられた状態で感光材料22を搬送しながら所定の処理を行う。すなわち、プロセッサ14では、感光層側の面が下方へ向けられた状態でセッター12から送り込まれる感光材料22をそのままで搬送して処理することにより、感光材料22の感光層側の面を反転させるスイッチバック部等を設けるスペースを省くと共に、感光材料22の反転処理を行うための時間を短縮して、カラープルーフの迅速な作成が可能となるようにしている。
【0037】
図2に示すように、プロセッサ14には、機枠32内に処理液処理部34及び乾燥部36が設けられている。また、機枠32内には、処理液処理部34のセッター12側に導入部38が形成されている。なお、処理液処理部34、乾燥部36及び導入部38の間は、図示しない隔壁によって区画されている。
【0038】
プロセッサ14には、セッター12の排出口30(図1参照)に対向して、機枠32にスリット状の挿入口40が形成され、処理液処理部34と導入部38の間にスリット状の挿通口42が形成されており、セッター12の排出口30から送り出される感光材料22は、この挿入口40から導入部38内に挿入される。
【0039】
また、導入部38には、挿入口40と挿通口42の間に、搬送ローラ対44、46が設けられており、プロセッサ14は、セッター12からの搬出信号によって図示しない駆動手段を作動させて、搬送ローラ対44、46を所定速度で回転駆動する。
【0040】
これにより、挿入口40から挿入された感光材料22は、搬送ローラ対44に達すると、搬送ローラ対44に挟持され、セッター12から引出されながら挿通口42へ向けて挟持搬送され、さらに、搬送ローラ対46に挟持搬送されて、挿通口42から処理液処理部34へ送り込まれる。なお、搬送ローラ対44の下流近傍に図示しない感材検出センサが設けられ、この感材検出センサによって搬送ローラ対44での感光材料22の挟持の有無の検出及び感光材料22の幅サイズの判定が可能となっている。また、導入部38には、挿入口40にガイド48が配置され、搬送ローラ対44、46の間にガイド50が配置されて、感光材料22を挿入口40から処理液処理部34へ確実に案内搬送できるようになっている。
【0041】
処理液処理部34には、処理タンク52が設けられている。処理タンク52には、処理槽として感光材料22の搬送方向に沿って順に、現像液を貯留する現像槽54、漂白定着液を貯留する漂白定着槽56、及びリンス液もしくは水洗水を貯留するリンス槽58、60、62が形成されている。
【0042】
現像槽54には、処理ラック64が配設され、漂白定着槽56には、処理ラック66が配設されている。また、リンス槽58〜62のそれぞれには、処理ラック68A、68B、68Cが配設されている。
【0043】
これにより、導入部38から処理液処理部34へ送り込まれた感光材料22は、現像槽54内、漂白定着槽56内およびリンス槽58〜62内のそれぞれを略U字状に案内搬送され、現像液、漂白定着液及びリンス液に順に浸漬され、現像処理、漂白定着処理及びリンス処理が施される。なお、互いに隣接する処理ラックの間には、クロスオーバー部が形成されており、感光材料22は、このクロスオーバ部によって上流側の処理槽から下流側の処理槽へ円滑に湾曲されながら案内搬送される。
【0044】
リンス処理が終了して最下流のリンス槽62から送り出される感光材料22は、処理液処理部34と乾燥部36との間に形成されているスリット状の挿通口70から乾燥部36へ送り込まれる。
【0045】
一方、図3及び図4に示すように、乾燥部36に隣接するリンス槽62に設けられる処理ラック68Cは、一対のラック側板100を備えている。図3に示すように、このラック側板100には、下端部にローラが上下に配置された搬送ローラ対102が設けられており、この搬送ローラ対102の上流側(感光材料22の搬送方向上流側で、図3に紙面左側)には、ガイド部材104が設けられており、下流側には、ガイド部材106が設けられている。処理ラック68Cでは、この搬送ローラ対102及びガイド部材104、106によってターン部108が形成されている。
【0046】
ターン部108では、ガイド部材104が、上方側から送り込まれる感光材料22を湾曲させながら搬送ローラ対102へ送り込み、ガイド部材106が、搬送ローラ対102から送り出される感光材料22を湾曲させながら上方へ向けて案内する。
【0047】
また、処理ラック68Cには、ガイド部材104、106の上方側に搬送ローラ対110、112が設けられている。ガイド部材104の上方側の搬送ローラ対110は、ガイド部材104へ向けて感光材料22を送り出し、ガイド部材106の上方側の搬送ローラ対112は、ガイド部材106に案内された感光材料22をターン部108から引き出すようになっている。
【0048】
この処理ラック68Cに設けられている搬送ローラ対102、110、112のそれぞれは、感光材料22の裏面側(感光層と反対面側)に対向するローラ114として、外周部に多数の小突起が形成されている所謂イボローラを用いている。
【0049】
これにより、処理ラック68Cでは、搬送ローラ対102、110、112によって感光材料22を挟持したときに、感光材料22に確実に搬送力を付与すると共に、リンス槽62内に貯留しているリンス液によって感光材料22の裏面側を確実に洗浄可能となるようにしている。なお、搬送ローラ対102、110、112のそれぞれは、複数の小幅ローラ(コロ)を軸線方向に沿って所定間隔で配置した串型ローラとなっており、小幅ローラの間から感光材料22の表裏面近傍にリンス液が入り込むようにしている。
【0050】
一方、処理ラック68Cには、搬送ローラ対110、112の上方側にガイド部材116、118、120が配設され、ガイド部材114の上方側には、クロスオーバー部122を形成するガイド部材124が配置されている。リンス槽62内のリンス液は、液面がガイド部材116、118、120によって覆われる。
【0051】
また、ガイド部材116、118の間には、スリット状の挿通口126が形成され、ガイド部材118、120の間には、スリット状の挿通口128が形成されている。
【0052】
上流側のリンス槽60から送り出された感光材料22は、ガイド部材124によって挿通口126へ案内され、挿通口126を通過することにより搬送ローラ対110に挟持されてリンス槽62のリンス液中に引き入れられる。また、感光材料22は、リンス槽62内のリンス液中を搬送されて搬送ローラ対112によっ挿通口128から送り出される。
【0053】
処理ラック68Cには、この挿通口128の上方にスクイズローラ130及びガイド部材132が配置されている。スクイズローラ130は、搬送ローラ対112によって挿通口128から送り出される感光材料22を挟持して、この感光材料22を挿通口128から引出しながらガイド部材132へ向けて送り出し、ガイド部材132は、この感光材料22を乾燥部36との間の挿通口70へ向けて案内する。
【0054】
これにより、感光材料22は、リンス槽62から乾燥部36へ送り込まれる。このとき、スクイズローラ130は、感光材料22の表裏面からリンス液である水を均一に絞り落とし、乾燥部36での感光材料22の乾燥効率の向上と処理ムラ(乾燥ムラ)の発生を防止するようにしている。なお、スクイズローラ130によって感光材料22から絞り落とされた水は、リンス槽62内に回収されるようになっている。
【0055】
一方、図3及び図4に示すように、ガイド部材132は、ラック側板100の間に掛け渡された一対のシャフト134に、所定間隔で複数のガイド板136が取り付けられており、それぞれのガイド板136の先端に感光材料22が接触することにより、感光材料22を湾曲させながら案内する。
【0056】
また、ガイド部材132には、ガイド板136の間に小ローラ138が配置されている。小ローラ138のそれぞれは、外周部に一定間隔で突起部が形成され、軸線方向から見た形状が略星型となっており、突起部のそれぞれがガイド板136から感光材料22の搬送路側に突出している。
【0057】
これにより、ガイド部材132では、感光材料22がガイド板136に接触しながら案内されるときに、小ローラ138によってガイド板136から確実に剥離されて送り出される。すなわち、小ローラ138は、リンス液によって濡れた感光材料22がガイド板136に貼り付いてしまうのを防止して、ガイド板136によって感光材料22が確実に乾燥部36へ向けて搬送されるようにしている。
【0058】
なお、小ローラ138に形成されている突起部のそれぞれは、先端が半球状に形成されて、感光材料22に接触したときに、感光材料22を損傷させてしまうことがないようにしている。また、図3に示すように、クロスオーバー部122のガイド部材124においても、一対のシャフト140の間に所定間隔でガイド板142が配置されると共に、ガイド板142の間に小ローラ138が設けられ、ガイド板142に感光材料22が貼り付くことによって接触抵抗が増加して搬送不良が生じてしまうのを防止している。
【0059】
一方、図3及び図4に示すように、ガイド部材132の下流側には、略平状のガイド板144が設けられている。このガイド板144は、長手方向が感光材料22の幅方向となるように配置され、感光材料22の搬送路に対向する下面に複数のリブ146が形成されている。リブ146のそれぞれは、長手方向が感光材料22の搬送方向となるように、感光材料22の幅方向に沿って所定間隔で形成されている。
【0060】
このガイド板144は、ガイド部材132から送り出される感光材料22を略水平状態で乾燥部36へ送り込むようになっている。このとき、感光材料22が接触する下面にリブ146を形成していることにより、リンス液等の処理液によって湿っている感光材料22が貼り付いてしまうのを防止して、円滑に案内するようにしている。
【0061】
ところで、図2、図5及び図7に示すように、乾燥部36には、挿通口70側に第1のローラとしてローラ72が設けられ、排出口74側に第2のローラとしてローラ76が設けられている。また、乾燥部36内には、ローラ72の上方に第3のローラとしてローラ78が設けられ、ローラ72、76の間の上方に第5のローラとしてローラ80が設けられている。
【0062】
図6乃至図8に示すように、乾燥部36には、感光材料22の搬送方向の直交する方向である幅方向の両側に、感光材料22の搬送路を挟んで対で側板150が設けられている。なお、図5乃至8では、一方の側板150を図示し、他方の側板の図示を省略している。また、乾燥部36では、感光材料22の搬送幅方向の両側の基本的構成は、略同じであり、以下では、主に一端側を図示して説明し、他端側の図示及び説明を省略する。
【0063】
ローラ72、76、78、80のそれぞれは、側板150の間に掛け渡されて軸支されている。また、図2、図5乃至図7に示すように、ローラ72、76の間の上方側には、ローラ78の高さ位置に第4のローラとしてテンションローラ88が配置されている。
【0064】
乾燥部36には、ローラ72、76、78、80及びテンションローラ88の間に、無端ベルトとしてメッシュベルト82が巻き掛けられている。このメッシュベルト82は、一周の長さが、プロセッサ14で処理する感光材料22の中で搬送方向に沿った長さが最大サイズの感光材料22よりも長く、また、幅寸法がプロセッサ14で処理する感光材料22の中で最大幅の感光材料22よりも大きくなっている。
【0065】
すなわち、プロセッサ14では、セッター12から送り出される感光材料22を処理するようになっており、セッター12では、最大サイズが820mm×1100mmとなっており、メッシュベルト82は、幅及び長さがこれより大きくなっている。なお、メッシュベルト82の長さは、最大サイズの感光材料22の長さの2倍以上であることが好ましい。
【0066】
乾燥部36では、このメッシュベルト82を、ローラ72、76、78及びテンションローラ88に巻きかけると共に、ローラ76とテンションローラ88との間で、折り返すようにしてローラ80に巻き掛けている。
【0067】
これにより、乾燥部36では、長尺のメッシュベルト82をローラ72、76、78、88及びテンションベルト88に巻きかけた状態でコンパクトに収まるようにしている。なお、本実施の形態に適用したプロセッサ14の乾燥部36では、一例としてローラ72、76の間で感光材料22を搬送するようになっており、この乾燥パス長を406mmとしている。すなわち、長さが1100mm以上のメッシュベルト82を乾燥パス長が約400mmとなるように収めている。
【0068】
図5乃至図7に示すように、側板150には、長手方向が感光材料22の搬送方向に沿った長孔152が形成されている。図6及び図7に示すように、テンションローラ88は、図示しない回転軸が挿入された略円筒状の軸受154が、この長孔152内に挿入されている。
【0069】
これによりテンションローラ88は、側板150に軸支されている。また、テンションローラ88は、メッシュベルト82の長さに応じて、長孔152の長手方向である感光材料22の搬送方向に沿って平行移動可能となっている。
【0070】
また、側板150には、ローラ76の上方側に係止ピン156が取り付けられている。この係止ピン156には、引張コイルバネ158の一端が係止されており、この引張コイルバネ158の他端がテンションローラ88の軸受154に連結されている。
【0071】
これにより、テンションローラ88は、メッシュベルト82をローラ78、80の間で引き伸ばす方向へ付勢され、メッシュベルト82に引張コイルバネ158の付勢力に応じた張力を付与している。
【0072】
一方、図6に示すように、ローラ72、76、78、80及びテンションローラ88のそれぞれには、軸線方向の端部に拡径部72A、76A、78A、80A、88Aが形成されている。ローラ72、76、78、80及びテンションローラ88のそれぞれでの拡径部72A、76A、78A、80A、88Aの間隔は、メッシュベルト82の幅寸法に合わせている。これにより、メッシュベルト82は、感光材料22の搬送幅方向への移動が規制されている。すなわち、乾燥部36では、拡径部72A、76A、78A、80A、88Aによってメッシュベルト82が搬送幅方向にズレるのを防止している。
【0073】
図2、図5乃至図7に示すように、乾燥部36には、ローラ72に対向してローラ84が設けられ、ローラ76に対向してローラ86が設けられている。また、ローラ84、76の間には、ローラ72、76の間のメッシュベルト82に対向してチャンバー90が配置されている。
【0074】
挿通口70を通過した感光材料22は、ローラ72、84の間へ送り込まれるようになっており、これにより、感光材料22は、ローラ72、84によってメッシュベルト82の下面側に沿って送り出される。また、ローラ76、86をメッシュベルト82の下面に沿って移動する感光材料22が送り込まれることにより、この感光材料22を排出口74へ向けて送り出す。なお、図5及び図7に示すように、ローラ76、86と排出口74の間には、ガイド板160A、160Bが上下に対で配置されており、感光材料22は、このガイド板160A、160Bによって斜め下方へ案内されて排出口74から送り出される。
【0075】
図6に示すように、乾燥部36には、側板150の下方に側板162が対で配置されている。ローラ72、76に対向しているローラ84、86は、回転軸84A、86Bのそれぞれが図示しない軸受を介して側板162に軸支されている。また、ローラ84、86は、側板162から突出した回転軸84A、86Aの先端部にギア164が取り付けられている。
【0076】
また、ローラ72、76のそれぞれには、軸線方向に沿った端部にギア166が設けられており、このギア166がローラ84、86のギア164に噛合している。
【0077】
乾燥部36では、一例としてローラ76に、図示しない駆動手段の駆動力が伝達されるようにしており、これにより、ローラ76とローラ86が一定に回転駆動する。また、ローラ76が回転駆動することにより、メッシュベルト82が、感光材料22の搬送方向であるローラ72側からローラ76側へ移動すると共に、ローラ72、84が一体で回転駆動するようになっている。なお、メッシュベルト82の移動速度は、処理液処理部34での感光材料22の搬送速度と略同じか僅かに早い速度となっている。
【0078】
一方、チャンバー90は、略箱体形状に形成されており、感光材料22の搬送幅方向の一端側が開口され(開口部168とする)、他端側が閉塞されている。また、チャンバー90には、感光材料22の搬送路側であるメッシュベルト82側に複数の噴出し口92が形成されている。噴出し口92のそれぞれは、長手方向が感光材料22の搬送幅方向に沿ったスリット状に形成され、この噴出し口92が、感光材料22の搬送方向に沿って所定間隔で設けられている。
【0079】
乾燥部36には、ヒータと送風ファン等によって形成されている図示しない乾燥風発生手段が設けられている。チャンバー90には、この乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、開口部168側から供給されるようになっており、チャンバー90は、この乾燥風を噴出し口92からメッシュベルト82へ向けて噴出すようになっている。
【0080】
これにより、ローラ72、84によってメッシュベルト82の下面に沿って送り出される感光材料22は、噴出し口92から噴出される乾燥風によってメッシュベルト82の下面側に押し付けられ、メッシュベルト82の移動に伴って一体でローラ76、86の間へ移動する。
【0081】
これと共に、感光材料22は、噴出し口92から噴出される乾燥風によって加熱されて乾燥される。
【0082】
図6及び図7に示すように、チャンバー90には、感光材料22の搬送方向の最上流の噴出し口92から最下流の噴出し口92の間に、複数本のワイヤ184が掛け渡されている。このワイヤ184は、メッシュベルト82から感光材料22が垂れ下がったときに、この感光材料22が噴出し口92に引っ掛かるなどして搬送不良が生じてしまうのを防止するようにしている。
【0083】
また、図6に示すように、チャンバー90は、底板170が開口部168側から閉塞側へ向けて、開口断面が徐々に狭められるように傾斜されている。また、この底板170は、一例として波板状となっており、これにより、チャンバー90では、噴出し口92のそれぞれから感光材料22の幅方向に沿って略均一な風量で乾燥風を噴出するようになっている。
【0084】
さらに、図2及び図5乃至図7に示すように、ローラ72、76の間には、抑えローラ94が設けられており、この抑えローラ94とテンションローラ88によって、噴出し口92から噴出される乾燥風によってメッシュベルト82に撓みが生じるのを防止している。
【0085】
一方、図7に示すように、メッシュベルト82の上方には、遮熱板172が設けられている。この遮熱板172は、一対の側板150の間に掛け渡されており、乾燥部36では、メッシュベルト82の周囲及び感光材料22の搬送路を、一対の側板150及びチャンバー90と遮熱板172とによって囲って乾燥室174を形成している。
【0086】
これにより、乾燥室174内の空気(メッシュベルト82の周囲及び感光材料22の搬送路の空気)は、チャンバー90の噴出し口92から噴出される乾燥風によって、感光材料22を最適に乾燥処理しうるように設定している温度(例えば70°C)に維持される。また、乾燥室174の上方側は、遮熱板172によって遮熱されて、温度上昇が防止されている。
【0087】
また、図5乃至図7に示すように、一方の側板150には、通気孔176、178が形成されている。なお、本実施の形態では、一例としてチャンバー90の開口部168と反対側の側板150に通気孔176、178を形成している。
【0088】
また、図6に示すように、通気孔176、178が形成されている側板150と機枠32の間は、通気室180となっており、チャンバー90の噴出し口92から乾燥風が噴出されることにより、乾燥室174内の空気が、通気孔176、178から通気室180へ流出するようになっている。
【0089】
前記した図示しない乾燥風発生手段は、この通気室180内の空気を吸引して、乾燥風を生成するようになっている。また、機枠32には、吸気ファン182が設けられており、この吸気ファン182が作動することにより、機枠32外の空気が通気室180に吸引されて、乾燥室174内から通気室180に流れ出した空気と混合されながら、乾燥風発生手段によって吸引されるようになっている。
【0090】
これにより、乾燥部36に設けている図示しない乾燥風発生手段は、感光材料22を乾燥することにより高湿度となった空気を、機外の空気と混合することにより、低湿度の乾燥風を生成するようにしている。
【0091】
このように構成されているプロセッサ14が設けられているカラープルーフ作成装置10では、まず、セッター12で、カラープルーフを形成する感光材料22を、画像データに応じて露光する。このとき、セッター12では、画像データに応じた幅寸法の感光材料22をマガジン20から引出して、画像データに応じた長さに切断して、記録部24へ送り込む。すなわち、画像データに応じたサイズの感光材料22を記録部24へ送り込む。
【0092】
記録部24では、この感光材料22を回転ドラム26に巻きつけて吸着保持した後、回転ドラム26を高速回転しながら、画像データに応じて変調した光(レーザ光)ビームを、回転ドラム26の回転に同期させて照射することにより、回転ドラム26に吸着保持した感光材料22を走査露光する。これにより、感光材料22には、画像データに応じた画像が露光される。なお、感光材料22の露光は、従来公知の任意の構成を適用することができる。
【0093】
セッター12では、感光材料22の露光が終了すると、この感光材料22を回転ドラム26から取り外しながら、排出口30へ向けて搬送して、排出口30から送り出される。これと共に、セッター12では、感光材料22の搬出信号をプロセッサ14へ出力する。
【0094】
このセッター12には、プロセッサ14が連結されており、排出口30から送り出される感光材料22は、排出口30に対向しているプロセッサ14の挿入口40へ送り込まれる。プロセッサ14では、セッター12からの搬出信号に基づいて搬送ローラ対44、46等を回転駆動する。
【0095】
これにより、プロセッサ14の挿入口40から挿入された感光材料22が挿入口40に対向して配置されている搬送ローラ対44の間へ送り込まれると、搬送ローラ対44がこの感光材料22を挟持し、セッター12から引出しながらプロセッサ14内に引き入れる。
【0096】
搬送ローラ対44によってプロセッサ14内に引き入れられた感光材料22は、まず、処理液処理部34へ送り込まれて、現像液、漂白定着液及びリンス液のそれぞれに順に浸漬されながら搬送されて、現像処理、漂白定着処理及びリンス処理が行われる。
【0097】
処理液処理部34の最下流のリンス槽62には、処理ラック68Cが設けられており、感光材料22は、クロスオーバー部122のガイド部材124に案内されて、ガイド部材116、118の間の挿通口126からリンス槽62内のリンス液中に送り込まれる。これにより、リンス槽62では、搬送ローラ対110によって感光材料22を引き入れてターン部108及び搬送ローラ対112によって略U字状に案内搬送されてリンス処理が施される。
【0098】
搬送ローラ対112は、この感光材料22を挿通口128へ向けて送り出す。これにより、挿通口128の上方に配置しているスクイズローラ130が、この感光材料22をリンス液中から引出しながらスクイズ処理して送り出す。また、スクイズローラ130によって送り出される感光材料22は、ガイド部材132及びガイド板144に案内されて、挿通口70から乾燥部36の乾燥室174内に送り込まれる。
【0099】
ガイド部材132は、ガイド板136を所定間隔で配置して形成されており、また、ガイド部材132には、ガイド板136の間に星型形状の小ローラ138が設けられ、ガイド板144には、複数のリブ146が形成されている。
【0100】
これにより感光材料22は、ガイド部材132やガイド板144に貼り付いてしまうことなく円滑に案内される。すなわち、処理液処理された感光材料22は、ガイド部材132やガイド板144に貼り付いてしまうことによる搬送不良が生じることなく、乾燥部36へ送り込まれる。
【0101】
ところで、乾燥部36には、乾燥室174が設けられており、この乾燥室174内が、チャンバー90の噴出し口92から噴出される乾燥風によって、感光材料22を最適に乾燥処理できるように設定されている温度(例えば約70°C)に維持されている。
【0102】
この乾燥室174内には、メッシュベルト82が設けられており、挿通口70から乾燥部36の乾燥室174内に送り込まれた感光材料22は、ローラ72、84に挟持されて、メッシュベルト82の下面に沿って送り出される。また、乾燥部36では、チャンバー90の噴出し口92からメッシュベルト82へ向けて乾燥風を噴出してことにより、感光材料22は、この乾燥風によって裏面側(乾燥層と反対側の面)がメッシュベルト82に押し付けられた状態で、メッシュベルト82と一体でローラ76、86へ向けて移動される。このとき、感光材料22は、噴出し口92から噴出される乾燥風によって加熱されて乾燥されると共に、加熱されることにより蒸発した水分が、乾燥風によって除去されて乾燥が促進される。
【0103】
このようにして乾燥処理された感光材料22は、ローラ76.86に挟持されることにより、ガイド板160A、160Bに案内されて排出口74から排出される。
【0104】
この乾燥室174は、上部が遮熱板172によって閉塞されており、これにより、遮熱板172の上方側のカバーに温度上昇を生じさせることがない。また、プロセッサ14では、遮熱板172を取り外すことにより、メッシュベルト82の上方側を開放することができるので、メッシュベルト82が設けられているユニットのメンテナンスが極めて容易となっている。
【0105】
一方、乾燥室174内のメッシュベルト82は、感光材料22に接触することにより、感光材料22によって、持ち込まれる水分が付着する。メッシュベルト82に付着した水分は、乾燥風が吹きつけられることにより除去されるが、感光材料22の裏面側が接触している部分では、感光材料22が離れるまで、水分が除去されずに残る。また、メッシュベルト82は、感光材料22が離れると、感光材料22の搬送路の上方側を移動して、挿通口70側に至るが、このときに、感光材料22が搬送途中であると、乾燥風が吹きつけられないために、水分が付着した状態となってしまうことがある。
【0106】
すなわち、メッシュベルト82短いと、感光材料22は、先端に接触したメッシュベルト82の同一部分が、後端側で再度接触して、メッシュベルト82に付着して残っている水分によって乾燥が遅れてしまい、乾燥ムラが生じてしまう。
【0107】
これを防止するために、乾燥部36では、最大サイズの感光材料22の搬送方向に沿った長さよりも長いメッシュベルト82を用いることにより、メッシュベルトの同一部分が、同じ感光材料22に接触してしまうのを防止している。
【0108】
このとき、メッシュベルト82を、上流側のローラ72と下流側のローラ76の間に巻きかけただけでは、メッシュベルト82の長さに応じて乾燥部36が大きくなってしまう。
【0109】
このために、乾燥部36では、ローラ72、76の上方側に、ローラ78とテンションローラ88を配置してローラ72、76、78及びテンションローラ88の間にメッシュベルト82を巻きかけると共に、ローラ76とテンションローラ88の間で、メッシュベルト82を折り返してローラ80に巻きかけるようにしている。
【0110】
これにより、メッシュベルト82の長さにかかわらず乾燥部36がコンパクトになるようにしている。また、感光材料22は、搬送方向の先端側から後端側まで均一に乾燥処理されて仕上げられる。
【0111】
このように、プロセッサ14では、処理液処理部34で」現像液、漂白定着液及びリンス液によって処理した感光材料22を均一に乾燥処理して仕上げることができる。
【0112】
また、プロセッサ14では、感光層側が下方へ向けられた感光材料22を乾燥処理するときに、感光材料22の搬送路の上方側に設けているメッシュベルトへ、搬送路の下方側に設けているチャンバー90から乾燥風を吹き付けるようにしているので、未乾燥状態の感光材料22の感光層にメッシュベルト82等が接触して傷等を生じさせってしまうことなく、高品質に仕上げることができる。
【0113】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、感光層を下方へ向けた状態で感光材料22を搬送するプロセッサ14を例に説明したが、自動現像装置としては、感光層を上方側へ向けて搬送するものであっても良く、このときには、搬送路の下方側にメッシュベルト82を配置して、搬送路の上方側にチャンバー90を設けるようにすればよい。
【0114】
また、メッシュベルト82を巻きかける構成は、本実施の形態に限るものではなく、任意の構成を用いることができる。このとき、本実施の形態では、第4のローラをテンションローラ88としてが、メッシュベルトに張力を付与するのは、これに限らず、第3のローラであるローラ78を用いても良く、第5のローラであるローラ80を用いても良い。
【0115】
さらに、本実施の形態では、ローラ76とテンションローラ88の間で、メッシュベルト82を折り返すようにしたが、これに限らず、ローラ72、78の間でメッシュベルト82を折り返すようにしても良く、このときには、ローラ78、80の何れかをテンションローラとすれば良い。
【0116】
さらに、本実施の形態に適用したプロセッサ14は、本発明の自動現像装置の構成を限定するものでない。例えば、本実施の形態では、プロセッサ14の上流側にセッター12を連結し、セッター12から送り出される検版作成用の感光材料22をプロセッサ14によって処理するたカラープルーフ作成装置10を例に説明したが、本発明の自動現像装置は、これに限らず、従来公知の種々の写真感光材料(紙、フィルム、金属プレート等を支持体とする銀塩、PS版、乾式など)を処理する自動現像装置に適用することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、乾燥部を大型化させてしまうことなく、無端ベルトの同一部分が同じ感光材料の先端部と後端部に接触して乾燥不良が発生してしまうのを確実に防止して、感光材料の効率的な乾燥処理を行うことができるという優れた効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したカラープルーフ作成装置の概略構成図である。
【図2】本発明を適用したプロセッサの概略構成図である。
【図3】乾燥部の上流側に隣接するリンス槽及びリンス槽に設けた処理ラックの要部を示す概略構成図である。
【図4】図4に示す処理ラックの乾燥部側の要部を示す概略斜視図である。
【図5】乾燥部の要部を示す概略斜視図である。
【図6】乾燥室内の要部の概略構成を示す分解斜視図である。
【図7】感光材料の搬送幅方向の一端側から見た乾燥部の要部の概略構成図である。
【符号の説明】
10 カラープルーフ作成装置
12 セッター
14 プロセッサ(自動現像装置)
22 感光材料
32 機枠
34 処理液処理部
36 乾燥部
72 ローラ(第1のローラ)
74 排出口
76 ローラ(第2のローラ)
78 ローラ(第3のローラ)
80 ローラ(第5のローラ)
82 メッシュベルト(無端ベルト)
88 テンションローラ(第4のローラ)
90 チャンバー(乾燥手段)
92 噴出し口
150 側板
158 引張コイルバネ(付勢手段)
172 遮熱板
174 乾燥室
176、178 通気孔(排気口)
180 通気室

Claims (5)

  1. 画像露光されたシート状の感光材料を搬送しながら処理液処理した後に、乾燥部で前記感光材料を乾燥処理する自動現像装置であって、
    周長が、処理する前記感光材料の中で搬送方向に沿った長さが最長である感光材料よりも長く感光材料の搬送速度に応じた速度で回転駆動される無端ベルトと、
    前記乾燥部内の前記感光材料の搬送路の上流部に配置されて前記無端ベルトが巻きかけられる第1のローラと、
    前記乾燥部内の前記感光材料の搬送路の下流部に配置されて前記無端ベルトが巻きかけられる第2のローラと、
    前記第1及び第2のローラより前記感光材料の搬送路から離れて配置されて前記無端ベルトが巻き掛けられる第1のローラ側の第3のローラ及び第2のローラ側の第4のローラと、
    前記第1から第4のローラに囲われる内部に配置されて前記第1のローラと前記第3のローラ又は前記第2のローラと前記第4のローラに巻き掛けられた前記無端ベルトが折り返されて巻き掛けられる第5のローラと、
    前記感光材料の搬送路を挟んで前記無端ベルトに対向して配置されて、無端ベルトへ向けて前記感光材料に乾燥処理を施す乾燥風を吹き付ける乾燥手段と、
    を含むことを特徴とする自動現像装置。
  2. 前記第5のローラ又は第5のローラに隣接する第3又は第4のローラの何れか少なくとも一つが、前記無端ベルトを引張方向へ付勢する付勢手段を備えたテンションローラであることを特徴とする請求項1に記載の自動現像装置。
  3. 前記第1のローラないし前記第5のローラの軸線方向の両端部に前記無端ベルトの幅方向に沿った長さの間隔で拡径部を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動現像装置。
  4. 前記無端ベルトが前記感光材料の搬送路の上方側に配置されると共に、前記乾燥手段が前記感光材料の搬送路の下方側に配置されて、前記感光材料が感光層側の面を下方へ向けた状態で搬送されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動現像装置。
  5. 前記第1から第5のローラに巻き掛けられた前記無端ベルトを、前記感光材料の搬送路側が開放された略箱体状に囲った乾燥室内に設けているときに、前記感光材料の幅方向の少なくとも一方の側壁に排気口を形成していることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の自動現像装置。
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