JP4152285B2 - 製鉄用焼結原料の造粒処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄用焼結原料(以下、焼結原料ともいう)の造粒処理方法に関する。より詳しくは、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造過程において粉鉄鉱石等を事前処理するための焼結原料の造粒処理方法に関する。
製銑工程は、一般に鉄鉱石からなる焼結鉱、塊鉱石、ペレットをコークスと共に高炉へ装入することにより行われている。この焼結鉱は、鉄鉱石、副原料、燃料等を含む焼結原料を事前処理して、焼結機に特定の高さに充填し焼結ベッドを形成した後、表層に点火して焼成することにより製造される。焼結機としては、通常では下方吸引式が採用されており、焼結原料の下方から吸引することによって焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上方から下方へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼結原料を焼結するようになっている。このため、焼結原料が微粉を多く含んでいると、目詰まりを起こす等して通気性が低下し、燃料であるコークスの燃焼速度が遅くなるので、焼結鉱の生産効率が低下することとなる。
そこで焼結機における通気性を改善し、生産性を向上させるために、焼結原料を造粒して擬似粒子化する等の事前処理が行われている。例えば、焼結原料となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、少量の水を添加して造粒機で攪拌する等の造粒操作が行われている。擬似粒子とは、一般的に、0.5mm以下の微粒子が1〜3mmの核粒子に付着している粒子である。このような造粒に際して求められる作用は、微粉粒子が核粒子の周りに付着する擬似粒化性を向上すること、擬似粒子が焼結工程において崩壊しにくくなるようにすること等である。
また最近では、優良塊鉱の枯渇化と共に、粉鉱石の劣質化も激しく、焼結原料の造粒性が以前よりも悪化している傾向にあることから、焼結原料の擬似粒子化を向上する効果の高い技術が切望されている。
このような焼結原料の事前処理において、水だけを用いる造粒操作では、擬似粒化性を向上させる効果が乏しいため、焼結原料に含まれる微粉の量をあまり低減することができない。このために、擬似粒化性を向上させる対策として、焼結原料中に粘結剤としての作用を有する造粒添加剤を添加する方法が提案されている。造粒添加剤としては、生石灰が広く用いられている。生石灰は、造粒機内での擬似粒子化の促進を図ることができるうえに、焼結工程において、乾燥、加熱する過程で擬似粒子が崩壊することを防止し、焼結層中の均一な風の流れを保つことができるとされている。
しかしながら、生石灰等のバインダーは、一般に比較的高価なものであり、また、生石灰は吸湿しやすく、このとき発熱するため、取り扱いやすいものが求められている。更に、現在使用されている生石灰は、使用量を比較的多くしないと充分な効果が得られないため、この点でもコストが上昇することとなる。生石灰を用いる場合には、その使用量を極力減少させて操業しているのが現状である。そして、生石灰を2質量%以上添加しても、その擬似粒化性の向上効果は頭打ちとなる傾向にある。
従来の焼結原料の処理技術としては、粗粒粉鉄鉱石と微粒粉鉄鉱石とを加水ミキシングして高炉用焼結原料を製造する方法に関し、粉鉄鉱石の一部を原料種別に応じて設定された分級点を基準として分級すると共に、この分級された微粒粉鉄鉱石に予め微粒副原料を添加混合し、擬似粒塊とする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、粒径が3mm以下の石灰石を添加して造粒を行っている。しかしながら、このような石灰石の添加では、崩れ防止効果に有効な微粉部分を充分に添加することが困難であるため、このような方法において充分に有効な生産性を示すためには、生石灰等のバインダーを比較的多量(通常1〜2%)に使用する必要があった。また、更に生産性の向上効果も充分ではなかった。この点において焼結鉱の生産性を向上するための工夫の余地があった。
粉粒体燃料を除く焼結原料を高速回転羽根を内蔵した混合機を用いて、混合・造粒した後に、その混合物に粉粒体燃料を添加して、転動機能を有する造粒機で造粒することを特徴とする焼結原料の造粒処理方法が記載されている(例えば、特許文献2参照。)。このような方法において有効な生産性を示すためには、生石灰等のバインダーを比較的多量(通常1〜2%)に使用する必要があった。また、更に生産性の向上効果も充分ではなかった。この点において焼結鉱の生産性を向上するための工夫の余地があった。
一方、その他の従来の焼結原料の造粒処理方法としては、ポリアクリル酸等の高分子化合物を粉鉄鉱石を含む鉄鉱石の造粒用バインダーとして使用する処理方法が知られている(例えば、特許文献3、4、5及び6参照。)。しかしながら、これらの方法には改良の余地がある。これらの方法では、その作用効果は充分なものではないうえ、充分に作用有効な効果を得るためには、比較的多くの添加量を必要とする。この結果は、特許文献6で開示されているポリアクリル酸等と炭酸カルシウム等の微粉との併用系においても同様に当てはまることとなる。
また炭酸カルシウム等の微粉を単独で使用する処理方法も開示されている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、一般に、これらの微粉は、焼結原料を造粒処理して得られる擬似粒子が焼結中に崩壊することを防ぐ崩れ防止剤として使用されているが、該微粉は、比較的凝集力が強く、造粒時に製鉄用原料に均一に分散することは困難で、擬似粒子の崩れ防止効果を充分に発揮することはできない。また、これらの微粉自体に、焼結原料の造粒性を向上する作用効果、すなわち擬似粒化性を向上させる作用効果が無く、焼結原料全体へ充分に均一混合することが困難であるため、充分に有効な生産性向上は見込めず、この点において工夫の余地があった。また、大量の水を使用し造粒を行うことにより、擬似粒化度を向上することができることが知られているが、大量の水の使用は、焼結ベッド内の水分凝縮帯での通気抵抗を大きくする等から焼結機の操業に悪影響を与えるため、通常は造粒後の焼結原料水分を6〜8%にしている。
特公昭63−20288号公報(第1、4頁) 特許第3058015号明細書(第1頁) 特開昭59−50129号公報(第1−3頁) 特開昭61−61630号公報(第1頁) 特表平10−502417号公報(第1−3頁) 国際公開第02/066688号パンフレット(第155−159頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において粉鉄鉱石等の製鉄用焼結原料の造粒に有効であり、全製鉄用焼結原料を一度に造粒する際に必要なバインダーの添加量よりもバインダーの添加量を少なく抑えることが可能であり、選択造粒工程において微粉のみを用いる場合においても造粒性が向上し、しかも選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んでなる造粒処理工程で、生石灰等のバインダーを使用しない、又はバインダー添加量を抑えても、充分な焼結鉱の生産性が実現できる製鉄用焼結原料の造粒処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、製鉄用焼結原料を造粒する造粒処理方法について種々検討するうち、製鉄用焼結原料の一部を予め造粒処理する選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んだ造粒処理を行うことにより、製鉄用焼結原料の造粒性を向上できることに着目し、このような選択造粒工程において、特定の基を有する高分子化合物を造粒処理剤として用いて造粒処理すると、高分子化合物が発揮する造粒性が効果的に発揮され、また、平均粒径が200μm以下の微粒子を造粒処理剤として用いて造粒処理すると、微粒子が発揮する焼結中の擬似粒子の崩壊を抑制する作用効果が充分に発揮され、更に高分子化合物と微粒子とを併用することにより、これらの作用効果を相乗的に発揮することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。すなわち予め製鉄用焼結原料の一部を選択的に造粒処理する際に、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び/又は、平均粒径が200μm以下の微粒子を用いることにより、(1)全製鉄用焼結原料を一度に造粒する際に必要な高分子化合物の添加量よりも少ない添加量で造粒性を向上させることが可能であり、更に著しい造粒性向上の効果が見られる、(2)選択造粒工程においては、製鉄用焼結原料全体を造粒処理した後の水分よりも高めの水分量で造粒が可能になるので(残りの焼結原料の水分添加量を低くすることにより、造粒後の焼結原料の水分を通常範囲に調節可能である。)、微粒子のみを用いる場合においても造粒性の向上が見られる、(3)選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んでなる造粒処理工程において、生石灰等のバインダーを使用しない、又はバインダー添加量を抑えても、充分な焼結鉱の生産性が実現できる等の作用効果が発揮されることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、粉鉄鉱石を含有する製鉄用焼結原料を造粒処理するに際し、予め製鉄用焼結原料の一部を造粒処理する選択造粒工程の後に、上記工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んでなる製鉄用焼結原料の造粒処理方法であって、上記選択造粒工程は、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び/又は、平均粒径が200μm以下の微粒子を用いて造粒処理してなる製鉄用焼結原料の造粒処理方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明においては、粉鉄鉱石を含有する製鉄用焼結原料を造粒処理するに際し、予め焼結原料の一部を造粒処理する選択造粒工程を行うこととなる。選択造粒工程における「選択」とは、例えば、製鉄用焼結原料の造粒処理方法において効率的に造粒処理されるように、製鉄用焼結原料の中からその一部を適宜選ぶことを意味し、複数の原料が製鉄用焼結原料として用いられる場合においては、複数の原料の中から予め造粒処理するものを選んで選択造粒工程を行うこととなる。
上記選択造粒工程において造粒処理される製鉄用焼結原料としては、(1)擬似粒子化しにくいもの、(2)擬似粒子の崩壊の原因となり得るもの、(3)焼結する際に燃焼速度の低下の原因となり得るもの等が含有されたものを選択することが好適である。このような製鉄用焼結原料としては、例えば、粒径が1mm以下の微粉を多く含有するもの、多孔質のもの、結晶水、アルミ分の多いものを有するもの等を含有する原料が挙げられる。なお、粒径を基準として製鉄用焼結原料を選択的に取り出す場合においては、ふるい等を用いて分級する方法が好適である。
またこのような選択造粒工程において造粒処理する製鉄用焼結原料は、全製鉄用焼結原料の5〜60質量%を含むものであることが好ましい。より好ましくは、12質量%以上、45質量%以下である。最も好ましくは、15質量%以上、30質量%以下である。5質量%未満であると、製鉄用焼結原料の全量に対する上記選択造粒工程で処理する製鉄用焼結原料の割合が少なくなり、製鉄用焼結原料を一度に造粒処理した場合と比較して、生産性の向上効果が見えにくくなる傾向にある。一方、60質量%を超えた場合、製鉄用焼結原料の全量に対する上記選択造粒工程で処理した製鉄用焼結原料の割合が多くなり、該選択造粒工程における造粒性の低下等により、やはり製鉄用焼結原料を一度に造粒処理した場合と比較して、生産性の向上効果が見えにくくなる傾向にある。
なお、本明細書中において、製鉄用焼結原料の造粒処理方法において用いられる原料(鉄鉱石、製鉄用副原料、燃料、微粒子、造粒処理剤等)の使用量は、これらの原料を完全乾燥した状態としたときの値(絶乾換算)である。また、本発明においては、質量計算上、微粒子、造粒処理剤も製鉄用焼結原料に含めるものとする。
上記選択造粒工程においては、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び/又は、平均粒径が200μm以下の微粒子を用いて造粒処理することとなる。このような高分子化合物や微粒子を用いる形態としては特に限定されず、選択造粒工程における製鉄用焼結原料に一回で添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。また、選択造粒工程において、後述するような造粒処理剤を併用してもよい。
上記高分子化合物を使用する場合、選択造粒工程における使用量としては、焼結原料の造粒性や、該高分子化合物の種類、使用する装置の種類等に応じて適宜設定すればよいが、全製鉄用焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料等、微粒子、造粒処理剤も含む)100質量%に対する質量割合で、高分子化合物が0.001質量%以上となるようにすることが好ましく、また、1質量%以下となるようにすることが好ましい。0.001質量%未満であると、本発明の作用効果を充分に発揮することができなくなるおそれがあり、1質量%を超えると、選択造粒工程における製鉄用焼結原料に対する高分子化合物の添加量が多くなりすぎ、製鉄用焼結原料の大きな固まりができ、焼結されにくくなる等の問題が生じるおそれがある。より好ましくは、高分子化合物が0.003質量%以上となるようにすることであり、また、0.5質量%以下となるようにすることである。
上記高分子化合物の添加のタイミングとしては、選択造粒工程の前、選択造粒工程の途中のいずれであってもよく、この組み合わせであってもよい。
また、上記高分子化合物は、選択造粒工程の後で更に添加してもよいが、この場合においては、上記高分子化合物の使用量、すなわち、選択造粒工程における使用量と選択造粒工程の後で添加する量の合計としては、0.006質量%以上となるようにすることが好ましく、また、1質量%以下となるようにすることが好ましい。
なお、上記全製鉄用焼結原料100質量%とは、原料を完全乾燥したときの値である。
本発明においては、上記微粒子として、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石や平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグの使用も可能であるが、これらの分散性が充分でないことから、生産性の向上効果が少なく、あまり好ましくない。上記微粒子として、これらを使用する場合は、好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物を併用して選択造粒工程を行うことが好ましい。
このように、粉鉄鉱石を含有する製鉄用焼結原料を造粒処理するに際し、予め製鉄用焼結原料の一部を造粒処理する選択造粒工程の後に、上記工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んでなる製鉄用焼結原料の造粒処理方法であって、上記選択造粒工程は、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、並びに、平均粒径が200μm以下の微粒子、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト及び平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグからなる群より選択される少なくとも一種の微粒子を用いて造粒処理してなる製鉄用焼結原料の造粒処理方法もまた、本発明の一つである。
上記選択造粒における平均粒径200μm以下の微粒子の使用量としては、該微粒子が、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを除くものの総和が全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05質量%以上が好ましく、10質量%以下が好ましい。0.05質量%未満の場合、擬似粒化性の向上や擬似粒子の崩壊抑制の効果が充分に向上されない場合がある。また、10質量%よりも多い場合、選択造粒工程において、原料の凝集力が高くなりすぎ、大きな塊が生成し、焼結が困難になることがある。
上記微粒子の他に、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを添加してもよい。
該微粒子の添加のタイミングとしては、選択造粒工程の前、選択造粒工程の途中のいずれであってもよく、この組み合わせであってもよい。
また、該微粒子は、選択造粒工程の後で更に添加してもよいが、この場合においては、上記微粒子の使用量、すなわち、選択造粒工程における使用量と選択造粒工程の後で添加する量の合計としては、0.15質量%以上となるようにすることが好ましく、また、10質量%以下となるようにすることが好ましい。
なお、上記全製鉄用焼結原料と該微粒子の質量比は、全製鉄用焼結原料と微粒子を完全乾燥したときの値である。
また、上記選択造粒における平均粒径が200μm以下の微粒子の使用量として、平均粒径が200μm以下の微粒子が、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを含む場合、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05質量%以上が好ましく、60質量%以下が好ましい。0.05質量%未満の場合、擬似粒化性の向上や擬似粒子の崩壊抑制の効果が充分に向上されない場合がある。また、60質量%よりも多い場合、高分子化合物の添加量が多く必要となるため、コストが大幅に上昇してしまい経済的に好ましくない。
この場合において、鉄鉱石、製鉄所内で発生するダスト、製鉄所内で発生するスラグを除く平均粒径が200μm以下の微粒子の総和は0質量%でも可能であるが、上記平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグの合計が、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05質量%以上、60質量%以下となることが好ましい。
また、この場合においても、該微粒子は、選択造粒工程の後で更に添加してもよいが、この場合においては、上記微粒子の使用量、すなわち、選択造粒工程における使用量と選択造粒工程の後で添加する量の合計としては、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.15質量%以上となるようにすることが好ましく、また、80質量%以下となるようにすることが好ましい。
本発明の選択造粒工程における好ましい形態としては、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを除く平均粒径が200μm以下の微粒子を、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05〜10質量%添加する形態であり、より好ましくは、0.1質量%以上であり、更に好ましくは、0.2質量%以上である。また、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを含む平均粒径が200μm以下の微粒子を、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05〜60質量%添加する形態であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは、0.2質量%以上である。
また本発明の選択造粒工程においては、上記高分子化合物の添加量が、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0〜1質量%であり、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを除く上記微粒子の添加量が0.05〜10質量%であることが好ましい形態である。また、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを含む上記微粒子の添加量が、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0〜60質量%であり、上記高分子化合物の添加量が0.001〜1質量%であることも好ましい形態である。
上記高分子化合物や微粒子の選択造粒工程における添加量とは、選択造粒工程前及び選択造粒工程中に添加した量の総和である。
本発明の製鉄用焼結原料の造粒処理方法においては、選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物(選択造粒物)を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含むこととなる。従って、該混合工程を経た後で造粒処理が終了してもよいし、残りの焼結原料と共に混合する工程において、擬似粒子化が進行してもよい。選択造粒物を残りの焼結原料と共に混合する工程において、製鉄用焼結原料の残りの全部を混合してもよく、製鉄用焼結原料の残りの一部を混合することを複数回行ってもよい。
上記選択造粒物と残りの焼結原料を混合する工程において造粒を行う場合、造粒処理剤を用いて造粒処理してもよく、造粒処理剤を用いないで造粒処理してもよいが、造粒処理剤を用いることが好ましい。造粒処理剤とは、製鉄用焼結原料を造粒する際に、造粒性を向上させるために用いる化合物等を意味する。なお、選択造粒物と残りの焼結原料を混合する工程において用いられる造粒処理剤には、本発明におけるカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び、平均粒径が200μm以下の微粒子が含まれていてもよい。このような造粒処理剤を用いる形態としては特に限定されず、選択造粒物と残りの焼結原料を混合する工程における製鉄用焼結原料に一回で添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。
上記造粒処理剤としては、生石灰、ベントナイト、リグニン亜硫酸塩(パルプ廃液)、澱粉、砂糖、糖蜜、水ガラス、セメント、ゼラチン、コーンスターチ、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物等を1種又は2種以上用いることができ、これらの中でも、生石灰を用いることが好ましい。
上記選択造粒物と残りの焼結原料を混合する工程における使用量(上記選択造粒工程での使用量を除く使用量)としては、該造粒処理剤が生石灰、ベントナイト、セメント等の無機化合物の場合は選択造粒物と残りの焼結原料を混合する工程における製鉄用焼結原料100重量部に対して、0.1重量部以上とすることが好ましく、また、5.0重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは0.3重量部以上であり、また、2.5重量部以下である。該造粒処理剤がカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物等の有機化合物の場合は選択造粒物と残りの焼結原料を混合する工程における製鉄用焼結原料100重量部に対して、0.005重量部以上とすることが好ましく、また、1.0重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.01重量部以上であり、また、0.5重量部以下である。
本発明における平均粒径が200μm以下の微粒子としては、このような平均粒径を有する微細な粒子であればよいが、炭酸カルシウム、カオリンクレー、シリカ、珪砂、タルク、ベントナイト、ドロマイト粉末、ドロマイトプラスタ、炭酸マグネシウム、シリカフューム、無水石膏、セリサイト、モンモリロナイト、シラス、シラスバルーン、珪藻土、焼成珪藻土、シリコンカーバイド、黄色酸化鉄、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、黒鉛、ワラストナイト、クレカスフェアー、カーボンブラック、べんがら、粉砕蛇紋岩、活性白土、ポルトランドセメント、粉砕珪石、酸化マグネシウム、焼成ヒル石、製鉄所以外のプロセスで発生するダスト、具体的には、フライアッシュや重油灰等の火力発電所で発生するダスト、製銅プロセスで発生するカラミ鉄精鉱や銅スラグ、アルミナ製造工程で排出される赤泥、その他、排煙脱硫石膏やアスベスト粉塵等が好適であり、1種又は2種以上を用いることができる。好ましくは、炭酸カルシウム、フライアッシュ、カオリンクレー、シリカ、タルク、ベントナイト、シリカフューム及び無水石膏からなる群より選択される少なくとも一種のものである。より好ましくは、炭酸カルシウム、フライアッシュ、シリカフュームである。
上記平均粒径が200μm以下の微粒子の平均粒径としては、0.01μm以上であることが好ましく、また、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.02μm以上であり、また、50μm以下である。最も好ましくは0.1μm以上であり、また、20μm以下である。平均粒径が200μmを超えた場合、焼結べッド等における擬似粒子の崩壊抑制効果のある微粒子の割合に対して、微粒子を付着する粒径の大きな粒子の割合が多くなるため、添加効果は得られにくくなる。一方、0.01μm未満になると、微粒子の凝集力が強くなり、製鉄用焼結原料に分散しにくくなるから、添加効果は得られにくくなる。
なお、本発明においては、平均粒径が200μm以下の微粒子として生石灰を用いてもよい。また、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物を必須として使用する場合、好ましい微粒子として、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、製鉄所内で発生するダストやスラグも使用可能である。この場合も平均粒径としては、0.01μm以上、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.02μm以上、50μm以下である。最も好ましくは0.1μm以上、20μm以下である。
本発明の造粒処理方法においては、(1)全焼結原料を一度に造粒する際に必要な高分子化合物の添加量よりも少ない添加量で造粒性を向上させることが可能であり、更に、著しい造粒性向上の効果が見られる、(2)選択造粒においては、焼結原料全体を造粒処理した後の水分よりも高めの水分量で造粒が可能になるので(残りの焼結原料の水分量を低くすることにより、焼結時の水分量を通常範囲に調節可能である。)、微粒子のみを用いる場合においても造粒性の向上が見られる、(3)選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程において、生石灰等のバインダーを使用しない又はバインダー添加量を抑えても充分な焼結鉱の生産性が実現できる等の作用効果を発揮することとなる。
本発明においては、難造粒性の原料を選択造粒工程における焼結原料100質量%中に10質量%以上含む製鉄用焼結原料を用いても上記作用効果を充分に発揮することが可能であり、このような形態は好ましい実施形態の一つである。より好ましくは、50質量%以上含むものであり、更に好ましくは、80質量%以上含むものである。難造粒性の原料は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記難造粒性の原料とは、マラマンバ鉱石、ペレットフィード、ダスト、石灰石、1mm以下の微粉を多く含んでいる原料等である。
本発明においては、選択造粒工程が、マラマンバ鉱石、ペレットフィード及び1mm以下の微粉を40%以上含む原料からなる群より選択される難造粒性の原料を選択造粒工程における焼結原料100質量%中に10質量%以上含む形態も、好ましい実施形態の一つである。
上記マラマンバ鉱石とは、豪州のマラマンバ鉄鉱床から産出する鉄鉱石の総称であり、ゲーサイト(Fe・HO)とマータイト(マグネタイト構造を有するFe)を主要鉄鉱物とし、産地銘柄名(通称名)でウェストアンジェラス鉱がその代表的な鉄鉱石である。粒度0.25mm以下の微粉鉄鉱石が多いため擬似粒化性が悪いことを特徴とする。
上記ペレットフィードとは、−0.5mmの鉄鉱石の微粒子である。
上記ダストとは、製鉄所において製鉄のプロセスにおける各工程で、発生する微粉発生物の総称であり、例えば、焼結プロセスで発生する焼結ダスト、高炉プロセスで発生する高炉ダスト、転炉プロセスで発生する転炉ダストや転炉グラファイト、冷延工場で発生する酸洗ダスト、その他、コークス消化沈殿粉、圧延戻り水ダスト、ラグーンダスト等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。また、製鉄以外のプロセスで発生するダストも使用可能である。具体的には、火力発電所で発生するダスト、例えば、フライアッシュや重油灰、製銅プロセスで発生するカラミ鉄精鉱や銅スラグ等のスラッジ、アルミナ製造工程で排出される赤泥、その他、排煙脱硫石膏やアスベスト粉塵、廃トナー等であってもよい。
上記(2)に関し、水分量としては、選択造粒工程における製鉄用焼結原料100質量%中に含有する水分の量が、8.0質量%以上で、また、13.0質量%以下で上記作用効果を充分に発揮することが可能であり、このような形態も好ましい実施形態の一つである。より好ましくは、8.5質量%以上であり、また、12.0質量%以下である。更に好ましくは、9.0質量%以上であり、また、11.0質量%以下である。また、選択造粒後の造粒物の水分量としても、8.0質量%以上13質量%以下であることが好ましく、このような形態も本発明の好ましい実施形態の一つである。選択造粒後の造粒物の水分量が13質量%を超えた場合、造粒物が、造粒機壁面やホッパー等に付着することがある。より好ましい水分量としては、上述の選択造粒工程における製鉄用焼結原料100質量%中に含有する水分の量と同じである。
なお、選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程においては、混合する工程における製鉄用焼結原料100質量%中に含有する水分の量が、6.0質量%以上であることが好ましく、また、8.0質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、6.5質量%以上であり、また、7.5質量%以下である。
上記(3)に関し、例えば、本発明における選択造粒工程と該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程のいずれかの工程で造粒処理剤として生石灰を用いる場合、(I)選択造粒工程においては生石灰を用いず、選択造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程において生石灰を用いる形態、(II)選択造粒工程において生石灰を用い、選択造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程においては生石灰を用いない形態、(III)選択造粒工程において生石灰を用い、選択造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程においても生石灰を用いる形態等が挙げられ、(II)及び(III)の形態においては、平均粒径が200μm以下の微粒子として生石灰を用いる場合とそうでない場合とが挙げられる。本発明においては、これらいずれの形態においても従来の技術に比べて生石灰の全製鉄用焼結原料に対する添加量を減らすことができる。また、本発明においては、選択造粒工程及び選択造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程のいずれにおいても生石灰を用いないで実施することが可能である。本発明においては、製鉄用焼結原料の造粒処理方法において使用する生石灰の量を製鉄用焼結原料100重量部に対して、1.5重量部以下とすることが可能であり、このような形態は好ましい実施形態の一つである。より好ましくは、1.0重量部以下であり、更に好ましくは、0.6重量部以下である。
本発明における選択造粒工程及び選択造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程においては、パンペレタイザー、マルメライザー、ドラムミキサー、アイリッヒミキサー、レーディゲミキサー等を用いて造粒することが好適であり、上述したように選択造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程においては、選択造粒工程において用いる機械と同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよいが、各工程において上記装置を1種又は2種以上組み合せることが好ましい。
本発明の製鉄用焼結原料の造粒処理方法により得られる造粒物は、焼結機により焼結処理されて焼結鉱とすることができるものである。このような焼結鉱は、本発明の製鉄用焼結原料の造粒処理方法において得られる造粒物、すなわち少量のカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び/又は、平均粒径が200μm以下の微粒子を添加することにより、難造粒性、高アルミ鉱石等の安価な鉱石を使用し、かつ、生石灰を使用しない、又は、添加量を抑えても、充分な焼結鉱の生産性が実現できる造粒物から製造されてなる有用なものである。
本発明における焼結鉱製造の生産性としては、焼結鉱の成品歩留、生産率により計測することが可能であり、例えば、成品歩留は、焼結鍋試験において、焼結後の焼結鉱(シンターケーキ)50kgを2mの高さから鉄板上に5回落下させたときの、粒径5mm以上の粒度を有する粒子の割合を測定することにより評価することができる。また、生産率は、以下の式により算出することができる。
生産率(t/day/m)=成品歩留評価後の粒径5mm以上の粒度を有する粒子の総質量(t)/焼結時間(day)/焼結機(鍋)の表面積(m
以下では、本発明におけるカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物について説明する。なお、高分子化合物において、カルボキシル基やスルホン酸基の塩とは、カルボキシル基やスルホン酸基における水素原子が金属原子等で置き換わった構造を有する基であり、塩の形態となった基を意味する。
上記高分子化合物としては、(1)カルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物、(2)スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物、(3)カルボキシル基及び/又はその塩、並びに、スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物のいずれか1種又は2種以上が挙げられる。このような高分子化合物としては、カルボキシル基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体及びこれらの塩を有する単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体を必須とする単量体組成物を重合することにより得ることができるものが好ましい。このような単量体としては1種又は2種以上用いることができるが、より好ましくは、全単量体組成100モル%に対して、(1)カルボキシル基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体、並びに、(2)スルホン酸基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体の少なくとも一方を10モル%以上含有する単量体組成物を重合してなるものである。単量体組成物における(1)及び/又は(2)の単量体の含有量が10mol%未満であると、選択造粒工程において造粒効果を充分には得られないおそれがある。更に好ましくは、30mol%以上であり、特に好ましくは、50mol%以上である。上記より好ましい高分子化合物のなかでも、カルボキシル基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体を必須とする組成物を重合してなるものが更に好ましい。すなわち高分子化合物は、全単量体組成100モル%に対して、カルボキシル基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体を10モル%以上含有する単量体組成物を重合してなるものであることが更に好ましい。
上記カルボキシル基を有する単量体やその塩を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリルアミドグリコール酸等のカルボキシル基を有する単量体やその塩等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩がより好ましい。すなわち本発明におけるカルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物としては、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする単量体組成で重合してなるものが好ましい。より好ましくは、アクリル酸及び/又はその塩である。また、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミシ塩が好適である。これらの中でも、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
上記スルホン酸基を有する単量体やその塩を有する単量体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する単量体やその塩等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記単量体組成物は、カルボキシル基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体やこれらの塩を有する単量体の他に、これらの単量体と共重合可能な他の共重合性単量体1種又は2種以上を含んでいてもよい。
上記他の共重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェート等の酸性リン酸エステル基を有する単量体;ビニルフェノール等の石炭酸系単量体等の酸基を有する単量体及びその塩等が好適である。
上記他の共重合性単量体としてはまた、ポリエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、メトキシポリエチレングリコールモノアクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル;3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル単量体;アリルアルコールにエチレンオキサイドを付加してなるポリエチレングリコールモノエテニルエーテル単量体;無水マレイン酸にポリエチレングリコールを付加させたマレイン酸ポリエチレングリコールハーフエステル等のポリアルキレングリコール鎖を有する単量体等が好適である。これらのポリアルキレングリコール鎖を有する単量体の中でも、エチレンオキサイド換算で5mol以上、100mol以下の鎖長のポリアルキレングリコール鎖を有する単量体が、入手が容易であり、また、擬似粒化性の向上、重合性の点から好ましい。より好ましくは、エチレンオキサイド換算で10mol以上、また、100mol以下の鎖長のポリアルキレングリコール鎖を有する単量体である。
上記他の共重合性単量体としては、上述したものの他にも、下記の化合物を用いることができる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノエチル)、(メタ)アクリル酸(N,N−ジエチルアミノエチル)、(メタ)アクリル酸アミノエチル等の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;酢酸ビニル;スチレン;(メタ)アクリロニトリル;N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架橋性を有する(メタ)アクリルアミド系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン等の加水分解性を有する基がケイ素原子に直結しているシラン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジリジン基を有する単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基を有する単量体;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル化物等の分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリルアミド;ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート等の分子内に不飽和基を複数有する多官能アリル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン。
上記単量体を(共)重合する際には、分子量の調節を目的として、連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基を有する化合物;四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の連鎖移動係数の高い化合物等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量としては、全単量体組成物1molに対し、0.005〜0.15molとすることが好ましい。
上記単量体を(共)重合する方法としては、従来公知の種々の重合法、例えば、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合法等を採用することができる。これらの中でも、重合コスト(生産コスト)の低減及び安全性等の観点から、水溶液重合法が好ましい。
上記重合に用いられる重合開始剤としては、熱又は酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を発生させる化合物であればよい。また、水溶液重合法により重合を行う場合には、水溶性を備えた重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素及びアスコルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びロンガリット、過硫酸カリウム及び金属塩、過硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の組み合わせからなるレドックス系重合開始剤が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量としては、単量体組成物の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
上記重合における反応温度や反応時間等の重合条件としては、単量体の組成や、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、反応温度としては、0〜150℃とすることが好ましく、40〜105℃とすることがより好ましい。また、反応時間としては、3〜15時間程度が好適である。水溶液重合法により重合を行う場合における単量体の反応系への供給方法としては、一括添加法、分割添加法、成分滴下法、パワーフィード法、多段滴下法により行うことができる。また、重合は常圧下、減圧下、加圧下の何れで行ってもよい。
上記高分子化合物の製造において、水溶液重合法を採用した場合に得られる高分子化合物水溶液中に含まれる、高分子化合物を含む不揮発分の濃度としては、70質量%以下であることが好ましい。70質量%を超えると、粘度が高くなり過ぎるおそれがある。
上記スルホン酸基及び/又はその塩を有する好ましい高分子化合物として、β−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、芳香族アミノスルホン酸ポリマー等が挙げられる。
本発明におけるカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物としては、重量平均分子量が1000〜1000000であることが好ましい。重量平均分子量が1000未満であると、分散剤としての作用が低下するおそれがある。1000000を超えると、高分子化合物の粘度が高くなり過ぎて分散剤としての作用が充分に発揮されるように添加しにくいものとなるおそれがある。より好ましくは、3000以上であり、また、100000以下である。なお、本明細書中、重量平均分子量は、以下の測定条件で測定される値である。
(重量平均分子量測定条件)
カラム:水系GPCカラム「GF−7MHQ」(商品名、昭和電工社製)1本
キャリア液:リン酸水素二ナトリウム十二水和物34.5g及びリン酸二水素ナトリウム二水和物46.2gに超純水を加えて全量を5000gとする。
水溶液流速:0.5ml/min
ポンプ:「L−7110」(商品名、日立製作所社製)
検出器:紫外線(UV)検出器「L−7400」(商品名、日立製作所社製)、波長214nm
分子量標準サンプル:ポリアクリル酸ナトリウム(創和科学社より入手可能な重量平均分子量1300〜1360000のポリアクリル酸ナトリウム)
分析サンプルは、高分子化合物が固形分で0.1質量%となるように上記キャリア液で希釈することにより調製する。
ただし、上記測定条件で測定ができない高分子化合物については、以下の測定条件を適用する。
機種:Waters LCM1
キャリア液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調節した水溶液
流速:0.8ml/min
カラム:水系GPCカラム「TSKgel GuardColumnSWXL+G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL」(東ソー社製)
カラム温度:35℃
検出器:Waters 410 示差屈折検出器
分子量標準サンプル:ポリエチレングリコール
分析サンプルは、高分子化合物が固形分で0.1%となるように上記キャリア液で希釈することにより調製する。
上記高分子化合物としてはまた、分散度が12以下であることが好ましい。分散度が12を超えると、粉鉄鉱石を分散する作用が小さくなることに起因して、擬似粒子化させる作用が低下する傾向にある。より好ましくは、10以下である。分散度とは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、分子量分布を表すものである。数平均分子量は、重量平均分子量と同様の方法で測定される。
本発明の製鉄用焼結原料の造粒処理方法は、上述の構成からなり、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において粉鉄鉱石等の焼結原料の造粒に有効であり、これにより、難造粒性、高アルミ鉱石等の安価な鉱石を使用した場合においても、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物の添加量を抑えて、更に生石灰を使用しない、又は、添加量を抑えても、充分な焼結鉱の生産量が実現できる造粒物ができることとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
焼結原料は、全て、絶乾状態のものを使用した。
実施例及び比較例における生産率、成品歩留は、下記方法により測定した。
(成品歩留、生産率)
成品歩留は、焼結鍋試験において、焼結後の焼結鉱(シンターケーキ)50kgを2mの高さから鉄板上に5回落下させたときの、粒径5mm以上の粒度を有する粒子の割合を測定することにより評価した。生産率は、以下の式により算出した。
生産率(t/day/m)=成品歩留評価後の粒径5mm以上の粒度を有する粒子の総質量(t)/焼結時間(day)/焼結機(鍋)の表面積(m
〔実施例1〕
表1の配合1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を70000部調製した。すなわち、配合1−Aを14113部、配合1−Bを55887部調製した。更に、配合1−A、配合1−Bに水を添加し、それぞれ15509部(含水量9質量%)、59454部(含水量6質量%)に調整した。
Figure 0004152285
表1中、「MBRPF」とは、ブラジル鉱山のMBR社から供給されるペレットフィードである。
表1中の数値の単位は、焼結新原料を100質量%としたときの質量%である。本発明において、焼結新原料とは、製鉄用焼結原料から、返鉱、燃料、造粒処理剤、平均粒径が200μm以下の微粒子(ただし鉄鉱石、製鉄所内で発生するダスト、製鉄所内で発生するスラグを除く)を除いたものである。
上記の焼結原料1−Aの15509部(含水量9質量%)、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部を回転するパン部とアジテーター部を有する高速撹拌ミキサー(アイリッヒミキサーR05T、日本アイリッヒ社製)に投入し、該組成物(焼結原料)に、カルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物として、予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部を霧吹きを用いて約40秒間かけて噴霧(添加)して、選択造粒物を得た。このとき、パンの回転速度は30min−1、アジテーターの回転速度は450min−1であった。その後、該選択造粒物16040部、焼結原料1−Bの59454部(含水量6質量%)、生石灰350部をドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間予備撹拌した後、水500部を1.5分間かけて噴霧(添加)した。噴霧後、更に同回転速度で3分間撹拌することにより、造粒処理(擬似粒化)を行った。
焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合は0.0125%であった。
また、得られた擬似粒子を50kgスケールの鍋試験にて焼成を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm×高さ600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2及び表3に示す。
〔実施例2〕
平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部に代えて、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム700部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例3〕
平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部を使用しない他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例4〕
平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部に代えて、平均粒径25μmの重質炭酸カルシウム350部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例5〕
平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部に代えて、平均粒径17μmのフライアッシュ350部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例6〕
予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部に代えて、予め不揮発分2.0%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液176部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。すなわち、焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合は0.005%であった。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例7〕
予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部に代えて、水172部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例8〕
生石灰350部を添加せず、水500部を1.5分間かけて噴霧(添加)することに代えて、予め不揮発分20.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液168部を1.5分間かけて噴霧(添加)する以外は実施例7と同様にして、焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例9〕
平均粒径7μmの炭酸カルシウム350部の代わりに、平均粒径25μmの重質炭酸カルシウム350部を使用し、生石灰350部の代わりに平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部を使用し、水500部を1.5分間かけて噴霧(添加)することに代えて、予め不揮発分20.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液168部を1.5分間かけて噴霧(添加)する以外は実施例7と同様にして、焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例10〕
表1の配合2に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を70000部調製した。すなわち、配合2−Aを9655部、配合2−Bを60345部調製した。更に、配合2−A、配合2−Bに水を添加し、それぞれ9305部(含水量9質量%)、65810部(含水量6.5質量%)に調整した。
上記の焼結原料2−Aを10610部(含水量9質量%)、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部を回転するパン部とアジテーター部を有する高速撹拌ミキサー(アイリッヒミキサーR05T、日本アイリッヒ社製)に投入し、該組成物(焼結原料)に、カルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物として、予め不揮発分11.3%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液78部を霧吹きを用いて約40秒間かけて噴霧(添加)して選択造粒物を得た。このとき、パンの回転速度は30min−1、アジテーターの回転速度は450min−1であった。その後、該選択造粒物9768部、焼結原料2−Bを64540部(含水量6.5質量%)、生石灰350部をドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間予備撹拌した後、水450部を1.5分間かけて噴霧(添加)した。噴霧後、更に同回転速度で3分間撹拌することにより、造粒処理(擬似粒化)を行った。
焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合は0.0125%であった。
また、得られた擬似粒子を50kgスケールの鍋試験にて焼成を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、層厚600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例11〕
表1の配合3に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を70000部調製した。すなわち、配合3−Aを28226部、配合3−Bを41774部調製した。更に、配合3−A、配合3−Bに水を添加し、それぞれ31018部(含水量9質量%)、44440部(含水量6質量%)に調整した。
上記の焼結原料3−Aを31018部(含水量9質量%)、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部を回転するパン部とアジテーター部を有する高速撹拌ミキサー(アイリッヒミキサーR05T、日本アイリッヒ社製)に投入し、該組成物(焼結原料)に、カルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物として、予め不揮発分9.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液188.82部を霧吹きを用いて約40秒間かけて噴霧(添加)して選択造粒物を得た。このとき、パンの回転速度は30min−1、アジテーターの回転速度は450min−1であった。その後、該選択造粒物31548部、焼結原料3−Bを44440部(含水量6質量%)、生石灰350部をドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間予備撹拌した後、水50部を1.5分間かけて噴霧(添加)した。噴霧後、更に同回転速度で3分間撹拌することにより、造粒処理(擬似粒化)を行った。
焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合は0.0264%であった。
また、得られた擬似粒子を50kgスケールの鍋試験にて焼成を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、層厚600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔比較例1〕
実施例3において、不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部に代えて、水172部を使用し、生石灰350部に代えて、生石灰840部を使用し、水500部に代えて、水700部を使用する以外は実施例3と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2及び表3に示す。
〔比較例2〕
表1の配合4に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。
上記の焼結原料70000部に水を添加し、74866部(水分量6.5%)に調整した。ドラムミキサーに投入し、該組成物(焼結原料)に、分散剤として、予め不揮発分8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液438部を霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧(添加)した。焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合は0.05%であった。噴霧後、分散剤が添加された上記の組成物(造粒処理用最終組成物)を回転速度24min−1で3分間撹拌することにより、造粒処理(擬似粒化)を行った。また、得られた擬似粒子を50kgスケールの鍋試験にて焼成を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、層厚600mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例12〕
カルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物として、予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部の代わりに、スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物として、予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量70000(カタログ値)のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(創和科学社より入手)水溶液181部を使用した他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表3に示す。
〔実施例13〕
平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部に代えて、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム7部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例14〕
実施例8において、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部に代えて、平均粒径235μmの重質炭酸カルシウム350部を使用する他は実施例8と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。焼結鉱の生産率は、22.9t/day/mであった。
〔実施例15〕
実施例1において、配合1−Aの15509部(含水量9質量%)に代えて、15175部(含水量7質量%)を使用し、ドラムミキサーで添加する水500部に代えて、水834部を用いる他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。焼結鉱の生産率は、28.6t/day/mであった。
〔実施例16〕
カルボキシル基及び/又はその塩を有する化合物として、予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部の代わりに、カルボキシル基及び/又はその塩を有する化合物として、国際公開第02/066688号に記載の方法で製造した重量平均分子量33000のアクリル酸ナトリウム/アクリル酸メチル共重合体(全単量体組成100mol%に対するアクリル酸ナトリウムの組成比が78.7mol%)を予め不揮発分4.8%に調整した水溶液181部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表3に示す。
〔実施例17〕
カルボキシル基及び/又はその塩を有する化合物として、予め不揮発分4.8%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液181部の代わりに、スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物として、予め不揮発分9.6%に調整したβ−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物であるマイティ150(商品名:花王社製)181部を使用する他は実施例1と同様にして焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表3に示す。
〔実施例18〕
実施例12において、配合1−Bにおける蛇紋岩1.9質量%を1.31質量%とし、石灰石16.19質量%を16.78質量%とした。また、平均粒径7μmの重質炭酸カルシウム350部に代えて、平均粒径20μmのタルク350部を用いた。これらの他は実施例12と同様にして、生産率を測定したところ、生産率は,28.2t/day/mであった。
Figure 0004152285
Figure 0004152285
表2、表3において、「質量%」とは、全製鉄用焼結原料に対する質量%である。「注1)」が付されているものについては、ドラムミキサーで添加したことを意味する。

Claims (11)

  1. 粉鉄鉱石を含有する製鉄用焼結原料を造粒処理するに際し、予め製鉄用焼結原料の一部を造粒処理する選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んでなる製鉄用焼結原料の造粒処理方法であって、
    該選択造粒工程は、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び/又は、平均粒径が200μm以下の微粒子を用いて造粒処理してなり、
    該選択造粒工程で該高分子化合物を少なくとも用いる場合、該高分子化合物の使用量は、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.001質量%以上、0.5質量%以下であり、
    該選択造粒工程で該平均粒径が200μm以下の微粒子を少なくとも用いる場合、該微粒子の使用量は、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト及び平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを除くものの総和が、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05質量%以上、10質量%以下である
    ことを特徴とする製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  2. 前記平均粒径が200μm以下の微粒子は、炭酸カルシウム、フライアッシュ、カオリンクレー、シリカ、タルク、ベントナイト、シリカフューム及び無水石膏からなる群より選択される少なくとも一種のものである
    ことを特徴とする請求項1記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  3. 粉鉄鉱石を含有する製鉄用焼結原料を造粒処理するに際し、予め製鉄用焼結原料の一部を造粒処理する選択造粒工程の後に、該工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程を含んでなる製鉄用焼結原料の造粒処理方法であって、
    該選択造粒工程は、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物、及び、平均粒径が200μm以下の微粒子用いて造粒処理してなり、
    該選択造粒工程で該高分子化合物を少なくとも用いる場合、該高分子化合物の使用量は、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.001質量%以上、0.5質量%以下であり、
    該選択造粒工程で該平均粒径が200μm以下の微粒子を少なくとも用いる場合、該微粒子の使用量は、平均粒径が200μm以下の鉄鉱石、平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するダスト及び平均粒径が200μm以下の製鉄所内で発生するスラグを除くものの総和が、全製鉄用焼結原料100質量%に対する質量割合で、0.05質量%以上、10質量%以下である
    ことを特徴とする製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  4. 前記高分子化合物は、全単量体組成100モル%に対して、カルボキシル基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体を10モル%以上含有する単量体組成物を重合してなる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  5. 前記選択造粒工程で造粒処理する製鉄用焼結原料は、全製鉄用焼結原料の5〜60質量%を含むものである
    ことを特徴とする請求項1、2又は4記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  6. 選択造粒後の造粒物の水分量が8.0質量%以上13質量%以下である
    ことを特徴とする請求項1、2、4又は5に記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  7. 前記選択造粒工程は、マラマンバ鉱石、ペレットフィード及び1mm以下の微粉を40%以上含む原料からなる群より選択される難造粒性の原料を選択造粒工程における焼結原料100質量%中に10質量%以上含む
    ことを特徴とする請求項1、2、4、5又は記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  8. 前記選択造粒工程は、前記高分子化合物と、前記平均粒径が200μm以下の微粒子とを用いて造粒処理してなる
    ことを特徴とする請求項1、2、4、5、6又は7に記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  9. 前記製鉄用焼結原料の造粒処理方法は、選択造粒工程及び/又は選択造粒工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程において、生石灰を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  10. 前記製鉄用焼結原料の造粒処理方法は、選択造粒工程においては生石灰を用いず、選択造粒工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程において生石灰を用いる
    ことを特徴とする請求項9に記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  11. 前記選択造粒工程により得られる造粒物を残りの製鉄用焼結原料と混合する工程は、該工程における製鉄用焼結原料100重量部に対して、生石灰を0.1重量部以上、1.5重量部以下使用する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
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