JP4133766B2 - 製鉄用原料の造粒処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄用原料の造粒処理方法に関する。より詳しくは、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において粉鉄鉱石等を造粒するための製鉄用原料の造粒処理方法に関する。
製銑工程は、一般に鉄鉱石を主成分とする焼結鉱を高炉に装入することにより行われており、このような焼結鉱は、鉄鉱石、副原料、燃料等を含む焼結原料を焼結機に特定の高さに充填し、焼結ベッドを形成した後に、表層に点火して焼結工程が行われることにより製造される。このような焼結工程においては、焼結原料を造粒して擬似粒子化する等の事前処理が行われている。例えば、焼結原料となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、少量の水を添加して造粒機で攪拌する等の造粒操作が行われている。擬似粒子とは、一般的に、0.5mm以下の微粒子が1〜3mm以上の核粒子に付着している粒子である。このような造粒に際して求められる作用は、微粉粒子が核粒子の周りに付着する擬似粒化性を向上すること、擬似粒子が焼結工程において崩壊しにくくなるようにすること等である。
また最近では、優良塊鉱の枯渇化と共に、粉鉱石の劣質化も激しく、焼結原料の造粒性が以前よりも悪化している傾向にあることから、焼結原料に含まれる微粉の量を低減させる効果が充分に高く、焼結原料を擬似粒子化し、しかも効率よく焼結鉱とすることを可能とする技術が切望されている。
従来の焼結原料の造粒処理方法としては、ポリアクリル酸等の高分子化合物を粉鉄鉱石を含む鉄鉱石の造粒用バインダーとして使用することが知られている(例えば、特許文献1、2、3及び4参照。)。しかしながら、これらの技術には改良の余地があった。すなわち焼結原料を焼結する焼結機は下方吸引式を採用しており、焼結原料の下方から吸引することによって焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼結原料を焼結するようになっている。ここで、焼結原料への着火は上方より行われている。コークスの造粒性は比較的低く、鉄鉱石の平均粒径に対し、小さな粒径をしているため、小さな粒子あるいは小さな粒度の造粒物におけるコークスの平均含有量が高くなる。通常、ドラムフィーダから、焼結ベッドに擬似粒子を装入する際に、スローピングプレート等を介し、小さな粒子が上部に並ぶように偏折装入し、焼結原料層上部のコークスの含有量を高くして、上部からの着火を容易にしている。一方、ポリアクリル酸等の高分子化合物を粉鉄鉱石を含む鉄鉱石の造粒用バインダーとして使用することにより、焼結原料の造粒性が著しく向上するため、造粒性の悪いコークスまで造粒し、コークスが大きな擬似粒子に付着して、焼結ベッドにおいて、焼結原料層の下層に多く存在したり、擬似粒子中の付着粉層内に内装される等して、焼結原料層上層のコークスの含有量が低くなる。その結果、点火炉での着火性が劣ったり、擬似粒子に内装されたコークスが燃焼しなかったりする傾向にある。そこで、焼結原料の造粒性を向上すると同時に、コークス等の燃料を焼結原料層上層に偏折させたり、擬似粒子に外装化する等の技術が必要であった。
各種粉鉄鉱石を焼結機により焼結する過程において、原料の事前処理として、0.7mm〜0.2mmの粒度範囲の粉鉱石が、造粒時に、核粒子になり難く、また、核粒子に付着する付着粒子にもなり難いことから、造粒後も未付着粉として原料中に残存し、通気性を阻害することを見出し、0.7mm〜0.2mmの粒度範囲を主体とする粉鉱石を0.2mm以下の付着粉になり易い粒度に粉砕することにより、造粒性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この方法は、例えばポリアクリル酸等の高分子化合物を用いることなどにより、焼結原料の造粒性が著しく向上した場合に、燃料の粒度分布を造粒され難い粒度に調整することにより、焼結原料層への着火を維持する方法について検討されていなかった。
特開昭59−50129号公報(第1−3頁) 特開昭61−61630号公報(第1頁) 特表平10−502417号公報(第1−3頁) 国際公開第02/066688号パンフレット(第155−159頁) 特公昭57−25622号公報(第1頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において粉鉄鉱石等の製鉄用原料の造粒に有効であり、製鉄用原料の造粒性を向上すると同時に、コークス等の燃料を焼結原料層上層に偏折させて、焼結原料層への着火性を維持・向上して充分な焼結鉱の生産性が実現できる製鉄用原料の造粒処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、製鉄用原料を造粒処理する方法について種々検討するうち、製鉄用原料を造粒処理する際に、コークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料も造粒され、擬似粒子に内装されてしまうことに起因して焼結原料層への着火を維持しにくくなることに着目し、コークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料において、0.25〜1.0mmの粒度部分は比較的造粒されにくく、内装されずにコークスの燃料性が向上すること、特に0.25〜0.5mmの粒度部分においてその作用効果が顕著であることを見いだした。すなわち粒度がこのような範囲内にある燃料を特定量用いることにより、製鉄用原料を造粒処理する際の燃料の粒度分布を制御すると、製鉄用原料が充分に造粒処理される場合においても、コークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料が内装されずに燃料の分布が改善され、焼結原料層上部のコークス等の含有量が高くなること等によって焼結原料層への着火を充分に維持することが可能となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、優れた造粒性を発揮させることができる高分子化合物を用いて製鉄用原料を充分に造粒処理する場合においても、上記作用効果を発揮できることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料をコークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料の存在下で造粒処理する方法であって、上記燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲内の粒子が、上記該燃料100質量%中の15〜80質量%になるようにする製鉄用原料の造粒処理方法である。
本発明はまた、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料をコークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料の存在下で造粒処理する方法であって、上記燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲の粒子が、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100質量%に対し、0.3〜3質量%になるようにする製鉄用原料の造粒処理方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法においては、製鉄用原料を燃料の存在下で造粒処理することになる。
上記製鉄用原料は、焼結ベッドにおいて、焼結原料層を形成することになる擬似粒子を製造するための原料であるが、本発明においては、粉鉄鉱石(微粉の鉄鉱石)を含むものであり、通常では、その他の鉄鉱石、副原料、燃料等を含むことになる。粉鉄鉱石とは、高炉原料として直接使用できない、例えば粒径10mm以下の粒子を主体として含有する鉄鉱石であり、造粒処理されにくい微粉の形態となった鉄鉱石であるが、例えば、核粒子(擬似粒子の核となる粒子)になり得るような粒径が1〜10mmのもの、核粒子に付着する付着粉となり得るような粒径が概ね0.2mm以下のもの、その他の核粒子にも付着粉にもならないものを含有することが好ましい。
なお、鉄鉱石としては、直接高炉原料に使用できる塊鉱石、直接高炉に入れることができない、細かい粒度部分を有する粉鉄鉱石やペレットフィードを挙げることができる。粉鉄鉱石は、焼結鉱の主原料とできるものであり、ペレットフィードは、0.5mm以下の粒子が主体であって、ペレットの主原料とできるものである。
上記燃料は、コークス及び/又は無煙炭を必須とし、これらが主成分であることが好ましい。本発明においては、0.25〜0.5mmの粒度部分(0.25〜0.5mmの粒度範囲内の粒子)を有するものを用いることとなる。
本発明におけるコークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料における該0.25〜0.5mmの粒度部分の含有量は、以下のように測定できる。
配合割合に応じたコークス、無煙炭等の燃料を粒度分布が変わらないように採取し、80℃、1時間乾燥した後、篩目の開きが0.25mmの篩と0.5mmの篩を必須とし、篩い分けを行い、下記式より計算することができる。
コークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料における該0.25〜0.5mmの粒度部分の含有量(質量%)=〔篩目の開きが0.25mmの篩の上に残った燃料(質量)/採取した燃料(質量)〕×100
製鉄用原料100質量%に対する該燃料における0.25〜0.5mmの粒度部分の質量は、製鉄用原料100質量%中の燃料の質量%と、燃料における該0.25〜0.5mmの粒度部分の含有量から計算できる。
本発明においては、燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲の粒子(該粒度部分の合計)が、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100質量%に対し、0.3〜3質量%になるようにして造粒処理を行うこととなる。0.3質量%未満であると、焼結工程において、着火に必要な焼結原料層表層の燃料が足りなくなることから、焼結原料層への着火を充分に維持できにくくなり、3質量%を超えると、焼結原料層の表層等におけるコークス含有量が多くなり、焼結時に、焼結原料層上層の燃焼溶融帯幅が増加し、通気を阻害するおそれがある。好ましくは、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100質量%に対し、0.5質量%以上であり、また、3質量%以下である。より好ましくは、0.7質量%以上であり、また、2質量%以下である。
なお、上記製鉄用原料は、粉鉄鉱石、その他の鉄鉱石、副原料、燃料等のすべてを含む原料を100質量%とし、後述する造粒用バインダーは含まないものである。
上記燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲内の粒子(粒度部分)の合計は、コークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料の全てにおいて、0.25〜0.5mmの粒度を有するものの合計であり、例えば、燃料にコークス及び/又は無煙炭以外のものが含まれる場合には、コークス及び/又は無煙炭とこれら以外の燃料を構成するものとの合計である。本発明においては、コークス及び/又は無煙炭における0.25〜0.5mmの粒度部分の合計が上記の範囲になることが好ましい。コークス及び/又は無煙炭以外の燃料としては、製鉄所内及び製鉄所外から発生する燃焼可能なカーボン含有量が5質量%以上のダスト、石炭や木炭の微粉等が挙げられる。
上記燃料には、0.25〜0.5mmの粒度以外の粒度を有するものが含まれていてもよく、好ましい形態としては、例えば、本発明において用いられる燃料を100質量%とすると、燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲内の粒子(該粒度部分の合計)が、15質量%以上であり、また、80質量%以下であることが好適である。このような粉鉄鉱石を含む製鉄用原料をコークス及び/又は無煙炭を必須とする燃料の存在下で造粒処理する方法であって、上記燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲内の粒子が、上記燃料100質量%中の15〜80質量%になるようにする製鉄用原料の造粒処理方法もまた、本発明の一つである。
上記燃料における0.25〜0.5mmの粒度範囲内の粒子の量が、15質量%以下であると、焼結ベッドにおける焼結原料層表層の燃料含有量が少なくなり、着火性を充分には向上できないこととなる。80質量%を超えると、焼結ベッドにおける焼結原料層下層の燃料含有量が少なくなり、成品歩留を充分には向上できないこととなる。好ましくは、20質量%以上であり、更に好ましくは、25質量%以上であり、最も好ましくは、30質量%以上である。ただし、上記ダストに関しては、カーボン含有量が様々であるため、本発明において、燃料として質量を計算する場合、含有するカーボン換算で計算する。含有するカーボン量は、例えば、実施例の「擬似粒子注の炭素含有量の定量」に準じて元素分析で測定できる。本発明でいう「カーボン含有量」とは、全炭素(全カーボン)含有量から、石灰石に含まれる炭素等の燃料として使用できない(燃焼しない)カーボン量を差し引いたカーボン含有量である。
上記0.25〜0.5mmの粒度部分を有する燃料を調製する方法としては、例えば、コークス及び/又は無煙炭を必須とするものを粉砕することにより調製する方法や、0.25mm以下のコークス及び/又は無煙炭を必須とするものを造粒する方法等が好適である。
本発明において用いられる燃料の全量としては、原料の性状等によって添加する燃料割合は変わるが、燃料中における0.25〜0.5mmの粒度部分の含有割合等により適宜設定すればよいが、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100質量%に対し、1質量%以上とすることが好ましく、また、10質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、2質量%以上であり、また、6質量%以下である。
上記燃料をその他の製鉄用原料と混合する時期としては、造粒処理を開始する前であってもよく、造粒処理の開始後から終了するまでの間であってもよい。燃料とその他の製鉄用原料とを混合するには、その他の製鉄用原料中に燃料を添加等することにより行うことができる。また、その他の製鉄用原料中に燃料を一回で混合してもよく、複数回に分けて混合してもよい。特に、原料の造粒性が良好な場合は、コークスが内装しやすいため、装置上の制約はあるが、燃料の添加が終了するのが、造粒処理開始後であることが好ましい。
本発明において用いる造粒装置としては、例えば、パンペレタイザー、ドラムミキサー、アイリッヒミキサー、レーディゲミキサー等が好適であり、これらの中でも、ドラムミキサーを用いることが好ましい。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法においては、製鉄用原料と造粒用バインダーとを混合して造粒処理することが好ましい。より好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物の存在下で行われることである。このような高分子化合物を用いる形態としては特に限定されず、造粒処理の際に製鉄用原料に一回で添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。また、造粒用バインダーとして高分子化合物以外に、後述するような造粒処理剤を併用してもよい。造粒用バインダーとは、製鉄用原料を造粒する際に、造粒性を向上させるために用いる化合物等を意味する。
上記高分子化合物の使用量としては、焼結原料の造粒性や、該高分子化合物の種類、使用する装置の種類等に応じて適宜設定すればよいが、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100重量部に対して高分子化合物が0.001重量部以上とすることが好ましく、また、2重量部以下とすることが好ましい。0.001重量部未満であると、充分に造粒されずに本発明の作用効果を充分に発揮することができなくなるおそれがあり、2重量部を超えると、製鉄用原料に対する高分子化合物の添加量が多くなりすぎ、製鉄用原料の大きな固まりができ、焼結されにくくなる等の問題が生じるおそれがある。より好ましくは、高分子化合物が0.003重量部以上であり、また、1重量部以下である。
上記高分子化合物以外の造粒処理剤としては、生石灰、ベントナイト、リグニン亜硫酸塩(パルプ廃液)、澱粉、砂糖、糖蜜、水ガラス、セメント、ゼラチン、コーンスターチ等を1種又は2種以上用いることができる。
上記造粒処理剤の使用量としては、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100重量部に対して、0.05重量部以上とすることが好ましく、また、3重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.1重量部以上であり、また、2重量部以下である。
本発明においては、造粒物(擬似粒子)の、焼結ベッド等での崩壊を抑制することを目的として、平均粒径が200μm以下の微粒子を用いて造粒処理を行ってもよく、このような微粒子としては、上記平均粒径を有する微細な粒子であればよいが、炭酸カルシウム、カオリンクレー、シリカ、珪砂、タルク、ベントナイト、ドロマイト粉末、ドロマイトプラスタ、炭酸マグネシウム、シリカフューム、無水石膏、セリサイト、モンモリロナイト、シラス、シラスバルーン、珪藻土、焼成珪藻土、シリコンカーバイド、黄色酸化鉄、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、黒鉛、ワラストナイト、クレカスフェアー、カーボンブラック、べんがら、粉砕蛇紋岩、活性白土、ポルトランドセメント、粉砕珪石、粉砕蛇紋岩、酸化マグネシウム、焼成ヒル石、製鉄所以外のプロセスで発生するダスト、具体的には、フライアッシュや重油灰等の火力発電所で発生するダスト、製銅プロセスで発生するカラミ鉄精鉱や銅スラグ、アルミナ製造工程で排出される赤泥、その他、排煙脱硫石膏やアスベスト粉塵等が好適であり、1種又は2種以上を用いることができる。好ましくは、炭酸カルシウム、フライアッシュ、カオリンクレー、シリカ、タルク、ベントナイト、シリカフューム及び無水石膏からなる群より選択される少なくとも一種のものである。
上記平均粒径が200μm以下の微粒子の平均粒径としては、0.01μm以上であることが好ましく、また、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.02μm以上であり、また、50μm以下である。最も好ましくは、0.1μm以上であり、また、20μm以下である。
平均粒径が200μmを超えた場合、焼結ベッド等における擬似粒子の崩壊抑制効果のある微粒子の割合に対して、微粒子の付着する粒径の大きな粒子の割合が多くなるため、添加効果は得られにくくなる。一方、0.01μm未満になると、微粒子の凝集力が強くなり、製鉄用原料に分散しにくくなるから、添加効果は得られにくくなる。
上記平均粒径が200μm以下の微粒子の使用量としては、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料100重量部に対し、0.1重量部以上とすることが好ましく、また、10重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.3重量部以上であり、また、1.5重量部以下である。
製鉄用原料100重量部に対し、0.1重量部未満の場合は造粒物の崩壊抑制効果が得られにくくなり、10重量部より多く添加した場合、造粒物の崩壊抑制効果は頭打ちになる傾向にあるので、製造コスト面で無駄になるおそれがある。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法おいては、上記高分子化合物を用いて製鉄用原料を充分に造粒処理する場合においても、焼結原料層への着火を充分に維持することが可能であり、例えば、造粒性としては、粒径0.25mm以下の造粒物(擬似粒子)のGI指数を80以上とすることが好ましい。より好ましくは、GI指数が85以上であり、更に好ましくは、90以上である。
上記GI指数とは、製鉄研究第288号(1976)9頁に開示されている評価方法の一つであり、核粒子の周りに付着する微粉粒子の割合を表すものである。なお、GI指数の測定は、造粒操作を行って得られた擬似粒子を80℃で1時間乾燥後、篩を用いて分級することにより、その粒度(擬似粒度)を求め、製鉄研究第288号(1976)9頁に記載の方法に準じて行い、下記の式により計算することが好ましい。
GI指数={(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−造粒後の0.25mm以下の原料の比率)/(造粒前の0.25mm以下の原料の比率)}×100
また本発明において得られた造粒物である擬似粒子としては、1mm以下の擬似粒子のコークス含有量が、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。造粒用バインダーとして、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物を用いた場合に、上記範囲内となることが好ましい。
上記1mm以下の擬似粒子のコークス含有量は、以下の方法により測定することが好ましい。まず、擬似粒子の1mm以下の篩い分け部分を混合し、ミル等の粉砕機で全量粉砕する。容器に、粉砕後の擬似粒子約1gを採取し、正確に質量を測定する(Agとする)。蒸留水10gを添加して軽くなじませ、石灰石に含まれる炭素分を二酸化炭素として系外に除去するために、リン酸1.2から1.3g程度を添加して、発泡が見られる間、容器を手で振とうした後、135℃に設定した減圧乾燥器にて充分乾燥する。容器から内容物を取り出して乳鉢に移し、粉砕し、135℃のオーブンで乾燥する。この乾燥物の質量を測定する(Bgとする)。元素分析にて該乾燥物のC(炭素)量を定量する(C%とする)。1mm以下の擬似拉子に含有するコークス量を以下のように算出する。
1mm以下の擬似粒子に含有するコークス量(%)=B(g)×C(%)/A(g)
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法により得られる造粒物は、焼結機により焼結処理されて焼結鉱とすることができるものである。このような本発明の製鉄用原料の造粒処理方法により得られる造粒物から製造されてなる焼結鉱は、本発明の好ましい実施形態の一つである。このような焼結鉱は、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法において得られる造粒物、すなわち製鉄用原料の造粒性を向上すると同時に、焼結原料層への着火を維持して充分な焼結鉱の生産性が実現できる造粒物から製造されてなる有用なものである。
以下では、本発明におけるカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物について説明する。なお、高分子化合物において、カルボキシル基やスルホン酸基の塩とは、カルボキシル基やスルホン酸基における水素原子が金属原子等で置き換わった構造を有する基であり、塩の形態となった基を意味する。
上記高分子化合物としては、(1)カルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物、(2)スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物、(3)カルボキシル基及び/又はその塩、並びに、スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物のいずれか1種又は2種以上が挙げられる。このような高分子化合物としては、カルボキシル基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体及びこれらの塩を有する単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体を必須とする単量体組成で重合することにより得ることができるものが好ましい。このような単量体としては1種又は2種以上用いることができるが、より好ましくは、全単量体組成100モル%に対して、カルボキシル基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体を10モル%以上含有する単量体組成で重合してなるものである。単量体組成におけるカルボキシル基を有する単量体及び/又はその塩を有する単量体の含有量が10モル%未満であると、造粒効果を充分には得られないおそれがある。更に好ましくは、30モル%以上であり、特に好ましくは、50モル%以上である。
上記カルボキシル基を有する単量体やその塩を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリルアミドグリコール酸等のカルボキシル基を有する単量体やその塩等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩がより好ましい。すなわち本発明におけるカルボキシル基及び/又はその塩を有する高分子化合物としては、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする単量体組成で重合してなるものが好ましい。より好ましくは、アクリル酸及び/又はその塩である。また、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミシ塩が好適である。これらの中でも、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
上記スルホン酸基を有する単量体やその塩を有する単量体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体やその塩等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記単量体組成物は、カルボキシル基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体やこれらの塩を有する単量体の他に、これらの単量体と共重合可能な他の共重合性単量体1種又は2種以上を含んでいてもよい。
上記他の共重合性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェート等の酸性リン酸エステル基を有する単量体;ビニルフェノール等の石炭酸系単量体等の酸基を有する単量体及びその塩等が好適である。
上記他の共重合性単量体としてはまた、ポリエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、メトキシポリエチレングリコールモノアクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル;3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル単量体;アリルアルコールにエチレンオキサイドを付加してなるポリエチレングリコールモノエテニルエーテル単量体;無水マレイン酸にポリエチレングリコールを付加させたマレイン酸ポリエチレングリコールハーフエステル等のポリアルキレングリコール鎖を有する単量体等が好適である。これらのポリアルキレングリコール鎖を有する単量体の中でも、エチレンオキサイド換算で5モル以上、100モル以下の鎖長のポリアルキレングリコール鎖を有する単量体が、入手が容易であり、また、擬似粒化性の向上、重合性の点から好ましい。より好ましくは、エチレンオキサイド換算で10モル以上、また、100モル以下の鎖長のポリアルキレングリコール鎖を有する単量体である。
上記他の共重合性単量体としては、上述したものの他にも、下記の化合物を用いることができる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノエチル)、(メタ)アクリル酸(N,N−ジエチルアミノエチル)、(メタ)アクリル酸アミノエチル等の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架橋性を有する(メタ)アクリルアミド系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン等の加水分解性を有する基がケイ素原子に直結しているシラン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジリジン基を有する単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基を有する単量体;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル化物等の分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリルアミド;ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート等の分子内に不飽和基を複数有する多官能アリル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン。
上記単量体を(共)重合する際には、分子量の調節を目的として、連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基を有する化合物;四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の連鎖移動係数の高い化合物等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量としては、全単量体組成物1モルに対し、0.005〜0.15モルとすることが好ましい。
上記単量体を(共)重合する方法としては、従来公知の種々の重合法、例えば、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合法等を採用することができる。これらの中でも、重合コスト(生産コスト)の低減及び安全性等の観点から、水溶液重合法が好ましい。
上記重合に用いられる重合開始剤としては、熱又は酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を発生させる化合物であればよい。また、水溶液重合法により重合を行う場合には、水溶性を備えた重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素及びアスコルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びロンガリット、過硫酸カリウム及び金属塩、過硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の組み合わせからなるレドックス系重合開始剤が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量としては、単量体組成物の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
上記重合における反応温度や反応時間等の重合条件としては、単量体組成物の組成や、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、反応温度としては、0〜150℃とすることが好ましく、40〜105℃とすることがより好ましい。また、反応時間としては、3〜15時間程度が好適である。水溶液重合法により重合を行う場合における単量体組成物の反応系への供給方法としては、一括添加法、分割添加法、成分滴下法、パワーフィード法、多段滴下法により行うことができる。また、重合は常圧下、減圧下、加圧下の何れで行ってもよい。
上記高分子化合物の製造において、水溶液重合法を採用した場合に得られる高分子化合物水溶液中に含まれる、高分子化合物を含む不揮発分の濃度としては、70質量%以下であることが好ましい。70質量%を超えると、粘度が高くなり過ぎるおそれがある。
上記スルホン酸基及び/又はその塩を有する高分子化合物の好ましい例として、β−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、芳香族アミノスルホン酸ポリマー、リグニンスルホン酸等が挙げられる。
本発明におけるカルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物としては、重量平均分子量が1000〜1000000であることが好ましい。重量平均分子量が1000未満であると、分散剤としての作用が低下するおそれがある。1000000を超えると、高分子化合物の粘度が高くなり過ぎて分散剤としての作用が充分に発揮されるように添加しにくいものとなるおそれがある。より好ましくは、3000以上であり、また、100000以下である。なお、本明細書中、重量平均分子量は、以下の測定条件で測定される値である。
(重量平均分子量測定条件)
カラム:水系GPCカラム「GF−7MHQ」(商品名、昭和電工社製)1本
キャリア液:リン酸水素二ナトリウム十二水和物34.5g及びリン酸二水素ナトリウム二水和物46.2gに超純水を加えて全量を5000gとする。
水溶液流速:0.5ml/min
ポンプ:「L−7110」(商品名、日立製作所社製)
検出器:紫外線(UV)検出器「L−7400」(商品名、日立製作所社製)、波長214nm
分子量標準サンプル:ポリアクリル酸ナトリウム(創和科学社より入手可能な重量平均分子量1300〜1360000のポリアクリル酸ナトリウム)
分析サンプルは、高分子化合物が固形分で0.1質量%となるように上記キャリア液で希釈することにより調整する。
ただし、上記測定条件で測定ができない高分子化合物については、以下の測定条件を適用する。
機種:Waters LCM1
キャリア液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調節した水溶液
流速:0.8ml/min
カラム:水系GPCカラム「TSKgel GuardColumnSWXL+G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL」(東ソー社製)
カラム温度:35℃
検出器:Waters 410 示差屈折検出器
分子量標準サンプル:ポリエチレングリコール
分析サンプルは、高分子化合物が固形分で0.1%となるように上記キャリア液で希釈することにより調製する。
上記高分子化合物としてはまた、分散度が12以下であることが好ましい。分散度が12を超えると、粉鉄鉱石を分散する作用が小さくなることに起因して、擬似粒子化させる作用が低下する傾向にある。より好ましくは、10以下である。分散度とは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、分子量分布を表すものである。数平均分子量は、重量平均分子量と同様の方法で測定される。
これらの高分子化合物は、固形のまま添加しても構わないが、固形分濃度0.1〜70%の水溶液の形態で添加することが好ましい。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、上述の構成よりなり、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において粉鉄鉱石等の焼結原料の造粒に有効であり、製鉄用原料の造粒性を向上すると同時に、焼結原料層への着火を維持して充分な焼結鉱の生産性が実現できることとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例及び比較例における擬似粒子の平均粒径及びGI指数、製鉄用原料に対する微粒子量、焼結鉱強度、生産率、成品歩留は、下記方法により測定した。
(擬似粒子の平均粒径、GI指数)
造粒操作を行って得られた擬似粒子を80℃で1時間乾燥後、篩を用いて分級することにより、その粒度(擬似粒度)を求めた。造粒された擬似粒子のGI指数とは、製鉄研究第288号(1976)9頁に開示されている評価方法の一つであり、核粒子の周りに付着する微粉粒子の割合を示す。なお、GI指数の測定は、製鉄研究第288号(1976)9頁に記載の方法に準じて行った。
以下の各実施例及び比較例の測定においては、何れも、造粒後の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。
また、0.25mm以下の擬似粒子のGI指数(擬似粒化指数)は以下の式により計算した。
GI指数={(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−造粒後の0.25mm以下の原料の比率)/(造粒前の0.25mm以下の原料の比率)}×100
(成品歩留、生産率)
成品歩留は、焼結鍋試験において、焼結後の焼結鉱(シンターケーキ)50kgを2mの高さから鉄板上に5回落下させたときの、粒径5mm以上の粒度を有する粒子の割合を測定することにより評価した。生産率は、以下の式により算出した。
生産率(t/day/m)=成品歩留評価後の粒径5mm以上の粒度を有する粒子の総質量(t)/焼結時間(day)/焼結機(鍋)の表面積(m
以下に記載の実施例及び比較例における焼結原料並びにペレット原料は、全て、絶乾状態のものを使用した。また、ポリマー水溶液中のポリマーの重量平均分子量測定には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリエチレングリコール換算を用いた。
(擬似粒子中の炭素含有量の定量)
上記GI指数測定後の擬似粒子の1mm以下の篩い分け部分を混合し、ミル等の粉砕機で全量粉砕する。このとき、粉砕後の平均粒径が50μm以下になるようにする。篩い分け部分が多くて、一度に粉砕できない場合は、2回以上に分けて粉砕し、粉砕後に均一になるように混合する。
市販の容量120mlのPP(ポリプロピレン)容器に、粉砕後の擬似粒子約1gを採取し、正確に質量を測定する(Agとする)。蒸留水10gを添加し、軽くなじませる。石灰石に含まれる炭素分を二酸化炭素として系外に除去するために、リン酸1.2から1.3g程度を添加して、発泡が見られる間、容器を手で振とうした後、135℃に設定した減圧乾燥器にて充分乾燥する。PP容器から内容物を取り出し、乳鉢に移し、粉砕し、135℃のオーブンで乾燥する。このとき、内容物が粉末状にならない場合、135℃のオーブンで乾燥後に再度粉砕、乾燥を行う。乾燥後の内容物の質量(組成物1とする)を測定する(Bgとする)。元素分析にて該組成物1のC量を定量する(C%とする)。1mm以下の擬似拉子に含有するコークス量を以下のように算出する。
1mm以下の擬似粒子に含有するコークス量(%)=B(g)×C(%)/A(g)
〔実施例1〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。
Figure 0004133766
このときのコークスの粒度分布は表2の実施例1に示す通りである。
上記の焼結原料70000部をドラムミキサーに投入し、該組成物(焼結原料)に、分散剤として、予め不揮発分0.4%に調製した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液5250部を霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧(添加)した。焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合は0.03%であった。噴霧後、分散剤が添加された上記の組成物(造粒処理用最終組成物)を更に同回転速度で3分間撹拌することにより、造粒処理(擬似粒化)を行った。
また、得られた擬似粒子から、均等に1kg程度サンプリングし、含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子を乾燥後、篩を用いて分級することにより、擬似粒子のGI指数を求めた。更に、GI指数測定後の擬似粒子の1mm以下の部分を再混合し、ハンマーミルを用い、平均粒径が50μm以下になるように、全量粉砕した。粉砕後の擬似粒子を上記方法により、1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。
また、得られた擬似粒子を50kgスケールの鍋試験にて焼結を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、高さ600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産性を測定した。これらの結果をまとめて表3に示す。
〔実施例2〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。このときのコークスの粒度分布は表2の実施例2に示す通りである。
該焼結原料を使用する他は実施例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。
〔実施例3〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。このときのコークスの粒度分布は表2の実施例3に示す通りである。
該焼結原料を使用する他は実施例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を判定した。これらの結果を表3に示す。
〔実施例4〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。このときのコークスの粒度分布は表2の実施例4及び参考例に示す通りである。
該焼結原料を使用する他は実施例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。
参考例
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。このときのコークスの粒度分布は表2の実施例4及び参考例に示す通りである。該焼結原料70000部をドラムミキサーに投入し、更に、生石灰840部を投入し、予め不揮発分0.4%に調製した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液5250部の代わりに、水5600部を使用する他は、実施例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。
〔実施例6〕
予め不揮発分0.4%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液5250部にかえて、予め不揮発分1.6%に調整したβ−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物であるマイティ150(商品名;花王社製)5250部を使用する他は実施例3と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。また、焼結原料に対するβ−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物の添加量は0.12%であった。
〔比較例1〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。このときのコークスの粒度分布は表2の比較例に示す通りである。
該焼結原料を使用する他は実施例1と同様にして焼結を行ったが、燃焼性が悪く、焼成不可であった。実施例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。
〔比較例2〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。このときのコークスの粒度分布は表2の比較例に示す通りである。該焼結原料70000部をドラムミキサーに投入し、更に、生石灰840部を投入し、予め不揮発分0.4%に調製した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液5250部の代わりに、水5600部を使用する他は、実施例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。
〔比較例3〕
予め不揮発分0.4%に調整した重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液5250部にかえて、予め不揮発分1.6%に調整したβ−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物であるマイティ150(商品名;花王社製)5250部を使用する他は比較例1と同様にして、GI指数、焼結鉱の生産性及び1mm以下の擬似粒子に含まれるコークス量を測定した。これらの結果を表3に示す。また、焼結原料に対するβ−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物の添加量は0.12%であった。
Figure 0004133766
Figure 0004133766
表3において、「注1)」は、点火直後に火が消え、焼成不可であったことを示す。

Claims (5)

  1. 粉鉄鉱石を含む製鉄用焼結原料をコークス及び/又は無煙炭存在下で造粒処理する方法であって、
    コークス及び無煙炭における0.25〜0.5mmの粒度範囲の粒子が、粉鉄鉱石を含む製鉄用焼結原料100質量%に対し、0.3〜3質量%になるようにするものであり、
    該造粒処理方法は、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する高分子化合物の存在下で行われ、
    該高分子化合物は、(メタ)アクリル酸及び/若しくはその塩を主成分とする単量体組成物を重合してなる高分子化合物、並びに/又は、β−ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物である
    ことを特徴とする製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  2. 前記高分子化合物は、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩を10モル%以上含有する単量体組成物を重合してなる
    ことを特徴とする請求項記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  3. 前記高分子化合物は、水溶液重合法により得られるものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  4. 前記高分子化合物は、重量平均分子量が1000〜100000であるものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
  5. 前記造粒処理方法は、前記コークス及び無煙炭における0.25〜0.5mmの粒度範囲の粒子が、コークス及び無煙炭100質量%に対し、12.5〜32.5質量%になるようにするものである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製鉄用焼結原料の造粒処理方法。
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