JP2003293044A - 製鉄用原料の造粒処理方法 - Google Patents

製鉄用原料の造粒処理方法

Info

Publication number
JP2003293044A
JP2003293044A JP2002103037A JP2002103037A JP2003293044A JP 2003293044 A JP2003293044 A JP 2003293044A JP 2002103037 A JP2002103037 A JP 2002103037A JP 2002103037 A JP2002103037 A JP 2002103037A JP 2003293044 A JP2003293044 A JP 2003293044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
slurry
granulation
fine powder
pseudo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002103037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4204798B2 (ja
Inventor
Tsutomu Okada
務 岡田
Yozo Hosoya
陽三 細谷
Katsuyuki Kono
克之 河野
Satoru Miura
悟 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2002103037A priority Critical patent/JP4204798B2/ja
Publication of JP2003293044A publication Critical patent/JP2003293044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4204798B2 publication Critical patent/JP4204798B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、製鉄用原料を造粒処理し擬似粒化ま
たはペレット化するのに好適に用いられる製鉄用原料の
造粒処理方法を提供する。 【解決手段】 製鉄用原料(焼結原料またはペレット原
料)を造粒処理(擬似粒化またはペレット化)するに際
し、上記製鉄用原料に、平均粒径200μm以下の微粉
のスラリーを添加して造粒処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄用原料となる
焼結鉱の製造方法またはペレットの製造方法に関わり、
製鉄用原料を造粒処理する際、特に製鉄用原料の水分を
調節して造粒し擬似粒化またはペレット化するのに好適
に用いられる製鉄用原料の造粒処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】焼結鉱の製造においては、先ず焼結原料
となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、ドラムミキサ
ー、ペレタイザー、アイリッヒミキサー等の造粒機で水
分を調節しながら造粒して擬似粒子を造る。擬似粒子と
は、一般的に、0.5mm以下の微粒子が1〜3mmの
核粒子に付着している粒子である。この際、造粒に求め
られる作用は、微粉粒子が核粒子の周りに付着する擬似
粒化性を向上すること、擬似粒子が焼結過程における湿
潤帯、乾燥帯等で崩壊し難いこと等である。焼結原料を
このように擬似粒子とすることで、焼結機上での焼結原
料充填層(焼結ベッド)中の通気性を向上し、焼結機の
生産性向上を図ることができる。
【0003】焼結原料を焼結する焼結機は下方吸引式を
採用しており、焼結原料の下側から吸引することによっ
て焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上
側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼
結原料を焼結するようになっている。このため、焼結原
料が微粉を多く含んでいると、目詰まりを起こす等して
通気性が低下し、燃料であるコークスの燃焼速度が遅く
なるので焼結機の生産効率が低下する。そこで、通気性
を改善すべく、焼結原料を造粒(擬似粒化)する等の事
前処理が必要である。該事前処理としては、例えば、焼
結原料に少量の水を添加して攪拌する等の造粒操作が行
われている。しかし、水だけを用いた造粒操作では、擬
似粒化性を向上させる効果が乏しいため、焼結原料に含
まれる微粉の量をあまり低減することができない。
【0004】このために、従来から擬似粒化性を向上さ
せる対策として、焼結原料に粘結剤として種々の造粒添
加剤を添加する方法が提案されている。造粒添加剤とし
て用いられるものは、数多く知られている。例えば、ベ
ントナイト、リグニン亜硫酸塩(パルプ廃液)、澱粉、
砂糖、糖蜜、水ガラス、セメント、ゼラチン、コーンス
ターチ等が結合剤或いは増粘剤として、その使用が検討
されている。
【0005】また、特開昭59−50129号公報に
は、特定濃度の分散剤および/または特定濃度の界面活
性剤を含有する水を用いた焼結原料の前処理方法が記載
されており、分散剤としては、平均分子量2000〜2
0000のアクリル酸系重合体、マレイン酸系重合体、
スチレンスルホン酸系重合体等が記載されている。
【0006】また、特開昭61−61630号公報に
は、平均分子量500〜300000のマレイン酸重合
体等の水溶性高分子化合物を含む焼結鉱製造用粘結剤が
記載されている。
【0007】しかしながら、これらは何れも、焼結鉱の
製造において、擬似粒化性が不十分であるという問題点
を有しており、焼結原料に含まれる微粒子の量を低減す
ることはできるものの、低減される量が不充分であるこ
とに加え、輸送時や焼結ベッドでの水分凝縮帯等での擬
似粒子の崩壊は避けられないため、その添加量が比較的
多くて高コストとなることや、使用する量の確保が困難
である等の問題があり、工業的には使用されていない。
【0008】この他にも、特開昭52−117820号
公報や特開平3−183729号公報には、鉄鉱石や炭
酸カルシウム等の微粉を添加することを特徴とするもの
の記載があるが、やはり擬似粒化性が不充分である等の
問題があり、工業的には使用されていない。
【0009】現在実用化されている造粒添加剤として
は、例えば、製鉄研究第288号(1976)9頁に開
示されている生石灰が広く使われている。これによる
と、生石灰の効果は、次のように示されている。第一
に、ミキサー内での擬似粒化の促進を図ることができ
る。第二に、擬似粒子よりなる焼結原料を特定の高さに
充填し、焼結ベッドを形成した後に表層に点火した後の
焼結過程において、乾燥、加熱する過程で擬似粒子が崩
壊することを防止し、焼結層中の均一な風の流れを保つ
ことができるとされている。
【0010】一方、ペレットの製造においては、原料と
なる鉄鉱石、ダスト、炭材等を混合した後、ペレタイザ
ー等の造粒機で水分を調節しながら造粒する。ペレット
とは、一般的に、1.0mm以下の粒子が固まって6.
0〜50mmの球状になった粒子を指す。この際、造粒
に求められる作用は、乾燥する前の生ペレットの状態で
の強度が高いこと、乾燥工程中や輸送工程中に破壊され
て粉化しないこと等である。そして、従来からペレット
の強度を向上させるために、微粉状の原料に造粒添加剤
としてベントナイトを1重量%以上加えて混練し、適量
の水を散布しながら造粒操作を行い、ペレットを製造す
る方法が提案されている。尚、ここで述べるペレットと
は、高炉原料、焼結原料、転炉原料等になるものであ
り、その製造方法等は、特に限定されるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼結鉱
の製造においては、生石灰や糖蜜等のバインダーの使用
は、一般に高価であるために製造コストの上昇を招く。
また、生石灰を用いた造粒処理方法は実用化されてはい
るものの、生石灰は吸湿し易く、このとき発熱するた
め、取り扱いに注意を要するという問題点を有してい
る。また、現在使用されている生石灰は、使用量を比較
的多くしないと充分な効果が得られないため、コストが
高くなる。よって、その使用量を極力減少させて操業し
ているのが現状である。そして、生石灰を2重量%以上
添加しても、その擬似粒化性の向上効果は頭打ちとなる
傾向にある。さらに、最近では、優良塊鉱の枯渇化と共
に、粉鉱石の劣質化も激しく、焼結原料の造粒性が以前
よりも悪化している問題がある。このために、生石灰添
加による造粒を実施しても、その効果が以前よりも小さ
くなっている。さらに、生石灰以外のバインダーは、焼
結原料に含まれる微粉の量を低減させる効果が不充分で
あり、焼結ベッドの通気性を向上させて焼結時間を短縮
する効果が小さく、かつ、得られる焼結鉱の焼結鉱強度
が弱い。焼結鉱強度が弱い焼結鉱は、例えば焼結後の破
砕時に微粉が発生し易くなるので、返鉱が多くなり成品
歩留が低下し、その生産効率が低下する。このため、生
石灰以外のバインダーを用いた造粒処理方法は実用化さ
れていない。
【0012】また、生石灰を使用した場合でも焼結原料
に含まれる微粉の量を低減させる効果はまだ充分とは言
えない状態である。これに対し、生石灰以外のバインダ
ーと生石灰とを併用するという考え方があるが、生石灰
以外の公知のバインダーには、生石灰と併用しても、焼
結原料に含まれる微粉の量を低減させる効果の高いもの
は知られていない。
【0013】それゆえ、擬似粒化性を向上させる効果に
優れ、焼結機の生産効率を向上させることができる安価
な造粒方法が求められている。
【0014】一方、ペレットの製造において、ベントナ
イトを使用すると、膨潤性が大きいために造粒時に多量
の水分を添加する必要がある。このため、生ペレットは
柔らかいために変形し易く、乾燥工程時にガスの通気性
が悪化し、充分な乾燥を行うのに長時間を要したり、強
度が低下する問題がある。さらに、ベントナイト中には
シリコン等の不純物成分が多く含まれており、溶銑、溶
鋼中のスラグの増大を招く等の問題がある。
【0015】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、安価で、製鉄用原料を造粒
処理し擬似粒化またはペレット化するのに好適に用いら
れる製鉄用原料の造粒処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、製鉄用原料に、平均
粒径200μm以下の微粉のスラリーを造粒用バインダ
ー(製鉄用造粒処理剤(造粒添加剤))として添加して
造粒処理を行うことで、擬似粒化性を著しく向上させる
ことができることを見出すと共に、上記微粉をスラリー
状で添加することで、輸送効率を向上させることがで
き、添加ラインを簡素化させることができる等の利点が
あることを見出して本発明を完成させるに至った。ま
た、本願発明者らが鋭意検討した結果、上記スラリーが
高分子化合物を含むことで、微粉の分散性を高めること
ができ、高濃度化できることもまた見出した。
【0017】すなわち、本発明にかかる製鉄用原料の造
粒処理方法は、上記の課題を解決するために、製鉄用原
料を造粒処理する方法において、上記製鉄用原料に、平
均粒径200μm以下の微粉のスラリーを添加して造粒
処理を行うことを特徴としている。
【0018】さらに、本発明にかかる製鉄用原料の造粒
処理方法は、上記の課題を解決するために、上記スラリ
ーは、重量平均分子量が500以上、1000000以
下の範囲内の高分子化合物を含んでいることを特徴とし
ている。
【0019】本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法
は、上記の課題を解決するために、上記高分子化合物
は、カルボキシル基含有モノマーを50モル%以上含む
モノマー組成物を重合してなるカルボキシル基含有高分
子化合物であることを特徴としている。
【0020】本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法
は、上記の課題を解決するために、上記高分子化合物
は、アルキレンオキサイドに由来する構造単位を有して
いることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明にかかる製鉄用原料の造粒
処理方法は、製鉄用原料(焼結原料またはペレット原
料)を混合、調湿等して造粒処理(擬似粒化またはペレ
ット化)する方法において、上記製鉄用原料に、造粒添
加剤(製鉄用造粒処理剤(造粒用バインダー)として平
均粒径200μm以下の微粉のスラリーを添加して造粒
処理を行う方法である。本発明にかかる製鉄用原料の造
粒処理方法においては、上記製鉄用原料の造粒用バイン
ダーとして平均粒径200μm以下の微粉のスラリーを
用いる。
【0022】上記スラリーに用いられる微粉としては、
鉄鉱石の微粒子やカオリンクレー、石灰石(炭酸カルシ
ウム)の微粒子、各種ダスト等、元々製鉄用原料に含ま
れている微粉(微粒子)と同種の微粉でもよいが、ドロ
マイト粉末、消石灰、フライアッシュ、シリカヒュー
ム、無水石膏等、元々製鉄用原料に含まれている微粉と
は異なる微粉でもよい。
【0023】上記微粉としては、上記した平均粒径を有
する微粉であれば特に限定されるものではないが、鉄鉱
石、鉄鋼用副原料、石灰石(炭酸カルシウム)、カオリ
ンクレー、ベントナイト、製鉄所内で発生するダスト、
シリカヒューム、フライアッシュ、無水石膏、ドロマイ
ト粉末、消石灰等の無機物の微粒子が、焼結時並びに焼
結後の強度が向上するため好ましく、そのなかでも、炭
酸カルシウム、カオリンクレーが、焼結機の生産性がさ
らに向上するので特に好ましい。
【0024】上記スラリーに用いられる微粉の平均粒径
は、200μm以下であればよいが、造粒性の向上効果
に優れていることから、その上限値が100μm以下で
あることがより好ましく、50μm以下であることがよ
り一層好ましく、30μm以下であることが特に好まし
い。上記微粉の平均粒径が200μmを越えると、バイ
ンダーとしての能力が低下する傾向にあり、高い擬似粒
化性を得ることができないため好ましくない。上記微粉
が凝集し難く、分散安定性が良い場合、粒径は小さいほ
ど造粒性がよい。このため、上記微粉の下限値は、特に
限定されるものではないが、上記平均粒径が0.01μ
m未満であれば、微粉が凝集し易い傾向にあることか
ら、より好ましくは0.01μm以上であり、さらに好
ましくは0.1μm以上である。但し、製鉄用原料によ
って分散安定化に適した粒径は異なるため、上記微粉の
平均粒径は、用いる製鉄用原料の種類によって、上記し
た範囲内において適宜設定することが好ましい。
【0025】本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理にお
いて、上記微粉の役割は、該微粉が分散された水の凝集
力を高めることにある。上記微粉を、造粒時に存在する
水、例えば造粒に使用する添加水および原料の持ち込み
水分に分散させることにより、該微粉が分散された水の
凝集力が高まり、擬似粒化性が向上されると共に、造粒
後の擬似粒子の強度や焼結時における焼結ベッド内での
擬似粒子の崩壊が軽減され、焼結後の成品歩留等を向上
させることができる。
【0026】通常、製鉄用原料中には、元々製鉄用原料
に付着、混入している微粉が含まれている。例えば、製
鉄用原料として配合される鉄鉱石には、鉄鉱石の微粉や
カオリンクレー等の粘土が付着している。また、石灰石
には、石灰石(炭酸カルシウム)の微粉等が含まれてい
る。さらに、上記したように製鉄用原料の造粒に際して
は、配合原料として、製鉄所内で発生するダスト、例え
ば高炉・焼結・転炉等で発生したダストが用いられる場
合もある。
【0027】しかしながら、これらの微粉は通常、水へ
の自己分散能が低く、そのままでは擬似粒化性を著しく
向上させることはできない。これらの微粉は、鉄鉱石等
に付着していたり、微粉自身も凝集体をつくっているこ
とが多いため、元々製鉄用原料中に含まれている微粉の
中で、水に分散し得る微粉の量は少なく、また、水の一
部が前記凝集体に捕えられる等するため、結果的に、こ
の微粉分散水の量が少なくなるため、水だけの造粒では
充分に擬似粒化させることはできない。また、水だけの
造粒で得られた擬似粒化物(擬似粒子)は、核粒子の周
りに付着した微粉の付着力が小さく、焼結原料に含まれ
る微粉の量を低減させる効果が不充分であり、焼結ベッ
ドの通気性を向上させて焼結時間を短縮する効果が小さ
い。さらに、核粒子の周りに付着した微粉の付着力が小
さい擬似粒子は、該擬似粒化物を焼結させて得られる焼
結鉱の焼結鉱強度が弱く、例えば焼結後の破砕時に微粉
が発生し易くなるので、返鉱が多くなり、成品歩留が低
下し、その生産効率が低下する。
【0028】そこで、本発明によれば、上記製鉄用原料
に、平均粒径200μm以下の微粉のスラリーを添加し
て造粒処理を行うことで、鉄鉱石と鉄鉱石の微粒子とを
結合させる造粒用バインダーとなり得る平均粒径200
μm以下の微粉のスラリーを十分な量確保することがで
きる。この結果、擬似粒化に働く造粒用バインダーを増
加させ、該造粒用バインダー自体の凝集力をも向上させ
ることができる。また、本発明によれば、造粒用バイン
ダーとして微粉のスラリーを用いること、特に、上記微
粉をスラリー状で添加することで、該微粉のスラリー、
すなわち、造粒用バインダーを製鉄用原料に均一かつ効
率良く添加、混合することができる。このため、本発明
によれば、従来よりも擬似粒化性を向上させることがで
き、微粉を添加しているにも拘らず、造粒後の微粉量は
飛躍的に減少する。
【0029】また、本発明によれば、擬似粒化に働く微
粉量が増加しているため、造粒後の擬似粒子の強度が増
加し、焼結時における焼結ベッド内での擬似粒子の崩壊
が軽減する。その結果、焼結ベッドの通気性が向上し、
焼結機の生産性を上げることができる。また、焼結後の
焼結鉱の強度、成品歩留等も向上し、焼結機の生産率を
飛躍的に向上させることができる。
【0030】しかも、本発明によれば、上記微粉をスラ
リー状にすることで輸送効率を向上させることができる
と共に、製鉄用造粒処理剤(造粒用バインダー)として
上記微粉のスラリーを用いることで、製鉄用造粒処理剤
の添加ラインを簡素化することができるため、上記造粒
処理をより安価に実施することができる。また、上記微
粉をスラリー状とすることで、製鉄用造粒処理剤を液体
として取り扱うことができるため、作業性をも向上させ
ることができる。
【0031】但し、このように微粉をスラリー状で添加
する場合、該スラリー中に含まれる微粉の濃度にもよる
が、スラリー中の微粉量が多くなると微粉が凝集し易
く、粘度が高くなる傾向にあり、上記微粉のスラリーを
製鉄用原料と均一に混合することが困難となる傾向にあ
る。また、粘度が高くなると、例えば噴霧装置を用いた
噴霧が困難となる等、添加方法が制限されたり、高粘度
水溶液を貯蔵、添加する大がかりな設備が必要であった
り、作業に支障をきたすおそれがある。この結果、作業
性が低下したり、生産効率の向上効果が十分に発揮され
ないおそれがある。このため、微粉のみを水に分散させ
て上記スラリーを得る場合、あまり高濃度化することは
できない。
【0032】そこで、本発明において、上記スラリー
は、高分子化合物、特に、重量平均分子量が500以
上、1000000以下の範囲内、好適には2000以
上、100000以下の範囲内の高分子化合物を必須成
分としてさらに含んでいることが好ましい。
【0033】上記スラリーが上記高分子化合物を必須成
分としてさらに含むことで、微粉の分散性を高めること
ができ、高濃度のスラリーを得ることができる。しか
も、高分子化合物は、配合原料(石灰石、蛇紋岩、珪石
等の副原料、ダスト等)が元々僅かに持っている平均粒
径200μm以下、好ましくは100μm以下の微粉の
凝集体および/または、配合原料(製鉄用原料)に後か
ら添加した上記スラリー中の微粉の凝集体をほぐし、平
均粒径200μm以下の微粉を水に分散させることによ
って、凝集体に捕らわれる水を解放すると共に、水に分
散される微粉量を増加させることができる。このため、
上記高分子化合物は、擬似粒化に働く造粒用バインダー
を増加させ、該造粒用バインダー自体の凝集力をも向上
させることができる。
【0034】本発明において用いられる上記高分子化合
物としては、微粉の分散性あるいはラリーの安定性を向
上する効果があれば特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルア
ルコールおよびその変性物、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート系水溶性高分子、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート系水溶性高分子、ポリビニルピロリド
ン等の水溶性ノニオン系高分子化合物;カルボキシエチ
ルセルロース、リグニンスルホン酸ナトリウム等酸基ま
たはその塩を有する半合成高分子化合物;β−ナフタレ
ンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸
塩ホルマリン縮合物、芳香族アミノスルホン酸ポリマー
等酸基またはその塩を有する縮合系高分子化合物;等が
挙げられる。
【0035】また、上記高分子化合物としては、その他
の酸基またはその塩を含有する高分子化合物が挙げられ
る。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロト
ン酸、アクリルアミドグリコール酸等のカルボキシル基
含有モノマー;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホ基含
有モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロ
イルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホ
スフェート等の酸性リン酸エステル基含有モノマー;ビ
ニルフェノール等の石炭酸系モノマー;等の酸基含有モ
ノマー、およびその塩からなる群より選ばれる少なくと
も一種のモノマーを重合成分(モノマー成分)の一つと
して重合(共重合)させることにより、酸基またはその
塩が導入された高分子化合物が挙げられる。
【0036】なお、上記モノマーとして酸基含有モノマ
ーの塩を使用する場合、その中和塩基としては、特に限
定されるものではないが、カリウムイオン、ナトリウム
イオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン等の
アルカリ土類金属イオン;アンモニウム、1級〜4級ア
ミン等の窒素含有塩基;等が挙げられる。
【0037】上記例示のモノマー由来の酸基は、一種類
のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれ
ていてもよい。これらモノマー由来の酸基のうち、カル
ボキシル基および/またはその塩が好ましく、(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、およびそれらの塩からなる群
より選ばれる少なくとも一種のカルボキシル基含有モノ
マーを重合成分の一つとして重合(共重合)させること
によって導入されるものがさらに好ましく、アクリル酸
を(共)重合させることによって導入されるものが特に
好ましい。
【0038】このような高分子化合物は、例えば、上記
カルボキシル基含有モノマーを単独で、あるいは、該カ
ルボキシル基含有モノマーと共重合可能なその他のモノ
マーをさらに含むモノマー組成物を、重合開始剤の存在
下で(共)重合することにより得ることができる。
【0039】上記高分子化合物のなかでも、アクリル酸
を(共)重合することによって得られるカルボキシル基
含有高分子化合物がより好ましく、上記カルボキシル基
含有高分子化合物としては、(a)ポリアクリル酸、
(b)ポリアクリル酸が含有するカルボキシル基の一部
あるいは全部がナトリウム、カリウム、カルシウム、ア
ンモニアからなる群より選ばれる少なくとも一種で中和
されたポリアクリル酸塩からなる群より選ばれる少なく
とも一種のポリアクリル酸系ポリマーであることがより
好ましい。
【0040】また、上記高分子化合物は、カルボキシル
基を含有すると共に、アルキレンオキサイドに由来する
構造単位(アルキレンオキサイドユニット)を含有して
いてもよい。
【0041】このためには、例えば、上記カルボキシル
基含有モノマーに、アルキレンオキサイドユニット含有
モノマーとして、ポリアルキレングリコール鎖を含有す
るモノマーを重合成分の一つとして共重合させてもよ
い。ポリアルキレングリコール鎖を含有するモノマーと
しては、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール
モノメタアクリル酸エステル、メトキシポリエチレング
リコールモノメタクリル酸エステル、メトキシポリエチ
レングリコールモノアクリル酸エステル等のポリアルキ
レングリコール(メタ)アクリル酸エステル;3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを付
加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエ
ーテルモノマー;アリルアルコールにエチレンオキサイ
ドを付加してなるポリエチレングリコールモノエテニル
エーテルモノマー;無水マレイン酸にポリエチレングリ
コールを付加させたマレイン酸ポリエチレングリコール
ハーフエステル;等を挙げることができるが、特に限定
されるものではない。これらポリアルキレングリコール
鎖含有モノマーは、一種類または二種類以上使用するこ
とができる。
【0042】上記ポリアルキレングリコール鎖含有モノ
マーのなかでも、エチレンオキサイド換算で5mol以
上、100mol以下、好適には10mol以上、10
0mol以下の鎖長のポリアルキレングリコール鎖を含
有するモノマーが、入手が容易であり、また、擬似粒化
性の向上させる上で好ましく、また、重合性の面から良
好である。
【0043】また、上記モノマー組成物は、酸基または
その塩を含有するモノマーに加え、共重合可能なその他
のモノマーを含んでいてもよい。すなわち、本発明にお
いて分散剤として用いられる上記高分子化合物は、カル
ボキシル基等の酸基を含有する上記のモノマーの他に、
必要に応じて、共重合可能なその他のモノマー(以下、
共重合性モノマーと記す)に由来する構造単位を含んで
いてもよい。該共重合性モノマーとしては、具体的に
は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の、(メ
タ)アクリル酸と炭素数1〜18の一価アルコールとの
エステル化物である(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸シクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とポリプロ
ピレングリコールとのモノエステル化物、等のヒドロキ
シル基含有(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビ
ニルトルエン、α−メチルスチレン、エチルビニルベン
ゼン、クロロメチルスチレン、等のスチレンおよびその
誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、等の(メ
タ)アクリルアミドおよびその誘導体;酢酸ビニル;
(メタ)アクリロニトリル;N−ビニル−2−ピロリド
ン;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジ
ン、ビニルイミダゾール等の塩基含有モノマー;N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド等の、架橋性を有する(メタ)
アクリルアミド系モノマー;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
イルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−
メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン
等の、加水分解性を有する基がケイ素原子に直結してい
るシラン系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のエポ
キシ基含有モノマー;2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリ
ン基含有モノマー;2−アジリジニルエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジ
リジン基含有モノマー;フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基含有モ
ノマー;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価ア
ルコールとのエステル化物等の、分子内に不飽和基を複
数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;メチレン
ビス(メタ)アクリルアミド等の、分子内に不飽和基を
複数有する多官能(メタ)アクリルアミド;ジアリルフ
タレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート等
の、分子内に不飽和基を複数有する多官能アリル化合
物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これ
ら共重合性モノマーは、必要に応じて、一種類を用いて
もよく、また、二種類以上を用いてもよい。
【0044】さらに、上記モノマー組成物には、分子量
の調節を目的として、連鎖移動剤を添加することもでき
る。該連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、メル
カプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデ
シルメルカプタン等のメルカプト基含有化合物;次亜リ
ン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸化合物;亜
硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸
塩;四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;
等の連鎖移動係数の高い化合物が挙げられる。
【0045】上記酸基またはその塩を有する高分子化合
物を重合する際に、原料の全モノマーに占める酸基また
はその塩を含有するモノマーの割合(組成比)は、特に
限定されるものではないが、下限値が好ましくは50モ
ル%であり、より好ましくは60モル%であり、より一
層好ましくは80モル%であり、最も好ましくは90モ
ル%である。
【0046】また、上記高分子化合物が上記カルボキシ
ル基含有モノマーに由来する構成単位を含むと共に、上
記アルキレンオキサイドユニット含有モノマーに由来す
る構成単位を含んでいる場合、すなわち、上記モノマー
組成物が、カルボキシル基含有モノマーの他に、アルキ
レンオキサイドユニット含有モノマーを含有している場
合、該モノマー組成物は、カルボキシル基含有モノマー
を5モル%以上含んでいることが好ましく、10モル%
以上含んでいることがより好ましい。また、上記モノマ
ー組成物におけるアルキレンオキサイドユニット含有モ
ノマーの組成比は、1モル%以上、80モル%以下の範
囲内が好ましく、10モル%以上、70モル%以下の範
囲内がより好ましい。
【0047】上記高分子化合物の製造方法、つまり、上
記モノマー組成物の重合方法は、特に限定されるもので
はなく、従来公知の種々の重合法、例えば、水中油型乳
化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合
法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合
法等を採用することができる。上記例示の重合方法のな
かでも、重合コスト(生産コスト)の低減並びに安全性
等の観点から、水溶液重合法が好ましい。
【0048】上記の重合法に用いられる重合開始剤は、
熱または酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を
発生させる化合物であればよい。また、水溶液重合法を
採用する場合においては、水溶性を備えた重合開始剤が
好ましい。該重合開始剤としては、具体的には、例え
ば、酸素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス−
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビ
ス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;
過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素およびアス
コルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイドおよび
ロンガリット、過硫酸カリウムおよび金属塩、過硫酸ア
ンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム、等の組み合わ
せからなるレドックス系重合開始剤;等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら重合開始剤
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。尚、重合開始剤の使用量は、モノマー組
成物の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0049】反応温度や反応時間等の重合条件は、モノ
マー組成物の組成や、重合開始剤の種類等に応じて適宜
設定すればよいが、反応温度は0〜150℃の範囲内で
あることがより好ましく、40〜120℃の範囲内であ
ることがさらに好ましい。また、反応時間は1〜15時
間程度が好適である。水溶液重合法を採用する場合にお
けるモノマー組成物の反応系への供給方法としては、例
えば、一括添加法、分割添加法、成分滴下法、パワーフ
ィード法、多段滴下法等を行うことができるが、特に限
定されるものではない。重合反応は常圧下、減圧下、加
圧下の何れで行ってもよい。
【0050】上記高分子化合物の合成に際し、水溶液重
合法を採用した場合に得られるポリマー水溶液中に含ま
れる、上記高分子化合物を含む不揮発分の濃度は、特に
限定されるものではない。
【0051】上記高分子化合物は、一種類のみを用いて
もよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記
高分子化合物のなかでも、酸基および/またはその塩を
有する高分子化合物、特に、カルボキシル基含有モノマ
ーに由来する構造単位を有するカルボキシル基含有高分
子化合物が好適に用いられる。酸基またはその塩を有す
る上記高分子化合物の重量平均分子量は、1000以
上、500000以下の範囲内であることがより好まし
く、その上限値(重量平均分子量)は、100000で
あることがより一層好ましい。上記重量平均分子量が、
1000未満の場合、擬似粒化性が低下する傾向にあ
り、500000を超える場合、該高分子化合物を用い
たスラリーの粘度が高くなりすぎ、スラリーが鉄鉱石に
充分に廻らなくなり、擬似粒化性が低下するおそれがあ
る。上記高分子化合物の中でも、重量平均分子量が10
00以上、100000以下の範囲内のポリアクリル酸
ナトリウムまたはポリアクリル酸アンモニウムが、微粒
子の分散性が高く、また、安価であるため、最も好適に
使用できる。
【0052】本発明によれば、上記カルボキシル基含有
高分子化合物の使用量が鉄鉱石に対して0.1重量%以
下でも、造粒された擬似粒子のGI指数として、従来の
バインダーに比べ、非常に高いGI指数を得ることがで
きる。なお、造粒された擬似粒子のGI指数とは、核粒
子の周りに付着する微粉粒子の割合を示す値であり、こ
の値が大きいものほど造粒性が良好で、焼結時の通気性
が向上し、焼結機の生産効率が高くなる。
【0053】焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料等)に対
する上記スラリー状の微粉の添加量(比率)は、0.0
1重量%以上、30重量%以下の範囲内であることが好
ましく、0.1重量%以上、20重量%以下の範囲内で
あることがより好ましい。上記添加量が0.01重量%
未満である場合は、焼結ベット中での擬似粒子の崩壊を
防止する効果が得られ難く、擬似粒化の促進効果も小さ
く、微粉はあまり減少しない。また、30重量%よりも
多い場合は、多量のスラグ等の廃棄物が増えたり、微粉
分が逆に増加し、通気性が低下するため、焼結機の生産
性が低下する虞れがある。
【0054】また、ペレット原料(鉄鉱石、ダスト、炭
材等)に対する上記スラリー状の微粉の添加量(比率)
は、0.01重量%以上、30重量%以下の範囲内であ
ることが好ましく、0.1重量%以上、20重量%以下
の範囲内であることがより好ましい。上記添加量が0.
01重量%未満である場合は、焼結ベット中での擬似粒
子の崩壊を防止する効果が得られ難く、擬似粒化の促進
効果も小さく、微粉はあまり減少しない。また、30重
量%よりも多い場合は、多量のスラグ等の廃棄物が増え
たり、微粉分が逆に増加し、通気性が低下するため、焼
結機の生産性が低下する虞れがある。
【0055】焼結原料に対して添加される水の割合は、
造粒時に添加される水と原料中に含まれる持ち込み水分
との合計量が、焼結原料に対し、最終的に、4重量%以
上、15重量%以下となるように設定されることが好ま
しく、5重量%以上、12重量%以下となるように設定
されることがより好ましい。
【0056】ペレット原料に対して添加される水の割合
は、造粒時に添加される水と原料中に含まれる持ち込み
水分との合計量が、ペレット原料に対し、最終的に、5
重量%以上、50重量%以下となるように設定されるこ
とが好ましく、7重量%以上、30重量%以下となるよ
うに設定されることがより好ましい。
【0057】上記スラリー中における上記微粉の含有量
は、上記微粉、あるいは、上記微粉と併用する高分子化
合物との組み合わせにより適宜設定することが好ましい
が、通常0.01重量%〜90重量%の範囲内であり、
好ましくは0.03重量%〜85重量%の範囲内であ
る。上記スラリーは、高粘度になりすぎたり、安定性が
損なわれない範囲で高濃度に調整しておくことが、設備
上、スラリータンクの容量が小さくてすむことから有利
である。この場合、造粒時に、上記スラリーと残りの添
加水とを別々に添加してもよいし、スラリーと残りの添
加水とを予め混合してから添加してもよい。しかしなが
ら、上記スラリーは、作業上、所望の粘度になるように
予め低濃度に調整しても構わない。この場合、添加水量
の制限等から、所望の量の微粉が添加できない場合は、
微粉のスラリーと微粉の粉体とを併用、つまり、微粉の
添加量が所望の量となるように微粉を別途添加してもよ
い。
【0058】上記スラリーは、造粒装置への添加直前の
粘度が好ましくは10000cP以下、最も好ましくは
5000cP以下に調整することが好ましい。上記粘度
が10000cPを越えると、造粒時に製鉄用原料と混
ざり難くなり、擬似粒化度の偏りができたり、微粉や製
鉄用原料の塊が生成したりして、生産に悪影響を与える
ことがある。
【0059】このため、上記スラリーに高分子化合物を
配合する場合、上記スラリー中における上記高分子化合
物の含有量は、特に限定されるものではないが、0.0
1重量%以上、30重量%以下の範囲内であることが好
ましく、0.1重量%以上、20重量%以下の範囲内で
あることがより好ましい。上記スラリー中における上記
高分子化合物の含有量が30重量%を超えると、スラリ
ーの粘度が増加し、造粒時に製鉄用原料と混ざり難くな
り、擬似粒化度の偏りができたり、微粉や製鉄用原料の
塊が生成したりして、生産に悪影響を与えることがあ
る。一方、上記スラリー中の高分子化合物の含有量が
0.01重量%未満の場合、上記高分子化合物を配合す
ることによる効果を十分に発揮することができず、上記
スラリーを十分に高濃度化することができないおそれが
ある。なお、上記スラリー中における高分子化合物の含
有量は、焼結原料の鉱石の造粒性や、水分添加量、用い
る微粉や高分子化合物の種類、並びに使用する造粒機等
によって左右されるが、できるだけ少量となるように設
計することが望ましい。
【0060】上記スラリーに高分子化合物を配合する場
合、微粉に対する上記高分子化合物の使用量は、用いる
高分子化合物並びに微粉の種類にもよるが、微粉に対し
て0.003重量%以上、1000重量%以下の範囲内
であることが好ましく、0.1重量%以上、100重量
%以下の範囲内であることがより好ましい。
【0061】また、上記高分子化合物は、用いる高分子
化合物並びに微粉の種類にもよるが、製鉄用原料に対
し、2重量%以下の範囲内において用いることが好まし
く、1重量%以下の範囲内において用いることがより好
ましく、0.5重量%以下の範囲内において用いること
がさらに好ましい。製鉄用原料に対して上記高分子化合
物を2重量%を越えて使用すると、全体がスラリー状あ
るいは固まりになり、結果的に出来上がった粒子(固ま
り)内の通気性が悪化するため好ましくない。
【0062】なお、上記スラリーに高分子化合物を配合
する場合、上記高分子化合物は、その一部のみを配合
し、残りを上記スラリーとは別に、上記製鉄用原料に添
加してもよい。つまり、上記高分子化合物は、上記微粉
もしくは製鉄用原料に対する添加量が所望の添加量以下
となるように上記スラリーに配合すると共に、上記高分
子化合物の総使用量が最終的に所望の添加量となるよう
に上記スラリーとは別に上記製鉄用原料に添加してもよ
い。
【0063】また、上記スラリーは、該スラリーを製鉄
用原料の造粒に用いた場合における擬似粒化性の向上効
果を阻害しない範囲内で、あるいはさらに擬似粒化性を
向上するために、必要に応じて、他の成分、例えば従来
公知の他の造粒添加剤をさらに含んでいても構わない。
【0064】本発明において、上記スラリーの調整方法
は、製鉄用原料に添加する前に、水と上記微粉、あるい
は、水と上記微粉と上記高分子化合物との三者を混合す
る工程があれば特に限定されるものではない。スラリー
が水と上記微粉と上記高分子化合物との三者からなる場
合、水に、上記微粉と上記高分子化合物とを同時にある
いは何れかを先に添加、混合することが好ましいが、上
記微粉と上記高分子化合物とを混合した後に水と混合し
てもよい。
【0065】上記微粉は、予め水や高分子化合物と混合
することにより、スラリー状とし、スラリー状態で製鉄
用原料に添加、混合される。なお、上記スラリーを構成
する上記した各成分の混合方法は、特に限定されるもの
ではなく、ホモミキサー等の公知のミキサーやボールミ
ル等の粉砕機を用いて混合することができる。本願発明
者らが鋭意検討した結果、上記微粉をスラリー状態で上
記製鉄用原料に添加することで、上記微粉を粉体のまま
上記製鉄用原料に添加して造粒を行う場合と比較して擬
似粒化性の向上効果が高いことが判った。
【0066】製鉄用原料への上記スラリーの添加方法と
しては、特に限定されるものではなく、スラリーを、製
鉄用原料(焼結原料またはペレット原料)に最初から混
合してもよく、造粒時に製鉄用原料に散布(噴霧)して
もよい。
【0067】上記スラリーの製鉄用原料(焼結原料また
はペレット原料)に対する添加量は、上記微粉の添加量
と上記スラリーにおける微粉の濃度に従い容易に設定で
きるが、所望の微粉添加量以下となるように設定し、微
粉粉体と併用、つまり、微粉を別途添加してもよい。
【0068】以上のように、本発明によれば、上記製鉄
用原料に、製鉄用造粒処理剤(造粒用バインダー)とし
て上記微粉のスラリーを添加して造粒処理を行うこと
で、擬似粒化に用いられる造粒用バインダーの量を十分
に確保することができ、しかも、該造粒用バインダーを
製鉄用原料に均一かつ効率良く混合することができるの
で、擬似粒化性を著しく向上させ、擬似粒子の強度を上
げ、焼結時の通気性を向上させ、焼結機の生産性(生産
率)を向上させることができる。この結果、造粒された
擬似粒子の高いGI指数を得ることができる。
【0069】また、本発明によれば、副原料や燃料等を
含む製鉄用原料の各銘柄の粒度分布、造粒性、組成等に
応じて、製鉄用原料の一部を混合・混練・造粒した後、
これを残りの製鉄用原料に混合して造粒する処理方法に
ついても、本発明にかかる造粒処理方法を用いて、上記
スラリーを上記製鉄用原料に添加することにより、擬似
粒化することができる。例えば、製鉄用原料の一部が難
造粒性を示す場合には、この難造粒性の製鉄用原料に上
記スラリーを添加することにより、擬似粒化性を向上さ
せることができる。
【0070】本発明によれば、製鉄用原料や造粒機、上
記スラリーを添加するタイミングや場所等の組み合わせ
を自由に選択することができ、従ってその組み合わせ
は、特に限定されるものではない。つまり、複数の処理
工程を有し、各処理方法と、上記スラリーを組み合わせ
る造粒処理においても、本発明にかかる造粒処理方法を
適用して上記スラリーを製鉄用原料に添加することによ
り、擬似粒化することができる。勿論、公知の擬似粒化
方法(手段)に対しても有効である。
【0071】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。本発明は請求項に示した範囲で
種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示
された技術手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に
ついても本発明の技術的範囲に含まれる。尚、実施例お
よび比較例に記載の「部」は「重量部」を示し、「%」
は「重量%」を示す。
【0072】実施例および比較例における重量平均分子
量、GI指数、スラリーの粘度、微粉の平均粒径は、下
記方法により測定した。
【0073】(重量平均分子量)重量平均分子量は、G
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測
定した。測定条件は以下の通りである。 ポンプ:「L−7110」(株式会社日立製作所製) キャリア液:リン酸水素二ナトリウム十二水和物34.
5gおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物46.2g
に超純水を加えて全量を5000gとした。 流速:0.5ml/min カラム:水系GPCカラム「GF−7MHQ」(昭和電
工株式会社製)1本 検出器:紫外線(UV)検出器「L−7400」(株式
会社日立製作所製)、波長214nm 分子量標準サンプル:ポリアクリル酸ナトリウム(創和
科学株式会社製) 分析サンプルは、高分子化合物が固形分で0.1重量と
なるように上記キャリア液で希釈することにより調整し
た。
【0074】ただし、実施例7および8で得られる高分
子化合物については以下の測定条件を適用した。 機種:WatersLCM1 キャリア液:水10999gとアセトニトリル6001
gとの混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを
溶解し、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液でpH
6.0に調整した溶離液を用いた。 流速:0.8ml/min カラム:水系GPCカラム「TSKgelGuardC
olumnSWXL+G4000SWXL+G3000
SWXL+G2000SWXL」(東ソー株式会社製) カラム温度:35℃ 検出器:Waters410示差屈折検出器(Wate
rs社製) 分子量標準サンプル:ポリエチレングリコール 分析サンプルは、高分子化合物が固形分で0.1重量と
なるように上記キャリア液で希釈することにより調整し
た。
【0075】(GI指数)造粒操作を行って得られた擬
似粒子を80℃のオーブンで1時間乾燥した後、ふるい
を用いて分級することにより、その粒度(擬似粒度)並
びに平均粒径を求めた。造粒された擬似粒子のGI指数
とは、製鉄研究第288号(1976)9頁に開示され
ている評価方法の一つであり、核粒子の周りに付着する
微粉粒子の割合を示す。以下の測定においては、造粒後
の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数を求め
た。
【0076】0.25mm以下の擬似粒子のGI指数
(擬似粒化指数)は以下の式により計算した。 GI指数=(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−
造粒後の0.25mm以下の原料の比率)/(造粒前の
0.25mm以下の原料の比率)×100 (成品歩留、焼結鉱強度、生産率)成品歩留は、焼結鍋
試験において、焼結後の焼結鉱(シンターケーキ)50
kgを2mの高さから鉄板上に5回落下させたときの、
粒径5mm以上の粒度を有する粒子の割合を測定するこ
とにより評価した。
【0077】焼結鉱強度は、以下の強度測定方法(S
I:シャッターインデックス)により測定した。焼結鉱
強度は、上記成品歩留評価後の焼結鉱(粒径5mm以
上)を粒度分布が変わらないように10kg採取し、2
mの高さからさらに4回鉄板上に落下させたときの、粒
径5〜10mmの粒度を有する粒子の割合を測定するこ
とにより評価した。
【0078】生産率は、以下の式 生産率(t/day/m2)=成品歩留評価後の粒径5
mm以上の粒度を有する粒子の総重量(t)/焼結時間
(day)/焼結機(鍋)の表面積(m2) により算出した。
【0079】(スラリーの粘度)BROOK FIEL
D粘度計(型式DV−I+、BROOK FIELD社
製)を使用し、スラリー調整後、3分間経過時の値を読
み取った。
【0080】(微粉の平均粒径)イオン交換水を溶媒と
して用いて、散乱式粒度分布測定装置LA−910W
(堀場製作所製)により測定した。但し、水酸化カルシ
ウムのみ、エタノール溶媒中で測定した。
【0081】〔実施例1〕攪拌機およびコンデンサを備
えた容量5Lのセパラブルフラスコ(SUS316製)
に、イオン交換水805.5部および連鎖移動剤として
の45%次亜リン酸ナトリウム−水和物水溶液40.1
部を仕込み、攪拌下、系の沸点(100℃)まで昇温し
た。続いて、上記セパラブルフラスコ内に、カルボキシ
ル基含有モノマーとしての80%アクリル酸水溶液21
26.1部、並びに、重合開始剤としての15%過硫酸
ナトリウム水溶液112.4部および45%次亜リン酸
ナトリウム一水和物水溶液160.2部を滴下した。上
記80%アクリル酸水溶液、15%過硫酸ナトリウム水
溶液、45%次亜リン酸ナトリウム一水和物水溶液は、
それぞれ別々の滴下口より滴下した。80%アクリル酸
水溶液は180分間で滴下した。15%過硫酸ナトリウ
ム水溶液は185分間で滴下した。45%次亜リン酸ナ
トリウム一水和物水溶液は180分間で滴下した。滴下
時間中、反応温度は系の沸点を維持した。滴下終了後、
同温度に5分間保持した後、中和剤としての48%水酸
化ナトリウム水溶液1889.0部を60分間かけて滴
下することにより、ポリマー水溶液(A)を得た。この
ようにして得られたポリマー水溶液(A)中のポリマー
(高分子化合物(A))の重量平均分子量は6200で
あった。
【0082】次に、上記ポリマー水溶液(A)を固形分
換算で70部となるように採取し、これをイオン交換水
で希釈して2460部にした。続いて、このポリマー水
溶液をホモミキサーを使用して2000rpmで攪拌し
ながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子(造粒
用バインダー)としての「スーパーSS」(丸尾カルシ
ウム株式会社製重質炭酸カルシウム、平均粒径7.6μ
m)2800部を混合し、さらに3000rpmで5分
間保持することにより、本発明にかかる製鉄用造粒処理
剤としてのスラリー(1)を得た。該スラリー(1)の
粘度は60cPであった。一方、表1に示す組成を有す
る焼結原料(製鉄用原料)を調製した。但し、焼結原料
の組成は絶乾換算での重量%であり、配合後に全体の水
分量が5.5%になるように調整した。
【0083】
【表1】
【0084】上記の焼結原料74074部をドラムミキ
サーに投入し、回転速度24min -1で1分間、予備攪
拌した。その後、同回転速度で攪拌しながら、該焼結原
料に、予め調製した上記スラリー(1)2630部を、
霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧した。焼結原料
に対する前記高分子化合物(A)の割合は0.05%で
あった。噴霧後、さらに同回転速度で3分間攪拌するこ
とにより、造粒操作を行った。
【0085】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで1時間乾燥
した後、ふるいを用いて分級することにより、擬似粒子
のGI指数を求めた。この結果をまとめて表2に示す。
【0086】〔実施例2〕実施例1で得られたポリマー
水溶液(A)を固形分換算で70部となるように採取
し、これをイオン交換水で希釈して2460部にした。
続いて、このポリマー水溶液をホモミキサーを使用して
2000rpmで攪拌しながら、該ポリマー水溶液に3
0分程度で微粒子(造粒用バインダー)としての「アル
ファコート」(ECC international incorporated社製カ
オリンクレー、平均粒径2.7μm)2800部を混合
し、さらに3000rpmで5分間保持することによ
り、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤としてのスラリー
(2)を得た。該スラリー(2)の粘度は4400cP
であった。
【0087】その後、実施例1において、スラリー
(1)に代えて上記スラリー(2)を用いて実施例1と
同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水
分を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで
1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することによ
り、擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて
表2に示す。
【0088】〔実施例3〕攪拌機およびコンデンサを備
えた容量5Lのセパラブルフラスコ(SUS316製)
に、イオン交換水805.5部を仕込み、攪拌下、系の
沸点(100℃)まで昇温した。続いて、上記セパラブ
ルフラスコ内に、カルボキシル基含有モノマーとしての
80%アクリル酸水溶液2126.1部、重合開始剤と
しての15%過硫酸ナトリウム水溶液112.4部、お
よび連鎖移動剤としての45%次亜リン酸ナトリウム一
水和物水溶液88.5部を滴下した。上記80%アクリ
ル酸水溶液、15%過硫酸ナトリウム水溶液、45%次
亜リン酸ナトリウム一水和物水溶液は、それぞれ別々の
滴下口より滴下した。80%アクリル酸水溶液は180
分間で滴下した。15%過硫酸ナトリウム水溶液は18
5分間で滴下した。45%次亜リン酸ナトリウム一水和
物水溶液は180分間で滴下した。滴下時間中、反応温
度は系の沸点を維持した。滴下終了後、同温度に5分間
保持した後、中和剤としての48%水酸化ナトリウム水
溶液1889.0部を60分間かけて滴下することによ
り、ポリマー水溶液(B)を得た。このようにして得ら
れたポリマー水溶液(B)中のポリマー(高分子化合物
(B))の重量平均分子量は12200であった。
【0089】次に、上記ポリマー水溶液(B)を固形分
換算で70部となるように採取し、これをイオン交換水
で希釈して2460部にした。続いて、このポリマー水
溶液をホモミキサーを使用して2000rpmで攪拌し
ながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子(造粒
用バインダー)としての「アルファコート」(ECC社
製カオリンクレー、平均粒径2.7μm)2800部を
混合し、さらに3000rpmで5分間保持することに
より、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤としてのスラリ
ー(3)を得た。該スラリー(3)の粘度は4100c
Pであった。
【0090】その後、実施例1において、スラリー
(1)に代えて上記スラリー(3)を用いて実施例1と
同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水
分を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで
1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することによ
り、擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて
表2に示す。
【0091】〔実施例4〕攪拌機およびコンデンサを備
えた容量5Lのセパラブルフラスコ(SUS316製)
に、イオン交換水805.5部および連鎖移動剤として
の45%次亜リン酸ナトリウム一水和物水溶液40.1
部を仕込み、攪拌下、系の沸点(100℃)まで昇温し
た。続いて、上記セパラブルフラスコ内に、カルボキシ
ル基含有モノマーとしての80%メタクリル酸水溶液2
126.1部、重合開始剤としての15%過硫酸ナトリ
ウム水溶液112.4部、および45%次亜リン酸ナト
リウム一水和物水溶液160.2部を滴下した。上記8
0%メタクリル酸水溶液、15%過硫酸ナトリウム水溶
液、45%次亜リン酸ナトリウム一水和物水溶液は、そ
れぞれ別々の滴下口より滴下した。80%アクリル酸水
溶液は180分間で滴下した。15%過硫酸ナトリウム
水溶液は185分間で滴下した。45%次亜リン酸ナト
リウム一水和物水溶液は180分間で滴下した。滴下時
間中、反応温度は系の沸点を維持した。滴下終了後、同
温度に10分間保持した後、中和剤としての48%水酸
化ナトリウム水溶液1595.1部を60分間かけて滴
下することにより、ポリマー水溶液(C)を得た。この
ようにして得られたポリマー水溶液(C)中のポリマー
(高分子化合物(C))の重量平均分子量は6300で
あった。
【0092】次に、上記ポリマー水溶液(C)を固形分
換算で70部となるように採取し、これをイオン交換水
で希釈して2460部にした。続いて、このポリマー水
溶液をホモミキサーを使用して2000rpmで攪拌し
ながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子(造粒
用バインダー)としての「スーパーSS」(丸尾カルシ
ウム株式会社製重質炭酸カルシウム、平均粒径7.6μ
m)2800部を混合し、さらに3000rpmで5分
間保持することにより、本発明にかかる製鉄用造粒処理
剤としてのスラリー(4)を得た。該スラリー(4)の
粘度は55cPであった。
【0093】その後、実施例1において、スラリー
(1)に代えて上記スラリー(4)を用いて実施例1と
同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水
分を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで
1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することによ
り、擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて
表2に示す。
【0094】〔実施例5〕攪拌機およびコンデンサを備
えた容量1Lのセパラブルフラスコ(SUS316製)
に、イオン交換水355部、カルボキシル基含有モノマ
ーとしての無水マレイン酸98部、および中和剤として
の水酸化ナトリウム80部を仕込んで中和させ、攪拌
下、系の沸点(100℃)まで昇温した。続いて、上記
セパラブルフラスコ内に、カルボキシル基含有モノマー
としての40%アクリル酸水溶液180部、重合開始剤
としての10%過硫酸ナトリウム水溶液100部、およ
び14%過酸化水素水溶液100部を滴下した。上記4
0%アクリル酸水溶液、10%過硫酸ナトリウム水溶
液、14%過酸化水素水溶液は、それぞれ別々の滴下口
より4時間かけて滴下した。滴下時間中、反応温度は系
の沸点を維持した。滴下終了後、同温度に60分間保持
した後、中和剤としての49%水酸化ナトリウム水溶液
57部を60分間かけて滴下することにより、ポリマー
水溶液(D)を得た。このようにして得られたポリマー
重合体水溶液(D)中のポリマー(高分子化合物
(D))の重量平均分子量は5900であった。
【0095】次に、上記ポリマー水溶液(D)を固形分
換算で70部となるように採取し、これをイオン交換水
で希釈して2460部にした。続いて、このポリマー水
溶液をホモミキサーを使用して2000rpmで攪拌し
ながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子(造粒
用バインダー)としての「ブリリアント1500」(白
石工業株式会社製軽質炭酸カルシウム、平均粒径1.1
μm)2800部を混合し、さらに3000rpmで5
分間保持することにより、本発明にかかる製鉄用造粒処
理剤としてのスラリー(5)を得た。該スラリー(5)
の粘度は120cPであった。
【0096】その後、実施例1において、スラリー
(1)に代えて上記スラリー(5)を用いて実施例1と
同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水
分を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで
1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することによ
り、擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて
表2に示す。
【0097】〔実施例6〕攪拌機およびコンデンサを備
えた容量1Lのセパラブルフラスコ(SUS316製)
に、イオン交換水1400部を仕込み、攪拌下、系の沸
点(100℃)まで昇温した。続いて、上記セパラブル
フラスコ内に、カルボキシル基含有化合物としての80
%アクリル酸水溶液578.5部および重合開始剤とし
ての15%過硫酸アンモニウム水溶液62.5部をそれ
ぞれ別々の滴下口より2時間かけて滴下した。滴下時間
中、反応温度は系の沸点を維持した。滴下終了後、同温
度に120分間保持した後、中和剤としての48%水酸
化ナトリウム水溶液353部を60分間かけて滴下する
ことにより、ポリマー水溶液(E)を得た。このように
して得られたポリマー水溶液(E)中のポリマー(高分
子化合物(E))の重量平均分子量は48200であっ
た。
【0098】次に、上記ポリマー水溶液(E)を固形分
換算で70部となるように採取し、これをイオン交換水
で希釈して2460部にした。続いて、このポリマー水
溶液をホモミキサーを使用して2000rpmで攪拌し
ながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子(造粒
用バインダー)としての「スーパーSS」(丸尾カルシ
ウム株式会社製重質炭酸カルシウム、平均粒径7.6μ
m)2800部を混合し、さらに3000rpmで5分
間保持することにより、本発明にかかる製鉄用造粒処理
剤としてのスラリー(6)を得た。該スラリー(6)の
粘度は55cPであった。
【0099】その後、実施例1において、スラリー
(1)に代えて上記スラリー(6)を用いて実施例1と
同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水
分を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで
1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することによ
り、擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて
表2に示す。
【0100】〔実施例7〕温度計、撹拌機、滴下ロー
ト、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製の反
応容器にイオン交換水1698部を仕込み、撹拌下に反
応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱
した。
【0101】一方、ポリアルキレングリコール鎖含有モ
ノマーとしてのメトキシポリエチレングリコールモノメ
タクリル酸エステル(エチレンオキシドの平均付加モル
数=25)1668部、酸基含有モノマーとしてのメタ
クリル酸332部およびイオン交換水500部を混合
し、この混合物にさらに連鎖移動剤としてメルカプトプ
ロピオン酸16.7部を均一に混合することにより、モ
ノマー混合物水溶液を調製した。
【0102】次いで、このモノマー混合物水溶液と、重
合開始剤としての10%過硫酸アンモニウム水溶液とを
それぞれ滴下ロートに仕込み、このモノマー混合物水溶
液と、10%過硫酸アンモニウム水溶液184部とを上
記反応容器内のイオン交換水に4時間で滴下した。滴下
終了後、上記反応容器内の反応溶液に、さらに、10%
過硫酸アンモニウム水溶液46部を1時間で滴下した。
その後、上記反応容器内の反応溶液を、1時間引き続い
て80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。その
後、この反応溶液を30%水酸化ナトリウム水溶液で中
和して不揮発分の濃度が43.2%であるポリマー水溶
液(F)を得た。このようにして得られたポリマー水溶
液(F)中のポリマー(高分子化合物(F))の重量平
均分子量は23800であった。
【0103】次に、上記ポリマー水溶液(F)を固形分
換算で140部となるように採取し、これをイオン交換
水で希釈して2530部にした。続いて、このポリマー
水溶液woホモミキサーを使用して2000rpmで攪
拌しながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子
(造粒用バインダー)としての「ブリリアント150
0」(白石工業株式会社製軽質炭酸カルシウム、平均粒
径1.1μm)2800部を混合し、さらに3000r
pmで5分間保持することにより、本発明にかかる製鉄
用造粒処理剤としてのスラリー(7)を得た。該スラリ
ー(7)の粘度は45cPであった。
【0104】その後、実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて上記スラリー(7)2665
部を用いて実施例1と同様の造粒操作を行い、得られた
擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子
を80度のオーブンで1時間乾燥した後、ふるいを用い
て分級することにより、擬似粒子のGI指数を求めた。
この結果をまとめて表2に示す。
【0105】〔実施例8〕温度計、撹拌機、滴下ロー
ト、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製の反
応容器に、イオン交換水1291部と、ポリアルキレン
グリコール鎖含有モノマーとしての、3−メチル−3−
ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを平均50モ
ル付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニ
ルエーテルモノマー1812部と、酸基含有モノマーと
しての無水マレイン酸188部とを仕込み、反応溶液と
した。次いで、この反応溶液を60℃に昇温した。
【0106】続いて、この反応溶液に、重合開始剤とし
ての「NC−32W」(商品名;日宝化学社製、2,
2’−アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩の
87%濃度品)の15%水溶液50部を加えて7時間攪
拌し、さらに温度を80℃まで上昇した後、1時間攪拌
して重合反応を完結させた。
【0107】その後、この反応溶液を30%水酸化ナト
リウム水溶液で中和して不揮発分の濃度が55.1%で
あるポリマー水溶液(G)を得た。このようにして得ら
れたポリマー水溶液(G)中のポリマー(高分子化合物
(G))の重量平均分子量は26200であった。
【0108】次に、上記ポリマー水溶液(G)を固形分
換算で140部となるように採取し、これをイオン交換
水で希釈して2460部にした。続いて、このポリマー
水溶液をホモミキサーを使用して3000rpmで攪拌
しながら、該ポリマー水溶液に30分程度で微粒子(造
粒用バインダー)としての水酸化カルシウム(和光純薬
工業株式会社製、平均粒径14.8μm)2800gを
混合し、さらに5000rpmで5分間保持することに
より、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤としてのスラリ
ー(8)を得た。該スラリー(8)の粘度は65cPで
あった。
【0109】その後、実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて上記スラリー(8)2665
部を用いて実施例1と同様の造粒操作を行い、得られた
擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子
を80度のオーブンで1時間乾燥した後、ふるいを用い
て分級することにより、擬似粒子のGI指数を求めた。
この結果をまとめて表2に示す。
【0110】〔実施例9〕イオン交換水2390部をホ
モミキサーを使用して3000rpmで攪拌しながら、
該イオン交換水に30分程度で微粒子としての「スーパ
ーSS」(丸尾カルシウム株式会社製重質炭酸カルシウ
ム、平均粒径7.6μm)2800部を混合し、さらに
3000rpmで5分間保持することにより、本発明に
かかる製鉄用処理剤としてのスラリー(9)を得た。
【0111】実施例1において、スラリー(1)263
0部に代えて上記スラリー(9)2595部を用いた以
外は、実施例1と同様の造粒操作を行い、得られた擬似
粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子を8
0度のオーブンで1時間乾燥した後、ふるいを用いて分
級することにより擬似粒子のGI指数を求めた。この結
果をまとめて表2に示す。
【0112】〔比較例1〕実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて、水1195部および微粒子
(造粒用バインダー)としての「スーパーSS」(丸尾
カルシウム株式会社製重質炭酸カルシウム、平均粒径
7.6μm)1400部を用いた以外は、実施例1と同
様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水分
を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで1
時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することにより、
擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて表2
に示す。
【0113】〔比較例2〕実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて、水1195部および微粒子
(造粒用バインダー)としての「アルファコート」(E
CC社製カオリンクレー、平均粒径2.7μm)140
0部を用いた以外は、実施例1と同様の造粒操作を行
い、得られた擬似粒子に含まれる水分を測定すると共
に、該擬似粒子を80度のオーブンで1時間乾燥した
後、ふるいを用いて分級することにより、擬似粒子のG
I指数を求めた。この結果をまとめて表2に示す。
【0114】〔比較例3〕実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて、水1195部および微粒子
(造粒用バインダー)としての「ブリリアント150
0」(白石工業株式会社製軽質炭酸カルシウム、平均粒
径1.1μm)1400部を用いた以外は、実施例1と
同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒子に含まれる水
分を測定すると共に、該擬似粒子を80度のオーブンで
1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することによ
り、擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて
表2に示す。
【0115】〔比較例4〕実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて、水1195部および微粒子
(造粒用バインダー)としての水酸化カルシウム(和光
純薬工業株式会社製、平均粒径14.8μm)1400
部を用いた以外は、実施例1と同様の造粒操作を行い、
得られた擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該
擬似粒子を80度のオーブンで1時間乾燥した後、ふる
いを用いて分級することにより、擬似粒子のGI指数を
求めた。この結果をまとめて表2に示す。
【0116】〔比較例5〕実施例1において、スラリー
(1)2630部に代えて、水1195部を用いた以外
は、実施例1と同様の造粒操作を行い、得られた擬似粒
子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子を80
度のオーブンで1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級
することにより、擬似粒子のGI指数を求めた。この結
果をまとめて表2に示す。
【0117】
【表2】
【0118】表2に示す結果から、本発明によれば、上
記微粉のスラリーを添加して造粒処理を行うことによ
り、GI指数を大きく増加させることができることが判
る。したがって、本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理
方法は、焼結原料を擬似粒化するのに優れた効果を発揮
することが判る。
【0119】〔実施例10〕実施例1で得られたポリマ
ー水溶液(A)をイオン交換水で固形分0.4%に希釈
してなるポリマー水溶液10580部と、微粒子として
の「スーパーSS」(丸尾カルシウム株式会社製重質炭
酸カルシウム、平均粒径7.6μm)2100部とを混
合し、スラリー(10)を調整した。
【0120】一方、表1に示す組成を有する焼結原料
(製鉄用原料)を調整した。製鉄用原料は絶乾燥状態の
ものを使用した。
【0121】上記焼結原料70000部をドラムミキサ
ーに投入し、回転速度24min-1で1分間、予備攪拌
した。その後、同回転速度で攪拌しながら、該焼結原料
に、スラリー(10)6340部を霧吹きを用いて約
1.5分間かけて噴霧した。焼結原料に対する前記高分
子化合物(A)の割合は0.03%であった。噴霧後、
さらに同回転速度で3分間攪拌することにより、造粒操
作を行って擬似粒子を得。
【0122】得られた擬似粒子を50kgスケールの鍋
試験にて焼結を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、
焼結鍋は直径300mm×高さ600mm、層厚550
mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。得
られた焼結機の生産率、成品歩留、焼結鉱強度を測定し
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0123】〔比較例6〕実施例10において、焼結原
料70000部に平均粒径45μmの生石灰840部を
添加し、スラリー(10)6340部に代えてイオン交
換水5600部を使用した以外は、実施例10と同様に
して焼結鉱を得た。得られた焼結機の生産率、成品歩
留、焼結鉱強度を測定した。これらの結果をまとめて表
3に示す。
【0124】〔参考例1〕実施例10において、上記焼
結原料70000部に加えてさらに上記「スーパーS
S」1050部をドラムミキサーに仕込み、上記スラリ
ー(10)6340部に代えて、上記ポリマー水溶液
(A)を固形分換算で21部となるように採取し、この
ポリマー水溶液(A)をイオン交換水で5290部に希
釈してなるポリマー水溶液5290部を使用した以外
は、実施例10と同様にして焼結鉱を得た。得られた焼
結機の生産率、成品歩留、焼結鉱強度を測定した。これ
らの結果をまとめて表3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】表3に示す結果から、上記微粉のスラリー
を造粒用バインダーとして用いることで、製鉄用原料の
造粒性が向上し、これにより、擬似粒子を焼結してなる
焼結機の生産率、成品歩留、焼結鉱強度を向上させるこ
とができることが判る。焼結鉱強度が弱い焼結鉱は微粉
が発生し易くなるので、返鉱が多くなり成品歩留が低下
し、その生産効率が低下する。
【0127】
【発明の効果】本発明にかかる製鉄用造粒処理剤は、以
上のように、上記製鉄用原料に、平均粒径200μm以
下の微粉のスラリーを添加して造粒処理を行う方法であ
る。
【0128】それゆえ、造粒用バインダーとなり得る平
均粒径200μm以下の微粉のスラリーを充分な量確保
することができ、擬似粒化に働く造粒用バインダーを増
加させることができると共に、上記微粉をスラリー状で
添加することで、該微粉のスラリー、すなわち、造粒用
バインダーを製鉄用原料に均一かつ効率良く添加、混合
することができる。このため、上記の構成によれば、従
来よりも擬似粒化性を向上させることができるという効
果を奏する。
【0129】また、上記の構成によれば、上記製鉄用原
料の造粒用バインダーとして上記微粉をスラリーをスラ
リー状にして用いることで、輸送効率を向上させること
ができると共に、添加ラインを簡素化することができる
ため、上記造粒処理をより安価に実施することができ
る。また、上記微粉をスラリー状とすることで、造粒用
バインダーを液体として取り扱うことができるため、作
業性をも向上させることができるという効果を併せて奏
する。
【0130】また、本発明にかかる製鉄用原料の造粒処
理方法は、以上のように、上記スラリーは、重量平均分
子量が500以上、1000000以下の範囲内の高分
子化合物を含んでいる方法である。
【0131】上記スラリーが高分子化合物を含まない場
合、スラリー中の微粉量を多くするとスラリーの粘度が
増加する傾向にある。このため、微粉のみを水に分散さ
せてスラリーを得る場合、あまり高濃度化することはで
きない。しかしながら、上記の構成によれば、上記微粉
の水への分散性を向上させることができ、水に分散され
る微粉量を増加させることができる。それゆえ、上記の
構成によれば、擬似粒化性をより一層向上させることが
でき、より効率よくかつ安価に焼結原料の造粒処理を行
うことができるという効果を奏する。
【0132】さらに、本発明にかかる製鉄用造粒処理方
法は、以上のように、上記高分子化合物は、カルボキシ
ル基含有モノマーを50モル%以上含むモノマー組成物
を重合してなるカルボキシル基含有高分子化合物である
方法である。
【0133】また、本発明にかかる製鉄用造粒処理方法
は、以上のように、上記高分子化合物は、アルキレンオ
キサイドユニットを有している方法である。
【0134】上記高分子化合物は、上記スラリー中での
微粉の分散能に優れ、水に分散される微粉量を増加させ
ることができる。このため、上記高分子化合物は、擬似
粒化に働く造粒用バインダーを増加させ、擬似粒化性を
より一層向上させることができる。それゆえ、より効率
よくかつ安価に焼結原料の造粒処理を行うことができる
という効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細谷 陽三 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 河野 克之 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 三浦 悟 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4K001 AA10 CA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製鉄用原料を造粒処理する方法において、 上記製鉄用原料に、平均粒径200μm以下の微粉のス
    ラリーを添加して造粒処理を行うことを特徴とする製鉄
    用原料の造粒処理方法。
  2. 【請求項2】上記スラリーは、重量平均分子量が500
    以上、1000000以下の範囲内の高分子化合物を含
    んでいることを特徴とする請求項1記載の製鉄用原料の
    造粒処理方法。
  3. 【請求項3】上記高分子化合物は、カルボキシル基含有
    モノマーを50モル%以上含むモノマー組成物を重合し
    てなるカルボキシル基含有高分子化合物であることを特
    徴とする請求項2記載の造粒処理方法。
  4. 【請求項4】上記高分子化合物は、アルキレンオキサイ
    ドに由来する構造単位を有していることを特徴とする請
    求項2または3記載の造粒処理方法。
JP2002103037A 2002-04-04 2002-04-04 製鉄用原料の造粒処理方法 Expired - Fee Related JP4204798B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002103037A JP4204798B2 (ja) 2002-04-04 2002-04-04 製鉄用原料の造粒処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002103037A JP4204798B2 (ja) 2002-04-04 2002-04-04 製鉄用原料の造粒処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003293044A true JP2003293044A (ja) 2003-10-15
JP4204798B2 JP4204798B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=29242497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002103037A Expired - Fee Related JP4204798B2 (ja) 2002-04-04 2002-04-04 製鉄用原料の造粒処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4204798B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113087A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Nisshin Steel Co Ltd 焼結原料の造粒方法
JP2007138243A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Nippon Steel Corp 焼結原料造粒物の乾燥処理方法及び焼結鉱の製造方法
JP2007191748A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Nippon Steel Corp 炭材含有ペレットの製造方法
JP2012528941A (ja) * 2009-06-04 2012-11-15 ラインカルク ゲー エム ベー ハー 金属酸化物含有微細材料から高炉装入原料用凝集物を製造する方法
KR20140048847A (ko) * 2011-03-25 2014-04-24 쿠리타 고교 가부시키가이샤 석탄 및/또는 철광석 슬러리의 개질방법
JPWO2021210533A1 (ja) * 2020-04-15 2021-10-21
RU2812816C1 (ru) * 2020-04-15 2024-02-02 ДжФЕ СТИЛ КОРПОРЕЙШН Способ получения агломерата

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113087A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Nisshin Steel Co Ltd 焼結原料の造粒方法
JP2007138243A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Nippon Steel Corp 焼結原料造粒物の乾燥処理方法及び焼結鉱の製造方法
JP2007191748A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Nippon Steel Corp 炭材含有ペレットの製造方法
KR101798162B1 (ko) 2009-06-04 2017-11-15 라인칼크 게엠베하 용광로 공급 원료로 사용하기 위해 금속 산화물을 함유한 미세 입자로 만들어진 응집체 제조 방법
JP2012528941A (ja) * 2009-06-04 2012-11-15 ラインカルク ゲー エム ベー ハー 金属酸化物含有微細材料から高炉装入原料用凝集物を製造する方法
KR101869330B1 (ko) * 2011-03-25 2018-06-20 쿠리타 고교 가부시키가이샤 석탄 및/또는 철광석 슬러리의 개질방법
KR20140048847A (ko) * 2011-03-25 2014-04-24 쿠리타 고교 가부시키가이샤 석탄 및/또는 철광석 슬러리의 개질방법
JPWO2021210533A1 (ja) * 2020-04-15 2021-10-21
WO2021210533A1 (ja) * 2020-04-15 2021-10-21 Jfeスチール株式会社 焼結鉱の製造方法
CN115427591A (zh) * 2020-04-15 2022-12-02 杰富意钢铁株式会社 烧结矿的制造方法
EP4137594A4 (en) * 2020-04-15 2023-05-24 JFE Steel Corporation PROCESS FOR MAKING SINTERED ORE
JP7371766B2 (ja) 2020-04-15 2023-10-31 Jfeスチール株式会社 焼結鉱の製造方法
RU2812816C1 (ru) * 2020-04-15 2024-02-02 ДжФЕ СТИЛ КОРПОРЕЙШН Способ получения агломерата

Also Published As

Publication number Publication date
JP4204798B2 (ja) 2009-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100550438B1 (ko) 제철용 원료의 조립 처리 방법 및 제철용 조립 처리제
JP2003293044A (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP3822115B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤およびこれを用いた造粒処理方法
JP4773607B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤およびこれを用いた造粒処理方法
JP4152285B2 (ja) 製鉄用焼結原料の造粒処理方法
JP3703769B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP5009529B2 (ja) 炭材ペレットの製造方法
JP4133111B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP2003239024A (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP3792583B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤およびこれを用いた造粒処理方法
JP4152286B2 (ja) 製鉄用焼結原料の造粒処理方法
JP4133766B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP4837852B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP4837851B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP4190830B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤
JP4190829B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤
JP4191017B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP4133113B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP4188187B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法及びその方法によって得られる製鉄用原料
JP3792581B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP3942167B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP4837850B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤およびこれを用いた造粒処理方法
JP4219131B2 (ja) 製鉄用造粒処理剤
JP4133112B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法
JP3949032B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法及び製鉄用造粒処理剤の運搬方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081014

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081015

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4204798

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees