JP4151194B2 - トランジスタアレイ基板および電気光学装置 - Google Patents

トランジスタアレイ基板および電気光学装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)回路が形成されたトランジスタアレイ基板(以下、TFTアレイ基板)、およびそれを用いた電気光学装置に関するものである。さらに詳しくは、TFT回路を構成するTFTに対する放熱構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板上にTFT回路が形成されたTFTアレイ基板の代表的なものとしては、液晶装置(電気光学装置)に用いられる駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板がある。このTFTアレイ基板では、絶縁基板上に配列された複数の走査線と複数のデータ線との交差点に対応して複数の画素がマトリクス状に構成されており、各々の画素には、図20に示すように、走査線7およびデータ線6に接続する画素スイッチング用のTFT1Cと、この画素スイッチング用のTFT1Cに電気的に接続された画素電極9とが形成されている。また、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板200において、絶縁基板10上における画素部の外側領域には、複数のデータ線6のそれぞれに画像信号を供給するデータ線駆動回路と、複数の走査線7のそれぞれに走査信号を供給する走査線駆動回路とが構成され、これらの駆動回路は、複数の駆動回路用のTFT1A、1BからなるTFT回路として構成されている。
【0003】
このようなTFTアレイ基板200において、駆動回路用のTFT1A、1Bは、絶縁基板10上の下地絶縁膜101上に形成された島状の半導体膜20A、20B、これらの半導体膜20A、20Bの表面に形成されたゲート絶縁膜13、およびゲート電極15A、15Bによって構成されている。また、画素スイッチング用のTFT1Cも、駆動回路用のTFT1A、1Bと同様、絶縁基板10上の下地絶縁膜101上に形成された島状の半導体膜20C、この半導体膜20Cの表面に形成されたゲート絶縁膜13、およびゲート電極としての走査線7によって構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成したTFTアレイ基板200において、駆動回路用のTFT1A、1Bのチャネル領域17A、17Bで発生した熱は、下地絶縁膜101を介して絶縁基板10に逃げていくとともに、ゲート絶縁膜13を介してゲート電極15A、15Bに逃げ、ゲート電極15A、15Bから周囲に逃げていく。
【0005】
しかしながら、液晶装置において画素数の増大などに伴なって、駆動回路においてスイッチング速度を高めたり、TFT1A、1Bに流す電流を高めていくと、このような駆動条件の変化にチャネル領域17A、17Bからの放熱が追従できず、TFT1A、1Bに著しい温度上昇が起こってTFT1A、1B(駆動回路)が誤動作するという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、TFT回路を構成するTFTのチャネル領域からの放熱性を向上することによりチャネル領域の温度上昇を抑え、TFT回路の誤動作や信頼性低下を防止することのできるTFTアレイ基板、およびそれを用いた電気光学装置を提供することにある。
【0007】
上記課題を解決するために基板上に、データ線と、該データ線と交差する走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差点に対応して設けられた画素スイッチング用薄膜トランジスタと、前記データ線又は前記走査線に信号を供給する駆動回路とを備えるトランジスタアレイ基板において、前記駆動回路は、N型の薄膜トランジスタ及びP型の薄膜トランジスタからなり、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタは、夫々半導体膜と、該半導体膜のチャネル領域に対向して設けられるゲート電極とを有し、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上層側には、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記チャネル領域に夫々対向して、チャネル領域を平面的に覆うように形成された島状の第1の放熱層が夫々分離して形成されてなり、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上層側には、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタの前記チャネル領域に対向して、該チャネル領域を平面的に覆うように前記第1の放熱層と同時に形成された前記データ線が設けられてなることを特徴とする。
【0008】
チャネル領域を覆うように放熱層が形成されているため、第1の放熱層付きの薄膜トランジスタでは、チャネル領域からの放熱は、放熱層によって促進される。従って、チャネル領域からの放熱性が高いので、動作速度やオン電流レベルを高めても、薄膜トランジスタにおいて著しい温度上昇が発生しない。従って、薄膜トランジスタ回路は、温度上昇に起因する誤動作や信頼性低下が発生しない。
【0009】
チャネル領域で発生した熱は、ゲート電極に伝わった後、ゲート電極から第1の放熱層に直接、伝わっていく。従って、チャネル領域の温度上昇を確実に抑えることができる。第1の放熱層にスムーズに伝わった後、この第1の放熱層から周囲に伝わっていくので、チャネル領域の温度上昇を抑えることができる。また、薄膜トランジスタの上層側に第1の放熱層を形成した構成では、その周辺に各種の配線層が形成されているので、第1の放熱層からの周囲の配線層に熱がスムーズに逃げるので、チャネル領域の温度上昇を確実に抑えることができる。
【0010】
また、前記駆動回路は、前記N型の薄膜トランジスタのソース領域に電気的接続される第1の配線層と、前記P型の薄膜トランジスタのドレイン領域に電気的接続される第2の配線層と、前記N型の薄膜トランジスタのドレイン領域及び前記P型の薄膜トランジスタのソース領域に電気的接続される第3の配線層とを有し、前記第1の放熱層は、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上層側に層間絶縁膜を介して前記第1、第2及び第3の配線層と同層で形成されており、前記N型の薄膜トランジスタのゲート電極の上層側に形成される前記第1の放熱層は、前記第1の配線層と前記第3の配線層との間に島状に形成され、前記P型の薄膜トランジスタのゲート電極の上層側に形成される前記第1の放熱層は、前記第2の配線層と前記第3の配線層との間に島状に形成されてなることを特徴とする。ゲート電極の上層側には、ソース・ドレイン電極などを構成する配線層が形成されているので、これらのソース電極あるいはドレイン電極を形成するときに第1の放熱層を同時形成することができる。従って、第1の放熱層を追加するとしても工程数が増大しない。
【0011】
また、前記第1の放熱層は、アルミニウム膜により形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明において例えば、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記チャネル領域の下層側に形成された第2の放熱層を有する。このように構成すると、チャネル領域から基板側への放熱性を向上することができる。従って、チャネル領域の温度上昇を確実に抑えることができる。
【0014】
本発明において、前記第2の放熱層は、例えば、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記チャネル領域の下面側に絶縁膜を介して重なっている。このように構成すると、第2の放熱層については、絶縁膜あるいは導電膜のいずれであってもよいので、熱伝導性の高い放熱性を形成できる。
【0015】
また、前記第2の放熱層は、例えば、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記半導体膜と平面的に重なるように島状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記トランジスタアレイ基板は、対向基板との間に電気光学物質を保持してなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、代表的な電気光学装置である液晶装置に本発明を適用した例を説明する。
【0018】
(電気光学装置の全体構成)
図1は、本形態に係る液晶装置を対向基板の側からみた平面図である。図2は、図1のH−H′線で切断したときの液晶装置の断面図である。
【0019】
図1および図2に示すように、投射型表示装置や直視型の表示装置などに用いられる電気光学装置300(液晶装置)は、石英ガラスや耐熱ガラスなどの絶縁基板10の表面に画素電極9がマトリクス状に形成されたTFTアレイ基板200(アクティブマトリクス基板)と、同じく石英ガラスや耐熱ガラスなどの絶縁基板41の表面に対向電極32が形成された対向基板100と、これらの基板間に電気光学物質として封入、挟持されている液晶39とから概略構成されている。
【0020】
TFTアレイ基板200と対向基板100とは、対向基板100の外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材59によって所定の間隙(セルギャップ)を介して貼り合わされている。TFTアレイ基板200と対向基板100との間には、ギャップ材含有のシール材59によって液晶封入領域40が区画形成され、この液晶封入領域40内に液晶39が封入されている。
【0021】
対向基板100はTFTアレイ基板200よりも小さく、TFTアレイ基板200の周辺部分は、対向基板100の外周縁よりはみ出た状態にある。従って、TFTアレイ基板200の駆動回路(走査線駆動回路70やデータ線駆動回路60)や入出力端子45は対向基板100から露出した状態にある。ここで、シール材59は部分的に途切れているので、この途切れ部分によって液晶注入口241が構成されている。このため、対向基板100とTFTアレイ基板200とを貼り合わせた後、シール材59の内側領域を減圧状態にすれば、液晶注入口241から液晶39を減圧注入でき、液晶39を封入した後、液晶注入口241を封止材242で塞げばよい。
【0022】
TFTアレイ基板200には、シール材59の形成領域の内側において、画像表示領域11を見切りするための遮光膜55が形成されている。また、対向基板100には、TFTアレイ基板200の各画素電極9の境界領域に対応する領域にブラックマトリクスなどと称せられる遮光膜57が形成されている。
【0023】
なお、対向基板100およびTFTアレイ基板200の光入射側の面あるいは光出射側には、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて偏光板(図示せず。)などが所定の向きに配置される。
【0024】
このように構成した電気光学装置300において、TFTアレイ基板200では、データ線(図示せず)および画素スイッチング用のTFT(後述する)を介して画素電極9に印加した画像信号によって、画素電極9と対向電極32との間において液晶39の配向状態を画素毎に制御し、画像信号に対応した所定の画像を表示する。従って、TFTアレイ基板200では、データ線およびTFT50を介して画素電極9に画像信号を供給するとともに、対向電極32にも所定の電位を印加する必要がある。そこで、電気光学装置300では、TFTアレイ基板200の表面のうち、対向基板100の各コーナー部に対向する部分には、データ線などの形成プロセスを援用してアルミニウム膜などからなる上下導通用の第1の電極47が形成されている。一方、対向基板100の各コーナー部には、対向電極4の形成プロセスを援用してITO(Indium Tin Oxide)膜などからなる上下導通用の第2の電極48が形成されている。さらに、これらの上下導通用の第1の電極47と第2の電極48とは、エポキシ樹脂系の接着剤成分に銀粉や金メッキファイバーなどの導電粒子が配合された導通材56によって電気的に導通している。それ故、電気光学装置300では、TFTアレイ基板200および対向基板100のそれぞれにフレキシブル配線基板などを接続しなくても、TFTアレイ基板200のみにフレキシブル配線基板99を接続するだけで、TFTアレイ基板200および対向基板100の双方に所定の信号を入力することができる。
【0025】
(TFTアレイ基板200の全体構成)
図3は、電気光学装置300に用いたTFTアレイ基板200の構成を模式的に示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、駆動回路内蔵型のTFTアレイ基板200では、絶縁基板10上に、互いに交差する複数の走査線7と複数のデータ線6とに、後述する画素スイッチング用のTFTを介して接続する画素電極9がマトリクス状に構成されている。走査線7はタンタル膜、アルミニウム膜、アルミニウムの合金膜などで構成され、データ線6はアルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜などで構成され、それぞれ単層もしくは積層されている。これらの画素電極9および画素スイッチング用のTFTが形成されている領域が画素110として機能し、画素110がマトリクス状に配列されている領域が画像表示領域11である。
【0027】
絶縁基板10上における画像表示領域11の外側領域(周辺部分)には、複数のデータ線6のそれぞれに画像信号を供給するデータ線駆動回路60が構成されている。また、走査線7の両端部のそれぞれには、各々の走査線7に画素選択用の走査信号を供給する走査線駆動回路70が構成されている。これらの駆動回路は、後述する駆動回路用のTFTによって構成されたTFT回路である(薄膜トランジスタ回路)である。
【0028】
データ線駆動回路60の側には、X側シフトレジスタ回路、X側シフトレジスタ回路から出力された信号に基づいて動作するアナログスイッチとしてのTFTを備えるサンプルホールド回路66、6相に展開された各画像信号に対応する6本の画像信号線67などが構成されている。本例において、データ線駆動回路60は、前記のX側シフトレジスタ回路が4相で構成されており、入出力端子45を介して外部からスタート信号、クロック信号、およびその反転クロック信号がX側シフトレジスタ回路に供給され、これらの信号によってデータ線駆動回路60が駆動される。従って、サンプルホールド回路66は、前記のX側シフトレジスタ回路から出力された信号に基づいて各TFTが動作し、画像信号線67を介して供給される画像信号を所定のタイミングでデータ線6に取り込み、各画素電極9に供給することが可能である。
【0029】
一方、走査線駆動回路70には、端子を介して外部からスタート信号、クロック信号、およびその反転クロック信号が供給され、これらの信号によって走査線駆動回路70が駆動される。
【0030】
本形態のTFTアレイ基板200において、絶縁基板10の辺部分のうち、データ線駆動回路60の側の辺部分には定電源、変調画像信号(画像信号)、各種駆動信号などが入力されるアルミニウム膜等の金属膜、金属シリサイド膜、あるいはITO膜等の導電膜からなる多数の入出力端子45が構成されている。これらの入出力端子45からは、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70を駆動するための複数の信号配線73、74がそれぞれ引き回され、これらの信号配線73、74は、アルミニウム膜などの低抵抗の金属膜からなる。
【0031】
(画素および駆動回路の構成)
図4(A)、(B)はそれぞれ、図3に示したTFTアレイ基板200の画素110の等価回路図、およびこの画素110の平面図である。
【0032】
図4(A)において、各画素110には、走査線7およびデータ線6に接続する画素スイッチング用のTFT1Cが形成され、このTFT1Cには、画素電極9と対向基板100との間に構成された液晶容量が接続されている。また、各画素110に向けては容量線75が形成され、この容量線75を用いて各画素電極9には蓄積容量23が形成されている。
【0033】
このような画素110は、たとえば、図4(B)に示すように構成される。図4(B)において、いずれの画素110にも、ITO膜などからなる複数の透明な画素電極9がマトリクス状に形成されている。また、画素電極9の縦横の境界に沿っては、データ線6、および走査線7とともに、容量線75が形成されている。データ線6は、ポリシリコン膜などからなる半導体膜20Cのうち、TFT1Cのソース領域に対してコンタクトホールを介して電気的に接続している。また、TFT1Cのチャネル領域17Cに対向するように走査線7がゲート電極として延びている。なお、蓄積容量23は、TFT1C30を形成するための半導体膜20Cの延設部分に相当する半導体膜を導電化したものを下電極とし、この下電極に対して容量線75が上電極として重なった構造になっている。
【0034】
図5(A)、(B)はそれぞれ、データ線駆動回路60や走査線駆動回路70を構成する2段のCMOSインバータの等価回路図、およびCMOSインバータ回路の平面構造の一例を拡大して示す説明図である。なお、図5(B)においては、図6および図7を参照して第1の放熱層および第2の放熱層の形成領域を説明するときの便宜から、半導体膜、ゲート電極および配線層をそれぞれ、点線、一点鎖線、二点鎖線で示してある。
【0035】
図5(A)に示すように、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70では、N型のTFT1AとP型のTFT1BとによってCMOS回路81が構成され、このようなCMOS回路81は、1段あるいは2段以上でインバータ回路を構成する。このCMOSインバータ回路80(TFT回路)では、図5(B)に示すように、各段においてCMOS回路81を構成するいずれのP型のTFT1Bにおいても、ソース・ドレイン領域12Bの一方は、電圧Vddが供給されるアルミニウム層からなる配線層801にコンタクトホール19を介して電気的接続し、いずれのN型のTFT1Aにおいても、ソース・ドレイン領域12Aの一方は、電圧Vssが供給されるアルミニウム層からなる配線層802にコンタクトホール19を介して電気的接続している。
【0036】
また、各段のN型およびP型のTFT1A、1Bのアルミニウム層やシリサイド膜などからなるゲート電極15A、15Bは、コンタクトホール19を介して入出力用の配線層803に電気的接続し、この配線層803は、前段でCMOS回路81を構成するN型およびP型のTFT1A、1BにおいてN型TFT1Aのソース領域12AとP型TFT1Bのドレイン領域12Bにコンタクトホール19を介して電気的接続している。
【0037】
(TFTアレイ基板200の断面構造)
図6は、TFTアレイ基板200に形成したTFT1A、1B、1Cの断面図である。ここで、駆動回路用のN型およびP型のTFT1A、1Bの断面は、図5(B)のV−V′断面に相当し、画素スイッチング用のTFT1Cの断面は、図4(B)のIV−IV′断面に相当する。
【0038】
図6に示すように、TFTアレイ基板200では、絶縁基板10の上にシリコン酸化膜などからなる下地絶縁膜101が形成され、この下地絶縁膜101の上層側に島状のポリシリコン膜からなる半導体膜20A、20B、20Cが形成されている。これらの半導体膜20A、20B、20Cのうち、半導体膜20A、20Bを用いて駆動回路用のLDD構造のTFT1A、1Bが形成され、半導体膜20Cを用いて画素スイッチング用のTFT1Cが形成されている。すなわち、半導体膜20A、20B、20Cの上層には、ゲート絶縁膜13が形成され、このゲート絶縁膜13の上層側にはゲート電極15A、15Bおよび走査線7が形成されている。さらに、ゲート電極15A、15Bおよび走査線7の上層側には、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜51、52がこの順に形成されている。
【0039】
N型のTFT1Aでは、層間絶縁膜51の上層側に位置する配線層802がソース・ドレイン電極として層間絶縁膜51のコンタクトホール19を介してソース・ドレイン領域12Aに電気的接続している。P型のTFT1Bでは、層間絶縁膜51の上層側に位置する配線層801がソース・ドレイン電極として層間絶縁膜51のコンタクトホール19を介してソース・ドレイン領域12Bに電気的接続している。また、N型のTFT1AとP型のTFT1Bとの間では、層間絶縁膜51の上層側に位置する配線層803がソース・ドレイン電極として層間絶縁膜51のコンタクトホール19を介してN型TFT1Aのソース領域12Aと、P型TFT1Bのドレイン領域12Bの双方に電気的接続している。
【0040】
また、画素用のTFT1Cでは、層間絶縁膜51の上層側に位置するデータ線90およびドレイン電極18が層間絶縁膜51のコンタクトホール19を介してソース・ドレイン領域12Cにそれぞれ電気的接続し、層間絶縁膜52の上層側に位置する画素電極9は、層間絶縁膜52のコンタクトホール96を介してドレイン電極18に電気的接続している。
【0041】
(TFTからの放熱構造)
図7および図8はそれぞれ、図3に示すTFTアレイ基板に形成した第1の放熱層の形成領域、および第2の放熱層の形成領域を示すTFTアレイ基板の平面図である。なお、図6においては、第1の放熱層の形成領域を明確にすることを目的に、第1の放熱層の形成領域については斜線領域で表わし、半導体膜、ゲート電極および配線層をそれぞれ、点線、一点鎖線、二点鎖線で示してある。また、図7においては、第2の放熱層の形成領域を明確にすることを目的に、第2の放熱層の形成領域については斜線領域で表わし、半導体膜、ゲート電極および配線層をそれぞれ、点線、一点鎖線、二点鎖線で示してある。
【0042】
図6において、TFTアレイ基板200に形成した駆動回路用のN型およびP型のTFT1A、1Bでは、ゲート電極15A、15Bの上層側のうち、層間絶縁膜51の上層には、配線層801、802、803と同時形成された膜厚が500nm〜800nmのアルミニウム膜などといった熱伝導性の高い第1の放熱層61A、61Bが形成され、これらの第1の放熱層61A、61Bは、層間絶縁膜51に形成されたコンタクトホール19′を介してゲート電極15A、15Bの上面に接している。
【0043】
ここで、第1の放熱層61A、61Bが形成されている領域は、図7に斜線領域として示すように、チャネル領域17A、17Bを一回り広めに覆う領域である。但し、第1の放熱層61A、61Bは、配線層801、802、803と同層に形成されているので、配線層801、802、803が形成されている領域を避けるように形成されている。
【0044】
再び図6において、TFTアレイ基板200では、チャネル領域17A、17Bの下層側のうち、絶縁基板10と下地絶縁膜101との層間には、膜厚が500nm〜800nmのアルミニウム膜、その他の導電膜、アルミニウム窒化膜、その他の絶縁膜などといった熱伝導性の高い第2の放熱層62A、62Bが形成されている。
【0045】
ここで、第2の放熱層62A、62Bは、図8に斜線領域として示すように、半導体膜20A、20Bよりかなり広い面積をもって半導体膜20A、20Bと重なるように形成されている。
【0046】
なお、図6からわかるように、画素スイッチング用のTFT1Cでも、駆動回路用のN型およびP型のTFT1A、1Bと同様、チャネル領域17Cの下層側のうち、絶縁基板10と下地絶縁膜101との層間には、アルミニウム窒化膜などからなる第2の放熱層62Cが形成されている。
【0047】
このように、本形態のTFTアレイ基板200では、駆動回路用のTFT1A、1Bには、チャネル領域17A、17Bの上層側に第1の放熱層61A、61Bが形成されているので、チャネル領域17A、17Bで発生した熱は、ゲート絶縁膜13を介してゲート電極15A、15Bに伝わった後、このゲート電極15A、15Bから第1の放熱層61A、61Bに伝わり、しかる後に、第1の放熱層61A、61Bから周囲に逃げる。従って、本形態では、チャネル領域17A、17Bで発生した熱をゲート電極15A、15Bからのみ周囲に逃がす構成と違って、チャネル領域17A、17Bで発生した熱を、まず、ゲート電極15A、15Bから、チャネル領域17A、17Bから遠い第1の放熱層61A、61Bまで熱を逃がしてしまうため、チャネル領域17A、17Bからの放熱性がよい。しかも、第1の放熱層61A、61Bは、層間絶縁膜51に形成されたコンタクトホール19′を介してゲート電極15A、15Bの上面に直接、接しているため、チャネル領域17A、17Bで発生した熱は、ゲート電極15A、15Bに伝わった後、ゲート電極15A、15Bから第1の放熱層61A、61Bに効率よく伝わる。それ故、チャネル領域17A、17Bの温度上昇を抑えることができるので、駆動回路用のTFT1A、1Bの誤動作を防止できる。よって、データ線駆動回路60や走査線駆動回路70といったTFT回路において、誤動作の発生や信頼性の低下といった不具合の発生を回避することができる。
【0048】
また、TFT1A、1Bの上層側に第1の放熱層61A、61Bを形成すると、その周辺には各種の配線層801、802、803が形成されているので、チャネル領域17A、17Bで発生した熱は、第1の放熱層61A、61Bを介して周囲の配線層801、802、803に効率よく逃げるので、チャネル領域17A、17Bの温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0049】
さらに、配線層801、802、803などといったソース・ドレイン配線と第1の放熱層91A、91Bとを同時形成することができるので、第1の放熱層91A、91Bを追加するとしても工程数が増大しない。
【0050】
また、本形態では、チャネル領域17A、17Bの下層側に第2の放熱層62A、62Bが形成されているので、チャネル領域17A、17Bから絶縁基板10への放熱性を向上することができる。従って、チャネル領域17A、17Bの温度上昇を確実に抑えることができる。
【0051】
また、本形態において、第2の放熱層62A、62Bは、チャネル領域17A、17Bの下面側に下地絶縁膜101を介して重なっているため、第2の放熱層62A、62Bについては、絶縁膜あるいは導電膜のいずれであってもよいので、熱伝導性の高い材料を用いることができる。
【0052】
なお、画素スイッチング用のTFT1Cでは、発熱という問題が比較的少ないので、第2の放熱層62Cのみが形成されているが、このような第2の放熱層62Cとして遮光性のものを用いれば、対向基板100の側から入射した光がTFTアレイ基板200の裏面あるいは外部に反射してTFT1Cに対して裏面側から入射しようとしたとき、このような光を第2の遮光層62Cによって遮ることができる。それ故、このような光の入射に起因するTFT1Cの誤動作を防止することができる。
【0053】
(液晶装置の製造方法/素子形成工程)
図9ないし図15を参照してTFTアレイ基板200の製造方法の一例を説明する。
【0054】
図9ないし図15はいずれも、TFTアレイ基板200の製造方法を示す工程断面図である。
【0055】
まず図9(A)に示すように、ガラス製の絶縁基板10に対してスパッタ法などを利用して、アルミニウム膜、その他の金属膜、シリサイド膜、アルミニウム窒化膜、その他の絶縁膜などといった熱伝導性の高い膜620を膜厚が500nm〜800nmとなるように形成した後、図9(B)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングして、第2の放熱層62A、62B、62Cを形成する。
【0056】
次に図9(C)に示すように、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約200nmのシリコン酸化膜からなる下地絶縁膜101を形成する。
【0057】
次に図10(A)に示すように、絶縁基板10の温度を350℃に設定して、下地絶縁膜101の表面にプラズマCVD法により厚さが約60nmのアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜20を形成する。次にアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜20に対して、レーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜20をポリシリコン膜にまで結晶化しておく。
【0058】
次に図10(B)に示すように、ポリシリコン膜となった半導体膜20をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、半導体膜20A、20B、20Cを形成する。半導体膜20A、20B、20Cは、それぞれ駆動回路用のN型のTFT1A、駆動回路用のP型のTFT1B、画素用のTFT1Cを形成するための島状の半導体膜である。これまでの工程を行う間に、TFTのしきい値を調整することを目的に低濃度の不純物を導入しておくことがある。
【0059】
次に図10(C)に示すように、半導体膜20A、20B、20Cの表面に対して、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約100nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜13を形成する。
【0060】
次に図11(A)に示すように、駆動回路用のP型のTFT1Bの形成予定領域全体を覆うとともに、駆動回路用のN型のTFT1Aおよび画素用のTFT1Cのゲート電極形成予定領域をやや広めに覆うレジストマスク91Aを形成し、この状態で半導体膜20A、20Cに対してリンイオン(N型不純物)を約2×1015cm-2のドーズ量で導入する。その結果、半導体膜20A、20Cのうちリンイオンが打ち込まれた領域は、高濃度ソース・ドレイン領域122A、122Cとなる。
【0061】
次に図11(B)に示すように、駆動回路用のN型のTFT1A、および画素用のTFT1Cの形成予定領域全体を覆うとともに、駆動回路用のP型のTFT1Bのゲート電極形成予定領域をやや広めに覆うレジストマスク91Bを形成し、この状態で半導体膜20Bに対してボロンイオン(P型不純物)を約2×1015cm-2のドーズ量で導入する。その結果、半導体膜20Bのうちボロンイオンが打ち込まれた領域は、高濃度ソース・ドレイン領域122Bとなる。
【0062】
次に図11(C)に示すように、半導体膜20A、20B、20Cにアークランプを用いた急速加熱処理などを行い、半導体膜20A、20B、20Cに導入した不純物を活性化する。
【0063】
次に図12(A)に示すように、アルミニウムやタンタルなどの金属膜からなる導電膜73をスパッタ法により形成する。
【0064】
次に図12(B)に示すように、導電膜73の表面にレジストマスク92を形成した後、図12(C)に示すように導電膜73をパターニングし、各TFTのゲート電極15A、15Bおよび走査線7を形成する。
【0065】
次に図13(A)に示すように、駆動回路用のP型のTFT1Bの形成予定領域全体を覆うレジストマスク93Aを形成した後、基板10の温度が350℃の条件下で、水素ガスで希釈されたホスフィン(PH3 )などを用いて低濃度のリンイオン(N型不純物)を約1×1013cm-2のドーズ量で導入する(低濃度N型不純物導入工程)。半導体膜20A、20Cには水素イオンも約2×1013cm-2のドーズ量で導入される。不純物が導入されなかった部分がチャネル領域17A、17Cとなる。その結果、同一の絶縁基板10上に駆動回路用のN型のTFT1A、および画素用のN型のTFT1Cとが構成され、これらのTFTは、ソース・ドレイン領域12A、12Cのうちゲート電極15A、15Cの端部に対峙する部分に低濃度ソース・ドレイン領域121A、121Cを備えるLDD構造となる。このような低濃度N型不純物の導入工程を省略すれば、TFT1A、1Cはオフセットゲート構造となる。
【0066】
次に図13(B)に示すように、駆動回路用のN型のTFT1A、および画素用のTFT1Cを覆うレジストマスク93Bを形成した後、絶縁基板10の温度が350℃の条件下で、水素ガスで希釈されたジボラン(B26)などを用いて低濃度のボロンイオン(P型不純物)を約1×1013cm-2のドーズ量で導入する。半導体膜20Bには水素イオンも約2×1013cm-2のドーズ量で導入される。不純物が導入されなかった部分がチャネル領域17Bとなる。その結果、絶縁基板10上に駆動回路用のP型のTFT1Bが構成され、このTFTは、ソース・ドレイン領域12Bのうちゲート電極15Bの端部に対峙する部分に低濃度ソース・ドレイン領域121Bを備えるLDD構造となる。このような低濃度P型不純物の導入工程を省略すれば、TFT1Bはオフセットゲート構造を有することになる。
【0067】
次にフォーミングガス中で熱処理を行い、低濃度ソース・ドレイン領域121A、121B、121Cに導入した低濃度の不純物を活性化した後、図13(C)に示すように、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約500nmのシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜51を形成する。
【0068】
次に図14(A)に示すように、各TFT1A、1B、1Cの形成領域において層間絶縁膜51にコンタクトホール19を形成する。また、各TFT1A、1Bの形成領域においては、層間絶縁膜51にコンタクトホール19′も形成する。
【0069】
次に図14(B)に示すように、膜厚が500nm〜800nmのアルミニウム膜などの金属膜600を形成した後、この金属膜600をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、図14(C)に示すように、各配線層801、802、803、データ線6およびドレイン電極18を形成する。また、各TFT1A、1Bの形成領域においては、第1の放熱層61A、61Bを形成する。このようにして、第1の放熱層61A、61Bを各配線層801、802、803、データ線6、ドレイン電極18と同時に形成する。
【0070】
次に図15(A)に示すように、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約500nmのシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜52を形成する。
【0071】
次に図15(B)に示すように、層間絶縁膜52に対してドレイン電極18に至るコンタクトホール96を形成する。
【0072】
次に図15(C)に示すように、ITO膜900を形成した後、このITO膜900を、図6に示すように、パターニングして、画素電極9を形成する。
【0073】
(TFTアレイ基板のその他の形態)
TFTアレイ基板200に形成する第1の放熱層61A、61Aとしては、図6に示すコンタクトホール19′を形成せず、図16に示すように、チャネル領域17A、17Bの上層側において、ゲート電極15A、15Bの上面に対して層間絶縁膜51を介して対向するように構成してもよい。このような形態においても、第1の遮光膜61A、61Bの形成領域は、図7に斜線領域として示すように、チャネル領域17A、17Bを一回り広めに覆う領域である。ここで、第1の放熱層61A、61Bは、配線層801、802、803と同層に形成されているので、配線層801、802、803が形成されている領域を避けるように形成されている。但し、第1の放熱層61A、61Aとゲート電極15A、15Bとは絶縁されているので、第1の放熱層61A、61Aについては、配線層801、802、803の一部として形成してもよい。なお、図16に示す各構成のうち、図6に示す構成と共通する部分については同一の符号を付して図16に図示することにしてそれらの説明を省略する。
【0074】
また、TFTアレイ基板200に形成する第1の放熱層61A、61Aとしては、図6に示す層間絶縁膜51の上層ではなく、図17に示すように、ゲート電極15A、15Bの上面に対して直接、重ねた構成であってもよい。このような形態においても、第1の遮光膜61A、61Bの形成領域は、図7に斜線領域として示すように、チャネル領域17A、17Bを一回り広めに覆う領域であり、ゲート電極15A、15Bのうち、半導体膜20A、20Bと重なる部分を広めに覆う部分である。ここで、ゲート電極15A、15Bを単純に広めに形成して放熱性を高めると、TFT1A、1Bのチャネル長が延長されてしまい、TFT1A、1Bのトランジスタ特性が変化してしまうが、図17に示すような構成であれば、第1の遮光膜61A、61Bとゲート電極15A、15Bとが同電位であっても、半導体膜20A、20Bと第1の遮光膜61A、61Bとの間に層間絶縁膜51が介在しているので、第1の遮光膜61A、61BがTFT1A、1Bのトランジスタ特性を変化させることはない。なお、図17に示す各構成のうち、図6に示す構成と共通する部分については同一の符号を付して図17に図示することにしてそれらの説明を省略する。
【0075】
TFTアレイ基板200に形成する第2の放熱層62A、62B、62Cとしては、第2の放熱層62A、62B、62Cが、アルニウム窒化膜などといった熱伝導性の高い絶縁膜であれば、図6に示すような下地絶縁膜101と絶縁基板10との層間ではなく、図18に示すように、絶縁基板10の表面に絶縁性の第2の放熱層62A、62B、62Cを島状に形成するとともに、この第2の放熱層62A、62B、62Cの上層に直接、半導体膜20A、20B、20Cを形成してもよい。このような形態においても、第2の遮光膜62A、62Bの形成領域は、例えば、図8に斜線領域として示すように、半導体膜20A、20Bからみてかなり広めに領域である。このように構成すれば、従来、チャネル領域17A、17Bの絶縁基板10からの汚染を防止するという下地絶縁膜101の機能を第2の放熱層62A、62B、62Cが担うので、下地絶縁膜101を省略することができる。なお、図18に示す各構成のうち、図6に示す構成と共通する部分については同一の符号を付して図18に図示することにしてそれらの説明を省略する。
【0076】
なお、本発明は上記形態に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形した形態で実施が可能である。たとえば、本発明は上述の液晶装置に限らず、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレー装置などの電気光学装置に用いるTFTアレイ基板にも適用できる。
【0077】
[電気光学装置の電子機器への適用]
このように構成した電気光学装置300は、例えば、図19に示す投射型表示装置のライトバルブとして用いることができる。
【0078】
図19に示す投射型表示装置1100は、前記の駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された電気光学装置300を含む液晶モジュールを3個準備し、各々RGB用のライトバルブ100R、100G、100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。このプロジェクタ1100では、メタルハライドランプなどの白色光源のランプユニット1102から光が出射されると、3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に対応する光成分R、G、Bに分離され(光分離手段)、対応するライトバルブ100R、100G、100B(電気光学装置300/ライトバルブ)に各々導かれる。この際に、光成分Bは、光路が長いので、光損失を防ぐために入射レンズ1122、リレーレンズ1123、および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G、100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射され、再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120などにカラー画像として投射される。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、TFT回路を構成するTFTには、チャネル領域の上層側あるいは下層側には放熱層が形成されているため、チャネル領域からの放熱は、放熱層によって促進される。従って、動作速度やオン電流レベルを高めても、TFTにおいて著しい温度上昇が発生しない。それ故、TFT回路は、温度上昇に起因する誤動作や信頼性低下が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液晶装置を対向基板の側からみた平面図である。
【図2】図1のH−H′線で切断したときの液晶装置の断面図である。
【図3】図1に示す液晶装置に用いたTFTアレイ基板のブロック図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ、図3に示すTFTアレイ基板の画素の等価回路図、およびその平面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、図3に示すTFTアレイ基板においてデータ線駆動回路や走査線駆動回路を構成する2段のCMOSインバータの等価回路図、およびCMOSインバータ回路の平面構造の一例を拡大して示す説明図である。
【図6】図3に示すTFTアレイ基板に形成したTFTの断面図である。
【図7】図3に示すTFTアレイ基板に形成した第1の放熱層の形成領域を示すTFTアレイ基板の平面図である。
【図8】図3に示すTFTアレイ基板に形成した第2の放熱層の形成領域を示すTFTアレイ基板の平面図である。
【図9】図3に示すTFTアレイ基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図10】図9に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図11】図10に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図12】図11に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図13】図12に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図14】図13に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図15】図14に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図16】本発明を適用したTFTアレイ基板における別の第1の放熱層の形成例を示すTFTアレイ基板の断面図である。
【図17】本発明を適用したTFTアレイ基板におけるさらに別の第1の放熱層の形成例を示すTFTアレイ基板の断面図である。
【図18】本発明を適用したTFTアレイ基板における別の第2の放熱層の形成例を示すTFTアレイ基板の断面図である。
【図19】本発明を適用したTFTアレイ基板を用いた電気光学装置の使用例としての投射型表示装置の光学系を示す説明図である。
【図20】従来のTFTアレイ基板の断面図である。
【符号の説明】
1A 駆動回路用のN型TFT
1B 駆動回路用のP型TFT
1C 画素スイッチング用TFT
6 データ線
7 走査線
9 画素電極
10 絶縁基板
11 画像表示領域
12A、12B、12C ソース・ドレイン領域
13 ゲート絶縁膜
15A、15B ゲート電極
17A、17B、17C チャネル領域
39 液晶(電気光学物質)
40 液晶封入領域
60 データ線駆動回路(TFT回路)
61A、61B 第1の放熱層
62A、62B、62C 第2の放熱層
70 走査線駆動回路(TFT回路)
80 CMOSインバータ回路(TFT回路)
81 CMOS回路(TFT回路)
100 対向基板
200 TFTアレイ基板(アクティブマトリクス基板)
300 液晶装置(電気光学装置)

Claims (7)

  1. 基板上に、データ線と、該データ線と交差する走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差点に対応して設けられた画素スイッチング用薄膜トランジスタと、前記データ線又は前記走査線に信号を供給する駆動回路とを備えるトランジスタアレイ基板において、
    前記駆動回路は、N型の薄膜トランジスタ及びP型の薄膜トランジスタからなり、
    前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタは、夫々半導体膜と、該半導体膜のチャネル領域に対向して設けられるゲート電極とを有し、
    前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上層側には、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記チャネル領域に夫々対向して、チャネル領域を平面的に覆うように形成された島状の第1の放熱層が夫々分離して形成されてなり、
    前記画素スイッチング用薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上層側には、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタの前記チャネル領域に対向して、該チャネル領域を平面的に覆うように前記第1の放熱層と同時に形成された前記データ線が設けられてなることを特徴とするトランジスタアレイ基板。
  2. 請求項において、前記駆動回路は、前記N型の薄膜トランジスタのソース領域に電気的接続される第1の配線層と、前記P型の薄膜トランジスタのドレイン領域に電気的接続される第2の配線層と、前記N型の薄膜トランジスタのドレイン領域及び前記P型の薄膜トランジスタのソース領域に電気的接続される第3の配線層とを有し、
    前記第1の放熱層は、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記ゲート電極の上層側に層間絶縁膜を介して前記第1、第2及び第3の配線層と同層で形成されており、
    前記N型の薄膜トランジスタのゲート電極の上層側に形成される前記第1の放熱層は、前記第1の配線層と前記第3の配線層との間に島状に形成され、前記P型の薄膜トランジスタのゲート電極の上層側に形成される前記第1の放熱層は、前記第2の配線層と前記第3の配線層との間に島状に形成されてなることを特徴とするトランジスタアレイ基板。
  3. 請求項又はにおいて、前記第1の放熱層は、アルミニウム膜により形成されていることを特徴とするトランジスタアレイ基板。
  4. 請求項ないしのいずれかにおいて、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記チャネル領域の下層側に形成された第2の放熱層を更に有していることを特徴とするトランジスタアレイ基板。
  5. 請求項において、前記第2の放熱層は、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記チャネル領域の下面側に絶縁膜を介して重なっていることを特徴とするトランジスタアレイ基板。
  6. 請求項において、前記第2の放熱層は、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタ、前記N型の薄膜トランジスタ及び前記P型の薄膜トランジスタの前記半導体膜と平面的に重なるように島状に形成されていることを特徴とするトランジスタアレイ基板。
  7. 請求項1ないしのいずれかに規定するトランジスタアレイ基板を用いた電気光学装置であって、
    前記トランジスタアレイ基板は、対向基板との間に電気光学物質を保持してなることを特徴とする電気光学装置。
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