JP4151097B2 - 織機の緯糸フィーラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機において緯入れされた緯糸を検知する緯糸フィーラに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアージェットルーム、ウォータジェットルームのような流体噴射式織機において、緯入れされた緯糸を検知する緯糸フィーラの1つとして、光を照射し、その光照射領域から光電素子への入射光量の大小を利用する光電式の緯糸フィーラがある(たとえば、特開昭61−296150号公報)。
【0003】
この緯糸フィーラは、織布の反緯入れ側の織端部に配置されたフィーラヘッドから緯糸飛走路に向けて光を照射し、その反射光をフィーラヘッドが受光して受光量に対応する糸信号を発生し、その糸信号を積分器により積分し、積分した信号を比較器において閾値と比較し、比較結果を停止信号発生回路に所定の織機タイミングで取り込むことにより、緯入れの正否を判定し、緯入れ不良時に織機停止信号を発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、緯入れされる糸には、スパン糸、フィラメント糸、毛羽の多い糸、撚りの強い糸、撚り止め処理された糸、伸縮しやすい糸等、多種類存在する。また、織機の主軸の回転速度も、用いる緯糸の種類、織布の種類等により異なり、したがって緯糸の飛走状態、ひいてはフィーラヘッドから出力される糸信号も大きく異なるのである。
【0005】
これに対し、従来の織機では、単一の緯糸フィーラを構成しており、しかも緯糸の有無を標準的な緯糸に対応して設定された判定条件、すなわち積分器の積分条件、比較器の閾値のもとで行っていた。このため、上記標準以外の緯糸では、緯入れの判定に最適な条件が設定できないため、緯糸により積分結果が異なり、その結果緯入れの正否の判定が正確に行われない、という問題があった。
【0006】
この問題を解決するには、たとえば、伸縮しやすい糸とそうでない糸の場合、強い撚りの糸とそうでない糸の場合等、複数種類の緯糸を緯入れする多色緯入れの場合、判定条件をいずれか一方の糸(一般には、常用される標準緯糸)に合せる必要がある。
【0007】
具体的には、伸縮性の大きい緯糸は、その先端が織端に到達した後緯糸飛走路よりはずれると、それにより緯入用流体(気流または水流)による緯糸保持力が消失して緯糸先端が給糸側に引き戻される、いわゆる打ち戻りが発生することがある。
【0008】
ところで、常用の緯糸に対応する積分器では、打ち戻りにより糸信号消失後、積分値が速やかに減衰しない。その結果、緯入れ判定のタイミングにおいては、積分値が閾値を越えた状態となっているため、織機上では緯入れ不良であるのにもかかわらず誤って緯入れ正常と判定し織機運転を続ける、いわゆる見逃しが発生する。打ち戻りは重大な織り欠点であり、これを確実に緯入れ不良と判定するには、糸信号が消失したならば速やかに積分値を低下させるように積分器を設定する必要がある。
【0009】
さらに、強い撚りの緯糸では、常用の緯糸に比べて糸の暴れが常に発生し、糸信号が頻繁に欠落する。常用の緯糸に合せた積分器では、糸信号が頻繁に欠落するたびに積算されず、逆に減衰する。この結果、緯入れ判定タイミングにおいては、積分値が閾値を下回っているため、緯入れ判定のタイミングにおいては、積分値が閾値を下回った状態となり、緯入れが正常であるにもかかわらず誤って緯入れ不良と判定して織機を停台させる、いわゆる空止まりが発生する。空止まりは、織布生産量や織物品質が低下するなどの問題がある。この空止まりを防止するには、糸信号の欠落が生じても積分値が正常レベルに維持されるように積分器を設定する必要がある。
【0010】
つまり、複数種類の緯糸に対して正確に判定できる積分器がそれぞれ存在するのであり、単一のフィーラ、すなわち単一条件のもとで積分する積分器では、いずれか一方の緯糸にしか積分器を合わせざるを得ず、条件が合致しない緯糸の緯入れ時には、結果として見逃しや空止まりが発生する。
【0011】
それゆえに、織機の緯糸フィーラにおいては、緯入れの正否の判定に最適な積分条件を設定して糸信号を積分することにより、緯入れの判定を正確に、かつ確実に行うことが重要である。
【0012】
【解決手段、作用、効果】
本発明の緯糸フィーラは、受光素子への入射光量に対応する信号値であって糸有り検出状態と糸無し検出状態とで異なる信号値を有する糸信号を出力する検出手段と、
所定の期間、前記糸信号について充電時定数および放電時定数に基づく積分動作を行い、積分値に対応する信号を出力する積分手段と、
該積分手段の出力信号を閾値と比較して糸の有無を表す論理信号を出力する比較手段とを含み、緯入れ判定のタイミングにおいて、糸有りを表す論理信号が前記比較手段から発生されないとき、織機を停止させる信号を出力する。前記積分手段は、糸有り検出状態の糸信号が入力すると、所定の充電時定数により積分値をこれが閾値を超える方向に増大させ、糸なし検出状態の糸信号が入力すると、所定の放電時定数により積分値をこれが前記閾値を超えない方向に減衰させる前記積分動作を行い、前記積分手段は、また、前記放電時定数を前記充電時定数に対し独立して変更可能である。
【0013】
積分手段は、積算条件および減衰条件のうち少なくとも一方が異なるようにそれぞれ設定された複数の積分器と、これら積分器のうちいずれかを選択する選択器とを備えることができる。好ましくは、積分手段を蓄電手段と選択可能な複数の充電手段ならびに放電手段とで構成し、選択器からの指令に対応して蓄電手段、充電手段および放電手段を組み合わることにより複数の積分器を構成してもよい。
【0014】
積分手段は、積算条件および減衰条件のうち少なくとも一方が異なるようにそれぞれ設定された複数の設定器と、これら設定器のうちいずれかを選択する選択器と、糸信号を選択された条件に基づき積分する積分器とを備えることができる。
【0015】
前記積分手段には、緯糸選択信号が製織条件に関する信号として入力されており、前記積分手段は、製織中における前記緯糸選択信号の切り替わりに対応して前記放電時定数および前記充電時定数の少なくとも一方を変更するようにしてもよい。
【0016】
積分条件、すなわち積算条件および減衰条件は、緯入れする緯糸の種類や織機の回転速度などの製織条件に対応して、適宜な時期に作業者または制御装置などにより変更される。これにより糸信号を積分するための積分条件が製織条件に対応して変更されるから、緯入れの正否判定が正確にかつ確実になる。
【0017】
積分手段が上記いずれの場合も、積分条件の変更は、用いる積分器、積分用抵抗器、積分用蓄電器、および、それらの値を製織条件に応じて選択することにより、行うことができる。また、積分条件は、製織開始前または製織途中において、制御装置のような外部機器からの指令に基づき自動的に変更してもよいし、作業者が手動で変更してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、緯糸フィーラ10は、緯入れされた緯糸12の有無により緯入れの正否を判定する緯糸検知器として用いられる。緯糸フィーラ10において、緯入れされた緯糸12は、フィーラヘッド14により検出される。
【0019】
フィーラヘッド14は、送光部16から高い周波数のパルス状の光を図示しない緯糸飛走路に向けて照射し、フィーラヘッド14への入射光を受光部18で受光することにより、緯糸12の有無に応じて振幅変調された高周波信号の形の信号S1を発生する。その信号S1は第1の処理回路20に供給される。
【0020】
第1の処理回路20は、まず信号S1を高周波増幅器22において図2(A)に示す高周波信号S2に増幅し、その高周波信号S2をダイオードなどで構成される検波器24において、直流成分のみの糸信号に変換し、その糸信号を積分回路26において積分し、その積分信号S3を交流増幅器を構成するカップリングコンデンサ28および低周波増幅器30に供給して増幅し、増幅した信号を低周波信号S4として比較回路32に出力する。なお、前述のフィーラヘッド14は、光を高周波のパルス状に送光しているが、連続的に送光してもよく、第1の処理回路の内部もこれに対応して構成することもできる。
【0021】
比較回路32は、低周波信号S4を比較器34において閾値S5と比較し、その大小に応じた信号S6を停止信号発生回路のような第2の処理回路36に出力する。信号S6は低周波信号S4の電圧レベルが閾値S5のそれより小さいとき、糸なしを意味する糸なし信号となる。比較器34の閾値S5は、可変抵抗器38により変更および調整することができる。
【0022】
第2の処理回路36は、信号S6をJ・Kタイプのフリップフロップ40のセット入力端子Sに受け、フィーラタイミング信号S7の後縁に対応するトリガー信号S8をフリップフロップ40のクロック入力端子CKに受ける。
【0023】
タイミング信号S7は、織機の主軸42の回転角度に対応した検知タイミング信号であり、また、緯糸12を検出すべき期間の間所定の電圧レベルを維持する。このようなタイミング信号S7は、たとえば、近接体44を主軸42と同期して回転させ、それを近接スイッチ46により検知することにより発生させることができる。
【0024】
タイミング信号S7の発生期間、すなわち緯糸検知期間は、たとえば主軸42の回転角度200度から290までの期間であり、緯入れ判定のタイミングは判定期間の終了時である。このためトリガー信号S8は、タイミング信号S7の立ち下がり時にトリガーされて短い時間幅のパルス信号を発生する単安定マルチバイブレータ48により発生させることができる。
【0025】
これにより、第2の処理回路36は、信号S6を緯糸検知期間の終了時にフリップフロップ40に取り込み、信号S9を出力する。第2の処理回路36が糸なし信号をフリップフロップ38に取り込むと、その出力信号S9は織機を停止させる織機停止信号として作用する高レベルになる。(なお、フリップフロップ40のリセット入力端子Rには、図示しない織機主制御装置からのリセット信号が織機運転に先立って入力され、フリップフロップ40は出力状態をリセットできる。)
【0026】
積分回路26には、積算条件および減衰条件のいずれか一方または双方の組合せに対応して設けられた積分条件の異なる複数の積分器50a,50b・・50nが備えてある。具体的には積算条件および減衰条件に対応して充電時定数および放電時定数が積分器のそれぞれに設定されている。また、積分回路26は、複数の積分器50a,50b・・50nの入力端子を検波器24の出力端子に共通に接続し、これら積分器の出力端子を選択器52の対応する入力端子に接続し、選択器52の出力端子をコンデンサ28の入力端子に接続している。
【0027】
各積分器は、複数の充電用抵抗器ならびに放電用抵抗器と1以上の積分用コンデンサとを備える。選択器52は、マルチプレクサのように複数のスイッチング素子を用いた回路であり、CPUを用いた制御装置のような外部装置から供給される指令信号すなわち選択信号S10により、有効にする積分器を選択する。各積分器は、緯糸の種類に対応されており、対応する緯糸に応じた積分条件、すなわち充電時定数および放電時定数をそれぞれ有する。
【0028】
信号S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8およびS9の波形の一例を、それぞれ図2(A),(B),(C),(D),(E),(F)および(G)に示す。なお、図2は、緯入れ中に打ち戻りが発生した場合の各信号状態を示している。トリガー信号S8は、タイミング信号S7の立ち下がり時に対応する。選択器52に供給される選択信号S10は、製織開始前または製織途中において、制御装置のような外部機器から自動的に供給される。
【0029】
伸縮性の大きい緯糸を緯入れする場合には、緯糸フィーラ10は、打ち戻りを生じたときに、これを確実に緯入れ不良と判定し、織機停止信号である信号S9を出力する必要がある。
【0030】
しかし、従来のように積分回路26の放電時定数が常用の標準緯糸に対応した値に設定されていると、積分信号S3が図2(B)に実線S3aで示すようになる。このため、低周波信号S4が図2(C)に実線S4aで示すようにトリガー信号S8の到達後に閾値S5以下に低下し、これにともない図2(D)に示す信号S6が図2(F)に実線S6aで示すようにトリガー信号S8の到達後に立ち下がるから、打ち戻りによる緯入れ不良であるにもかかわらず正常に緯入れされたものと判定してしまう。
【0031】
このため、緯糸フィーラ10では、伸縮性の大きい緯糸に対して、糸信号が消失したならば速やかに積分値を低下させる積分器を外部装置からの選択信号S10すなわち緯糸選択信号にもとづいて選択器52により選択される。具体的には、この積分器には、減衰条件すなわち放電時定数が常用の標準緯糸に比べ小さく設定されている。このため、積分信号S3のレベルが図2(C)に点線S4bで示すように急速に低下し、これにともない信号S6が図2(D)に点線S6bで示すようにトリガー信号S8の発生前に立ち下がることにより、打ち戻り発生時の緯入れ不良を確実に判定でき、図2(G)に点線で示すように織機停止信号S9を出力することができる。
【0032】
強い撚りの糸のように、信号S2が図3(A)に実線に示すように緯入れ途中で欠落する緯糸の場合、常用の標準緯糸に対応する積分条件の設定のもとでは、積分信号S3および低周波信号S4が図3(B)および(C)に実線S3aおよびS4aで示すように変動する。この場合、トリガー信号S8の発生時に信号S4のレベルが閾値S5に達していないと、停止信号発生回路36はトリガー信号S8の発生時に糸なし信号をフリップフロップ40に取り込む。その結果、たとえその緯糸が正常に緯入れされても、糸信号の欠落から誤って緯入れ不良と判定してしまう。
【0033】
このため、緯糸フィーラ10では、強い撚りの緯糸に対して、糸信号の欠落が生じても積分値が正常のレベルに維持される積分器を緯糸選択信号にもとづいて選択器52により選択される。具体的には、この積分器には、糸信号の入力に対応して速やかに積分値が上昇し、しかもその後糸信号が欠落しても積分値がすぐに減衰しないように、常用の標準緯糸に対し充電時定数を小さく、かつ放電時定数を大きく設定されている。これにより、積分信号S3のレベルが図3(C)に点線S3bで示すように急速に高くなり、しかもそのレベルが緩やかに低下し、これにともない信号S6が図3(C)に点線S6bで示すようにトリガー信号S8の発生時に閾値S5を越えることにより、糸信号の欠落が生じても緯入れは正常と確実に判定することができる。なお、常用の標準緯糸に対しては、詳説しないが、従来通りこれに対応する積分条件のもとで緯入れを確実に判定することができる。
【0034】
上記のように、緯糸フィーラ10は、積分回路26における積分条件の変更(設定)手段として、条件が異なる複数の積分器50a,50b・・50nを設け、これらの積分器から製織条件に応じたものを選択してこれを有効にするようにしたから、緯入れの正否の判定が正確にかつ確実になる。
【0035】
また、所定の積分器が、外部装置からの、たとえば緯糸選択信号などの選択信号により自動的に選択されるから、製織中において暴れやすい強い撚りの糸と、伸縮性の強い糸とをミキシングする場合でも、緯入れの正否を正確にかつ確実に判定することができる。しかし選択信号S10は、製織開始前または製織途中において、作業者が手動で選択器52に入力してもよい。
【0036】
図4を参照するに、緯糸フィーラ60は、単色対応フィーラとして単色緯入れ織機用に構成されている。このため、緯糸フィーラ60は、積分回路62の積分条件の変更(設定)手段として、検波器24の出力信号を積分する積分器64と、積分器64で用いる積分条件を設定する積分条件設定器66とを用いている。設定器66は、充電時定数および放電時定数等の積分条件を手動で設定可能に構成されている。
【0037】
緯糸フィーラ60において、充電時定数および放電時定数等の積分条件は、用いる緯糸に応じて設定器66に予め設定され、また、緯糸が変わるたびに、手動で設定し直される。しかし、外部装置からの選択信号によりこれら積分条件を自動的に設定し直すようにしてもよい。
【0038】
図5を参照するに、緯糸フィーラ70は、多色対応フィーラとして多色緯入れ織機用に構成されている。このため、緯糸フィーラ70は、積分回路72の積算条件および減衰条件の変更手段として、検波器24の出力信号を積分する積分器74と、積算条件および減衰条件が設定可能な複数の設定器78a、78b・・78nと、設定器を選択する選択器76と、指定用の複数の選択スイッチ80a、80b・・80nとを用いている。
【0039】
設定器78a,78b・・78nは、緯入れに用いる糸の種類に対応した積算条件および減衰条件を予め設定される。選択スイッチ80a,80b・・80nは、有効にする設定器を指定するスイッチであり、選択器76は選択スイッチにより指定された設定器を積分器84に接続する。
【0040】
緯糸フィーラ70において、積分器74は、製織開始前に、作業者が適宜な選択スイッチを操作することにより、用いる緯糸に対応した積算条件および減衰条件の設定器に接続される。緯糸フィーラ70において、外部装置からの選択信号により用いる設定器を自動的に設定するようにしてもよい。
【0041】
図6を参照するに、積分回路82は、積算条件に対応する充電時定数と減衰条件に対応する放電時定数とを緯糸の種類に応じて変更する。このため積分回路82は、蓄電するコンデンサのような蓄電器84と、該蓄電器の充電電流を変更可能な充電条件変更回路86と、蓄電器84の放電電流を変更可能な放電条件変更回路88と、充電条件および放電条件を選択する選択器90とを備える。
【0042】
充電条件変更回路86は、電流制限器として作用する複数の抵抗器92a,92b・・92nと、それら抵抗器を蓄電器84に接続するスイッチ回路94とを備える充電回路である。抵抗器92a、92b・・92nは、検波器24の出力端子とスイッチ回路の入力端子との間に直列に接続されている。スイッチ回路94は、抵抗器92a、92b・・92nごとに対応した複数のスイッチ94a,94b・・94nを備えており、選択器90から供給される充電選択信号S11に基づき、該当する抵抗器を蓄電器84に接続する。
【0043】
放電条件変更回路88は、複数の抵抗96a,96b・・96nとそれらの抵抗器を蓄電器84に接続するスイッチ回路98とを備える放電回路である。抵抗器96a,96b・・96nは、蓄電器84と、スイッチ回路98の入力端子との間に直列に接続されている。スイッチ回路98は、抵抗96a,96b・・96n毎に対応された複数のスイッチ98a,98b・・98nを備えており、選択器90から供給される放電選択信号S12に基づき、該当する抵抗器を蓄電手段の両端に接続する。
【0044】
選択器90は、例えば緯糸選択信号などの外部装置からの選択信号S10を解読して、入力した選択信号S10に対応する選択信号S11およびS12を出力するデコーダである。選択器90には、入力選択信号に対応して充電回路および放電回路で選択される抵抗器の組合せが製織条件毎に設定されている。
【0045】
積分回路82においては、選択器90から充電選択信号S11および放電選択信号S12が出力されると、該当する抵抗器を組み合わせた充電回路および放電回路と蓄電器84と1つの積分器が構成される。さらに、積分回路82は、外部装置からの異なる選択信号S10が入力されるたびに、選択器90からの選択信号に基づき対応する積分器をさらに構成することができる。以上のようにして、充電時定数および放電時定数の少なくとも一方が異なる積分器が緯糸選択信号に応じて変更される。このため、積分回路82を用いた緯糸フィーラによれば、複数種類の緯入れの正否の判定がより確実になる。なお、充電回路および放電回路の内部構成は時定数が変更できるものであれば何でもよい。
【0046】
なお、図6に示す積分回路82を用いる場合も、作業者が選択信号S10または選択信号S11およびS12を直接入力するようにしてもよい。
【0047】
上記各実施例のように、用いる緯糸の種類を製織条件とすれば、緯糸の飛走特性が緯糸によって異なり、糸信号の出力形態も同様に異なっていても、糸種に対応した積分条件のもとで糸信号を積分することができるから、従来のように製織条件の変化に左右されることなく判定に最適な積分信号が得られ、緯入れの正否を確実にかつ正確に判定することができる。
【0048】
ところで、製織条件を、主軸回転速度としてもよい。回転数の変更に対応して積分器または設定器を複数設けておき、織機回転数信号に対応する積分器または設定器を選択することができる。主軸の回転速度を製織条件として用いれば、織機の回転数に対応した積分条件を設定することができるから、糸信号の出力期間(出力時間)に左右されることなく、緯入れの正否をより確実にかつ正確に判定することができる。さらに、製織条件を緯糸および主軸回転速度とし、これら2つの組合せに対応して積分器または積分条件設定器を複数設け、緯糸選択信号または織機回転数信号のいずれかの変更に対応して積分条件を選択し積分することもできる。しかし、製織条件をこれ以外のもの、たとえば緯入れノズルの種類や番号、筬の羽数、緯入れ用流体の噴出圧力のような緯入れ条件としてもよく、これらおよびこれらの組合せに対応して積分条件を選択することもできる。そのようにすれば、製織条件の変化に左右されることなく判定に最適な積分信号が得られ、緯入れの正否をより確実にかつ正確に判定することができる。
【0049】
図7は、製織条件に応じて設定する積分条件の例を示す。
【0050】
1:細い糸ほどフィーラヘッド14からの糸信号の振幅が小さいから、細い糸ほど充電時定数を常用緯糸より小さめにして積分信号S3の立上がりを早くする。
【0051】
2:糸の種類に関しては、撚りの強い糸ほど、緯糸の暴れが大きく、糸信号の割れが大きいから、撚りの強い糸ほど、充電時定数を小さくして積分信号S3の立上がりを早くするとともに、放電時定数を大きくして積分信号S3の立ち下がりを遅くする。
【0052】
3:伸縮しやすい糸ほど緯糸の打ち戻りが発生しやすいから、伸縮しやすい糸ほど放電時定数を小さくして積分信号S3の立ち下がりを早くする。
【0053】
4:スパン糸は、他の糸に比べ、風綿のような障害物が飛走しやすいから、充電時定数を大きめにして積分信号S3の立ち上がりを遅くする。
【0054】
5:主軸の回転速度が速いほど糸信号の出力期間が短いから、主軸の回転速度が速いほど、充電時定数を小さめにして積分信号S3の立ち上がりを早くするとともに、放電時定数を小さめにして積分信号S3の立ち下がりを早くする。
【0055】
本発明は、上記実施例に限定されない。たとえば、本発明は、エアージェットルーム用の緯糸フィーラとして最適であるが、フィーラヘッドの出力信号を積分するものであれば、たとえばウオータジェットルームの電極式緯糸フィーラのような他の織機用緯糸フィーラにも適用することができる。また閾値S5を1以上の製織条件ひいては1以上の積算条件および減衰条件に応じて変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る緯糸フィーラの第1の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図2】 図1の緯糸フィーラにおける電気信号の波形の一実施例を示す図である。
【図3】 図1の緯糸フィーラにおける電気信号の波形の他の実施例を示す図である。
【図4】 本発明に係る緯糸フィーラの第2の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図5】 本発明に係る緯糸フィーラの第3の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図6】 積分回路の他の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図7】 製織条件に応じて設定する積分条件の例を示す図である。
【符号の説明】
10,60,70 緯糸フィーラ
12 緯糸
14 フィーラヘッド
16 送光部
18 受光部
20 第1の処理回路
22,30 増幅器
24 検波器
26 積分回路
28 カップリングコンデンサ
32 比較回路
34 比較器
36 第2の処理回路
40 フリップフロップ
42 主軸
44 近接体
46 近接スイッチ
48 単安定マルチバイブレータ
Claims (2)
- 受光素子への入射光量に対応する信号値であって糸有り検出状態と糸無し検出状態とで異なる信号値を有する糸信号を出力する検出手段と、
所定の期間、前記糸信号について充電時定数および放電時定数に基づく積分動作を行い、積分値に対応する信号を出力する積分手段と、
該積分手段の出力信号を閾値と比較して糸の有無を表す論理信号を出力する比較手段とを含み、
緯入れ判定のタイミングにおいて、糸有りを表す論理信号が前記比較手段から発生されないとき、織機を停止させる信号を出力する、織機のフィーラにおいて、
前記積分手段は、糸有り検出状態の糸信号が入力すると、所定の充電時定数により積分値をこれが閾値を超える方向に増大させ、糸なし検出状態の糸信号が入力すると、所定の放電時定数により積分値をこれが前記閾値を超えない方向に減衰させる前記積分動作を行い、
前記積分手段は、また、前記放電時定数を前記充電時定数に対し独立して変更可能である、織機の緯糸フィーラ。 - 前記積分手段には、緯糸選択信号が製織条件に関する信号として入力されており、
前記積分手段は、製織中における前記緯糸選択信号の切り替わりに対応して前記放電時定数および前記充電時定数の少なくとも一方を変更する、請求項1に記載の緯糸フィーラ。
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JP6922714B2 (ja) * | 2017-12-14 | 2021-08-18 | 株式会社豊田自動織機 | エアジェット織機における緯糸検出方法 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP36620797A patent/JP4151097B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11189953A (ja) | 1999-07-13 |
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