JP4149583B2 - 研削装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ剥離装置及びテープ剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体ウェーハ等の板状物品を研削する工程においては、研削前にICの形成されたパターン面に保護テープが貼られ、汚れや傷付きから保護するようにしている。研削後は板状物品を研削装置から搬出し、テープ剥離機に搬送して板状物品から保護テープを剥離していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によると、テープ剥がしのために専用のテープ剥離機が必要であり、テープ剥離後にパターン面を洗浄するためには専用の洗浄機が必要であり、これらはいずれも別置きであることから多大の設備投資と設置スペースとが要求されるという問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、洗浄後にテープを剥離できるようにテープ剥離装置を組み込んだ研削装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための技術的手段として、本発明は、請求項1に記載したように、半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
洗浄が終了した後、半導体ウェーハを反転して熱収縮性テープ側が表になるようにしてスピンナーテーブルに載せ換える反転手段と、
熱収縮性テープに当該熱収縮性テープを剥離させる温水を供給する温水供給手段と、
その温水によって剥離され半導体ウェーハ上でよじれた熱収縮性テープを廃棄する廃棄手段を備えたことを特徴とする研削装置を要旨とする。
又、請求項2に記載したように、半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
洗浄が終了した後、半導体ウェーハを反転して熱収縮性テープ側が表になるようにしてスピンナーテーブルに載せ換える反転手段と、
熱収縮性テープに当該熱収縮性テープを剥離させる温水を供給する温水供給手段と、
その温水によって剥離され半導体ウェーハ上でよじれた熱収縮性テープを廃棄する廃棄手段を備え、
前記温水供給手段は、洗浄時に洗浄水供給手段をも兼ねるように要部にヒーターが装着され、
前記廃棄手段は、ガイドレールに沿って移動可能に形成されると共に、下端部に上下動及び軸回転し、前記よじれた熱収縮性テープを吸排する吸排部を備えたことを特徴とする研削装置を要旨とする。
更に、請求項3に記載したように、半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
洗浄が終了した後、半導体ウェーハを反転して熱収縮性テープ側が表になるようにしてスピンナーテーブルに載せ換える反転手段と、温水供給手段を備え、
この温水供給手段は桶と温水供給管とで形成し、
前記桶はスピンナーテーブルの下部に上下動可能に配設し、熱収縮性テープを剥離する際に当該桶を上昇させ、その桶に前記温水供給管から温水を供給して熱収縮性テープが温水中に水没するように構成したことを特徴とする研削装置を要旨とする。
又、請求項4に記載したように、半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
洗浄が終了した後、前記搬送手段における保持手段によって熱収縮性テープ側が下になるようにして半導体ウェーハを保持し、
この搬送手段の下方に温水槽を配設し、当該温水槽内に半導体ウェーハを水没させると共に、前記保持手段を介して回転運動を加えるように構成したことを特徴とする研削装置を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳説する。
図1(イ) は、本発明に係るテープ剥離装置を研削装置に組み込んだ実施形態を示すもので、この研削装置1においては被研削物である板状物品がカセット2内に収容されている。この場合、図1(ロ) のように板状物品Wは半導体ウェーハであり、そのICパターン面には保護テープである熱収縮性テープTが貼着されている。熱収縮性テープTは、一般的なものでよいが、例えば延伸エチレン酢酸ビニル共重合体(100μm前後厚)にアクリル系粘着剤層(10μm〜50μm厚)を形成したものを選択できる。
【0006】
前記板状物品Wは、熱収縮性テープT側が下面となるようにカセット2内に収容されており、先ず搬出入及び反転手段3によりカセット2内から搬出されると共に、待機領域4まで搬送される。
【0007】
搬出入及び反転手段3は、上下動する基台3aに回転軸3bが装着され、この回転軸3bに複数の旋回アーム3cが屈伸自在に連結され、先端には二股に分岐した吸着部3dが取り付けられ、この吸着部3dはその基部において180°反転可能に形成されている。
【0008】
前記待機領域4に搬送された板状物品Wは、中心方向に移動する複数の位置合わせ片4aにより中心位置が合わされ、上下動及び旋回自在の第1の搬送手段5により吸着されてターンテーブル6上に配設されたチャックテーブル7まで搬送され、その上面に吸引保持される。
【0009】
チャックテーブル7に吸引保持された板状物品Wは、ターンテーブル6の回転によって第1の研削手段8の下に位置付けられ、下端に取り付けられた回転砥石8aにより粗研削される。この時、チャックテーブル7も回転し、研削面には研削水が供給される。
【0010】
粗研削の終了後、ターンテーブル6の回転によって第2の研削手段9の下に位置付けられ、下端に取り付けられた回転砥石9aにより仕上げ研削される。この時も、チャックテーブル7は回転し、研削面には研削水が供給される。
【0011】
仕上げ研削終了後、板状物品Wは取り出し位置に割り出され、第2の搬送手段10により吸着されてチャックテーブル7から外されて洗浄手段11に搬送される。この洗浄手段11は、板状物品Wを保持するスピンナーテーブル(保持手段)11aを有し、洗浄水供給手段12と、温水供給手段13とが配設されている。
【0012】
洗浄手段11に搬送された板状物品Wは、先に前記スピンナーテーブル11aに熱収縮性テープT側が吸引保持されて表側の研削面が洗浄される。この洗浄工程では、前記洗浄水供給手段12から研削面に洗浄水を供給しながらスピン洗浄される。
【0013】
洗浄が終了した後、板状物品Wは前記搬出入及び反転手段3により反転される。この反転工程においては、搬出入及び反転手段3の吸着部3dにより板状物品Wを下から吸着し、即ち熱収縮性テープT側を吸着してスピンナーテーブル11aから持ち上げ、吸着状態を保持したままで吸着部3dを180°反転させ、板状物品Wの研削面側を下にして保持手段としてのスピンナーテーブル11aに再度吸引保持させる。
【0014】
この後、板状物品Wの熱収縮性テープTに前記温水供給手段13から所要温度(例えば60°C)の温水を供給する温水供給工程がなされ、その温水によって熱収縮性テープTを剥離させると共に、よじれた熱収縮性テープT′を廃棄手段によりテープのゴミ箱14に廃棄する廃棄工程が遂行される。この場合、廃棄手段としては前記第2の搬送手段10を兼用することが可能である。尚、板状物品Wに供給された温水によって熱収縮性テープTの剥離面が洗浄される。
【0015】
熱収縮性テープT′の廃棄後、板状物品Wをスピン乾燥する。最後に、前記搬出入及び反転手段3によって板状物品Wを吸着してスピンナーテーブル11aから外し、前記カセット2と対向位置に置かれたカセット2′内に収容する。
尚、温水に替え温風を供給しても熱収縮性テープTはよじれるが、剥離を円滑に遂行するには温水が好ましい。
【0016】
図2は、本発明に係るテープ剥離装置の他の実施形態を示すもので、板状物品Wを保持する保持手段21(スピンテーブル)と、この保持手段21に保持された板状物品Wの熱収縮性テープ面に温水を供給する温水供給手段22と、温水により剥離してよじれた熱収縮性テープT′を廃棄する廃棄手段23とから構成されている。
【0017】
この場合、温水供給手段22は洗浄水供給手段をも兼ねており、即ち要部にヒーター22aが装着されていて、このヒーター22aにより洗浄水を適温(例えば60°c)に温めて温水を供給し、温めない時にはそのまま洗浄水として供給する。従って、研削後の板状物品Wを洗浄する際には、前記のように熱収縮性テープT側を下にして保持手段21に吸引保持し、洗浄水を供給しながら研削面側を洗浄することができる。
【0018】
前記廃棄手段23は、ガイドレール24に沿って移動可能に形成され、下端部には上下動及び軸回転する吸排部23aを有し、この吸排部23aによって前記よじれた熱収縮性テープT′を吸引して板状物品Wから持ち上げ、吸引保持したまま前記ガイドレール24に沿って移動させ、ゴミ箱25上で廃棄することで落下させる。板状物品Wの剥離面は前記と同様に洗浄及び乾燥工程がなされる。
このようなテープ剥離装置20は、前記研削装置1の洗浄手段11に組み込むことが可能である。
【0019】
尚、熱収縮性テープに温水を供給するには、板状物品Wを回転させながら板状物品Wの外周から内側に供給することが好ましい。
【0020】
又、本発明に係るテープ剥離装置の他の実施形態として温水供給手段を水没式にすることができる。例えば、図3(イ) 、(ロ) に示すように保持手段31(スピンテーブル)の下部に上下動可能な略円筒状の桶32を配設し、保護テープTを剥離する際に桶32を上昇させ、その桶32に温水供給管33から温水Sを供給して保護テープTが温水S中に水没するように構成する。この場合は、桶32と温水供給管33とで温水供給手段が形成される。前記温水Sに水没した保護テープTは、よじれた状態にて板状物品Wから剥離する。
【0021】
更に、図4(イ) 、(ロ) に示すように温水槽41に所定温度の温水Sを溜めておき、図1に示す第2の搬送手段10における保持手段10aによって保護テープTを下にして板状物品Wを保持させ、温水槽41内に板状物品Wを水没させ、前記保持手段10aを介して回転運動を加えるように構成する。42は温水槽41の底部に設けられたヒーターであり、このヒーター42と温水槽41とで温水供給手段が形成される。前記保護テープTは、板状物品Wからよじれた状態にて剥離し温水槽41内に浮遊する。前記ヒーター付き温水槽41は、図1に示すゴミ箱14の位置にそのゴミ箱14に代えて設けるか、又はゴミ箱14の近傍であって保持手段10aの旋回位置に設けることができる。
【0022】
尚、温水槽41の代わりに図5(イ) 、(ロ) に示す如く温水供給管43の先端ノズル43aから保護テープTに温水Sを吹き付けるように構成しても良い。この場合、必要に応じて温水供給管43を揺動させ、保護テープTの全域に温水Sが平均的に行き渡るようにすることも可能である。
【0023】
いずれにしても、温水供給手段及び保持手段の構成は特に限定されるものでなく、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜構成することができる。又、廃棄手段においても、例えば剥離した保護テープTが前記温水槽41内に浮遊するのであれば、この温水槽41自体が廃棄手段を兼ねるのであり、やはり本発明の趣旨に反しない範囲で適宜構成することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る切削装置は、半導体ウェーハを保持する保持手段と、この保持手段に保持された半導体ウェーハのテープ面に温水を供給する温水供給手段とから少なくとも構成されるテープ剥離装置を組み込んだので、機構が簡単であり安価に製造できる。
又、テープ剥離装置の機構が簡単であることから研削装置に組み込むことが容易であり、不要となった保護テープを研削装置内で剥離することができ、テープ剥離装置を別置きして設ける必要がなく生産性が向上する。
更に、本発明によれば、半導体ウェーハに貼着した保護テープを剥すためのテープ剥離装置を、切削装置の洗浄手段の箇所に組み込んだので、従来のように専用のテープ剥離機及び洗浄機を別置きする必要がなくなり、これにより設備投資及び設置スペースの削減が図れ、極めて経済的でありしかも能率的である等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (イ) は本発明に係るテープ剥離装置を切削装置に組み込んだ実施形態を示す全体図、(ロ) は板状物品の外観図。
【図2】本発明に係るテープ剥離装置の他の実施形態を示す概略斜視図。
【図3】 (イ) 、(ロ) は温水供給手段を水没式にした実施形態を示す説明図。
【図4】 (イ) 、(ロ) は温水槽を用いた実施形態を示す説明図。
【図5】 (イ) 、(ロ) は温水供給管から温水を噴射させる実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1…研削装置
2…カセット
3…搬出入及び反転手段
4…待機領域
5…第1の搬送手段
6…ターンテーブル
7…チャックテーブル
8…第1の研削手段
9…第2の研削手段
10…第2の搬送手段
11…洗浄手段
12…洗浄水供給手段
13…温水供給手段
14…ゴミ箱
20…テープ剥離装置
21…テーブル
22…温水供給手段
23…廃棄手段
24…ガイドレール
25…ゴミ箱
31…保持手段(スピンテーブル)
32…桶
33温水供給管
41…温水槽
42…ヒーター
43…温水供給管

Claims (4)

  1. 半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
    洗浄が終了した後、半導体ウェーハを反転して熱収縮性テープ側が表になるようにしてスピンナーテーブルに載せ換える反転手段と、
    熱収縮性テープに当該熱収縮性テープを剥離させる温水を供給する温水供給手段と、
    その温水によって剥離され半導体ウェーハ上でよじれた熱収縮性テープを廃棄する廃棄手段を備えたことを特徴とする研削装置。
  2. 半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
    洗浄が終了した後、半導体ウェーハを反転して熱収縮性テープ側が表になるようにしてスピンナーテーブルに載せ換える反転手段と、
    熱収縮性テープに当該熱収縮性テープを剥離させる温水を供給する温水供給手段と、
    その温水によって剥離され半導体ウェーハ上でよじれた熱収縮性テープを廃棄する廃棄手段を備え、
    前記温水供給手段は、洗浄時に洗浄水供給手段をも兼ねるように要部にヒーターが装着され、
    前記廃棄手段は、ガイドレールに沿って移動可能に形成されると共に、下端部に上下動及び軸回転し、前記よじれた熱収縮性テープを吸排する吸排部を備えたことを特徴とする研削装置。
  3. 半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
    洗浄が終了した後、半導体ウェーハを反転して熱収縮性テープ側が表になるようにしてスピンナーテーブルに載せ換える反転手段と、温水供給手段を備え、
    この温水供給手段は桶と温水供給管とで形成し、
    前記桶はスピンナーテーブルの下部に上下動可能に配設し、熱収縮性テープを剥離する際に当該桶を上昇させ、その桶に前記温水供給管から温水を供給して熱収縮性テープが温水中に水没するように構成したことを特徴とする研削装置。
  4. 半導体ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持された半導体ウェーハを研削する研削手段と、この研削手段によって研削された半導体ウェーハをチャックテーブルから外して洗浄手段に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された半導体ウェーハを保持して洗浄するスピンナーテーブルから少なくとも構成された研削装置において、
    洗浄が終了した後、前記搬送手段における保持手段によって熱収縮性テープ側が下になるようにして半導体ウェーハを保持し、
    この搬送手段の下方に温水槽を配設し、当該温水槽内に半導体ウェーハを水没させると共に、前記保持手段を介して回転運動を加えるように構成したことを特徴とする研削装置。
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