JP4149321B2 - 釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
この発明は、釣竿、特に釣竿の穂先部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図6は、従来の一般的な釣竿の正面図である。
この釣竿1は、アウターガイドタイプの磯釣用釣竿である。釣竿1は、振出式に組み立てられており、第1番節2〜第5番節6を備えている。なお、第1番節2は、「穂先部」と称される場合もある。ただし、「穂先部」は、広義には釣竿の先端部分を意味する。各節2〜5には、釣糸を案内する釣糸ガイドGが複数装着されている。一般に第2番節3〜第5番節6は、細長円筒状に形成されるが、第1番節2は、中実棒状に形成されることがある。
【0003】
図7は、第1番節2の拡大図である。
同図では、釣糸ガイドの図示は省略されている。通常、第1番節2は、全体が中実構造を有するのではなく、同図が示すように、中間部7において中実部材8と中空部材9とが連結される。両者の連結は、中空部材9の先端部に、中実部材8の後端部が嵌め込まれることによって行われる。なお、第1番節2は、外周面が塗装され、外見上は、中実部材8と中空部材9との境界部分が滑らかに連続するように仕上げられる。
【0004】
ところで、実釣時において魚が掛かった場合には、釣竿1に曲げモーメントが加わり、釣竿1は、釣糸ガイドGによって案内される釣糸の方向(図6、図7では、矢印Mの方向)に曲げられる。本明細書において、この方向は、「正規曲げ方向」と定義される。このように釣竿1が曲げられることによって第1番節2も同方向に湾曲される。第1番節2の上記中間部7は、前述のように中実部材8と中空部材9とが継がれているから(図2参照)、第1番節2が湾曲されることによって、中間部7に応力集中が発生し、その結果、塗料の割れ等、当該中間部7が損傷を受けるおそれがあった。
【0005】
また、この中間部分7において、第1番節2の断面係数は、不連続となっている。そのため、特に魚が掛かった場合等において、第1番節2が連続的に滑らかに湾曲することができず、釣人が好む「滑らかで綺麗な曲がり」を実現することが困難であった。
なお、第1番節ないし釣竿全体の滑らかな曲がり等を実現するために、第1番節ないし釣竿は、従来から種々の改良が施されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−112670
【特許文献2】
特開2002−101788
【特許文献3】
特開平11−151056号公報
【0007】
そこで、本発明の目的は、応力集中を抑制して損傷を防止すると共に滑らかに湾曲し得る釣竿を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的が達成されるため、本願に係る釣竿は、中実部の後端部が中空部の先端部に連結された穂先部を備え、上記先端部は、穂先部の軸方向に対して交差する方向に沿って斜めにカットされていることを特徴とするものである。
この構成によれば、穂先部は、中空部と中実部とが連結されて構成されているから、両者の連結部においては断面係数が不連続となる傾向にある。しかし、両者の連結部において上記中空部の先端部が斜めにカットされていることから、当該連結部において断面係数の不連続性は効果的に緩和されている。したがって、穂先部に曲げモーメントが作用して穂先部が湾曲された場合には、上記連結部も滑らかに湾曲する。言い換えると、上記連結部において断面係数の不連続性が緩和されているので、当該連結部に曲げモーメントが作用した場合に、当該連結部には一様な応力が発生し、当該連結部の外縁部が局部的に引っ張られ又は圧縮されることはない。
【0009】
(2) また、上記先端部は、上記穂先部が正規曲げ方向に曲げられたときに引張応力が発生する側に開口するように、穂先部の軸方向に対して交差する方向に沿って斜めにカットされている。
仮に、上記中空部の先端部が圧縮応力が生じる側に開口している場合には、上記連結部において座折現象が発生するおそれがある。しかし、上記中空部の先端部は、上記引張応力が生じる側に開口しているので、上記連結部が座折するおそれはない。また、上記連結部の断面係数の不連続性が緩和されていることから、上記連結部の断面に生じる応力が穂先部の軸方向に沿って連続的に変化する。その結果、穂先部に上記正規曲げ方向に曲げモーメントが作用した場合であっても、上記連結部が損傷を受けるおそれはない。
【0010】
(3) 上記中実部と上記中空部との連結部に接着部材が充填され、且つ上記中空部と上記中実部との境界が滑らかに連続するように塗料が塗布されているのが好ましい。
この構成では、上記連結部に接着部材が充填されることにより、当該連結部における断面係数の不連続性がきわめて効果的に緩和される。しかも、上記中空部と中実部との境界が塗料により滑らかに連続するように仕上げられているから、上記連結部における断面係数の不連続性は、一層効果的に緩和される。したがって、当該連結部の一部分に局部的に大きな応力が発生することはなく、その結果、塗料の割れ等の不都合も防止される。
ここで、「接着部材」は、典型的には、締結用糸や接着剤等が採用され得る。より詳細には、締結用糸としては、綿糸等が採用され、接着剤としては、エポキシ系二液混合タイプのもの等が採用される。なお、上記綿糸は、撚糸タイプであっても無撚タイプのものであってもよい。
【0011】
(4) 上記中実部の後端部は、後方に向かって漸次縮径された錐体部を備え、上記中空部の先端部は、上記錐体部を支持する支持部を備えており、上記錐体部は、上記支持部に嵌合支持された構造であるのが好ましい。
この構成では、上記中空部と中実部とは、中実部の錐体部が中空部の支持部に嵌め込まれることによって連結される。これにより、上記中空部の先端部が前述のように斜めにカットされていても、上記中実部は、中空部に略位置決めされた状態で支持される。したがって、穂先部が湾曲された場合に、上記中空部と中実部との間において部材の滑りやクラック等の発生が抑制され、上記連結部の損傷は、一層防止される。
【0012】
(5) 上記中実部の後端部は、後方に向かって漸次縮径された錐体部と、さらに後方に向かって錐体部に連続した円柱部とを備え、上記中空部の先端部は、上記錐体部及び円柱部を支持する支持部を備えており、上記錐体部及び円柱部は、上記支持部に嵌合支持された構造であるのがより好ましい。
この構成では、上記中空部と中実部とは、中実部の錐体部及び円柱部が中空部の支持部に嵌め込まれることによって連結される。つまり、上記中空部と中実部とは、いわゆるインロー嵌合状態で連結される。これにより、上記中空部の先端部が前述のように斜めにカットされていても、上記中実部は、中空部に位置決めされた状態で支持される。したがって、穂先部が湾曲された場合に、上記中空部と中実部との間において部材の滑りやクラック等が生じることはなく、上記連結部の損傷は、一層防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の正面図である。
この釣竿10は、いわゆるアウターガイドタイプの磯釣用振出式釣竿である。釣竿10は、釣竿本体11及びリールシート12とを備えている。リールシート12は、釣用リールが装着される部分であると同時に、釣人が釣竿10を把持する部分である。本実施形態では、リールシート12は、釣竿本体11と一体的に形成されている。もっとも、リールシート12が別部材として構成され、これが釣竿本体11に装着されていてもよいことは勿論である。
【0015】
釣竿本体11は、5つの釣竿構成部材13〜17から構成されている。各釣竿構成部材13〜17は、それぞれ「節」と称され、釣竿本体11の先端側(図中左側)から順に第1番節13、第2番節14と称される。第1番節13は、釣竿10の穂先部を構成している。第4番節16は、特に「元上節」と称され、第5番節17は、特に「元節」と称されることもある。
各節14〜17は、既知の要領で構成される。例えば、カーボンプリプレグが所定形状に裁断され、これが筒状に巻回されることによって、円筒状の節14〜17が形成される。ただし、特に第1番節13は、後に詳述される構造を備えており、その一部が中実棒状に形成されている。
なお、この釣竿10では、第4番節16(すなわち元上節16)が第5番節17(すなわち元節17)に対して伸縮するズーム機構を搭載している。もっともこのズーム機構は任意的なものであって、当該機構は省略される場合もある。
【0016】
第1番節13は第2番節14の内部に引き出し自在に収容されている。第1番節13は全体としてテーパ状に形成されており、先端部の外径よりも後端部の外径の方が大きくなるように形成されている。そして、第1番節13の後端径は、第2番節14の先端径よりも大きく設定されており、第1番節13が第2番節14から引き出された際に、第1番節13の後端部分が第2番節14の先端部分とかみ合って両者が固定されるようになっている。なお、第2番節14と第3番節15との関係及び第3番節15と元上節16との関係も同様である。
【0017】
元節17には、前述のように上記リールシート12が一体的に形成されている。このリールシート12は、釣用リールを着脱自在に保持する。リールシート12は、釣用リールの脚部の一方を収容保持するフード18と、脚部の他方を収容保持する可動フード19とを備えている。可動フード19は、釣用リールを載置する載置面20に沿って図中左右にスライド可能となっている。そして、可動フード19が図中左右にスライドすることにより、可動フード19とフード18との間で、釣用リールの脚部が挟持され固定されるようになっている。なお、かかるリールシート12の構造については既知であるので、その詳しい説明は省略される。
【0018】
本実施形態に係る釣竿10は、スピニングリール対応タイプであり、釣竿本体11には、複数の釣糸ガイド21〜27が設けられている。釣糸ガイド21は、特にトップガイドと称され、第1番節13の先端に常時固定されている。また、釣糸ガイド23、25は、それぞれ第2番節14及び第3番節15の先端に常時固定されている。他の釣糸ガイド22,24,26,27は、それぞれ、第1番節13,第2番節14,第3番節15,元上節16に遊嵌されている。これら釣糸ガイド22,24,26,27は、各節13〜16が隣り合う節から引き出された状態で図中右側にスライド(各節13〜15において外径が漸次大きくなる方向にスライド)されることによって、各節13〜15の所定位置に嵌合固定されるようになっている。したがって、この釣竿10においては、矢印Mの方向が正規曲げ方向となる。
【0019】
図2は、釣竿10の第1番節13の正面図である。また、図3は、第1番節13の要部拡大図、図4は、第1番節13の要部拡大分解図である。
第1番節13は、中実部28と中空部29とを備えており、これらは、第1番節13の中間部30において連結されている。中実部28と中空部29とが連結された中間部30は、特に「連結部30」と称される。
【0020】
中実部28は、その後端部31が中空部29の先端部32に嵌め込まれることによって当該中空部29に連結されている。中空部29の先端部32は、図3及び図4が示すように斜めにカットされている。すなわち、この先端部32の開口部33は、第1番節13が正規曲げ方向Mに沿って湾曲されたときに、当該第1番節13に引張応力が発生する側(図3において第1番節13の下面側)に向くように形成されている。本実施形態では、図3が示すように、上記先端部32の端面は、第1番節13の軸方向Nに対して角度θだけ傾斜している。この角度θは、30°(degree)〜70°に設定される。
【0021】
図4が示すように、中実部28の後端部31は、錐体部34と円柱部35とを備えている。これらは、中実部28と一体的に形成されている。錐体部34は、中実部28の後端部31が軸方向Nに沿って漸次縮径されながら後方へ延設された部分によって構成されており、略円錐状に形成されている。また、円柱部35は、この錐体部34の後端部がさらに軸方向Nに沿って後方へ延設された部分によって構成されている。したがって、錐体部34の周面は、所定のテーパが形成され、このテーパは、30/1000〜150/1000の範囲で適宜設定される。また、円柱部35の外径寸法は、0.7mm〜4.0mmの範囲で、円柱部35の長さ寸法は、10mm〜30mmの範囲でそれぞれ適宜設定され得る。
【0022】
一方、中空部29の先端部32は、中実部28を支持するための支持部36が設けられている。この支持部36は、中空部29の先端部32の内壁面形状により区画形成された空間により構成されている。すなわち、上記支持部36は、図4が示すように、第1嵌合凹部37及び第2嵌合凹部38とを備えており、第1嵌合凹部37は、内壁面形状が略円錐状に形成された空間からなり、第2嵌合凹部38は、内壁面形状が円柱状に形成された空間からなる。
第1嵌合凹部37は、内壁面39がテーパ状に傾斜されており、このテーパは、上記錐体部34の周面に形成されたテーパと同様である。また、第2嵌合凹部38は、第1嵌合凹部37に連続しており、その内径寸法は、上記円柱部35の外径寸法に対応されており、上記円柱部35は、第2嵌合凹部38にぴったりと嵌め合わされるようになっている。
なお、本実施形態では、第2嵌合凹部38に連続して連結凹部42が形成されている。この連結凹部42は、略漏斗状に形成されており、第2嵌合凹部38の内壁面40と中空部29の内壁面41とを滑らかに連続する。
【0023】
図3が示すように、中実部28の後端部31は、中空部29の先端部32に嵌め込まれている。具体的には、上記後端部31の錐体部34及び円柱部35が上記先端部32の支持部36に嵌め込まれて支持されており、上記錐体部34は、上記第1嵌合凹部37に嵌合支持され、上記円柱部36は、上記第2嵌合凹部38に嵌合支持されている。これにより、中実部28の後端部31は、中空部29の先端部32に位置決めされた状態で支持される。
【0024】
本実施形態では、さらに図3が示すように、上記中実部28と中空部29との連結部30に接着部材43が充填されており、上記中実部28と中空部29との境界部分が滑らかに連続するように仕上げられている。
上記接着部材43は、接着剤44と締結用糸から構成されている。この締結用糸は、同図では図示されていないが、一般に釣竿本体に対してリールシート等の付属品が締結固定される際に使用されるものであって、例えば綿糸や絹糸等から構成される。また、接着剤44は、例えばエポキシ系二液混合タイプのもの等が採用される。
【0025】
具体的には、上記中空部29の先端部32が斜めにカットされることにより、中実部28の後端部31が上記中空部29に嵌め込まれた状態で、中実部29の後端部31と中空部29の先端部32との間に所定の隙間が形成される。そして、この隙間部分に接着剤が充填されると共に、中実部28と中空部29との境界部分に締結用糸が巻き付けられる。なお、締結用糸が巻き付けられた後に接着剤が塗布されてもよい。
さらに、この状態で、上記連結部30及び当該連結部30の近傍部分に塗料が塗布される。この塗料は、例えば、エポキシ系塗料又はウレタン系塗料等が採用される。これにより、上記連結部30及びその近傍部分は、滑らかに連続するように仕上げられる。
【0026】
本実施形態に係る釣竿10では、実釣時に魚が掛かった場合に釣竿10が正規曲げ方向Mの方向に曲げられる。したがって、第1番節13も同様に当該方向に曲げられる。第1番節13は、上記連結部30においては断面係数が不連続となる傾向にある。しかし、上記中空部29の先端部32が斜めにカットされていることから、上記連結部30において断面係数の不連続性は効果的に緩和される。したがって、第1番節13が曲げられた場合に、上記連結部30が滑らかに湾曲し、これにより、第1番節13も滑らかに湾曲する。
【0027】
このことは、第1番節13、特に連結部30が一様に変形し、局部的に大きな変形が生じないことを意味する。したがって、連結部30に塗布された上記塗料45に割れ等の損傷が発生することが効果的に抑制される。また、この連結部30が一様に変形し、第1番節13が滑らかに湾曲することは、釣竿10の穂先感度が向上することを意味し、その結果、釣竿10の操作性が向上する。しかも、第1番節13が滑らかに湾曲することにより、釣竿10全体が滑らかに湾曲することになるので、実釣時における釣竿10の綺麗な曲がりが実現される。
【0028】
また、上記中空部29の先端部32の開口部33は、第1番節13が正規曲げ方向Mに湾曲されたときに引張応力が生じる側に開口しているから、上記連結部30の断面に生じる応力が第1番節13の軸方向Nに沿って連続的に変化する。言い換えると、上記開口部33が、仮に圧縮応力が生じる側に開口している場合には、上記連結部30において座折現象が発生するおそれがあるが、上記開口部33が上記方向に開口しているので、上記連結部30が座折するおそれがなく、したがって、上記連結部30の断面に生じる応力が第1番節13の軸方向Nに沿って連続的に変化する。その結果、実釣時において第1番節13に大きな曲げモーメントが作用した場合であっても、上記連結部30が損傷を受けるおそれはなく、第1番節13は、きわめて滑らかに湾曲する。
なお、本実施形態では、上記開口部33は、第1番節13が正規曲げ方向Mに湾曲されたときに引張応力が生じる側に開口しているが、これに限定されるものではないことは勿論である。
【0029】
特に、本実施形態に係る釣竿10では、上記連結部30に接着部材43が充填されており、さらに上記塗料45が塗布されることによって、上記中空部29と上記中実部28との境界が滑らかに連続するように仕上げられている。これにより、連結部30における断面係数の不連続性がきわめて効果的に緩和され、第1番節13は、より滑らかに湾曲される。その結果、塗料45の割れ等の不都合は、より一層効果的に緩和されるという利点がある。
【0030】
また、上記中実部28の後端部31は、上記錐体部34及び円柱部35を備え、これらは、図3が示すように上記中空部29の先端部32に嵌め込まれている。具体的には、上記錐体部34及び円柱部35が上記中空部28の支持部36に嵌め込まれ、上記中空部29と上記中実部28とは、いわゆるインロー嵌合状態で連結される。しかも、上記中空部29の支持部36は、上記連続凹部42によって当該中空部29の内壁面41と連続しているから、第1番節13の当該支持部36が形成された部分と、これより後方部分とは、断面係数が急激に変化することなく滑らかに変化する。
【0031】
これにより、上記中空部29の先端部32が前述のように斜めにカットされていても、上記中実部28は、上記中空部29に位置決めされた状態で支持され、したがって、第1番節13が湾曲された場合に、上記中空部29と上記中実部28との間において部材間の滑りやクラック等が生じることはなく、上記連結部30の損傷は、一層防止される。このことは、第1番節13は、大きな曲げモーメントが作用した場合であっても、より一層滑らかに湾曲されることを意味する。
【0032】
図5は、本実施形態の変形例に係る釣竿10の構成部材である第1番節13の要部拡大分解図である。
この変形例が上記実施形態と異なるところは、上記実施形態では、中実部28が上記錐体部34及び円柱部35を備えていたのに対し、本変形例では、中実部28が上記円柱部35を備えておらず、錐体部34のみを備えている点である。なお、その他の構成については、上記実施形態と同様である。
【0033】
本変形例では、中実部28の上記円錐部34が中空部29の支持部36の第1嵌合凹部37に嵌め込まれる。そして、上記接着部材43を介して、中実部28と中空部29とが連結される。この場合であっても、上記中実部28は、上記中空部29に略位置決めされた状態で支持される。したがって、第1番節13が湾曲された場合に、上記中空部29と上記中実部28との間において部材間の滑りやクラック等の発生が抑制され、第1番節13は、連結部30に損傷を受けることなく滑らかに湾曲することができる。
【0034】
なお、本実施形態及び上記変形例は、本発明がアウターガイドタイプの磯釣用釣竿に適用された態様を開示しているが、本発明は、他の種類の釣竿にも適用され得ることは勿論である。また、本実施形態及び上記変形例は、本発明が振出式釣竿に適用された態様を開示しており、そのために本発明が第1番節に適用された態様が開示されているが、本発明は、一般に釣竿の穂先部に適用され得るものであり、振出式釣竿に限定されるものではなく、延べ竿等にも適用され得るものであることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、穂先部が中空部及び中実部を備え、中実部が中空部の斜めにカットされた先端部に連結されているので、両者の連結部の断面係数が滑らかに変化する。しかも、上記先端部は、穂先部が湾曲されたときに引張応力が生じる側に開口されている。したがって、実釣時に魚が掛かった場合等において、穂先部は、その塗装の割れや座折等の損傷を受けることなく、穂先部ないし釣竿全体が滑らかに且つ綺麗に湾曲することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の正面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第1番節の正面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第1番節の要部拡大図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第1番節の要部拡大分解図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態の変形例に係る釣竿の要部拡大分解図である。
【図6】図6は、従来の一般的な釣竿の正面図である。
【図7】図7は、従来の一般的な釣竿の第1番節の拡大図である。
【符号の説明】
M・・・正規曲げ方向
10・・・釣竿
11・・・釣竿本体
13・・・第1番節
28・・・中実部
29・・・中空部
30・・・連結部
31・・・後端部
32・・・先端部
33・・・開口部
34・・・錐体部
35・・・円柱部
36・・・支持部
37・・・第1嵌合凹部
38・・・第2嵌合凹部
39・・・内壁面
40・・・内壁面
41・・・内壁面
42・・・連続凹部
43・・・接着部材
44・・・接着剤
45・・・塗料
Claims (4)
- 中実部の後端部が中空部の先端部に連結された穂先部を備え、
上記先端部は、上記穂先部が正規曲げ方向に曲げられたときに引張応力が発生する側に開口するように、穂先部の軸方向に対して交差する方向に沿って斜めにカットされている釣竿。 - 上記中実部と上記中空部との連結部に接着部材が充填され、且つ上記中空部と上記中実部との境界が滑らかに連続するように塗料が塗布されている請求項1に記載の釣竿。
- 上記中実部の後端部は、後方に向かって漸次縮径された錐体部を備え、
上記中空部の先端部は、上記錐体部を支持する支持部を備えており、
上記錐体部は、上記支持部に嵌合支持されている請求項1又は2に記載の釣竿。 - 上記中実部の後端部は、後方に向かって漸次縮径された錐体部と、さらに後方に向かって錐体部に連続した円柱部とを備え、
上記中空部の先端部は、上記錐体部及び円柱部を支持する支持部を備えており、
上記錐体部及び円柱部は、上記支持部に嵌合支持されている請求項1又は2に記載の釣竿。
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