本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」などのような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open−ended terms)と理解されるべきである。
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
本開示で用いられる「第1」、「第2」などの表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
本開示で、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、接続され得るものとして理解されるべきである。
本開示で用いられた「前方」、「前」などの方向指示語は、釣り竿のチップ(tip)に向かう方向を意味し、「後方」、「後」などの方向指示語は、釣り竿のバット(butt)に向かう方向を意味する。また、本開示で用いられた「上方」、「上」などの方向指示語は、ガイドリングが取付部に対して位置する方向を基準とし、「下方」、「下」などの方向指示語は、上方の反対方向を意味する。
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面で、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されるものではない。
図1は、本開示の一実施例による釣り糸ガイドを備える釣り竿の一例を示す。図1で、矢印(TD)は、釣り竿のチップ(tip)101に向かう前方方向を指し、矢印(BD)は、釣り竿のバット(butt)102に向かう後方方向を指す。図1に示す釣り竿100は、当該分野で振出式(telescopic)釣り竿として参照され得る。図1に示す釣り竿100は、水辺、浜、船上、磯等での釣りのために用いられるものの、釣り竿100の使用場所が前述の場所に限定されるものではない。
図1を参照すると、釣り竿100は、長い円筒状の竿体110を含む。竿体110は、釣り竿100に作用する種々の外力に抵抗して、釣り竿100の形状を維持する構造物として機能する。竿体110は、複数の管状竿111,112,113,114,115を含む。1つの管状竿が、その次に位置し、それより大きい外径を有する管状竿の内部に嵌められるテレスコピック(telescopic)方式で複数の管状竿が結合して、竿体110を構成する。図1は、拡張された釣り竿100の竿体110を示す。竿体110の管状竿のうち、釣り竿100の後端に位置する管状竿111は、ユーザーが握り得る元竿として機能する。管状竿111にはリールシート120が取り付けられ、リールシート120には釣り糸(図示せず)を放出したり巻くためのリール(図示せず)が除去可能に取り付けられる。
釣り竿100は、竿体110に複数の釣り糸ガイドを備える。釣り糸ガイドは、仕掛けをキャストする際にリールから放出されたり、魚を釣り上げる際にリールに巻かれる釣り糸を案内する。前記複数の釣り糸ガイドとして、開示された種々の実施例のいずれか1つによる釣り糸ガイドが用いられる。いずれか1つの実施例による1つ以上の釣り糸ガイドが、竿体110の管状竿111,112,113,114,115の1つに取り付けられることができる。
図1に示すように、竿体110の管状竿113が釣り糸ガイド1000の環状の取付部を貫通して、釣り糸ガイド1000が竿体110に取り付けられる。釣り糸ガイド1000が竿体110に取り付けられる前に、釣り糸ガイド1000はその取付部で、竿体110に沿って前方方向(TD)または後方方向(BD)にスライド可能であり、竿体110に対して回転可能である。竿体110の管状竿113は、前方方向(TD)に外径が小さくなるテーパ状をとる。従って、釣り糸ガイド1000を後方方向(BD)に移動させるにつれて、釣り糸ガイド1000の取付部が管状竿113の外周面と締まり嵌めで結合されることにより、釣り糸ガイド1000が竿体110に取り付けられ得る。実施例による釣り糸ガイドは、当該分野において「遊動ガイド」または「スライディングガイド」として参照され得る。
本開示の第1実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図2〜図11に示す例が参照される。図2は、第1実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図3は、図2に示す釣り糸ガイドの分解斜視図である。図4は、図2に示す釣り糸ガイドの平面図である。図5は、図2に示す取付部を示す平面図である。図6は、図2に示す釣り糸ガイドの右側面図である。図7は、図2の7−7線に沿ってとった釣り糸ガイドの断面図である。図8は、図3に示すリングサポートを示す斜視図である。図9は、図8の9−9線に沿ってとったリングサポートの断面図である。図10及び図11はそれぞれ、図8に示すリングサポートの右側面図及び背面図である。
図2を参照すると、釣り糸ガイド1000は、釣り竿の竿体110(詳細には、竿体110を構成する管状竿の1つ)に取り付けられる取付部1100と、釣り糸130が通過するガイドリング1200と、ガイドリング1200を保持及び支持して取付部1100と部分的に結合するリングサポート1300を含む。
一実施例において、取付部1100は、樹脂材料からなることができる。詳細には、取付部1100は、カーボン繊維強化樹脂材料を用いる射出成形により形成され得る。さらに詳細には、取付部1100は、カーボン長繊維強化樹脂材料を射出成形して形成され得る。
カーボン長繊維強化樹脂材料は、カーボン短繊維強化樹脂材料に比べて3〜5倍の高い衝撃強度を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高い繊維配合量で高剛性を有し、高温で優れたクリープ特性を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高温で高い弾性保持率を有し、低温で優れた衝撃保持率を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、撓み変形量や引っ張り変形量が小さく、線膨張係数が小さくて寸法安定性が高く、優れた耐摩耗性を有する。カーボン長繊維は、略7mmの長さと円筒状を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料におけるカーボン含量は略30%になってもよい。カーボン長繊維強化樹脂材料における樹脂は、ナイロン樹脂であってもよい。
図2及び図3に示すように、取付部1100は環状の形状を有し、竿体110の管状竿のうち管状竿113が取付部1100を貫通することができる。取付部1100は、管状竿113が貫通することができる環状体1110を含む。環状体1110には、管状竿113の外周面が嵌合される円筒状のボア1113が釣り竿の中心軸(CA1)に沿って貫通している。ボア1113の直径は、前方方向(TD)または後方方向(BD)に均一であってもよい。管状竿113がボア1113を貫通した状態で、取付部1100は管状竿113に沿ってスライド可能であり、管状竿113に対して回転することができる。管状竿113は、前方方向(TD)に細くなるテーパ状を有する。従って、環状体1110を後方方向(BD)に移動させる途中、管状竿113の外径とボア1113の直径が略同一となる位置で、環状体1110は管状竿113の外周面と嵌合され得る。この時、環状体1110を後方方向(BD)にさらに移動させると、環状体1110が若干変形されながら、取付部1100は管状竿113に堅固に嵌合されて固定され得る。
一実施例において、図3及び図4に示すように、環状体1110は、前方方向(TD)に位置して外径が相対的に大きい大外径部1111と、後方方向(BD)に位置して大外径部1111より小さい外径を有し大外径部1111と繋がっている小外径部1112とを有する。大外径部1111での環状体1110の半径方向厚さは、小外径部1112での環状体1110の半径方向厚さより大きい。図4に示すように、大外径部1111の前方方向(TD)の表面が、取付部1100の環状の前端面1114を形成し、小外径部1112の後方方向(BD)の表面が取付部1100の環状の後端面1115を形成する。
一実施例において、図3に示すように、環状体1110は、大外径部1111の一部の周りにわたって延長し、大外径部1111から外側半径方向に突出した結合部1116を有する。結合部1116には、その外面から環状体1110の中心に向かって空けられた結合スリット1117が形成されている。リングサポート1300の下側部分と結合部1116が結合して、リングサポート1300が取付部1100と部分的に結合する。結合スリット1117にリングサポート1300の下側部分が挿入または嵌合されて、リングサポート1300が取付部1100と部分的に結合され得る。図5に示すように、結合スリット1117は、リングサポート1300の下端縁の形状に対応する形状に形成された底面1118を有する。結合スリット1117は、リングサポート1300の下側部分の横断面の形状(図9参照)に対応するV字状の横断面の形状を有する。また、結合スリット1117は、リングサポート1300の曲げ角と同一またはほぼ同一の角度でその中央で折り曲げられている。結合スリット1117の軸方向(CA1)における長さは、リングサポート1300の下側部分の厚さと同一またはほぼ同一である。結合スリット1117は、図7に示す傾斜角(TA)で釣り竿のチップに向かって(前方方向(TD)に)傾いている。
リングサポート1300は、結合スリット1117の底面1118にリングサポート1300の下端縁が接触するまでリングサポート1300を結合スリット1117に挿入して嵌め付けることで、取付部1100に固定され得る。リングサポート1300と結合スリット1117は、すきまばめまたは中間ばめで結合され得、接着剤を介して結合され得る。または、リングサポート1300の下側一部が結合部1116内に埋め込まれるようにリングサポート1300をインサートとして用いる射出成形により、取付部1100とリングサポート1300が一体に形成され得る。
図2及び図3に示すように、ガイドリング1200は、略円形のリング状を有する。釣り糸130は、ガイドリング1200の内周面と接触することができる。ガイドリング1200は、リングサポート1300に嵌合及び接着剤塗布により結合され得る。ガイドリング1200は、セラミック材料からなることができる。
図2及び図3に示すように、リングサポート1300はガイドリング1200を保持し、取付部1100に対してガイドリング1200を支持する。一実施例において、リングサポート1300は、ステンレススチール、ステンレス合金、チタン合金、純チタンなどの金属材料で製造された薄板からなる。リングサポート1300は、その中に形成された曲げ部によりリングサポート1300を構成する部分が互いに対して折り曲げられたり、湾曲している薄板として形成されている。また、リングサポート1300は、前記金属材料の1つからなる薄い金属シート(当該分野で、このような金属シートはブランク(blank)として参照され得る)をパンチング、ブランキング、ベンディングのようなプレス加工によりリングサポート1300の前記薄板に加工することで形成され得る。
一実施例において、リングサポート1300は、ガイドリング1200を保持するリング保持部1310と、リング保持部1310を介してガイドリング1200を支持するリング支持部1320を含む。リングサポート1300を構成する薄板において、リング支持部1320はリング保持部1310と一体に形成される。図2及び図3に示すように、ガイドリング1200を保持して支持するリングサポート1300は、取付部1100により管状竿113の外周面に対して位置する。リングサポート1300と取付部1100は、リングサポート1300が部分的に取付部1100内に埋め込まれる方式で、相互に結合する。リングサポート1300と取付部1100との間の結合は、リングサポート1300の下側一部(リング支持部1320の下側一部)と取付部1100との間の嵌合及び接着剤接合の方式、またはリングサポート1300をインサートとして取付部1100の射出成形により行われることができる。
図3に示すように、リング保持部1310は、ガイドリング1200が結合するリング保持孔1311を有する。リング保持孔1311は、リング保持部1310にリング保持部1310の厚さ方向に貫通している。リング保持孔1311は、ガイドリング1200の外周面に合わせられるように円形の内周面を有する。ガイドリング1200は、その外周面でリング保持孔1311の内周面に嵌合され、点接触、面接触などによりリング保持孔1311の内周面と結合され得る。また、リング保持孔1311の内周面とガイドリング1200の外周面との間には、これらを接着させるための接着剤が塗布されてもよい。リング保持部1310は、リング保持孔1311によりガイドリング1200の全周に沿ってガイドリング1200を保持するように略環状をとる。
図3に示すように、リング保持部1310の上側縁は、半円形状または略半円形状を有することができる。前方方向(TD)及び上方方向(UD)に垂直な釣り糸ガイドの幅方向(WD)を仮定すると、リング保持部1310の幅方向(WD)での側端縁は互いに平行であるか、またはほぼ平行であってもよい。またはリング保持部1310の幅方向(WD)での両側縁は、上方方向(UD)に互いに近くなることができる。リング保持部1310の下端縁は、下方方向(LD)に凸なV字状を取り、リング保持部1310はその下端縁でリング支持部1320と一体に連結される。従って、リングサポート1300は、リング保持部1310とリング支持部1320との間に開口や空洞を備えない。リング保持部1310の下端縁の形状に対応し、リング支持部1320の上端縁は、下方方向(LD)に凸なV字状を取り、リング支持部1320はその上端縁でリング保持部1310と一体に連結される。
図2及び図3に示すように、リング支持部1320は、その下側一部で取付部1100内に埋め込まれている。リング支持部1320の幅方向(WD)での側端縁は、上方方向(UD)に互いに近くなることができる。または、リング支持部1320の幅方向(WD)での側端縁は、互いに平行であってもよい。リング支持部1320の下端縁は、上方方向(UD)に凸な円弧状を有する。図4に示すように、リング支持部1320の幅方向(WD)での両側面は互いに平行であり、また釣り竿の中心軸(CA1)と平行である。即ち、リング支持部1320の各側面から側面に平行に延長する仮想の延長線(EL)が中心軸(CA1)と平行である。
一実施例において、リングサポート1300は、リング支持部1320内に形成された第1曲げ部1331を有する。第1曲げ部1331は、幅方向(WD)でリング支持部1320の中央に、または略中央に位置する。リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))または釣り竿のバットに向かう方向(例えば、後方方向(BD))に曲げられ得る。
この実施例において、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に曲げられている。これにより、図3に示すように、リング支持部1320は、対称形状に形成された右半部1321と左半部1322を有する。右半部1321と左半部1322は、第1曲げ部1331を介して一体になっており、前方方向(TD)に互いに向かうように傾いている。
図3及び図4に示すように、第1曲げ部1331は、管状竿113に向かう、またはボア1113の中心を通過する下方方向(LD)に延長し、第1曲げ部1331の上端は結合スリット1117の外側に位置する。また、幅方向(WD)でリング支持部1320の下端縁の両端間の間隔は、取付部1100のボア1113の直径より小さく、リング支持部1320の下端縁の両端は取付部1100の結合部1116内に位置する。
一実施例において、図3に示すように、リングサポート1300は、リング保持部1310とリング支持部1320との間の境界となる第2曲げ部1332を有する。第2曲げ部1332は、概ねその中央で第1曲げ部1331に連結される。リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として、リング支持部1320に対して釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))または釣り竿のバットに向かう方向(例えば、後方方向(BD))に曲げられ得る。この実施例において、リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に曲げられている。
図6及び図7に示すように、一実施例において、リングサポート1300は、釣り竿の中心軸(CA1)または取付部1100の中心軸(CA2)に垂直な垂直線(HL)に対して傾斜角(TA)で前方方向(TD)に傾いている。
一実施例による釣り糸ガイドは、向上したリングサポート1300の曲げ強度、向上したリングサポート1300の回転防止強度、向上したリングサポート1300の取付強度を有する。前述の第1曲げ部と第2曲げ部によるリングサポート1300の曲げ形状が、このような向上した強度に関連し得る。図8〜図11を参照し、一実施例による釣り糸ガイドの前述の特徴について説明する。
図8〜図11で、第1曲げ部と第2曲げ部は単に簡略な線の形状に示している。釣り糸ガイドの実施例において、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、リングサポート1300をなす金属製の薄板内で所定の曲率で湾曲した部分を含み得る。リングサポート1300に曲げ形状を用いた強度補強構造を提供するために、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、多様な幅を有することができる。一実施例において、リングサポート1300の前面1323及び後面1324上で、第1曲げ部1331は、細い線の形状、狭い面の形状、狭い曲面の形状、比較的広い曲面の形状のうちいずれか1つの形状で現れ得る。また、リングサポート1300の横断面をとる際に、第1曲げ部1331は、リングサポート1300の前面1323及び後面1324上で後方方向(BD)に凸な円弧状で現れ得る。第2曲げ部1332は、リングサポート1300の前面1323及び後面1324上で、細い線の形状または狭い面の形状で現れ得る。リングサポート1300の縦断面をとる際に、第2曲げ部1332はリングサポート1300の前面1323及び後面1324上で後方方向(BD)に凸な円弧状で現れ得る。
図8に示すように、リングサポート1300は、リング支持部1320内に形成されてリング支持部1320を右半部1321と左半部1322に区分させる第1曲げ部1331を有する。第1曲げ部1331は、リングサポート1300内で釣り竿の中心軸(CA1)に向かう下方方向(LD)に(または、釣り糸ガイドが取り付けられる管状竿に向かう下方方向に)リング支持部1320の下端まで延長する。また、第1曲げ部1331は、釣り竿の中心軸(CA1)から概ね上方方向(UD)に延長して、第2曲げ部1332の中央と合う。一実施例において、図9に示すように、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(前方方向(TD))に第1曲げ角(BA1)で曲げられている。
図8に示すように、リングサポート1300は、リング保持部1310とリング支持部1320との間の境界となり、リング保持部1310の曲げの基準になる第2曲げ部1332を有する。第2曲げ部1332は、リングサポート1300の一側端から他側端まで延長し、リングサポート1300のリング支持部1320の下端に向かって凸である。リング保持部1310とリング支持部1320は、共通の縁を有する。これにより、リングサポート1300において、リング保持部1310の下端縁とリング支持部1320の上端縁が、第2曲げ部1332を形成する。一実施例において、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸なV字状を有し、第1曲げ部1331の上端に連結される。また、リングサポート1300の側方視において、第2曲げ部1332は、前方方向(TD)と上方方向(UD)との間の斜めの方向に傾いている。他の実施例において、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸な円弧状を有することができる。
図8に示すように、第2曲げ部1332は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332との間の連結点(図11に示す第2曲げ部1332の中心点(P1))から第1曲げ部1331に対して鈍角で延長する一対の直線状曲げ部1333,1334を含む。図10に示すように、リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として、リング支持部1320に対して釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に第2曲げ角(BA2)で曲げられている。
一実施例において、図8に示すように、互いに合う第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、Y字状形状を形成し、リングサポート1300にY字状曲げ部を形成する。従って、リングサポート1300は、前述の金属シート(ブランク)を第1曲げ部1331と第2曲げ部1332に沿ってプレス加工して形成され得る。詳細には、金属シート(ブランク)を、第1及び第2曲げ部1331,1332を形成し、リング支持部1320を第1曲げ部1331を基準として第1曲げ角(BA1)で曲げ、リング保持部1310を第2曲げ部1332を基準として第2曲げ角(BA2)で曲げるベンディング加工により形成され得る。従って、リングサポート1300は、リング保持部1310、リング支持部1320の右半部1321及びリング支持部1320の左半部1322が互いに向かって曲げられた金属製の薄板として形成される。また、このような金属製の薄板において、リング保持部1310、リング支持部1320の右半部1321及びリング支持部1320の左半部1322は、Y字状曲げ部をなす第1及び第2曲げ部1331,1332を介して一体に形成され、これらが第1及び第2曲げ部1331,1332により互いに向かって曲げられている。
また、前述の金属シートのプレス加工は、金属シートをなす金属材料が加工硬化を引き起こすまで行われることができる。従って、図8に示すように、リングサポート1300は、前記プレス加工により前記金属材料が加工硬化されて生成する加工硬化部1341,1342を含む。加工硬化部1341,1342の形状は、第1及び第2曲げ部1331,1332のY字状に対応する形状を有する。加工硬化部1341,1342は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332に沿ってリングサポート1300の内部に形成される。加工硬化部1341,1342は、リングサポート1300のリング保持部1310及びリング支持部1320より高い降伏点(yield point)を有するため、リングサポート1300は、加工硬化部1341,1342が生成されている第1及び第2曲げ部1331,1332で塑性変形を引き起こし難い。従って、第1及び第2曲げ部1331,1332がなすY字状曲げ部により、リングサポート1300は、リングサポート1300に加えられる外力に対して強い抵抗を有し、リングサポート1300の強度が補強され得る。
図9に示すように、リング支持部1320は、第1曲げ角(BA1)で第1曲げ部1331を基準として前方方向(TD)に曲げられている。第1曲げ角(BA1)は、120度〜170度の鈍角になってもよい。第1曲げ角(BA1)が鈍角である場合、リング支持部1320の横風と面する面積が減少することができ、強い横風の抗力により釣り竿が撓むことを減少させることができる。第1曲げ角(BA1)が120度以上である場合、横風が強い場合にリング支持部1320に対する横風の抗力による影響を効果的に減少させることができる。また、第1曲げ角(BA1)が120度以上である場合、リング支持部1320に対して曲げられているリング保持部1310の広さを単純な形状で十分に確保することができる。第1曲げ角(BA1)が170度を超える場合、リング支持部1320を第1曲げ部1331を基準としてベンディングさせる際に、第1曲げ部1331に圧縮による加工硬化が発生しないことがある。その場合、リングサポート1300を釣り竿の管状竿を中心として回転させる外力がリングサポート1300に作用すると、折り曲げられたリング支持部1320が外力のベクトル方向に一直線状に変形され易く、リングサポート1300が取付部1100から分離され得る。
図9に示すように、中心軸(CA1)に沿ってリング支持部1320の前端のリング支持部1320の側端縁とリング支持部1320の後端(後面1324上の第1曲げ部1331)との間の距離(ベンディングされたリング支持部の厚さ)(BT)は、0.5mm〜3mmになり得る。樹脂材料の取付部は弾性変形しやすく、小さい応力によっても撓みや変形を引き起こすことがある。距離(BT)が0.5mm未満である場合、リングサポート1300を釣り竿の中心軸(CA1)を中心として回転させる方向の外力がリングサポート1300に加えられる際に(図4及び図8での矢印(F1)参照)、リング支持部1320によって押される結合スリット1117の表面が変形し、リングサポート1300に必要な反力が作用せず、リング支持部1320が結合スリット1117を乗り越えて移動することがある。距離(BT)が3mmを超える場合、リングサポート1300が過度に大きくなり得、釣り糸ガイドの軽量化を達成できない。また、取付部1100から突出したリング支持部1320の部分が横風の影響を強く受けることがあり、釣り竿の持ち重り感が著しく悪化することがある。
図10に示すように、リング保持部1310は、リング支持部1320に対して第2曲げ部1332を基準として、第2曲げ角(BA2)で前方方向(TD)に曲げられている。リング保持部1310は、釣り竿100のチップに向かって(前方方向(TD)に)リング支持部1320に対して第2曲げ角(BA2)で傾いている。第2曲げ角(BA2)は、リングサポート1300の曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために、15度〜20度であってもよい。
ユーザーによりまたは外部的な衝撃により、リングサポート1300を管状竿113を中心として(釣り竿の中心軸(CA1)を中心として)回転させる外力(F1)(図4及び図8参照)がリングサポート1300に繰り返し作用することがある。しかし、リングサポート1300のY字状曲げ部により、リングサポート1300は、管状竿113に横方向に作用する外力(F1)に抵抗する向上した回転防止強度を有する。
図9及び図10を参照すると、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に第1曲げ角(BA1)で曲げられている。従って、リング支持部1320の右半部1321と左半部1322は、第1曲げ部1331を基準として、中心軸(CA1)に対して鋭角に斜めに位置して互いに向かっている。リング保持部1310は、リング支持部1320と一体に形成されており、平らである。リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に第2曲げ角(BA2)で曲げられている。即ち、リング保持部1310は、リング支持部1320から第2曲げ部1332を介して折り曲げられている。リング保持部1310の下端縁とリング支持部1320の上端縁は、V字状の第2曲げ部1332として形成される。第2曲げ部1332のV字状と関連し、第2曲げ部1332の直線状曲げ部1333、1334が第1曲げ部1331の上端からリングサポート1300の上端に向かって傾斜している。即ち、リング支持部1320の右半部1321及び左半部1322のそれぞれの上端縁は、リングサポート1300の幅方向(WD)での中心からリングサポート1300の上端に向かって傾斜している。平らなリング保持部1310は、右半部1321及び左半部1322のそれぞれの上端縁に第2曲げ部1332を介して連結されている。このように、リングサポート1300には、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332が形成するY字状曲げ部が提供されている。また、リングサポート1300には、Y字状曲げ部に沿ってY字状の加工硬化部1341、1342が形成されている。
従って、リングサポート1300に外力(F1)が作用しても、リングサポート1300は、リング支持部1320の右半部1321及び左半部1322が開かれたり、狭まる方向に変形したり、撓んだり、捩れたりすることに対して強く抵抗する。また、リングサポート1300は、前記Y字状曲げ部により、外力(F1)に強く抵抗するため、リングサポート1300は向上した回転防止強度を有する。従って、リング支持部1320が取付部1100の結合スリット1117を拡張させたり、リング支持部1320が取付部1100の結合スリット1117を乗り越えて取付部1100に対して回転したり、リング支持部1320が取付部1100の結合スリット1117から抜けてしまうことが防止される。
リングサポート1300には、釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に、または釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)に外力(F2)(図6及び図8参照)が作用することができる。例えば、釣りの最中の釣り糸により、または外部衝撃により外力(F2)がリングサポート1300に作用することがある。しかし、リングサポート1300は、外力(F2)に抵抗する向上した曲げ強度を有する。リングサポート1300のY字状曲げ部により、リング保持部1310が外力(F2)の方向に変形したり撓むこと、またはリング支持部1320の右半部1321と左半部1322が外力(F2)の方向に開かれたり撓むことが防止される。このように、リングサポート1300は、外力(F2)に抵抗する向上した曲げ強度を有する。
曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解消のために、特定の寸法範囲にリングサポート1300の各部分が形成され得る。図11を参照すると、第2曲げ部1332のV字状での夾角(IA1)(即ち、図8に示す直線状曲げ部1333,1334間の夾角)は、曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために、110度〜120度であってもよい。リング支持部1320の両側端縁は互いに向かって傾くように、リング支持部1320はテーパ状をとってもよい。この場合、リング支持部1320の両側端縁がなす夾角(IA2)は、曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために0度超30度以下の角を有することができる。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)は第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、リング保持孔1311の最下端点(P3)は第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、糸絡みの円滑な解除に寄与する。
第1曲げ角(BA1)、第2曲げ角(BA2)、夾角(IA1)及び夾角(IA2)が前述のそれぞれの範囲内での角度値を有するようにリングサポート1300が形成される際に、リングサポート1300での糸絡みが円滑に解除され得る。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)、第2曲げ部1332の両端点(P2)及びリング保持孔1311の最下端点(P3)間の前述の位置関係により、リングサポート1300での糸絡みが円滑に解除され得る。即ち、前述の範囲を逸脱する角度の値で、第1曲げ角(BA1)、第2曲げ角(BA2)、夾角(IA1)、夾角(IA2)が定められる場合、または前述の位置関係でリング保持孔1311と第2曲げ部1332が位置しない場合、糸絡みの円滑な解除が行われないことがある。一例として、一実施例のリングサポート1300において、第1曲げ角(BA1)は157度と定められてもよく、第2曲げ角(BA2)は20度と定められてもよく、夾角(IA1)は120度と定められてもよく、夾角(IA2)は20度と定められてもよい。
図12は、本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図12に示す釣り糸ガイド2000は、リング支持部の露出した部分にリング支持部の厚さ方向に貫通した開口が形成されたことを除いては、前述の実施例の釣り糸ガイド1000と同一の構成を有する。
釣り糸ガイド2000のリングサポート1300は、リング支持部1320の右半部1321と左半部1322にそれぞれ形成された第1開口2351を有する。第1開口2351は、リング支持部1320を釣り竿の中心軸(CA1)の方向に(厚さ方向に)貫通して形成されている。第1開口2351により、釣り糸ガイド2000はさらに軽量化され得る。
第1開口2351は、第1曲げ部1331に対して対称に形成され、略三角形の形状を有する。第1開口2351は、取付部1100の結合部1116よりも外側でリング支持部1320に位置する。第1開口2351は、結合部1116の外側に位置するリング支持部1320の部分にのみ形成され、結合部1116の内側に位置するリング支持部1320の部分には形成されない。第1開口2351は、結合部1116の上側輪郭線に重ならないように形成されるため、取付部1100とリングサポート1300との間の結合強度を維持したままでリングサポート1300の軽量化が達成される。従って、結合部1116とリング支持部1320との間に接着剤を塗布する場合に、接着剤の剥離起点と成り得る結合スリット1117の上側輪郭線で接着剤の剥離が生じ、取付部1100とリングサポート1300との間の結合強度が低下したり、接着剤が剥がれた部分への海水の侵入によりリングサポート1300が腐食してしまうことなどが防止される。また、それぞれの第1開口2351は、リング支持部1320の第1曲げ部1331と重ならないように位置するため、リング支持部1320の強度が低下しない。また、第1開口2351は、第2曲げ部1332と重ならないように位置するため、第2曲げ部1332と第1曲げ部1331が形成するリングサポート1300のY字状曲げ部が切断されることはなく、リングサポート1300の強度が低下しない。
本開示の第3実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図13〜図19に示す例が参照される。図13は、第3実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図14〜図16はそれぞれ、図13に示す釣り糸ガイドの右側面図、背面図及び正面図である。図17は、図13に示すリングサポートの斜視図である。図18は、図13の18−18線に沿ってとった断面図である。図19は、この実施例による釣り糸ガイドが取り付けられた釣り竿を示す斜視図である。図13〜図19に示す釣り糸ガイド3000は、前述の実施例の釣り糸ガイド1000,2000と類似の構成を有する。以下では、釣り糸ガイド3000と前述の実施例の釣り糸ガイド1000,2000との間の異なる構成について説明する。
釣り糸が通るガイドリング3200は、上下に長い長円形状(oblong shape)を有する。これにより、ガイドリング3200が嵌合されるリング保持孔3311は、ガイドリング3200の形状に対応するように長円形状を有する。リング保持部1310が釣り竿のチップに向かって前方方向(TD)に傾いているため、釣り竿のバットから釣り竿のチップに向かって釣り竿を見ると、ガイドリング3200の内周面は略円形をとる。従って、ガイドリング3200に釣り糸をスムーズに通すことができる十分な空間が確保され得る。
この実施例による釣り糸ガイド3000は、リングサポート1300と取付部1100がインサート射出成形により一体に形成され得る。図13に示すように、釣り糸ガイド3000の取付部1100は、その外周面に外側半径方向に突出する3つのリブ3120、3130を含む。前記3つのリブは、上方リブ3120と、一対の側方リブ3130を含む。
上方リブ3120は、リング支持部1320に隣接して環状体1110の上端に位置する。上方リブ3120は、結合部1116と小外径部1112にわたって形成されている。上方リブ3120の上面3122は、中心軸(CA1)に向かって傾いている。上方リブ3120は、釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)にテーパされる形状を有する。これにより、上方リブ3120は、後方方向(BD)での後端面3121から釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に拡大される幅を有する。
一対の側方リブ3130は、環状体1110の側端で環状体1110の中心より下に位置する。一対の側方リブ3130は、大外径部1111と小外径部1112にわたって形成されている。側方リブ3130の幅は、上方リブ3120の幅より小さい。上方リブ3120と側方リブ3130との間の中心軸(CA1)に対する角度は、略120度となってもよいが、これに限定されるものではない。
図13及び図14に示すように、上方リブ3120と側方リブ3130は、釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)に環状体1110の後端面1115まで延長する。これにより、後方方向(BD)での上方リブ3120の後端面3121と後方方向(BD)での側方リブ3130の後端面3131は、環状体1110の後端面1115と同一表面を形成する。即ち、この実施例において、後方方向(BD)での環状体1110の後端面1115は、上方リブ3120の後端面3121と側方リブ3130の後端面3131を含み、上方リブ3120の後端面3121と側方リブ3130の後端面3131が環状体1110の後端面1115の一部を形成する。
上方リブ3120と側方リブ3130により、環状体1110の周方向での強度が向上する。上方リブ3120の後端面3121と側方リブ3130の後端面3131が、環状体1110の後端面1115と同一表面に位置するため、環状体1110を竿体110の管状竿に押し込む際に発生し得る、環状体1110の後端面1115から発生する割れと後端面1115での白化を防止することができる。即ち、上方リブ3120と側方リブ3130が環状体1110の押込強度を増加させることができる。
上方リブ3120の存在により、取付部1100を成形する際に、取付部1100を構成する樹脂材料が取付部1100の成形のための成形金型内でスムーズに流動することができ、樹脂材料が合流する部分でのウェルドライン強度が補強され得る。例えば、取付部1100の成形のための成形金型の成形表面には、上方リブ3120と側方リブ3130に対応する形状を有し、上方リブ3120と側方リブ3130の位置に対応するように位置するリブ形成部が形成され得る。前記インサート射出成形と関連し、溶融したカーボン長繊維強化樹脂材料が成形金型内に入るゲートは、環状体1110の大外径部1111の最下端に位置することができる。従って、前記ゲートに流入した樹脂は2つの流れに分岐し、2つの樹脂の流れは環状体1110の上端に流動して、環状体1110の上端で合流することができる。環状体1110が厚さの異なる大外径部1111と小外径部1112を有するため、大外径部1111と小外径部1112を通る樹脂の流速に差が生じる。また、上方リブ3120に到達する2つの樹脂の流れに時差が生じ、上方リブ3120の付近で、2つの樹脂の流れは方向を変えながら合流ができる。また、上方リブ3120の前述の形状により、2つの樹脂の流れが乱れ、樹脂内のカーボン長繊維が互いに絡み合うことができる。これにより、環状体1110の上端でのクラックなどの成形欠陥が防止され得、環状体1110は、樹脂のウェルドラインで高い強度を有することができる。
取付部1100は、下端から上方へ行くほど厚くなる半径方向厚さを有することができる。即ち、環状体1110の半径方向厚さは最下端で最も小さく、環状体1110の周方向に沿って上端へ行くほど次第に増加することができる。このような取付部1100の厚さの構成により、カーボン長繊維強化樹脂材料は、金型内部の成形空間を円滑に流動することができ、それにより、溶融樹脂の体積が不十分であるため生じる、所謂、ショートショット(Short Shot)のような成形欠陥のない取付部が成形され得る。
取付部1100は、大外径部1111内に円弧状に凹んだ複数の凹部3119を有する。凹部3119は、ユーザーが取付部1100を竿体110の管状竿の外周面に嵌め付ける際にユーザーの指に引っ掛かりを提供する。
一実施例において、図17に示すように、釣り糸ガイド3000のリングサポート1300は、リング支持部1320の右半部1321と左半部1322にそれぞれ形成された第2開口3352を有する。第2開口3352は、第1開口2351の下に形成されている。第2開口3352は、リング支持部1320を中心軸(CA1)に沿って厚さ方向に貫通して形成されており、第1曲げ部1331に対して対称に形成されている。また、第2開口3352は、取付部1100の結合部1116の内側でリング支持部1320に位置する。前記インサート射出成形の際に、取付部1100を構成する樹脂材料(例えば、カーボン長繊維強化樹脂)が第2開口3352に流入して第2開口3352内で硬化する。即ち、第2開口3352は、硬化した取付部1100の樹脂材料で満たされる。これにより、取付部1100とリングサポート1300との間の結合構造が補強され、釣り糸ガイド3000の強度が向上する。
一実施例において、図13に示すように、取付部1100は、上方リブ3120の上面3122に形成された第1アライメント標識3123を有する。第1アライメント標識3123は、幅方向(WD)で上方リブ3120の上面3122の中央に位置する。また、第1アライメント標識3123は、リング支持部1320の中央に位置した第1曲げ部1331に対応するように位置する。第1アライメント標識3123は、上面3122に形成された細い溝あるいは上面3122に描かれた線として形成され得る。図19に示すように、竿体110の管状竿は、取付部1100の第1アライメント標識3123と整列され得る第2アライメント標識116を有する。第2アライメント標識116は、管状竿の外周面に細い溝あるいは線として形成され得る。竿体110の第2アライメント標識116に釣り糸ガイド3000の第1アライメント標識3123を一致させることにより、竿体110に対する釣り糸ガイド3000のアライメントが簡単に行われることができる。
本開示の第4実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図20〜図26に示す例が参照される。図20は、第4実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図21は、図20に示す釣り糸ガイドの右側面図である。図22は、図20の22−22線に沿ってとった断面図である。図23は、図20に示すリングサポートの斜視図である。図24は、図20に示すガイドリングとリングサポートを示す縦断面図である。図20〜図24に示す釣り糸ガイド4000は、前述の実施例の釣り糸ガイド3000と類似の構成を有し、以下では、釣り糸ガイド3000と比較して異なる構成についてのみ説明する。
図20〜図23に示すように、釣り糸ガイド4000は、さらに強い強度を有するリングサポート1300を備える。リングサポート1300は、強度向上のための構造物であって、リング保持部1310内に補強フランジ4312を備える。補強フランジ4312は、ガイドリング3200の外形に対応するように長円形状の形状を有する。補強フランジ4312は、リング保持部1310から前方方向(TD)及び下方方向(LD)間の斜めの方向に突出する。補強フランジ4312は、リング保持部1310内に位置し、第2曲げ部1332から離隔されている。補強フランジ4312は、その最下端点が第2曲げ部1332の両端点より下に位置するように、リング保持部1310内に位置する。
図23及び図24に示すように、補強フランジ4312は、その内周面でリング保持孔3311を限定する。補強フランジ4312の内周面は、嵌合面4313と案内面4314を含む。嵌合面4313は環状に延長し、ガイドリング3200が嵌合面4313に嵌合される。嵌合面4313は、平面に形成される。補強フランジ4312は、リング保持部1310から垂直に突出する。補強フランジ4312は、嵌合面4313の突出長さ(ST)がリング保持部1310の厚さ(RT)より小さくなるように、リング保持部1310から突出することができる。案内面4314は、嵌合面4313に繋がっている。案内面4314は、嵌合面4313に沿って環状に延長する。案内面4314は、嵌合面4313に対して湾曲しており、曲面に形成される。即ち、案内面4314の直径は、嵌合面4313に向かって縮小される。図24に示すように、ガイドリング3200が補強フランジ4312に嵌合される際に、ガイドリング3200は、案内面4314から嵌合面4313に嵌合され得る。即ち、ガイドリング3200の外周面が案内面4314に沿って嵌合面4313に嵌合され得る。これにより、ガイドリング3200とリング保持部1310との間の嵌合の際にガイドリング3200の外周面での割れが防止され得る。また、ガイドリング3200と補強フランジ4312の嵌合面4313が結合する際に、接着剤が留まることのできる空間が、ガイドリング3200の外周面と補強フランジ4312の案内面4314との間に形成され得るため、ガイドリング3200と補強フランジ4312との間で強い接着強度が達成される。
リング保持部1310に形成された補強フランジ4312により、リングサポート1300の曲げ強度が向上する。補強フランジ4312は、リングサポート1300を成形するための金属シート内にリング保持孔3311の形状に対応する貫通孔を形成し、貫通孔の全周をバーリング(burring)することにより、形成され得る。
この実施例の釣り糸ガイド4000は、リングサポート1300に前述のY字状曲げ部を備えているだけでなく、リング保持部1310内に補強フランジ4312を備えて、全体的に向上した曲げ強度を有するリングサポート1300を備える。前記Y字状曲げ部による曲げ強度の向上、または補強フランジ4312による曲げ強度の向上を確認するために、それぞれ異なる形状を有する6つのリングサポートを有する釣り糸ガイドに対して曲げテストが行われた。前記曲げテストは、釣り糸ガイドの取付部の後端面が平面に固定された状態で、リング保持部の上端に垂直方向の荷重を加えて行われた。図25A〜図25Fは、曲げテストを行った試験片をそれぞれ示し、図26は、曲げテストの結果を示すグラフである。また、下記表1は、6つの試験片のそれぞれの材料、厚さ及び1mmのストロークでの強度を示す。
図25Aに示す比較例1による釣り糸ガイドのリングサポートでは、リング支持部内に四角形の開口が形成され、リング保持部はリング支持部に対して所定角度で傾いている。図25Bに示す比較例2による釣り糸ガイドのリングサポートでは、前述の第1開口と類似の開口が形成されるものの、リング保持部とリング支持部は折り曲げられない。図25Cに示す比較例3による釣り糸ガイドのリングサポートでは、リング保持部に前述の補強フランジと類似のフランジが形成され、リング支持部に前述の第1開口と類似の開口が形成されるものの、リング支持部とリング保持部は折り曲げられない。図25Dに示す比較例4による釣り糸ガイドのリングサポートでは、前述の補強フランジと類似のフランジがリング保持部に形成され、前述の第1開口と類似の開口がリング支持部に形成され、リング支持部が開口で折り曲げられている。図25eに示す試験例1による釣り糸ガイドには、前述の図13に示す釣り糸ガイド3000のリングサポートが採用される。図25Fに示す試験例2による釣り糸ガイドには、前述の図20に示す釣り糸ガイド4000のリングサポートが採用される。
前記表1と図26から確認されるように、試験例1によるリングサポートの曲げ強度は、比較例2によるリングサポートの曲げ強度に比べて30%向上した曲げ強度を有する。また、試験例2によるリングサポートの曲げ強度は、比較例2によるリングサポートの曲げ強度に比べて38%向上した曲げ強度を有する。
前述の実施例による釣り糸ガイドは、釣り糸の糸絡みが発生しても、糸絡みを円滑に解除するように構成されている。例えば、リングサポートのY字状曲げ部により、釣り糸ガイドに発生した糸絡みが円滑に解除され得る。図27A〜図27Gを参照し、釣り糸の糸絡みが発生する例と糸絡みが解除される例を説明する。図27A〜図27Gにおいて、矢印(F3)は、仕掛けのキャストの際に釣り糸にかかる張力を指し、矢印(F4)は、仕掛けのキャストの際に釣り糸ガイドに加えられる風の力を指し、矢印(F5)は、釣り糸をリール側へ引き戻す力を指す。
図27Aを参照すると、仕掛けのキャスト際にリールから放出された釣り糸130では、風の力(F4)または釣り竿の動きにより釣り糸の一部がリングサポート1300を追い越してループ部131を形成することがある。図27Bを参照すると、ガイドリング3200を通過する前のループ部131が釣り竿のチップに向かう釣り糸の一部132を乗り越えることがある。図27Cを参照すると、ループ部131が風の力(F4)や釣り竿の動きによりリングサポート1300の上端に向かって移動することがある。図27Dを参照すると、ガイドリング3200に進入する前の釣り糸の一部133に、風の向きの変化や釣竿の動きにより、釣り糸をリール側へ引き戻す力(F5)が働き、釣り糸の一部133とリングサポート1300との間にループ部131が入り込んでリングサポート1300を巻くことがある。図27Eを参照すると、釣り竿のチップに向かう張力(F3)と引き戻す力(F5)により、リングサポート1300を巻いているループ部131が引っ張られながら縮小され得る。図27Fを参照すると、引き戻す力(F5)によりループ部131がさらに縮小され、釣り糸130は、リングサポート1300の第1曲げ部1331周辺に巻かれた糸絡み部134を形成しながらロック状態となることがある。図27Fに示すロック状態の糸絡み部134により、釣り糸ガイドに釣り糸の糸絡みが発生し得る。
しかし、実施例による釣り糸ガイドでは、リングサポート1300のY字状曲げ部により、釣り糸の糸絡みは円滑に解除され得る。糸絡みが発生した状況で、釣り糸130には、張力(F3)が継続して加えられている。図27Gを参照すると、ロック状態にある糸絡み部134は、張力(F3)によりリングサポート1300の上端に向かって円滑にスライディングし、リングサポート1300の上端を過ぎると、糸絡み部134が解除され得る。これと関連し、Y字状曲げ部により、リング保持部1310がリング支持部1320に対して曲げられており、リング支持部1320は釣り竿のチップに向かって曲げられているため、補強フランジ4312の下側壁面やガイドリング3200の下側壁面は、Y字状曲げ部が形成する前面1323の凹んだ部分1325に位置する。即ち、補強フランジ4312の最下端点とガイドリング3200の最下端点は、第2曲げ部1332の幅方向での両端点より下側に位置する。また、糸絡み部134は、Y字状曲げ部により凹んだ部分1325に入ることができず、凹んだ部分1325から離隔されている。これにより、糸絡み部134は、補強フランジ4312の下側壁面またはガイドリング3200の下側壁面にかかることなくリングサポート1300の上端にスライディングされて解除され得る。
図27Hは、糸絡みが解除され得ない比較例によるリングサポートを示す。図27Hに示すように、実施例によるY字状曲げ部を備えられないリングサポートでは、糸絡み部134が補強フランジの下側壁面またはガイドリングの下側壁面にかかり、リングサポートの上端に移動されることができず、糸絡みが解除され得ない。
本開示の第5実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図28及び図29に示す例が参照される。図28は、第5実施例による釣り糸ガイドのリングサポートを示し、図29は、図28の29−29線に沿ってとった断面図である。
リングサポート1300の補強フランジ4312は、その内周面(詳細には、嵌合面4313)に形成された複数の嵌合突起5315を有する。図28に示すように、3つの嵌合突起5315が嵌合面4313に形成され得る。嵌合突起5315の個数は3つに限定されず、4つ以上であってもよい。嵌合突起5315は、補強フランジ4312の嵌合面4313から僅かな高さでリング保持孔3311側に突出する。嵌合突起5315は、補強フランジ4312の嵌合面4313をシェービング(shaving)加工により若干の深さで切削することにより形成され得る。
ガイドリング3200は、リング保持孔3311に挿入され、3つの嵌合突起5315の表面と嵌合され得る。ガイドリング3200がリング保持孔3311に挿入されると、嵌合突起5315がガイドリング3200の外周面と接触する。リング保持部1310は、補強フランジ4312の3つの嵌合突起5315によりガイドリング3200を3個所で保持する。即ち、リング保持部1310は、3つの嵌合突起5315を介してガイドリング3200と接触する。ガイドリング3200の外周面は、補強フランジ4312の嵌合面4313と面接触せず、嵌合突起5315と面接触または点接触する。また、図29に示すように、ガイドリング3200は、ガイドリング3200の外周面と補強フランジ4312の内周面(嵌合面4313)との間に形成された隙間を有して嵌合突起5315と嵌合される。このような隙間は、嵌合面4313から突出した嵌合突起5315により形成され、接着剤を収容することができる。ガイドリング3200を3個所での嵌合により保持する構造により、ガイドリング3200の寸法とリング保持孔3311の寸法をガイドリング3200とリング保持孔3311が正確に嵌合されるように加工する必要がない。即ち、ガイドリング3200を3個所での嵌合により保持する構造により、ガイドリング3200とリング保持孔3311との間の嵌合許容公差を拡大させることができる。
図30A〜図30Gは、図28に示すリングサポート及び釣り糸ガイドを製造する一例を示す。
図30Aを参照すると、金属シート200内に図28に示すリング保持孔3311の形状に対応する形状を有する貫通孔210を形成する。金属シート200は、純チタンの金属材料からなることができる。貫通孔210の形成は、パンチングまたはドリリングにより行われることができる。図30Bを参照すると、図30Aに示す貫通孔210の全周に沿って補強フランジ4312を形成する。補強フランジ4312の形成は、バーリング(burring)により、例えば、プレスパンチを用いて貫通孔210の縁部全体を釣り竿のチップに向かうように(即ち、リング保持部に垂直になるように)突出させることにより行われることができる。これにより、嵌合面4313と案内面4314を有し、嵌合面4313によりリング保持孔3311を形成する補強フランジ4312がリング保持孔3311の周りに沿って形成される。図30Cを参照すると、補強フランジ4312の嵌合面4313に嵌合突起5315が形成される。嵌合突起5315の形成は、シェービング(shaving)により行われることができる。例えば、シェービング(shaving)により嵌合面4313を嵌合突起5315が残るように若干切削することにより、嵌合突起5315が形成され得る。図30Dを参照すると、金属シート200にリング保持孔3311に隣接するように第1開口2351と第2開口3352を形成する。第1開口2351と第2開口3352の形成は、パンチングまたはドリリングにより行われることができる。図30Eを参照すると、金属シート200をプレス金型を用いてプレス加工して、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332を形成しながら、第1曲げ部1331及び第2曲げ部1332周辺の金属シート200の部分をベンディングさせる。第1及び第2曲げ部1331、1332の形成と金属シート200のベンディングは、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332を形成するように構成されたプレス金型を用いて行われる。また、この時、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332の形状に対応する加工硬化部が金属シート200に生成される。次に、第1及び第2曲げ部1331、1332が形成され、これらを介してベンディングされた金属シート200をブランキングなどのプレス加工をして、金属シート200から図30Fに示すリングサポート1300を抜く。次に、図30Gを参照すると、リングサポート1300をインサートとして用いて取付部1100が樹脂材料(例えば、カーボン長繊維強化樹脂)により射出成形される。リングサポート1300と取付部1100は、リング支持部1320の下側一部が取付部1100に埋め込まれる方式で、部分的に結合する。取付部1100に埋め込まれるリング支持部1320の部分は、第1曲げ部1331の下側一部及び第2開口3352を含む。
図30Fに示すように、金属シート200に第1及び第2曲げ部1331、1332が形成された後、金属シート200からリングサポート1300の形状を抜くことにより、リングサポート1300が形成される。これにより、完成したリングサポート1300の外側寸法の変化が小さい。また、金属シート200から破断されたリングサポート1300の破断面(リングサポート1300の側面)が角度を有さず、リングサポート1300の側面はリングサポート1300の前面または後面と鋭角を形成する。前記鋭角は、第1曲げ角の半分となる。もし、金属シート200からリングサポート1300の平面形状に対応する加工品を抜いた後、そのような加工品に第1及び第2曲げ部1331、1332を形成する場合、リングサポート1300の破断面は、リングサポート1300の前面または後面と略直角を形成し、曲げによる寸法安定性が悪化する。即ち、この場合、リングサポート1300の側面が釣り竿の中心軸または取付部の中心軸に対して傾斜する。しかし、前述のように完成したリングサポート1300は、その破断面リングサポートの側面が角度を有さないため、完成したリングサポート1300は、取付部を射出成形するための金型に精密に安着され得、樹脂漏れのような成形不良を予防することができる。図30A〜図30Gを参照して説明された例は、前述の実施例のリングサポートの形成にも適用され得る。この場合、リングサポートの形状に応じて、図30A〜図30Fに示す例の一部が省略され得る。
本開示の第6実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図31に示す例が参照される。この実施例による釣り糸ガイド6000において、取付部1100は内周面に、周方向に配列され釣り竿の中心軸(CA1)の方向に延長する複数のセレーション6140(serration)を有する。セレーション6140の横断面の形状は三角形を有する。この実施例において、取付部1100は、強度の高い樹脂材料(例えば、カーボン長繊維強化樹脂)からなる。これにより、セレーション6140の三角形状の頂点部分での強度が高く、取付部1100を竿体の管状竿の外周面に嵌め付ける際に、セレーション6140の頂点部分が嵌め付ける力により潰れたり崩れ落ちたりしない。即ち、取付部1100の強い強度により、セレーション6140は、潰れることなく最初に形成された高さを維持する。セレーション6140の頂点部分が潰れないため、取付部1100は、強い回転耐力を有する。
本開示の第7実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図32〜図34に示す例が参照される。図32は、本開示の第7実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図33は、図32に示す釣り糸ガイドの正面図である。図34は、第7実施例による釣り糸ガイドの変形例を示す正面図である。
図32に示す第7実施例による釣り糸ガイド7000は、ガイドリングが管状竿の外径より大きく、リングサポートが取付部に向かって狭くなる形状を有することを除いては、前述の実施例の釣り糸ガイドと同一の構成を有する。また、図32及び図35に示すリングサポートと取付部は、図30A〜図30Gを参照して説明した方式と同様に製造されることができる。
図32を参照すると、釣り糸ガイド7000は、釣り竿の竿体110(詳細には、竿体110を構成する管状竿の1つ)に取り付けられる取付部7100と、釣り糸130が通るガイドリング7200と、ガイドリング7200を保持及び支持して取付部7100と部分的に結合されるリングサポート7300とを含む。
ガイドリング7200は、竿体110の管状竿の外径より大きい外径を有する。これにより、釣り糸ガイド7000は、管状竿の外径より大きい外径を有するガイドリングが用いられる例に適用され得る。ガイドリング7200の形状及び構成は、図3及び図13に示すガイドリングの形状及び構成と類似することができる。
取付部7100は、環状体7110を含み、竿体110の管状竿の1つが環状体7110を貫通することができる。前記管状竿が環状体7110を貫通した状態で、取付部7100は前記管状竿に沿ってスライド可能であり、前記管状竿に対して回転することができる。前記管状竿は、前方方向(TD)に細くなるテーパ状を有する。従って、環状体7110を後方方向(BD)に移動させることにより、取付部7100が前記管状竿の外周面と嵌合されて固定され得る。
取付部7100は、リングサポート7300の下側一部が取付部7100内に埋め込まれるように、リングサポート7300と一体に結合される。一例として、リングサポート7300の下側一部が環状体7110内に埋め込まれるようにリングサポート7300をインサートとして用いて樹脂材料の射出成形により、取付部7100とリングサポート7300が一体に結合され得る。取付部7100の前記樹脂材料として、前述のカーボン長繊維強化樹脂材料が用いられるものの、これに限定されるものではない。他の例として、リングサポート7300の下側一部と取付部7100との間の嵌合及び接着剤接合の方式により、リングサポート7300の下側一部が環状体7110内に埋め込まれるように、リングサポート7300と取付部7100が一体に結合されることもできる。
リングサポート7300の材料及び加工方式は、前述の実施例でのリングサポートの材料及び加工方式と類似する。リングサポート7300は、その中に形成された曲げ部によりリングサポート7300を構成する部分が互いに対して折り曲げられたり、湾曲している金属製の薄板として形成されている。
リングサポート7300は、管状竿の外径より大きい外径を有するガイドリング7200に適合した形状を有する。このために、リングサポート7300は、ガイドリング7200から取付部7100に向かって狭くなる形状を有する。即ち、リングサポート7300の各側端縁の一部は、取付部7100に向かう下方方向(LD)にリングサポート7300の中心に近くなるように形成される。
図33を参照すると、一実施例において、リングサポート7300は、一対の第1側端縁7361と、一対の第2側端縁7362と、一対の境界部7363とを含む。一対の第1側端縁7361は、取付部7100から上方方向(UD)に延長し、互いに遠くなるように傾斜している。一対の第2側端縁7362は、一対の第1側端縁7361から上方方向(UD)にそれぞれ延長する。一対の第2側端縁7362は、一対の第1側端縁7361の傾斜角度と異なる傾斜角度で傾斜している。一対の境界部7363は、第1側端縁7361のそれぞれと第2側端縁7362のそれぞれとの間にそれぞれ位置する。境界部7363は、第1側端縁7361と第2側端縁7362との間の境界となる。境界部7363を基準として、第1側端縁7361の傾斜角度と第2側端縁7362の傾斜角度が異なる。
一対の第1側端縁7361は、取付部7100からリングサポート7300の上端に向かって互いに次第に遠くなる。一対の第2側端縁7362は、ガイドリング7200の付近に位置する。一対の第2側端縁7362は、リングサポート7300の上端に向かって互いに次第に近くなる。一対の第2側端縁7362は、0度超30度以下の夾角(IA3)で互いに向かって傾いている。他の例として、一対の第2側端縁7362は互いに平行であり、夾角を有しないこともある。前述の側端縁の形状により、リングサポート7300は、ガイドリング7200に向かって広くなり、境界部7363を過ぎてから再度狭くなる形状を有する。従って、リングサポート7300の幅は、上方方向(UD)に次第に大きくなってから次第に小さくなり、境界部7363で最大となる。
図32及び図33を参照すると、リングサポート7300は、ガイドリング7200を保持するリング保持部7310と、リング保持部7310を介してガイドリング7200を支持するリング支持部7320と、を含む。リングサポート7300を構成する前記金属製の薄板で、リング保持部7310とリング支持部7320は一体に形成され、リング保持部7310は平らである。
リング保持部7310は、ガイドリング7200が結合されるリング保持孔7311を有する。リング保持孔7311は、リング保持部7310にリング保持部7310の厚さ方向に貫通している。リング保持部7310は、リング保持孔7311によりガイドリング7200の全周に沿ってガイドリング7200を保持するように略環状をとる。リング保持孔7311の形状と、リング保持孔7311とガイドリング7200との間の結合は、前述の第1実施例の釣り糸ガイドを参照して説明した形状及び結合と類似することができる。
リング保持部7310の上側縁は、半円形状を有する。リング保持部7310の幅方向(WD)での両側端縁は、取付部7100に向かう下方方向(LD)に互いに遠くなることができる。図33に示すように、リング保持部7310の各側端縁は、前述の第2側端縁7362として形成されている。これにより、リング保持部7310の両側端縁は、リング保持孔7311の中心に対して夾角(IA3)で互いに向かって傾斜している。他の例として、リング保持部7310の両側端縁は、平行であってもよい。また、他の例として、リング保持部7310の各側端縁の一部が、前述の第2側端縁7362として形成され得る。リング保持部7310の下端縁は、下方方向(LD)に凸なV字状を取り、リング保持部7310はその下端縁でリング支持部7320と一体に連結される。
図33を参照すると、リング支持部7320は、リング保持部7310のV字状の下端縁に対応するV字状の上端縁を有する。リング支持部7320の幅方向(WD)での各側端縁は、前述の第1側端縁7361を含む。これにより、リング支持部7320の両側端縁は、取付部7100に向かう下方方向(LD)に互いに狭くなる。
リングサポート7300は、リング支持部7320内に前述の第1曲げ部1331を有する。第1曲げ部1331は、幅方向(WD)でリング支持部7320の中央に位置する。第1曲げ部1331は、竿体110の管状竿に向かう下方方向(LD)にリング支持部7320の下端まで延長する。リング支持部7320は、第1曲げ部1331を含む下側一部で、取付部7100内に埋め込まれている。
リング支持部7320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(前方方向(TD))に前述の第1曲げ角で曲げられている。これにより、図33に示すように、リング支持部7320は、第1曲げ部1331により区分され対称形状に形成された右半部7321と左半部7322を有する。右半部7321と左半部7322は、第1曲げ部1331を介して一体になっており、前方方向(TD)に前述の第1曲げ角で互いに向かうように傾いている。
リングサポート7300は、リング保持部7310とリング支持部7320との間の境界となる前述の第2曲げ部1332を有する。リング保持部7310の下端縁とリング支持部7320の上端縁が第2曲げ部1332を形成する。リング保持部7310は、第2曲げ部1332を基準として、リング支持部7320に対して釣り竿のチップに向かう方向(前方方向(TD))に前述の第2曲げ角で曲げられている。第2曲げ部1332は、リングサポート7300の一側端から他側端まで延長する。第2曲げ部1332とリングサポート7300の両側端縁との間の接続点が、第2曲げ部の両端点(P2)となる。この実施例において、第1側端縁7361と第2側端縁7362との間の前述の一対の境界部7363は、第2曲げ部1332の両端点(P2)にそれぞれ位置する。
第2曲げ部1332は、リングサポート7300の下端に向かって凸である。図32及び図33を参照すると、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸なV字状を有し、その中心点(P1)で第1曲げ部1331の上端に連結される。また、リングサポート7300の側方視において、第2曲げ部1332は、前方方向(TD)と上方方向(UD)との間の斜めの方向に傾いている。図33に示すように、第2曲げ部1332は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332との間の連結点(第2曲げ部1332の中心点(P1))から第1曲げ部1331に対して鈍角で延長する一対の直線状曲げ部1333、1334を含む。
互いに合う第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、Y字状を形成し、リングサポート7300にY字状曲げ部を形成する。従って、リングサポート7300は、リング保持部7310、リング支持部7320の右半部7321及びリング支持部7320の左半部7322が互いに向かって曲げられた金属製の薄板として形成される。また、このような金属製の薄板において、リング保持部7310、リング支持部7320の右半部7321及びリング支持部7320の左半部7322は、Y字状曲げ部をなす第1及び第2曲げ部1331、1332を介して一体に形成され、これらが第1及び第2曲げ部1331、1332により互いに向かって曲げられている。このように、リングサポート7300には、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332が形成するY字状曲げ部が提供されている。また、リングサポート7300には、Y字状曲げ部に沿って前述のY字状の加工硬化部が形成されている。従って、釣り糸ガイド7000は、前述の第1曲げ部と第2曲げ部が形成するY字状曲げ部により、向上した曲げ強度、向上した回転防止強度及び向上した取付強度を有する。
糸絡みの円滑な解消のために、特定の寸法範囲にリングサポート7300の各部分が形成され得る。図33を参照すると、第2曲げ部1332の直線状曲げ部1333、1334間の夾角は、前述の夾角(IA1)になり得る。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)は、第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、リング保持孔7311の最下端点(P3)は、第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、糸絡みの円滑な解除に寄与する。また、リングサポート7300の側端縁の一対の境界部7363は、第2曲げ部1332の両端点(P2)にそれぞれ位置するか、または第2曲げ部1332の両端点(P2)より上側にそれぞれ位置する。図33に示すように、リングサポート7300の側端縁の一対の境界部7363は、両端点(P2)に位置することができる。第1曲げ角(BA1)、第2曲げ角(BA2)、夾角(IA1)及び夾角(IA3)が、前述のそれぞれの範囲内での角度値を有するようにリングサポート7300が形成される場合に、リングサポート7300での糸絡みが円滑に解除され得る。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)、第2曲げ部1332の両端点(P2)、リング保持孔7311の最下端点(P3)及びリングサポート7300の側端縁の一対の境界部7363間の前述の位置関係により、リングサポート7300での糸絡みが円滑に解除され得る。
図34は、前述の第7実施例の釣り糸ガイドの変形例を示す。図34を参照すると、リングサポート7300の側端縁の一対の境界部7363は、第2曲げ部1332の両端点(P2)より上側に位置する。これにより、リング保持部7310の各側端縁は、前述の第1側端縁7361及び第2側端縁7362の一部を含む。
図35A〜図35Jを参照し、この実施例の釣り糸ガイドで糸絡みの発生と解除の例を説明する。図35A〜図35Jは、図32に示す釣り糸ガイドに糸絡みが発生して糸絡みが解除される例を順次示す。図35A〜図35Jにおいて、矢印(F3)は、仕掛けのキャストの際に釣り糸にかかる張力を指し、矢印(F4)は、釣り糸ガイドに加えられる風の力を指し、矢印(F5)は、釣り糸をリール側へ引き戻す力を指す。
図35Aを参照すると、仕掛けのキャストの際に、リールから放出された釣り糸130の一部は、風の力(F4)または釣り竿の動きによりリングサポート7300を追い越してループ部131を形成することができる。図35Bを参照すると、ガイドリング7200を通過する前のループ部131が釣り竿のチップに向かう釣り糸の一部132を乗り越えることがある。図35Cを参照すると、ループ部131が風の力(F4)や釣り竿の動きによりリングサポート7300の上端を過ぎてリングサポート7300の下端に向かって移動することがある。図35Dを参照すると、ガイドリング7200に進入する前の釣り糸の一部133に風の方向の変化や釣り竿の動きにより、釣り糸をリール側へ引き戻す力(F5)が作用し、ループ部131がリングサポート7300の下端に移動してリングサポート7300を巻くことがある。これと関連し、リングサポート7300の一対の第1側端縁7361により、リングサポート7300の幅がリングサポート7300の下端に向かって小さくなるため、ループ部131が取付部7100の付近まで移動する。これにより、リングサポート7300の側方に糸絡み部134が形成されながら、釣り糸はロック状態となることがある。図35Eを参照すると、釣り竿のチップに向かう張力(F3)により、釣り糸の一部135、136、137、138がリングサポート7300に締め込まれ得る。図35Fを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、釣糸の一部136は張力(F3)により、釣竿のチップ側へ大きく移動して、釣り糸の一部135が最も締め込まれるので、釣り糸の一部135が支点となり、釣り糸の一部137と釣り糸の一部138は、張力(F3)によりガイドリング7200に向かって移動することがある。図35Gを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、リングサポート7300に絡みついている釣り糸の一部137がリングサポート7300の側端縁の境界部7363を乗り越えてリングサポート7300の上端に向かって移動することがあり、その次に、釣り糸の一部138がリングサポート7300の側端縁の境界部7363を乗り越えてリングサポート7300の上端に向かって移動することがある。図35Hを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、ループ部131と糸絡み部134がリングサポート7300の上端に向かって移動することがある。図35Iと図35Jを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、ループ部131は、リングサポート7300の上端に向かってスライディングし、ループ部131がリングサポート7300の上端を過ぎると、糸絡み部134が解除され得る。
リングサポート7300のY字状曲げ部により、リング保持部7310がリング支持部7320に対して曲げられており、リング支持部7320は釣り竿のチップに向かって曲げられているため、ガイドリング7200の下側壁面は、Y字状曲げ部が形成する凹んだ部分1325の付近に位置する。即ち、ガイドリング7200の最下端点は、第2曲げ部1332の両端点より下側に位置する。また、ループ部131は、Y字状曲げ部により凹んだ部分1325に入ることができず、凹んだ部分1325から離隔されている。これにより、ループ部131は、ガイドリング7200の下側壁面にかかることなくリングサポート7300の上端に円滑にスライディングできる。また、リングサポート7300の側端縁の一対の境界部7363が第2曲げ部1332の両端点に位置するか、または両端点より上側に位置するため、図35F及び図35Gに示す釣り糸の一部137及び釣り糸の一部138が境界部7363を円滑に乗り越えることができ、ループ部131が円滑にリングサポート7300の上端に移動することができる。
図35Kは、糸絡みが解除され得ない比較例による釣り糸ガイドを示す。図35Kに示すリングサポートでは、側端縁の境界部7363が第2曲げ部1332の両端点より下側に位置する。これにより、釣り糸の一部135を支点にして動く釣り糸の一部137は、境界部7363を乗り越えることができず、張力(F3)が更に加われば、釣り糸の一部137と釣り糸の一部138は締め込まれ、ループ部131は、リングサポートの上端に向かって移動することができず、釣り糸の糸絡みが解除され得ない。
図36A〜図36Cは、実施例の釣り糸ガイドに採用され得るリングサポートの曲げ部の多様な例を示す。
図36Aに示すリングサポート1300では、第1曲げ部1331Aは比較的広い幅を有し、リング支持部1320の前面と後面上で幅が広い湾曲した面として現れる。第1曲げ部1331Aと連結される第2曲げ部1332Aは、その中央に曲線状曲げ部1335Aと曲線状曲げ部1335Aの両端から延長する一対の直線状曲げ部1333A、1334Aとを含む。曲線状曲げ部1335Aが第1曲げ部1331Aと連結される。第1曲げ部1331Aと第2曲げ部1332Aは、略Y字状を形成する。
図36Bに示すリングサポート1300において、第2曲げ部1332Bは、下方方向に凸に湾曲した形状に形成されている。第2曲げ部1332Bは概ねその全長にわたって延長する曲線状曲げ部1335Bを含む。曲線状曲げ部1335Bは、第1曲げ部1331Bと連結される。第1曲げ部1331Bは、リング支持部1320のほぼ全体に形成され得、リング支持部1320の前面と後面上で幅が広い湾曲した面として現れる。曲線状曲げ部1335Bの曲線状でのリング支持部1320の幅方向で向かい合う2つの点にそれぞれ接する2つの接線を仮定すると、このような2つの接線は、図11に示す夾角(IA1)を有することができる。第2曲げ部1332Bの両端から所定の長さの部分は、前述の直線状曲げ部として形成されてもよい。第1曲げ部1331Bと第2曲げ部1332Bは、略Y字状を形成する。
図36Cに示すリングサポート1300において、第1曲げ部1331Cは、一対の直線状曲げ部1331C1,1331C2を含む。第2曲げ部1332Cは、中央に位置する直線状曲げ部1336Cと直線状曲げ部1336Cの各端から斜めに延長する一対の直線状曲げ部1333C,1334Cとを含む。第1曲げ部1331Cの直線状曲げ部1331C1,1331C2に第2曲げ部1332Cの直線状曲げ部1336Cの各端が連結される。第2曲げ部1332Cの直線状曲げ部1333C,1334Cは、図11に示す夾角(IA1)を有することができる。各直線状曲げ部1333C,1334Cは、第1曲げ部1331Cと第2曲げ部1332Cとの間の連結点(直線状曲げ部1331C1,1331C2と直線状曲げ部1336Cとの間の連結点)から第1曲げ部1331Cに対して鈍角で延長する。第1曲げ部1331Cの直線状曲げ部1331C1,1331C2間でリング支持部1320の部分は平らに形成される。リング支持部1320の前面と後面は、3つの表面領域に区分される。第1曲げ部1331Cと第2曲げ部1332Cは、2個所で合い、第1曲げ部1331Cと第2曲げ部1332Cは、略Y字状を形成する。
前述の実施例のリングサポート及び図36A〜図36Cに示すリングサポートは、その中にY字状のまたは略Y字状の曲げ部を有するため、曲げ部をその中に有さない平らな薄板からなるリングサポートに比べて向上した強度を有する。
前述の実施例において、取付部は管状竿が貫通する環状体を含む。他の実施例として、釣り糸ガイドの取付部は、管状竿の外周面に取り付けられる取付足形状の構造物として形成されてもよい。このような取付足は、巻き糸により管状竿の外周面に固着され得、接着剤が巻き糸に塗布され得る。
前述の実施例において、リングサポートは、第1曲げ部とこれに連結される第2曲げ部を含む。他の実施例において、リングサポートは、第1曲げ部のみを含むこともできる。このような実施例では、リング支持部は、第1曲げ部を基準として、第1曲げ角で釣り竿のチップに向かって曲げられ得、リング保持部はリング支持部から曲げなしに延長できる。
他の実施例において、リングサポートは、図17及び図23に示す第1開口2351と第2開口3352のうちいずれか1つのみを有することもできる。例えば、第1開口2351のみがリングサポートに形成され得たり、第2開口3352のみがリングサポート1300に形成され得る。
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知っているべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。