JP4146935B2 - 飲食物循環搬送路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食物および飲食物が入れられた飲食物容器を循環搬送する無端状とされた循環型搬送路において、前記搬送路上の食品の乾燥や異物の付着等を防止することのできる飲食物循環搬送路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲食台等に隣接または沿って、無端状に形成された食品搬送用の循環型搬送路を設け、この搬送路に、商品、例えば寿司等の飲食物を盛り付けた皿等の容器を載置して搬送する循環搬送型の飲食カウンタ−は、飲食客や調理人が移動することなく飲食或いは調理することができ、更に飲食客は席にいながらにして自分の所望する商品を選びながら飲食できることから広く使用されている。
【0003】
このような飲食カウンタにおいては、商品である寿司等の食品が投入される厨房等から飲食客がいる場所までは距離があるとともに、搬送路が循環しているために食品が循環、搬送される間に乾燥したり、ほこりや虫等の異物が付着する恐れがあることから、椀を伏せた形状の蓋材にて前記皿等の食器を覆って搬送するなどの方法がなされており、飲食客は、食器に載置された食品をこの蓋材とともに搬送路より取り出して、食器および蓋材をカウンタ上に置いて飲食をするようになっている。
【0004】
しかし、上記したような蓋材を用いる方法では、一々食器から蓋材を取り除く必要があり、煩雑であるとともに、取り除かれた蓋材が飲食の邪魔になり、さらに前記蓋材も食器同様に随時洗浄する必要があるため、これらの洗浄には多くの人手と費用を要し、更には、これら食品の投入時において、前記蓋材を一々食器上に配置する必要があり、煩雑であった。
【0005】
そのため、近年においてはこれら搬送路上部全体を覆うカバー部材等を設けて、飲食物を外部と遮断して搬送し、飲食客はこれらカバー部材に設けられた開閉部より所望の飲食物を取り出して飲食することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら搬送路上部全体をカバー部材にて覆う手法では、前記椀状の蓋材を用いた場合における煩雑さや、洗浄の手間等を省くことができるものの、これらカバー部材の適宜な位置に設けられた所定の幅を有する開閉扉を開いて、飲食客は所望の飲食物を搬送路より取り出すことになるため、これら取り出しの際に、取り出される飲食物に隣接して搬送される飲食物に、取り出しのために開かれた前記開閉扉より侵入する異物等が付着してしまう場合があるという問題があった。
【0007】
よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、飲食客が所望する飲食物を取り出す際においても、他の飲食物に異物等が付着することがなく、尚且つ従来のような蓋材を使用する場合のような、煩雑さや逐次の洗浄等を必要とすることのない飲食物循環搬送路を提供するこを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した問題を解決するために、本発明の飲食物循環搬送路は、個々の飲食物および飲食物容器を覆った状態で循環搬送路上を循環移動する透明なカバー部材と、該カバー部材を開放させる開放手段と、前記循環搬送路に隣接する飲食台側前面部に、前記カバー部材を開放させる操作部とを有し、前記開放手段が、前記カバー部材の一端が軸支され、この軸に連結されたカム部と、前記操作部により搬送路上の所定位置に出没自在とされ、これが露出して前記カム部と当接することにより、前記カバー部材の移動に伴って前記軸を回転させてカバー部材を開放させる作動プレートと、から成ることを特徴としている。
この特徴によれば、飲食客は循環搬送されている飲食物の中から、所望の飲食物を覆っているカバー部材のみを、前記操作部にて操作することにより一々搬送路上に手を伸ばすことなく、容易に開放させて飲食物を取り出すことができるため、これら取り出し時において、その他の飲食物に異物等が付着することがないばかりか、これらカバー部材は開放可能とされているために、搬送路上より取り出されて飲食の邪魔となることもなく、再度飲食物を覆って繰り返し使用することができる。そして出没自在とされた前記作動プレートを操作部より操作するのみで、所望の飲食物を覆うカバー部材を開放させることができ、これら単純な構造にてカバー部材の自動開放を実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は、本実施例1の飲食物循環搬送路を示す外観斜視図であり、図2は、本実施例1の飲食物循環搬送路の構成を示す断面A―Aにおける断面図であり、図3は、本実施例1の飲食物循環搬送路に用いたカバー付き載置台に設けられたカムの動作状況を示す模式図である。
【0015】
本実施例1の循環搬送路1は、図1に示されるように、客席4を具備し、飲食カウンタ3に沿って設けられ、寿司皿8に載置された飲食物である寿司等を収納したカバー付き載置台5を搬送する無端状の循環型搬送路であるフラットトップチェ−ンコンベア1と、前記フラットトップチェ−ンコンベア1の両側部に設けられたコンベアハウジング11とから主に構成されている。
【0016】
これら前記フラットトップチェ−ンコンベア1は、略半月状とされたクレセントチェーン2が、相対回転可能に連結されて形成された通常のフラットトップチェ−ンコンベア1とされており、これらクレセントチェーン2とコンベアハウジング11との間には、スライドレール16が配置されてクレセントチェーン2がスムーズに移動するようになっている。
【0017】
これらフラットトップチェ−ンコンベア1上には、図1および図2に示されるように、前記寿司皿8が載置可能とされたベース台7と、このベース台7の上部を覆い、その一端の連結部15が回転軸部14にて軸支されて開閉可能とされた透明なカバー部材6とから成り、前記寿司皿8を収納可能とされたカバー付き載置台5が配置され、これらカバー付き載置台5がフラットトップチェ−ンコンベア1により移動、搬送されて飲食客に提供されるようになっている。
【0018】
前記カバー部材6は、前記したようにその一端に設けられた連結部15が、回転軸部14にて軸支されており、この回転軸12は、図1および図2に示されるように、その一端がフラットトップチェ−ンコンベア1の側部方向に延ばされ、その端部に所定の配置角度とされたカム13が設けられている。
【0019】
また、本実施例1の飲食物循環搬送路では、図2に示されるように、飲食カウンタ3の客席4に面するコンベアハウジング11の側部前面に、操作部としての操作ノブ10が設けられ、更には前記客席4と反対側のコンベアハウジング11の側部の適宜箇所にも操作ノブ10’が設けられており、これら操作ノブ10、10’は、駆動シャフト20に連結され、この駆動シャフト20の所定位置に設けられた揺動アーム18が、操作ノブ10、10’を回転させることにより、揺動するようになっている。
【0020】
この揺動アーム18は、前記フラットトップチェ−ンコンベア1の内周側である客席4と反対側の側部に出没自在とされた作動プレート9と、その両端部にユニバ−サルジョイント19を有する連結シャフト17にて連結されており、前記揺動アーム18が揺動することにより、作動プレート9が上下するようになっており、上昇して露出した作動プレート9は、前記操作ノブ10、10’を解放することにより、その自重にて自動的に降下して埋没するようになっている。
【0021】
これら上昇して露出した作動プレート9は、その上面部が前記回転軸12の端部に設けられたカム13と当接するようになっており、これらカム13がカバ−付き載置台5とともにフラットトップチェ−ンコンベア1によって移動することで、図3(a)に示されるように、カム13が前記回転軸12を所定方向に回転させて、この回転軸12に連結されている前記カバ−部材6が、開かれ、この作動プレート9を通過した場合には、自動的にカバ−部材6が、閉まるようになっており、飲食客が前記操作ノブ10を操作せずに、作動プレート9が上昇しない場合には、図3(b)に示されるように、カム13が作動プレート9と当接することがなく、カバ−部材6が開くこともない。
【0022】
これに基づき、客席4にいる飲食客は、各カバ−付き載置台5に収納されて搬送されてくる各種の寿司から、透明なカバ−部材6を通して所望の種類の寿司を確認し、所望の寿司を収納するカバ−付き載置台5が自分の前方に搬送されてきた際に、前記操作ノブ10を所定方向に回転させて作動プレート9を露出させることにより、そのカバ−付き載置台5のカバ−部材6を搬送路上まで手を一々延ばすことなしに開けることができ、収納されている所望の寿司を容易に取り出すことができるようになるとともに、各種の寿司が載置された寿司皿8が、個々にカバ−付き載置台5に収納された搬送されることから、飲食客が所望の前記寿司皿8を取り出す場合でも、他の寿司皿8上の寿司に異物当が付着することがなく、これらカバ−部材6は開閉可能にベ−ス台7に取付けられていることから、これらカバ−部材6が飲食の邪魔となることもない。
【0023】
(実施例2)
図4(a)、(b)は、本実施例2の飲食物循環搬送路に用いたカバ−付き載置台5’の構造を示す断面図であり、図5は、本実施例2の飲食物循環搬送路の構造を示す断面図であり、図6は、本発明の飲食物循環搬送路に用いたカバ−付き載置台5’のカバ−解放を起動する部分の拡大詳細図である。
【0024】
本実施例2のカバ−付き載置台5’は、図4(a)および図4(b)に示されるように、実施例1のカバ−付き載置台5と同様に、ベ−ス台21上を覆うように透明なカバ−部材24が配置され、このカバ−部材24は、その一端に設けられた連結部23により回転軸部14にて回転軸22に軸支されて開閉可能とされている。
【0025】
本実施例2では、前記カバ−部材24の連結部23が設けられた反対側下部位置に、ベ−ス台21に設けられた係止穴部27と係合する係止部26が設けられているとともに、その詳細な構造が図6に示されるように、前記係止部26と係止穴部27との係合を解除する解除ピン29と、この解除ピン29の位置を復元させるスプリング28とが設けられており、前記解除ピン29が内部方向に押されることにより、前記係止部26と係止穴部27との係止が解除されるようになっている。
【0026】
このように係止部26と係止穴部27との係合が解除されることで、図4(b)に示されるように、前記連結部23が設けられた側の所定位置に設けられたカバ−部材24を開放する弾性部材としてのダンパ−25によって、前記カバ−部材24が開放されるようになっている。
【0027】
これらカバ−付き載置台5’は、図5に示されるように、前記回転軸部14が客席4と反対側となり、カバ−部材24の開放部が客席4側となるように本実施例2ではフラットトップチェ−ンコンベア1にボルト(図示せず)により固定されている。
【0028】
また本実施例2では、前記解除ピン29を押す機構として、図5に示されるように、飲食カウンタ3側のコンベアハウジング11に、飲食客が押す操作ボタン33と、伝達シャフト31と、この伝達シャフト31を元の位置に復元させるスプリング32と、伝達シャフト31のフラットトップチェ−ンコンベア1側の端部に連結された半月状の作動プレ−ト30とが設けられており、前記操作ボタン33を飲食客が押すことにより、前記作動プレ−ト30がコンベアハウジング11より横方向に露出して、図6に示されるように前記解除ピン29がカバ−付き載置台5’の移動に伴って押され、前記係合が解除されてカバ−部材24が開放されるようになっている。
【0029】
これら、本実施例2のようにすれば、ダンパ−を用いることにより、係合を解除する簡便な機構のみで、確実な開放がなされるとともに、収納されている寿司皿8が取り出された場合には、カバ−部材24が開放された状態に保持されることから、寿司皿8が取り出されたカバ−付き載置台5’を瞬時に把握することができるばかりか、再度寿司を載置する場合において、一々カバ−部材24を開ける必要もない。
【0030】
また、前記実施例2では、弾性部材としてダンパ−を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバ−部材24を開放することのできる弾性部材であれば、スプリング等のその他の弾性部材を使用しても良い。
【0031】
また、本実施例2では、前記係合の解除を解除ピン29にて実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の方法、例えば電気的なソレノイド等を用いて実施しても良く、これら係合の解除を起動させる方法も、用いる係合解除方法に適した方法を用いれば良い。
【0032】
また、本実施例2では、カバ−付き載置台5’の固定方向をカバ−部材24の開放側が客席側となるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方向としても良いが、このように向けて配置することにより、飲食客が寿司皿8を取りだし易くなることから好ましい。
【0033】
以上、本発明を図面に基づき説明してきたが、本発明はこれら各実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0034】
また、前記各実施例では、寿司皿8を載置する載置台としてのベース台7、21を用いているが、本発明はこれに限定されるものでななく、これらベース台7、21を用いずに、前記クレセントチェーン2に回転軸部14を設けるようにしても良い。
【0035】
また、前記各実施例においては、クレセントチェーン2によるフラットチェ−ンコンベア1を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら循環搬送路が、不動の板であって、前記カバ−付き載置台5、5’が、前記不動の板下部を循環移動するマグネット等に連動して循環移動するものであっても良い。
【0036】
また、前記各実施例においては、循環搬送路が飲食カウンタ3に沿って設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パーティー等の立食の場合には、これら飲食台が設けられていない循環搬送路としても良い。
【0037】
また、前記各実施例においては、寿司および寿司皿を例に説明しているが、本発明はこれら飲食物および飲食物容器は搬送可能なものであれば限定されるものではなく、前記カバ−付き載置台5、5’およびカバ−部材24の形状や大きさ等は、これら搬送される飲食物および飲食物容器の形状等に合わせたものとすれば良い。
【0038】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0039】
(a)請求項1項の発明によれば、飲食客は循環搬送されている飲食物の中から、所望の飲食物を覆っているカバー部材のみを、前記操作部にて操作することにより一々搬送路上に手を伸ばすことなく、容易に開放させて飲食物を取り出すことができるため、これら取り出し時において、その他の飲食物に異物等が付着することがないばかりか、これらカバー部材は開放可能とされているために、搬送路上より取り出されて飲食の邪魔となることもなく、再度飲食物を覆って繰り返し使用することができる。そして出没自在とされた前記作動プレートを操作部より操作するのみで、所望の飲食物を覆うカバー部材を開放させることができ、これら単純な構造にてカバー部材の自動開放を実施することができる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における飲食物循環搬送路を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例1における飲食物循環搬送路の構成を示す断面A―Aにおける断面図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明の実施例1における飲食物循環搬送路に用いたカバー付き載置台に設けられたカムの動作状況を示す模式図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明の実施例1における飲食物循環搬送路に用いたカバ−付き載置台5’の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例2における飲食物循環搬送路の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例2における飲食物循環搬送路に用いたカバ−付き載置台5’のカバ−解放を起動する部分の拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 フラットチェーンコンベア(循環搬送路)
2 クレセントチェ−ン
3 飲食カウンタ
4 客席
5 カバ−付き載置台
5’ カバ−付き載置台
6 カバ−部材
7 ベ−ス台
8 寿司皿
9 作動プレ−ト
10 操作ノブ(操作部)
10’ 操作ノブ(操作部)
11 コンベアハウジング
12 回転軸
13 カム
14 回転軸部
15 連結部
16 スライドレ−ル
17 連結シャフト
18 揺動ア−ム
19 ユニバ−サルジョイント
20 駆動シャフト
21 ベ−ス台
22 回転軸
23 連結部
24 カバ−部材
25 ダンパ−
26 係止部(係止部)
27 係止穴部(係止部)
28 スプリング
29 解除ピン
30 作動プレ−ト
31 伝達シャフト
32 スプリング
33 操作ボタン
Claims (1)
- 個々の飲食物および飲食物容器を覆った状態で循環搬送路上を循環移動する透明なカバー部材と、該カバー部材を開放させる開放手段と、前記循環搬送路に隣接する飲食台側前面部に、前記カバー部材を開放させる操作部とを有し、前記開放手段が、前記カバー部材の一端が軸支され、この軸に連結されたカム部と、前記操作部により搬送路上の所定位置に出没自在とされ、これが露出して前記カム部と当接することにより、前記カバー部材の移動に伴って前記軸を回転させてカバー部材を開放させる作動プレートと、から成ることを特徴とする飲食物循環搬送路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21032198A JP4146935B2 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | 飲食物循環搬送路 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21032198A Expired - Fee Related JP4146935B2 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | 飲食物循環搬送路 |
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