JP4142281B2 - チューブ状体切断装置、および切断機 - Google Patents

チューブ状体切断装置、および切断機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出機から押出されるチューブ状体を、この押出機を止めることなく連続して所定巾の複数のリング体に能率良くかつ高精度で切断するチューブ状体切断装置、及び切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリー機、プリンター機などの事務機器に用いる紙送り用等のゴムローラとして、例えば芯材の周囲に、小巾のゴムのリング体を圧入したものが使用される場合がある。
【0003】
そして、このリング体を形成するには、従来、図16に示すように、
(1) 押出機より連続的に押出されたチューブ状体aを、ギロチンカッタbにて順次切断し、所望のリング体a2の巾の整数倍+α(耳部に相当)の長さを有する長尺な管状基体a1を予め作成する;
(2) この管状基体a1内に、潤滑剤cを塗布した仮芯dを挿入する;
(3) 前記仮芯付きの管状基体a1を両端支持の旋盤に取付け、所定巾の間隔で配列した固定のカッタ刃fを、回転する管状基体a1に押し当てる;
等のステップを行い、リング体a2を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の方法では、以下のような問題点がある。
▲1▼ 管状基体a1を回転させながらカッタ刃fに押し付ける方法であるため、仮芯挿入時の管状基体a1のゆがみ、及び仮芯dやカッタ刃fの振れによって、カット跡が2重となるなど、不良品を招き易い。
▲2▼ ギロチンカッタbの場合、刃自体に強度を持たせなければならず、刃が厚くなる。その結果、切断時にチューブ状体aが大きく変形し、管状基体a1の両端に、ゆがみが生じてしまう。そのために、前記αの分だけ管状基体a1を長く形成し、前記ゆがみとともに両端を切除する必要があるなど、材料の無駄を招く。
▲3▼ 「チューブ状体a」→「管状基体a1」→「リング体a2」、と2段階の切断が必要であり、その間の運搬作業、仮芯の挿入作業、仮芯からのリング体a2の取外し作業、取外したリング体a2を洗浄し付着した潤滑剤を除去する作業等が要求されるなど生産効率に劣る。
【0005】
そこで本発明は、押出機から連続的に押出されるチューブ状体を、フェスツーンをへて切断位置まで断続的に誘導するとともに、前記切断位置のチューブ状体を、櫛状の押さえ具を用いて切断台に押さえ付けた状態で、この押さえ具の各櫛目内に切断刃を通すことを基本として、チューブ状体を、押出機を止めることなく連続して、所定巾の複数のリング体に能率良くかつ高精度で自動的に切断でき、前記問題点を解決しうるチューブ状体切断装置、及び切断機の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、押出機から連続的に押出されるチューブ状体を、長さ方向に所定巾で切断することにより、複数のリング体を形成するチューブ状体切断装置であって、
前記押出機から押出されるチューブ状体を、U字状に垂下して一時的に貯留しうるフェスツーンと、
該フェスツーンを通るチューブ状体を下流側で受け取る受取りコンベヤと、
該受取りコンベヤ上のチューブ状体を、引取り位置で引き取って切断位置まで誘導する誘導手段と、
前記切断位置のチューブ状体を、切断に際して切断台に押さえ付け、前記チューブ状体の内腔が潰れてその内周面が互いに接触して帯状に偏平化する力で押圧する固定手段と、
押さえ付けたチューブ状体を切断する複数の切断刃を前記所定巾で隔置した切断手段とを具えるとともに、
前記固定手段は、間隙を隔てて互いに平行にかつチューブ状体の長さ方向と直角に複数の押さえ軸を配列した櫛状の押さえ具を有し、各間隙を前記切断刃が通ることによって押さえ付けの状態でチューブ状体を複数のリング体に切断し
かつ前記誘導手段は、前記チューブ状体の下流側端を着脱自在に把持するチャック具を具えるとともに、前記チャック具は、チューブ状体の前記下流側端の内腔内に挿入される一対の挿入片を有し、かつ各挿入片が左右両側に離間移動することによりチューブ状体の前記下流側端を偏平に押広げて把持することを特徴とし、かつ請求項8に係るチューブ状体切断機は、前記受取りコンベヤと、前記誘導手段を具えるなど、前記装置に採用されている構成を具える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は本発明のチューブ状体切断装置の正面図、図2はチューブ状体切断装置を下流側からみた右側面図である。
【0008】
図1、2において、チューブ状体切断装置1(以下切断装置1という)は、押出機2から連続的に押出されるチューブ状体Wを、U字状に垂下して一時的に貯留するフェスツーン3と、このフェスツーン3をへたチューブ状体Wを所定巾の複数のリング体W1に切断する切断機100とを具える。
【0009】
そして、前記切断機100は、
・前記フェスツーン3をへたチューブ状体Wを、その下流側で受け取る受取りコンベヤ4と、
・該受取りコンベヤ4上のチューブ状体Wを、引取り位置Y1で引き取って切断位置Y2まで誘導する誘導手段5と、
・前記切断位置Y2のチューブ状体Wを、切断に際して切断台6に押さえ付ける固定手段7と、
・押さえ付けの状態のまま、前記チューブ状体Wを長さ方向Fに所定巾で切断する切断手段9と、を具えている。
【0010】
前記フェスツーン3は、上流側の案内ローラ10と、下流側の前記受取りコンベヤ4との間でチューブ状体WをU字状に垂下して一時的に貯留する。これにより、押出機2から、例えば冷却槽や搬送コンベヤを介して供給されるチューブ状体Wの連続的な動きと、下流側での間欠的な切断時の動きとが調整される。なお該フェスツーン3には、貯留量を検出する例えば3つのセンサSW(本例では光電センサ)が設けられ、前記チューブ状体Wの切断手段9への供給タイミングや貯留量オーバー時の異常の感知を行っている。
【0011】
次に、前記切断機100の受取りコンベヤ4は、図3に略示する如く、本例では、架台11に取り付く非駆動のローラコンベアからなり、前記フェスツーン3からのチューブ状体Wを受け取って切断台6まで長さ方向Fに案内する主コンベヤ部12を含んで形成される。本例では、前記受取りコンベヤ4が、この主コンベヤ部12と、その上方かつ両側に配される縦ガイドローラ13Rからなるセンタリング部13とを具える場合を例示している。なお、該縦ガイドローラ13Rは、例えば前記架台11を跨る取付け枠14を介して長さ方向Fに沿って両側一列で配列しており、このローラ列の間で前記チューブ状体Wを挟んで案内し、センタリングを行う。またセンタリング部13では、チューブ状体Wの太さに応じてローラ列の間隔を調整自在に構成している。
【0012】
又前記主コンベヤ部12では、その最上流側のローラを、上流側への逆回転を阻止したワンウェイローラ15Lで形成するとともに、その上方には、前記ワンウェイローラ15Lとの間でチューブ状体Wを押さえることによりこのチューブ状体Wの上流側への逆走を防止するピンチローラ15Uを昇降自在に設けている。なお、前記ピンチローラ15Uは、本例では、シリンダ等の進退具17のロッド下端に枢支されるとともに、この進退具17は、例えば前記主コンベヤ部12から立ち上がる支持金具18に保持されている。
【0013】
次に前記切断台6は、前記受取りコンベヤ4と乗り継ぎ可能に並設され、その上面でチューブ状体Wが切断される。本例では、切断台6の上流側端が、前記架台11に設けた枢着点Jで枢支され、図1に示す如く、水平となる定常位置X1から下流側に向かって下傾斜する払出し位置X2まで傾動自在に支持される場合を例示する。この傾動の動作は、前記架台11の例えば脚部に取り付くシリンダ等の進退具19のロッド動作によって行われる。
【0014】
又前記切断台6は、その払出し位置X2において、例えば同傾斜のシュータ20を介してロール体排出用の排出コンベヤ(図示しない)などに接続する。又前記定常位置X1においては、切断台6の下流側端は、長さ方向Fに進退移動自在な受け金具21を有する支持手段22によって係脱自在に支持される。
【0015】
該支持手段22は、前記図3に示す如く、前記架台11に取付くシリンダ等の進退具23と、そのロッド端23Aに支持される前記受け金具21とを具える。この受け金具21は、前記切断台6の下流側端下面を受ける受け面を有する一対の受け片21Aを有し、各受け片21Aは、連結金具24を介して前記ロッド端23Aに一体に取り付くとともに、例えばコ字状の案内ガイド25により長さ方向Fに案内される。
【0016】
次に、前記誘導手段5は、前記受取りコンベヤ4上のチューブ状体Wを引取り位置Y1で引き取り、前記切断台6上の切断位置Y2まで誘導する。この誘導手段5は、図4に示す如く、前記チューブ状体Wの下流側端We(先端Weという場合がある)を着脱自在に把持するチャック具27と、該チャック具27を長さ方向Fに移動させるチャック移動具29とを具える。
【0017】
このチャック移動具29は、長さ方向Fにのびるレール36に沿って移動自在に配される移動台37と、この移動台37を動かす移動手段39とを具える。なお前記移動台37には、支持杆40を介して前記チャック具27を取付けており、又前記レール36は、例えば前記架台11に支持させる。
【0018】
前記移動手段39として、本例では、シリンダ等の2つの進退具39A、39Bを直列に接続した場合を例示してなり、一方の進退具39Aを架台11に、他方の進退具39Bを前記移動台37に、夫々固定している。
【0019】
従って、前記移動台37は、双方の進退具39A、39Bが縮小することによる最上流側の位置Z1と、一方の進退具39Aのみ伸張することによる中間の位置Z2と、双方の進退具39A、39Bが伸張することによる最下流側の位置Z3との3位置Z1〜Z3で停止自在に移動できる。そして、この最上流側の位置Z1において、前記チャック具27は、前記引取り位置Y1のチューブ状体Wの先端Weを把持して受取るとともに、切断位置Y2となる前記中間の位置Z2で把持した先端Weを解除する。又解除した後、チャック具27は、前記最下流側の位置Z3まで後退し、チューブ状体Wの次の受け取りまで待機する。
【0020】
又前記チャック具27は、図5に略示するように、チューブ状体Wの先端We内に挿入される一対の挿入片30と、各挿入片30を左右両側に離間移動できこれによりチューブ状体Wの先端Weを偏平に押広げて把持する挿入片保持手段31とを具える。なお前記挿入片30は、本例では、半割円柱状をなし、互いに近接することにより前記チューブ状体Wに挿入容易な小径な円柱状となる。
【0021】
又前記挿入片保持手段31としては、本例では、図6に略示する如く、前後に進退しうる楔片32と、この楔片32の楔面32Sに係合する斜面33Sを有しかつ該楔片32の前後動によって両側にスライド移動しうる一対の横移動片33とをからなる場合を例示している。図中の符号34は、各横移動片33を内向きに付勢するバネであり、また符号35は楔片32を駆動する例えばシリンダ等の進退具のロッドである。なお挿入片保持手段31としては、他に、カムを用いて横移動させるもの、ラック・ピニヨンを用いるものなど周知の種々の機構が採用できる。
【0022】
次に、前記固定手段7は、図7〜9に示すように、本例では、前記長さ方向Fと直角な向きで前記切断台6を跨る門型の支持枠41に、昇降具42を介して昇降自在に支持される櫛状の押さえ具43を具える。そして、この押さえ具43の下降により、前記誘導された切断位置Y2のチューブ状体Wを切断台6に押さえ付けて偏平に固定する。
【0023】
なお前記支持枠41は、架台11に立設する側枠材41a、41bと、その上端間を継ぐ上枠材41cとからなり、一方の側枠材41aに、取付け板44を介して前記昇降具42を固定している。
【0024】
ここで、本例では、前記固定手段7が、チューブ状体Wの切断の上流側半分領域を固定する第1の押さえ具43Aを有する第1の固定手段7Aと、前記第1の押さえ具43Aに並列するとともに前記チューブ状体Wの切断の下流側半分領域を固定する第2の押さえ具43Bを有する第2の固定手段7Bとから形成される場合を例示する。
【0025】
この第1、第2の固定手段7A、7Bは、略同構成であり、夫々、前記取付け板44に支持される昇降具42のロッド42a下端に、第1、第2の押さえ具43A、43Bを取り付けている。なお前記昇降具42として、本例では、ガイド軸45内蔵のシリンダが用いられる場合を例示している。
【0026】
又前記各押さえ具43A、43Bは、前記ロッド42aの下端に固定される厚肉の主部46と、この主部46から前記長さ方向Fと直角に配列してのびる長尺の複数の押さえ軸47とからなる櫛状に形成される。なお前記押さえ軸47、47間の間隙Gである櫛の目は、形成するリング体W1の巾に応じたピッチ間隔で形成される。
【0027】
ここで、前記固定手段7を第1、第2の固定手段7A、7Bで構成する理由は、固定の際、誘導されたチューブ状体Wがフリーとなって位置ズレするのを防止するためである。即ち、図11(C)〜図12(B)に示すように、切断位置Y2まで誘導されたチューブ状体Wに対し、その先端Weがまだチャック具27に把持されている状態で、第1の固定手段7Aの押さえ具43Aを下降させる。これにより、チューブ状体Wを切断する領域のうちの上流側半分領域を切断台6に偏平に押さえ付けて固定する。次に、この固定の状態で、先端Weからチャック具27を開放しかつ待機の位置Z3まで後退させた後、第2の固定手段7Bの押さえ具43Bを下降せしめ、切断する領域のうちの残部(下流側半分領域)を固定する。
【0028】
このように、2段階で押さえ付けることにより、チューブ状体Wの切断する全領域を、位置ズレなく高精度で固定できる。又前記チャック具27は、このとき、固定の際のセンタリング機構としても機能する。なお固定手段7の押さえ付けの力は、例えば昇降具42を作動する下降側の作動空気圧を、精密減圧弁によって調整することによりコントロールでき、図8、9に示すように、チューブ状体Wの内腔が潰れてその内周面が互いに接触し、該チューブ状体Wが帯状に偏平化する力で押圧している。
【0029】
又この偏平化により、従来の如くチューブ状体Wを回転させながら切断する必要がなくなり、2重のカット跡の発生を防止できる。さらに、切断刃49において、その刃厚を刃渡りとともに大巾に減じることができ、ギロチンカッタが有する切断面のゆがみを予防し、高精度の切断を可能とする。
【0030】
又前記押さえ具43を櫛状とすることにより、複数の切断刃49を用い、かつ各切断刃49の近傍をしっかりと押さえながらチューブ状体Wを一度に切断しうる。即ち前記高精度の切断と、切断の効率化とを両立して達成できる。
【0031】
次に、前記切断手段9は、図7〜10に示すように、前記切断刃49を所定巾で隔置してなり、この切断刃49が前記各間隙G内を通ることによって、チューブ状体Wを複数のリング体W1に切断する。
【0032】
詳しくは、前記切断手段9は、前記切断刃49を所定巾で隔置した切断具50と、この切断具50を昇降自在に支持する昇降具51と、該昇降具51を前記長さ方向Fと直角な向きに移動する移動具52とを具えている。
【0033】
なお移動具52は、本例では、前記支持枠41の上枠材41cに敷設されるガイドレール53と、このガイドレール53に係合し前記長さ方向Fと直角に移動自在に案内される移動台54と、前記上枠材41cにフランジ止めされかつロッド端が前記移動台54に連結するシリンダ等の進退具55とから形成される。
【0034】
又前記昇降具51は、本例では、ガイド軸56内蔵のシリンダからなり、そのロッド51Aを下方に向けて前記移動台54に支持される。
【0035】
又前記切断具50は、図10に拡大して示すように、前記ロッド51A下端に取り付く例えばコ字状の保持金具57と、この保持金具57に支持される支持軸59と、この支持軸59に着脱自在にかつ回転自在に枢支される複数の前記切断刃49とを具えている。
【0036】
なお切断刃49は、薄い円板状の丸刃からなり、リング状のスペーサ60とは交互に前記支持軸59の周囲に外挿することにより、前記所定巾の間隔で配される。又前記支持軸59の両端は、軸受け片61A、端のスペーサ61B、及び止め輪61C等を介して、前記保持金具57の側板部57A、57Aに交換自在に保持される。切断巾の変更、及び一回の切断によって形成されるリング体W1の形成個数の変更は、前記スペーサ60の巾、及び切断刃49の取付け数を換えることにより行うことができる。
【0037】
ここで、前記変更により、最上流側の切断刃49Eの位置が変化する。そのために、本例では、前記一方の進退具39A(図4(A)に示す)におけるロッドの縮小長さをストッパ等を用いて調整可能に構成している。そしてこの縮小長さの調整により、前記引取り位置Y1を、最上流側の前記切断刃49Eの位置に合わせている。
【0038】
このように、本例の切断手段9では、図8、9に示すように、その切断具50が、切断台6の上方かつ押さえ具43の外方(図では左方)となる定常の位置U1で待機する。そして、チューブ状体Wが固定手段7により押さえ付けられ偏平化した時、切断具50は、その切断刃49が切断台6上面と接触する下降位置U1Aまで、昇降具51の作動によって下降する。しかる後、移動具52が作動し、前記切断刃49が、間隙G内を通ってチューブ状体Wを横切る横断位置U1Bまで転動することにより、前記チューブ状体Wを切断する。そのために、本例では、前記押さえ軸47の長さ、即ち間隙Gの長さL1を、前記チューブ状体Wを偏平に押し潰した時の偏平巾L2と、前記切断刃49の直径L3との和L2+L3よりも大に設定している。
【0039】
次に、本実施形態の切断機100の全体の動作を図11、12に、概念的に略示する。
まず誘導手段5のチャック具27が待機位置Z3から最上流側の位置Z1まで移動し、受け取り位置Y1で保持されたチューブ状体Wの先端Weを把持するとともに、把持した状態で中間の位置Z2まで戻り、停止する(図11(A)〜(C))。即ち、受け取り位置Y1のチューブ状体Wを引き取って切断位置Y2まで誘導する。
【0040】
又チャック具27が先端Weを把持した状態のまま、第1の固定手段7Aの押さえ具43Aが下降し、切断領域のうちのまず上流側半分領域を偏平に押さえ付けて固定する。次に、チャック具27が先端Weを開放しかつ待機位置Z3まで後退した後、第2の固定手段7Bの押さえ具43Bが下降し、残る下流側半分領域を偏平に押さえ付けて固定する(図11(D)〜図12(B))。これにより切断する全領域を、位置ズレすることなく精度良く固定できる。
【0041】
この固定の状態で、切断手段9の切断具50が、待機位置U1から下降位置U1Aまで下降するとともに、この下降状態で切断刃49が、間隙G内を通って横断位置U1Bまで転動して横移動することにより、前記チューブ状体Wを所定巾の複数のリング体W1に切断する(図12(B)、(C))。
【0042】
なお、切断されたリング体W1は、切断台6が枢着点J廻りで払出し位置X2まで傾動することにより、シュータ20(図1に示す)をへて装置外に排出される(図12(D))。
【0043】
次に、前記固定手段7の第2実施例を、図13、14に示す。この第2実施例では、固定手段7は、チューブ状体Wの切断の全領域を固定する長寸な一つの押さえ具43と、この押さえ具43を昇降する昇降具70とを具える。そして、昇降具70は、押さえ具43を、図14(A)〜(D)に概念的に示すように、前記チャック具27によるチューブ状体Wへの把持状態において、チューブ状体Wの切断の全領域を切断台6に押さえつけて仮固定する第1の下降位置P1と、前記仮固定状態で前記チャック具27がチューブ状体Wを解放しかつ前記待機位置Z3まで移動した後、前記仮固定したチューブ状体Wの切断の全領域を切断台6にさらに偏平に押さえつけて固定する第2の下降位置P2との2位置に下降させる。
【0044】
詳しくは、前記昇降具70は、図13(A)、(B)に略示する如く、前記押さえ具43を昇降するシリンダである主の昇降具71と、そのロッドストロークを規制するシリンダである副の昇降具72、72とを具え、この主副の昇降具71、72は、本例では、前記取付け板44に支持される。
【0045】
前記主の昇降具71は、本例では、ガイド軸71A内蔵のシリンダであって、ロッド71a及びガイド軸71Aの各下端には、前記押さえ具43が取り付けられる。又前記ガイド軸71Aは、前記主の昇降具71を挿通して上方に突出してのび、その上端には、ストッパ73に当接する当接部74が形成される。なお当接部74は、本例では前記上端間を継ぐ連結片によって構成している。
【0046】
又前記副の昇降具72は、そのロッド72aの上端間に、前記ガイド軸71Aが通る挿通孔73Aを有するストッパ73を架け渡して取り付けている。
【0047】
従って、前記副の昇降具72は、そのロッド72aの伸張により、ストッパ73を下の待機位置Q1から上の上昇位置Q2まで移動できる。
【0048】
又前記主の昇降具71は、そのロッド71aの伸張により、押さえ具43を上の待機位置Rから下降させる。このとき、前記ストッパ73が上昇位置Q2にある場合には、前記当接部74がストッパ73と当接して、ロッド71aの伸張が拘束され、押さえ具43は、チューブ状体Wを仮固定する第1の下降位置P1で停止する。
【0049】
又前記副の昇降具72のロッド72aが縮小し、ストッパ73が下の待機位置Q1まで下降したとき、ストッパ73の当接部74への拘束は解除され、押さえ具43は、チューブ状体Wを固定する第2の下降位置P2まで下降できる。
【0050】
ここで、前記仮固定は、チューブ状体Wが動かない程度に軽く押さえる状態を意味する。そのため、本例では、前記ストッパ73と当接部74との間に、スペーサ75を着脱自在に取り付け、第1の下降位置P1を調整している。なお、前記スぺーサ75は、図15(A)に示すように、前記ガイド軸71Aに側方から挿入しうるU字状の孔部75Aを有し、これによって取り替えを容易としている。なおスぺーサ75の固定は、例えば磁石によりストッパ73に吸着させる他、本例の如く、ボールプランジャ76を出没自在に設けることもできる。なおスぺーサ75は、図15(B)の如く、二つに分割しても良い。
【0051】
このように、第1の下降位置P1で停止可能としているため、把持状態のチャック具27との干渉を回避しながら、前記第1、第2の固定手段7A、7Bで構成した前記第1実施例の固定手段7と同様に、チューブ状体Wの全領域を、位置ズレなく高精度で固定できる。又固定の際の押さえ付け力も、第1実施例の場合と同様、チューブ状体Wの内腔が潰れて帯状に偏平化する力とすることが好ましく、そのために、主の昇降具71の下降側の作動空気圧を、精密減圧弁によってコントロールしている。
【0052】
なお前記第1実施例において、第1、第2の押さえ具43A、43Bの間の境界付近で発生しがちなチューブ状体Wへのストレスが、第2実施例の固定手段7では防止できるため、該ストレスに起因する切断面の変形などが抑制でき、品質の向上の点で好ましい。
【0053】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0054】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成しているため、チューブ状体を、押出機を止めることなく連続して所定巾の複数のリング体に能率良くかつ高精度で自動的に切断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブ状体切断装置の一実施例の正面図である。
【図2】その下流側から見た側面図である。
【図3】受取りコンベヤを切断台とともに示す斜視図である。
【図4】誘導手段を示す斜視図である。
【図5】そのチャック具をその動きとともに説明する平面図である。
【図6】チャック具の機構の一例を示す線図である。
【図7】固定手段の第1実施例を切断手段ととともに示す斜視図である。
【図8】固定手段の動作を示す略側面図である。
【図9】切断手段の動作を示す略側面図である。
【図10】切断具の構造の一例を示す断面図である。
【図11】(A)〜(D)は装置の動作を概念的に示す線図である。
【図12】(A)〜(D)は装置の動作を概念的に示す線図である。
【図13】(A)、(B)は固定手段の第2実施例を示す正面図である。
【図14】(A)〜(D)は第2実施例の固定手段の動作を概念的に示す線図である。
【図15】(A)、(B)は、スペーサを説明する平面図である。
【図16】従来技術を説明する線図である。
【符号の説明】
2 押出機
3 フェスツーン
4 受取りコンベヤ
5 誘導手段
6 切断台
7 固定手段
9 切断手段
43 押さえ具
47 押さえ軸
49 切断刃
F 長さ方向
G 間隙
W チューブ状体
W1 リング体
Y2 切断位置

Claims (8)

  1. 押出機から連続的に押出されるチューブ状体を、長さ方向に所定巾で切断することにより、複数のリング体を形成するチューブ状体切断装置であって、
    前記押出機から押出されるチューブ状体を、U字状に垂下して一時的に貯留しうるフェスツーンと、
    該フェスツーンを通るチューブ状体を下流側で受け取る受取りコンベヤと、
    該受取りコンベヤ上のチューブ状体を、引取り位置で引き取って切断位置まで誘導する誘導手段と、
    前記切断位置のチューブ状体を、切断に際して切断台に押さえ付け、前記チューブ状体の内腔が潰れてその内周面が互いに接触して帯状に偏平化する力で押圧する固定手段と、
    押さえ付けたチューブ状体を切断する複数の切断刃を前記所定巾で隔置した切断手段とを具えるとともに、
    前記固定手段は、間隙を隔てて互いに平行にかつチューブ状体の長さ方向と直角に複数の押さえ軸を配列した櫛状の押さえ具を有し、各間隙を前記切断刃が通ることによって押さえ付けの状態でチューブ状体を複数のリング体に切断し
    かつ前記誘導手段は、前記チューブ状体の下流側端を着脱自在に把持するチャック具を具えるとともに、前記チャック具は、チューブ状体の前記下流側端の内腔内に挿入される一対の挿入片を有し、かつ各挿入片が左右両側に離間移動することによりチューブ状体の前記下流側端を偏平に押広げて把持することを特徴とするチューブ状体切断装置。
  2. 前記誘導手段は、前記チャック具を前記引取り位置と切断位置とさらに下流側の待機位置との3位置に移動させるチャック移動具を具えることを特徴とする請求項1記載のチューブ状体切断装置。
  3. 前記挿入片は、半割円柱状をなし、互いに近接することによりチューブ状体の内腔内に挿入可能な小径な円柱状となることを特徴とする請求項1又は2記載のチューブ状体切断装置。
  4. 前記固定手段は、前記チューブ状体の切断の上流側半分領域を固定する第1の押さえ具を有する第1の固定手段と、前記第1の押さえ具に並列するとともに前記チューブ状体の切断の下流側半分領域を固定する第2の押さえ具を有する第2の固定手段とから形成され、
    前記第1の固定手段は、前記チャック具によるチューブ状体への把持状態において、第1の押さえ具が下降し、前記上流側半分領域を切断台に偏平に押さえつけて固定するとともに、
    前記第2の固定手段は、前記上流側半分領域の固定状態で前記チャック具がチューブ状体を解放しかつ前記待機位置まで移動した後、第2の押さえ具が下降し、前記下流側半分領域を切断台に偏平に押さえつけて固定することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のチューブ状体切断装置。
  5. 前記固定手段は、前記チューブ状体の切断の全領域を固定する長寸の押さえ具を具え、
    該押さえ具は、前記チャック具によるチューブ状体への把持状態において、前記全領域を切断台に押さえつけて仮固定する第1の下降位置と、
    前記仮固定状態で前記チャック具がチューブ状体を解放しかつ前記待機位置まで移動した後、仮固定した全領域を切断台にさらに偏平に押さえつけて固定する第2の下降位置との2位置に下降しうることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のチューブ状体切断装置。
  6. 前記切断手段の切断刃は、薄い円板状の丸刃からなり、かつ回転自在に枢支されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のチューブ状体切断装置。
  7. 前記押さえ具は、前記押さえ軸の長さL1を、前記チューブ状体を偏平に押し潰した偏平巾L2と、前記切断刃の直径L3との和L2+L3よりも大としたことを特徴とする請求項6記載のチューブ状体切断装置。
  8. チューブ状体を下流側で受け取る受取りコンベヤと、
    該受取りコンベヤ上のチューブ状体を、引取り位置で引き取って切断位置まで誘導する誘導手段と、
    前記切断位置のチューブ状体を、切断に際して切断台に押さえ付け、前記チューブ状体の内腔が潰れてその内周面が互いに接触して帯状に偏平化する力で押圧する固定手段と、
    押さえ付けたチューブ状体を切断する複数の切断刃を前記所定巾で隔置した切断手段とを具えるとともに、
    前記固定手段は、間隙を隔てて互いに平行にかつチューブ状体の長さ方向と直角に複数の押さえ軸を配列した櫛状の押さえ具を有し、各間隙を前記切断刃が通ることによって押さえ付けの状態でチューブ状体を複数のリング体に切断し
    かつ前記誘導手段は、前記チューブ状体の下流側端を着脱自在に把持するチャック具を具えるとともに、前記チャック具は、チューブ状体の前記下流側端の内腔内に挿入される一対の挿入片を有し、かつ各挿入片が左右両側に離間移動することによりチューブ状体の前記下流側端を偏平に押広げて把持することを特徴とするチューブ状体切断機。
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