JP4141839B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

【技術分野】
本発明は、エポキシ化合物とヘキサントリカルボン酸を含有する硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、注型成形材、電気絶縁材、接着剤、塗料等に好適に使用でき、特に塗料として好適に使用できる、エポキシ化合物とヘキサントリカルボン酸を含有する硬化性組成物に関する。
【背景技術】
従来より、エポキシ化合物と硬化剤を含有する硬化性組成物は、各種注型成形材、電気絶縁材、接着剤、塗料等に広く用いられている。この硬化性組成物における硬化剤としては、アミン系化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物系化合物、ルイス酸等が、各種用途及び得られる硬化体の性能に応じて用いられている。
これらの硬化剤のうち、酸無水物系化合物やカルボキシル基含有化合物は、得られる硬化体の電気特性、酸類に対する耐薬品性、さらには機械的特性が優れている。また、これらの化合物は、成形温度におけるエポキシ化合物との組成物の粘性が低いために成形性が良好であったり、充填材を多く添加できる等の利点を有している。しかしながら、これらの化合物は、アミン系化合物と比較して、貯蔵安定性に優れる反面、硬化速度が遅いという欠点を有する。そのため、酸無水物系化合物やカルボキシル基含有化合物を用いる場合、所望の物性を有する硬化体を得るためには、三級アミン系化合物やトリフェニルホスフィン等の硬化促進剤を添加することによりエポキシ基との反応速度を速めるなどして、硬化時間や硬化温度を調整する必要があった。
カルボキシル基含有化合物の中で、硬化促進剤等を使用せずとも、硬化速度を十分短縮化できる硬化剤はこれまで提供されていない。
ところで、カルボキシル基含有化合物は、エポキシ化合物の硬化剤として塗料分野、特に粉体塗料分野や水系塗料分野において一般的に用いられている。中でも粉体塗料分野においては、カルボキシル基含有化合物は、グリシジル基等のエポキシ基を有するアクリル系樹脂の硬化剤として用いられており、得られる塗膜は、高い耐候性や耐摩耗性を有し、道路資材等の屋外用途に用いられている。カルボキシル基含有化合物とグリシジル基等のエポキシ基を有するアクリル系樹脂の組成物からなる粉体塗料は、通常両者を150℃以下の温度で溶融混練し、粉砕することにより得られる。粉体塗料を用いて塗膜を形成する場合、粉体塗料は粉末の状態や界面活性剤等とともに水に分散させた状態で、被塗物に塗布され、180℃前後の温度で加熱硬化される。
粉体塗料、水系塗料、水系スラリー塗料は、有機溶剤を使用しないか又は大幅にその使用量を低減できるため、環境に適した塗料として期待されている。その用途及び使用量は、近年、拡大の傾向にあり、例えば自動車のトップコートに用いることが提案されており、一部実用化されはじめている。
粉体塗料等の用途及び使用量の拡大に伴い、粉体塗料の各種性能を大幅に向上するための検討がなされている。
例えば、特開平9−188833号公報には、耐黄変性及び外観に優れる被膜を形成する粉体塗料として、エポキシ基含有アクリル樹脂、多価カルボン酸、融点50〜140℃の抗酸化剤を含有する粉体塗料組成物が開示されている。この公報では、多価カルボン酸として、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸、芳香族多価カルボン酸、脂環族二塩基酸が挙げられており、デカンジカルボン酸が好ましいとされている。特表平11−504063号公報には、硬化工程中で粉末塗料から酸粒子が昇華するのを低減でき、貯蔵寿命が長い粉体塗料用架橋剤として、ポリマーを含む被覆材料で被覆された、特定構造を有する多価カルボン酸固体粒子を有する酸組成物が開示されている。しかしながら、上記いずれも技術も、硬化速度を十分短縮できるものではなく、また、150℃以下のような低温での硬化も困難であった。
また、特開平11−80613号公報では、耐擦傷性、耐酸性雨性、貯蔵安定性を向上させるために、脂肪族二塩基酸と共に、3個以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸化合物を特定量含有する熱硬化性アクリル粉体塗料組成物が提案されており、具体的には1,2,4−ブタントリカルボン酸や1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸をデカンジカルボン酸と併用することが開示されている。しかしながら、これらの組成物から得られる塗膜は光沢性の面で十分とはいえない。
以上の通り、硬化速度を十分短縮化できる硬化性組成物はこれまで提供されていない。更に、150℃以下での硬化を可能とし、接着性や光沢性、さらには水への分散性等も優れている硬化性塗料組成物はこれまで提供されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬化時間が短く、低温での硬化が可能な組成物、その硬化方法、及び上記組成物を硬化してなる、優れた機械的特性や耐候性を有する硬化体を提供することである。
本発明の別の目的は、硬化時間が短く、低温での硬化が可能であり、更には水への分散性が改善され、エポキシ化合物との相溶性や貯蔵安定性に優れる塗料及び上記塗料を硬化してなる塗膜を提供することである。
本発明者らは、硬化時間を短縮し、強固な硬化体を得るために、硬化剤としてカルボキシル基を分子内に3個以上有する化合物に着目し、鋭意検討を行った。その結果、エポキシ化合物の硬化剤としてヘキサントリカルボン酸、特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を用いることにより、大幅な硬化時間の短縮化を達成できること、更に、従来困難とされていた150℃以下での硬化においても、硬化促進剤なしで、実用的な硬化時間の範囲で、十分な物性を有する硬化体が得られることを見出した。
また、本発明者らは、ヘキサントリカルボン酸、特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、がビスフェノールAから誘導されるエポキシ化合物や、特にグリシジル基を含有するアクリル系樹脂との相溶性が高いことを見出した。また、エポキシ化合物のエポキシ基に対してヘキサントリカルボン酸のカルボキシル基が当量以下の配合比であっても十分な物性を有する硬化体が得られること、得られる硬化性組成物は水への分散性が高く、良好なスラリーが得られることを見出した。更には、組成物を硬化して得られる硬化体が機械的物性や、塗膜としての耐候性や接着性等の優れた諸物性を有することを見出した。その結果、本発明に至った。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)(a)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、及び(b)硬化剤を含有する硬化性組成物であって、該硬化剤がヘキサントリカルボン酸を1wt%以上含有することを特徴とする硬化性組成物。
(2)硬化剤がヘキサントリカルボン酸を10wt%以上含有する上記(1)の硬化性組成物。
(3)エポキシ化合物のエポキシ基に対するヘキサントリカルボン酸のカルボン酸基の当量比が0.01〜5である上記(1)に記載の硬化性組成物。
(4)へキサントリカルボン酸が1,3,6−ヘキサントリカルボン酸である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(5)エポキシ化合物がグリシジル基含有アクリル樹脂である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を含有する塗料。
(7)塗料が粉体塗料又はスラリー塗料である上記(6)に記載の塗料。
(8)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を硬化してなる硬化体。
(9)上記(6)に記載の塗料を硬化してなる塗膜。
(10)上記(6)に記載の塗料を硬化してなるクリアー塗膜。
(11)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を80〜150℃において硬化する方法。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、(a)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、及び(b)硬化剤を含有する。本発明の組成物は、必要に応じて、分子内に1個のエポキシ基を有する化合物、硬化触媒や硬化促進剤、各種添加剤等を含有してもよい。
本発明において、硬化剤とはエポキシ基と反応し、架橋構造を形成しうる化合物を意味する。本発明の組成物は、硬化剤がヘキサントリカルボン酸を含有することを特徴とする。本発明の組成物は、ヘキサントリカルボン酸を含有することにより、硬化速度が短く、水への分散性が良好で、得られる硬化体の機械的特性等が優れるという効果を奏する。ヘキサントリカルボン酸に代えて、従来使用されていた硬化剤を使用する場合には、以下のような問題点があり、本発明の効果を十分に奏さない。
カルボキシル基含有化合物のうち、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する化合物、例えば、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、トリメリット酸等の通常使用される分子内に2個以上のカルボキシル基を含有する化合物は、融点が120℃以上と高いため、エポキシ化合物と混合する際の温度が硬化反応温度近傍となったり、エポキシ化合物との相溶性が低い、硬化温度で昇華する等の欠点を有する。
粉体塗料用のカルボキシル基含有化合物として一般的に使用されるセバシン酸やデカンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸類、脂肪族環状二塩基酸類、及び芳香族カルボン酸類は、通常融点が130℃近傍以上であり、これらを用いる場合には、エポキシ化合物と溶融混練する温度を高くし、さらにこれら硬化剤が十分に溶融した160℃近傍以上で硬化する必要がある。硬化時間を短縮するために硬化温度を180℃以上とした場合には、硬化剤が脱炭酸を起こしたり、硬化体(塗膜)が変色する傾向がある。さらには、セバシン酸やデカンジカルボン酸は水への溶解性や親和性が低く、得られる組成物の水への分散性が低い。従って、これら既存のカルボキシル基含有化合物を硬化剤に用いる場合には、近年求められている硬化時間の短縮化や、硬化温度の低温化、及び水への分散性の向上には限界がある。また、脂肪族環状二塩基酸であるcis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸は水への親和性が高いものの、融点が32℃であるため、粉体塗料とした場合に、室温でブロッキングを起こしやすく、貯蔵安定性が低く、塗装作業性が低下する傾向にある。
1,2,4−ブタントリカルボン酸をデカンジカルボン酸と併用して用いた場合は、1,2,4−ブタントリカルボン酸の含有量の増加に伴い、得られる硬化体(塗膜)の表面平滑性や光沢性が低下する傾向にある。特に1,2,4−ブタントリカルボン酸を単独で用いた場合には、デカンジカルボン酸の場合と比較し、光沢性(60°グロス測定値)が30%以上低下する。1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸は、融点が190℃以上であるため、硬化性組成物中に溶融混練で均一に分散させることは困難である。
エポキシ化合物の硬化剤として一般的に用いられており、常温で液状、又は融点が120℃以下の固体である酸無水物系化合物は、エポキシ化合物との相溶性、混練性、成型時の粘性等に優れているものの、通常吸湿性があり、空気中の水分を吸収することにより、カルボキシル基を生成する。特に、エポキシ化合物及び硬化促進剤である三級アミンとの混合物の状態で吸湿した場合には、吸湿することにより生成したカルボキシル基由来の酸と促進剤とが、塩を形成し、触媒作用が失活し、硬化速度が低下するとともに硬化不良となる。また、三級アミンの存在下では、酸無水物化合物は脱炭酸反応を起こす傾向にある。
本発明で硬化剤として用いるヘキサントリカルボン酸とは、直鎖又は分岐した炭素数6の飽和炭化水素に3つのカルボキシル基が結合した化合物を意味する。ヘキサントリカルボン酸としては、例えば、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,1,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,3−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ヘキサントリカルボン酸、2,4,4−ヘキサントリカルボン酸、1,4,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3,4−ヘキサントリカルボン酸、3−カルボキシメチル−1,5−ペンタンジカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸等が挙げられる。中でも、1,2,5−、1,3,5−、1,2,6−、1,2,4−、1,4,5−、1,3,4−、1,3,6−位のトリカルボン酸、及び3−カルボキシメチル−1,5−ペンタンジカルボン酸、更には、1,3,6ヘキサントリカルボン酸、3−カルボキシメチル−1,5−ペンタンジカルボン酸が熱安定性が高いため好ましい。特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸は、約110℃の融点を有し、エポキシ化合物への混合が容易であり、各種エポキシ化合物との相溶性が高い。また、水に対して高い親和性を有し、さらに硬化特性に優れ、得られる硬化体の特性が優れている点から、最も好ましい。
本発明においては、上記ヘキサントリカルボン酸を単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
本発明で使用するヘキサントリカルボン酸の製造法は、特に制限はない。例えば、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸は、工業的に大規模で生産されているアクリロニトリルを3量化させる方法、アクリロニトリルとアジポニトリルをアルカリ存在下で反応させる方法、またはアクリロニトリルの電解2量化によるアジポニトリルを製造する際に得られるトリニトリル化合物を硫酸等の酸や、苛性ソーダ等のアルカリを用いて加水分解する方法により、容易に得ることができる。
本発明の組成物は、各種用途に応じて、上記ヘキサントリカルボン酸以外のカルボキシル基含有化合物や酸無水物等の、エポキシ基と反応し架橋構造を形成しうる化合物をその他の硬化剤として含有してもよい。
その他の硬化剤として用いることができるカルボキシル基含有化合物は、好適には、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、特に脂肪族、芳香族、脂環族の多価カルボン酸が好適である。好適な脂肪族多価カルボン酸としては、例えばグルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、アイコサンジカルボン酸及びテトラアイコサンジカルボン酸、アクリル酸やメタクリル酸を成分とする共重合体、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。好適な芳香族多価カルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等が挙げられる。好適な脂環族の多価カルボン酸としては、例えばヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。好適な酸無水物としては、上記記載の脂肪族、芳香族、及び脂環族の多価カルボン酸の無水物等が挙げられる。これら、その他の硬化剤を用いる場合は、1種類でヘキサントリカルボン酸と併用してもよいし、2種以上で併用しても構わない。
本発明の組成物は、粉体塗料や該塗料を水へ分散させて用いるような塗料分野に使用する場合には、その他の硬化剤として、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸やこれらの無水物を、ヘキサントリカルボン酸と共に、特に好適に含有できる。
本発明で用いる硬化剤において、ヘキサントリカルボン酸の含有量は、硬化速度や水への分散性、得られる硬化体の機械的物性の点から、0.1〜100wt%であることが好ましく、より好ましくは、1〜100wt%、更に好ましくは10〜100wt%、特に好ましくは50〜100wt%、最も好ましくは80〜100wt%である。
本発明の硬化性組成物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含有する。本発明でいうエポキシ基とは、炭素−炭素−酸素からなる3員環構造を意味する。エポキシ基中の炭素−炭素部は、直鎖又は分岐した炭化水素構造の一部でも良いし、5員環や6員環等の環状構造を形成した炭化水素構造の一部であってもよい。又これら炭化水素構造はフッ素、塩素、臭素等のハロゲンや、水酸基、ニトリル基等の官能基が結合していても良い。さらに、エポキシ基を形成する炭素原子には、メチル基等のアルキル基や、ハロゲン等が結合していても良い。
エポキシ化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有していればよく、その他の構造については特に制限はない。また、エポキシ化合物は低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。
エポキシ化合物としては、例えば、グリシジル基や以下に示すような結合基を2個以上を有する化合物が挙げられる。
【化1】
Figure 0004141839
(上記式中、R1及びR2は炭素数1〜12の炭化水素基を、mは0〜3の整数を表す。)
本発明で用いられるエポキシ化合物としては、例えば、グルシジル基や上記の式で示される結合基をエーテル結合で介して有する化合物、グルシジル基や上記の式で示される結合基をエステル結合を介して有する化合物、グルシジル基や上記の式で示される結合基が窒素原子に直接結合する化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ基含有重合体等が挙げられる。これらエポキシ化合物は、各種用途や所望の物性に応じて、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物で用いてもよい。
グリシジル基をエーテル結合を介して有するエポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロペンタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ヒドロキノンから誘導されるジグリシジルエーテル、レゾルシノールから誘導されるジグリシジルエーテル、カテコールから誘導されるジグリシジルエーテル、ビスフェノールAから誘導されるジグリシジルエーテル、ビスフェノールFから誘導されるジグリシジルエーテル、ビスフェノールADから誘導されるジグリシジルエーテル、ビスフェノールSから誘導されるジグリシジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから誘導されるジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチルジヒドロキシビフェニルから誘導されるジグシリジルエーテル、フェノールノボラック樹脂から誘導されるグリシジルエーテル化合物、クレゾールノボラック樹脂から誘導されるグリシジル化合物及びこれらのハロゲン化物やオリゴマー等が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールAから誘導されるジグリシジルエーテルは、分子量に応じて液状または固体状であり、一般的には「ビスフェノールA型エポキシ樹脂」として入手も容易であり、好適に使用できる。
グリシジル基をエステル結合を介して有する化合物としては、フタル酸ジグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、テレフタル酸ジグリシジル、イソフタル酸ジグリシジル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジル、ビフェニルジカルボン酸ジグリシジル、コハク酸ジグリシジル、フマル酸ジグリシジル、グルタル酸ジグリシジル、アジピン酸ジグリシジル、スベリン酸ジグリシジル、セバシン酸ジグリシジル、デカンジカルボン酸ジグリシジル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、トリメリット酸トリグリシジル、ダイマー酸から誘導されるグリシジルエステル、及びこれらのハロゲン化物やオリゴマー等が挙げられる。
グリシジル基が窒素原子に結合する化合物としては、トリグリシジルイソシアヌレート等のイソシアヌル酸から誘導される化合物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のアミン類から誘導される化合物、ヒダントイン系化合物から誘導されるグリシジル化合物、及びこれらのハロゲン化物やオリゴマーが挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)テレフタレート、3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド等が挙げられる。
エポキシ基含有重合体としては、末端、側鎖又は分岐鎖中に、例えば、グリシジル基や上記の式で示される結合基等を有し、重量平均分子量が800〜5,000,0000であり、分子量分布を有する化合物が挙げられ、例えばポリエステル骨格を有する樹脂、ポリアミド骨格を有する樹脂、重合性不飽和二重結合を有する単量体の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。
本発明の組成物を、例えば屋外で使用する塗料に用いる場合には、耐候性の点から、エポキシ化合物として、重合性不飽和二重結合を有する単量体の単独重合体または共重合体を好適に使用できる。この重合体は、エポキシ基を有する単量体の1種又は2種以上の重合体、又はエポキシ基を有する単量体とエポキシ基を有さない単量体の共重合体である。エポキシ基を有する単量体は、例えばグリシジル基や下記の式で表されるメチルグリシジル基を有する化合物が特に好適に使用できる。
【化2】
Figure 0004141839
重合性不飽和二重結合とエポキシ基を同時に有する単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸のグリシジルエステルやメチルグリシジルエステル、アリルアルコールのグリシジルエーテルやメチルグリシジルエーテル、アリルアルコールのグリシジルエーテルやメチルグリシジルエーテル、N−グリシジルアクリル酸アミド、ビニルスルホン酸グリシジル等を挙げることができる。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
重合性不飽和二重結合を有し且つエポキシ基を有さず、上記エポキシ基を有する単量体と共重合できる単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸のエステル類、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、等のアクリル系単量体やその他の単量体が挙げられる。(メタ)アクリル酸のエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類として、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシル等が挙げられる。エポキシ基を有する単量体と共重合できる、その他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の炭化水素類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド等のアミド類、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等のエステル類、ビニルオキサゾリン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリルビニルエーテル、ハロゲン含有ビニル単量体、ケイ素含有ビニル単量体等が挙げられる。
本発明の組成物においては、エポキシ化合物のうち、グリシジル基含有アクリル樹脂が、得られる硬化体の耐候性や耐摩耗性等の耐久性に優れ、塗料分野、特に粉体塗料、スラリー塗料、水系塗料、溶剤系塗料の分野に用いる場合に、好ましい。なお、本発明において、「グリシジル基含有アクリル樹脂」とは、グルシジル基を含有するアクリル系樹脂を意味する。メタクリル酸メチル及びメタクリル酸グリシジルを主成分とする共重合体、さらにはメタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、及びスチレンを主成分とする共重合体等のグリシジル基含有アクリル樹脂が、特に好ましく使用できる。
グリシジル基含有重合体は、例えば、塗料に用いる場合は、数平均分子量が1,000〜100,000の範囲であることが好ましい。特に、数平均分子量が1,000〜30,000、さらには2,000〜20,000であることが、塗膜の製膜性や得られる塗膜の平滑性が高く、また硬化剤との混練性が良好であるため好ましい。本発明でいう数平均分子量とは、ポリスチレンを標準物質として用いた、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるものであり、該標準物質に対する相対的な値である。
エポキシ化合物のエポキシ当量は、通常85〜10,000g/当量の範囲であるが、この範囲内に限定されない。例えば、ビスフェノールAから誘導されるグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物は、一般的には180〜5,000g/当量の範囲である。また、本発明で用いるグリシジル基含有アクリル樹脂のエポキシ当量は、通常200〜5,000g/当量の範囲であり、特に好ましくは、300〜2,500g/当量の範囲である。
エポキシ化合物とヘキサントリカルボン酸との組成比は、特に限定されず、他の硬化剤の使用量や用途に応じて適宜設定される。一般には、エポキシ化合物のエポキシ基に対するヘキサントリカルボン酸のカルボキシル基の当量比(カルボキシル基/エポキシ基)が0.01〜5であることが好ましい。特に、ヘキサントリカルボン酸の硬化性や得られる組成物の水への親和性を顕著に発現させ、また架橋密度を向上させた機械的特性の優れる硬化体を得るには、当量比が0.1〜3が好ましく、さらには0.3〜2.5、特に好ましくは0.5〜2である。硬化剤がヘキサントリカルボン酸以外の硬化剤を含有する場合には、硬化剤全体としてのカルボキシル基の、エポキシ化合物のエポキシ基に対する当量比(カルボキシル基/エポキシ基)が0.5〜1.5であることが好ましい。
エポキシ化合物とカルボキシル基含有化合物からなる硬化性組成物は、一般的に、エポキシ基とカルボキシル基の当量比が1、またはその近傍の組成比で用いられ、当量比が1を大きくはずれた場合には、硬化物のゲル分率が低下する傾向にある。しかしながら、本発明の硬化性組成物において、硬化剤としてヘキサントリカルボン酸、特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を用いた場合には、当量比が1から大きくずれた場合においても、短時間の硬化で十分なゲル分率を示す。このことは、ヘキサンカルボン酸、特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、を含有する硬化剤は、従来の硬化剤に比べて、硬化反応を効率よく行えることを示している。
本発明の組成物は、ヘキサントリカルボン酸を含有する化合物と上記エポキシ化合物とを混合することにより得られ、その製造方法は特に限定されない。本発明の組成物は、例えば、ヘキサントリカルボン酸を含有する硬化剤とエポキシ化合物とを、室温又は加熱した状態で混練する方法や、両者を水や有機溶媒に分散又は溶解する方法、更には両者を水や有機溶媒に分散又は溶解した後、用いた水や有機溶媒を除去する方法等により製造できる。
本発明の組成物には、各種用途に応じて硬化促進剤、反応希釈剤、充填剤や強化剤、三酸化アンチモン、ブロム化合物、水酸化アルミニウムなどの難燃剤、染料や顔料、離型剤や流動調整剤、可塑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、二酸化チタン、溶剤などを添加することができる。これらの添加剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択できる。これらの添加剤を配合する方法としては、特に制限はなく、慣用の配合方法を採用できる。
硬化促進剤としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、ジメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケン類およびそれらの塩類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やアルミニウムアセチルアセトン錯体などの有機金属化合物、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニルなどの有機リン系化合物、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体、トリフェニルボレートなどのホウ素系化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫などの金属ハロゲン化物、第4級アンモニウム化合物、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタンのナトリウムアルコレートなどのアルカリ金属アルコレート類、アナカルド酸及びその塩、カルドール、カルダノール、フェノール、ノニルフェノール、クレゾールなどのフェノール類などが挙げられる。
反応希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシジルエステル等が挙げられる。
充填剤や強化剤としては、例えばコールタール、瀝青、織布、ガラス繊維、アスベスト繊維、ホウ素繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、鉱物シリケート、雲母、石英粉、水酸化アルミニウム、ベントナイト、カオリン、珪酸エアロゲル、アルミニウム粉や鉄粉などの金属粉などが挙げられる。
離型剤や流動調整剤としては、例えばシリコーン、エアロジル、コロイド性含水珪酸アルミニウム、ワックス、ステアリン酸塩、炭酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。
可塑剤としては、パイン油、低粘度液状高分子、ゴム状物、タール、ポリサルファイド、ウレタンプレポリマー、ポリオール、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、エピクロルヒドリンの重合物、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、トリクレジルホスフェートなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、「チヌビン(Tinuvin、商品名)」(チバスペシャリティケミカルス社製)が挙げられる。立体障害アミン系光安定剤やフェノール系酸化防止剤としては、例えば、「チヌビン144(商品名)」や、「イルガノックス1010(商品名)」又は「イルガフォスP−EPQ(商品名)」(いずれもチバスペシャリティケミカルス社製)が挙げられる。これらの添加剤を配合する方法は、特に制限はなく、慣用の配合方法が採用できる。
顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、塩基性染めつけレーキ、酸性染めつけレーキ、媒染染料系顔料、建設染料系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、カーボンブラック、クロム酸塩、フェロシアン化物、酸化チタン、硫化セレン化合物、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩、金属粉末、等の着色顔料や、硫酸バリウム、炭酸バリウム、石膏、アルミナ白、クレー、シリカ、タルク、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の体質顔料が挙げられる。
その他の添加剤としては、ナフテン酸コバルト等のドライヤー、メトキシフェノール、シクロヘキサンオキシム等の皮張り防止剤、高重合アマニ油、有機ベントナイト、シリカ等の増粘剤、ベンゾイン等のわき防止剤、「モダフロー(Modaflow、商品名)」(モンサント社製)、「レジフロー(Resiflow、商品名)」(Worlee社製)、「アクロナール(Acronal、商品名)」(BASF社製)等の流れ調整剤が好適に使用できる。
本発明の組成物は、熱や紫外線等のエネルギーで硬化させることができる。例えば、本発明の組成物を加熱により硬化させる場合は、通常室温〜250℃、望ましくは80〜200℃、さらに望ましくは80〜150℃の範囲で硬化させることができる。硬化時間は、組成にもよるが、通常、数秒〜200時間の範囲である。
本発明の組成物は、電気絶縁材、接着剤、複合材料のマトリックス樹脂、接着剤、シーリング剤、塗料等に好適に使用できる。本発明の組成物を電気絶縁材用途に用いる場合は、具体的には注型成形剤、半導体封止剤、絶縁塗料、積層板として用いることができる。
本発明の組成物は、粉体塗料、水系塗料、スラリー塗料、溶剤系塗料等の塗料として特に好ましく用いることができる。一般に、粉体塗料とは固体状であって、溶媒を使用せずに、エポキシ化合物と硬化剤とを溶融混練することにより得られる塗料である。水系塗料とは、水系の溶媒の存在下、エポキシ化合物と硬化剤とを均一混合して得られる塗料である。スラリー塗料とは、粉体塗料を水系あるいは有機系の分散媒に分散させて得られるような、固体─液体の不均一系からなる塗料である。溶剤系塗料とは、有機溶剤の存在下、エポキシ化合物と硬化剤とを均一混合して得られる塗料である。特に、既存のカルボキシル基含有化合物をそのまま用いると溶融混練が困難であり、硬化時に硬化剤が昇華する等の問題があった粉体塗料は、本発明のヘキサントリカルボン酸、特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、を用いることによる効果が一層顕著である。また、本発明の組成物は、エポキシ化合物との溶融混練性が良好であり、更には水分散性に優れている点から、スラリー塗料、特に水分散系スラリー塗料に使用した場合の効果も顕著である。水分散系スラリー塗料や水系塗料として用いる場合には、分散剤や乳化剤を併用して使用してもかまわない。溶剤系塗料として用いる場合には、硬化性組成物の粘度を低下するために、非反応性及び/又は反応性の有機溶剤を希釈剤として使用することが好ましい。これら希釈剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられるがこの限りでない。
粉体塗料、水分散系スラリー塗料、水系塗料、及び溶剤系塗料の製造方法は、特に制限はなく、一般的な方法で製造できる。例えば、粉体塗料は、各成分をヘンシェルミキサー等で混合し、溶融混練した後、粉砕し、所望の粒径分布となるように分級する方法や、溶剤に各成分を溶解し、該溶剤を除去した後に粉砕し、分級する方法等により得られる。水分散系スラリー塗料は、例えば、上記のようにして製造した粉体塗料を、必要であれば界面活性剤と共に、水に混合し分散させる方法等により得られる。エポキシ化合物がグリシジル基含有アクリル樹脂であり、水等にラテックス状に分散している場合には、該ラテックスにヘキサンカルボン酸を溶解させることにより、水分散系スラリー塗料を製造してもよい。水系塗料や溶剤系塗料は、例えば、各配合物を水や有機溶剤等の分散媒に、所望の組成となるように溶解させることにより得られる。上記粉体塗料において、塗料粒子の粒径は、特に制限はないが、通常0.1〜500μmであり、1〜100μmであることが好ましい。また、上記水分散系スラリー塗料において、分散している塗料粒子の粒径は、特に制限はないが、通常0.05〜300μmであり、特に0.1〜100μmであることが好ましい。
本発明の組成物を塗料として成形する場合は、スプレー、ロール、刷毛、ロールコーター等で被塗材に塗布した後、加熱、UV又は電子線照射により硬化させ、塗膜を形成することができる。塗膜を加熱により形成する場合には、通常室温〜250℃、望ましくは80〜200℃、さらに望ましくは80〜150℃の範囲で硬化させることができる。硬化時間は、組成にもよるが、通常、数秒〜200時間の範囲である。
本発明の組成物において、エポキシ化合物がグリシジル基含有アクリル樹脂であって顔料成分を含有しない場合には、クリアー塗膜を形成でき、例えば自動販売機、道路資材、自動車等のトップコートとして好ましく使用できる。その場合も、塗膜の形成方法としては上記の各種塗装法が採用でき、硬化速度が速く、耐候性等の耐久性に優れたものとなる。
本発明の組成物が、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸及びグリシジル基含有アクリル樹脂を含有する場合は、例えば粉体塗料や粉体を水に分散させたスラリー状の形態で塗装して加熱硬化する場合、150℃を越える温度領域で硬化できることは当然のことながら、80〜150℃の近年望まれている低温硬化温度範囲においても実用的な硬化時間範囲で良好な物性の塗膜を得ることができる。
本発明により得られる塗膜は、耐候性等の耐久性に優れ、金属、コンクリート駆体、木材、プラスチック材の保護材として、缶、自動車、船舶或いは建設・土建資材に好適に適用できる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例、比較例で用いた1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、グリシジル基含有メタクリル樹脂の製造方法及び測定結果、実施例、比較例で得られた組成物の評価結果を以下に示す。
(1)1,3,6−ヘキサントリカルボン酸
実施例では、1,3,6−ヘキサントリニトリルを加水分解して得た1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を用いた。使用した1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の1H−NMRスペクトルを図1に示す。該1H−NMRスペクトルは、テトラメチルシランを基準物質とし、重ジメチルスルホキシドを溶媒として用いて、日本電子社製JNM−α400(400MHz)を用いて測定した。
また、実施例で用いた1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の示差走査熱量計(以下、DSCという)による測定を行った。得られたDSC曲線を図2に示す。DSCによる測定は、約5.0mgの1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を下記装置を用い、窒素雰囲気下において、40℃で2分間保持後、10℃/分の昇温速度で180℃まで昇温することにより行った。
装置:Differential Scanning
Calorimeter DSC7
(PERKIN−ELMER社製)
(2)グリシジル基含有メタクリル樹脂
メタクリル酸メチル351質量部、メタクリル酸グリシジル138質量部、及びスチレン20質量部をトルエン2000質量部中で、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として、60℃で4時間重合した。得られた溶液をメタノールで再沈精製することにより、数平均分子量が4700、エポキシ当量が500g/当量である、室温で固体であるグリシジル基含有メタクリル樹脂を得た。なお、数平均分子量とエポキシ当量は下記方法により測定した。
(i)数平均分子量
数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により求めた。分析は、グリシジル基含有メタクリル樹脂2.0mgをテトラヒドロフラン2.0gで溶解した後、0.5μmフィルターでろ過し、次の条件で展開、検出することにより行った。
測定装置:東ソー株式会社製 HLC−8120GPC
検出器:RI
展開液:テトラヒドロフラン
展開液流速:1.0ml/min
カラム:日本国東ソー株式会社製 TSK gel
GMHHR−N 1本及び
G1000HXL2本を直列に設置
カラム温度:40℃
(ii)エポキシ当量
グリシジル基含有アクリル樹脂のエポキシ当量は、下記条件で測定される1H−NMRスペクトルにより得られる全プロトンの積分値に対する、グリシジル基の酸素原子の結合する炭素原子上にあるプロトンの積分値の割合から算出した。
装置:日本電子製JNM−α400(400MHz)
溶媒:重クロロホルム
基準物質:テトラメチルシラン
(3)硬化性
組成物の硬化性は、硬化開始時間、硬化時間を用いて評価した。測定装置としてCURELASTOMETER III(日本合成ゴム社製)を用いて、各温度においてトルク値を経時的に測定し、トルク曲線(縦軸:トルク値、横軸:時間)を得た。トルク曲線が、測定レンジ2N・m(20kgf・cm)においてベースラインを離れる瞬間の時間を硬化開始時間とし、トルク値1N・mとなる時間を硬化時間とした。
(4)接着性
接着性は、JIS規格K5400に従った碁盤目テープ法により、塗膜の付着状態を目視で観察することにより、評価した。具体的には、塗膜に対し、約1mm×1mmのます目をカッターナイフで100個作製し、「テープで剥がれなかったますの数/100ます」を評価結果とした。
(5)ゲル分率
粉砕した硬化体約1gをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、25℃で24時間攪拌し、ろ過した後、得られたろ過残渣を30℃で24時間真空乾燥した。乾燥後のろ過残渣の重量及び硬化体の重量を用いて、下記式からゲル分率を算出した。
ゲル分率=((乾燥後のろ過残渣の重量)/(硬化体の重量))×100
(6)水への分散性
水への分散性は、得られたスラリー状組成物の外観を目視で観察することにより、評価した。得られた組成物が均一にスラリー状である場合を○、下層に明らかに粉体の含有量の少ない水相がみうけられる場合を×とした。
(7)光沢性
光沢性は、JIS K 5400に準拠して求められる、入射角と受光角がそれぞれ60度のときの鏡面光沢度を用いて評価した。
[実施例1]
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸0.889gとグリシジル基含有メタクリル樹脂6.111gとを粉末状で混合した。その際の組成は、エポキシ基に対するカルボキシル基の当量比(カルボキシル基/エポキシ基)が1であった。得られた粉末状組成物を125℃のホットプレート上で1分間、ステンレス製のへらを用いて溶融混練を行うことにより、固形の硬化性組成物を得た。溶融混練時は、組成物の粘性が低く、混練が容易であった。
得られた硬化性組成物は無色透明であり、DSC測定を行ったが、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の融点は観測されず、高い均一性で混合されていた。図3に、得られたDSC曲線を示す。
得られた組成物について硬化性の評価を行った。各温度での硬化開始時間及び硬化時間を表1に示す。
[比較例1〜3]
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸に代えて、デカンジカルボン酸(比較例1)、セバシン酸(比較例2)、あるいはアジピン酸(比較例3)を、エポキシ基とカルボキシル基が当量比1となる組成で使用する以外は、実施例1と同様にして、溶融混練操作を行った。いずれの場合も、125℃においては組成物の粘性が高く、十分な混練ができなかった。
一方、ホットプレート温度を150〜156℃にした場合には、混練できる粘度となり、固形の硬化性組成物を得ることができた。しかし、アジピン酸を用いた場合は、激しく昇華し、良好な混練ができなかった。
得られた組成物はいずれも白色不透明であった。デカンジカルボン酸を用いた場合の組成物についてDSC測定を行った結果、デカンジカルボン酸の融点に由来する吸熱ピークが得られ、該組成物の均一性は低かった。図4に、得られたDSC曲線を示す。
得られた組成物について、硬化性の評価を行った。各温度での硬化開始時間、及び硬化時間を表1に示す。
【表1】
Figure 0004141839
[実施例2]
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸7.30gとエポキシ当量が187g/当量である液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂18.7g(エポキシ基とカルボキシル基との当量比1)とを115℃において、3分間撹拌し、低粘度の無色透明な均一状態の硬化性組成物を得た。
該組成物を室温に戻したところ、半固体状に近い高粘性液状となった。該組成物は、室温においても無色透明であり、不均一化による白濁現象は起こらなかった。
得られた組成物の硬化性を評価した結果、160℃における硬化開始時間は25.4分であり、硬化時間は52.5分であった。
該組成物を室温において開放系で20日間放置したところ、該組成物の外観は全く変化せず、吸湿等による外観変化は起こらなかった。また、該20日間放置した硬化性組成物の硬化開始時間は25.5分、硬化時間は52.2分であり、硬化性はほとんど変化しておらず、優れた貯蔵安定性を示した。
[実施例3]
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸7.30g、実施例2で用いた液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂18.7g(エポキシ基とカルボキシル基との当量比1)、及びトリフェニルホスフィン0.2gを115℃において、3分間撹拌したところ、低粘度の淡黄色透明な均一状態の硬化性組成物となった。
得られた組成物の硬化性を評価したところ、160℃における硬化開始時間は2.3分、硬化時間は4.7分であった。このことより、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンが有効に働いているのがわかる。
[比較例4]
ヘキサヒドロ無水フタル酸15.4g、及び実施例2で用いた液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂18.7g、N,Nジメチルベンジルアミン0.3gを70℃において3分間撹拌したところ、低粘度の淡黄色透明な均一状態の硬化性組成物となった。また、室温に戻しても該組成物の外観は変化しなかった。
該組成物を室温において開放系で20日間放置したところ、該組成物の表面は白濁し、吸湿により不透明な状態となった。
[実施例4〜7]
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、及びグリシジル基含有メタクリル樹脂を表2記載の各組成で、125℃で溶融混練を行うことにより硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物をヘンシェルミキサーで粉砕し、100μmのメッシュで分級することにより、粒径が100μm以下の粉体塗料を作製した。
得られた粉体塗料を、SPCC鋼板に塗装し、加熱硬化を行うことにより膜厚約120μmの塗膜(クリアー塗膜)を得た。得られた塗膜について、接着性(碁盤目接着性)の評価及びゲル分率の測定を行った。結果を表2に示す。
表2から、ヘキサントリカルボン酸を含有する硬化剤を用いた場合には、140℃という低温でも硬化性が十分であることがわかる。また、配合量が低くても、得られる塗膜は十分な接着性を有し、ゲル分率も高いことがわかる。
また、実施例4において160℃×30分の硬化条件で得た塗膜について、光沢性の評価を行ったところ、60度の鏡面光沢度は91であった。
[比較例5〜8]
1,3,6−ヘキサンジカルボン酸の代わりにデカンジカルボン酸を用い、150℃で溶融混練した以外は、実施例4〜8と同様の操作を行い、膜厚約120μmの塗膜(クリアー塗膜)を得た。得られた塗膜について、接着性(碁盤目接着性)の評価及びゲル分率の測定を行った。結果を表2に示す。
更に、実施例4と比較例5において160℃×30分の硬化条件で得た塗膜について、光沢性の評価を行ったところ、60度の鏡面光沢度はいずれも91であった。表2の記載とこのことから、ヘキサントリカルボン酸を含有する硬化剤を用いた塗膜は、デカンジカルボン酸を用いた塗膜と同等の光沢性を維持しつつ、更に、接着性が優れていることを示している。
【表2】
Figure 0004141839
[実施例8、9、比較例9、10]
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(「GV230」(商品名、日本ユピカ社製)91.7質量部、トリグリシジルイソシアヌレート8.3質量部、及び酸化チタン50質量部からなる粉体塗料をSPCC鋼板に塗装し、180℃で1時間硬化させることにより、白色塗膜を得た。
実施例4、実施例7、比較例5及び比較例8と同様にして作製した粉体塗料をそれぞれ上記白色塗膜上に塗装し(それぞれ実施例8、9、比較例9、10)、130℃、140℃又は160℃で加熱硬化を行うことにより、膜厚が約80μmのクリアー塗膜を得た。得られた塗膜について、接着性(碁盤目接着性)の評価を行った。結果を表3に示す。
1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を用いた場合は、実用的な硬化時間内に、150℃よりも低い低温領域において、十分な接着強度を有する塗膜が得られた。
【表3】
Figure 0004141839
[実施例10〜12、比較例11、12]
表4記載の各種組成で、100μmのメッシュで分級した、100μm以下の粒径の粉体塗料を作製した。得られた粉体塗料を用いて、塗料30wt%、蒸留水70wt%からなるスラリー塗料を作製した。
上記得られたスラリー塗料について、水への分散性を評価した。得られた結果を表4に示す。表4から、ヘキサントリカルボン酸を含有する硬化剤を用いた粉体塗料から得られる水分散系スラリー塗料は良好な分散状態を示すことがわかる。
【表4】
Figure 0004141839
[実施例13]
Wether−O−meter ci35(ATLAS ELECTRIC DEVICE Co.社製)を用い、ブラックパネル63℃、60W/m2、降雨条件において、実施例8において、140℃、90分硬化した塗膜に対し、250時間キセノンアーク照射を行った。上記試験を行う前後の硬化体表面の60°の光沢(グロス)を測定した結果、試験前の光沢に対し、その保持率が90%以上であり、優れた耐候性を有していた。
産業上の利用可能性
本発明の組成物によれば、硬化時間を短縮でき、低温での硬化が可能である。更に、本発明の組成物は、エポキシ化合物との相溶性、及び貯蔵安定性に優れ、水への分散性が改善された、優れた性能を有する。本発明の組成物は、電気絶縁材、接着剤、複合材料のマトリックス樹脂、接着剤、シーリング剤、塗料等に好適に使用でき、硬化して得られる硬化体は優れた機械的特性や耐候性を有する。本発明の組成物は、塗料分野において特に有用である。本発明の組成物を含有する塗料から得られる塗膜は、耐候性等の耐久性に優れ、金属、コンクリート駆体、木材、プラスチック材の保護材として、缶、自動車、船舶或いは建設・土建資材に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例で用いた1,3,6−ヘキサントリカルボン酸のプロトン核磁気共鳴スペクトル(以下、1H−NMRスペクトルという)である。
図2は、本発明の実施例で用いた1,3,6−ヘキサントリカルボン酸の示差熱曲線(以下、DSC曲線という)である。
図3は、実施例1で得られた硬化性組成物のDSC曲線である。
図4は、比較例1で得られた硬化性組成物のDSC曲線である。
図3は、実施例1で得られた硬化性組成物のDSC曲線である。
図4は、比較例1で得られた硬化性組成物のDSC曲線である。

Claims (11)

  1. (a)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、及び(b)硬化剤を含有する硬化性組成物であって、該硬化剤がヘキサントリカルボン酸を1wt%以上含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 硬化剤がヘキサントリカルボン酸を10wt%以上含有する請求の範囲第1項に記載の硬化性組成物。
  3. エポキシ化合物のエポキシ基に対するヘキサントリカルボン酸のカルボン酸基の当量比が0.01〜5である請求の範囲第1項に記載の硬化性組成物。
  4. へキサントリカルボン酸が1,3,6−ヘキサントリカルボン酸である請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. エポキシ化合物がグリシジル基含有アクリル樹脂である請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の組成物を含有する塗料。
  7. 塗料が粉体塗料又はスラリー塗料である請求の範囲6項に記載の塗料。
  8. 請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の組成物を硬化してなる硬化体。
  9. 請求の範囲第6項に記載の塗料を硬化してなる塗膜。
  10. 請求の範囲第6項に記載の塗料を硬化してなるクリアー塗膜。
  11. 請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の組成物を80〜150℃において硬化する方法。
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