JP2004244430A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる塗膜の平滑性、鮮映性、透明性等の外観、硬度、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦り傷性等の物理的強度、耐溶剤性、耐酸性雨性等の化学的性質、及び耐候性等に優れ、製造が容易で、水分散系スラリー塗料又は水系塗料としても好適に使用できる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)、水溶性脂肪族トリカルボン酸、及び水からなる硬化性組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ基を有する重合体、水溶性脂肪族トリカルボン酸、及び水とからなる硬化性組成物に関する。更に詳しくは、水分散系スラリー塗料、水系塗料等に好適に使用できる、分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体、水溶性脂肪族トリカルボン酸、及び水とからなる硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エポキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物とからなる硬化性組成物が、粉体塗料等に利用されている。これには種々の組合せがあるが、粉体塗料や水分散系スラリー塗料の場合、得られる塗膜の外観、耐候性、及び耐汚染性等に優れているという理由で、グリシジル基含有アクリル樹脂と二塩基酸との組み合せが好んで利用されている。
【0003】
粉体塗料は通常、樹脂、硬化剤、及び添加剤等を硬化剤の融点以下の温度で溶融混練した後、粉砕することにより製造される。粉体塗料や、粉体を分散剤等と共に水に分散させた水分散系スラリー塗料は、有機溶剤をほとんど含有しないため、環境対応型塗料としての期待が益々高まりつつあり、家電製品、道路・建築資材、自動車部品、水道資材、鋼製家具等に既に使用されており、更に自動車のトップコートの一部にも採用され始めている。
しかし、粉体塗料では溶剤系塗料からの置き換え時に塗装設備の更新が必要であり、塗料のリサイクル使用におけるごみ・ぶつの問題等、解決すべき課題も多い。一方、特許文献1に記載の水分散系スラリー塗料では溶剤系塗料の塗装設備が転用できるものの、溶融混練、粉砕して製造した粉体塗料を更に分散剤等と共に水に分散させるため、工程が長くコストも高い。
【0004】
【特許文献1】
特表2001−517722号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、得られる塗膜の平滑性、鮮映性、透明性等の外観、硬度、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦り傷性等の物理的強度、耐溶剤性、耐酸性雨性等の化学的性質、及び耐候性等に優れ、製造が容易で、水分散系スラリー塗料又は水系塗料としても好適に使用できる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体及び水溶性脂肪族トリカルボン酸の組合せがその目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
即ち、本発明の第1は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)、硬化剤(b)、及び水からなる硬化性組成物において、硬化剤(b)が水溶性脂肪族トリカルボン酸であることを特徴とする硬化性組成物である。
【0007】
本発明の第2は、硬化剤(b)が下式(1)で表される水溶性脂肪族トリカルボン酸であることを特徴とする本発明第1の硬化性組成物である。
【化2】
Figure 2004244430
〔但し、p,r,sは0〜8の整数、qは1〜9の整数で、1≦p+q+r+s≦9かつ{r<sまたは(r=sかつp≦q)}〕
本発明の第3は、上式(1)において、p+q+r+s=3であることを特徴とする本発明第2の硬化性組成物である。
本発明の第4は、上式(1)において、p=1、q=2、r=s=0であることを特徴とする本発明第2の硬化性組成物である。
本発明の第5は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)が、エポキシ基含有アクリル系樹脂重合体であることを特徴とする本発明第1〜4のいずれかの硬化性組成物である。
本発明の第6は、本発明第1〜5のいずれかの硬化性組成物からなることを特徴とする水分散系スラリー塗料又は水系塗料である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の硬化性組成物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)、水溶性脂肪族トリカルボン酸、及び水からなる。
まず、本発明で用いる分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)について説明する。
本発明でいうエポキシ基とは、エポキシ構造(炭素−酸素−炭素からなる3員環構造)を有する結合基であり、炭素−炭素部は直鎖又は分岐した炭化水素構造の一部でも良いし、5員環や6員環等の環状構造を形成した炭化水素構造の一部であってもよい。又これら炭化水素構造にはフッ素、塩素、臭素等のハロゲンや、水酸基、ニトリル基等の官能基が結合していても良い。さらに、エポキシ構造を形成する炭素原子には、メチル基等のアルキル基や、ハロゲン等が結合していても良い。これらエポキシ基としてはグリシジル基や、下式(2)で表される結合基が挙げられる。特にグリシジル基が、アリルアルコールやエピクロルヒドリンから工業的に製造され、入手が容易なため望ましい。
【0009】
【化3】
Figure 2004244430
(式中、R及びRは炭素数1〜12の炭化水素基を、mは0〜3の整数を表す。)
【0010】
本発明で用いられる分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)には、末端、側鎖又は分岐鎖中にグリシジル基等のエポキシ基を有する水溶性重合体、水分散性重合体、及び水溶性重合体と水分散性重合体との混合物が含まれ、ビニル系モノマーを重合したものや、粉末樹脂を水、アルコール等の混合物等からなる水性媒体に乳化分散させたもの等の通常使用されているものがあげられる。これらの重合体には、例えばポリエステル骨格を有する重合体、ポリアミド骨格を有する重合体、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリビニルアセテート系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−混合トリアルキル酢酸ビニルエステル系、エチレン酢ビ系、シリコーン系、ポリブタジエン系、スチレンブタジエン系、NBR系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、塩化ビニリデン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系、スチレン−無水マレイン酸系等の重合体等が挙げられ、シリコーン変性アクリル系、フッ素−アクリル系、アクリルシリコン系、エポキシ−アクリル系等の変性重合体、架橋性樹脂、コア・シェル型樹脂等も含まれ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、ポリ(メタ)アクリレート系、酢酸ビニル−アクリル系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系、シリコーン変性アクリル系、フッ素−アクリル系、アクリルシリコン系、エポキシ−アクリル系等のエポキシ基含有アクリル系樹脂重合体を好適に使用できる。本発明で表現する(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する。これらの重合体粒子径は、造膜性の観点から、0.01〜1000μmが好ましく、0.05〜100μmが更に好ましい。樹脂固形分は、一般には10〜60質量%である。
【0011】
該重合体(a)は、エポキシ基を有する重合性単量体の1種又は2種以上の重合体、又はエポキシ基を有する重合性単量体1種又は2種以上とエポキシ基を有しない重合性単量体1種又は2種以上の共重合体である。エポキシ基を有する重合性単量体は、例えばグリシジル基や下式(3)で表されるメチルグリシジル基を有する化合物が特に好適に使用できる。
【化4】
Figure 2004244430
【0012】
上記エポキシ基を有する重合性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、アリルアルコールのグリシジルエーテルやメチルグリシジルエーテル、N−グリシジルアクリル酸アミド、ビニルスルホン酸グリシジル等を挙げることができる。これらの単量体は1種又は2種以上を用いることができる。中でも、グリシジルメタクリレートが産業上入手が容易であり、これを用いた共重合体であるグリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂が、得られる硬化体の耐候性や耐摩耗性等の耐久性に優れ、本発明の硬化性組成物を塗料用途に用いる場合には特に好ましい。
エポキシ基を有する重合性単量体は、全重合性単量体の5〜70質量%の範囲で使用することが好ましい。
【0013】
上記エポキシ基を有する重合性単量体と共重合できる、エポキシ基を有しない重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド系単量体、シアン化ビニル類等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
【0014】
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシル等が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
【0015】
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド系単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等があり、シアン化ビニル類としては、例えば(メタ)アクリロニトリル等がある。
【0016】
又、エポキシ基を有しない重合性単量体として、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を使用してもよい。その例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、及びイタコン酸、フマル酸、マレイン酸の半エステル等があげられる。
更に、カチオン基を持つエチレン性不飽和単量体を使用してもよい。その例として、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びその塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及びその塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル及びその塩、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド及びその塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びその塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びその塩、ビニルピリジン、等が挙げられる。
【0017】
また上記以外のエポキシ基を有しない重合性単量体の具体例として、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、混合トリアルキル酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系化合物、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等のエステル類、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、さらにγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、メタクリル酸アシッドホスホオキシエチル、メタクリル酸3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、メチルプロパンスルホン酸アクリルアミド、ジビニルベンゼン、ビニルオキサゾリン、ラウリルビニルエーテル、ハロゲン含有ビニル単量体、ケイ素含有ビニル単量体、イソシアネート基含有ビニル系単量体、共重合可能な不飽和結合を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの単量体は1種又は2種以上を用いることができる。
【0018】
本発明においては、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸グリシジルを主成分とする共重合体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、及びスチレンを主成分とする共重合体、更には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ブチル、及びスチレンを主成分とする共重合体、等のグリシジル基含有アクリル系樹脂重合体が、耐候性や耐摩耗性等の耐久性に優れ、塗料分野、特に水分散系スラリー塗料及び水系塗料分野に用いるに際し、特に好ましく使用できる。
本発明の硬化性組成物の製造において、粉末樹脂を水性媒体に乳化分散する場合、樹脂の製造方法はどんな方法でも良いが、通常は、エポキシ基を有する重合性単量体、エポキシ基を有しない重合性単量体、開始剤、及び還元剤等を適宜使用して重合される。ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等のいずれでもよいが、ラジカル重合が好ましく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等により得られる。
【0019】
粉末樹脂を水性媒体に乳化分散する場合、分子内に2個以上のエポキシ基を有する重合体(a)の数平均分子量は1,000〜20,000が好ましく、1,500〜10,000が更に好ましく、2,000〜9,000が特に好ましい。数平均分子量が1,000を下回ると、粉砕した重合体の融着が起こりやすく、取扱いが困難になり、かつ耐候性等の塗膜性能が劣る。また、数平均分子量が20,000を越えると塗膜の平滑性等の仕上り外観が劣るので好ましくない。
重量平均分子量は1,100〜60,000が好ましい。
また、上記重合体(a)のエポキシ当量は200〜3,000g/当量の範囲が好ましく、200〜2,000g/当量の範囲が更に好ましく、250〜1,000g/当量の範囲が特に好ましい。エポキシ当量が200g/当量より小さいと塗膜の仕上り外観が劣り、3,000g/当量より大きいと、塗膜性能が劣る。
【0020】
また、上記重合体(a)のメルトインデックスは20〜100g/10分の範囲が好ましく、30〜100g/10分の範囲が更に好ましく、30〜90g/10分の範囲が特に好ましい。メルトインデックスが20g/10分より小さいと塗膜の仕上り外観が劣り、100g/10分より大きいと、樹脂の取扱いが困難になる。
更に、上記重合体(a)のTg(ガラス転移温度)は30〜100℃が好ましい。40〜90℃が更に好ましく、40〜80℃が特に好ましい。ガラス転移温度が30℃以下では重合体の粘着性のため取扱いが困難になり、ガラス転移温度が100℃より高い場合は重合体の溶融フロー性が劣り、塗膜の仕上り外観が劣るので好ましくない。
【0021】
本発明の硬化性組成物の製造において、水溶性及び/又は水分散性重合体(a)の粒子を重合により直接製造する場合は通常、水性媒体中で、エポキシ基を有する重合性単量体、エポキシ基を有しない重合性単量体、水溶性開始剤及び/又は油溶性開始剤を使用して懸濁重合、ミクロ懸濁重合、乳化重合、マイクロエマルション重合、又はミニエマルション重合等により行う。この際に、水溶性還元剤及び/又は油溶性還元剤を使用しても良い。反応速度を速めるため、重合の際、単量体混合物を水性媒体中へ、乳化剤の存在下、ホモジナイザー等の乳化機により前もって乳化しておくことが好ましい。
また、終始同一組成で重合することも、組成を連続的に変化させて重合することも可能であり、更に異なる組成で数段に分割して重合することも可能である。
【0022】
水溶性重合体と水分散性重合体との混合物の場合には、別々に重合した水溶性重合体と水分散性重合体を混合してもよいし、水溶性重合体の重合に引き続き同じ反応器で水分散性重合体を重合してもよいし、また、水分散性重合体の重合に引き続き同じ反応器で水溶性重合体を重合してもよい。
水溶性及び/又は水分散性重合体(a)は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、及び両性の何れであっても良いが、カチオン性が好ましい。
【0023】
水溶性及び/又は水分散性重合体(a)がカチオン性である場合は、重合に使用する単量体混合物にカチオン基を持つエチレン性不飽和単量体を混合する。カチオン基を持つエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びその塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及びその塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル及びその塩、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド及びその塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びその塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びその塩、ビニルピリジン、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミドエピクロルヒドリン付加物のハロゲン化物、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエピクロルヒドリン付加物のハロゲン化物及びそのアルキルスルホン酸塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチルエピクロルヒドリン付加物のハロゲン化物、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピルエピクロルヒドリン付加物のハロゲン化物及びそのアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
【0024】
カチオン基を持つエチレン性不飽和単量体は、得られる水溶性及び/又は水分散性重合体(a)の水中での安定性の観点から単量体混合物中0.5質量%〜30質量%で使用されることが好ましく、単量体混合物中1質量%〜20質量%で使用されることが更に好ましい。1質量%以上で水性組成物の下地基材への浸透性がさらに良好となる。
水溶性及び/又は水分散性重合体(a)の粒子を重合により直接製造する場合、重合体(a)の数平均分子量は1,000〜1,000,000好ましく、粘度と得られる皮膜の機械的物性の観点から1,000〜500,000であることが更に好ましく、2,000〜500,000であることが特に好ましい。
【0025】
また、水溶性及び/又は水分散性重合体(a)のエポキシ当量は200〜3,000g/当量の範囲が好ましく、200〜2,000g/当量の範囲が更に好ましく、250〜1,000g/当量の範囲が特に好ましい。エポキシ当量が200g/当量より小さいと塗膜の仕上り外観が劣り、3,000g/当量より大きいと、塗膜性能が劣る。
更に、水溶性及び/又は水分散性重合体(a)のTg(ガラス転移温度)は30〜100℃が好ましい。40〜90℃が更に好ましく、40〜80℃が特に好ましい。ガラス転移温度が30℃以下では重合体の粘着性のため取扱いが困難になり、ガラス転移温度が100℃より高い場合は重合体の溶融フロー性が劣り、塗膜の仕上り外観が劣るので好ましくない。
【0026】
本発明で使用する水溶性開始剤としては、水溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用できる。その例として、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ニ塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ニ塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等が挙げられる。その使用量は、単量体の総量100質量部に対して通常0.1〜10質量部である。
【0027】
本発明で使用する油溶性開始剤は、ラジカル重合触媒として熱または還元性物質などによってラジカル分解してエチレン性不飽和単量体の付加重合を起こさせるもので、具体的には、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ系開始剤や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドといった過酸化物系開始剤が挙げられる。より好ましくは、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンビスハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、n−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、(a,a−ビスネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の過酸化物系開始剤が好ましい。また、これらの2種以上を組み合わせて使用することもできる。その使用量は、単量体の総量100質量部に対して通常0〜10質量部である。
【0028】
本発明に使用する水溶性還元剤としては、鉄(II)やクロムイオン、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等を挙げることができる。また、これらの2種以上を組み合わせて使用することもできる。その使用量は、単量体の総量100質量部に対して通常0〜10質量部である。
本発明に使用する油溶性還元剤としては、n−ブタンチオール、n−ペンタンチオール、n−ヘキサンチオール、n−へプタンチオール、n−オクタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、n−ノナンチオール、n−デカンチオール、n−ウンデカンチオール、n−ドデカンチオール、t−ドデカンチオール、ベンゼンチオール、α−トルエンチオール等のチオール類が好ましく、この他に、−SOH、−NHNH、−COCH(OH)−等の基を含む油溶性化合物を挙げることができる。また、これらの2種以上を組み合わせて使用することもできる。その使用量は、単量体の総量100質量部に対して通常0〜10質量部である。
【0029】
本発明の水溶性及び/又は水分散性重合体(a)の懸濁重合、ミクロ懸濁重合、乳化重合、マイクロエマルション重合又はミニエマルション重合では重合用乳化剤を利用することが好ましい。水溶性及び/又は水分散性重合体がアニオン性の場合には、アニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤を使用する。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、脂肪族又は芳香族アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等を挙げることができる。また、例えば、三洋化成(株)製エレミノールJS−2、JS−5(商標)、花王(株)製ラテムルS−120、S−180A、S−180(商標)、第一工業製薬(株)製アクアロンHS−10(商標)、旭電化工業(株)製アデカリアソープSE−1025N(商標)、メタクリル酸スルホアルキルエステルの塩、p−スチレンスルホン酸の塩、旭電化工業(株)製アデカリアソープSDX−730、SDX−731、SDX−334(商品名)等のリン酸エステル基を有するアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の反応性乳化剤を用いることもできる。
【0030】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコポリマー、ジエタノールアミン誘導体等を挙げることができる。
また水溶性及び/又は水分散性重合体(a)がカチオン性の場合には、カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤を使用する。カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミン塩酸塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアンモニウムハイドロオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコポリマー等を挙げることができる。
【0031】
これらの界面活性剤の使用量は、水溶性及び/又は水分散性重合体の固形分に対して0.05〜20質量%であることが好ましい。また、上記界面活性剤の中では、反応性乳化剤を使用することが好ましく、この場合その使用量は、乳化力と水溶性及び/又は水分散性重合体から得られる塗膜の強度の観点から水溶性及び/又は水分散性重合体の固形分の0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%が更に好ましい。
【0032】
本発明の水溶性及び/又は水分散性重合体(a)は、アニオン性であればアルカリ及び/又は有機溶剤の添加によって、カチオン性であれば酸及び/又は有機溶剤の添加によって、重合物の少なくとも一部を可溶化することによって得ることもできる。このような可溶化処理に使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、有機アミン類、アンモニア等が挙げられ、特に乾燥後の塗膜の耐水性を向上せしめる観点から、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びモルホリン、4−モルホリノエタノール等のモルホリン類等が好ましい。この中で揮発性のアルカリ成分としてはアンモニアが好ましい。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸等が挙げられる。アルカリ又は酸の添加は重合前でも、重合中でも、重合後であっても良い。また可溶化処理において有機溶剤は、アルカリ又は酸の添加だけでは水溶化が不充分であるときに補助的に使用しても良いし、有機溶剤だけで可溶化させても良い。
【0033】
使用される有機溶剤としては、例えばCS−12(チッソ(株)製)、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ベンジルアルコール、グルタル酸ジメチル、グルタル酸イソプロピル等が挙げられる。有機溶剤の添加は、アルカリ又は酸の添加と同様、重合前でも、重合中でも、重合後であっても良い。とくに長期の分散安定性を保つ目的から水溶性及び/又は水分散性重合体を上記のアルカリ成分または酸成分を使用してpHを3〜10の範囲に調整することが好ましい。
【0034】
また、本発明で用いられる重合体(a)は、酸性リン酸エステル等で変成されていてもよいし、その水酸基がジイソシアネート化合物等で変性されていてもよい。
本発明の硬化性組成物は、各種用途や所望の物性に応じて、上記エポキシ化合物を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物で用いてもよい。
【0035】
本発明において、硬化剤(b)とはエポキシ基と反応し、架橋構造を形成しうる化合物を意味する。本発明で用いられる硬化剤は、水溶性脂肪族トリカルボン酸であり、直鎖又は分岐した炭化水素に3つのカルボキシル基が結合した化合物を意味する。直鎖状のものとして、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−ブタントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,3−ペンタントリカルボン酸、1,2,4−ペンタントリカルボン酸、1,2,5−ペンタントリカルボン酸、1,3,4−ペンタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、2,3,4−ペンタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,1,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,3−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ヘキサントリカルボン酸、2,4,4−ヘキサントリカルボン酸、1,4,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3,4−ヘキサントリカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4,8−オクタントリカルボン酸、1,5,10−ノナントリカルボン酸、1,6,12−ドデカントリカルボン酸、1,7,13−トリデカントリカルボン酸等が、分岐鎖状のものとして、2−カルボキシメチル−1,3−プロパンジカルボン酸、3−カルボキシメチル−1,5−ペンタンジカルボン酸、3−カルボキシエチル−1,5−ペンタンジカルボン酸、3−カルボキシエチル−1,6−ヘキサンジカルボン酸等があげられる。なかでも、下式(1)で表される水溶性脂肪族トリカルボン酸であることが好ましい。
【0036】
【化5】
Figure 2004244430
〔但し、p,r,sは0〜8の整数、qは1〜9の整数で、1≦p+q+r+s≦9かつ{r<sまたは(r=sかつp≦q)}〕
【0037】
上式(1)で表される水溶性脂肪族トリカルボン酸には、例えば、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,4−ペンタントリカルボン酸、1,2,5−ペンタントリカルボン酸、1,3,4−ペンタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ヘキサントリカルボン酸、1,4,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3,4−ヘキサントリカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4,8−オクタントリカルボン酸、1,5,10−ノナントリカルボン酸、1,6,12−ドデカントリカルボン酸等が挙げられる。なかでも、1,2,5−、1,3,5−、1,2,6−、1,2,4−、1,4,5−、1,3,4−、及び1,3,6−ヘキサントリカルボン酸が熱安定性が高いため好ましい。特に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸は約110℃の融点を有し、硬化特性が優れているなど物性が優れている点に加えて、下記に述べるように工業的に容易に入手できる点で最も好ましい。
【0038】
本発明においては、上記水溶性脂肪族トリカルボン酸を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において使用する水溶性脂肪族トリカルボン酸の製造法は特に制限はない。1,3,6−ヘキサントリカルボン酸は、例えば、工業的に大規模に生産されているアクリロニトリルを3量化させたり、アクリロニトリルの電解2量化によりアジポニトリルを製造する際に得られるトリニトリル化合物を硫酸等の酸や苛性ソーダ等のアルカリを用いて加水分解したりすることにより、容易に得られる。
また、本発明において、水溶性脂肪族トリカルボン酸以外の水溶性又は水分散性硬化剤、例えば、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、又はこれら以外のエポキシ基と反応し架橋構造を形成しうる一般的なエポキシ樹脂の硬化剤等の1種又は2種以上を、各種用途に応じて、水溶性脂肪族トリカルボン酸と併用してもよい。
【0039】
水溶性脂肪族トリカルボン酸以外の硬化剤として用いることができるカルボキシル基含有化合物としては、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する化合物が好適に使用でき、特に脂肪族、芳香族、脂環族の多価カルボン酸等が好適に使用できる。
脂肪族多価カルボン酸としては、例えばグルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、アイコサンジカルボン酸及びテトラアイコサンジカルボン酸、アクリル酸やメタクリル酸を成分とする共重合体、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
【0040】
また、芳香族多価カルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等が挙げられる。更に、脂環族多価カルボン酸としては、例えばヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
また、上記酸無水物としては、上記記載の脂肪族、芳香族、及び脂環族の多価カルボン酸の無水物、及びこれら多価カルボン酸と1価カルボン酸の無水物等が挙げられる。
更に、エポキシ基と反応し架橋構造を形成しうる一般的なエポキシ樹脂の硬化剤としては、ジシアンジアミド類、ジヒドラジド類、イミダゾール類、ポリ水物類等があげられる。また、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン等のトリアジン、オルガノシリル基を包含するポリカルボン酸、分子内に2個以上のカルボキシル基を有するアクリル樹脂、又はポリエステル樹脂等の樹脂等も水溶性脂肪族トリカルボン酸以外の硬化剤として使用できる。
【0041】
本発明の硬化性組成物を、水分散系スラリー塗料や水系塗料に使用する場合には、併用するその他の硬化剤として、セバシン酸、デカンジカルボン酸、等の脂肪族多価カルボン酸や、これらの無水物が特に好適に使用できる。
本発明で用いる硬化剤全量中における、水溶性脂肪族トリカルボン酸の含有量は0.1〜100質量%である。好ましくは、1〜100質量%であり、特に好ましくは10〜100質量%、最も好ましくは50〜100質量%である。水溶性脂肪族トリカルボン酸の含有量が0.1質量%以下の場合には、硬化速度が低下したり、得られる硬化物の機械的物性が低下する傾向にある。
【0042】
本発明の硬化性組成物において、用いる水溶性脂肪族トリカルボン酸は、他の硬化剤と併用する場合には左右されるが、通常、エポキシ基を有する重合体のエポキシ基に対し、水溶性脂肪族トリカルボン酸のカルボキシル基を0.01〜5当量で用いることができる。特に、水溶性脂肪族トリカルボン酸の硬化性を顕著に発現させ、また架橋密度を向上させた機械的特性の優れる硬化体を得るには、0.1〜3当量が好ましく、0.3〜2.5当量が更に好ましく、0.5〜2当量が特に好ましい。
一般的に、エポキシ化合物とカルボキシル基含有化合物からなる硬化性組成物は、エポキシ基に対し、カルボキシル基を当量比が1、またはその近傍の組成比で用いられ、当量比が1を大きくはずれた場合には、硬化物のゲル分率が低下する傾向にある。本発明の硬化性組成物においては、当量比が1から大きくずれた場合においても、短時間の硬化で十分なゲル分率を示す。
【0043】
本発明において、分子内に2個以上のエポキシ基を有する重合体(a)が、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する場合には、水酸基又はカルボキシル基と反応し得る少なくとも1個の官能基を有する補助交叉結合剤、又は変性剤を添加することができる。これらには、ブロックイソシアネート、アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキル化グリコルリル樹脂、ヒダントインエポキシド類、トリグリシジルイソシアヌレート、脂肪族グリシジルエーテル、脂肪族グリシジルエステル、環式脂肪族エポキシド、水素化ビスフェノールA及びエピクロロヒドリンから導かれたエポキシ樹脂、オキサゾリン、2〜4官能性β−ヒドロキシアルキルアミド等が含まれる。
【0044】
また、本発明の硬化性組成物には、分子内に1個のエポキシ基を有する化合物、1個のカルボキシル基及び/又は1個又は2個以上の水酸基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、又はその他の重合体、及び室温で液状である樹脂等の化合物を添加することもできる。
更に、本発明の硬化性組成物は、各種用途に応じて通常塗料等に配合される添加剤、例えば、分散剤、分散助剤、硬化促進剤(硬化触媒)、反応希釈剤、充填剤や強化剤、顔料、離型剤や流動調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の紫外線によるコーティングの劣化を阻止し得る薬剤、耐水化剤等を必要に応じて添加することができる。
【0045】
分散剤としては、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩、アミン塩及びアンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等があげられ、硬化性組成物の0.1〜10質量%配合される。
【0046】
硬化促進剤としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、ジメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケン類およびそれらの塩類、オクチル酸亜鉛、アルキルチタネート化合物、オクチル酸錫、モノアルキル錫酸等の錫化合物、アルミニウムアセチルアセトン錯体などの有機金属化合物、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニルなどの有機リン系化合物、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体、トリフェニルボレートなどのホウ素系化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫などの金属ハロゲン化物、第4級アンモニウム化合物、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタンのナトリウムアルコレートなどのアルカリ金属アルコレート類、アナカルド酸及びその塩、カルドール、カルダノール、フェノール、ノニルフェノール、クレゾールなどのフェノール類、ブロックされた強酸触媒等が挙げられる。
【0047】
反応希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシジルエステル、等が挙げられる。
充填剤や強化剤としては、例えばコールタール、瀝青、織布、ガラス繊維、アスベスト繊維、ホウ素繊維、炭素繊維、アラミド繊維、鉱物シリケート、雲母、石英粉、水酸化アルミニウム、ベントナイト、カオリン、珪酸エアロゲル、アルミニウム粉や鉄粉などの金属粉などが挙げられる。
【0048】
顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、塩基性染めつけレーキ、酸性染めつけレーキ、媒染染料系顔料、建設染料系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、カーボンブラック、クロム酸塩、フェロシアン化物、酸化チタン、マイカ粉、パライト、硫化セレン化合物、珪酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、燐酸塩、金属粉末、等の着色顔料や、硫酸バリウム、炭酸バリウム、石膏、アルミナ白、クレー、シリカ、タルク、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の体質顔料が挙げられる。
また、離型剤や流動調整剤としては、例えばシリコーン、エアロジル、コロイド性含水珪酸アルミニウム、ワックス、パラフィンエマルジョン、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸塩、炭酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。
【0049】
さらに、可塑剤としてはパイン油、低粘度液状高分子、ゴム状物、タール、ポリサルファイド、ウレタンプレポリマー、ポリオール、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、エピクロルヒドリンの重合物、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、トリクレジルホスフェートなどが挙げられる。
また、紫外線吸収剤としてチヌビン(Tinuvin、チバスペシャリティケミカルス社から市販)が、立体障害アミン系光安定剤やフェノール系酸化防止剤として、例えば、チヌビン144や、イルガノックス1010又はイルガフォスP−EPQ(いずれもチバスペシャリティケミカルス社から市販)が挙げられる。紫外線吸収剤と立体障害アミン系光安定剤とを組み合わせて用いることもできる。
耐水化剤としては、ホルマリン、ヘキサミン、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキサル等があげられる。
【0050】
更に、ナフテン酸コバルト等のドライヤー、メトキシフェノール、シクロヘキサンオキシム等の皮張り防止剤、高重合アマニ油、有機ベントナイト、シリカ等の増粘剤、ベンゾイン等のわき防止剤、モダフロー(Modaflow、モンサント社製)、レジフロー(Resiflow、Worlee社製)、アクロナール(Acronal、BASF社製)、等の流れ調整剤、三酸化アンチモン、ブロム化合物、水酸化アルミニウムなどの難燃剤、染料、ワックス、酸化防止剤(抗酸化剤)、光安定剤、ラジカル捕捉剤、熱安定剤、ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコンオイル等の消泡剤、脱気剤(脱ガス化剤)、アクリルオリゴマー、ロート油、ジシアンジアミド、尿素等のレベリング剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非反応性及び/又は反応性の有機溶剤、流展剤、着色剤、二酸化チタン、粘性調整剤、pH調整剤、防腐剤、乳化剤、界面活性剤、湿潤剤、成膜助剤、防錆剤、表面調整剤、艶消し剤、殺生剤、殺生物剤、殺菌剤、流展助剤、中和剤、アミン、保水剤、助剤、エポキシ樹脂、ビスマス系化合物、微粉末シリカ、焼セッコウ、イミダゾリン化合物類、架橋樹脂微粒子、ポリエステル樹脂系粉体塗料、熱潜在性カチオン重合開始剤、ハイドロタルサイト類化合物、及びその他の各種添加剤等を添加することができる。これら添加剤は、1種または2種以上を、本発明の効果を損なわない範囲の適用量で任意に適用することができる。また、これらの添加剤を配合する方法に特に制限はなく、慣用の配合方法が適用できる。
【0051】
本発明の水分散系スラリー塗料の製造方法は、全く限定されないが、粉末樹脂を水性媒体に懸濁させる方法、粉砕前の重合体(a)を水性媒体に加えてから粉砕する方法、又は、粉末樹脂を水性媒体に懸濁させた後、更に粉砕する等の方法により製造される。
樹脂の粉砕方法もどんな方法でもよく、ローラーミル、3本ロールミル、スーパーミル、スパイクミル、マイティーミル、サンドミル、ハンマーミル、ボールミル等の乾式又は湿式の粉砕機を用いることができる。また、重合体(a)の溶液又は分散液から造粒する方法も用いることができる。これらの方法で得られた粒子について、更に圧縮したり、粉砕したり、凝集造粒したり、熱気流と接触させて粒子を球状にしたり、分級したりしてもよい。また、これらの操作を任意に組み合せたり、繰り返したりしてもよい。水溶性脂肪族トリカルボン酸は、初めから水性媒体に溶解させておいても良いし、重合体(a)の後に加えても良い。後で加える場合は、水性媒体に溶解して加えるのが好ましい。その他の硬化剤、分散剤等の添加剤、及び濃度調整のための水性媒体等は、塗料の製造の過程で適宜加えて良い。
【0052】
本発明の水系塗料は、重合により得られた水溶性及び/又は水分散性重合体の水溶液又は水分散体に、水溶性脂肪族トリカルボン酸、その他の硬化剤、及び添加剤等を加えて混合攪拌し、水性媒体で濃度を調整して製造される。
本発明の硬化性組成物の粘度は10〜1000mPa・sであることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を水系塗料又は水分散系スラリー塗料として塗装する場合は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装等の通常行われている塗装方法が用いられる。
【0053】
本発明の硬化性組成物は熱、紫外線、電子線等のエネルギーで硬化させることができ、例えば、加熱により硬化させる場合、通常150〜250℃の範囲で硬化反応を行うが、150℃以下の近年望まれている低温硬化温度範囲においても実用的な硬化時間範囲で良好な物性の塗膜を得ることができる。硬化時間は、該組成にも左右されるが、通常、20分〜200時間の範囲であるが、20分以下でも可能である。
本発明の硬化性組成物を塗料として用いることにより得られる塗膜の厚みは、約1〜1000μmである。
【0054】
本発明の硬化性組成物は、注型成形剤、半導体封止剤、絶縁塗料、及び積層板等の電気絶縁材、複合材料のマトリックス樹脂、接着剤、シーリング剤、コーティング剤、塗料等に好適に使用できるが、塗料として特に好ましく用いることができ、とりわけ、水分散系スラリー塗料及び水系塗料の形態で用いることができる。
得られた塗膜は、平滑性、鮮映性、透明性等の外観、硬度、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦り傷性等の物理的強度、耐溶剤性、耐酸性雨性等の化学的性質、及び耐候性等に優れ、金属、コンクリート駆体、木材、プラスチック材等の保護材として、家電製品、電気機器、自動車部品、自動車外板、船舶、鋼製家具、水道資材、缶、道路・建設・土建資材等に好適に適用できる。とりわけ、顔料成分を含有しないクリアー塗膜として、例えば自動販売機、道路資材、アルミホイール、自動車等のトップコート等に好ましく使用できる。
【0055】
以下、実施例及び比較例により本発明を説明する。
実施例及び比較例中に用いられる各種物性の測定方法は、下記の通りである。
[1]粒子径の測定:
超微粒子粒度分析計(UPA)を使用した。
機種;日機装(株)製 マイクロトラックUPA MODEL;9230
[2]数平均分子量:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン標品検量線より求めた。測定試料は、各サンプル(乾燥物)をテトラヒドロフランに溶解し、0.5〜1質量%の濃度とした。
Figure 2004244430
【0056】
[3]エポキシ当量
100ml三角フラスコに試料(乾燥物)を0.1〜1.0g精秤し、撹拌子を入れた。
続いて、n−プロピルアルコール約50ml、ベンジルアルコール約4ml、0.04%ブロムチモールブルー指示薬約3mlを加え、還流冷却器を取り付けて、ホットプレート付きスターラー上で撹拌しながら還流させた。更に、還流下、3.0gのヨウ化カリウムを10mlの水に溶かして加えた(青色になる)。還流下、1N又は0.2N塩酸で滴定し、30秒間黄色を保った時を終点とし、次の式によりエポキシ当量を求めた。
Figure 2004244430
【0057】
[4]メルトインデックス(MI)
メルトインデクサー(東洋精機製、C−5059D−1型)を用い、JIS K7210に準じて測定した。装置を125℃に昇温後、内径2.095±0.005mmのオリフィスを入れ、乾燥させた試料5gを入れ、プランジャーを差込み、オリフィスの出口にストッパーをつけ、225gの荷重を乗せ5分間保持した。5分後に1935gの荷重を加え(合計荷重2160g)、ストッパーを解除してプランジャーが2.5cm動いた時の時間t(秒)をタイマーで測定した。流出した樹脂を回収して重量W(g)を測定し、次の式によりメルトインデックス(g/10min)を求めた。
MI(g/10min)=W(g)×600(秒)/t(秒)
【0058】
[5]ガラス転移温度(Tg)
DSC(示差走査熱量測定)で得られた示差熱曲線から求めた。DSC測定は、約5.0mgのサンプル(乾燥物)を用いて、窒素雰囲気下において、−10℃で1分間保持後、10℃/分の昇温速度で130℃まで昇温することにより測定した。
Figure 2004244430
[6]固形分
105℃3時間での不揮発分(質量%)を測定した。
【0059】
[7]ゲル分率
焼き付けられた塗膜を、アセトンを溶媒としたソックスレー抽出試験器に8時間かけ、不溶部分の重量分率をゲル分率(%)とした。
[8]塗膜の平滑性及びツヤ
塗膜表面を肉眼で評価し、良好なものを○印、不良を×印とした。
[9]鮮映性
塗膜表面を肉眼で評価し、良好なものを○印、不良を×印とした。
[10]透明性
塗料をガラス板に塗装し、透明性を肉眼で評価した。良好なものを○印、不良を×印とした。
【0060】
[11]鏡面光沢度
光沢計GM 268(ミノルタ(株)製)を使用して、60度 60度鏡面反射率(%)を測定した。
[12]エリクセン値
塗板を恒温恒湿室(20℃、75%RH)の中に1時間置いた後エリクセン試験器に塗膜を外側に向けて取り付け、約10mmの曲率半径をもったポンチを試験板の裏面から規定の距離だけ、毎秒約0.1mmの速さでできるだけ速さにむらがないように押出す。突出した部分の塗膜にワレ、ハガレがあるかどうかを押出した直後に肉眼で見て調べて、塗膜に異常がないときの最大mm数で表した。
【0061】
[13]鉛筆硬度
JIS K5400の鉛筆引っかき値の試験機法に準じて行った。
[14]耐衝撃性
デュポン式衝撃試験器(撃芯1/2インチ、荷重500g)で塗面にワレ、ハガレを生じない最高の落下距離(cm)を示した。
[15]耐屈曲性
JIS K5400に準じて測定した(曲率半径5mm)。異常なしを○印、ワレ発生を×印で表した。
[16]耐溶剤性
キシロールをしみ込ませた綿棒で塗面を往復50回強くこすり、塗面状態を肉眼で評価し、良好なものを○印、不良を×印とした。
【0062】
[17]耐水性
試験片を水に18時間浸漬した後取り出し、目視観察で、しわ、膨れ、割れ、はがれ等の異常の有無を評価した。異常なしを○印、わずかに異常ありを△印、異常ありを×印で表した。
[18]耐酸性
40質量%の硫酸を試験塗板に0.4ml滴下し、85℃に加熱したホットプレート上で15分間加熱した後、水洗し、塗面を観察し、次の基準で評価した。
◎:目視観察で全く変化がない。
○:滴下部と非滴下部にわずかな差が見られるがエッチングはない。
△:滴下部と非滴下部の境界にわずかな段差がみとめられるもの。
×:目視観察ではっきりとしたエッチングが認められるもの。
【0063】
[19]耐塩水性
試験片を3w/v%塩化ナトリウム水溶液に96時間浸漬した後取り出し、水洗し2時間後、目視観察で、膨れ、さび、割れ、はがれ等の異常の有無を評価した。異常なしを○印、わずかに異常ありを△印、異常ありを×印で表した。
[20]耐候性
Wether−O−meter ci35(ATLAS ELECTRIC DEVICE Co.社製)を用い、ブラックパネル63℃、60W/m、降雨条件において、250時間キセノンアーク照射を行った。照射前後の硬化体表面の60゜の光沢(グロス)を測定し、光沢保持率(照射後の照射前に対する百分率)を求めた。
【0064】
[21]接着性
JIS規格K5400に従った、碁盤目テープ法により、塗膜の付着状態を目視で観察した。実際には、塗膜に対し、約1mm1mmのます目をカッターナイフで100個作製し、「テープで剥がれなかったますの数/100ます」を評価結果とした。
[22]耐擦り傷性
ルーフに試験用塗板を張り付けした自動車を洗車機で5回洗車した後の該塗装板の塗面状態を観察した。洗車機はヤスイ産業製「PO20FWRC」を用いた。評価基準は次の通りである。
◎:目視観察でほとんど擦り傷が見つからない。
○:少し擦り傷は見つかるが、その程度は軽い。
△:目視観察で擦り傷が目立つ。
×:目視観察ではっきりと著しい擦り傷が判る。
【0065】
[エポキシ基含有アクリル系樹脂重合体]
【実施例1】
メタクリル酸メチル254重量部、アクリル酸n−ブチル72重量部、メタクリル酸グリシジル474重量部、スチレン200重量部、及びアゾビスイソブチロニトリル105重量部からなる単量体及び重合開始剤の混合物を110℃のトルエン1000重量部中に約30分かけて滴下し、内温を110℃に保ちながら滴下終了から5時間重合させた。得られた溶液を減圧にして溶剤を除去し、数平均分子量が1,050、エポキシ当量が300g/当量、MIが95g/10分、Tgが45℃のグリシジル基含有メタクリル樹脂Aを得た。
【0066】
【実施例2】
メタクリル酸メチル169重量部、メタクリル酸n−ブチル250重量部、メタクリル酸グリシジル285重量部、スチレン297重量部、及びアゾビスイソブチロニトリル68重量部を用いて、実施例1と同様に重合し、数平均分子量が4,700、エポキシ当量が499g/当量、MIが63g/10分、Tgが55℃のグリシジル基含有メタクリル樹脂Bを得た。
【実施例3】
メタクリル酸メチル296重量部、メタクリル酸n−ブチル252重量部、メタクリル酸グリシジル203重量部、スチレン250重量部、及びアゾビスイソブチロニトリル17重量部を用いて、実施例1と同様に重合し、数平均分子量が11,500、エポキシ当量が700g/当量、MIが25g/10分、Tgが60℃のグリシジル基含有メタクリル樹脂Cを得た。
【0067】
【実施例4】
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器に、水400重量部、エマルゲン920(花王(株)製ノニオン型界面活性剤)4重量部を投入し、80℃に加熱し、窒素置換した。この反応容器へ、スチレン196重量部、メタクリル酸メチル142重量部、アクリル酸ブチル61重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル21重量部、メタクリル酸グリシジル140重量部、水925重量部、エマルゲン920の16重量部、ペレックスOT−P(花王(株)製アニオン型界面活性剤)9重量部、エマールNC(花王(株)製アニオン型界面活性剤)1重量部、過硫酸カリウム2.5重量部、炭酸水素ナトリウム1重量部からなる混合物をホモジナイザー6000回転で乳化撹拌し、滴下槽よりこの乳化混合物を反応容器へ80℃を保ちながら3時間かけて流入させた。流入が終了し、さらに80℃で2時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、水分散性重合体Aを得た。固形分30.2%、粒子系0.13μm、数平均分子量45万、エポキシ当量570g/eqであった。
【0068】
【実施例5】
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器に、水460重量部、エマルゲン950(花王(株)製ノニオン型界面活性剤)4重量部、過硫酸アンモニウム0.6重量部を投入し、80℃に加温し、窒素置換した。この反応容器へ、スチレン140重量部、メタクリル酸メチル220重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル71重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18重量部、水730重量部、エマルゲン950 13重量部、ペレックスOT−P 7重量部、過硫酸アンモニウム2.4重量部、炭酸水素ナトリウム0.7重量部からなる混合物をホモジナイザー6000回転で乳化撹拌し、滴下槽よりこの乳化混合物を反応容器へ80℃を保ちながら2.5時間かけて流入させた。さらに引き続いて、スチレン14重量部、メタクリル酸メチル63重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル2重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5重量部、メタクリル酸グリシジル28部、水185重量部、エマミーンDT−210(日本油脂(株)製ポリオキシエチレン牛脂アルキルプロピレンアミン)30%水溶液45重量部を添加して1時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、水分散性重合体Bを得た。固形分30.0%、粒子系0.10μm、数平均分子量38万、エポキシ当量2800g/eqであった。
【0069】
[水分散系スラリー塗料の作製]
【実施例6〜8】
水400重量部中に、消泡剤(トロイケミカル社製トロイキドD777)0.6重量部、分散助剤(ローム・アンド・ハース社製オロタン731K)0.6重量部、湿潤剤(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製スルフィノールTMN6)0.06重量部、及び増粘剤(ローム・アンド・ハース社製RM8)16.5重量部重量部を分散させた。次いで実施例1〜3のグリシジル基含有メタクリル樹脂を、ヘンシェルミキサー、続いて粉砕機で粉砕し、100μmのふるいを通したもの及び1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を表1に示した量だけ少量ずつ加え、それぞれ撹拌混入した。引き続き、再度、消泡剤(トロイケミカル社製トロイキドD777)0.6重量部、分散助剤(ローム・アンド・ハース社製オロタン731K)0.6重量部、湿潤剤(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製スルフィノールTMN6)0.06重量部、及び増粘剤(ローム・アンド・ハース社製RM8)16.5重量部を混入分散させた。引き続き、同量の同じ粉末樹脂及び1,3,6−ヘキサントリカルボン酸を少量ずつ加え、それぞれ撹拌混入した。これをサンドミル中で3.5時間磨砕し、50μmフィルターでろ過し、レベリング剤(ビックケミー社製ビク345)0.05重量部を加えた。
SPCC鋼板及びガラス板(透明性評価用のみ)に厚さが約40μmになるように静電塗装し、120℃又は140℃で20分間焼き付けた。塗膜の評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 2004244430
【0071】
[水系塗料の作製]
【実施例9】
実施例4の水分散性樹脂A1000重量部に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸35重量部を加え溶解させた。
SPCC鋼板及びガラス板(透明性評価用のみ)に厚さが約40μmになるように静電塗装し、120℃又は140℃で20分間焼き付けた。塗膜の評価結果を表2に示す。
【実施例10】
実施例5の水分散性樹脂B1000重量部に1,3,6−ヘキサントリカルボン酸7重量部を加え溶解させた。
SPCC鋼板及びガラス板(透明性評価用のみ)に厚さが約40μmになるように静電塗装し、120℃又は140℃で20分間焼き付けた。塗膜の評価結果を表2に示す。
【0072】
【比較例1】
実施例2のグリシジル基含有メタクリル樹脂B1688重量部、ドデカン二酸312重量部、エポキシ樹脂(旭化成製AER 6071)60重量部、ベンゾイン10重量部、レベリング剤(ニカライトXK 81)10重量部をヘンシェルミキサーで混合してから、90℃設定の2軸押出機で溶融混練し、ロールで引き伸ばし、冷却した。シリカ粉2重量部を加えて、ヘンシェルミキサー、続いて粉砕機で粉砕し、100μmのふるいを通して粉体塗料を得た。
【0073】
水400重量部中に、消泡剤(トロイケミカル社製トロイキドD777)0.6重量部、分散助剤(ローム・アンド・ハース社製オロタン731K)0.6重量部、湿潤剤(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製スルフィノールTMN6)0.06重量部、及び増粘剤(ローム・アンド・ハース社製RM8)16.5重量部を分散させた。次いで上記粉体塗料94重量部を撹拌混入した。引き続き、再度、消泡剤(トロイケミカル社製トロイキドD777)0.6重量部、分散助剤(ローム・アンド・ハース社製オロタン731K)0.6重量部、湿潤剤(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製スルフィノールTMN6)0.06重量部、及び増粘剤(ローム・アンド・ハース社製RM8)16.5重量部を混入分散させた。引き続き、少量ずつ同じ粉体塗料94重量部を撹拌混入した。これをサンドミル中で3.5時間磨砕し、50μmフィルターでろ過し、レベリング剤(ビックケミー社製ビク345)0.05重量部を加えた。
SPCC鋼板及びガラス板(透明性評価用のみ)に厚さが約40μmになるように静電塗装し、120℃又は140℃で20分間焼き付けた。塗膜の評価結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 2004244430
【0075】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、得られる塗膜の平滑性、鮮映性、透明性等の外観、硬度、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦り傷性等の物理的強度、耐溶剤性、耐酸性雨性等の化学的性質、及び耐候性等に優れ、製造が容易で、水分散系スラリー塗料又は水系塗料としても好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)、硬化剤(b)、及び水からなる硬化性組成物において、硬化剤(b)が水溶性脂肪族トリカルボン酸であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 硬化剤(b)が下式(1)で表される水溶性脂肪族トリカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 2004244430
    〔但し、p,r,sは0〜8の整数、qは1〜9の整数で、1≦p+q+r+s≦9かつ{r<sまたは(r=sかつp≦q)}〕
  3. 上式(1)において、p+q+r+s=3であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 上式(1)において、p=1、q=2、r=s=0であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物。
  5. 分子内に2個以上のエポキシ基を有する水溶性及び/又は水分散性重合体(a)が、エポキシ基含有アクリル系樹脂重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とする水分散系スラリー塗料又は水系塗料。
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