JP4136997B2 - 夏用の皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は皮膚外用剤に関し、更に詳細には抗炎症或いはメラニン産生抑制作用を訴求した医薬部外品に好適な皮膚外用剤に関する。
近年の皮膚科学では、紫外線が生体、取り分け皮膚に与える影響について、これまで人類が認識してきた以上に重篤な影響を与えることを明らかにしている。光による炎症の惹起と言った直接的な影響以外にも、例えば、核酸の損傷、活性酸素を発生させ、該活性酸素による傷害を引き起こすこと、傷害が生体成分の変性を誘起し、この様な生体成分の変性が更に炎症を呼び、炎症が更に傷害を発生させると言った悪循環を引き起こし、生じた炎症がなかなかおさまらないと同時に、種々の生体損傷が起こり、皮膚状態が、炎症が鎮静した後も悪化してしまうことが知られている。この様な慢性的な炎症の存在は、発ガンの危険性も高めるため、紫外線の影響は生命をも脅かすものでもあると言える。即ち、紫外線による炎症のケアとして、速やかに炎症を鎮静させ、炎症因子の暴走などによる生体損傷を未然に防ぎ、皮膚状態を健やかに保つ手段の開発が望まれていると言える。
炎症については、通常の炎症であれば、医薬品に於いてはプレドニゾロンのようなステロイド系抗炎症製剤或いはインドメタシンやケトプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症製剤などで処理することが知られているが、紫外線照射によって誘起された炎症のような炎症因子が暴走して悪循環を起こしたような炎症にはあまり有効ではないし、非ステロイド系抗炎症剤には光毒性や光感作性が存するため、薬物の投与が新たな重篤な炎症の原因にもなりかねない。又、グリチルリチン酸塩やグリチルレチン酸アルキルなどを有効成分とする、抗炎症作用を訴求した医薬部外品に於いては、その作用は緩和であり、この様な成分のみでは、前記のような炎症を抑えることは困難である。
ソフォラフラバノンについては、マメ科クジンに含有されていることが既に知られている。又、チロシナーゼ阻害作用を有していることも知られている(例えば、非特許文献1を参照)。ソフォラフラバノンGについては、抗菌作用、α−MSH抑制作用等が存することが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。後記するクマリン類似物質については、IgE産生抑制作用、エラスターゼ阻害作用、メラニン産生抑制作用等が存することが知られている(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9を参照)。又、アシル化アスコルビン酸グルコシドと、エスクリンを含有するトチノキのエキス及び/又はソフォラフラバノンGを含むマメ科クジンのエキスを組み合わせる技術も知られている(例えば、特許文献10を参照)。しかしながら、1)ソフォラフラバノンG(Sophoraflavanone G)及び/又はその塩0.0〜1質量%と、2)後記するクマリン及び/又はクマリン類似物質0.001〜0.1質量%とを含有する皮膚外用剤は全く知られていないし、この様な皮膚外用剤が、紫外線によって誘起される炎症を速やかに鎮める作用を有することも全く知られていない。これは、通常の抽出条件では、この様な量比を満足するほどのソフォラフラバノンGが抽出されてこないためである。
特開平08−73364号公報 特開2000−44481号公報 特開2001−220347号公報 特開2003−95852号公報 特開2004−123753号公報 特開平11−346792号公報 特開平5−934号公報 特開2003−2811号公報 特開平11−21226号公報 特開2002−179516号公報 Soo J. Kim et. al. , Biol., Pharm., Bull., 26(9), 1348-1350, (2003)
本発明は、この様な状況下為されたものであり、紫外線による炎症のケアとして、速やかに炎症を鎮静させ、炎症因子の暴走などによる生体損傷を未然に防ぎ、皮膚状態を健やかに保つ手段を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、紫外線による炎症のケアとして、速やかに炎症を鎮静させ、炎症因子の暴走などによる生体損傷を未然に防ぎ、皮膚状態を健やかに保つ手
段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)ソフォラフラバノンG(Sophoraflavanone
G)及び/又はその塩0.0〜1質量%と、2)後記するクマリン及び/又はクマリン類似物質0.001〜0.1質量%とを含有する皮膚外用剤が、その様な作用を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
(1)1)ソフォラフラバノンG(Sophoraflavanone G)及び/又はその塩0.05〜1質量%と、2)クマリン(Coumarin)及び/又は4−ヒドロキシクマリン(4-Hydroxycoumarin)、ダフネチン(Daphnetin)、スコポレチン(Scopoletin)、ウンベリフェロン(Umbelliferone)、4−メチルウンベリフェロン(4-Methylumbelliferone)、エスクレチン(Esculetin)及びエスクリン(Esculin)から選択されるクマリン類似物質0.001〜0.1質量%とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
Figure 0004136997
ソフォラフラバノンG
(2)更に、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド及びその塩から選択されるアスコルビン酸の誘導体を含有することを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
Figure 0004136997
クマリン
Figure 0004136997
4−ヒドロキシクマリン
Figure 0004136997
ダフネチン
Figure 0004136997
スコポレチン
Figure 0004136997
ウンベリフェロン
Figure 0004136997
4−メチルウンベリフェロン
Figure 0004136997
エスクレチン
Figure 0004136997
エスクリン
(3)更に、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を0.05〜0.5質量%含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)前記皮膚外用剤が抗炎症剤であることを特徴とする、(1)〜(3)の何れか1つに記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、紫外線による炎症のケアとして、速やかに炎症を鎮静させ、炎症因子の暴走などによる生体損傷を未然に防ぎ、皮膚状態を健やかに保つ手段を提供することができる。
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるソフォラフラバノンG
本発明の皮膚外用剤は、必須成分として、ソフォラフラバノンG及び/又はその塩を0.0〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%含有することを特徴とする。ソフォラフラバノンGは、クジンの植物体の乾燥物1kg中に、10〜50mgが含有されており、水などを抽出溶媒に使用するとこの成分は溶出しにくく、通常エタノールなどで抽出を行い、溶媒を除去すると0.01〜0.05質量%のソフォラフラバノンGを含有するアモルファスが得られる。かかる抽出物を酢酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を濃縮することにより、0.1〜1質量%のソフォラフラバノンGを含むアモルファスが得られる。更に、このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒クロロホルム、クロロホルム・メタノール混液)で分画精製することにより、ソフォラフラバノンGを30〜50質量%含有する分画を得ることが出来る。クジンより、エタノールで抽出を行うにあたり、使用する植物体の部位としては、根茎が特に好ましく例示できる。抽出は、植物体を細切等して、細かくし、これに1〜10質量倍の溶媒を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間、適宜攪拌を加えて浸漬すればよい。その後、室温まで冷却し、しかる後、所望により濾過で不溶物を除去した後、減圧濃縮することにより、アモルファスが得られる。このものの分画精製にあたっては、その状況を薄層クロマトグラフィー等でチェックしながら行うことが好ましく、このものは展開溶媒をクロロホルム(95容量部)とメタノール(5容量部)の混液とした場合、Rf0.1程度のところにスポットして現れる。この様なマメ科クジンのエキスの分画・精製物の形態でソフォラフラバノンGを、前記の量比になるように、含有させることが本発明では好ましい。本発明の皮膚外用剤において、ソフォラフラバノンGは、後記クマリン及び/又はクマリン類似物質とともに働いて、暴走している炎症因子を鎮静させ、炎症の悪循環を絶ち、生体の傷害累積を予防する作用を発揮する。この様な作用はソフォラフラバノンGの皮膚外用剤に於ける含有量が0.0質量%未満では、明確に現れない場合が存し好ましくなく、1質量%を越えて含有させても効果が頭打ちになる場合が存し、好ましくない。以下に、この様な量比のソフォラフラバノンGを含有させるのに好適な抽出精製物の製造例を示す。
<製造例1>
マメ科クジンの根茎の乾燥物1gを細切し、これに10lのエタノールを加え、3時間、攪拌下、加熱還流し、室温まで冷却後、減圧濃縮した。このものに2lの水と2lの酢酸エチルとを加え、可溶化し、液液抽出を行った。酢酸エチル相を取り、濃縮し、105gのアモルファスを得た。このものの中に含まれるソフォラフラバノンGを定量したところ、0.9質量%であった。(ODSカラム4.6mm×150mm、カラム温度40℃、溶出溶媒30%アセトニトリル水溶液、流速1ml/分、検知紫外部220nm、標準物質を用いた絶対検量線による定量)シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、クロロホルム・メタノール混液を溶出溶媒)で精製したところ、38質量%のソフォラフラバノンGを含有するアモルファスが1.2g得られた。
(2)本発明のクマリン及び/又はクマリン類似物質
本発明の皮膚外用剤は、クマリン及び/又はクマリン類似物質を必須成分として、0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.002〜0.8質量%含有することを特徴とする。かかるクマリン及び/又はクマリン類似物質としては、具体的には、クマリン(Coumarin)、4−ヒドロキシクマリン(4-Hydroxycoumarin)、ダフネチン(Daphnetin)、スコポレチン(Scopoletin)、ウンベリフェロン(Umbelliferone)、4−メチルウンベリフェロン(4-Methylumbelliferone)、エスクレチン(Esculetin)又はエスクリン(Esculin)が挙げられる。これらは唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。又、適当なアルカリとともに塩を生成させて、塩として含有させることも出来る。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。これらのクマリン及び/又はクマリン類似物質は、既に市販されているものが存し、かかる市販品を購入して使用することが好ましい。市販品としては、シグマ社より販売されている、クマリン(Coumarin;商品コードC4261)、4−ヒドロキシクマリン(4-Hydroxycoumarin;商品コードH2253)、ダフネチン(Daphnetin;商品コードD5564)、スコポレチン(Scopoletin;商品コードS2500)、ウンベリフェロン(Umbelliferone;商品コードU7626)、4−メチルウンベリフェロン(4-Methylumbelliferone;商品コードM1381)、エスクレチン(Esculetin;商品コード24657−3)又はエスクリン(Esculin;商品コードE8250)が好ましく例示できる。又、これらの成分は、生薬植物の植物体にも含有されているので、植物体を抽出し、溶媒を除去して、所望により分画、精製してこれを含有させることも出来、この様な形態も本発明の技術的範囲に属する。例えば、クマリン(Coumarin)、4−ヒドロキシクマリン(4-Hydroxycoumarin)、ダフネチン(Daphnetin)は、ミカン科ミカン(Citrus unshiu)に含有されているし、スコポレチン(Scopoletin)は、アブラナ科のアリキシア・シネンシス(Alyxia sinensis)に含有されている。ウンベリフェロン(Umbelliferone)、4−メチルウンベリフェロン(4-Methylumbelliferone)は、セリ科のピュースダナム・ウォロンゲンゼ(Peucedanum wulongense)に含有されている。エスクレチン(Esculetin)、エスクリン(Esculin)はセイヨウトチノキ(Alsculus hippocastanum)に含有されている。これらを含水エタノールなどで抽出し、溶媒を除去することにより、クマリン及び/又はクマリン類似物質を高濃度に含有する抽出物が得られ、かかる抽出物を本発明の皮膚外用剤に含有させることが出来る。この製造例を以下に示す。これらのクマリン及び/又はクマリン類似物質は、前記ソフォラフラバノンGとともに働いて、暴走している炎症因子を鎮静させ、炎症の悪循環を絶ち、生体の傷害累積を予防する作用を発揮する。クマリン及び/又はクマリン類似物質の含有量が、0.001質量%未満の場合にはこの様な作用が発揮されない場合が存し、0.1質量%を越えると効果が頭打ちになる場合が存する。
<製造例2>
セイヨウトチノキの果皮100gに30%エタノール水溶液1lを加え、90℃の水浴上で3時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、濾過により不溶物を除去し、減圧濃縮した後48時間凍結乾燥した。出来たアモルファスに50mlの1,3−ブタンジオールを加えて可溶化し、エキス液1とした。このものを高速液体クロマトグラフィー(ODSカラム4.6mm×150mm、25%アセトニトリル水溶液、カラム温度40℃、紫外部220nmで検知、流速1ml/分、定量は絶対検量線)で分析したところ、2.8質量%のエスクリンを含有していた。
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分含有し、高線量の紫外線照射によって誘起される、持続的に悪循環を重ねる炎症を抑え、高線量の紫外線照射によって起こる炎症による傷害をより軽微なものにする作用を有する。この様な効果により、炎症の長期化によって生ずる、炎症因子を原因とする、生体攻撃反応を軽度に抑えることが出来、生体ダメージを軽微なものにすることが出来る。本発明の皮膚外用剤に於いては、前記の必須成分以外
に、紫外線障害に対して使用される有効成分を含有することが好ましく、該有効成分としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エラグ酸、トラネキサム酸、アルブチン等のメラニン産生抑制剤や、インドメタシン、ケトプロフェン、グリチルリチン酸及び/又はその塩、グリチルレチン酸及び/又はそのエステル等の抗炎症剤などが好適に例示できる。前記メラニン産生抑制剤としては、アスコルビン酸の誘導体がより好ましく、抗炎症剤としてはグリチルリチン酸及び/又はその塩、グリチルレチン酸及び/又はそのアルキルエステルがより好ましい。これは高線量の紫外線照射でも安定であり、且つ、安全であるためである。
本発明の皮膚外用剤に用いることの出来るアスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸リン酸エステルとその塩、アスコルビン酸−2−グルコシドのようなアスコルビン酸の配糖体及びその塩などが好適に例示できる。これらの塩としては、通常医薬部外品、化粧料、皮膚外用医薬などで使用されているものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかる塩は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於いて、アスコルビン酸の誘導体として好ましいものは、アスコルビン酸−2−グルコシド及び/又はその塩が例示できる。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかるアスコルビン酸の誘導体の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。これは、少なすぎるとアスコルビン酸類のメラニン産生抑制作用が損なわれる場合が存し、多すぎても効果が頭打ちになる場合が存するからである。又、アスコルビン酸類は、活性酸素を消去する作用を有するため、炎症因子を鎮静させたり、炎症因子によって放出された活性酸素により生体が傷害を受けるのを予防する作用も有する。
本発明の皮膚外用剤に於いては、本発明の効果をより明確にさせることが出来ることから、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有することが好ましい。かかる成分は、医薬部外品の有効成分として知られている成分であり、グリチルリチン酸及び/又はその塩としては、グリチルリチン酸ジカリウムが好ましく、グリチルレチン酸アルキル及び/又はその塩としては、グリチルレチン酸ステアリルが好ましい。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.05〜0.5質量%である。このものを含有させることにより、日焼け直後などに本発明の皮膚外用剤を投与した場合に於いて、より速やかに炎症を抑え、予後をよりよくし、色素沈着などの悪化の予防効果が増大する。
本発明の皮膚外用剤に於いては、前記の成分以外に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。これらを常法に従って処理することにより、本発明の皮膚外用剤は製造することが出来る。
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である医薬部外品(乳液:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ秤取り、80℃に加熱し、攪拌下イに徐々にロを加えて乳化し、更に続けてハを加え中和し、攪拌冷却し、乳液1を得た。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1質量%
ロ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.5質量%
(ソフォラフラバノンG0.19質量%)
製造例2のエキス液1 0.1質量%
(エスクリン0.0028質量%)
セイヨウノコギリソウエキス 0.5質量%
アルニカエキス 0.4質量%
ハ)
水 16.5質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
<試験例1>
乳液1について、5名のパネラーを用い、その効果を調べた。即ち、パネラーの背部に6つの2cm×3cmの大きさの部位を作成し、その内の1カ所は無処置対照とし、1カ所は照射対照とした。のこる4カ所をサンプル投与部位とし、サンプルとしては、乳液1、乳液1の製造例1のアモルファスを水に置換したもの(比較例1)、乳液1の製造例2のエキス液1を水に置換したもの(比較例2)及び乳液1の製造例1のアモルファスと製造例2のエキス液1を水に置換したもの(比較例3)とを調整して用いた。無処置対照を除く5部位は、予め測定しておいた最少紅斑容量(MED)の3倍の紫外線(光源:SEランプ)を照射し、照射後30分にサンプル0.05mlを投与した。照射対照部位はサンプルの投与は行わなかった。以後、1日1回サンプルを14日間投与し、照射後15日に測色し、角層細胞を粘着テープで採取し、ゲンチアナバイオレットで染色し角層面積を計測した。色差は無処置部位に対する色差(ΔE)として求めた。結果を表1に示す。これより、本発明の皮膚外用剤では、炎症が速やかに鎮静し、肌状態も正常に戻っていることが判る。
Figure 0004136997
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液2(医薬部外品:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成した。試験例1と同様に評価したところ、表2に示す結果が得られた。これより、本発明の皮膚外用剤に於いて、クマリン類似物質及び/又はその塩の好ましい含有量は0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.002〜0.8質量%であることが判る。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1質量%
ロ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.5質量%
(ソフォラフラバノンG0.19質量%)
製造例2のエキス液1 0.05質量%
(エスクリン0.0014質量%)
セイヨウノコギリソウエキス 0.5質量%
アルニカエキス 0.4質量%
ハ)
水 16.55質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Figure 0004136997
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液3(医薬部外品:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成した。試験例1と同様に評価したところ、表3に示す結果が得られた。これより、本発明の皮膚外用剤に於いて、ソフォラフラバノンG及び/又はその塩の好ましい含有量は、0.0〜1質量%であることが判る。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1質量%
ロ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.1質量%
(ソフォラフラバノンG0.05質量%)
製造例2のエキス液1 0.1質量%
(エスクリン0.0028質量%)
セイヨウノコギリソウエキス 0.5質量%
アルニカエキス 0.4質量%
ハ)
水 16.9質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Figure 0004136997
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液4〜11(医薬部外品:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成した。試験例1と同様に、パネラー1名で、評価したところ、表4に示す結果が得られた。クマリン及び/又は前記したクマリン類似物質には同様の作用があることが判る。又、その由来を問わないことも判る。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1質量%
ロ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.5質量%
(ソフォラフラバノンG0.19質量%)
表4記載のクマリン及び/又はクマリン類似物質 0.03質量%
セイヨウノコギリソウエキス 0.5質量%
アルニカエキス 0.4質量%
ハ)
水 16.57質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Figure 0004136997
本発明は、紫外線ケア用の皮膚外用剤に応用できる。

Claims (4)

  1. 1)ソフォラフラバノンG(Sophoraflavanone G)及び/又はその塩0.0〜1質量%と、2)クマリン(Coumarin)及び/又は4−ヒドロキシクマリン(4-Hydroxycoumarin)、ダフネチン(Daphnetin)、スコポレチン(Scopoletin)、ウンベリフェロン(Umbelliferone)、4−メチルウンベリフェロン(4-Methylumbelliferone)、エスクレチン(Esculetin)及びエスクリン(Esculin)から選択されるクマリン類似物質0.001〜0.1質量%とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
    Figure 0004136997
    ソフォラフラバノンG
    Figure 0004136997
    クマリン
    Figure 0004136997
    4−ヒドロキシクマリン
    Figure 0004136997
    ダフネチン
    Figure 0004136997
    スコポレチン
    Figure 0004136997
    ウンベリフェロン
    Figure 0004136997
    4−メチルウンベリフェロン
    Figure 0004136997
    エスクレチン
    Figure 0004136997
    エスクリン
  2. 更に、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド及びそれらの塩から選択されるアスコルビン酸の誘導体を含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 更に、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を0.05〜0.5質量%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記皮膚外用剤が抗炎症剤であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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