JP4471722B2 - 夏用の皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、医薬部外品に好適な皮膚外用剤に関する。
アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド或いはそれらの塩は、化粧料分野に於いては、安全性の極めて高いメラニン産生抑制剤として、主として医薬部外品の分野で使用されている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、これらの主たる作用機作はアスコルビン酸構造によるものであり、アスコルビン酸の薬効がその上限となっている。確かにアスコルビン酸は、使用歴が長い美白剤であり、その有効性も良く知られているが、アスコルビン酸では対応できない色素異常症が多数存在することも確かである。例えば、炎症に引き続いて生じる色素沈着に対しては、アスコルビン酸類は有効性が低いと言われている。その一方、美白剤の分野に於いては、例えば、BSE等の懸念の否定できないプラセンタエキス、発癌性の懸念が存し、使用が制限されているコウジ酸の如く、安全性の問題との絡みが多く、安全性に優れるアスコルビン酸類の美白作用を高めることは有意義なことと認識されている。この様な背景から、種々の生薬エキスとアスコルビン酸類を組み合わせて、アスコルビン酸類の美白作用を高める試みが為されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。しかしながら、これらの技術においても充分にアスコルビン酸の美白効果を高めることは出来ていない。又、本発明の必須構成要素であるセンタウレイジンの基源となりうる植物の抽出物とアスコルビン酸類との組合せも知られている(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)。しかしながら、この様な技術でも充分にアスコルビン酸の美白効果を高めることは出来ない。尚、センタウレイジンは、文献公知の化合物であり、ヤグルマソウ等の種々のキク科の植物の植物体に含有されることは既に知られている(例えば、非特許文献2、非特許文献3を参照)。又、マメ科クジンとアスコルビン酸類を組み合わせる技術も既に知られている(例えば、特許文献8、特許文献9、特許文献10を参照)。この様な技術においても、充分にアスコルビン酸類の美白作用を充分に高めることは出来ない。尚、ソフォラフラバノンGについては、マメ科クジンに含有されていることが既に知られている。又、チロシナーゼ阻害作用を有していることも知られている(
例えば、非特許文献4を参照)。ソフォラフラバノンGについては、抗菌作用、α−MSH抑制作用等が存することが知られている(例えば、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14を参照)。
一方、皮膚外用剤において、1)マメ科クジン(Sophora flavescens)の抽出物中の成分であるソフォラフラバノンGと、2)ヤロー(Achilea millefolium)、ヤグルマソウ(Centaurea cyanus)、タンジー(Tanacetum parthenium)、ロシアヤグルマギク(Acroptilon repens)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、マカ(Lepidium meyenii)及びステビア(Eupatorium rebaudianum)から選択される1種又は2種以上の抽出物中の成分であるセンタウレイジンと、3)アスコルビン酸及び/又はその誘導体とを含有するものは、全く知られていないし、この様な構成により、アスコルビン酸類のメラニン産生抑制効果が著しく高められることも知られていない。
特開2003−300858号公報 特開2003−160461号公報 特開2003−95951号公報 特開2004−75764号公報 特開2002−128682号公報 特開2002−60336号公報 特開2002−128650号公報 特開2003−95852号公報 特開2001−220347号公報 特開平08−73372号公報 特開平08−73364号公報 特開2000−44481号公報 特開2001−220347号公報 特開2003−95852号公報 武田克之ら監修「化粧品の有用性」薬事日報社2001年3月31日刊 Katerina V. et. al. , Biomed. Papers, 147(2), 119-130, 2003 Frank R. Stermitz et. al. , Phytochemistry64(2003), 493-497 Soo J. Kim et. al. , Biol., Pharm., Bull., 26(9), 1348-1350, (2003)
本発明は、この様な状況下為されたものであり、アスコルビン酸類のメラニン産生抑制効果を充分に高める技術を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、アスコルビン酸類のメラニン産生抑制効果を充分に高める技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)マメ科クジン(Sophora flavescens)の抽出物中の成分であるソフォラフラバノンGと、2)ヤロー(Achilea millefolium)、ヤグルマソウ(Centaurea cyanus)、タンジー(Tanacetum parthenium)、ロシアヤグルマギク(Acroptilon repens)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、マカ(Lepidium meyenii)及びステビア(Eupatorium rebaudianum)から選択される1種又は2種以上の抽出物中の成分であるセンタウレイジンと、3)アスコルビン酸及び/又はその誘導体とを含有する皮膚外用剤が、その様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)ソフォラフラバノンG(Sophoraflavanone G)及び/又はその塩0.01〜1質量%と、2)センタウレイジン(Centaureidine)及び/又はその塩0.001〜1質量%と、3)アスコルビン酸及び/又はその誘導体とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
Figure 0004471722
ソフォラフラバノンG
Figure 0004471722
センタウレイジン
(2)前記ソフォラフラバノンG、マメ科クジン(Sophora flavescens)のアルコール抽出物を、酢酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を濃縮した後、シリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画物として含有することを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)前記センタウレイジンを、ヤロー(Achilea millefolium)、ヤグルマソウ(Centaur
ea cyanus)、タンジー(Tanacetum parthenium)、ロシアヤグルマギク(Acroptilon repens)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、マカ(Lepidium meyenii)及びステビア(Eupatorium rebaudianum)から選択される1種又は2種以上のアルコール抽出物を、酢酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を濃縮した後、シリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画物として含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体が、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド及びその塩から選択される1又は2種以上であることを特徴とする、(1)〜(3)何れかに記載の皮膚外用剤。
(5)更に、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、(1)〜(4)何れかに記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、アスコルビン酸類のメラニン産生抑制効果を充分に高める技術を提供することができる。
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるソフォラフラバノンG
本発明の皮膚外用剤は、ソフォラフラバノンG及び/又はその塩を含有することを特徴とする。フォラフラバノンG及び/又はその塩0.01〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%含有される。ソフォラフラバノンGは、クジンの植物体の乾燥物1g中に、10〜50mgが含有されており、水などを抽出溶媒に使用するとこの成分は溶出しにくく、通常エタノールなどで抽出を行い、溶媒を除去すると0.01〜0.05質量%のソフォラフラバノンGを含有するアモルファスが得られる。かかる抽出物を酢酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を濃縮することにより、0.1〜1質量%のソフォラフラバノンGを含むアモルファスが得られる。更に、このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒クロロホルム、クロロホルム・メタノール混液)で分画精製することにより、ソフォラフラバノンGを30〜50質量%含有する分画を得ることが出来る。クジンからエタノールで抽出を行うにあたり、使用する植物体の部位としては、根茎が特に好ましく例示できる。抽出は、植物体を細切等して、細かくし、これに1〜10質量倍の溶媒を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間、適宜攪拌を加えて浸漬すればよい。その後、室温まで冷却し、所望により濾過で不溶物を除去した後、減圧濃縮することにより、アモルファスが得られる。このものの分画精製にあたっては、その状況を薄層クロマトグラフィー等でチェックしながら行うことが好ましく、このものは展開溶媒をクロロホルム(95容量部)とメタノール(5容量部)の混液とした場合、Rf0.1程度のところにスポットして現れる。
<製造例1>
マメ科クジンの根茎の乾燥物1gを細切し、これに10lのエタノールを加え、3時間、攪拌下、加熱還流し、室温まで冷却後、減圧濃縮した。このものに2lの水と2lの酢酸エチルとを加え、可溶化し、液液抽出を行った。酢酸エチル相を取り、濃縮し、105gのアモルファスを得た。このものの中に含まれるソフォラフラバノンGを定量したと
ころ、0.9質量%であった(ODSカラム4.6mm×150mm、カラム温度40℃、溶出溶媒30%アセトニトリル水溶液、流速1ml/分、検知紫外部220nm、標準物質を用いた絶対検量線による定量)。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、クロロホルム・メタノール混液を溶出溶媒)で精製したところ、38質量%のソフォラフラバノンGを含有するアモルファスが1.2g得られた。
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるセンタウレイジン
本発明の皮膚外用剤は、センタウレイジンを含有することを特徴とする。センタウレイジン(Centaureidine)及び/又はその塩0.001〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%含有される。センタウレイジンはキク科の植物全般にわたって、その植物体に極少量含有されるイソフラバノンであるが、ヤロー(Achilea millefolium)、ヤグルマソウ(Centaurea cyanus)、タンジー(Tanacetum parthenium)、ロシアヤグルマギク(Acroptilon repens)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、マカ(Lepidium meyenii)或いはステビア(Eupatorium rebaudianum)に比較的高濃度含有される。その含有される割合は、本発明者の検討によれば、植物体1gあたり1〜3mgである。これらの植物体より、本発明の皮膚外用剤に好適な量のセンタウレイジンを含有する分画を得るためには、キク科の植物をエタノールやイソプロパノールなどのアルコールを溶媒として抽出し、アルコール抽出物を得、これより溶媒を除去した後、残査を酢酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を取り、これを濃縮した後、シリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーで分画精製することが好ましく例示できる。前記アルコール抽出は、植物体乃至はそれを細切等した加工物1質量部に、溶媒1〜20質量部を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間、所望により、攪拌などを加え、浸漬し、濾過などにより不溶物を除去した後、減圧溜去等により濃縮すれば良い。この様な抽出物の溶媒除去物には、0.0003〜0.003質量%のセンタウレイジンを含有する。かかる抽出物の溶媒除去物を酢酸エチルと水とで液液抽出を行い、酢酸エチル相を取り、これより溶媒を除去することにより、センタウレイジンを0.02〜0.1質量%含有する分画を得ることが出来る。更に、このものをシリカゲルを充填したカラムにチャージし、クロロホルム、クロロホルムとメタノールの混合液(クロロホルム:メタノール=99:1→70:30)で1mlずつ画分を取りながら溶出させ、分画を薄層クロマトグラフィーで確認し、シリカゲル薄層クロマトグラフィーで、展開溶媒をクロロホルムに用い、Rfが0.15程度のスポットの分画を集め、溶媒を溜去すると、センタウレイジンを8〜15質量%含有する分画が得られる。分画中のセンタウレイジン量は、HPLC(ODSカラム4.6mm×150mm、カラム温度40℃、溶出溶媒40%アセトニトリル水溶液、流速1ml/分、検知紫外部220nm)で標準物質を用いた絶対検量線法により定量出来る。以下に、製造例を示す。
<製造例2>
ヤローの地上部の乾燥物5kgを細切し、これに10lのエタノールを加え、攪拌下3時間加熱還流し、室温まで冷却した後、濾過して不溶物を除去し、減圧濃縮し、アモルファス状の抽出物527gを得た。このものをHPLCで分析したところ、0.019質量%のセンタウレイジンを含有することが判明した。このものに、2lの酢酸エチルと2lの水を加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相を取り、減圧溜去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、クロロホルム・メタノール混液を溶出溶媒)で精製したところ、12質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファスを7.8g得た。
<製造例3>
ヤローをヤグルマソウに変え、製造例2と同様に処理し、14質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファスを2.5g得た。
<製造例4>
ヤローをタンジーに変え、製造例2と同様に処理し、11質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファスを1.1g得た。
<製造例5>
ヤローをロシアヤグルマギクに変え、製造例2と同様に処理し、15質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファスを0.9g得た。
<製造例6>
ヤローをヤーコンの根茎に変え、製造例2と同様に処理し、10質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファスを1.3g得た。
<製造例7>
ヤローをステビアの根茎に変え、製造例2と同様に処理し、9質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファスを1.6g得た。
(3)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるアスコルビン酸類
本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸及び/又はその誘導体とを含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤に用いることの出来るアスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸の塩、アスコルビン酸リン酸エステルとその塩、アスコルビン酸−2−グルコシドのようなアスコルビン酸の配糖体及びその塩などが好適に例示できる。これらの塩としては、通常医薬部外品、化粧料、皮膚外用医薬などで使用されているものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかる塩は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於いて、アスコルビン酸及びその誘導体として好ましいものは、アスコルビン酸−2−グルコシド及び/又はその塩が例示できる。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかるアスコルビン酸及び/又はその誘導体の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。これは、少なすぎるとアスコルビン酸類のメラニン産生抑制作用が損なわれる場合が存し、多すぎても効果が頭打ちになる場合が存するからである。
(4)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分含有し、アスコルビン酸類のメラニン産生抑制作用を高め、炎症に伴う色素異常をも著しく予防、改善する作用を有する。又、副次的効果として、炎症が鎮静した後、或いは、色素異常が改善された後、皮膚表面状態も著しく改善し、皮膚バリア機能が改善し、経皮的水分散逸量の増加が抑制される。本発明の皮膚外用剤に於いては、本発明の効果をより明確にさせることが出来ることから、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有することが好ましい。かかる成分は、医薬部外品の有効成分として知られている成分であり、グリチルリチン酸及び/又はその塩としては、グリチルリチン酸ジカリウムが好ましく、グリチルレチン酸アルキル及び/又はその塩としては、グリチルレチン酸ステアリルが好ましい。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.05〜0.5質量%である。このものを含有させることにより、日焼け直後などに本発明の皮膚外用剤を投与した場合に於いて、より速やかに炎症を抑え、予後をよりよくし、色素沈着などの悪化の予防効果が増大する。
本発明の皮膚外用剤に於いては、前記の成分以外に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。これらを常法に従って処理することにより、本発明の皮膚外用剤は製造することが出来る。
かくして得られた本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸類の持っているメラニン産生抑制作用がより高められており、炎症後に生じる色素異常をも改善できる。本発明の皮膚外用剤は、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬の何れにも適用できるが、アスコルビン酸類が、医薬部外品のメラニン産生抑制作用を発揮する成分としての有効成分に分類されていることから、医薬部外品に適用することが好ましい。これは、医薬部外品に於ける、使用態様を明確に表示し、又、使用者がその使用態様を明確に意識する状況下で使用する形態が、その効果発現に特に好ましいからである。又、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上も含有する場合には、これらの抗炎症作用に起因する、医薬部外品の有効成分としての性格を利用して、抗炎症作用の医薬部外品とすることも可能であり、好ましい。即ち、本発明の皮膚外用剤は、表示に於いて、メラニン産生を抑制する作用及び/又は炎症を鎮める作用を訴求した医薬部外品である旨の表示と、その使用方法に於いて、適量を取り、シミや色素沈着の気になる部位、或いは、軽い炎症のある部位にカット綿などに含ませ、それを軽く擦過、押し当て動作により、塗布して使用される旨と、前記塗布により、シミや色素沈着を改善する旨、或いは、炎症を鎮める旨の表示と、前記操作により、ひりひり感や火照り感を感じた場合には直ちに使用を止める旨の表示を構成としている医薬部外品に適用することが好ましい。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である医薬部外品(乳液:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ秤取り、80℃に加熱し、攪拌下イに徐々にロを加えて乳化し、更に続けてハを加え中和し、攪拌冷却し、乳液1を得た。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1質量%
ロ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.5質量%
(ソフォラフラバノンG0.19質量%)
製造例2のアモルファス 0.5質量%
(センタウレイジン0.06質量%)
ハ)
水 17 質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
<試験例1>
乳液1について、5名のパネラーを用い、色素沈着抑制効果を調べた。即ち、背部に2cm×3cmの部位を6つ作成し、予め求めておいたMED(最少紅斑形成照射量)の3倍の紫外線(光源:SEランプ)を照射し、照射後5分に検体を塗布した。その後、1日1回、全14回塗布を行った。検体としては、乳液1、乳液1の製造例1のアモルファスを水に置換した比較例1、乳液1の製造例2のアモルファスを水に置換した比較例2、乳液1の製造例1のアモルファスと製造例2のアモルファスとを水に置換した比較例3を用いた。その他に照射のみを行う照射コントロールと、照射も検体投与も行わない無処置コントロールも設けた。最終処置の7日後に部位の色と経皮的散逸水分量(TEWL)とストリッピング法により採取した角層細胞の平均面積とを測定した。結果を表1に示す。尚、色差は無処置コントロールの部位に対するΔL値として測定した。この表より、本発明の皮膚外用剤では、ソフォラフラバノンGとセンタウレイジンの併用効果により、アスコルビン酸類の美白効果が著しく増強していることが判る。又、副次的効果としてこれらの組合せの効果により、角層細胞の面積が増大し、バリア機能が向上していることが判る。
Figure 0004471722
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液2〜6(医薬部外品:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成し、試験例1に準じて評価を行った。結果を表2に示す。製造例3〜7のアモルファスを用いても、製造例2のアモルファスと同様の効果が存することが判る。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1質量%
ロ)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.5質量%
(ソフォラフラバノンG0.19質量%)
表2のアモルファス 0.5質量%
ハ)
水 17 質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Figure 0004471722
Figure 0004471722
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液7(医薬部外品:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成し、試験例1に準じて評価を行った。結果を表4に示す。センタウレイジンの好ましい含有量は0.001質量%以上であることが判る。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
ロ)
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.5質量%
(ソフォラフラバノンG0.19質量%)
製造例2のアモルファス 0.01質量%
(センタウレイジン0.001質量%)
ハ)
水 17.49質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Figure 0004471722
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液8(医薬部外品:抗炎症作用とメラニン産生抑制作用を訴求)を作成し、試験例1に準じて評価を行った。結果を表5に示す。ソフォラフラバノンGの好ましい含有量は0.01質量%以上であることが判る。
イ)
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
ロ)
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 5 質量%
水 50 質量%
アスコルビン酸−2−グルコシド 2 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
製造例1のアモルファス 0.03質量%
(ソフォラフラバノンG0.01質量%)
製造例2のアモルファス 0.5質量%
(センタウレイジン0.06質量%)
ハ)
水 17.47質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Figure 0004471722
本発明は、抗炎症或いはメラニン産生抑制を訴求した医薬部外品に好適に適用される。

Claims (5)

  1. 1)ソフォラフラバノンG(Sophoraflavanone G)及び/又はその塩0.01〜1質量%と、2)センタウレイジン(Centaureidine)及び/又はその塩0.001〜1質量%と、3)アスコルビン酸及び/又はその誘導体とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
    Figure 0004471722
    ソフォラフラバノンG
    Figure 0004471722
    センタウレイジン
  2. 前記ソフォラフラバノンG、マメ科クジン(Sophora flavescens)のアルコール抽出物
    酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を濃縮した後、シリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画物として含有することを特徴とする、請求項に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記センタウレイジンを、ヤロー(Achilea millefolium)、ヤグルマソウ(Centaurea cyanus)、タンジー(Tanacetum parthenium)、ロシアヤグルマギク(Acroptilon repens)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、マカ(Lepidium meyenii)及びステビア(Eupatorium rebaudianum)から選択される1種又は2種以上のアルコール抽出物を酢酸エチルと水で液液抽出し、酢酸エチル相を濃縮した後、シリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画物として含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体が、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド及びその塩から選択される1又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 更に、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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