JP2005343864A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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【解決手段】 8−プレニルナリンゲニンおよび/またはその塩、ならびに4−n−ブチルレゾルシノールおよび/またはその塩を含む皮膚外用剤であって、8−プレニルナリンゲニンおよび/またはその塩の含有率が0.01〜10質量%、4−n−ブチルレゾルシノールおよび/またはその塩の含有率が0.1〜1質量%である皮膚外用剤。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、8−プレニルナリンゲニンがメラニン産生に対する作用を有することは知られていない。さらに、8−プレニルナリンゲニンを、4−n−ブチルレゾルシノールと組み合わせる技術、およびかかる組合せにより、4−n−ブチルレゾルシノールのメラニン産生抑制作用が向上されることも知られていない。
前記8−プレニルナリンゲニンおよび/またはその塩の含有率が皮膚外用剤全量に対して0.01〜10質量%であって、かつ前記4−ブチルレゾルシノールおよび/またはその塩の含有率が皮膚外用剤全量に対して0.1〜1質量%であることを特徴とする皮膚外用剤。
1)ホップの花蕾の極性有機溶媒抽出物を、ブタノールと水により液−液抽出するステップ、および
2)前記液−液抽出により得られたブタノール抽出物を、シリカゲルを担体とするクロマトグラフィーによって分画、精製するステップ
を含む方法により得られた8−プレニルナリンゲニンおよび/またはその塩が配合されたことを特徴とする皮膚外用剤。
(3) さらに、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを含有することを特徴とする、(1)
または(2)に記載の皮膚外用剤。
(4) 前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルが、ヘキサグリセリンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする、(3)に記載の皮膚外用剤。
(5) メラニン産生を抑制する作用を訴求したものであることを特徴とする、(1)〜(4)の何れかに記載の皮膚外用剤。
(6) メラニン産生を抑制するための医薬部外品であることを特徴とする、(1)〜(5)の何れかに記載の皮膚外用剤。
(7) メラニン産生を抑制する作用を有する医薬部外品である旨の表示を付されていることを特徴とする、(1)〜(5)の何れかに記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤の必須成分である8−プレニルナリンゲニンまたはその塩は、上記構造式(I)で表される構造を有する化合物またはその塩であり、合成されたものでも天然に存在するものでもよい。
例えば該花蕾をエタノールで抽出した場合には、得られる抽出物の溶媒を除去しても、溶媒除去後の抽出物中の8−プレニルナリンゲニンの濃度は0.001質量%程度である。そのため、後述する所望の量の8−プレニルナリンゲニンを本発明の皮膚外用剤に含有させるためには、前記花蕾の極性有機溶媒(例えばエタノール)による抽出物を分画、精製することで、8−プレニルナリンゲニンの濃度を上げる必要がある。
1.極性有機溶媒(例えばアルコール、好ましくはエタノール)で、ホップの花蕾から8−プレニルナリンゲニンを抽出する。例えば該抽出は、ホップの花蕾に極性有機溶媒を加え、それを加熱(好ましくは加熱還流)することで行うことができる。該抽出に用いられる極性有機溶媒の量は、ホップの花蕾(質量)に対して1質量倍〜l0質量倍であることが好ましい。該抽出後、濾過により不溶物を除去し、さらに溶媒を除去することが好ましい。
2.前記溶媒を除去して得られる残渣(アモルファス状であり得る)を、水とn−ブチルアルコールで液−液抽出する。液−液抽出に用いられる水とn−ブチルアルコールの量は、ホップの花蕾(1Kg)に対して、それぞれ300〜1000mlであることが好ましい。該液−液抽出により得られたn−ブチルアルコール相は、好ましくは溶媒を除去される。
3.得られる残渣を、シリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーで分画、精製する。かかるカラムクロマトグラフィーの好ましい溶出溶媒としては、例えば、塩化メチレンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;イソプロピルエーテル等のエーテル類等を主として、適宜アルコールを混合させた溶媒が好ましい。
また必要に応じて、さらに、シダイアイオンHPー20(三菱化成株式会社製)等のイオン交換樹脂を充填したカラムを用いて、含水メタノール等を溶出溶媒として再度、分画、精製することもできる。
溶出状況を、薄層クロマトグラフィー(TLC)や、高速液体クロマトグラフィー(HPLC;カラム:ODS4.6×150〜250mm、カラム温度:30〜40℃、流速:0.8〜1.2ml/分、検知:紫外部220nm)で適宜チェックすることが好ましい。
8−プレニルナリンゲニンが溶出された分画を収集し、好ましくは溶媒を除去することで8−プレニルナリンゲニンを得ることができる。
本発明の皮膚外用剤の必須成分である、4−n−ブチルレゾルシノールまたはその塩は、上記構造式(II)で表される構造を有する化合物またはその塩であり、合成されたものでも天然に存在するものでもよい。
塩酸で還元する方法、2)レゾルシンとn−ブチルアルコールとを200〜400℃の高温下で縮合させる方法、3)その他の方法を用いて製造することができる。
本発明の皮膚外用剤は、前記した8−プレニルナリンゲニンおよびその塩の一方または両方、ならびに4−ブチルレゾルシノールおよびその塩の一方または両方を含有する。8−プレニルナリンゲニンおよびその塩の一方または両方、ならびに4−ブチルレゾルシノールおよびその塩の一方または両方のいずれについても、一種を単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
任意成分のうち、特に好ましいものとしては、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを挙げることができる。ポリグリセリンの脂肪酸エステルの中でも、重合度4〜15のポリグリセリンの脂肪酸エステルが好ましく、ヘキサグリセリンの脂肪酸エステルが特に好ましい。また、ポリグリセリンの脂肪酸エステルのエステル化度は、界面活性能力の点から一分子あたり平均1〜3個の脂肪酸残基を有するものが好ましい。かかる脂肪酸残基としては、炭素数10〜18の基が好ましく、炭素数12のラウリン酸残基が特に好ましい。最も
好ましいポリグリセリンの脂肪酸エステルとして、ヘキサグリセリンモノラウレートを挙げることができる。
ポリグリセリンの脂肪酸エステルの好ましい含有率は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜5質量%である。ポリグリセリンの脂肪酸エステルを含有させることにより、皮膚外用剤を日焼けした肌に対する刺激感を低減させることができ、また該皮膚外用剤に含有される油性成分を乳化または可溶化させることができる。
本発明の皮膚外用剤は、ポリグリセリンの脂肪酸エステルの一種を単独で含有することもできるし、二種以上の組み合わせを含有することもできる。
炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級アルコール類としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられ、
合成エステル油類としては、バチルアルコールやセラキルアルコール等のアルキル(アルケニル)グリセリルエーテル類、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等が挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性
剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)(ポリオキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等が挙げられる。
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸−メタクリル酸アルキルコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
無機顔料類としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられ、これらは表面を処理されていてもよい。
パール剤類としては、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等が挙げられ、これらは表面を処理されていてもよい。
有機色素類としては、赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が挙げられ、これらはレーキ化されていてもよい。
有機粉体類としては、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。
。
また、本発明の皮膚外用剤(好ましくは医薬部外品)には、使用方法が表示されていてもよい。例えば、該外用剤を適量取り、カット綿等に含ませて、それをシミや色素沈着の気になる部位に軽く擦過、押し当てることにより塗布して使用されるものである旨が、該化粧料のパッケージ上に記載される、またはその旨の説明書が添付されていることができる。また、該塗布によりシミや色素沈着が改善される旨の表示が付されていてもよい。
あるいは、本発明の化粧料を使用(皮膚に塗布して使用)する上での注意書が表示され
ていてもよい。例えば、塗布することによりひりひり感や火照り感を感じた場合には直ちに使用を止める旨を表示することもできる。
ホップの花蕾10kgにエタノール30lを加え、2時間加熱還流し、室温まで放冷した後、濾過により不溶物を除去し、濾液を減圧濃縮してアモルファスを得た。
このものに300mlの水、および300mlのn−ブチルアルコールを加えて、良く振とうして溶かし、分液ロートに移して、液−液抽出を行った。その後、得られたブチルアルコール層を減圧濃縮した。この減圧濃縮により得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;イソプロピルエーテル:メタノール=100:0→50:50)を行い、溶出液を1mlずつ分画して精製した。8−プレニルナリンゲニンの溶出状況をTLCで確認した。8−プレニルナリンゲニンを含む分画を全てあわせて、溶媒を除去した。
得られた残渣を、ダイアイオンHP−20を充填したカラムで、溶出溶媒として水−メタノール混液系を用いて、水からメタノールまで濃度勾配をかけて徐々に溶出させ、溶出液を1mlずつ分画して精製した。8−プレニルナリンゲニンの溶出部分の溶媒を減圧溜去して、9mgの8−プレニルナリンゲニンを得た。
下記表1に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳化タイプの高粘度エッセンス1を作製した。エッセンス1は化粧料または医薬部外品として用いることができる。
最後の塗布が終了してから24時間後に、各照射部位(4部位)の色と非照射コントロール部位との色差を色差計で測定した。この結果を表3に示す。
さらに、各照射部位の肌の肌理をビデオマイクロスコープで観察し、下記表2の観察所見に従って評価した。この評価結果も表3に示す。
また、エッセンス1の肌理の荒れを整える効果も、比較例1および比較例2と比較して有意に高いことがわかる。これは4−n−ブチルレゾルシノール単独の効果と、8−プレニルナリンゲニン単独の効果から予想される相加的な効果を、大幅に上回る効果である。
実施例1と同様に、下記表4の処方に従って、エッセンス1の作製と同様の手順でエッセンス2を作製した。エッセンス2は化粧料として用いることができる。また、エッセンス2の処方成分ハ)の8−プレニルナリンゲニンエタノール溶液をエタノールに置換し、
エッセンス2と同様に比較例3を作製した。これらの色素沈着の改善効果および肌理の荒れを整える効果について、6名のパネラーを用いて、実施例1と同様に評価した。結果を表5に示す。
実施例1と同様に、下記表6の処方に従って、エッセンス1の製造と同様の手順でエッセンス3を作製した。エッセンス3は、化粧料または医薬部外品として用いることができる。また、エッセンス3の処方成分イ)の4−n−ブチルレゾルシノールを水に置換した比較例4をエッセンス3と同様に作製した。これらの色素沈着の改善効果および肌理の荒れを整える効果について、6名のパネラーを用いて、実施例1と同様に評価した。結果を
表7に示す。
Claims (7)
- 請求項1に記載の皮膚外用剤であって、
1)ホップの花蕾の極性有機溶媒抽出物を、ブタノールと水により液−液抽出するステップ、および
2)前記液−液抽出により得られたブタノール抽出物を、シリカゲルを担体とするクロマトグラフィーによって分画、精製するステップ
を含む方法により得られた8−プレニルナリンゲニンおよび/またはその塩が配合されたことを特徴とする皮膚外用剤。 - さらに、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の皮膚外用剤。
- 前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルが、ヘキサグリセリンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項3に記載の皮膚外用剤。
- メラニン産生を抑制する作用を訴求したものであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
- メラニン産生を抑制するための医薬部外品であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
- メラニン産生を抑制する作用を有する医薬部外品である旨の表示を付されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
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