JP4136033B2 - ジョイントシール材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボックスカルバート等のコンクリート製品のジョイント部を止水するのに用いられるジョイントシール材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボックスカルバートなどのコンクリート製品は、これらを繋ぎ合わせて水路を形成する接続部や住宅用衛生陶器等と接続するような部分には、接続面をシールするジョイントシール材が用いられる。そして、止水性を高めるべく、シール材の少なくとも片面には一般的に粘着剤層が設けられている。
ただ、粘着剤層が存在するために、製品を位置合わせする際、シール材の粘着剤が相手物に付着してしまうことがあった。そして、相手物に粘着剤が一旦付着すると、位置合わせをやり直そうとしても、シール材が既に変形を起こしていることがあり、シール材を貼り直さねばならなくなっていた。
こうした事態を改善し、手軽に位置合わせ調整できるものとして、特開平7−82783号公報(従来技術1),特開平7−82785号公報(従来技術2),実開平3−92740号公報(従来技術3)等の技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術はいずれも問題をかかえていた。
従来技術1は、横糸が水溶性になっており、製品がセットされた初期に水に触れ溶ければよいが、長時間経過した後に溶けると、芯体に入っている発泡体の弾性力が低下し、横糸が溶けた空間がそのまま残り、ここから水を侵入させる虞れがあった。
また、従来技術2は、横糸部分が水の侵入をよぶ懸念があった。そして、従来技術1についてもいえることであるが、網状物を貼り付けているため、施工時に該網をひっかけて網が取れてしまったり、位置合わせ時に網がひっかかり、そのためにシール材が変形したりする虞れもあった。
従来技術3は、位置合わせ時に、発泡体が直接相手物に当たるため、強く圧縮した際に、発泡体が破損する可能性があった。そして、発泡体が破損すると、側面には粘着層がないため、漏水の虞れがあった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するもので、施工にあたっての支障がなく取扱いも簡単で、しかも、製品の位置合わせ時に粘着剤が相手物に付着し難い一方、製品のセット後においては安定したシール力を確保できるジョイントシール材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の本発明の要旨は、コンクリート製品のジョイント部を止水するのに用いられるジョイントシール材であって、粘着剤で所定厚みを有して断面をほぼ凹形にした長手方向等断面形状のシール本体(1)と、長手方向等断面形状で、該シール本体の凹形の窪み部(11)に、基部本体(2b)から括れ部(2c)を介して該基部本体よりも一回り小さなブロック部(2d)の下部までの基部(22)が埋設され、残りの該ブロック部の上端部がシール本体の上面中央より突出して露出部(21)を形成する発泡体(2)と、粘着剤で造られた前記シール本体(1)の底面部分に貼着される離型紙(3)と、を具備し、且つ前記露出部(21)の高さ(h)が1mm〜5mmの範囲で、該露出部(21)の上面幅(W1)が前記シール本体(1)の上面幅(W2)の1/10〜1/2の範囲内とし、前記離型紙が施工に先立ち剥がされるようにしたことを特徴とするジョイントシール材。
請求項2記載の発明のジョイントシール材は、請求項1で、露出部の上面(211)の中央を凹まし凹凸(212)をsつけ、さらに該露出部の両サイドのシール本体(1)に係る上面が外方に向けてせり上がる形状にすると共に該シール本体上面(12)よりも前記露出部(21)の高さ(h)を高く設定することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明のように、シール本体の上面より突出する露出部が形成されると、製品の位置合わせ時には、シール本体の粘着剤が相手物に付着し難くなる。
露出部(21)の高さ(h)が1mm〜5mmの範囲で、該露出部(21)の上面幅(W1)が前記シール本体(1)の上面幅(W2)の1/10〜1/2の範囲内とすると、シール本体より露出部が突出していても仮止め程度の位置調整で潰されて、シール本体の粘着剤が付着してしまったり、また最終施工時のシール段階でも露出部が抵抗になって粘着剤によるシール力が低下してしまったりすることが解消される。コンクリート製品のジョイント部の位置合わせでは、接続面が発泡体に当たってシール本体の粘着剤と接することがないので、簡単に離すことができ、やり直し調整になっても支障なく行える。また、ジョイント部分の位置合わせ調整でやり直しても、露出部がクッション性に富む弾性体からなるので、その部分が直ぐに復元し、シール材が変形することもない。
一方、製品のセット後の接合シール段階においては、接合力が露出部をシール本体に埋め込み、しかも、露出部自体も発泡体で造られているので収縮して、シール本体の粘着剤で確実にシールするようになる。シール段階では、ボックスカルバートの凸部が凹部に向けて進行し、接続面がまず露出部の上面に当たる。なおも、接合のため凸部が進行するので、露出部はその力に押され、自ら弾性収縮すると共に軟らかな粘着剤からなるシール本体の中へ押し込まれていく。更なる押しつけで、粘着剤が一層変形し、また、弾性を有するシール本体の変形も大きくなる。こうして接合シールを終え、施工が完了するが、シール本体を変形させ押し潰すことで、粘着剤によるシール性が高まる。コンクリート製品同士を押しつける接合シールする段階になると、押しつける接合力が露出部を弾性収縮させシール本体に埋め込むので、シール本体の粘着剤がコンクリート製品の接続面にピッタリと引っ付いてシールすることとなる。更に、押しつける接合力がシール本体を変形させるので、シール性能が一段と高まる。このとき、シール本体に埋め込まれた発泡体は弾性収縮しているため、この反力でもってシール機能を高める働きに貢献する。
加えて、シール材を設置箇所に置いた後、シール材を圧着固定するに際しては、平らで粘着性のない露出部上面が突出しているので、特に離型処理をしていないローラ,ハンマー等を用いて圧着固定作業できる。
さらに、シール本体の上面より突出して露出部を形成する発泡体と、粘着剤で造られた前記シール本体の底面部分に貼着される離型紙と、を備えると、シール材を設置箇所に貼り付ける際に、露出部と離型紙に覆われた下面を持って作業できるので、作業者の手が汚れず、便利になる。従来品だと、上下両面に離型紙等の離型性付与が必要であったが、本発明品ではシール本体上面から露出部が突出しているので、片面でよくなる。
また、基部本体(2b)から括れ部(2c)を介して該基部本体よりも一回り小さなブロック部(2d)の下部までの基部(22)が埋設されると、位置合わせでコンクリート製品を引き離す際に生じていたこれまでの不具合が解消される。位置合わせでコンクリート製品を引き離す際に、粘着剤と相手物との接合力が、粘着剤と発泡体との接合力に打ち勝ってシール本体と発泡体とが剥がれることがあるが、括れ部を設けると、斯る不具合が解消される。括れ部があると、仮止め後にやり直しをする場合、括れ部内に納まっている粘着剤がシール本体上部を引き寄せるので、一部が相手物にくっついてもシール材形状を保形したまま引き離すことができるようになる。
請求項2の発明のように、露出部(21)がシール本体の上面中央より突出し、且つ該露出部の両サイドのシール本体(1)に係る上面が外方に向けてせり上がる形状にすると、位置合わせ調整の仮止め時に、相手物への粘着剤の付着を少なくすることができるので、やり直しする際、より剥し易くなる。露出部の上面(211)の中央を凹まし凹凸(212)をつけると、露出部自身がパッキンとしての作用をもち、本施工時に粘着剤が相手物に当らない場合でも、ある程度の止水性をもたすことが可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳述する。
【0008】
(1)実施形態1
図1〜図6は、本発明に係るジョイントシール材(以下、単に「シール材」という。)の一形態で、図1はシール材の斜視図、図2は図1の横断面図、図3はボックスカルバートをジョイントシールする説明分解図、図4は図3のV−V線矢視図、図5,図6はジョイントシールする施工姿態を示す拡大図である。
【0009】
シール材Aは、その全体形状が細長の長尺体で、シール本体1と発泡体2と離型紙3とを具備する。
シール本体1は、粘着剤で所定厚みを有した長手方向等断面形状である。ここでは、断面をほぼ凹形にした長尺体としている(図1)。
シール本体1を形成する粘着剤は、室温,無溶剤の状態において粘着性を有するものである。粘着剤は、その成分から大別してゴム系,アクリル系,シリコーン系粘着剤に分類されるが、ここでは、ブチルゴムを主体とするゴム系粘着剤を使用する。ゴム系粘着剤としては、他に、天然ゴム,合成天然ゴム,スチレン−ブタジエンゴム,熱可塑性ゴム等でもよい。
【0010】
発泡体2は、長手方向等断面形状で、断面がほぼ台形になっている。該台形の上底部分が露出部21(後述)の上面211になる(図2)。発泡体2の断面中央には円孔25が設けられる。発泡体2は、スポンジゴムやウレタンフォーム等の発泡体2で造って弾性をもたせ、更に、上記円孔25の存在により弾性変形が一層し易い状態になっている。
発泡体2は、上記シール本体1の凹形の窪み部11に基部22が埋設され、残りの上端部分がシール本体1の上面中央より突出して露出部21を形成する。実際には、図1のような発泡体2を予め成形しておいて、その後、露出部21となる上端部を残して基部22を抱き込むようにしてシール本体1を押出成形する製法によって、発泡体2の基部22がシール本体1の窪み部11に埋設される構成にある。
【0011】
上記露出部21の形状は、コンクリート製品に貼り付け、仮止め程度の圧縮量の場合(0〜50%程度の圧縮)、露出部21の出っ張りでもって、相手物にシール本体1の粘着剤が付着しないか付着しても極く少量付着として容易に剥すことができるようにする一方、最終施工時のように大きく圧縮(30〜70%)されたときには、発泡体2の両脇にあるシール本体1の粘着剤が相手物に付着することで止水性が発揮できるようその形状が定められる。具体的には、露出部21の高さhが1mm〜5mmの範囲で、露出部21の上面幅W1 がシール本体1の上面幅W2 の1/10〜1/2(より好ましくは1/5〜1/3)の範囲内にある。発泡体2のクッション性,円孔25等にも依存するが、高さhが1mm未満や露出部21の上面幅W1 がシール本体の上面幅W2 の1/10未満になると、シール本体1より露出部21が突出していても仮止め程度の位置調整で潰されて、シール本体1の粘着剤が付着してしまうからである。一方、露出部高さhが5mmを越えたり、露出部21の上面幅W1 がシール本体の上面幅W2 の1/2を越えたりすると、最終施工時のシール段階でも露出部21が抵抗になって粘着剤によるシール力が低下するからである。
【0012】
離型紙3は粘着剤で造られたシール本体1の底面部分に貼着される。離型紙3は、施工に先立ち剥される。
【0013】
次に、上記シール材Aを使って、実際のコンクリート製品同士をつなぐ施工方法について説明し、併せて、シール材Aの作用を述べる(図3〜図6)。
ここでは、コンクリート製品たるボックスカルバート同士5,5をつなぎ込む(図3)。水路用としてプレキャスト化されたボックスカルバート5には図4ごとくの標準形の他、インバート形もあるが、施工方法,シール材Aの作用は両方共同じである。ボックスカルバート5は、ほぼ四角筒形状で、且つ、四角い空洞Sを取巻く周縁部について、一端部を凹部51にし、他端部を凸部52に形成している。施工現場で、ボックスカルバート5同士を簡単につなぎ込み接合できるようにするためである。
【0014】
まず、シール材Aの離型紙3を剥し、シール材Aの底面部分を凹部51に付着する。シール材Aは凹部51の周縁を取巻くよう環状に配設する(図4)。シール材Aは安定設置できるよう凹部51に形成された受け溝54に配される。
次いで、ボックスカルバート5同士を寄せ付け、ジョイント部Jの位置合せ調整をする(図5)。このとき、ボックスカルバート5の接続面52aがシール材Aに当たることが当然あるが、シール本体1の上面には触れずにこれより突出する露出部21と接することになる。露出部21は粘着性を持たないために、ジョイント部Jの位置合せをやり直そうとした場合、簡単に実行できる。そして、ボックスカルバート5がシール材Aを少し押しつけるようなことがあっても、その部分の露出部21が弾性収縮するだけで、シール材Aの変形までには至らない。こうして、ジョイント部分の位置合せ調整が完了する。
【0015】
しかる後、ボックスカルバート同士を押しつけ、ジョイント部Jを接合シールする(図6)。シール段階では、ボックスカルバート5の凸部52が凹部51に向けて進行し、接続面52aがまず露出部21の上面に当たる。なおも、接合のため凸部52が進行するので、露出部21はその力に押され、自ら弾性収縮すると共に軟らかな粘着剤からなるシール本体1の中へ押し込まれていく。と同時に、円孔25が潰れていき、シール本体1の変形も始まる。更なる押しつけで、粘着剤が一層変形し、また、弾性を有するシール本体1の変形も大きくなる。
こうして接合シールを終え、施工が完了するが、シール本体1を変形させ押し潰すことで、粘着剤によるシール性が高まる。また、発泡体2も変形を起こしているので、弾性反力を生み、シール力が増すようになっている。
【0016】
このように構成したシール材Aは、コンクリート製品のジョイント部Jの位置合わせでは、接続面52aが発泡体2に当たってシール本体1の粘着剤と接することがないので、簡単に離すことができ、やり直し調整になっても支障なく行える。そして、発泡体2は、文字通り弾性体で且つ断面台形の長手方向等断面形状にして、その上底が接続面52a全域に亘って接するようになるので、水路が出来難い構造にある。また、ジョイント部分の位置合わせ調整でやり直しても、露出部21がクッション性に富む弾性体からなるので、その部分が直ぐに復元し、シール材Aが変形することがなく、勿論、網のように引っ掛って連鎖的に広がることもない。
一方、コンクリート製品のジョイント部の調整が済み、コンクリート製品同士を押しつける接合シールする段階になると、押しつける接合力が露出部21を弾性収縮させシール本体1に埋め込むので、シール本体1の粘着剤がコンクリート製品の接続面52aにピッタリと引っ付いてシールすることとなる。更に、押しつける接合力がシール本体1を変形させるので、シール性能が一段と高まる。このとき、シール本体1に埋め込まれた発泡体2は弾性収縮しているため、この反力でもってシール機能を高める働きに貢献する。
かくのごとく、本発明品は、軽い力で押さえつけたときには露出部21が当るため、位置合わせ時に粘着剤が相手物(コンクリート製品)に付着する事態にならず、一方、完全に接合した時には、発泡体2が軟らかなシール本体1に沈み込んで、代って粘着剤のシール本体1が相手物に当接することになるので、シール材Aの止水機能がいかんなく発揮される。
【0017】
加えて、シール材を設置箇所(例えばボックスカルバート5の凹部51)に貼り付ける際に、露出部21と離型紙3に覆われた下面を持って作業できるので、作業者の手が汚れず、便利になっている。
更に、シール材Aを設置箇所に置いた後、シール材Aを圧着固定するに際しては、平らで粘着性のない露出部21上面が突出しているので、特に離型処理をしていないローラ,ハンマー等を用いて圧着固定作業できる良さも有する。
また、こうしたシール材Aは、ユーザへの納入形態が通常、コイル状(渦巻き状)に巻かれるが、従来品だと、上下両面に離型紙3等の離型性付与が必要であったが(図11参照)、本発明品ではシール本体上面から露出部21が突出しているので、片面でよくなるメリットも備える。
【0018】
(2)実施形態2
本実施形態のシール材Aは、図7のような長手方向等断面形状で、台形の基部22から一定幅Sの突出し部のある断面形のシール本体1とするものである。突出し部の上端部分がシール本体1の上面中央より突出して露出部21を形成する。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このように構成したシール材Aは、実施形態1のように下方にいくに従い、広がる露出部21と異なり、露出部サイズを小さくすることで、シール材A上面でシール本体1の粘着剤が占める割合が大きくなるので、実施形態1より更に止水性が向上する。他の作用,効果は実施形態1と同じである。
【0019】
(3)実施形態3
本実施形態のシール材Aは、図8のような長手方向等断面形状で、本図は図2に対応するものである。ここでは、発泡体2が、台形部分の基部本体2bと、ここから括れ部2cを介して一回り小さなブロック部2dと、を有する横断面形状になっている。このブロック部2dの上端部がシール本体1の上面中央より突出して露出部21を形成するようにしている。該露出部以外の発泡体周りをシール本体1で取り囲むことで、露出部21につながる括れ部もシール本体1に埋設される構成としている。
また、本実施形態では、露出部21の両サイドのシール本体1の上面は外方に向けてせり上がる形状にしている。ただ、露出部21については、当然ながらシール本体上面12より高さhだけ高く設定される。
更に、前記露出部21の上面211については、中央を凹まし凹凸212をつけた格好にしている。発泡体2には実施形態1にみられるような円孔25は設けていない。円孔25がないために、発泡体2がより少ない圧縮量で変形するので、露出部両脇にあるシール本体1の粘着剤がより効果的に相手物に付着することになる。
他の構成については、実施形態1と同様で、その説明を省略する。
【0020】
このように構成したシール材Aは、露出部21が発泡体2からなり、しかも、その上面中央を凹まし凹凸212をつけているので、露出部自身がパッキンとしての作用をもち、本施工時に粘着剤が相手物に当らない場合でも、ある程度の止水性をもたすことが可能になる。
更に、括れ部2cがない場合は、位置合わせでコンクリート製品5,5を引き離す際に、図9のように、粘着剤と相手物との接合力が、粘着剤と発泡体2との接合力に打ち勝ってシール本体1と発泡体2とが剥がれることがあるが、括れ部2cを設けているので、斯る不具合が解消されている。括れ部2cがあると、仮止め後にやり直しをする場合、括れ部内に納まっている粘着剤がシール本体1上部を引き寄せるので、一部が相手物5にくっついてもシール材形状を保形したまま引き離すことができるようになる(図10)。
【0021】
また、シール本体1の上面12を外方に向けてせり上がる形状にしていると、位置合わせ調整の仮止め時に、相手物への粘着剤の付着を少なくすることができるので、やり直しする際、より剥し易くなる。
ところで、図11のような従来品(離型紙は剥される)と本実施形態品との剥離強度を調べたところ、従来品が50N/10cmに対し、本実施形態品は30N/10cmであった。試験方法は、長さ10cmのサンプルを鉄板の間にはさみ、10mm/minの速度で50%まで圧縮し、1分間保持した後、10mm/minの速度で引き離した際の剥離強度を測定したものである。シール本体1のせり上がり形状もさることながら、露出部21の効果がでたものと思われる。かくして、位置合せでのやり直し調整が円滑に進むことになる。
他の作用,効果は実施形態1と同じである。
【0022】
尚、本発明においては、前記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シール本体1,発泡体2,括れ部2c,露出部21,基部22等の形状,大きさ,材質等は用途にあわせて適宜選択できる。
【0023】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明のジョイントシール材は、施工時のトラブルが少なく且つ取扱いも簡単で、しかも、製品の位置合わせ時に粘着剤が相手物に付着し難い一方、製品のセット後は安定したシール力を発揮できるなど極めて有益となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1のジョイントシール材の斜視図である。
【図2】 図1のジョイントシール材の横断面図である。
【図3】 ボックスカルバートをジョイントシールする説明分解図である。
【図4】 図3のV−V線矢視図である。
【図5】 ジョイントシールする施工姿態を示す拡大図である。
【図6】 ジョイントシールする施工姿態を示す拡大図である。
【図7】 実施形態2のジョイントシール材の横断面図である。
【図8】 実施形態3のジョイントシール材の横断面図である。
【図9】 他形態のジョイントシール材の不具合状況を示す横断面図である。
【図10】 実施形態3のジョイントシール材の良好状態を示す横断面図である。
【図11】 従来品のジョイントシール材の説明断面図である。
【符号の説明】
1 シール本体
11 窪み部
12 シール本体上面
2 発泡体
21 露出部
211 上面
212 凹凸
22 基部
2b 基部本体
2c 括れ部
2d ブロック部
3 離型紙
A ジョイントシール材
h 露出部の高さ
W1 露出部の上面幅
W2 シール本体の上面幅
Claims (2)
- コンクリート製品のジョイント部を止水するのに用いられるジョイントシール材であって、
粘着剤で所定厚みを有して断面をほぼ凹形にした長手方向等断面形状のシール本体(1)と、長手方向等断面形状で、該シール本体の凹形の窪み部(11)に、基部本体(2b)から括れ部(2c)を介して該基部本体よりも一回り小さなブロック部(2d)の下部までの基部(22)が埋設され、残りの該ブロック部の上端部がシール本体の上面中央より突出して露出部(21)を形成する発泡体(2)と、粘着剤で造られた前記シール本体(1)の底面部分に貼着される離型紙(3)と、を具備し、且つ前記露出部(21)の高さ(h)が1mm〜5mmの範囲で、該露出部(21)の上面幅(W1)が前記シール本体(1)の上面幅(W2)の1/10〜1/2の範囲内とし、前記離型紙が施工に先立ち剥がされるようにしたことを特徴とするジョイントシール材。 - 前記露出部の上面(211)の中央を凹まし凹凸(212)をつけ、さらに該露出部の両サイドのシール本体(1)に係る上面が外方に向けてせり上がる形状にすると共に該シール本体上面(12)よりも前記露出部(21)の高さ(h)を高く設定する請求項1記載のジョイントシール材。
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