JP4134941B2 - ユニット建物及びその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続した広い室内空間を形成することを可能としたユニット建物及びその構築方法に関する。
従来から、需要者ニーズもあって、特定の柱の設置を省略することにより連続した広い室内空間を建築物内に形成することが行われている。この種の建築物の構造の一例が下記特許文献1に示した特開平8−27758号公報に開示されており、以下に当該公報に開示された構成について説明する。
図9には4個の建物ユニット200、202、204、206が隣接して配置された状態が示されており、更に図10にはこれらの建物ユニット200、202、204、206において妻方向に沿う中央部を拡大した状態が示されている。
これらの図に示されるように、建物ユニット200、202、204、206が配置された状態では、建物ユニット200の天井大梁208と建物ユニット204の天井大梁210との間並びに建物ユニット202の天井大梁212と建物ユニット206の天井大梁214との間に所定幅の間隙216が形成されている。
この間隙216へは、約ユニット2個分のスパン長を有する補強梁218が上方から挿入されて、以下の如くして当該間隙216に配設される。補強梁218の長手方向両端部にあっては、天井大梁208、212における屋外側の柱220、222の近傍並びに天井大梁210、214における屋外側の柱224、226の近傍にそれぞれ接合される。また、補強梁218の長手方向中間部にあっては、建物ユニット200、202、204、206の天井大梁208、210、212、214における上側ジョイント部柱228、230、232、234の近傍に接合される。これにより、補強梁218が間隙216内に配設される。
上記の如くして補強梁218が配設された後に、図11に示される如く、仮付状態とされている中間部柱236、238、240、242が取り外される。これにより、連続した広い室内空間が形成される。
特開平8−277580号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、中間部柱236、238、240、242を除去した部分の周りを補強するため、専用の補強梁218を天井大梁208、210間及び天井大梁212、214間に添接する必要がある。このため、補強梁218が余分に必要となり、その分、コストアップを招くという問題がある。
また、工法的に見ても、専用の補強梁218をクレーンで吊り込んで天井大梁208、210間及び天井大梁212、214間の隙間216へ挿入し、これらの部材に接合する作業が必要となるため、作業工数の増加、ひいては工期の長期化を招くという問題がある。
本発明は上記事実を考慮し、仮柱を除去することにより連続した広い空間を形成する場合に、低コストで柱除去部の周りを補強することができるユニット建物及び工期の短縮化を図ることができるユニット建物の構築方法を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るユニット建物は、箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットを、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置し、当該隣接して配置された柱除去コーナー部の周りを補強した後、各仮柱を取り外すことにより連続した広い室内空間を形成するユニット建物であって、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置し、当該底辺部材を隣接する天井梁に複数箇所にて接合した、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係るユニット建物の構築方法は、箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットを、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置し、仮柱を残した状態で、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置して隣接する天井大梁に複数箇所にて接合し、その後、仮柱を取り外すことにより、連続した広い室内空間を形成する、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットが、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置される。そして、当該隣接して配置された柱除去コーナー部の周りを補強した後、各仮柱を取り外すことにより、ユニット建物内に連続した広い室内空間が形成される。
ここで、本発明では、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置し、当該底辺部材を隣接する天井梁に複数箇所にて接合したので、専用の補強梁を用いることなく、柱除去コーナー部を補強することができる。換言すれば、本発明では、既存の補強用屋根トラスの底辺部材を利用して柱除去コーナー部を補強することとしたので、従来の専用の補強梁を廃止することができる。従って、その分、部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
請求項2記載の本発明によれば、箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットが、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置される。次に、仮柱を残した状態で、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材が配置され、当該隣接する天井大梁に複数箇所にて接合される。その後、仮柱を取り外すことにより、ユニット建物内に連続した広い室内空間が形成される。
従って、本発明によれば、従来のように専用の補強梁を用いることなく、既存の補強用屋根トラスの底辺部材を利用して柱除去コーナー部を補強することができる。このことは、ユニット建物の構築方法という観点から見れば、補強梁と補強用屋根トラスの両方を別個独立に順次吊り込んで天井梁等にそれぞれ接合することになる従来工法に比し、クレーンを使った補強梁の吊り込み作業(工程)及び補強梁の天井梁等への接合作業(工程)を廃止することができる利点がある。従って、その分、ユニット建物を構築する際の作業効率を向上させることができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るユニット建物は、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置し、当該底辺部材を隣接する天井梁に複数箇所にて接合したので、従来の専用の補強梁を廃止することができ、その結果、仮柱を除去することにより連続した広い空間を形成する場合に、低コストで柱除去部の周りを補強することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るユニット建物の構築方法は、箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットを、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置し、仮柱を残した状態で、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置して隣接する天井大梁に複数箇所にて接合し、その後、仮柱を取り外すことにより、連続した広い室内空間を形成する工法としたので、クレーンを使った補強梁の吊り込み作業(工程)及び補強梁の天井梁等への接合作業(工程)を廃止することができ、その結果、仮柱を除去することにより連続した広い空間を形成する場合に、工期の短縮化を図ることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図8を用いて、本発明に係るユニット建物及びその構築方法の一実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係るユニット建物及びその構築方法の全体構成が斜視図にて示されている。この図に示されるように、ユニット建物10は、各々箱状(直方体形状)に形成されると共に互いに隣接して配置された4個の建物ユニット12、14、16、18を備えている。各建物ユニット12、14、16、18は、外周部に設けられた布基礎20及び中央部に設けられた独立フーチング基礎22上に図示しないアンカーボルト等を使って据え付けられている。
まず、この図を用いて、各建物ユニット12、14、16、18の単体構成について簡単に説明する。なお、4個の建物ユニット12、14、16、18はすべて同一構成とされているので、代表して建物ユニット12の構成について説明する。
建物ユニット12は、各々矩形枠状に組まれて上下平行に配置される天井フレーム24及び床フレーム26と、これらの天井フレーム24と床フレーム26とを繋ぐ4本の柱(3本の主柱28と1本の仮柱30)と、によって構成されている。補足すると、図1ではユニット躯体のみを図示しているが、実際には外壁パネルや間仕切り等が取り付けられている。
天井フレーム24は、四隅に配置された短い角柱状の天井側ジョイント柱32と、断面形状がコ字状とされた長さの異なる二種類の天井大梁34、36と、によって構成されている。天井大梁34、36の長手方向の各端部は、天井側ジョイント柱32の側面に溶接により固着されている。なお、天井小梁や下地材、天井板等の図示は省略している。同様に、床フレーム26は、四隅に配置された短い角柱状の床側ジョイント柱38と、断面形状がコ字状とされた長さの異なる二種類の床大梁40、42と、によって構成されている。床大梁40、42の長手方向の各端部は、床側ジョイント柱38の側面に溶接により固着されている。なお、床小梁や下地材、床板等の図示は省略している。
また、4本の柱の内、屋外側に配置される3本の主柱28は、天井側ジョイント柱32と床側ジョイント柱38との間に同一直線上に配置されて、天井側ジョイント柱32、床側ジョイント柱38に溶接等によって接合されている。すなわち、3本の主柱28は、分離不可能な状態で配置されている。これに対し、屋内側に配置される仮柱30は、天井側ジョイント柱32と床側ジョイント柱38との間に同一直線上に配置されて、天井側ジョイント柱32、床側ジョイント柱38にボルト及びナット等の締結具で取り外し可能に取り付けられている。
上記構成の建物ユニット12、14、16、18を隣接して配置した状態では、隣接して互いに対向して配置された天井大梁34間並びに天井大梁36間に所定幅の隙間44、46がそれぞれ形成されている。この内、長手方向寸法が短い方の隙間44には、正面視で二等辺三角形状に形成された補強用屋根トラス48の後述する補強部材58が挿入されて締結具で固定されるようになっている。以下、補強用屋根トラス48の構成について詳細に説明する。
この補強用屋根トラス48は、下弦材50、端材52、鉛直材54、斜材56によって基本的な骨格が構成されている。
図2には、補強用屋根トラス48の要部を分解した斜視図が示されている。また、図3には、補強用屋根トラス48の組付状態の側面図が示されている。これらの図に示されるように、補強用屋根トラス48の下弦材50の下面中央には、長尺板状の補強部材58が溶接によって固着されている。なお、下弦材50及び補強部材58が、本発明における「底辺部材」に相当する。
上記補強部材58の長手方向寸法は前述した隙間44の長手方向の寸法に一致しており、建物ユニット12の屋外側の主柱28から建物ユニット14の屋外側の主柱28に亘るスパン長を有している。また、補強部材58の板厚は、前述した隙間44の間隙寸法に比べて薄く設定されている。さらに、補強部材58の長手方向の両端部及び両端部間の適宜位置には、固定用のボルト挿通孔60が形成されている。
一方、前述した隙間44に接する建物ユニット12、14、16、18の短い方の天井大梁34のウェブには、前記ボルト挿通孔60と重合する位置に平面視でコ字状に形成されたブラケット62がそれぞれ溶接されている。互いに対向する一対のブラケット62の高さ及び補強部材58の板厚を足した寸法が前述した隙間44の間隙寸法に一致するようにブラケット62の高さ及び補強部材58の板厚が設定されている。また、各ブラケット62の頂壁部62Aには、前記ボルト挿通孔60と同軸上に位置されるボルト挿通孔64がそれぞれ形成されている。さらに、天井大梁34のウェブにも、ボルト挿通孔64と同軸上に位置されるボルト挿通孔66がそれぞれ形成されている。
そして、一方の天井大梁34のボルト挿通孔66からボルト68が挿入されて、一方のブラケット62のボルト挿通孔64、補強部材58のボルト挿通孔60、他方の天井大梁34のブラケット62のボルト挿通孔64、他方の天井大梁34のボルト挿通孔66を貫通させ、他方の天井大梁34側からボルト68の貫通端部にナット70を螺合させることにより、補強用屋根トラス48が各建物ユニット12、14、16、18の天井大梁34に接合されている。組付後の状態では、補強部材58が前述した隙間44に挿入状態で配置され、当該隙間44上に補強用屋根トラス48の本体部分が配置される構成である。なお、上記構成の補強用屋根トラス48は、各建物ユニット12、14、16、18上に据え付けられた側面視で直角三角形状の屋根ユニット72(図8参照)の屋内側の側面ともボルト及びナット等の固定手段で接合されて屋根ユニット72を補強する役目を果たすようになっている。
次に、図4〜図8を用いて、ユニット建物10の構築手順について説明し、その説明を通して本実施形態の作用並びに効果について説明する。
まず、図4に示されるように、予め工場内で、建物ユニット12、14、16、18が組み立てられる。その後、仮柱30を組付けた状態で、建物ユニット12、14、16、18が図示しない搬送車両によって施工現場に搬入される。なお、ユニット搬送時に仮柱30を組付けた状態にしておくのは、搬送中に建物ユニット12、14、16、18に断面崩れ等が生じるのを防止するためである。また、建物ユニット12、14、16、18の他、補強用屋根トラス48及び屋根ユニット72等も、搬送車両によって施工現場にそれぞれ搬入される。
次に、図5に示されるように、図示しないクレーンを用いて、各建物ユニット12、14、16、18が所定の位置に吊り込まれ、対応する布基礎20及び独立フーチング基礎22上に据え付けられる。これにより、4個の建物ユニット12、14、16、18が相互に隣接した状態で配置されると共に、平面視で十字状に二種類の隙間44、46が天井大梁34、36間に形成される。なお、ユニット据付時には、依然として、仮柱30は組付けられた状態とされ、荷重を負担する役目を果たす。
次に、図6に示されるように、図示しないクレーンを用いて、補強用屋根トラス48が短い方(妻方向)の隙間44の上方に吊り込まれ、補強部材58が当該隙間44へ挿入される。そのまま間隙44内の一対のブラケット62の頂壁部62A間へ挿入される。その後、すべてのボルト挿通孔60、64、66を同軸上に位置させた状態で、ボルト68を挿入してナット70を締め込むことにより、補強用屋根トラス48が4個の建物ユニット12の天井大梁34に接合される。なお、ブラケット62は天井大梁34のウェブに予め溶接しておいてもよいし、施工現場で建物ユニット12、14、16、18の据付後に溶接するようにしてもよい。また、補強用屋根トラス48の組付時には、依然として、仮柱30は組付けられた状態とされる。
次に、図7に示されるように、4本の仮柱30を固定しているボルト及びナットがそれぞれ取り外され、仮柱30が順次撤去される。これにより、4個の建物ユニット12、14、16、18内に柱の無い連続した広い室内空間Q(図7に太線で囲った部分)が形成される。この状態では、4本の仮柱30が集まった柱除去コーナー部74(図5参照)を補強用屋根トラス48の補強部材58が通り(別の言い方をすれば、柱除去コーナー部74を補強用屋根トラス48の補強部材58が跨ぐように配置され)、当該柱除去コーナー部74が補強される(柱除去コーナー部74の天井構造強度が確保される)。
次に、図8に示されるように、各建物ユニット12、14、16、18上に対応する屋根ユニット72が図示しないクレーンで吊り込まれ、据え付けられる。その後、隙間44側に面した屋根ユニット72の側面と補強用屋根トラス48とが接合され、屋根ユニット72が補強される。
なお、上記は組付手順の一例であり、屋根ユニット72の据付までが完了した時点で、柱除去コーナー部74の4本の仮柱30を撤去するようにしてもよい。
このように本実施形態に係るユニット建物10では、元々存在する補強用屋根トラス48の下弦材50の下面中央に補強部材58を設け、補強用屋根トラス48の組付と同時に補強部材58が柱除去コーナー部74を通る隙間44内へ挿入され、ブラケット62を介して隣接する天井大梁34にボルト68及びナット70で固定されるように構成したので、従来のように専用の補強梁を用いずとも、柱除去コーナー部74を補強することができる。換言すれば、本実施形態に係るユニット建物10では、既存の補強用屋根トラス48の下弦材50を利用して下弦材50と補強部材58とから成る底辺部材を構成し、かかる底辺部材を用いて柱除去コーナー部74を補強する構成としたので、従来の専用の補強梁を廃止することができる。従って、その分、部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。その結果、仮柱30を除去することにより連続した広い室内空間Qを形成する場合に、低コストで柱除去コーナー部74の周りを補強することができる。
また、本実施形態に係るユニット建物の構築方法では、仮柱30を残した状態で柱除去コーナー部74を通り隣接する天井大梁34間の隙間44に補強用屋根トラス48の底辺部材を配置し、当該底辺部材(の補強部材58)を隣接する天井大梁34にブラケット62を介して接合した後、仮柱30を取り外すことにより、ユニット建物10内に連続した広い室内空間Qを形成する工法としたので、補強梁と補強用屋根トラスの両方を別個独立に順次吊り込んで天井大梁等にそれぞれ接合することになる従来工法に比し、クレーンを使った補強梁の吊り込み作業(工程)及び補強梁の天井梁等への接合作業(工程)を廃止することができる利点がある。従って、その分、ユニット建物10を構築する際の作業効率を向上させることができる。その結果、仮柱30を除去することにより連続した広い室内空間Qを形成する場合に、工期の短縮化を図ることができる。
〔実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、図1図示形状の補強用屋根トラス48を用いたが、トラスの構造には種々のものがあるので、設計強度等に応じて適宜別のトラス構造を採用してもよい。
また、上述した本実施形態では、補強用屋根トラス48の下弦材50の下面中央に補強部材58を溶接することで底辺部材を構成したが、これに限らず、他の構成を採ることも可能である。一例としては、補強用屋根トラスはそのままの構成とし、前記下弦材50及び補強部材58に相当する略T字状の断面形状とされた補強部材を補強用屋根トラスの下縁にボルト及びナット又は溶接等の固定手段で固定して補強用屋根トラスに一体化した構成を採ることが可能である。
さらに、上述した本実施形態では、4個の建物ユニット12、14、16、18をすべて同じサイズのユニットを用いたが、これに限らず、例えば、2個の通常サイズの建物ユニットと2個のハーフユニットサイズの建物ユニットで下階部分を構成してもよい。この場合、補強用屋根トラスの形状を一方の斜辺の長さが他方の斜辺の長さよりも長い不等辺三角形状にすればよい。
また、上述した本実施形態では、短い方の隙間44に補強用屋根トラス48を配設する構成を採ったが、これに限らず、長い方の隙間46に補強用屋根トラスを配設することも可能である。
さらに、上述した本実施形態では、正面視で二等辺三角形状の補強用屋根トラス48を用いたが、必ずしも、正面視で三角形状である必要はなく、基本的にはトラス構造にナっていればよい。例えば、下弦材に対して平行に上弦材が配置されて正面視では等脚台形状に形成され、トラス構造的にはワーレントラス、プラットトラス、ハウトラス構造等になっている補強用屋根トラスを用いてもよい。この場合、屋根ユニットの形状もそれに応じた形状のものが使用される。
また、補足すると、上述した本実施形態に係るユニット建物10は必ずしも住居用である必要はなく、コンビニエンスストア等の店舗用であってもよい。また、室内空間Qは、居室だけではなく、居室以外の空間(売り場、トイレ、洗面所、収納スペース等)も含まれる。つまり、本発明におけるユニット建物の概念には住居用建物、商業用建物、工業用建物、農業用建物等が含まれ、又室内空間の概念には居室、売り場、作業場、飼育場、収納場等が含まれる他、これに付随したトイレ、洗面所、収納スペース等も含まれる。
本実施形態に係るユニット建物の全体構成を示す斜視図である。 図1に示される補強用屋根トラスの要部を示す分解斜視図である。 補強用屋根トラスが天井大梁に組付けられた状態を示す側面図である。 本実施形態に係るユニット建物の構築方法を示す工程図に係り、(A)は単体の建物ユニットの分解斜視図であり、(B)は当該建物ユニットの組付状態の斜視図である。 本実施形態に係るユニット建物の構築方法を示す工程図に係り、施工現場で基礎上に4個の建物ユニットを設置した状態を示す斜視図である。 本実施形態に係るユニット建物の構築方法を示す工程図に係り、補強用屋根トラスを組付けた状態を示す斜視図である。 本実施形態に係るユニット建物の構築方法を示す工程図に係り、仮柱を除去して連続した広い室内空間が形成された状態を示す斜視図である。 本実施形態に係るユニット建物の構築方法を示す工程図に係り、建物ユニット上に屋根ユニットを据え付けた状態を示す斜視図である。 従来例に係るユニット建物の概略斜視図である。 天井大梁間の隙間に非分割の補強梁が吊り込まれて挿入される様子を示す要部拡大斜視図である。 補強梁の設置が完了し、中間部柱が取り除かれた状態を示す要部拡大斜視図である。
符号の説明
10 ユニット建物
12 建物ユニット
14 建物ユニット
16 建物ユニット
18 建物ユニット
28 主柱
30 仮柱
34 天井大梁
44 間隙
48 補強用屋根トラス
50 下弦材(底辺部材)
58 補強部材(底辺部材)
68 ボルト
70 ナット
72 屋根ユニット
74 柱除去コーナー部
Q 室内空間

Claims (2)

  1. 箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットを、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置し、当該隣接して配置された柱除去コーナー部の周りを補強した後、各仮柱を取り外すことにより連続した広い室内空間を形成するユニット建物であって、
    柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置し、当該底辺部材を隣接する天井梁に複数箇所にて接合した、
    ことを特徴とするユニット建物。
  2. 箱型に形成されると共に取り外し可能な仮柱が設置された柱除去コーナー部を有する建物ユニットを、各柱除去コーナー部が屋内側で隣接して配置されるように複数個配置し、
    仮柱を残した状態で、柱除去コーナー部を通り隣接する天井梁間の隙間に、建物ユニット上に据え付けられる屋根ユニットを補強するための補強用屋根トラスの底辺部材を配置して隣接する天井大梁に複数箇所にて接合し、
    その後、仮柱を取り外すことにより、連続した広い室内空間を形成する、
    ことを特徴とするユニット建物の構築方法。
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