JP4132440B2 - 船舶推進機用トリム・チルト装置 - Google Patents

船舶推進機用トリム・チルト装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船外機、船内外機等のための船舶推進機用トリム・チルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶推進機用トリム・チルト装置として、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させるものがある。
【0003】
このような船舶推進機用トリム・チルト装置として、本件の出願人は、特願平11-112856号により、シリンダ装置が、船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピストンとを有し、更に、上記シリンダ装置のシリンダがトリム動作域でハウジングから外方に突き出る部分を作動油給排装置を構成するタンクハウジングにより覆ってなるものを提案している。これによれば、シリンダ装置のシリンダをタンクハウジングにより覆って外水に触れさせることがなく、タンクハウジング内の作動油により簡易かつ確実に不錆化できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特願平11-112856号に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置では、前進航走時に、トリム動作可能域(シリンダ装置がトリムアップ完了していない状態)で、トリム・チルト装置のポンプを停止し、作動油給排装置によるシリンダ装置への作動油給排油圧流路がロックされている状態で、船舶推進機に流木等の水中障害物が衝突すると、ピストンロッドとシリンダは一体となってハウジング及びタンクハウジングに対しトリムストロークする。このとき、船舶推進機用トリム・チルト装置では、第1チルト室のロック状態にある油圧の昇圧により、チルトピストンの緩衝弁を開いて、この油圧を第2チルト室に移動し、衝撃を吸収可能としている。
【0005】
然しながら、ピストンロッドとシリンダが上述の如くにハウジング及びタンクハウジングに対し移動(トリムストローク)したとき、タンクの内圧を急激に加圧し、樹脂製タンクハウジングを破損したり、このタンクに連通して設けられているポンプ室を覆うポンプモータの樹脂製端板を破損する虞がある。
【0006】
本発明の課題は、船舶推進機用トリム・チルト装置において、シリンダ装置のシリンダを作動油給排装置のタンクハウジングにより覆うに際し、水中障害物等の衝突に伴うシリンダの移動による、タンクの異常加圧を回避することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させる船舶推進機用トリム・チルト装置において、前記シリンダ装置が、船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画するとともに、第1チルト室の油圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁して第1チルト室の作動油を第2チルト室に移動可能とする緩衝弁を備えてなる小径のチルトピストンとを有し、上記シリンダ装置のシリンダがトリム動作域でハウジングから外方に突き出る部分を作動油給排装置を構成するタンクハウジングにより覆い、かつタンクの油圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁してタンクの作動油を第2トリム室にリリーフ可能とするリリーフ弁を設け、船舶推進機にシリンダ装置を伸長させる方向への衝撃力が加わったことによる、シリンダの移動によるタンクの異常加圧を回避するようにしたものである。
【0008】
【作用】
(1)タンクの内圧が一定値異常に昇圧したことにより開弁してタンクの作動油を第2トリム室にリリーフするリリーフ弁を設けた。従って、船舶推進機への水中障害物等の衝突時に、ピストンロッドとシリンダが一体となってタンクハウジング内でトリムストロークすることにより、タンクの内圧が急激に加圧されても、この内圧を上述のリリーフ弁により直ちに第2トリム室の側へ逃がすことができる。これにより、タンクの異常加圧を回避し、樹脂製タンクの破損を防止できる。
【0009】
(2)タンクの異常加圧を吸収するために該タンクのエア容量を大きくしておく必要がなく、タンクの大型化を回避できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は船舶推進機を示す模式図、図2はトリム・チルト装置を示す模式図、図3は図2の側面図、図4は図2の平面図、図5はシリンダ装置のハウジングへの作動油給排装置の組み込み状態を示す模式図、図6はトリム・チルト装置の油圧回路を示す模式図、図7はチェック弁付リリーフ弁を示す断面図、図8はリリーフ弁を示す断面図である。
【0011】
船舶推進機10(船外機、但し船内外機であっても良い)は、図1に示す如く、船体11の船尾板11Aにクランプブラケット12を固定され、クランプブラケット12にはチルト軸13を介してスイベルブラケット14が略水平軸まわりに傾動可能に枢着されている。スイベルブラケット14には、図示されない略鉛直配置される転舵軸を介して、推進ユニット15が転舵軸まわりに回動可能に枢着されている。推進ユニット15の上部にはエンジンユニット16が搭載され、推進ユニット15の下部にはプロペラ17が備えられている。
【0012】
即ち、船舶推進機10は、船体11に固定のクランプブラケット12に、チルト軸13、スイベルブラケット14を介して推進ユニット15を傾動自在に支持され、クランプブラケット12とスイベルブラケット14との間にトリム・チルト装置20のシリンダ装置21を介装し、作動油給排装置22からシリンダ装置21に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置21を伸縮させて推進ユニット15を図1のトリム域ないしはチルト域で傾動可能としている。尚、船舶推進機10は、推進ユニット15をトリム域内の比較的緩傾斜状態に保持することにより、水面ロードの変化に対して最適な航走姿勢を得ることを可能としている。
【0013】
(シリンダ装置21)
トリム・チルト装置20のシリンダ装置21は、図1、図2に示す如く、クランプブラケット12に連結して用いられるハウジング31を有し、このハウジング31に大径のトリム室32を形成している。尚、ハウジング31は、例えばアルミ合金の鋳造製であり、クランプブラケット12への取付ピン挿着孔33を備える。
【0014】
また、シリンダ装置21は、トリム域でのトリムアップ−ダウン操作時に、ハウジング31の開口端に設けてあるシリンダガイド34からトリム室32に伸縮可能に挿入されるシリンダ41を有し、このシリンダ41に小径のチルト室42を形成している。シリンダガイド34は、ハウジング31の開口端に螺着されるとともに、トリム室32に密接するOリング等のシール部材35を備えるとともに、シリンダ41の外面に摺接するOリング等のシール部材36を備える。
【0015】
また、シリンダ装置21は、ハウジング31のトリム室32内にあるシリンダ41の端部に螺着されて固定される大径のトリムピストン51を有する。トリムピストン51は、トリム室32の内面に摺接するOリング等のシール部材52を備え、トリム室32を、シリンダ41を収容する側の第1トリム室32Aと、シリンダ41を収容しない側の第2トリム室32Bとに区画する。
【0016】
また、シリンダ装置21は、スイベルブラケット14に連結して設けられるピストンロッド61を有し、このピストンロッド61をチルト域でのチルトアップ−ダウン操作時にシリンダ41の開口端に設けてあるロッドガイド部43からチルト室42に伸縮可能に挿入している。ロッドガイド部43は、ピストンロッド61の外面に摺接するOリング等のシール部材44を備える。ピストンロッド61は取付ジョイント62にスイベルブラケット14への取付ピン挿着孔62Aを備える。
【0017】
また、シリンダ装置21は、シリンダ41のチルト室42内にあるピストンロッド61の端部に座金71Aを介してナット71Bにより固定される小径のチルトピストン71を有する。チルトピストン71は、シリンダ41の内面に摺接するOリング等のシール部材72を備え、チルト室42を、ピストンロッド61を収容する側の第1チルト室42Aと、ピストンロッド61を収容しない側の第2チルト室42Bとに区画する。
【0018】
チルトピストン71は、伸側緩衝弁73と逆止弁74とを有している。伸側緩衝弁73は、推進ユニット15への流木等の水中障害物の衝突時等に、シリンダ装置21の伸長方向への衝撃力が加わったとき、油圧回路の保護のために設定圧で開き、第1チルト室42Aの作動油を第2チルト室42B内にある後述するフリーピストン81の側に移送してピストンロッド61を伸長可能とする。このとき、フリーピストン81はその位置にとどまり、チルトピストン71だけが動く。逆止弁74は、伸側緩衝弁73の上述の開弁の後、推進ユニット15の自重でピストンロッド61のチルトピストン71が元の位置(フリーピストン81がとどまっている位置)に戻ろうとするとき開き、チルトピストン71とフリーピストン81との間の作動油を第1チルト室42Aに戻す。
【0019】
また、シリンダ装置21は、シリンダ41の第2チルト室42B、42C内で、通常チルトピストン71に接する位置に設定されるフリーピストン81を有する。フリーピストン81は、シリンダ41の内周に接するOリング等のシール部材83を備える。
【0020】
また、フリーピストン81は、リセット逆止弁82(図6)、(図2では不図示)を有している。船舶推進機10の前進中の障害物との衝突、前進中のブレーキ操作時、あるいは始動操作時に何らかの理由でシリンダ装置21の伸長方向への外力が加わったとき、伸側緩衝弁73が開いてピストンロッド61が延び、第1チルト室42Aから第2チルト室42Bに移送された油がチルトピストン71とフリーピストン81との間に入った状態で、かつフリーピストン81が最下点にあるとき、これをポンプ作動によりピストンロッド61を圧縮させながら前進したとき、リセット逆止弁82が開いてチルトピストン71とフリーピストン81が接するもとの位置にリセットされる。
【0021】
然るに、シリンダ装置21にあっては、シリンダ41を鉄系材料により鍛造成形されたものとし、外パイプ41Bと前述のロッドガイド部43を鍛造により一体成形し、組立工数を削減し、且つ強度面でも高強度化している。そして、シリンダ41は、ロッドガイド部43の内端面に設けた凹部と、外パイプ41Bに螺着される前述のトリムピストン51の内端面に設けた凹部との間に内パイプ41Aを挟持し、チルトシリンダ組立体としている。これにより、シリンダ41を内パイプ41Aと外パイプ41Bからなる二重筒構造とし、内パイプ41Aと外パイプ41Bの間の間隙を第1トリム室32Aと第1チルト室42Aとを連通する連通路46としている。即ち、第1トリム室32Aはハウジング31に設けてある第1流路91に直接接続され、第1チルト室42Aはシリンダ41の内パイプ41Aに設けた通路91A、シリンダ41の連通路46、シリンダ41の外パイプ41Bに設けた通路91B、トリムピストン51に設けた通路91C、第1トリム室32Aを介して第1流路91に接続される。これにより、第1トリム室32Aと第1チルト室42Aは、トリム動作とチルト動作の(a) 収縮行程で作動油給排装置22の供給側に第1流路91を介して連絡され、(b) 伸長行程で作動油給排装置22の排出側に第1流路91を介して連絡される。
【0022】
また、シリンダ装置21にあっては、トリムピストン51が第2トリム室32Bと第2チルト室42Cとを連通する貫通孔状の連通路53を有している。即ち、第2トリム室32Bはハウジング31に設けてある第2流路92に直接接続され、第2チルト室42Cは、フリーピストン81、トリムピストン51の連通路53、第2トリム室32Bを介して第2流路92に接続される。これにより、第2トリム室32Bと第2チルト室42Cは、トリム動作とチルト動作の(a) 伸長行程で作動油給排装置22の供給側に第2流路92を介して連絡され、(b) 収縮行程で作動油給排装置22の排出側に第2流路92を介して連絡される。
【0023】
(作動油給排装置22)
作動油給排装置22は、可逆式モータ23と可逆式ギヤポンプ24とタンク25と切替弁付き流路26からなり、前述の第1流路91、第2流路92を介して、シリンダ装置21の第1トリム室32A、第2トリム室32B、第1チルト室42A、第2チルト室42Cに作動油を給排可能とする。
【0024】
このとき、作動油給排装置22は、図5に示す如く、シリンダ装置21のハウジング31に形成したモータ据付面31Aにモータ23の取付けベース23Aを据付けてボルト27により固定し、モータ23をシリンダ装置21のシリンダ41の横に並設してある。
【0025】
また、作動油給排装置22は、シリンダ装置21のハウジング31におけるトリム室32の側傍に形成した空洞部分をタンク25として作動油を収容する。そして、ハウジング31に設けられたタンク25の内で、モータ23の下部対応部分には開口25Aを設け、この開口25Aにはモータ23の取付けベース23Aに連なる嵌合部23BがOリング等のシール部材25Bを介して気密に嵌合される。そして、ハウジング31に設けたタンク25内におけるモータ23の下部にはポンプ24が油中に浸漬される状態で固定配置され、モータ23の嵌合部23Bから突出している出力軸23Cとポンプ24の被動軸24Aとが接続されている。
【0026】
然るに、本実施形態にあっては、シリンダ装置21のシリンダ41がトリム動作域でハウジング31のシリンダガイド34から外方に突き出る部分を、作動油給排装置22を構成するサブタンクハウジング28により覆っている。サブタンクハウジング28は例えば樹脂製からなり、サブタンクハウジング28の下端開口部をシリンダガイド34まわりに嵌合し、サブタンクハウジング28の下端フランジ部28AをOリング29Aを介してハウジング31の開口端面にボルト30により液密に締結してある。そして、サブタンクハウジング28の上端開口部にはピストンロッド61を液密に摺接可能とするオイルシール等のシール部材28Bを設けてある。これにより、サブタンクハウジング28は、シリンダ41とピストンロッド61の長手方向に沿ってそれらシリンダ41、ピストンロッド61の周囲に一定の間隙を介するように立設されてサブタンク28Cを形成し、このサブタンク28Cを、シリンダガイド34に設けた通路28D、ハウジング31に設けた通路28Eを介してハウジング31の前述のタンク25に連通している。図3、図4において、28Fは注油プラグである。
【0027】
尚、作動油給排装置22は、ポンプ24を第1流路91、第2流路92に連絡する切替弁付き流路26もハウジング31に内蔵し、この切替弁付き流路26にシャトル式切替弁101、逆止弁102、103、縮側リリーフ弁104、伸側リリーフ弁105、縮側緩衝弁106A、手動切替弁107を設けている。
【0028】
シャトル式切替弁101は、シャトルピストン111、シャトルピストン111の両側に位置する第1チェック弁112A及び第2チェック弁112Bを有し、シャトルピストン111の第1チェック弁112A側に第1シャトル室113Aを画成し、シャトルピストン111の第2チェック弁112B側に第2シャトル室113Bを画成している。第1チェック弁112Aは、ポンプ24の正転によって管路93Aを介して第1シャトル室113Aに加えられる送油圧力によって開作動され、第2チェック弁112Bは、ポンプ24の逆転によって管路93Bを介して第2シャトル室113Bに加えられる送油圧力によって開作動可能とされている。また、シャトルピストン111は、ポンプ24の正転による送油圧力によって第2チェック弁112Bを開作動し、ポンプ24の逆転による送油圧力によって第1チェック弁112Aを開作動可能としている。
【0029】
シャトル式切替弁101の第1チェック弁112Aは第1流路91に接続され、第2チェック弁112Bは第2流路92に接続されている。
【0030】
ポンプ24とタンク25との接続管路94Aには逆止弁102が介装されている。即ち、船舶推進機10のチルトアップ操作時に、シリンダ41の内容積は、ピストンロッド61の退出容積だけ不足することとなり、作動油の循環油量が不足することから、上記逆止弁102が開作動し、タンク25からポンプ24に循環油量の不足分を補償可能としている。
【0031】
ポンプ24とタンク25との接続管路94Bには逆止弁103が介装されている。即ち、船舶推進機10のトリムダウン操作時に、トリムピストン51が最大収縮位置に達してトリムダウンが完了し、第2トリム室32Bからポンプ24への戻り油がなくなった時点で、なおポンプ24が作動する場合に、上記逆止弁103が開作動し、タンク25からポンプ24に作動油を供給可能としている。
【0032】
縮側リリーフ弁104は、第1シャトル室113Aに接続され、チルトダウン、トリムダウン作動時に余るロッド分の油量をタンク25に戻すため、及びトリムダウンが完了してもなおポンプ24を作動し続けたときの油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
【0033】
伸側リリーフ弁105は、シャトルピストン111に内蔵され、チルトアップ操作時に、ピストンロッド61が最大伸長位置に達してチルトアップが完了してもなおポンプ24を作動し続けたときの油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
【0034】
縮側緩衝弁106Aは、シリンダ装置21のチルトピストン71、フリーピストン81がチルト室42の中間位置で航走中、ピストンロッド61を収縮する方向の何らかの衝撃力が推進ユニット15に加わったとき(推進ユニット15に後方から障害物がぶつかった場合等)の油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
【0035】
手動切替弁107は、第1流路91と第2流路92の連絡路95に介装され、第1流路91と第2流路92とタンク25を導通することにより、シリンダ装置21を手動で伸縮せしめ、推進ユニット15をトリム域とチルト域とで傾動自在とするものである。
【0036】
更に、船舶推進機10にあっては、後進航走時の後進推力や波の力が推進ユニット15を上に持ち上げる力等の、シリンダ装置21を伸長させる方向への外力が作用しているときにも、シリンダ装置21の伸長時(アップ時)に、トリムアップ動作よりも先にチルトアップ動作してしまう不都合を回避するため、作動油給排装置22にチェック弁121とリリーフ弁122を有している。即ち、作動油給排装置22は、第1トリム室32Aと第1チルト室42Aをポンプ24に接続する第1流路91に、ポンプ24から第1トリム室32Aと第1チルト室42Aへの作動油の流れを許容するチェック弁121と、第1トリム室32Aと第1チルト室42Aの油圧が一定値以上に昇圧したことを条件に開弁するリリーフ弁122とを並列接続している。これにより、後進航走時の後進推力や、波の力が推進ユニット15を上に持ち上げる力等の、シリンダ装置21を伸長させる方向への外力が作用しているときにも、シリンダ装置21がトリムピストン51のトリムアップ移動完了後、チルトピストン71をチルトアップ移動開始せしめるように伸長動作可能とする。
【0037】
尚、図7はチェック弁121を備えたリリーフ弁122であり、123はバルブボディ、124はバルブボディ123に圧入されたバルブシート、125は盲栓、126はチェック弁121のボール、127はリリーフ弁122のボール、128はスプリングシート、129はリリーフスプリングである。
【0038】
また、船舶推進機10は、前進航走時に、トリム動作可能域(シリンダ装置21がトリムアップ完了していない状態)で、トリム・チルト装置20のポンプ24を停止し、作動油給排装置22によるシリンダ装置21への油圧流路91、92がロックされている状態で、推進ユニット15に流木等の水中障害物が衝突し、ピストンロッド61とシリンダ41が一体となってハウジング31、タンクハウジング28及びタンク25、28Cに対しトリムストロークすることによる、タンク25、28Cの異常加圧を回避するため、作動油給排装置22にリリーフ弁131を有している。即ち、タンク25、28Cの油圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁してタンク25、28Cの作動油を第2トリム室32Bにリリーフ可能とするリリーフ弁131を、タンク25のモータ23の下部でポンプ24を固定配置している底面に設置し、第2トリム室32Bに連通する流路95(92)に接続してある。これにより、推進ユニット15に水中障害物等が衝突し、シリンダ装置21を伸長させる方向への衝撃力が加わったことによる、シリンダ41の移動(トリムストローク)によるタンク25、28Cの異常加圧を回避可能とする。
【0039】
尚、図8は、リリーフ弁131であり、132はバルブボディ、133はバルブボディ132に圧入させたバルブカラー、134はボール、135はリリーフスプリングである。
【0040】
以下、トリム・チルト装置20の作動について説明する。
(1)トリムアップ
モータ23及びポンプ24を逆転すると、ポンプ24の吐出油は、管路93Bからシャトル式切替弁101の第2シャトル室113Bへ流れ、シャトルピストン111は図6で右側に移動し、第1チェック弁112Aを押し開く。また、切替弁101の第2シャトル室113Bに流入した作動油は自らの圧力で第2チェック弁112Bを押し開き、実線矢印で示すように、管路92を介して第2トリム室32Bに送られる。このようにして、第2トリム室32Bに流れ込んだ作動油は、トリムピストン51を押し上げようとする。尚、第2トリム室32Bの作動油は、トリムピストン51に作用するだけでなく、トリムピストン51に密接しているチルトピストン71にもトリムピストン51の貫通孔状の連通路53を通って作用するが、トリムピストン51の受圧面積の方がチルトピストン71の受圧面積より大きくなるように連通路53の面積を設定してあるため、トリムピストン51がチルトピストン71を押し上げ移動するものとなる。このとき、第1トリム室32Aの作動油が第1流路91へ流出し、ひいてはポンプ24に戻るため、トリムピストン51が移動するとともに、シリンダ41及びピストンロッド61をハウジング31の外方へ突出し、トリムアップする。そして、トリムピストン51が第1トリム室32A内のトリムアップ方向のストロークエンドに衝合するに至り、最大トリムアップとなる。
【0041】
(2)チルトアップ
上記(1)において、トリムピストン51が最大トリムアップまで移動した後、更に、作動油が第2トリム室32Bに供給されると、第2トリム室32B内の作動油圧力がトリムピストン51に設けてある貫通孔状の連通路53からフリーピストン81を介してチルトピストン71の反ピストンロッド61側端面に及ぶ。これにより、第2トリム室32Bに供給される作動油は、シリンダ41内でトリムピストン51とフリーピストン81(及びチルトピストン71)との間に次第に拡張形成される第2チルト室42Cに充填され、第1チルト室42A内の作動油はシリンダ41のロッドガイド43に設けた通路91A、シリンダ41の連通路46、シリンダ41の外パイプ41Bに設けた通路91B、トリムピストン51に設けた通路91C、第1トリム室32Aを介して第1流路91へ流出するため、チルトピストン71とフリーピストン81が共に移動することとなる。これにより、ピストンロッド61はシリンダ41の外方へ突出し、チルトアップする。そして、チルトピストン71が第1チルト室42A内のチルトアップ方向のストロークエンドに衝合するに至り、最大チルトアップとなる。
【0042】
(3) チルトダウン
モータ23及びポンプ24が正転すると、ポンプ24からの吐出油は管路93Aから切替弁101の第1シャトル室113Aへ流れ、シャトルピストン111は図6で左側へ移動し、第2チェック弁112Bを押し開く。また、切替弁101の第1シャトル室113Aに流入した作動油は、自らの圧力で第1チェック弁112Aを押し開き、破線矢印で示すように、第1流路91から第1トリム室32A、通路91C、通路91B、シリンダ41の連通路46、通路91Aを介して第1チルト室42Aに送られる。このようにして、作動油が第1チルト室42Aへ流れ込むと、上記作動油はチルトピストン71(及びフリーピストン81)を押し下げる。尚、このとき、第1トリム室32Aの作動油がトリムピストン51に作用するが、第1チルト室42Aに面するチルトピストン71の受圧面積の方が第1トリム室32Aに面するトリムピストン51の受圧面積より大きくなるように設定してあるため、チルトピストン71がトリムピストン51に衝合するまではチルトピストン71だけが押し下げられる。これにより、ピストンロッド61はシリンダ41の内方へ没入し、チルトダウンする。このとき、第2チルト室42Cの作動油がトリムピストン51の貫通孔状の連通路53から第2トリム室32Bを経て第2流路92へ流出し、ひいてはポンプ24に戻る。そして、チルトピストン71がトリム室32のトリムアップ方向のストロークエンドに停留しているトリムピストン51に衝合するに至り、チルトダウンを終了する。
【0043】
(4) トリムダウン
上記(3) のチルトダウン終了後、更に、作動油が第1トリム室32A、第1チルト室42Aに供給されると、チルトピストン71(及びフリーピストン81)はトリムピストン51と一体となって第2トリム室32Bの側へ押し下げられ、第2トリム室32B内の作動油は第2流路92へ流出するため、シリンダ41及びピストンロッド61はハウジング31の内方へ更に没入し、トリムダウンする。そして、トリムピストン51が第2トリム室32B内のトリムダウン方向のストロークエンドに衝合するに至り、トリムダウンを終了する。
【0044】
ここで、トリム・チルト装置22にあっては、上記(1) 〜(2) のトリムアップからチルトアップへの移行過程、及び(3) 〜(4) のチルトダウンからトリムダウンへの移行過程で、ピストン51、71の有効面積が大径トリムピストン51と小径チルトピストン71との間で変化する。このため、ピストンロッド61の移行速度は「トリム域<チルト域」であり、ピストンロッド61に作用する力は「トリム域>チルト域」である。即ち、上記実施例では、(a) トリム域においては、プロペラ推力に対向してトリム角の微調整ができるとともに、浅瀬航行も可能となり、(b) チルト域においては、推進ユニット自重を支えるに必要な比較的小さな力で、迅速にチルトアップ/ダウンできる。
【0045】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
(A) 後進航走時等のシリンダ装置21を伸長させる外力の作用時におけるトリムアップ動作の確保
【0046】
▲1▼第1トリム室32Aと第1チルト室42Aをポンプ24に接続する作動油流路91に、チェック弁121とリリーフ弁122を並列接続した。チェック弁121は、シリンダ装置21のダウン動作時に第1トリム室32Aと第1チルト室42A(上室)にポンプ24の吐出油を導入するためのものであり、リリーフ弁122はアップ動作時に第1トリム室32Aと第1チルト室42Aの作動油が昇圧してこのリリーフ弁122を押し開けることにより初めてアップ動作可能とするものである。従って、後進航走時の後進推力や波の力が推進ユニット15を上に持ち上げる力等の、シリンダ装置21を伸長させる方向への外力が作用しているときに、シリンダ装置21をアップ動作させようとしてポンプ24の吐出油を第2トリム室32B(下室)に供給すると、第2トリム室32Bの油圧がトリムピストン51、チルトピストン71を介して第1トリム室32Aと第1チルト室42A(上室)の油圧を昇圧し、この昇圧された油圧がリリーフ圧に達するまでリリーフ弁122が閉じていて第1チルト室42A〜ポンプ24吸込側への油圧流路をロック維持する。そして、第1トリム室32Aと第1チルト室42Aの油圧が昇圧してリリーフ圧に達するとリリーフ弁122が開き、下室側受圧面積の大きいトリムピストン51の方がチルトピストン71より先にアップ動作することになる。
【0047】
▲2▼上述▲1▼のリリーフ弁122の設定圧Pは、チルトピストン71の受圧面積Sに作用する後進推力等の外力Faより大きな値とすることが望ましく、P<Fa/Sであり、例えば30kgf/cm2とする。このとき、リリーフ圧Pが高すぎると、ポンプ24の効率を悪くし、過大負荷になるので、例えばP=30±10kgf/cm2とする。但し、実際には管路の圧損やフリクション等の影響があり、リリーフ圧PはP>Fa/Sよりも小さくとも成り立つこととなる。
【0048】
(B) 水中障害物等の衝突に伴うシリンダ41の移動(トリムストローク)による、タンク25の異常加圧の回避
【0049】
(1)タンク25、28Cの内圧が一定値異常に昇圧したことにより開弁してタンク25、28Cの作動油を第2トリム室32Bにリリーフするリリーフ弁131を設けた。従って、推進ユニット15への水中障害物等の衝突時に、ピストンロッド61とシリンダ41が一体となってタンクハウジング28内でトリムストロークすることにより、タンク25、28Cの内圧が急激に加圧されても、この内圧を上述のリリーフ弁131により直ちに第2トリム室32Bの側へ逃がすことができる。これにより、タンク25、28Cの異常加圧を回避し、樹脂製タンクハウジング28の破損を防止し、あるいはこのタンク28Cに連通して設けられているポンプ室を覆うポンプモータ23の樹脂製端板の破損を防止できる。
【0050】
(2)タンク25、28Cの異常加圧を吸収するために該タンク25、28Cのエア容量を大きくしておく必要がなく、タンク25、28Cの大型化を回避できる。
【0051】
(3)上述(1)のリリーフ弁131の設定圧は、タンク25、28Cがわずかな負圧になっただけでリリーフ弁131が開弁してしまうことのないように、即ち、リリーフ弁131の開弁動作の安定を図るに必要なだけの小さな値で足り、例えば1〜3kgf/cm2とする。
【0052】
尚、本実施形態によれば、以下の作用もある。
(1)シリンダ装置21のシリンダ41はタンクハウジング28により覆われて外水に触れることがなく、タンク28C内の作動油により簡易且つ確実に不銹化される。このため、シリンダ41が船体11と推進ユニット15の間で一定の推進力(軸圧縮力)を伝達する部材として、小断面で一定の強度を確保できるように鉄系材料等の金属材料で構成するに際しても、シリンダ41を高級不銹材料により構成したり、塗装等の不銹処理を施す必要がなく、不銹処理のための加工工数を削減し、コスト低減できる。
【0053】
(2)シリンダ41の外面は上述(1)により不銹化されて錆を生じないので、シリンダ41がトリム動作域でハウジング31に設けたシリンダガイド34のシール部材35に繰り返し慴接する場合にも、シリンダ41の外面がそのシール部材35をキズ付けることがない。
【0054】
(3)作動油給排装置22のタンクハウジング28は、ハウジング31から外方に突き出るシリンダ41の全体を該シリンダ41の長手方向の全域で覆うものとなる。このため、タンクハウジング28はシリンダ41の長手方向に沿って延在するものとなり、シリンダ41の基部まわりで横外方に大きく張り出ることがなく、トリム・チルト装置20をコンパクト化できる。
【0055】
ここで、シリンダ装置21のハウジング31は作動油給排装置22のタンク25を一体成形された例えばアルミ合金鋳造製であり、錆びることがない。また、サブタンクハウジング28は例えば樹脂製であって錆びない。
【0056】
尚、シリンダ41の外周面にメッキ等の処理を施し、ハウジング31のシリンダガイド34に対する摺動性の良好を図っても良い。
【0057】
(4)第1トリム室32Aと第1チルト室42Aとをシリンダ41の壁内に設けた連通路46にて連通したので、作動油給排装置22からシリンダ装置21に給排される作動油の配管がシリンダ装置21の外部に露出することを抑制できる。これにより、シリンダ装置21の外観はコンパクトで、露出配管の損傷や接続部からの油洩れ等の心配がない。このとき、第1トリム室32Aと第1チルト室42Aとの連通路46を、シリンダ41の壁内に設けたものであるから、シリンダ装置21の構成は簡易である。
【0058】
(5)シリンダ装置21の液密シール必要部が、ハウジング31に設けたシリンダガイド34に対するシリンダ41の摺動部(シール部材35)、ハウジング31のトリム室31内面に対するトリムピストン51の摺動部(シール部材52)、シリンダ41に設けたロッドガイド部43に対するピストンロッド61の摺動部(シール部材44)、シリンダ41のチルト室42内面に対するチルトピストン71の摺動部(シール部材72)の4カ所だけであり、シリンダ装置21のシール性を向上できる。
【0059】
(6)チルトピストン71は、チルト動作時に、シリンダ41のチルト室42内面に外周部を摺接するだけで上下動するものであり、その組立性、摺動性が良く、チルト動作性を向上できる。
【0060】
(7)シリンダ装置21のシリンダ41を二重筒構造とすることにより、内パイプ41Aと外パイプ41Bの結合によりこの二重筒構造を形成し、それらの両パイプ41A、41B間の間隙を第1トリム室32Aと第1チルト室42Aとの連通路46として用いることができる。これにより、シリンダ装置21の構成を極めて簡易にできる。
【0061】
(8)作動油給排装置22のポンプ24とタンク25と切替弁付き流路26を、シリンダ装置21のハウジング31に内蔵することにより、作動油給排装置22とシリンダ装置21との連絡流路を外部に露出することがなく、前記(4)と相まってトリム・チルト装置20の全ての露出配管をなくすことができる。
【0062】
(9)作動油給排装置22をシリンダ装置21に一体に組み付けるものとなり、シリンダ装置21のハウジング31とピストンロッド61とを船体11と船舶推進機10とに連結することのみにより、作動油給排装置22の取付けも同時完了となる。
【0063】
然るに、本発明にあっては、シリンダの壁内に内蔵されて第1トリム室と第1チルト室とを連通する連通路を、シリンダの肉厚内に設けた孔状連通路にて構成しても良い。このとき、シリンダを鋳物にて形成し、孔状連通路を鋳造するものであっても良く、シリンダをパイプにて形成し、孔状連通路をパイプの肉厚内に穿設するものであっても良い。
【0064】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、船舶推進機用トリム・チルト装置において、シリンダ装置のシリンダを作動油給排装置のタンクハウジングにより覆うに際し、水中障害物等の衝突に伴うシリンダの移動による、タンクの異常加圧を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は船舶推進機を示す模式図である。
【図2】図2はトリム・チルト装置を示す模式図である。
【図3】図3は図2の側面図である。
【図4】図4は図2の平面図である。
【図5】図5はシリンダ装置のハウジングへの作動油給排装置の組み込み状態を示す模式図である。
【図6】図6はトリム・チルト装置の油圧回路を示す模式図である。
【図7】図7はチェック弁付リリーフ弁を示す断面図である。
【図8】図8はリリーフ弁を示す断面図である。
【符号の説明】
10 船舶推進機
11 船体
15 推進ユニット(船舶推進機)
20 トリム・チルト装置
21 シリンダ装置
22 作動油給排装置
23 モータ
24 ポンプ
25 タンク
26 切替弁付き流路
28 サブタンクハウジング
28C サブタンク
31 ハウジング
32 トリム室
32A 第1トリム室
32B 第2トリム室
41 シリンダ
42 チルト室
42A 第1チルト室
42B、42C 第2チルト室
46 連通路
51 トリムピストン
53 連通路
61 ピストンロッド
71 チルトピストン
131 リリーフ弁

Claims (1)

  1. 船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させる船舶推進機用トリム・チルト装置において、
    前記シリンダ装置が、
    船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、
    ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、
    ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、
    船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、
    シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画するとともに、第1チルト室の油圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁して第1チルト室の作動油を第2チルト室に移動可能とする緩衝弁を備えてなる小径のチルトピストンとを有し、
    上記シリンダ装置のシリンダがトリム動作域でハウジングから外方に突き出る部分を作動油給排装置を構成するタンクハウジングにより覆い、かつタンクの油圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁してタンクの作動油を第2トリム室にリリーフ可能とするリリーフ弁を設け、船舶推進機にシリンダ装置を伸長させる方向への衝撃力が加わったことによる、シリンダの移動によるタンクの異常加圧を回避することを特徴とする船舶推進機用トリム・チルト装置。
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