JP2001030992A - 船舶推進機用トリム・チルト装置 - Google Patents
船舶推進機用トリム・チルト装置Info
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Abstract
シリンダ装置のシリンダを作動油給排装置のタンクによ
り覆うに際し、水中障害物等の衝突に伴うシリンダの移
動による、タンクの異常加圧を回避すること。 【解決手段】 船舶推進機用トリム・チルト装置20に
おいて、シリンダ装置21のシリンダ41を作動油給排
装置22を構成するタンク25により覆い、かつタンク
25の油圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁して
タンク25の作動油を第2トリム室32Bにリリーフ可
能とするリリーフ弁131を設けてなるもの。
Description
等のための船舶推進機用トリム・チルト装置に関する。
として、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶
推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置
からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御する
ことにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をト
リム動作及びチルト動作させるものがある。
置として、本件の出願人は、特願平11-112856号によ
り、シリンダ装置が、船体と船舶推進機の一方に連結し
て用いられる、大径のトリム室を形成するハウジング
と、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径
のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム
室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収
容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム
室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推
進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に
伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチ
ルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室を
ピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッ
ド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピ
ストンとを有し、更に、上記シリンダ装置のシリンダが
トリム動作域でハウジングから外方に突き出る部分を作
動油給排装置を構成するタンクにより覆ってなるものを
提案している。これによれば、シリンダ装置のシリンダ
をタンクにより覆って外水に触れさせることがなく、タ
ンク内の作動油により簡易かつ確実に不錆化できる。
856号に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置では、前
進航走時に、トリム動作可能域(シリンダ装置がトリム
アップ完了していない状態)で、トリム・チルト装置の
ポンプを停止し、作動油給排装置によるシリンダ装置へ
の作動油給排油圧流路がロックされている状態で、船舶
推進機に流木等の水中障害物が衝突すると、ピストンロ
ッドとシリンダは一体となってハウジング及びタンクに
対しトリムストロークする。このとき、船舶推進機用ト
リム・チルト装置では、第1チルト室のロック状態にあ
る油圧の昇圧により、チルトピストンの緩衝弁を開い
て、この油圧を第2チルト室に移動し、衝撃を吸収可能
としている。
上述の如くにハウジング及びタンクに対し移動(トリム
ストローク)したとき、タンクの内圧を急激に加圧し、
樹脂製タンクを破損したり、このタンクに連通して設け
られているポンプ室を覆うポンプモータの樹脂製端板を
破損する虞がある。
ルト装置において、シリンダ装置のシリンダを作動油給
排装置のタンクにより覆うに際し、水中障害物等の衝突
に伴うシリンダの移動による、タンクの異常加圧を回避
することにある。
は、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進
機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置から
シリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御すること
により、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム
動作及びチルト動作させる船舶推進機用トリム・チルト
装置において、前記シリンダ装置が、船体と船舶推進機
の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成す
るハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿
入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジ
ングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室
をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側
の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、
船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダ
のチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、
シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定さ
れ、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室
と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画す
るとともに、第1チルト室の油圧が一定値以上に昇圧し
たことにより開弁して第1チルト室の作動油を第2チル
ト室に移動可能とする緩衝弁を備えてなる小径のチルト
ピストンとを有し、上記シリンダ装置のシリンダがトリ
ム動作域でハウジングから外方に突き出る部分を作動油
給排装置を構成するタンクにより覆い、かつタンクの油
圧が一定値以上に昇圧したことにより開弁してタンクの
作動油を第2トリム室にリリーフ可能とするリリーフ弁
を設け、船舶推進機にシリンダ装置を伸長させる方向へ
の衝撃力が加わったことによる、シリンダの移動による
タンクの異常加圧を回避するようにしたものである。
より開弁してタンクの作動油を第2トリム室にリリーフ
するリリーフ弁を設けた。従って、船舶推進機への水中
障害物等の衝突時に、ピストンロッドとシリンダが一体
となってタンク内でトリムストロークすることにより、
タンクの内圧が急激に加圧されても、この内圧を上述の
リリーフ弁により直ちに第2トリム室の側へ逃がすこと
ができる。これにより、タンクの異常加圧を回避し、樹
脂製タンクの破損を防止できる。
ンクのエア容量を大きくしておく必要がなく、タンクの
大型化を回避できる。
図2はトリム・チルト装置を示す模式図、図3は図2の
側面図、図4は図2の平面図、図5はシリンダ装置のハ
ウジングへの作動油給排装置の組み込み状態を示す模式
図、図6はトリム・チルト装置の油圧回路を示す模式
図、図7はチェック弁付リリーフ弁を示す断面図、図8
はリリーフ弁を示す断面図である。
あっても良い)は、図1に示す如く、船体11の船尾板
11Aにクランプブラケット12を固定され、クランプ
ブラケット12にはチルト軸13を介してスイベルブラ
ケット14が略水平軸まわりに傾動可能に枢着されてい
る。スイベルブラケット14には、図示されない略鉛直
配置される転舵軸を介して、推進ユニット15が転舵軸
まわりに回動可能に枢着されている。推進ユニット15
の上部にはエンジンユニット16が搭載され、推進ユニ
ット15の下部にはプロペラ17が備えられている。
のクランプブラケット12に、チルト軸13、スイベル
ブラケット14を介して推進ユニット15を傾動自在に
支持され、クランプブラケット12とスイベルブラケッ
ト14との間にトリム・チルト装置20のシリンダ装置
21を介装し、作動油給排装置22からシリンダ装置2
1に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シ
リンダ装置21を伸縮させて推進ユニット15を図1の
トリム域ないしはチルト域で傾動可能としている。尚、
船舶推進機10は、推進ユニット15をトリム域内の比
較的緩傾斜状態に保持することにより、水面ロードの変
化に対して最適な航走姿勢を得ることを可能としてい
る。
20のシリンダ装置21は、図1、図2に示す如く、ク
ランプブラケット12に連結して用いられるハウジング
31を有し、このハウジング31に大径のトリム室32
を形成している。尚、ハウジング31は、例えばアルミ
合金の鋳造製であり、クランプブラケット12への取付
ピン挿着孔33を備える。
トリムアップ−ダウン操作時に、ハウジング31の開口
端に設けてあるシリンダガイド34からトリム室32に
伸縮可能に挿入されるシリンダ41を有し、このシリン
ダ41に小径のチルト室42を形成している。シリンダ
ガイド34は、ハウジング31の開口端に螺着されると
ともに、トリム室32に密接するOリング等のシール部
材35を備えるとともに、シリンダ41の外面に摺接す
るOリング等のシール部材36を備える。
1のトリム室32内にあるシリンダ41の端部に螺着さ
れて固定される大径のトリムピストン51を有する。ト
リムピストン51は、トリム室32の内面に摺接するO
リング等のシール部材52を備え、トリム室32を、シ
リンダ41を収容する側の第1トリム室32Aと、シリ
ンダ41を収容しない側の第2トリム室32Bとに区画
する。
ケット14に連結して設けられるピストンロッド61を
有し、このピストンロッド61をチルト域でのチルトア
ップ−ダウン操作時にシリンダ41の開口端に設けてあ
るロッドガイド部43からチルト室42に伸縮可能に挿
入している。ロッドガイド部43は、ピストンロッド6
1の外面に摺接するOリング等のシール部材44を備え
る。ピストンロッド61は取付ジョイント62にスイベ
ルブラケット14への取付ピン挿着孔62Aを備える。
のチルト室42内にあるピストンロッド61の端部に座
金71Aを介してナット71Bにより固定される小径の
チルトピストン71を有する。チルトピストン71は、
シリンダ41の内面に摺接するOリング等のシール部材
72を備え、チルト室42を、ピストンロッド61を収
容する側の第1チルト室42Aと、ピストンロッド61
を収容しない側の第2チルト室42Bとに区画する。
逆止弁74とを有している。伸側緩衝弁73は、推進ユ
ニット15への流木等の水中障害物の衝突時等に、シリ
ンダ装置21の伸長方向への衝撃力が加わったとき、油
圧回路の保護のために設定圧で開き、第1チルト室42
Aの作動油を第2チルト室42B内にある後述するフリ
ーピストン81の側に移送してピストンロッド61を伸
長可能とする。このとき、フリーピストン81はその位
置にとどまり、チルトピストン71だけが動く。逆止弁
74は、伸側緩衝弁73の上述の開弁の後、推進ユニッ
ト15の自重でピストンロッド61のチルトピストン7
1が元の位置(フリーピストン81がとどまっている位
置)に戻ろうとするとき開き、チルトピストン71とフ
リーピストン81との間の作動油を第1チルト室42A
に戻す。
の第2チルト室42B、42C内で、通常チルトピスト
ン71に接する位置に設定されるフリーピストン81を
有する。フリーピストン81は、シリンダ41の内周に
接するOリング等のシール部材83を備える。
止弁82(図6)、(図2では不図示)を有している。
船舶推進機10の前進中の障害物との衝突、前進中のブ
レーキ操作時、あるいは始動操作時に何らかの理由でシ
リンダ装置21の伸長方向への外力が加わったとき、伸
側緩衝弁73が開いてピストンロッド61が延び、第1
チルト室42Aから第2チルト室42Bに移送された油
がチルトピストン71とフリーピストン81との間に入
った状態で、かつフリーピストン81が最下点にあると
き、これをポンプ作動によりピストンロッド61を圧縮
させながら前進したとき、リセット逆止弁82が開いて
チルトピストン71とフリーピストン81が接するもと
の位置にリセットされる。
リンダ41を鉄系材料により鍛造成形されたものとし、
外パイプ41Bと前述のロッドガイド部43を鍛造によ
り一体成形し、組立工数を削減し、且つ強度面でも高強
度化している。そして、シリンダ41は、ロッドガイド
部43の内端面に設けた凹部と、外パイプ41Bに螺着
される前述のトリムピストン51の内端面に設けた凹部
との間に内パイプ41Aを挟持し、チルトシリンダ組立
体としている。これにより、シリンダ41を内パイプ4
1Aと外パイプ41Bからなる二重筒構造とし、内パイ
プ41Aと外パイプ41Bの間の間隙を第1トリム室3
2Aと第1チルト室42Aとを連通する連通路46とし
ている。即ち、第1トリム室32Aはハウジング31に
設けてある第1流路91に直接接続され、第1チルト室
42Aはシリンダ41の内パイプ41Aに設けた通路9
1A、シリンダ41の連通路46、シリンダ41の外パ
イプ41Bに設けた通路91B、トリムピストン51に
設けた通路91C、第1トリム室32Aを介して第1流
路91に接続される。これにより、第1トリム室32A
と第1チルト室42Aは、トリム動作とチルト動作の
(a) 収縮行程で作動油給排装置22の供給側に第1流路
91を介して連絡され、(b) 伸長行程で作動油給排装置
22の排出側に第1流路91を介して連絡される。
ムピストン51が第2トリム室32Bと第2チルト室4
2Cとを連通する貫通孔状の連通路53を有している。
即ち、第2トリム室32Bはハウジング31に設けてあ
る第2流路92に直接接続され、第2チルト室42C
は、フリーピストン81、トリムピストン51の連通路
53、第2トリム室32Bを介して第2流路92に接続
される。これにより、第2トリム室32Bと第2チルト
室42Cは、トリム動作とチルト動作の(a) 伸長行程で
作動油給排装置22の供給側に第2流路92を介して連
絡され、(b) 収縮行程で作動油給排装置22の排出側に
第2流路92を介して連絡される。
2は、可逆式モータ23と可逆式ギヤポンプ24とタン
ク25と切替弁付き流路26からなり、前述の第1流路
91、第2流路92を介して、シリンダ装置21の第1
トリム室32A、第2トリム室32B、第1チルト室4
2A、第2チルト室42Cに作動油を給排可能とする。
示す如く、シリンダ装置21のハウジング31に形成し
たモータ据付面31Aにモータ23の取付けベース23
Aを据付けてボルト27により固定し、モータ23をシ
リンダ装置21のシリンダ41の横に並設してある。
置21のハウジング31におけるトリム室32の側傍に
形成した空洞部分をタンク25として作動油を収容す
る。そして、ハウジング31に設けられたタンク25の
内で、モータ23の下部対応部分には開口25Aを設
け、この開口25Aにはモータ23の取付けベース23
Aに連なる嵌合部23BがOリング等のシール部材25
Bを介して気密に嵌合される。そして、ハウジング31
に設けたタンク25内におけるモータ23の下部にはポ
ンプ24が油中に浸漬される状態で固定配置され、モー
タ23の嵌合部23Bから突出している出力軸23Cと
ポンプ24の被動軸24Aとが接続されている。
装置21のシリンダ41がトリム動作域でハウジング3
1のシリンダガイド34から外方に突き出る部分を、作
動油給排装置22を構成するサブタンクハウジング28
により覆っている。サブタンクハウジング28は例えば
樹脂製からなり、サブタンクハウジング28の下端開口
部をシリンダガイド34まわりに嵌合し、サブタンクハ
ウジング28の下端フランジ部28AをOリング29A
を介してハウジング31の開口端面にボルト30により
液密に締結してある。そして、サブタンクハウジング2
8の上端開口部にはピストンロッド61を液密に摺接可
能とするオイルシール等のシール部材28Bを設けてあ
る。これにより、サブタンクハウジング28は、シリン
ダ41とピストンロッド61の長手方向に沿ってそれら
シリンダ41、ピストンロッド61の周囲に一定の間隙
を介するように立設されてサブタンク28Cを形成し、
このサブタンク28Cを、シリンダガイド34に設けた
通路28D、ハウジング31に設けた通路28Eを介し
てハウジング31の前述のタンク25に連通している。
図3、図4において、28Fは注油プラグである。
第1流路91、第2流路92に連絡する切替弁付き流路
26もハウジング31に内蔵し、この切替弁付き流路2
6にシャトル式切替弁101、逆止弁102、103、
縮側リリーフ弁104、伸側リリーフ弁105、縮側緩
衝弁106A、手動切替弁107を設けている。
トン111、シャトルピストン111の両側に位置する
第1チェック弁112A及び第2チェック弁112Bを
有し、シャトルピストン111の第1チェック弁112
A側に第1シャトル室113Aを画成し、シャトルピス
トン111の第2チェック弁112B側に第2シャトル
室113Bを画成している。第1チェック弁112A
は、ポンプ24の正転によって管路93Aを介して第1
シャトル室113Aに加えられる送油圧力によって開作
動され、第2チェック弁112Bは、ポンプ24の逆転
によって管路93Bを介して第2シャトル室113Bに
加えられる送油圧力によって開作動可能とされている。
また、シャトルピストン111は、ポンプ24の正転に
よる送油圧力によって第2チェック弁112Bを開作動
し、ポンプ24の逆転による送油圧力によって第1チェ
ック弁112Aを開作動可能としている。
112Aは第1流路91に接続され、第2チェック弁1
12Bは第2流路92に接続されている。
Aには逆止弁102が介装されている。即ち、船舶推進
機10のチルトアップ操作時に、シリンダ41の内容積
は、ピストンロッド61の退出容積だけ不足することと
なり、作動油の循環油量が不足することから、上記逆止
弁102が開作動し、タンク25からポンプ24に循環
油量の不足分を補償可能としている。
Bには逆止弁103が介装されている。即ち、船舶推進
機10のトリムダウン操作時に、トリムピストン51が
最大収縮位置に達してトリムダウンが完了し、第2トリ
ム室32Bからポンプ24への戻り油がなくなった時点
で、なおポンプ24が作動する場合に、上記逆止弁10
3が開作動し、タンク25からポンプ24に作動油を供
給可能としている。
113Aに接続され、チルトダウン、トリムダウン作動
時に余るロッド分の油量をタンク25に戻すため、及び
トリムダウンが完了してもなおポンプ24を作動し続け
たときの油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク
25に逃がすものである。
ン111に内蔵され、チルトアップ操作時に、ピストン
ロッド61が最大伸長位置に達してチルトアップが完了
してもなおポンプ24を作動し続けたときの油圧回路保
護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすもので
ある。
のチルトピストン71、フリーピストン81がチルト室
42の中間位置で航走中、ピストンロッド61を収縮す
る方向の何らかの衝撃力が推進ユニット15に加わった
とき(推進ユニット15に後方から障害物がぶつかった
場合等)の油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタン
ク25に逃がすものである。
流路92の連絡路95に介装され、第1流路91と第2
流路92とタンク25を導通することにより、シリンダ
装置21を手動で伸縮せしめ、推進ユニット15をトリ
ム域とチルト域とで傾動自在とするものである。
走時の後進推力や波の力が推進ユニット15を上に持ち
上げる力等の、シリンダ装置21を伸長させる方向への
外力が作用しているときにも、シリンダ装置21の伸長
時(アップ時)に、トリムアップ動作よりも先にチルト
アップ動作してしまう不都合を回避するため、作動油給
排装置22にチェック弁121とリリーフ弁122を有
している。即ち、作動油給排装置22は、第1トリム室
32Aと第1チルト室42Aをポンプ24に接続する第
1流路91に、ポンプ24から第1トリム室32Aと第
1チルト室42Aへの作動油の流れを許容するチェック
弁121と、第1トリム室32Aと第1チルト室42A
の油圧が一定値以上に昇圧したことを条件に開弁するリ
リーフ弁122とを並列接続している。これにより、後
進航走時の後進推力や、波の力が推進ユニット15を上
に持ち上げる力等の、シリンダ装置21を伸長させる方
向への外力が作用しているときにも、シリンダ装置21
がトリムピストン51のトリムアップ移動完了後、チル
トピストン71をチルトアップ移動開始せしめるように
伸長動作可能とする。
ーフ弁122であり、123はバルブボディ、124は
バルブボディ123に圧入されたバルブシート、125
は盲栓、126はチェック弁121のボール、127は
リリーフ弁122のボール、128はスプリングシー
ト、129はリリーフスプリングである。
トリム動作可能域(シリンダ装置21がトリムアップ完
了していない状態)で、トリム・チルト装置20のポン
プ24を停止し、作動油給排装置22によるシリンダ装
置21への油圧流路91、92がロックされている状態
で、推進ユニット15に流木等の水中障害物が衝突し、
ピストンロッド61とシリンダ41が一体となってハウ
ジング28、31及びタンク25に対しトリムストロー
クすることによる、タンク25の異常加圧を回避するた
め、作動油給排装置22にリリーフ弁131を有してい
る。即ち、タンク25の油圧が一定値以上に昇圧したこ
とにより開弁してタンク25の作動油を第2トリム室3
2Bにリリーフ可能とするリリーフ弁131を、タンク
25のモータ23の下部でポンプ24を固定配置してい
る底面に設置し、第2トリム室32Bに連通する流路9
5(92)に接続してある。これにより、推進ユニット
15に水中障害物等が衝突し、シリンダ装置21を伸長
させる方向への衝撃力が加わったことによる、シリンダ
41の移動(トリムストローク)によるタンク25の異
常加圧を回避可能とする。
32はバルブボディ、133はバルブボディ132に圧
入させたバルブカラー、134はボール、135はリリ
ーフスプリングである。
いて説明する。 (1)トリムアップ モータ23及びポンプ24を逆転すると、ポンプ24の
吐出油は、管路93Bからシャトル式切替弁101の第
2シャトル室113Bへ流れ、シャトルピストン111
は図6で右側に移動し、第1チェック弁112Aを押し
開く。また、切替弁101の第2シャトル室113Bに
流入した作動油は自らの圧力で第2チェック弁112B
を押し開き、実線矢印で示すように、管路92を介して
第2トリム室32Bに送られる。このようにして、第2
トリム室32Bに流れ込んだ作動油は、トリムピストン
51を押し上げようとする。尚、第2トリム室32Bの
作動油は、トリムピストン51に作用するだけでなく、
トリムピストン51に密接しているチルトピストン71
にもトリムピストン51の貫通孔状の連通路53を通っ
て作用するが、トリムピストン51の受圧面積の方がチ
ルトピストン71の受圧面積より大きくなるように連通
路53の面積を設定してあるため、トリムピストン51
がチルトピストン71を押し上げ移動するものとなる。
このとき、第1トリム室32Aの作動油が第1流路91
へ流出し、ひいてはポンプ24に戻るため、トリムピス
トン51が移動するとともに、シリンダ41及びピスト
ンロッド61をハウジング31の外方へ突出し、トリム
アップする。そして、トリムピストン51が第1トリム
室32A内のトリムアップ方向のストロークエンドに衝
合するに至り、最大トリムアップとなる。
ップまで移動した後、更に、作動油が第2トリム室32
Bに供給されると、第2トリム室32B内の作動油圧力
がトリムピストン51に設けてある貫通孔状の連通路5
3からフリーピストン81を介してチルトピストン71
の反ピストンロッド61側端面に及ぶ。これにより、第
2トリム室32Bに供給される作動油は、シリンダ41
内でトリムピストン51とフリーピストン81(及びチ
ルトピストン71)との間に次第に拡張形成される第2
チルト室42Cに充填され、第1チルト室42A内の作
動油はシリンダ41のロッドガイド43に設けた通路9
1A、シリンダ41の連通路46、シリンダ41の外パ
イプ41Bに設けた通路91B、ハウジング31のシリ
ンダガイド34に設けた通路91C、第1トリム室32
Aを介して第1流路91へ流出するため、チルトピスト
ン71とフリーピストン81が共に移動することとな
る。これにより、ピストンロッド61はシリンダ41の
外方へ突出し、チルトアップする。そして、チルトピス
トン71が第1チルト室42A内のチルトアップ方向の
ストロークエンドに衝合するに至り、最大チルトアップ
となる。
らの吐出油は管路93Aから切替弁101の第1シャト
ル室113Aへ流れ、シャトルピストン111は図6で
左側へ移動し、第2チェック弁112Bを押し開く。ま
た、切替弁101の第1シャトル室113Aに流入した
作動油は、自らの圧力で第1チェック弁112Aを押し
開き、破線矢印で示すように、第1流路91から第1ト
リム室32A、通路91C、通路91B、シリンダ41
の連通路46、通路91Aを介して第1チルト室42A
に送られる。このようにして、作動油が第1チルト室4
2Aへ流れ込むと、上記作動油はチルトピストン71
(及びフリーピストン81)を押し下げる。尚、このと
き、第1トリム室32Aの作動油がトリムピストン51
に作用するが、第1チルト室42Aに面するチルトピス
トン71の受圧面積の方が第1トリム室32Aに面する
トリムピストン51の受圧面積より大きくなるように設
定してあるため、チルトピストン71がトリムピストン
51に衝合するまではチルトピストン71だけが押し下
げられる。これにより、ピストンロッド61はシリンダ
41の内方へ没入し、チルトダウンする。このとき、第
2チルト室42Cの作動油がトリムピストン51の貫通
孔状の連通路53から第2トリム室32Bを経て第2流
路92へ流出し、ひいてはポンプ24に戻る。そして、
チルトピストン71がトリム室32のトリムアップ方向
のストロークエンドに停留しているトリムピストン51
に衝合するに至り、チルトダウンを終了する。
リム室32A、第1チルト室42Aに供給されると、チ
ルトピストン71(及びフリーピストン81)はトリム
ピストン51と一体となって第2トリム室32Bの側へ
押し下げられ、第2トリム室32B内の作動油は第2流
路92へ流出するため、シリンダ41及びピストンロッ
ド61はハウジング31の内方へ更に没入し、トリムダ
ウンする。そして、トリムピストン51が第2トリム室
32B内のトリムダウン方向のストロークエンドに衝合
するに至り、トリムダウンを終了する。
は、上記(1) 〜(2) のトリムアップからチルトアップへ
の移行過程、及び(3) 〜(4) のチルトダウンからトリム
ダウンへの移行過程で、ピストン51、71の有効面積
が大径トリムピストン51と小径チルトピストン71と
の間で変化する。このため、ピストンロッド61の移行
速度は「トリム域<チルト域」であり、ピストンロッド
61に作用する力は「トリム域>チルト域」である。即
ち、上記実施例では、(a) トリム域においては、プロペ
ラ推力に対向してトリム角の微調整ができるとともに、
浅瀬航行も可能となり、(b) チルト域においては、推進
ユニット自重を支えるに必要な比較的小さな力で、迅速
にチルトアップ/ダウンできる。
がある。 (A) 後進航走時等のシリンダ装置21を伸長させる外力
の作用時におけるトリムアップ動作の確保
Aをポンプ24に接続する作動油流路91に、チェック
弁121とリリーフ弁122を並列接続した。チェック
弁121は、シリンダ装置21のダウン動作時に第1ト
リム室32Aと第1チルト室42A(上室)にポンプ2
4の吐出油を導入するためのものであり、リリーフ弁1
22はアップ動作時に第1トリム室32Aと第1チルト
室42Aの作動油が昇圧してこのリリーフ弁122を押
し開けることにより初めてアップ動作可能とするもので
ある。従って、後進航走時の後進推力や波の力が推進ユ
ニット15を上に持ち上げる力等の、シリンダ装置21
を伸長させる方向への外力が作用しているときに、シリ
ンダ装置21をアップ動作させようとしてポンプ24の
吐出油を第2トリム室32B(下室)に供給すると、第
2トリム室32Bの油圧がトリムピストン51、チルト
ピストン71を介して第1トリム室32Aと第1チルト
室42A(上室)の油圧を昇圧し、この昇圧された油圧
がリリーフ圧に達するまでリリーフ弁122が閉じてい
て第1チルト室42A〜ポンプ24吸込側への油圧流路
をロック維持する。そして、第1トリム室32Aと第1
チルト室42Aの油圧が昇圧してリリーフ圧に達すると
リリーフ弁122が開き、下室側受圧面積の大きいトリ
ムピストン51の方がチルトピストン71より先にアッ
プ動作することになる。
は、チルトピストン71の受圧面積Sに作用する後進推
力等の外力Faより大きな値とすることが望ましく、P
<Fa/Sであり、例えば30kgf/cm2とする。このと
き、リリーフ圧Pが高すぎると、ポンプ24の効率を悪
くし、過大負荷になるので、例えばP=30±10kgf/cm2
とする。但し、実際には管路の圧損やフリクション等の
影響があり、リリーフ圧PはP>Fa/Sよりも小さく
とも成り立つこととなる。
1の移動(トリムストローク)による、タンク25の異
常加圧の回避
たことにより開弁してタンク25の作動油を第2トリム
室32Bにリリーフするリリーフ弁131を設けた。従
って、推進ユニット15への水中障害物等の衝突時に、
ピストンロッド61とシリンダ41が一体となってタン
ク25内でトリムストロークすることにより、タンク2
5の内圧が急激に加圧されても、この内圧を上述のリリ
ーフ弁131により直ちに第2トリム室32Bの側へ逃
がすことができる。これにより、タンク25の異常加圧
を回避し、樹脂製タンク25の破損を防止し、あるいは
このタンク25に連通して設けられているポンプ室を覆
うポンプモータ23の樹脂製端板の破損を防止できる。
該タンク25のエア容量を大きくしておく必要がなく、
タンク25の大型化を回避できる。
タンク25がわずかな負圧になっただけでリリーフ弁1
31が開弁してしまうことのないように、即ち、リリー
フ弁131の開弁動作の安定を図るに必要なだけの小さ
な値で足り、例えば1〜3kgf/cm2とする。
る。 シリンダ装置21のシリンダ41はタンク28Cによ
り覆われて外水に触れることがなく、タンク28C内の
作動油により簡易且つ確実に不銹化される。このため、
シリンダ41が船体11と推進ユニット15の間で一定
の推進力(軸圧縮力)を伝達する部材として、小断面で
一定の強度を確保できるように鉄系材料等の金属材料で
構成するに際しても、シリンダ41を高級不銹材料によ
り構成したり、塗装等の不銹処理を施す必要がなく、不
銹処理のための加工工数を削減し、コスト低減できる。
化されて錆を生じないので、シリンダ41がトリム動作
域でハウジング31に設けたシリンダガイド34のシー
ル部材35に繰り返し慴接する場合にも、シリンダ41
の外面がそのシール部材35をキズ付けることがない。
ハウジング31から外方に突き出るシリンダ41の全体
を該シリンダ41の長手方向の全域で覆うものとなる。
このため、タンク28Cはシリンダ41の長手方向に沿
って延在するものとなり、シリンダ41の基部まわりで
横外方に大きく張り出ることがなく、トリム・チルト装
置20をコンパクト化できる。
1は作動油給排装置22のタンク25を一体成形された
例えばアルミ合金鋳造製であり、錆びることがない。ま
た、サブタンクハウジング28は例えば樹脂製であって
錆びない。
理を施し、ハウジング31のシリンダガイド34に対す
る摺動性の良好を図っても良い。
Aとをシリンダ41の壁内に設けた連通路46にて連通
したので、作動油給排装置22からシリンダ装置21に
給排される作動油の配管がシリンダ装置21の外部に露
出することを抑制できる。これにより、シリンダ装置2
1の外観はコンパクトで、露出配管の損傷や接続部から
の油洩れ等の心配がない。このとき、第1トリム室32
Aと第1チルト室42Aとの連通路46を、シリンダ4
1の壁内に設けたものであるから、シリンダ装置21の
構成は簡易である。
が、ハウジング31に設けたシリンダガイド34に対す
るシリンダ41の摺動部(シール部材35)、ハウジン
グ31のトリム室31内面に対するトリムピストン51
の摺動部(シール部材52)、シリンダ41に設けたロ
ッドガイド部43に対するピストンロッド61の摺動部
(シール部材44)、シリンダ41のチルト室42内面
に対するチルトピストン71の摺動部(シール部材7
2)の4カ所だけであり、シリンダ装置21のシール性
を向上できる。
に、シリンダ41のチルト室42内面に外周部を摺接す
るだけで上下動するものであり、その組立性、摺動性が
良く、チルト動作性を向上できる。
筒構造とすることにより、内パイプ41Aと外パイプ4
1Bの結合によりこの二重筒構造を形成し、それらの両
パイプ41A、41B間の間隙を第1トリム室32Aと
第1チルト室42Aとの連通路46として用いることが
できる。これにより、シリンダ装置21の構成を極めて
簡易にできる。
ク25と切替弁付き流路26を、シリンダ装置21のハ
ウジング31に内蔵することにより、作動油給排装置2
2とシリンダ装置21との連絡流路を外部に露出するこ
とがなく、前記と相まってトリム・チルト装置20の
全ての露出配管をなくすことができる。
に一体に組み付けるものとなり、シリンダ装置21のハ
ウジング31とピストンロッド61とを船体11と船舶
推進機10とに連結することのみにより、作動油給排装
置22の取付けも同時完了となる。
内に内蔵されて第1トリム室と第1チルト室とを連通す
る連通路を、シリンダの肉厚内に設けた孔状連通路にて
構成しても良い。このとき、シリンダを鋳物にて形成
し、孔状連通路を鋳造するものであっても良く、シリン
ダをパイプにて形成し、孔状連通路をパイプの肉厚内に
穿設するものであっても良い。
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
機用トリム・チルト装置において、シリンダ装置のシリ
ンダを作動油給排装置のタンクにより覆うに際し、水中
障害物等の衝突に伴うシリンダの移動による、タンクの
異常加圧を回避することができる。
る。
排装置の組み込み状態を示す模式図である。
式図である。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 船体と、この船体に傾動自在に支持され
た船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給
排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制
御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進
機をトリム動作及びチルト動作させる船舶推進機用トリ
ム・チルト装置において、 前記シリンダ装置が、 船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径の
トリム室を形成するハウジングと、 ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチ
ルト室を形成するシリンダと、 ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、ト
リム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非
収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピスト
ンと、 船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダ
のチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、 シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定さ
れ、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室
と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画す
るとともに、第1チルト室の油圧が一定値以上に昇圧し
たことにより開弁して第1チルト室の作動油を第2チル
ト室に移動可能とする緩衝弁を備えてなる小径のチルト
ピストンとを有し、 上記シリンダ装置のシリンダがトリム動作域でハウジン
グから外方に突き出る部分を作動油給排装置を構成する
タンクにより覆い、かつタンクの油圧が一定値以上に昇
圧したことにより開弁してタンクの作動油を第2トリム
室にリリーフ可能とするリリーフ弁を設け、船舶推進機
にシリンダ装置を伸長させる方向への衝撃力が加わった
ことによる、シリンダの移動によるタンクの異常加圧を
回避することを特徴とする船舶推進機用トリム・チルト
装置。
Priority Applications (2)
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